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JP6429000B2 - ホース接続体の製造方法 - Google Patents
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本発明は、銅管の先端部に凹凸形状を有するニップル部が形成されたホース接続用銅管、および当該ホース接続用銅管にソケットを用いてホースを接続したホース接続体に関する。
銅管に限定されない、ホース接続用の金属管としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この金属管の先端部には、その外周面にホースを強固に取り付けるため、凹凸形状を有するニップル部(インサート部)が一体形成されている。そして、ホースを金属管のニップル部に接続した状態で、接続部分をソケット(スリーブ)でかしめ固定することにより、金属管、ホースおよびソケットが一体となったホース接続体(配管継手)が構成されている。
特開2012−117558号公報
ところで、上記ホース接続体の用途が給水管や給湯管等の場合には、金属管の中では比較的腐食しにくい銅管が使用されている。しかしながら、銅は一般的に鉄やアルミニウム等と比較すると柔らかいため、銅管に特許文献1のようなニップル部を一体形成しても、十分な強度が得られずに、給水管や給湯管としての使用に耐えられなくなるおそれがある。そこで、従来は、例えば銅よりも硬い黄銅等からなるニップル部材を別途用意し、このニップル部材の一方側に銅管を、他方側にソケットを用いてホースを接続するという方法がとられていた。
しかしながら、コスト低減という観点からは、ニップル部材をなくして、銅管にニップル部を一体形成することが望ましい。これを実現するためには、銅管においてニップル部の強度を十分に確保することが重要である。ところが、特許文献1では、金属管の材料として銅を用いることが一例として記載されているものの、その場合に、銅管のニップル部の強度をいかに確保するかについては言及されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、凹凸形状を有するニップル部が形成されたホース接続用銅管において、ニップル部の強度を十分に確保することにある。
本発明は、銅管の先端部に凹凸形状を有するニップル部が形成されたホース接続用銅管であって、前記ニップル部が転造加工により形成されるとともに、前記転造加工により前記ニップル部を含む領域が全体的に縮径されていることを特徴とする。
本発明によれば、ニップル部を転造加工により形成することで、ニップル部が塑性変形を受けることになり、ニップル部の強度を高めることができる。また、切削加工と異なり、転造加工では肉厚の減少を伴わないという点でも有利である。さらに、本発明では、転造加工でニップル部を形成するのみならず、転造加工によりニップル部を含む領域を全体的に縮径させることで、ニップル部の全体にわたってさらなる強度の向上を実現することができる。以上のように、本発明にかかるホース接続用銅管によれば、ニップル部の強度を十分に確保することが可能となる。
本発明にかかるホース接続用銅管およびホース接続体の一部断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明にかかるホース接続用銅管およびホース接続体の実施形態について説明する。本発明にかかるホース接続用銅管およびホース接続体は、銅管を用いることで腐食に強いものとなっており、給水管あるいは給湯管として好適に使用することができるものであるが、他の用途に用いることももちろん可能である。
図1のa図はホース接続用銅管1を単体で示す図であり、b図はホース接続用銅管1にソケット30を取り付けた状態を示す図であり、c図はホース接続用銅管1にホース40をソケット30でかしめ固定したホース接続体100を示す図である。いずれの図も、上半分はホース接続用銅管1の軸方向に沿った断面を示し、下半分は外観を示している。
ホース接続用銅管1は、銅管10に転造加工を施すことにより、a図に示す形状に加工される。具体的には、転造ダイス(不図示)を用いて、銅管10の転造加工範囲Rに転造加工を施すことで、銅管10の先端部に凹凸形状を有するニップル部11が形成されるとともに、ニップル部11よりも反先端側(図1において左側)の外周面に環状の係合溝15が形成される。
また、転造加工の際には、銅管10の転造加工範囲Rが転造ダイスによって径方向中心に向かって押圧されることにより、転造加工範囲Rが全体にわたって縮径し、銅管10の素管部分(転造加工範囲Rよりも反先端側の部分)よりも外径が小さくなる。換言すると、転造加工により、ニップル部11および係合溝15を含む銅管10の軸方向領域(転造加工範囲R)が全体的に縮径している。
ニップル部11は、全部で6つの環状溝12、13と、その間に形成される環状凸部14とを有する凹凸形状となっている。このうち5つの環状溝12は、後述するかしめ固定の際にホース40を食い込ませることにより、ホース40が抜けることを防止するための溝である。一方、先端側から数えて2番目に位置する環状溝13は、Oリング20(b図参照)を装着するための溝である。ただし、ニップル部11の具体構成はこれに限定されず、環状溝12、13および環状凸部14の数や寸法を変更してもよい。なお、図1のb図およびc図においては、図が煩雑となることを避けるため、環状凸部14の符号の記載を省略している。
ニップル部11よりも反先端側に形成される係合溝15は、b図に示すように、かしめ固定に用いられるソケット30の端部を嵌め込んで位置決めするための溝である。ソケット30は円筒形状を有しており、その一端部は、軸方向から見て中央に開口を有するドーナツ形状の係合部31となっている。係合部31の開口からホース接続用銅管1をソケット30内に挿入し、係合部31の内周縁を係合溝15に嵌め込むことにより、ソケット30がホース接続用銅管1に対して位置決めされる。
ソケット30の係合部31を係合溝15に嵌め込むともに、Oリング20を環状溝13に取り付けた状態で、ホース40(c図参照)がニップル部11に外嵌される。続いて、ホース40をニップル部11に押し付けるように、かしめ治具(不図示)を用いて、ソケット30に軸方向3ヶ所のかしめ部32を形成することで、ホース40がホース接続用銅管1に対してかしめ固定される。なお、かしめの際にホース接続用銅管1が大きく変形することを抑制するため、ホース接続用銅管1の内部に鉄等の中芯(不図示)を挿入した状態で、ソケット30がかしめられる。
こうして、c図に示すように、ソケット30によりホース40がホース接続用銅管1にかしめ固定されたホース接続体100が作製される。本実施形態では、軸方向3ヶ所のかしめ部32を、いずれもニップル部11に向かい合う位置としている。こうすることで、各かしめ部32により、ホース40がニップル部11の環状溝12に強く押し込まれ、ホース40が抜けにくいものとなるので好適である。なお、何ヶ所でソケット30をかしめるか、どの位置でソケット30をかしめるかは自由に設定することができる。ただし、ホース40の抜け止めという観点からは、少なくとも1つのかしめ部32がニップル部11に向かい合う位置に形成されているのが好ましい。
ここで、ホース接続体100を作製する際には、上述したように、ホース接続用銅管1に不図示の中芯を挿入した状態でソケット30がかしめられる。このとき、中芯はホース接続用銅管1の内径よりも一回り小さいため、ホース接続用銅管1の内周面と中芯の外周面との間には多少の隙間が存在する。そのため、中芯を挿入した状態でソケット30をかしめたとしても、かしめ圧力によりニップル部11が若干変形することになる。
具体的には、本実施形態のように軸方向3ヶ所のかしめ部32でかしめた場合には、かしめ圧力が最も作用しやすい真ん中のかしめ部32に対向する中央部16付近が径方向内側に凹むように、ニップル部11が変形する。一方、ニップル部11の先端部17では、作用するかしめ圧力が中央部16よりも小さく、しかも自由端となっているため、径方向への変形だけでなく軸方向への変形も可能となっている。このため、先端部17における径方向の変形は中央部16から離れるほど小さくなる。その結果、先端部17は、先端側に向かうほど外径が大きくなる。ただし、先端部17の外径は、ソケット30の外側の転造(縮径)ストレート部18の外径以下となっている。なお、先端部17は、その傾きが一定でもよいし、湾曲形状であってもよい。以降、先端部17を「抜止部17」と称する。
ニップル部11の先端部に抜止部17が形成されることで、ホース40が抜け方向に移動しにくくなり、ホース40の抜け止め効果をさらに向上させることができる。なお、このような抜止部17が形成されるのは、銅が比較的柔らかく変形しやすい素材であるが故である。つまり、ニップル部11が硬すぎると、そもそも中央部16が凹むような変形が生じにくく、先端側に向かうほど拡径する抜止部17を適切に得ることができない。かと言って、ニップル部11が柔らかすぎると、強度が不十分となり、給水管や給湯管としての機能を果たさなくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、銅管10の肉厚を0.6〜1.0mm程度、より好ましくは0.7〜0.8mm程度とすることで、ほかの対策と併せて必要な強度を確保するとともに、銅の柔らかさを利用して抜止部17を容易に形成できるものとしている。
(性能試験)
以上のように構成されたホース接続体100が、給水ホースとして十分な性能を具備しているか否かを検証するため、各種の性能試験を実施した。比較例として、黄銅製のニップル部材を別部材として用意し、ニップル部材の一端側に銅管を、他端側にソケットを用いてホースを接続した、従来のホース接続体を挙げている。なお、比較例に用いられる銅管、ホースおよびソケットは、本発明の実施例に用いられるものと同じものである。
本発明の実施例および比較例の主な仕様を表1に示す。硬度については、実施例の未加工部の硬度と比較例の硬度との比較から明らかなように、本来、銅は黄銅よりも硬度がかなり小さい。ただし、銅管に対して転造加工を施すことにより、黄銅には依然として及ばないものの、大幅に硬度が上昇しており、転造加工で形成されたニップル部は十分な強度を有していると推測される。また、転造加工の際に大きく塑性変形を受けている実施例の環状溝12の硬度と比較して、環状凸部14(図1のa図参照)の硬度はわずかに(10HV程度)小さい。この硬度の違いにより、かしめ固定時の変形にもわずかな違いが生じて、抜止部17をより容易に滑らかに形成することができる。なお、本実施例における銅管10の寸法は、外径が9.52mm、肉厚が0.7mmである。
表2に各性能試験の試験条件、目標性能、試験結果を示す。
水圧試験は、ホース接続体に常温水を注入し、5分間、1.72MPaの圧力を付与した状態で水漏れがないかどうかを試験するものである。実施例で3回の試験を行ったところ、いずれの試験においても、水漏れは見られず、比較例と同等の性能を有することが示された。
破裂試験は、ホース接続体に常温水を注入し、5分間、2.94MPaの圧力を付与した状態で水漏れがないかどうかを試験するものである。実施例で3回の試験を行ったところ、いずれの試験においても、水漏れは見られず、比較例と同等の性能を有することが示された。さらに、ホース接続体が破裂する圧力を測定したところ、実施例では3回の試験のいずれにおいても、比較例と同等の破裂強度を有することが示された。
引張試験は、ホース接続体を981Nで引っ張った状態を5分間継続した後、上述の水圧試験を行って、水漏れがないかどうかを調べるものである。この試験においても、実施例では異常が見られず、比較例と同等の性能を有することが示された。
耐久試験は、ホース接続体に常温水を注入し、その圧力を0MPaと1.72MPaとの間で10万回繰り返すことに耐え得るか否かを調べる試験である。実施例では、10万回を大幅に超える50万回まで繰り返し加圧を行っても水漏れは発生せず、比較例と同等の性能を有することが示された。
以上の試験結果から、本実施形態のホース接続体100によれば、銅よりも硬い黄銅のニップル部材を用いた比較例と同等の性能を確保できることが示された。つまり、ニップル部11を一体形成したホース接続用銅管1を用いることで、部品点数削減およびコスト低減を実現しつつ、従来品に劣らないホース接続体100を提供できることが示された。
(効果)
以上のように、本実施形態によれば、ホース接続用銅管1のニップル部11を転造加工により形成することで、ニップル部11が塑性変形を受けることになり、ニップル部11の強度を向上させることができる。また、切削加工と異なり、転造加工では肉厚の減少を伴わないという点でも有利である。さらに、ホース接続用銅管1では、転造加工でニップル部11を形成するのみならず、転造加工によりニップル部11を含む軸方向領域を全体的に縮径させることで、ニップル部11の全体にわたってさらなる強度の向上を実現することができる。以上のように、本実施形態のホース接続用銅管1によれば、ニップル部11の強度を十分に確保することが可能となる。また、ニップル部11を形成する際の転造加工と同時に銅管10を縮径させているので、加工工程を増加させることなく強度向上が図れるという点においても好適である。
また、本実施形態のホース接続用銅管1では、転造加工により、ニップル部11に加え係合溝15も含む軸方向領域が全体的に縮径されている。このため、係合溝15付近の強度も向上させることができ、ソケット30の取り付けの際に、ホース接続用銅管1が変形してしまうことを抑えることができる。
また、本実施形態のホース接続体100では、ニップル部11の先端部に、先端側に向かうほど外径が大きくなる抜止部17が形成されている。このため、ホース接続用銅管1にかしめ固定されたホース40が、ニップル部11から抜けてしまうことを、効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のホース接続体100では、抜止部17の外周面にOリング20(環状のシール部材)が設けられている。このように、ニップル部11の中央部16よりも外径が大きくなる抜止部17にOリング20を設けることにより、Oリング20がニップル部11とホース40との間で、より圧縮された状態となり、シール効果を向上させることができる。また、ニップル部11の先端部に形成されている抜止部17にOリング20を設けることで、流体がホース接続用銅管1とホース40との間に入り込んで奥まで浸透することを防止できる。
また、ニップル部材を別に設けた従来品では、ニップル部材の一端側に銅管が接続され、他端側にホースが接続されるため、それぞれの接続部分にシール部材を設ける必要があった。しかしながら、本実施形態のホース接続用銅管1によれば、ニップル部11とホース40との接続部分にシール部材を設けるだけでよいので、シール部材の個数を削減することができるという効果もある。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上記実施形態の要素を適宜組み合わせまたは種々の変更を加えることが可能である。
1:ホース接続用銅管
10:銅管
11:ニップル部
13:環状溝
15:係合溝
17:抜止部(先端部)
20:Oリング(シール部材)
30:ソケット
31:係合部(端部)
40:ホース
100:ホース接続体

Claims (3)

  1. 転造加工により、0.6〜1.0mmの肉厚の銅管の先端部に凹凸形状を有するニップル部形成するとともに、前記銅管の前記ニップル部を含む領域全体的に縮径させる、転造工程と、
    前記ニップル部よりも反先端側の前記銅管の外周面に形成された係合溝にソケットの端部を嵌め込み、且つ、前記ニップル部にホースを外嵌するホース接続工程と、
    前記ニップル部に外嵌された前記ホースを前記ニップル部に押し付けるように、前記ソケットにかしめ部を形成することで、前記ホースを前記銅管にかしめ固定する、かしめ工程と、
    を備え、
    前記かしめ工程により、前記ニップル部の先端部に、先端側に向かうほど外径が大きくなる、前記凹凸形状を有する抜止部を形成する、
    ことを特徴とするホース接続体の製造方法。
  2. 記転造工程おいて、前記ニップル部に加え前記係合溝も含む領域全体的に縮径させることを特徴とする請求項1に記載のホース接続体の製造方法
  3. 前記ホース接続工程において、前記かしめ工程により前記抜止部が形成される部分の外周面であって、前記転造工程により形成された前記凹凸形状を構成する環状溝に、前記ニップル部に前記ホースを外嵌する前に環状のシール部材を取り付けることを特徴とする請求項1または2に記載のホース接続体の製造方法
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