以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
図1は、一実施形態に係る車両用情報通信システムの概略を示す。本実施形態に係る車両用情報通信システム100は、車載情報装置(CMU:Connectivity Master Unit)10と、携帯端末20(DTU:Data Transfer Unit)と、センター装置30とを含む。このうち車載情報装置10および携帯端末20は車両101の車内に配置され、センター装置30は車外(遠隔地)に配置される。
車両101は、内燃機関エンジン、ハイブリッドエンジン、電動モーターなどの原動機の動力により走行する自動車であり、典型的には乗用車である。
車載情報装置10は、車両101のダッシュボードあるいはセンターコンソールに配置される車載装置である。車載情報装置10は、タッチパネル機能を有する小型表示装置(図示せず)を備えており、タッチ操作によりカーナビゲーション、車載AV装置、車内空調、車両設定などの各種操作を行うことができるようになっている。
また、車載情報装置10は、車両101の車両情報を収集する機能を有する。ここでいう車両情報とは、車両101の各種車載機器から得られる情報であり、車載機器が検出したそのままの未加工データ(例えば、GPS(Global Positioning System)情報や時刻情報など)のほか、車載機器において解析・加工処理された加工データ(例えば、ヒータコントロール解析データやブレーキ解析データなど)も含む。
携帯端末20は、乗車者が所持する携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ノートPCなどの携帯情報端末あるいは携帯通信機器である。携帯端末20は、車両101の車内に持ち込まれて車載情報装置10と有線および/または無線で接続される。後述するように、車載情報装置10に複数の携帯端末20を同時に接続することができる。また、一つの携帯端末20が有線および無線の二つの通信インタフェースを使用して車載情報装置10に接続することもできる。携帯端末20を車載情報装置10に接続することで、乗車者は、携帯端末20の操作を車載情報装置10側で行うことができる。例えば、携帯端末20が持つ音楽コンテンツや映像コンテンツやラジオを車載情報装置10で操作して車載AV装置で再生したり、ショートメッセージを車載情報装置10で見たり、車載情報装置10を使ってハンズフリー通話をしたりすることができる。
携帯端末20は、3G、LTE(Long Term Evolution)、GSM(Global System for Mobile communication)などのキャリア通信機能を有している。携帯端末20において専用のアプリ(アプリケーションプログラム)を起動することにより、携帯端末20は、車載情報装置10から車両情報を受けて、当該車両情報を電気通信回線102を介して無線通信によりセンター装置30に転送する送信機として機能する。
電気通信回線102は、3G、LTE、GSMなどの電気通信事業者(通信キャリア)が提供する公衆移動体通信網、インターネット、WAN(Wide Area Network)、およびLAN(Local Area Network)などを含む。
センター装置30は、携帯端末20から転送される車両情報を電気通信回線102を経由して受信し、受信した車両情報を蓄積および解析・加工する装置である。例えば、センター装置30は、複数のサーバーから構成される。電気通信回線102側の末端にはバックエンドサーバー30Aが配置される。バックエンドサーバー30Aは、主に通信プラットフォームとして機能し、携帯端末20から転送される車両情報を受信してそれを蓄積する。バックエンドサーバー30Aは、WANやLANなどを通じてリージョンサーバー30Bなどのさらに別のサーバーに接続されている。リージョンサーバー30Bは、バックエンドサーバー30Aの蓄積情報を適宜読み出して解析・加工する。リージョンサーバー30Bにより解析・加工された情報は車両101のメンテナンスや付加価値の高いサービス提供に活用される。
上記のように、本実施形態に係る車両用情報通信システム100では、車両101に車載された専用の通信機器ではなく車両101の乗車者が所持するスマートフォンなどの汎用の携帯端末を利用して車両情報をセンター装置30に転送する。
次に、車両101の車載システムの構成例について説明する。図2は、一例に係る車載システムの構成を示す。
車両101には、エンジンを含むパワートレインの動作を制御するPCM(Powertrain Control Module)41、変速機の制御を行うTCM(Transmission Control Module)42、ワイパー、ドアロック、ルームライト、ウィンカー、テールランプ、キーレス、セキュリティなどの電装品を制御するBCM(Body Control Module)43、車輪のスリップなどを防止して車両の走行安定性を保つようにエンジントルクの制御を行うDSC(Dynamic Stability Control)44などのさまざまな電子制御モジュール(ECM:Electronic Control Module)が車載されている。これら車載機器は、CAN(Controller Area Network)などの車載バス50に接続されている。
車載情報装置10も車載バス50に接続されている。具体的には、車載情報装置10は、情報収集部11、CPU(Central Processing Unit)12、メモリ13、および通信インタフェース(I/F)14Aおよび14Bを備えている。これら構成要素は内部バス18に接続されている。
情報収集部11は、上記の各種車載機器から車両情報を収集するモジュールである。情報収集部11は、CANバスインタフェースなどの車載バス50に接続するためのインタフェースを介して車載バス50に接続される。
メモリ13は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリとを含む。メモリ13は、車載情報装置10を動作させるためのプログラムを保存したり(ROMやフラッシュメモリの場合)、情報収集部11が収集した車両情報を一時的に記憶したり(RAMの場合)、長期間に亘って蓄積したりする(フラッシュメモリの場合)ことができる。
通信インタフェース14Aおよび14Bは、車載情報装置10と携帯端末20とを接続するインタフェースである。通信インタフェース14Aは、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線インタフェースであり、車載情報装置10と携帯端末20とは無線201により通信する。通信インタフェース14Bは、USB(Universal Serial Bus)などの有線インタフェースであり、車載情報装置10と携帯端末20とはケーブル202で接続され、ケーブル202を通じて通信する。
通信インタフェース14Aおよび14Bのすべてを用いて複数の携帯端末20を車載情報装置10に同時に接続することができる。特に、通信インタフェース14Bは複数のポートを有しており、これら複数のポートに複数の携帯端末20を同時に接続することができる。図2の例では通信インタフェース14Bは二つのポートを有しており、通信インタフェース14Aと合わせて最大で3台の携帯端末20と接続することができる。
ユーザー(乗車者)は、携帯端末20を車載情報装置10からセンター装置30へ車両情報を送信する送信機として機能させるにあたって、車両情報の通信に係る車内外の通信環境を任意に設定することができる。図3は、携帯端末20の車内通信および車外通信の環境設定画面を示す。例えば、車内通信として、ブルートゥースおよびUSBのそれぞれについて使用の可否を設定することができる。また、車外通信として、キャリア通信およびWi−Fi通信のそれぞれについて使用の可否を設定することができる。
図2へ戻り、CPU12は、メモリ13に格納されたプログラムに従って車載情報装置10の全体的な動作を制御する。例えば、CPU12は、情報収集部11が車載機器から車両情報を収集し、収集した情報を必要に応じて解析・加工して所定のデータ構造を有する電子ファイルを生成する。生成された電子ファイルはメモリ13に保存される。
CPU12は、情報種別に応じて複数の電子ファイル、例えば、走行距離および燃費の累積データを保持するファイル(便宜上、ファイルAとする);1ドライブ(イグニッションオンからオフまでの期間)の走行時間、走行距離、燃費、イグニッションオフの場所および時刻を保持するファイル(便宜上、ファイルBとする);ワーニングランプ点灯情報、車両系故障コード、およびワーニングランプ点灯の前後数秒間の車両状態情報を保持するファイル(便宜上、ファイルCとする);インジケータランプ点灯情報およびインジケータランプ点灯の前後数秒間の車両状態情報を保持するファイル(便宜上、ファイルDとする)などを生成する。ファイルの生成タイミングは、例えば、ファイルAおよびファイルBがイグニッションオフ時であり、ファイルCがワーニングランプ点灯時であり、ファイルDがABS(Antilock Brake System)などの安全デバイスの作動時である。なお、ファイルAおよびファイルBは特許請求の範囲にいう「ドライブ情報」の一例であり、ファイルCおよびファイルDは「故障情報」の一例である。
また、CPU12は、所定のタイミングでメモリ13からファイルを読み出して、通信インタフェース14Aおよび14Bのうち通信環境設定で使用可能に設定されている方のインタフェースを介して携帯端末20にファイルを転送する。携帯端末20は、転送されたファイルを電気通信回線102を介してセンター装置30に転送する。CPU12によるファイルの読み出しおよび送信タイミングは、例えば、ファイルAおよびファイルBがイグニッションオフ時であり、ファイルCおよびファイルDがファイル生成後すぐである。
図4は、車載情報装置10、携帯端末20、およびセンター装置30間での車両情報の転送手順を示すシーケンス図である。同図を参照しながら、車載情報装置10、携帯端末20、およびセンター装置30間での車両情報の転送手順について説明する。なお、携帯端末20は、通信インタフェース14Aまたは14Bに接続されて車載情報装置10と通信できる状態にあり、また、電気通信回線102を介してセンター装置30と通信できる状態にあるものとする。
車載情報装置10において車両情報を格納するファイルが生成され、当該ファイルをセンター装置30に送信すべきトリガーが生じると、車載情報装置10は、携帯端末20に対して接続要求をする(S11)。携帯端末20は、当該接続要求を受けると自機が車載情報装置10と接続できる状態にあるか否かを確認して、接続できる状態にあれば車載情報装置10に対して接続許可を出す(S21)。
車載情報装置10は、当該接続許可を受けると携帯端末20に対してファイルの転送要求をする(S12)。携帯端末20は、当該転送要求を受けると車載情報装置10に対してファイルの転送許可を出す(S22)。車載情報装置10は、当該転送許可を受けると、通信インタフェース14Aまたは14Bを介して携帯端末20に、車両情報を格納したファイルを転送する(S13)。
携帯端末20は、車載情報装置10からファイルを受信し、車載情報装置10に受信結果を通知する(S23)。続けて、携帯端末20は、当該受信したファイルを、電気通信回線102を介してセンター装置30に転送する(S24)。
センター装置30は、携帯端末20からファイルを受信し、携帯端末20に受信結果を通知する(S31)。携帯端末20は、携帯端末20から通知された受信結果に基づいて、センター装置30にファイルが転送できたか否かのエラー判定を行う(S25)。
もしセンター装置30にファイルが正しく転送できていなければ、携帯端末20は、車載情報装置10に対してファイルの再送要求をする(S26)。車載情報装置10は、当該再送要求を受けると、通信インタフェース14Aまたは14Bを介して再び携帯端末20に、車両情報を格納したファイルを転送する(S13)。
一方、もしセンター装置30にファイルが正しく転送できたならば、センター装置30は、当該受信したファイルに格納された車両情報を蓄積し、また、解析・加工を行う(S32)。また、携帯端末20は、車載情報装置10に対して転送に成功したファイルの削除要求をする(S27)。
車載情報装置10は、当該削除要求を受けると、携帯端末20を経由してセンター装置30への転送に成功したファイルを削除する(S14)。続けて、車載情報装置10は、携帯端末20に対して転送に成功したファイルをファイルリストから削除する要求をする(S15)。
携帯端末20は、車載情報装置10から受信してセンター装置30へ転送すべきファイルをファイルリストで管理している。携帯端末20は、当該削除要求を受けると、センター装置30に転送したファイルのファイル名をファイルリストから削除する(S28)。このように、ファイルリストを利用することで、センター装置30に転送が完了したファイルが車載情報装置10のメモリ13から削除されたか否かを携帯端末20側で把握することができる。
上記の手順により、車両101の乗車者が車内に持ち込んだ携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ノートPCなどの携帯端末20を、車載情報装置10からセンター装置30へ車両情報を送信する送信機として機能させることができる。
ところで、携帯端末20は車両情報の専用送信機ではないため、例えば専用アプリが起動されていなかったり、バッテリー切れで動作しなかったり、そもそも車内に持ち込まれていなければ、携帯端末20はセンター装置30に車両情報を転送することができない。そのような携帯端末20に起因する車両情報転送不能の状態が続くと、車両101に故障が発生しても、センター装置30は、車両情報を受信しないため車両101の異常なしと判定してしまう。そのような誤判定をなくすために、センター装置30において次のような車両異常判定処理を行う。
図5は、センター装置30における車両異常判定処理のフローチャートである。センター装置30は、受信した車両情報を図略のバッファに一時的に保存する(S301)。センター装置30は、所定のインターバル(例えば、10分)で当該バッファを確認して車両情報を受信したか否かを判断することができる。すなわち、センター装置30は、図略のタイマーから所定のインターバルでトリガーが発せられるまでは(S302でNO)、受信した車両情報をバッファに保存し、トリガーが発せられると(S302でYES)、バッファを参照して、ドライブファイルを受信したか否かを確認する(S303)。なお、ドライブファイルは、上述のファイルA(走行距離および燃費の累積データを保持するファイル)やファイルB(1ドライブの走行時間、走行距離、燃費、イグニッションオフの場所および時刻を保持するファイル)などである。
もしドライブファイルを受信していたならば(S303でYES)、センター装置30は、当該ドライブファイルから走行距離、走行時間、燃費などのドライブ情報を抽出し、車両101の車両識別番号(VIN:Vehicle Identification Number)などとともに当該ドライブ情報を図略のデータベースに登録する(S304)。
一方、もしドライブファイルを受信していなければ(S303でNO)、センター装置30は、前回のドライブファイル受信から所定期間が経過しているか否かを判定する(S305)。当該所定期間は、上記のインターバルよりも十分に長い期間であり、例えば、数日間である。前回のドライブファイル受信からの経過時間は、例えば、前回のドライブファイルの受信日時と現日時との差分から得ることができる。
もし前回のドライブファイル受信から所定期間が経過していれば(S305でYES)、車両101が長期間使用されていないことが考えられる一方で、車両101は使用されているが車両101の異常または通信系統(CMU10における通信インタフェース14A,14Bや携帯端末20を含む部分)の異常によりセンター装置30に車両情報を転送できなくなっているということも想定される。そこで、センター装置30は、前回のドライブファイル受信から所定期間が経過している場合にはワーストケースを考慮して、車両101の異常または通信系統の異常の可能性ありと判定し、ディーラーにその旨を通知する(S306)。当該通知を受けたディーラーは、車両101のオーナーに連絡するなどして車両101または通信系統に異常があるか否かを確認することができる。なお、センター装置30は、車両101のオーナーに車両101の異常または通信系統の異常の可能性を直接通知するようにしてもよい。
ドライブ情報をデータベースに登録した後、または、前回のドライブファイル受信から所定期間が経過していない場合(S305でNO)、センター装置30は、バッファを参照して、故障ファイルを受信したか否かを確認する(S307)。なお、故障ファイルは、上述のファイルC(ワーニングランプ点灯情報、車両系故障コード、およびワーニングランプ点灯の前後数秒間の車両状態情報を保持するファイル)やファイルD(インジケータランプ点灯情報およびインジケータランプ点灯の前後数秒間の車両状態情報を保持するファイル)などである。
もし故障ファイルを受信していたならば(S307でYES)、センター装置30は、当該故障ファイルから故障情報を抽出し、車両101の車両識別番号などとともに当該故障情報を図略のデータベースに登録する(S308)。さらに、センター装置30は、データベースに登録された故障履歴を参照して、車両101に故障が発生しているか否かを判定する(S309)。例えば、車両101のある部位の故障情報が何度も報告される場合には、その部位が故障していると判断することができる。一方、車両101のある部位から1度だけ故障情報が報告されその後は故障情報が報告されない場合には、その部位は自然回復して現在正常であると判断することができる。
センター装置30は、故障判定の結果、車両101に故障が発生していると判定した場合(S309でYES)、ディーラーに車両故障を通知する(S310)。当該車両故障の通知を受けることで、ディーラーは、車両101のオーナーに連絡するなどしてメンテナンスを案内することができる。なお、センター装置30は、車両101のオーナーに車両故障を直接通知してもよい。
一方、故障ファイルを受信していない場合(S307でNO)、または、車両101に故障が発生していないと判定した場合(S309でNO)、車両異常判定処理を終了し、次のタイマートリガーが発生するまで、受信した車両情報のバッファリングを行う。
なお、上述した所定期間は、固定値でもよいし、過去のドライブファイルの受信状況に応じて増減させてもよい。ドライブファイルの受信間隔が短い場合、車両101は比較的よく使用され、逆にドライブファイルの受信間隔が長い場合、車両101はあまり使用されないといえる。したがって、例えば、直近の複数回のドライブファイルの受信間隔の平均値を算出し、当該平均値の所定数倍(例えば、平均受信間隔の500%)を所定期間としてその都度設定するようにしてもよい。これにより、上記の車両異常判定処理に車両101の使用頻度を反映させて、より高精度な車両異常判定を行うことができる。
次に、車載情報装置10で生成された車両情報を携帯端末20を介してセンター装置30へ転送する場合に想定されるさまざまなシチュエーションを例示し、シチュエーションごとに車両異常判定例を説明する。
図6は、車両101および通信系統がともに正常の場合の一例に係るタイミングチャートである。車両101および通信系統がともに正常であれば、車載情報装置10において1ドライブごとにドライブファイルが生成されて携帯端末20に転送され、携帯端末20は転送されたドライブファイルをセンター装置30に転送する。したがって、センター装置30は、あるドライブファイルを受信してから所定期間以内に次の新たなドライブファイルを受信するため、車両101および通信系統ともに異常なしと判定することができる。
図7は、車両101および通信系統がともに正常の場合の別例に係るタイミングチャートである。車両101が正常であっても偶発的に故障ファイルが生成されることがある。図6と同様に、センター装置30は、あるドライブファイルを受信してから所定期間以内に次の新たなドライブファイルを受信するが、そのように偶発的に生成された故障ファイルを受信することがある。しかし、センター装置30は、偶発的な故障ファイルを受信しても直ちに車両101に異常があるとは判定しない(図5の判定フローにおけるステップS309でNO)。この場合、センター装置30は、車両101および通信系統ともに異常なしと判定した上で、同じ故障情報が再度報告されるかどうか経過観察してもよい。
図8は、車両101が異常で通信系統が正常の場合の一例に係るタイミングチャートである。車両101に故障が発生しているため、故障ファイルが頻繁に生成されてセンター装置30に転送される。この場合、センター装置30は、車両101に故障が発生していると判定し(図5の判定フローにおけるステップS309でYES)、ディーラーなどに車両故障を通知する。
図9は、車両101が正常で通信系統が異常の場合の一例に係るタイミングチャートである。車載情報装置10は、1ドライブごとにドライブファイルを生成して携帯端末20にドライブファイルを転送しようとするが、通信系統の異常により、車載情報装置10から携帯端末20にドライブファイルを転送できない、あるいは携帯端末20がドライブファイルを受けてもセンター装置30にドライブファイルを転送できないため、センター装置30は、ドライブファイルを受信しない。このような状態が長く続いて、あるドライブファイルを受信してから所定期間以内に次の新たなドライブファイルを受信できなかった場合、センター装置30は、車両101または通信系統の異常の可能性ありと判定し(図5の判定フローにおけるステップS305でYES)、ディーラーなどにその旨を通知する。
図10は、車両101および通信系統がともに異常の場合の一例に係るタイミングチャートである。車両101に故障が発生しているため、車載情報装置10は故障ファイルを頻繁に生成して携帯端末20に故障ファイルを転送しようとするが、通信系統の異常により、車載情報装置10から携帯端末20にドライブファイルも故障ファイルも転送できない、あるいは携帯端末20がドライブファイルおよび故障ファイルを受けてもセンター装置30にドライブファイルおよび故障ファイルを転送できないため、センター装置30は、ドライブファイルも故障ファイルも受信しない。このような状態が長く続いて、あるドライブファイルを受信してから所定期間以内に次の新たなドライブファイルを受信できなかった場合、センター装置30は、車両101または通信系統の異常の可能性ありと判定し(図5の判定フローにおけるステップS305でYES)、ディーラーなどにその旨を通知する。
図9と図10を比較すると、図9のシチュエーションでは車両101は正常であるから急ぎメンテナンスする必要はないが、図10のシチュエーションでは車両101は異常であるからできるだけ早めにメンテナンスする必要がある。しかし、センター装置30は、図9と図10のシチュエーションの違いを区別することができないため、ワーストケースを考慮して、いずれのシチュエーションでも車両101の異常または通信系統の異常の可能性ありと判定してディーラーなどにその旨を通知する。
図11は、車両101が正常で携帯端末20の持ち込み忘れまたは非動作の場合の一例に係るタイミングチャートである。車載情報装置10において1ドライブごとにドライブファイルが生成されて携帯端末20に転送され、携帯端末20は転送されたドライブファイルをセンター装置30に転送する。ここで、携帯端末20を車内に持ち込むのを忘れたり、バッテリー切れや専用アプリを起動していないなどの場合には擬似的な通信系統の異常となり、車載情報装置10から携帯端末20にドライブファイルを転送できない、あるいは携帯端末20がドライブファイルを受けてもセンター装置30にドライブファイルを転送できないため、センター装置30は、ドライブファイルを受信しない。しかし、擬似的な通信系統の異常がそのうち回復すると、センター装置30は、あるドライブファイルを受信してから所定期間以内に次の新たなドライブファイルを受信するため、車両101および通信系統ともに異常なしと判定することができる。
図12は、車両101が異常で携帯端末20の持ち込み忘れまたは非動作の場合の一例に係るタイミングチャートである。車両101に故障が発生しているため、車載情報装置10は故障ファイルを頻繁に生成して携帯端末20に故障ファイルを転送しようとするが、擬似的な通信系統の異常のため、車載情報装置10から携帯端末20にドライブファイルも故障ファイルも転送できない、あるいは携帯端末20がドライブファイルおよび故障ファイルを受けてもセンター装置30にドライブファイルおよび故障ファイルを転送できない。しかし、擬似的な通信系統の異常がそのうち回復すると、センター装置30は、あるドライブファイルを受信してから所定期間以内に故障ファイルを受信する。このように、前回のドライブ情報を受信してから次の新たなドライブ情報を受信できない状態が一定期間以上続いた後に故障ファイルを受信した場合、擬似的な通信系統の異常が発生しており、その間に故障ファイルの受信漏れがあった蓋然性が高いと考えられる。したがって、そのような場合には、センター装置30は、車両101の故障の可能性ありと判定してその旨をディーラーなどに通知してもよい。
図13は、車両101が長期間不使用または廃車の場合の一例に係るタイミングチャートである。車両101が長期間使用されないまたは廃車された場合には、ドライブファイルは生成されず、センター装置30には車両情報が何も送信されない。すなわち、あるドライブファイルを受信してから所定期間以内に次の新たなドライブファイルを受信できないこととなる。しかし、センター装置30は、それが車両101や通信系統の異常に起因するものなのか、あるいは車両101が長期間使用されないまたは廃車されたことに起因するものなのか区別できないため、ワーストケースを考慮して、車両101または通信系統の異常の可能性ありと判定し(図5の判定フローにおけるステップS305でYES)、ディーラーなどにその旨を通知する。すなわち、センター装置30は、図9および図10のシチュエーションと同じ故障判定をする。
上記の通り、本実施形態によると、携帯電話機やスマートフォンなどの携帯端末20を車両情報の送信機として使用する車両用情報通信システム100において車内への携帯端末20の持ち込み忘れなどで車両情報が送信できなくなっても車両101の異常の可能性を判定することができる。
以上のように、本発明における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本発明における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。