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JP6437828B2 - 切削工具用ブランク、切削工具用ブランクの製造方法、および切削工具並びに切削工具の製造方法 - Google Patents
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JP6437828B2 - 切削工具用ブランク、切削工具用ブランクの製造方法、および切削工具並びに切削工具の製造方法 - Google Patents

切削工具用ブランク、切削工具用ブランクの製造方法、および切削工具並びに切削工具の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はドリルやエンドミル等の切削工具に用いる切削工具用ブランク、切削工具用ブランクの製造方法、および切削工具並びに切削工具の製造方法に関する。
孔開け加工に使用するドリルは、先端の刃先からフルート溝を形成したソリッドドリルが知られており、例えば電子部品を搭載する基板の孔開け加工用として用いられている。そして、電子部品の小型化に伴って加工する孔径が小さくなっていることから、ドリルの径も小さいものが要求されている。
かかるドリルを製造するには、例えば、特許文献1のように押出成形にて繊維状に成形した成形体を所定の長さに切断して焼成したブランクを作製し、このブランクをステンレス等からなるシャンクに接合した後、ブランクに段加工やフルート溝等を施してドリルを完成させる方法が採用されている。また、ブランクの成形方法としては、特許文献2のようにプレス成形法も検討されている。
また、切刃の耐摩耗性を向上させることが要求されるが、素材の硬度を高めると靭性が低下する傾向があるために、ドリルが折損しやすくなるという問題があった。
特開2003−277807号公報 特開2007−211259号公報
しかしながら、特許文献1のような押出成形では、上述したように繊維状の押出成形体から所定の長さに切断する必要があり、しかもこの切断面の形状が潰れてしまうので、切断した後に切断面から端部の所定の長さを焼成後に再度切断する必要があった。また、ドリルの折損を抑制しつつ、切刃の耐摩耗性を向上させることができなかった。
特許文献2の方法では、加圧した細長い形状の成形体を細長い下パンチで押し出す必要があるが、成形体の直径が小さくなると、金型が破損しやすくなるという問題があった。また、ドリルの折損を抑制しつつ、切刃の耐摩耗性を向上させることができなかった。
本実施形態の切削工具用ブランクは、WCとCoとを含有する超硬合金からなり、円柱長尺状で、長手方向において、一端Aおよび他端Bの両端のうちの一端A部におけるCo含有量Coが他端B部におけるCo含有量Coよりも少ないとともに、前記一端A部の直径をd、前記他端B部の直径をdとしたとき、d/d=1.02〜1.20である。
また、本実施形態の切削工具用ブランクの製造方法は、WC粉末を含み一端A部側を作製するための第1原料粉末、およびWC粉末とCo粉末とを含み他端B部側を作製するための第2原料粉末を調合する工程と、プレス成形金型のダイスの空隙部内に前記第1原料粉末を投入する工程と、上方から上パンチを下降させて前記ダイスの空隙部内に投入され
た前記第1原料粉末を加圧して成形体下部を成形する工程と、前記上パンチを前記空隙部から引き抜く工程と、加圧された前記成形体下部を有する前記空隙部に前記第2原料粉末を投入する工程と、上方から上パンチを下降させて前記ダイスの空隙部内に投入された前記成形体下部と前記第2原料粉末からなる成形体上部との積層体を加圧する工程と、前記積層体からなる成形体を前記金型から取り出す工程と、前記成形体を焼成する工程とを具備する。
さらに、本実施形態の切削工具は、前記切削工具用ブランクの前記他端Bがシャンクに接合されているとともに、前記切削工具用ブランクに刃付け加工が施されている。
また、本実施形態の切削工具の製造方法は、ランダムに接合装置内に投入する工程と、前記接合装置内にて前記切削工具用ブランクの一端Aと他端Bを判別して、所定の方向に整列させる工程と、前記切削工具用ブランクの前記他端Bをシャンクに当接させて接合する工程と、前記切削工具用ブランクの前記一端Aを含む部位に刃付け加工を施す工程とを具備する。
本実施形態の切削工具用ブランクは、一端A部はCo含有量が少ないので硬度が高く、一端A部で切削工具の切刃を形成すると、切刃の耐摩耗性が高い。また、他端B部はCo含有量が多いので靭性が高く、他端B部で例えばドリルのフルート部を形成すると、フルート部の耐折損性が高い。その結果、この切削工具用ブランクで作製された本実施形態の切削工具は、切刃の耐摩耗性が高く、かつ耐折損性も高い。
また、本実施形態の切削工具用ブランクの製造方法は、焼成後のCo含有量を所望の範囲に制御することができ、かつ成形体の密度分布を調整して、焼成後の切削工具用ブランクの寸法を制御することができる。
さらに、本実施形態の切削工具の製造方法は、切削工具用ブランクの一端Aと他端Bとの判別が容易であり、自動機等で一端Aと他端Bとを揃えて、容易に切削工具を製造することができる。
本実施形態の切削工具用ブランクの一例についての側面図である。 本実施形態の切削工具用ブランクを成形する方法の一例について、金型の構成を説明するための模式図である。 図1の切削工具用ブランクをシャンクに接合して刃付け加工したドリルの一例についての側面図である。
図1の本実施形態のシャンクに接合したドリル用ブランクの一例についての側面図に基づいて説明する。
図1のドリル1に用いられる切削工具用ブランク(以下、単にブランクと略す。)2は、WCとCoとを含有する超硬合金からなる円柱長尺状で、長手方向において、切刃が形成される一端A部と、シャンク3に接合される他端B部を有する。
本実施形態によれば、両端のうちの一端A部におけるCo含有量Coと他端B部におけるCo含有量Coとの比Co/Coが0.1〜0.6である。これによって、一端A部でドリル1の切刃を形成すると、切刃の耐摩耗性が高い。また、他端B部はCo含有量が多いので靭性が高く、他端B部でドリル1のフルート部を形成すると、フルート部
の耐折損性が高い。その結果、この切削工具用ブランクで作製された本実施形態の切削工具は、切刃の耐摩耗性が高く、かつ耐折損性も高い。比Co/Coの特に望ましい範囲は、0.2〜0.5である。
本実施形態においては、Coは0.1質量%〜10質量%であり、Coは3質量%〜30質量%である。より望ましくは、Coは0.5質量%〜5質量%であり、Coは5質量%〜20.0質量%である。なお、CoおよびCoの測定方法は、ICP分析によって、一端A部と他端B部の組成分析を行う方法が適用できる。組成分析する際の一端A部および他端B部の長さは、分析できる範囲でできるだけ短くする。また、ブランク2の長手方向の組成変化を確認するには、ブランク2の側面について電子顕微鏡で測定位置をずらしながら観察し、EPMA分析によって各領域における組成を半定量分析をすることによって確認できる。
また、本実施形態では、一端A部の直径をd、他端B部の直径をdとしたとき、dに対する長さLの比率が3以上の長尺形状であり、d/d=1.02〜1.20である。これによって、Co含有量の異なる一端A部と他端B部との判別が容易にでき、一端A部に確実に切削工具の切刃を形成することができる。すなわち、d/dが1.02未満では、一端A部と他端B部とを区別することができない。d/dが1.20を超えると、切削工具を製造する際の研磨代が大きくなり、加工コストがかさむ。d/dのより望ましい範囲は、1.03〜1.10である。
本実施形態のより望ましい形態では、ブランク2は、d、dがともに2mm以下で、長手方向の長さをLとしたとき、dに対する長さLの比(L/d)が3以上である。この形状からなるブランク2は、押出成形によって作製することは難しい。すなわち、一端A部と他端B部のCo含有量を変えることが難しく、かつdとdを変えることも難しい。これに対して、この形状からなるブランク2は、プレス成形によって作製することができる。そして、金型の形状や焼成条件等の製造条件を調整することによって、金型の欠損や成形体の欠損を抑制するとともに、焼成後のブランクの組成および形状を所定の範囲内に制御する。比(L/d)の望ましい範囲は5〜15である。
本実施形態によれば、一端A部を含んで、直径が、一端A部の直径に対する比率で0.95以上の領域aと、他端B部を含んで、直径が、一端A部の直径に対する比率で0.95未満の領域bとを有する。このとき、領域aの長手方向の長さをL、前記領域bの長手方向の長さをLとしたとき、比L/(L+L)が0.3〜0.6である。この範囲であれば、再研磨したドリル1の切刃の耐摩耗性も高く、かつフルート部の耐折損性を高めることができる。比L/(L+L)の望ましい範囲は、0.3〜0.5である。
本実施形態によれば、長手方向の中央部Cにおける最小直径をdとしたとき、d>dである。これによって、ブランク2をシャンク3に接合した後、ブランク2に刃付け加工する際の研削代を小さくすることもできる。
本実施形態のさらに望ましい形態では、領域aにおいて、直径は、一端A部dから他端B部dに向かって連続的に小さくなっている。連続的に小さくなっているとは、直径が不連続に変化する段差がないことを意味し、これによって、ブランク2の折損を抑制できる。
なお、ブランク2の好適な寸法は、プリント基板加工用のドリル用として用いる場合には、d、dが0.2〜2mm、長さLが3〜20mmであり、d/d=1.02〜1.20、かつd/d=1.00〜1.10である。ブランク2のdの特に望ま
しい範囲は、0.3〜1.7mmである。dは、他の用途においては2mmを越える場合もあり、このような場合におけるdの望ましい範囲は、0.2〜20mmである。
また、本実施態様のブランク2においては、一端A部におけるWC粒子の平均粒径が、他端B部におけるWC粒子の平均粒径より大きい。これによって、ブランク2を加工して形成されるドリル1の刃先5の加工時における欠けを抑制できるとともに、フルート溝形成部6の剛性が高いので、ドリル1の刃先5の加工時におけるフルート溝形成部6の芯ずれを抑制して、フルート溝形成部6の加工寸法精度を高めることができる。
さらに、本実施態様はプリント基板の孔開け加工に用いられるドリルであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、金属加工用ドリルや医療用ドリル、エンドミル、内径加工用のスローアウェイチップ等の旋削加工用の切削工具として適用可能である。
(ブランクの製造方法)
上記切削工具用ブランクを作製する方法の一例について説明する。まず、ブランクおよび切削工具をなす超硬合金を作製するためのWC粉末等の原料粉末を調合する。本実施形態においては、2種類の原料粉末を調合する。
すなわち、原料粉末として、WC粉末を含み一端A部側を作製するための第1原料粉末、およびWC粉末とCo粉末とを含み他端B部側を作製するための第2原料粉末を調合する。第1原料粉末にはWC粉末以外にCo粉末を含有していてもよいが、第1原料粉末中のCo粉末の含有量は、第2原料粉末中のCo粉末の含有量よりも少ない。第1原料粉末中のCo粉末の含有量は、第2原料粉末中のCo粉末の含有量に対する比率で、0〜0.5、特に0〜0.3である。また、第1原料粉末および第2原料粉末中には、WC粉末とCo粉末以外に、WC以外の周期表第4、5および6族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物粉末のいずれかの添加物を添加してもよい。
例えば、第1原料粉末中のWC粉末の調合量は90〜100質量%であり、Co粉末の調合量は0〜8質量%、添加物の調合量は総量で0〜5質量%である。第2原料粉末中のWC粉末の調合量は65〜95質量%であり、Co粉末の調合量は5〜30質量%、添加物の調合量は総量で0〜10質量%である。これにバインダや溶媒を添加してスラリーを作製する。このスラリーを造粒して顆粒とし、成形用粉末とする。
一方、プレス成形金型(以下、単に金型と略す。)を準備し、金型20のダイス21の空隙部22内に上記顆粒を投入する。そして、ダイス21の空隙部22内に投入された顆粒の上方から上パンチ24を下降させて加圧することにより成形体を作製する。
本実施形態の成形方法では、金型20のダイス21の空隙部22内に第1原料粉末30を投入する工程と、上方から上パンチ24を下降させてダイス21の空隙部22内に投入された第1原料粉末30を加圧して成形体下部31を成形する工程と、上パンチ24を空隙部22から引き抜く工程と、加圧された成形体下部31を有する空隙部22に第2原料粉末33を投入する工程と、上方から上パンチ24を下降させてダイス21の空隙部22内に投入された成形体下部31と第2原料粉末33からなる成形体上部34との積層体を加圧する工程と、積層体からなる成形体35を金型20から取り出す工程とを具備する。
成形体35は、長尺形状であり、一端AにおけるCo含有量が他端BにおけるCo含有量よりも少ない。しかも、予め第1原料粉末30からなる成形体下部31を成形した後で、この成形体下部31の上部に第2原料粉末33を投入して成形することによって、焼成中、一端A側と他端B側との間のCoの拡散を抑制できる。その結果、所定のCo含有量
の分布に調整しやすくなる。
本実施形態では、直径が2mm以下の焼結体を得る場合には、加圧時の上パンチ24の保持位置から上パンチ24の位置が0.1mm〜2mmだけ下方に下降するように上パンチ24に追加荷重を加えるとともに下パンチ23の荷重を小さくする。この成形条件によって、成形体35の圧力ムラを改善できて、下パンチ23が成形体35を抜き出す際に破損することを抑制できるとともに、成形体35を焼成した後のブランク2の形状を所定の形状とすることができる。
すなわち、直径が2mmより大きい形状の焼結体を得るための成形体35をプレス成形で作製する際には、金型20への粉末を投入する際に顆粒が均一に投入されるが、直径が2mm以下の焼結体を得るための成形体35をプレス成形で作製すると、従来の方法では、金型への粉末を投入する際に顆粒の投入が不均一となってしまう。本実施形態では、上記成形条件を制御することによって、成形体35を作製することができ、かつ所定形状のブランク2を得ることができる。
このとき、図2に示すように、成形体35の下パンチ23側の直径Dを上パンチ24側の直径Dよりも小さくしておいてもよい。上記成形によって得られる成形体において、本実施形態における比D/Dの望ましい範囲は、0.80〜0.99である。これによって、d/d比を所定の範囲内に制御することができる。すなわち、焼成中の一端A部と他端B部との焼成収縮の差によって、d/d比を1.02〜1.20の範囲内に制御することができる。第1原料粉末30の投入高さをH、第2原料粉末30の投入高さをHとしたとき、比H/(H+H)が0.2〜0.7である。また、成形体中には、例えば、第1原料粉末と第2原料粉末との間に、第1原料粉末と第2原料粉末との間のCo粉末の含有量を有する第3原料粉末等、他の原料粉末が存在していてもよい。
なお、製造効率を高めるとともに、上パンチが傾いて下降しないようにするために、金型には上パンチ−空隙部−下パンチのセットが複数設けられて、一度に複数本の成形体を成形することができる。上パンチ−空隙部−下パンチのセット数は、例えば、4〜144本である。また、金型の側面形状は、上パンチから下パンチまで同じ直径のストレート形状であってもよい。または、上パンチ側よりもより圧力のかかりやすい下パンチ側において焼成時の収縮が少ないので、その分を加味して焼成後上パンチ側と下パンチ側との寸法比であるd/d比が所定の範囲となるようにする範囲内で、図2に示すように、ダイス21の粉末充填部(空隙部)22に顆粒を充填して上パンチ24と下パンチ23との間で顆粒を加圧してプレス成形する金型20において、下パンチ23側の直径Dを上パンチ24側の直径Dよりも小さくしておいてもよい。
そして、成形体は金型から取り出され、シンターHIP焼成されることによってブランク2となる。このとき、本実施形態では、前記焼成における昇温速度が6℃/分〜30℃/分であるとともに、焼成温度が1350℃〜1580℃、焼成時間は15分〜45分である。これによって、一端A部と他端B部のCo含有量を容易に調整することができるとともに、第1原料粉末と第2原料粉末との焼結性が異なるために、焼成中、一端A部と他端B部の収縮率が異なって成形体が変形し、他端B部の直径が一端A部の直径よりも小さくなる。すなわち、焼成によって、他端B部のCoの一部が、一端A部に向かって拡散するために、他端B部は一端A部よりも収縮する。これによって、焼結体の形状を制御することができる。
ここで、昇温速度が6℃/分より遅いと、焼成中にCoの拡散が進行しすぎて、焼結体中のCo濃度が均一になり、d/d比が1.02よりも小さくなる。昇温速度が30
℃/分より速いと、焼結体の一端A部が変形する場合がある。
さらに、所望により、ドリル1の表面には被覆層(図示せず)を成膜することもできる。
上述した本実施態様のブランク2の製造方法によれば、ブランク2がプレス成形にて成形されているので、押出成形に比べて成形工程が少なくて製造が容易である。また、ブランク2の成形体を焼成した後のブランク2の寸法変化が小さいので、ブランク2の寸法精度が高い。そのために、ブランク2をドリル1の形状に対して削り代を少ない形状とできる。さらに、ブランク2がプレス成形にて形成されたものは、押出成形に比べて、成形時に添加するバインダの添加量を少なくできるので、焼結体(ブランク2)中のボイドや残留炭素等の欠陥が存在しにくい信頼性の高い材料となる。また、このブランク2の成形工程においては、成形体中の密度ムラを調整できるので、欠け等が発生しにくい安定した成形が可能である。
また、ブランク2のdが2mm以下の場合には、プレス成形によって成形体を作製することによって成形体の密度差が生じる。そのため、ブランク2の端部(一端A、他端B)のほうが中央部Cよりも超硬合金の焼結が進む傾向がある。中でも、成形体の形状がD>Dである場合には、一端A部のほうが他端B部よりも焼結が進む。本実施態様では、成形時に使用する顆粒の状態を調整するとともに、上下パンチで加圧した後、上パンチのみで追加荷重を加えることによって、金型が破損することを抑制できるとともに、ブランク2の両端の成形体密度を調整できる。その結果、焼成されたブランク2を構成する超硬合金のWC粒子の平均粒径を上記のように調整できる。
(切削工具の製造方法)
上記工程によって得られたブランク2は、数十本または数百本の単位でランダムに接合装置内に投入される。ブランク2は、接合装置内で長手方向に整列される。本実施形態においては、両端の寸法を画像データ等にて確認し、dとdとの寸法差によって、一端Aと他端Bとを特定する。本実施形態によれば、d/d=1.02〜1.20と一端Aと他端Bとの寸法差があるので、一端Aと他端Bとの判別が容易にできる。この特定に基づいて、自動的に、一端A部と他端B部とを一定の方向に並べることができる。
そして、並べられたブランクは、自動的に、別途準備されたシャンク3に続く首部7の所定の位置に当接された後、レーザ等で接合される。その後、接合されたブランク2に刃付け加工を施す。このとき、ドリル1の構成は、図1に示すように、一端A部がドリル1の刃先5側で、他端B部がドリル1のシャンク3側となる。
(切削工具)
上記ブランク2の刃付け加工によって、ドリル1等の切削工具が作製される。図3のドリル1の形状は、一端A部に刃先5を備え、刃先5と、それに続くフルート溝形成部6と、首部7とでボディ8を構成している。刃先5とフルート溝形成部6が加工部となっている。そして、ボディ8に続いてシャンク3を有している。ここで、刃先5は中心軸を有して回転しながら被削材に最初に接触する部分であり、高い耐チッピング性と耐摩耗性が要求される。フルート溝形成部6は加工によって発生する切屑を後方へ排出する機能を持ち、首部7はドリル1の加工径(フルート溝形成部6の直径)とシャンク3の直径とを調整するつなぎである。シャンク3はドリル1を加工機に固定する部分である。
上記方法で得られたドリル1は、超硬合金からなる刃先5とフルート溝形成部6とをからなる加工部を備える。本実施形態の望ましい形態は、該加工部の最大直径が2mm以下である。
また、本実施態様のブランク2を用いた切削工具1は、切削工具1の刃先5におけるWC粒子の平均粒径が、フルート溝形成部6におけるWC粒子の平均粒径よりも大きい。そのため、フルート溝形成部6の剛性が高いとともに、刃先5におけるチッピングが抑制される。なお、本実施形態において、一端A部および他端B部とはブランク全長に対して10%の長さまでと定義する。また、一端A部と他端B部との間は中央部Cと定義する。すわなち、中央部Cは、ブランク2の全長に対して80%の長さの領域である。
また、首部7とシャンク3とを鋼、合金鋼またはステンレス鋼等の安価な材質で形成し、ブランク2を首部7の先端に接合した構成とすることもできる。なお、ドリル1の刃先5からシャンク3までをブランクで形成するものであってもよい。また、ドリル1は、首部7を省略した形状であってもよい。
表1に示す添加量の金属コバルト(Co)粉末と、炭化クロム(Cr)粉末と、炭化バナジウム(VC)粉末と、残部が平均粒径0.3μmの炭化タングステン(WC)粉末の割合で、表1に示す第1原料粉末と第2原料粉末との2種類の混合粉末を調合した。各混合粉末に対して、バインダや溶媒を添加、混合して、スラリーを作製し、スプレードライヤにて平均粒径70μmの顆粒を作製した。
空隙部を144個有するダイスを備えた図2に示す金型を準備し、表1の第1原料粉末を投入して圧力をかけて仮成形し、成形体下部を成形し、続いて、成形体下部の上方に、表1の第2原料粉末を充填してプレス成形し、成形体下部と成形体上部とが積層された成形体を成形し、金型から取り出した。このとき、成形体の形状は、表1に記載の成形体の下パンチ側の直径D、上パンチ側の直径D、成形体下部の長さH、成形体上部の長さHとした。そして、この成形体を真空中、表1に示す昇温速度で昇温し、表1に示す温度で30分間シンターHIP焼成してブランクとした。
得られたブランクの長手方向について、一端A、他端B、中央部Cの最小直径について寸法を測定し表2に記載した(d、d、d)。また、ブランクの各部位を切り出してICP分析を行い、各部位におけるCo含有量を測定した。このとき、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて超硬合金を5000倍で組織観察して、EPMA分析によってCo含有量を予備的に確認してから、必要な部位のみを切り出してICP分析を行った。また、予備的確認に基づいて、LおよびLを算出した。さらに、ブランクの両端をSEM観察し、ルーゼックス解析法によって一端Aおよび他端BにおけるWC粒子の平均粒径を算出した。結果は表2に示した。
そして、このブランクを用いて、ドリルを作製したところ、試料No.6〜12では、一端Aおよび他端Bの判別が難しく、予めマーキングをつける等の手間が必要であった。
得られたドリルについて、下記条件でドリル加工テストを行った。結果は表2に示した。
(ドリル加工テスト条件)
被削材 :FR4・6層板、1.6mm厚、2枚重ね
ドリル形状:φ0.3mmアンダーカットタイプ
回転数:200krpm
送り速度:2.4m/min.
評価項目:孔開け加工ができた製品の個数(個)
表1、2より、CoがCoと同じ試料No.6〜12では、ドリルの加工個数が少
なかった。これに対して、CoがCoよりも少ないとともに、d/d=1.02〜1.20の試料No.1〜5、13では、ドリルの加工個数が多かった。特に、比(Co/Co)が0.1〜0.5であるとともに、比L/(L+L)が0.3〜0.6の試料No.1〜3、5、13では、ドリルの加工個数が特に多いものであった。また、試料No.1〜5、13では、いずれも、比(L/d)が3以上であった。さらに、試料No.1〜5、13では、いずれも、領域aにおいて、直径が一端A部から他端B部に向かって連続的に大きくなっていることを確認した。
実施例1の試料No.1で用いた第1原料粉末および第2原料粉末に対して、WC粉末の平均粒径を0.8μmとする以外は実施例1の試料No.1と同じ仕様の原料粉末を用いて、試料No.1と同様にして、D=D=6mm、L=30mmの円柱長尺状成形体を作製した。H=10mm、H=20mmとした。試料No.1と同じ昇温速度、焼成温度で焼成し、焼結体を得た。d=5.1mm、d=4.8mm、d/d=1.06、L=15mm、L=9.3mm、L/(L+L)=0.38、Co=1.7質量%、Co=7.1質量%、一端A部におけるWC粒子の平均粒径が0.85μm、他端B部におけるWC粒子の平均粒径が0.80μmであった。得られた焼結体をステンレスシャンクの先端に接合して、エンドミルの刃付け加工が可能であった。
1 ドリル(切削工具)
2 ブランク(切削工具用ブランク)
A 一端
B 他端
C 中央部
3 シャンク
5 刃先
6 フルート溝形成部
7 首部
8 ボディ
一端Aの直径
他端Bの直径
中央部の最小直径
成形体の下パンチ側の直径
成形体の上パンチ側の直径

Claims (10)

  1. WCとCoとを含有する超硬合金からなり、円柱長尺状で、長手方向において、一端Aおよび他端Bの両端のうちの一端A部における質量%でのCo含有量Co 、前記両端のうちの他端B部における質量%でのCo含有量Co としたとき、前記Co が前記Co よりも少ないとともに、前記一端A部の直径をd、前記他端B部の直径をdとしたとき、d/d=1.02〜1.20である切削工具用ブランク。
  2. 記Coと前記Coとの比(Co/Co)が0.1〜0.6である請求項1記載の切削工具用ブランク。
  3. 前記d、前記dがともに2mm以下であるとともに、長手方向の長さをLとしたとき、前記dに対する長さLの比(L/d)が3以上である請求項1または2記載の切削工具用ブランク。
  4. 前記一端A部を含んで、直径が、前記一端A部の直径に対する比率で0.95以上の領域aと、前記他端B部を含んで、直径が、前記一端A部の直径に対する比率で0.95未満の領域bとを有するとともに、前記領域aの長手方向の長さをL、前記領域bの長手方向の長さをLとしたとき、比La/(L+L)が0.3〜0.6である請求項1乃至3のいずれか記載の切削工具用ブランク。
  5. 前記領域aにおいて、前記直径は、一端A部から前記他端B部に向かって連続的に小さくなる請求項4記載の切削工具用ブランク。
  6. 請求項1乃至5のいずれか記載の切削工具用ブランクを製造する方法であって、WC粉末を含み一端A部側を作製するための第1原料粉末、およびWC粉末とCo粉末とを含み他端B部側を作製するための第2原料粉末を調合する工程と、プレス成形金型のダイスの空隙部内に前記第1原料粉末を投入する工程と、上方から上パンチを下降させて前記ダイスの空隙部内に投入された前記第1原料粉末を加圧して成形体下部を成形する工程と、前記上パンチを前記空隙部から引き抜く工程と、加圧された前記成形体下部を有する前記空隙部に前記第2原料粉末を投入する工程と、上方から上パンチを下降させて前記ダイスの空隙部内に投入された前記成形体下部と前記第2原料粉末からなる成形体上部との積層体を加圧する工程と、前記積層体からなる成形体を前記金型から取り出す工程と、前記成形体を焼成する工程とを具備する切削工具用ブランクの製造方法。
  7. 前記焼成における昇温速度が6℃/分〜30℃/分であるとともに、焼成温度が1350℃〜1580℃である請求項6記載の切削工具用ブランクの製造方法。
  8. 前記積層体において、前記成形体の下端の直径が前記成形体の上端の直径よりも小さい請求項6または7記載の切削工具用ブランクの製造方法。
  9. 請求項1乃至5のいずれか記載の切削工具用ブランクの前記他端Bがシャンクに接合されているとともに、前記切削工具用ブランクに刃付け加工が施されている切削工具。
  10. 請求項1乃至5のいずれか記載の切削工具用ブランクをランダムに接合装置内に投入する工程と、前記接合装置内にて前記切削工具用ブランクの一端Aと他端Bを判別して、所定の方向に整列させる工程と、前記切削工具用ブランクの前記他端Bをシャンクに当接させて接合する工程と、前記切削工具用ブランクの前記一端Aを含む部位に刃付け加工を施す工程とを具備する切削工具の製造方法。
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