JP6438307B2 - ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
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Description
なかでも、ポリブチレンテレフタレート樹脂は、優れた耐熱性、成形性、耐薬品性及び電気絶縁性等エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、電気電子部品、自動車部品その他の電装部品、機械部品等に用いられており、これを難燃化する検討がなされている。
例えば、特許文献2には、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系難燃剤、難燃助剤およびエステル交換防止剤を構成成分とする難燃性ポリエステル樹脂組成物が開示され、また、特許文献3には、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エラストマー、難燃剤及び難燃助剤からなる難燃性ポリエステル樹脂組成物が開示されている。さらに、特許文献4には、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系ゴム及び難燃剤からなるポリエステル樹脂組成物が開示されている。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[2](B)ポリカーボネート樹脂が、28000を超える粘度平均分子量を有するものである上記[1]に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
[3](A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂の極限粘度が0.9dl/g以上である上記[1]又は[2]に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
[4](E)エラストマーが、アクリル系コア/シェル型グラフト共重合体である上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
[5](E)エラストマーの平均粒子径が300nm以上である上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
[6]さらに、(G)滴下防止剤を、前記(A)及び(B)の合計100質量部に対し、0.05〜1質量部含有する上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を成形してなる成形品。
[8]電気自動車用充電器コネクタ、電池キャパシタ用ホルダー、電池キャパシタ用筐体あるいは電気自動車用充電スタンド用筺体のいずれかである上記[7]に記載の成形品。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び(B)ポリカーボネート樹脂を、(A)及び(B)の合計100質量部基準で、(A)を50〜80質量部、(B)を20〜50質量部含有し、さらに、(A)及び(B)の合計100質量部に対し、(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤5〜40質量部、(D)アンチモン化合物1〜15質量部、(E)エラストマー5〜20質量部及び(F)硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、ホウ酸亜鉛及びシリカからなる群から選ばれる少なくとも1種を0.5〜10質量部含有することを特徴とする。
以下に記載する各構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定して解釈されるものではない。なお、本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を構成する主成分である(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂(以下、「PBT樹脂」と略称することもある。)としては、テレフタル酸単位及び1,4−ブタンジオール単位がエステル結合した構造を有する高分子を示す。即ち、ポリブチレンテレフタレート樹脂(ホモポリマー)の他に、テレフタル酸単位及び1,4−ブタンジオール単位以外の、他の共重合成分を含むポリブチレンテレフタレート共重合体や、ホモポリマーと当該共重合体との混合物を含む。
PBT樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、連続式で溶融重縮合する製造法で得られたものが好ましい。
そして、これら共重合体の好ましい含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂の総量100質量%中に、10〜70質量%、更には15〜60質量%、特には20〜50質量%である。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、(B)ポリカーボネート樹脂を含有する。
ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性重合体又は共重合体である。ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のホスゲン法(界面重合法)や溶融法(エステル交換法)により製造したものを使用することができる。
[η]=1.23×10−4Mv0.83
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤を含有する。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤(ポリリン酸メラミン等)、窒素系難燃剤(シアヌル酸メラミン等)、金属水酸化物(水酸化マグネシウム等)等各種のものがあるが、本発明においては、ハロゲン系難燃剤として、臭素系の、しかも臭素化ポリカーボネート系難燃剤を含有することを特徴とする。(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤は、(B)ポリカーボネート樹脂との相溶性がよく、(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤が(B)ポリカーボネート樹脂相に存在しやすくなり、耐衝撃性に優れる。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、(D)アンチモン化合物を含有する。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)、五酸化アンチモン(Sb2O5)およびアンチモン酸ナトリウムが好ましい例として挙げられる。これらの中でも、耐衝撃性の点から三酸化アンチモンが好ましい。
マスターバッチ中の(D)アンチモン化合物の含有量は20〜90質量%であることが好ましい。(D)アンチモン化合物が20質量%未満の場合は、難燃剤マスターバッチ中のアンチモン化合物の割合が少なく、これを配合するポリブチレンテレフタレート系樹脂への難燃性向上効果が小さい。一方、アンチモン化合物が90質量%を超える場合は、アンチモン化合物の分散性が低下しやすく、これをポリブチレンテレフタレート系樹脂に配合すると熱可塑性樹脂組成物の難燃性が不安定になり、また難燃剤マスターバッチ製造時の作業性も著しく低下する、例えば、押出機を使用して製造する際に、ストランドが安定せず、切れやすい等の問題が発生しやすいため好ましくない。
マスターバッチ中の(D)アンチモン化合物の含有量は、好ましくは30〜85質量%であり、より好ましくは40〜80質量%、さらに好ましくは50〜75質量%である。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、(E)エラストマーを含有する。(E)エラストマーとしては、ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂に配合してその耐衝撃性を改良するのに用いられている熱可塑性エラストマーを用いればよく、例えばゴム性重合体やゴム性重合体にこれと反応する化合物を共重合させたものを用いる。
尚、本発明において(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸はアクリル酸とメタクリル酸を意味する。
アクリル及び/又はブタジエン成分を含有する耐衝撃性改良剤の具体例としては、例えばアクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル・ブタジエンゴム、また、これらゴム性重合体に単量体化合物を重合した共重合体が挙げられる。この単量体化合物としては例えば、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物等が挙げられる。また、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸等)も挙げられる。これらの単量体化合物は単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
なお、(E)エラストマーの平均粒子径は、光学顕微鏡、SEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)等により、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物成形体断面のモルフォロジーを観察することで測定できる。
具体的には、SEM、STEM、TEM分析装置を用い、成形体断面のコア部(深さ20μm未満の表層部を除く部分で、断面の中心部、樹脂組成物流動方向に平行な断面。)を、20kVの加速電圧下で、倍率3,000〜100,000倍の倍率により観察される。
なお、(E)エラストマーのガラス転移温度は、動的粘弾性測定により得られる損失正接(tanδ)のピーク温度を求めることにより測定することができる。具体的には、200℃で加熱した熱プレス機を用いて、(E)エラストマー原料を、0.7mm厚×10cm×10cmの型枠にて3分間プレス成形し、水冷後に0.7mm厚×5.5mm×25mmの測定用試験片を切り出し、50〜−100℃の温度範囲で、昇温速度3℃/min、周波数110Hzの条件で動的粘弾性測定を行い、得られるtanδのピーク温度を求め、ガラス転移温度とする。
また、前記架橋剤は、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート及びジビニルベンゼンからなる群より選択される1種以上の単量体、及びこれら単量体のホモ重合体または共重合体を用いることが好ましい。1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート又はこれらの混合物を含むことがより好ましい。前記架橋剤は、本発明の各々のエラストマーで全単量体に対して0.001〜5質量部を用いることが好ましい。架橋剤の含有量が全単量体に対して0.001質量部未満であると、加工中のハンドリングが乏しく、5質量部を超えると、エラストマーのコアが脆性を示し、衝撃補強効果が低下する場合がある。
i)アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸エステル95〜99.999質量部;架橋剤0.001〜5質量部;重合開始剤0.001〜5質量部;乳化剤0.001〜10質量部;及びイオン交換水1000質量部;を含む混合物を、60〜80℃の温度で架橋反応させて種(seed)を製造する1次重合工程と、
ii)アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸エステル95〜99.999質量部;架橋剤0.001〜5質量部;乳化剤0.001〜6質量部;及びイオン交換水80質量部;を含むエマルジョン混合物を前記i)工程で製造した種に連続投入すると同時に、重合開始剤0.001〜5質量部を投入し重合してコアラバーを製造する2次重合工程と、
iii)アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル酸エステル95〜99.999質量部;架橋剤0.001〜5質量部;乳化剤0.001〜6質量部;及びイオン交換水80質量部;を含むエマルジョン混合物を前記ii)工程で製造した2次重合物に連続投入すると同時に、重合開始剤0.001〜5質量部を投入し重合してコアラバーを製造する3次重合工程と、
iv)アルキル基の炭素数が1〜4であるアクリル酸エステル80〜100質量部;エチルアクリレート、メチルアクリレート及びブチルアクリレートからなる群より選択されるアクリル酸エステル10質量部以下;アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群より選択されるニトリル成分10質量部以下;乳化剤0.001〜4質量部;及びイオン交換水150質量部;を含むエマルジョン混合物を前記iii)段階で製造したコアに連続投入すると同時に、重合開始剤0.001〜5質量部を投入し重合してシェルを形成させる4次重合工程とを含む方法で製造される。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、(F)成分として、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、ホウ酸亜鉛及びシリカからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。このような(F)成分を、(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂、(B)ポリカーボネート樹脂、(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤、(D)アンチモン化合物及び(E)エラストマーをそれぞれ所定の量で共に存在することにより、(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂の結晶化が適度に遅延し、高い耐衝撃性を達成することが初めて可能となる。
硫酸バリウムは、天然に産出するものとしては例えば天然重晶石を粉砕したものを使用することができる。また合成によって得られるものとしては公知の合成法により合成された硫酸バリウムを使用することができる。
硫酸バリウムの平均粒子径には特に制限はないが、通常0.05〜3μmであり、0.1〜2μmであることが好ましく、0.15〜1.5μmであることがより好ましい。硫酸バリウム粒子の平均粒子径を上記範囲のような大きさとすることにより、機械的特性と耐トラッキング性とのバランスに優れやすくなる。
例えば、無機化合物としては、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、ジルコニア、水酸化ジルコニウム、ジルコニア水和物、酸化セリウム、酸化セリウム水和物、水酸化セリウム等のアルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、セリウム等の無機酸化物、水酸化物が好ましく挙げられる。また、これらの無機化合物は水和物であってもよい。これらの中でも、水酸化アルミニウム、シリカが好ましく、シリカを用いる場合は、SiO2・nH20で表されるシリカ水和物であることが特に好ましい。
また、有機化合物としては、アミン化合物が好ましく、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジクロルヘキシルアミン等のアミン化合物がより好ましい化合物として例示することができる。
硫酸バリウムを表面処理する場合は、無機化合物で表面処理した後、有機化合物で表面処理してもよく、特に、水酸化アルミニウム及び/又はシリカ水和物で表面処理した後、有機化合物で表面処理したものも、好ましく用いられる。
硫酸バリウムを表面処理する場合は、表面処理された硫酸バリウム中の硫酸バリウムの含有量が、85〜99.5質量%であることが好ましく、88〜99質量%であることがより好ましく、90〜98質量%であることがさらに好ましい。このような硫酸バリウム含有量とすることにより、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物中により微分散しやすく、耐衝撃性が低下しにくい傾向となり好ましい。なお、表面処理された硫酸バリウム中の硫酸バリウム含有量は、JIS K5115により測定される。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、(G)滴下防止剤を含有することが好ましい。
(G)滴下防止剤としては、フルオロポリマーが好ましい。
フルオロポリマーとしては、フッ素を有する公知のポリマーを任意に選択して使用できるが、中でもフルオロオレフィン樹脂が好ましい。
フルオロオレフィン樹脂としては、例えば、フルオロエチレン構造を含む重合体や共重合体が挙げられる。その具体例を挙げると、ジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等が挙げられる。中でもテトラフルオロエチレン樹脂等が好ましい。このフルオロエチレン樹脂としては、フィブリル形成能を有するフルオロエチレン樹脂が好ましい。
フィブリル形成能を有するフルオロエチレン樹脂としては、例えば、三井・デュポンフロロケミカル社製「テフロン(登録商標)6J」、ダイキン工業社製「ポリフロン(登録商標)F201L」、「ポリフロンF103」等が挙げられる。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、安定剤、離型剤、強化充填材、紫外線吸収剤、核剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等が挙げられる。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、さらに安定剤を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性や色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明における樹脂組成物は、金型からの離型性をさらに高めるという点から、離型剤を配合することが好ましい。離型剤としては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、ブリードアウトしにくく高い離型性を発現する点で、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物及びシリコーン系化合物から選ばれる1種以上の離型剤が好ましく、耐衝撃性の点からポリオレフィン系化合物の離型剤がより好ましい。
また、本発明においては、ポリオレフィン系化合物は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と親和性のある官能基を付与されていないものが好ましいが、カルボキシル基(カルボン酸(無水物)基、即ちカルボン酸基および/又はカルボン酸無水物基を表す。以下同様。)、ハロホルミル基、エステル基、カルボン酸金属塩基、水酸基、アルコシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等の、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と親和性のある官能基を付与されたものも使用できる。この濃度は、ポリオレフィン系化合物の酸価として、5mgKOH/gを超えて50mgKOH/g未満が好ましく、中でも10〜40mgKOH/g、さらには15〜30mgKOH/g、特に20〜28mgKOH/gであることが好ましい。
また、揮発分が少なく、同時に離型性の改良効果も著しい点で、ポリオレフィン系化合物としては、酸化ポリエチレンワックスを使用することもできる。
なお、酸価は、0.5mol KOHエタノール溶液による電位差滴定法(ASTM D1386)に従って測定することができる。
なお、滴点は、ASTM D127に準拠した方法により測定することができる。具体的には、金属ニップルを用いて、溶融したワックスが金属ニップルから最初に滴下するときの温度として測定される。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、耐光性改良効果を有する点から、さらに紫外線吸収剤を含有することも好ましい。特に、上記したリン系安定剤及び/またはフェノール系安定剤と併用することにより、耐光性がより向上しやすい傾向にある。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物等の有機紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤またはマロン酸エステル系紫外線吸収剤がより好ましく、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が特に好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、着色性、耐候性改良効果を有する点から、さらに顔料を含有することも好ましい。顔料としては、例えば、無機顔料(カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等)等の黒色顔料、酸化鉄赤等の赤色顔料、モリブデートオレンジ等の橙色顔料、有機顔料(黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料等)等が挙げられる。なかでも、着色性、耐候性効果の点から、カーボンブラックが好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、強化充填材を含有してもよいが、高い耐衝撃性が必要な場合は、強化充填材は含有しないことが好ましい。強化充填材を含有する場合は、樹脂に配合することにより得られる樹脂組成物の機械的性質を向上させる効果を有する強化充填材が好ましく、常用のプラスチック用無機充填材を用いることができる。好ましくはガラス繊維、炭素繊維、玄武岩繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウム繊維等の繊維状の充填材を用いることができる。また炭酸カルシウム、酸化チタン、長石系鉱物、クレー、有機化クレー、ガラスビーズ等の粒状又は無定形の充填材;タルク等の板状の充填材;ガラスフレーク、マイカ、グラファイト等の鱗片状の充填材を用いることもできる。なかでも、機械的強度、剛性および耐熱性の点からガラス繊維を用いるのが好ましい。
なお、結晶化速度向上の目的で核剤としてタルク等の充填材を使用する場合は、(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び(B)ポリカーボネート樹脂の合計100質量部に対して1質量%以下、好ましくは0.6質量部以下の量で配合してもよい。
これらの中では、アミノシラン系表面処理剤が好ましく、具体的には例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい例として挙げられる。
シラン系表面処理剤とエポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いても複数種で用いてもよく、両者を併用することも好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物の製造方法としては、樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。通常は各成分及び所望により添加される種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、本発明の樹脂組成物を調製することもできる。さらには、(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂又は(B)ポリカーボネート樹脂の一部に他の成分の一部を配合したものを溶融混練してマスターバッチを調製し、次いでこれに残りの他の成分を配合して溶融混練してもよい。
上述したように、本発明においては、(D)アンチモン化合物を熱可塑性樹脂、好ましくは(A)ポリブチレンテレフタレート系樹とのマスターバッチとして配合することが、溶融混練、成形加工時等の熱安定性や難燃性、耐衝撃性のばらつきが少なく良好である点から好ましい。
熱可塑性樹脂と(D)アンチモン化合物を溶融混練してマスターバッチ化する際には、必要に応じて安定剤等の各種の添加剤を配合することもできる。
アンチモンバスターバッチを専用のフィーダーから供給する場合は、押出機のホッパーに、専用のフィーダーから他の原料と同時にフィードしてもよいし、押出機の途中にフィードしてもよい。押出機の途中にフィードする場合は、ニーディングゾーンよりもホッパー側にフィードすることが好ましい。
なお、ガラス繊維等の繊維状の強化充填材を用いる場合には、押出機のシリンダー途中のサイドフィーダーから供給することも好ましい
本発明のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を成形した成形品は、電気電子部品、自動車部品その他の電装部品、機械部品、調理器具等の家電製品の部品として、例えば、電気自動車用充電器コネクタ、電池キャパシタ用ホルダー、電池キャパシタ用筐体あるいは電気自動車用充電スタンド用筺体、電子電気機器部品の筐体、コネクタ、リレー、スィッチ、センサー、アクチュエーター、ターミナルスイッチ、炊飯器関連部品、グリル調理機器部品等に好適に使用でき、特には電気自動車用充電器コネクタ、電池キャパシタ用ホルダー、電池キャパシタ用筐体あるいは電気自動車用充電スタンド用筺体として好適に使用できる。
電気自動車用充電器コネクタは、蓄電量が低下した場合に充電器を備えた設備において充電することになるが、当該設備で使用する電気自動車用充電器の接触式コネクタである。電池キャパシタ用ホルダーは、充電器(バッテリー)とは別に非常用補助電源としての大容量キャパシタを保持するホルダーである。電池キャパシタ用筐体は、上記キャパシタを構成する筐体である。また、電気自動車用充電スタンド用筺体は、100Vあるいは200Vの交流電源から電気自動車のバッテリーに充電するためのスタンドを構成する筺体である。
これら成形品の形状、大きさ、厚み等は任意である。
以下の実施例および比較例において、使用した成分は、以下の表1の通りである。
表1に示す各成分を表2に示す割合(全て質量部)にて、タンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX−30α」、L/D=52)を使用し、バレル設定温度250℃、スクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練した樹脂組成物を、水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物のペレットを得た。なお、(D)アンチモン化合物は、三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリブチレンテレフタレート樹脂「ノバデュラン(登録商標)5020」50質量%と、三菱エンジニアリングプラスチックス社製ポリブチレンテレフタレート樹脂「ノバデュラン(登録商標)5008」50質量%の混合物をベース樹脂としたアンチモン化合物のマスターバッチとして配合した(マスターバッチ中の(D)アンチモン化合物の含有量は70質量%)。
得られたペレットの特性は、射出成形機(日精樹脂工業社製、NEX80−9E)を用いてシリンダー温度250℃、金型温度80℃、冷却時間15秒の条件で射出成形した試験片について、評価した。なお、成形に際して、樹脂組成物はその直前まで120℃にて6〜8時間乾燥した。
UL94試験用試験片(125mm×12.5mm×1.5mmt)を成形し、UL94規格に準拠して、V−0、V−1、V−2の判定をした。
また、UL94 5V Bar試験用試験片(125mm×12.5mm×3.0mmt)及び5V Plate試験用試験片(150mm×150mm×3.0mmt)を成形し、UL94 5V試験に準拠して、5VA、5VBの判定を行った。
・ノッチ付シャルピー衝撃強度:
ISO多目的試験片(厚さ4.0mm)を射出成形し、ISO179規格に準拠して試験片から厚さ4.0mmのノッチ付試験片を作製し、ノッチ付シャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。
・面衝撃強度:
大きさ150×80×40mmの箱型成形品(肉厚1.5mmt)を成形し、2.975kgの鋼球を所定の高さから落下させ、成形品が全破壊するときの高さ(単位:cm)を求めた。全破壊するときの高さが高いほど、面衝撃性に優れているといえる。なお、試験は105cmの高さまで行い、105cmで破壊しないものを「>100」と表中に記載した。
Claims (8)
- (A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂及び(B)ポリカーボネート樹脂を、(A)及び(B)の合計100質量部基準で、(A)を55〜80質量部、(B)を20〜45質量部含有し、さらに、(A)及び(B)の合計100質量部に対し、(C)臭素化ポリカーボネート系難燃剤5〜40質量部、(D)アンチモン化合物1〜15質量部、(E)エラストマー5〜20質量部、及び、(F)硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、ホウ酸亜鉛及びシリカからなる群から選ばれる少なくとも1種を0.5〜10質量部含有することを特徴とするポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (B)ポリカーボネート樹脂が、28000を超える粘度平均分子量を有するものである請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂の極限粘度が0.9dl/g以上である請求項1又は2に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (E)エラストマーが、アクリル系コア/シェル型グラフト共重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (E)エラストマーの平均粒子径が300nm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
- さらに、(G)滴下防止剤を、前記(A)及び(B)の合計100質量部に対し、0.05〜1質量部含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物を成形してなる成形品。
- 電気自動車用充電器コネクタ、電池キャパシタ用ホルダー、電池キャパシタ用筐体あるいは電気自動車用充電スタンド用筺体のいずれかである請求項7に記載の成形品。
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