JP6436809B2 - フレキシブル回路基板及び電子機器 - Google Patents
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Description
a)前記ポリイミド絶縁層(A)の厚みが10〜14μmの範囲内であること;
b)前記回路配線層(B)を構成する銅配線の厚みが10〜14μmの範囲内であり、かつ前記銅配線のキューブ比率が85%以上であること;
及び、
c)前記カバーレイ(C)を内側にして折り曲げるときの等価曲げ剛性が0.03〜0.04N・m2の範囲内であること;
を有することを特徴とする。
<フレキシブル回路基板>
本実施の形態のフレキシブル回路基板は、ポリイミド絶縁層(A)と、ポリイミド絶縁層(A)の片面又は両面に設けられた回路配線層(B)と、回路配線層(B)に積層されたカバーレイ(C)と、を備えている。このフレキシブル回路基板は、例えば、ポリイミド絶縁層と銅箔層とを備えたフレキシブル銅張積層板の銅箔層をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成し、カバーレイを張り付けることによって作製される。なお、フレキシブル回路基板において、ポリイミド絶縁層(A)の両面に回路配線層(B)が設けられている場合は、折り曲げたときに内側になる回路配線層が、後述する構成bを具備していればよい。この場合、折り曲げたときに内側になる回路配線層を覆うカバーレイが、後述する構成cのカバーレイ(C)に該当する。
ポリイミド絶縁層(A)は、その厚みが10〜14μmの範囲内である(構成a)。ポリイミド絶縁層(A)の厚みが10μm未満では、フレキシブル回路基板の等価曲げ剛性が低下し、その耐はぜ折り性が低下することとなり、14μmを超えると、フレキシブル回路基板を折り曲げた際に銅配線に、より応力が加わることとなり、その耐はぜ折り性を低下させてしまう傾向となる。
本実施の形態のフレキシブル回路基板において、回路配線層(B)は、例えば銅箔を原料とする銅配線により構成される。回路配線層(B)を構成する銅配線の厚みは、10〜14μmの範囲内であり、かつ銅配線のキューブ比率は85%以上である(構成b)。回路配線層(B)を構成する銅配線の厚みが10μm未満では、銅張積層板の剛性が低下し、フレキシブル回路基板を製造する際のハンドリングが悪化する傾向となり、14μmを超えるとフレキシブル回路基板を折り曲げた際に銅配線に加わる応力が大きくなることによって耐はぜ折り性が低下する傾向となる。また、回路配線層(B)を構成する銅配線のキューブ比率が85%未満では、銅配線の結晶粒毎の異方性が高くなり、折り曲げ時に微視的な応力集中が発生することで耐はぜ折り性が低下する傾向となる。
本実施の形態のフレキシブル回路基板において、カバーレイ(C)は、厚みが27.5μmであり、弾性率が2.0〜3.5GPaの範囲内のものを用いることが好ましい。このようなカバーレイ(C)としては、市販品を用いることができる。その具体例としては、有沢製作所社製、CEA0515(商品名)などが挙げられる。
本実施の形態のフレキシブル回路基板は、その全体の厚み[つまり、ポリイミド絶縁層(A)と回路配線層(B)とカバーレイ(C)の合計の厚み]が41〜50μmの範囲内が良い。フレキシブル回路基板の全体の厚みが41μm未満では、フレキシブル回路基板の等価曲げ剛性が低下し、その耐はぜ折り性が低下する傾向となり、50μmを超えると、フレキシブル回路基板を折り曲げた際に銅配線に、より応力が加わることとなり、その耐はぜ折り性が低下することがある。
本実施の形態のフレキシブル回路基板は、カバーレイ(C)を内側にして折り曲げるときの等価曲げ剛性は、例えば0.03〜0.05N・m2の範囲内である(構成c)。等価曲げ剛性は、0.03〜0.04N・m2の範囲内が好ましい。フレキシブル回路基板の等価曲げ剛性が、上記範囲から外れると耐はぜ折り性が低下する。
ここで、第1層の下面を基準面SPとする。以下、基準面SPが図7おける下側に凸形状になるように積層体を屈曲させる場合について考える。図7において、符号NPは積層体の中立面を表している。ここで、中立面NPと基準面SPとの距離を中立面位置[NP]とし、この中立面位置[NP]を、配線部とスペース部とで別々に計算する。中立面位置[NP]は、次の式(1)によって算出される。
フレキシブル回路基板全体の曲げ剛性である等価曲げ剛性[BR]は、次の式(2)によって算出される。
+BSpace{Σi=1 nEi(ai 3−bi 3)/3}Space …(2)
本実施の形態のフレキシブル回路基板を製造するために用いるフレキシブル銅張積層板は、例えば、回路配線層(B)の原料となる銅箔の表面にポリイミド前駆体樹脂溶液(ポリアミド酸溶液ともいう。)を塗工し、次いで、乾燥、硬化させる熱処理工程を経て製造することができる。熱処理工程における熱処理は、塗工されたポリアミド酸溶液を160℃未満の温度でポリアミド酸中の溶媒を乾燥除去した後、更に、150℃から400℃の温度範囲で段階的に昇温し、硬化させることで行なわれる。上記方法によって片面フレキシブル回路基板を得た。このようにして得られた片面フレキシブル銅張積層板を両面銅張積層板とするには、前記片面フレキシブル銅張積層板と、これとは別に準備した銅箔とを300〜400℃にて熱圧着する方法が挙げられる。
本実施の形態のフレキシブル回路基板は、フレキシブル銅張積層板の金属箔を常法によってパターン状に加工して配線層を形成後、カバーレイを貼りつけることによって製造できる。
本実施の形態のフレキシブル回路基板は、例えば0.1〜0.5mmの狭いギャップでの屈曲性能の要求が厳しい折り曲げの用途において特に効果を発揮する。すなわち、FPCに1kgの加重を加えることで180°折り曲げ、電子機器の筐体内に折り畳んで収納されて使用することが好適である。
本発明の一実施の形態に係る電子機器は、電子機器の筐体内に折り畳んで収納されるFPCを有している。電子機器は、例えばスマートフォン、タブレット端末などに代表される携帯用情報通信端末である。電子機器は、例えば金属、合成樹脂等の材質の筐体と、本実施の形態のFPCを備えている。FPCは、電子機器の筐体内に折り畳んで収納されている。電子機器は、耐折り曲げ性に優れ、接続信頼性が高いた本実施の形態のFPCを用いているため、FPCを筐体内に折り畳んで高密度に収納しても、配線回路の断線や割れが発生し難く、製品の信頼性に優れている。
引張弾性率の測定にあたり銅箔に関しては、真空オーブンを用いてフレキシブル銅張積層板の処理工程と同等の熱処理を与えた銅箔を用いた。また、ポリイミド層に関しては、フレキシブル銅張積層板をエッチングして銅箔を完全に除去したポリイミドフィルムを用いた。このようにして得られた材料を、株式会社東洋精機製作所製ストログラフR−1を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で引張弾性率の値を測定した。
セイコーインスツルメンツ製のサーモメカニカルアナライザーを使用し、250℃まで昇温し、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、240℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を求めた。
接触式表面粗さ測定機((株)小坂研究所製 SUREF CORDER ET3000)を用いて、銅箔のポリイミド絶縁層との接触面側の表面粗さを測定した。
キューブ比率は、銅箔の所定の面が結晶方位<200>に配向している面積率を表す指標である。各実施例の、銅箔の所定の面がどのような結晶方位を有するかについては、EBSD(Electron Back Scattering Diffraction)法により確認した。EBSD法は、測定対象である試料表面に収束電子ビームを照射した際に発生する個々の結晶面から回折される擬菊池線と呼ばれる回折像から結晶を解析し、方位データと測定点の位置情報から測定対象の結晶方位分布を測定する方法であり、X線回折法よりもミクロな領域の集合組織の結晶方位を解析することができる。例えば、個々の微小領域でその結晶方位を特定し、それらをつなぎあわせてマッピングすることができ、各マッピング点間の面方位の傾角(方位差)が一定値以下のものを同色で塗り分け、ほぼ同一の面方位を有する領域(結晶粒)の分布を浮かび上がらせることにより方位マッピング像を得ることができる。また、特定の面方位に対して所定の角度以内の方位を有する方位面を含めてその方位であると規定し、各面方位の存在割合を面積率、つまりキューブ比率を算出することができる。
銅張積層板の銅箔をエッチング加工し、その長手方向に沿ってライン幅100μm、スペース幅100μmにて長さが40mmの10列の銅配線51を形成した試験片(試験回路基板片)40を作製した(図1)。試験片40における銅配線51のみを表した図1に示したように、その試験片40における10列の銅配線51は、U字部52を介して全て連続して繋がっており、その両端には抵抗値測定用の電極部分(図示外)を設けている。
カバーレイBは、有沢製作所社製のカバーレイ(商品名;CMA0515、厚み;27.5μm、引張弾性率;2.6GPa)を意味する。
カバーレイCは、有沢製作所社製のカバーレイ(商品名;CEA0525、厚み;37.5μm、引張弾性率;3.3GPa)を意味する。
カバーレイDは、有沢製作所社製のカバーレイ(商品名;CMA0525、厚み;37.5μm、引張弾性率;2.3GPa)を意味する。
(合成例1)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れ、さらに、この反応容器に2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を投入して容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、ピロメリット酸二無水物(PMDA)をモノマーの投入総量が12wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸aの樹脂溶液を得た。ポリアミド酸aから形成された厚み25μmのポリイミドフィルムの熱膨張係数(CTE)は、55×10−6/Kであった。
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れ、さらに、この反応容器に2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(m-TB)を投入して容器中で攪拌しながら溶解させた。次に、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)をモノマーの投入総量が15wt%、各酸無水物のモル比率(BPDA:PMDA)が20:80となるように投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸bの樹脂溶液を得た。ポリアミド酸bから形成された厚み25μmのポリイミドフィルムの熱膨張係数(CTE)は、22×10−6/Kであった。
表1に示した特性を有し、厚さ12μmで長尺状の市販の銅箔(塗布面の表面粗さRz=0.4μm)上に、合成例1で調製したポリアミド酸aの樹脂溶液を硬化後の厚みが2.2μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、この塗布面側に合成例2で調製したポリアミド酸bの樹脂溶液を硬化後の厚みが7.6μmとなるように均一に塗布し、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、この塗布面側に第1層目で塗布したものと同じポリアミド酸aの樹脂溶液を硬化後の厚みが2.2μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。この長尺状の積層体を130℃から開始して300℃まで段階的に温度が上がるように設定した連続硬化炉にて、合計6分程度の時間をかけて熱処理することで、キューブ比率が85%以上の銅箔層を有するポリイミド樹脂層厚み12μmの片面フレキシブル銅張積層板を得た。この片面フレキシブル銅張積層板をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成後、厚み27.5μmのカバーレイAを貼り付け、フレキシブル回路基板を得た。得られたフレキシブル回路基板の等価曲げ剛性、耐はぜ折り性の評価結果を表1、表2に示す。
実施例1と同様にして、片面フレキシブル銅張積層板を得た。この片面フレキシブル銅張積層板をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成後、厚み27.5μmのカバーレイBを貼り付け、フレキシブル回路基板を得た。得られたフレキシブル回路基板の等価曲げ剛性、耐はぜ折り性の評価結果を表1及び表2に示す。
表1に示した特性を有し、厚さ12μmの銅箔を使用し、ポリイミド層の厚みが12μmの市販されている市販の銅箔と市販のポリイミドフィルムをラミネートロールで張り合わせことで製造された両面フレキシブル銅張積層板をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成後、厚み27.5μmのカバーレイAを貼り付け、フレキシブル回路基板を得た。得られたフレキシブル回路基板の等価曲げ剛性、耐はぜ折り性の評価結果を表1及び表2に示す。
比較例1と同様にして、市販の銅箔と市販のポリイミドフィルムをラミネートロールで張り合わせことで製造された両面フレキシブル銅張積層板をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成後、厚み27.5μmのカバーレイBを貼り付け、フレキシブル回路基板を得た。得られたフレキシブル回路基板の等価曲げ剛性、耐はぜ折り性の評価結果を表1及び表2に示す。
比較例1と同様にして、市販の銅箔と市販のポリイミドフィルムをラミネートロールで張り合わせことで製造された両面フレキシブル銅張積層板をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成後、厚み37.5μmのカバーレイCを貼り付け、フレキシブル回路基板を得た。得られたフレキシブル回路基板の等価曲げ剛性、耐はぜ折り性の評価結果を表1及び表2に示す。
比較例1と同様にして、市販の銅箔と市販のポリイミドフィルムをラミネートロールで張り合わせことで製造された両面フレキシブル銅張積層板をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成後、厚み37.5μmのカバーレイDを貼り付け、フレキシブル回路基板を得た。得られたフレキシブル回路基板の等価曲げ剛性、耐はぜ折り性の評価結果を表1及び表2に示す。
比較例1と同様にして、市販の銅箔と市販のポリイミドフィルムをラミネートロールで張り合わせことで製造された両面フレキシブル銅張積層板をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成後、厚み37.5μmのカバーレイCを貼り付け、フレキシブル回路基板を得た。得られたフレキシブル回路基板の等価曲げ剛性、耐はぜ折り性の評価結果を表1及び表2に示す。
比較例1と同様にして、市販の銅箔と市販のポリイミドフィルムをラミネートロールで張り合わせことで製造された両面フレキシブル銅張積層板をエッチングするなどして配線回路加工して銅配線を形成後、厚み37.5μmのカバーレイDを貼り付け、フレキシブル回路基板を得た。得られたフレキシブル回路基板の等価曲げ剛性、耐はぜ折り性の評価結果を表1及び表2に示す。
Claims (3)
- ポリイミド絶縁層(A)と、
前記ポリイミド絶縁層(A)の少なくとも一方の面に設けられた回路配線層(B)と、
前記回路配線層(B)に積層されたカバーレイ(C)と、
を備えたフレキシブル回路基板であって、
以下のa〜cの構成:
a)前記ポリイミド絶縁層(A)の厚みが10〜14μmの範囲内であること;
b)前記回路配線層(B)を構成する銅配線の厚みが10〜14μmの範囲内であり、かつ前記銅配線のキューブ比率が85%以上であること;
及び、
c)前記カバーレイ(C)を内側にして折り曲げるときの等価曲げ剛性が0.03〜0.04N・m2の範囲内であること;
を有することを特徴とするフレキシブル回路基板。 - 前記カバーレイ(C)を内側にして折り畳んだ状態で、電子機器の筐体内に収納して使用されるものである請求項1に記載のフレキシブル回路基板。
- 請求項1に記載のフレキシブル回路基板を、前記カバーレイ(C)を内側にして折り畳んだ状態で筐体内に収納した電子機器。
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