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JP6438722B2 - 基礎構造の施工方法 - Google Patents
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本発明は、地盤に支持された第1部位と、前記第1部位どうしの間に亘らせた第2部位と、を備えたコンクリート造の基礎構造の施工方法に関する。
コンクリート造の基礎構造として、構造スラブ等の第2部位を、地盤に支持された基礎梁(地中梁)等の第1部位どうしの間に亘らせたものが知られている(例えば、特許文献1,2を参照。)。
かかる従来の基礎構造において、構造スラブ等は、砕石の敷き込みや均しコンクリートの打設等が施された整地後の地盤上に、直接又は適宜捨て型枠等を介してコンクリートを打設して造成される。即ち、このように造成される構造スラブ等は、直接又は捨て型枠等を介して地盤側に接触している状態となる。
特開2007−262854号公報 特開平05−247947号公報
上記のような基礎構造において、構造スラブ等が地盤側に接触していると、当該構造スラブ等の振動が接触部を介して直接的に地盤側に伝達されやすくなる。
特に、多目的ホールのように、比較的広い構造スラブ上でロックコンサート等の各種公演が行われるような建物では、観客が音楽に合わせて頭を縦に振ったり飛び跳ねたりする所謂「タテノリ」現象により、構造スラブ等が比較的大きく振動する場合がある。そして、その大きな振動が接触部を介して直接的に地盤側に伝達されてしまうと、その振動による近隣住民へ影響が懸念される。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、地盤に支持された第1部位と、前記第1部位どうしの間に亘らせた第2部位と、を備えたコンクリート造の基礎構造の施工方法において、第2部位から地盤側への直接的な振動の伝達を防止して、当該振動による近隣住民への影響を回避することができる技術を提供する点にある。
本基礎構造の特徴構成は、地盤に支持された第1部位と、前記第1部位どうしの間に亘らせた第2部位と、を備えたコンクリート造の基礎構造であって、
前記第2部位が地盤側に対して浮かせた非接触状態で構成されている点にある。
本特徴構成を有する基礎構造によれば、構造スラブ等の上記第2部位が、地盤側に対して浮かせた非接触状態で構成されるので、上記第2部位は、地盤側に対して、全体に亘って空洞が間に介在する所謂縁切りされた状態となり、第2部位の振動が直接的に地盤に伝達されなくなる。
したがって、本発明により、第2部位から地盤側への直接的な振動の伝達を防止して、当該振動による近隣住民への影響を回避することができる基礎構造を提供することができる。
本発明の第特徴構成は、地盤に支持された第1部位と、前記第1部位どうしの間に亘らせた第2部位と、を備えたコンクリート造の基礎構造の施工方法であって、
前記第2部位の形成空間にコンクリートを打設するにあたり、前記地盤側との間に設ける支保工を、溶解により除去可能な発泡樹脂で構成すると共に、当該支保工に向かう方向に開口する噴射孔が側壁に穿設された供給管を前記地盤側との間における前記支保工の側部に配置し、
前記第2部位の形成空間に打設したコンクリートの強度発現後に、前記供給管に対して前記発泡樹脂を溶解する溶剤を圧送することで、当該供給管の側壁に設けられた噴射孔から前記溶剤を前記支保工に噴射して、当該支保工を溶解させて除去する点にある。
本特徴構成を有する基礎構造の施工方法によれば、構造スラブ等の上記第2部位の形成空間と地盤側との間に設けた所定の材料からなる支保工を、当該形成空間に打設したコンクリートの強度発現後に溶解又は生分解させて除去するというような合理的且つ簡単な方法で、上記第2部位を、地盤側に対して浮かせた非接触状態又は地盤に対する接触面積を低減させた状態で構成して、上記第2部位と地盤側との間に、全体に亘って空洞を形成するこができる。
即ち、このように構成された上記第2部位は、地盤側に対して、全体に亘って上記空洞を間に介在させて縁切りされた状態となるので、例え上記第2部位が大きく振動した場合でも、その振動が直接的に地盤に伝達されることを好適に防止することができる。
したがって、本発明により、第2部位から地盤側への直接的な振動の伝達を防止して、当該振動による近隣住民への影響を回避することができる基礎構造の施工方法を提供することができる。
更に、この基礎構造の施工方法では、コンクリート打設後の第2部位と地盤側との間の空間において、支保工を撤去するために作業員が潜り込む必要がないので、地盤の掘削量を最小限にするなどして、コストダウンや施工工数の削減を図ることができる。
本特徴構成を有する基礎構造の施工方法によれば、第2部位の形成空間と地盤側との間に設ける支保工を溶剤に接触させて溶解可能な発泡樹脂で構成する場合には、その溶剤を支保工に供給するための供給管を予め配置しておくので、第2部位の形成空間に打設したコンクリートの強度発現後に、その供給管を利用して簡単に溶剤を支保工に供給し、当該支保工を溶解除去することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記支保工が、発泡樹脂製の角材で構成されていると共に、長手方向が平行になる姿勢で地盤上に複数配置され、
前記供給管が、前記噴射孔を所定間隔で複数穿設して構成されている点にある。
本実施形態の基礎構造の施工方法において第2部位の形成空間に対するコンクリート打設前の状態を示す立断面図 本実施形態の基礎構造の施工方法において第2部位の形成空間に対するコンクリート打設後の状態を示す立断面図 本実施形態の基礎構造の施工方法において支保工の溶解途中の状態を示す拡大図 本実施形態の施工方法に構築された基礎構造の概略構成を示す立断面図
本発明の実施形態としての基礎構造及びその施工方法について図面に基づいて説明する。
先ず、基礎構造の構成について、図4に基づいて説明する。
本実施形態の基礎構造は、地盤1側に支持された基礎梁10(第1部位の一例)と、その基礎梁10どうしの間に亘らせた構造スラブ15(第2部位の一例)とを備えたコンクリート造の基礎構造として構成されている。更に、図示は省略するが、建物の四隅などに独立式のフーチングが複数配置されており、この基礎梁10は、それら複数のフーチングどうしの間に亘らせた状態で構築されているので、建物荷重が基礎梁10及びフーチングを介して地盤1に伝達されることになる。
ここで、基礎梁10は、いわゆる布基礎において地中に埋設される地中梁を示し、構造スラブ15は、その基礎梁10の上面に載置された状態で構築される最下階スラブを示す。更に、図示は省略するが、構造スラブ15の配筋は、基礎梁10の上部に突出させた配筋7に連結されており、これにより、構造スラブ15は、基礎梁10に連結支持された状態となる。
構造スラブ15は、当該構造スラブ15から地盤1側への直接的な振動の伝達を防止するために、地盤1側に対して浮かせた非接触状態で構成されている。即ち、構造スラブ15と地盤1側との間には、全体に亘って直接又は型枠などを介してそれらを接触させる接触部が存在しない空洞40が形成されている。すると、構造スラブ15は、地盤1側に対して、全体に亘って間に空洞40が介在する所謂縁切りされた状態となり、構造スラブ15の振動が直接的に地盤1に伝達されなくなる。
例えば、このような基礎構造を、多目的ホールのように、比較的広い構造スラブ15上でロックコンサート等の各種公演が行われるような建物の基礎構造に適用した場合には、観客が音楽に合わせて頭を縦に振ったり飛び跳ねたりする所謂「タテノリ」現象により、構造スラブ15が比較的大きく振動する場合がある。
しかし、このように構造スラブ15が大きく振動した場合でも、構造スラブ15が地盤1側に対して全体に亘って間に空洞40が介在する縁切りされた状態であるので、その大きな振動が地盤1に直接的に伝達されることが防止されており、結果、当該振動による近隣住民への影響が回避されている。
次に、このような基礎構造を構築するための施工方法について、図1〜図4に基づいて説明する。尚、図1〜図4は、基礎構造の施工方法において、基礎構造の根切り部分の状態変化を順に表したものである。
敷地内の根切りやフーチングの構築方法等については、公知の各種工法を採用することができ、その詳細な説明は割愛する。
また、基礎梁10の構築方法についても、公知の各種工法を採用することができるが、例えば以下のように構築することができる。
即ち、図1に示すように、根切り、砕石2の敷き込み、均しコンクリート3の打設等を施して整地された地盤1上に、底型枠としてのスパンクリートと呼ばれるコンクリートパネル4を、地盤1に支持されたフーチングに両端を架設させた状態で敷設し、その上に、捨て型枠5を立設する。そして、コンクリートパネル4と捨て型枠5内とで形成された空間に、適宜配筋7を施した上で、コンクリートを打設することで、基礎梁10が構築される。
尚、コンクリートパネル4の下方の地盤1は予め掘削され、コンクリートパネル4の下面と地盤1側との間に空間が形成されている。これにより、基礎梁10についても、地盤側に対して浮かせた非接触状態で構成されることになり、基礎梁10の振動が直接的に地盤に伝達され難くなる。
基礎梁10が構築された後に、構造スラブ15を構築するのであるが、その手順について以下に説明を加える。
先ず、図1に示すように、砕石2の敷き込み、均しコンクリート3の打設等を施して整地された地盤1上に、適宜支保工20を配置する。
ここで、支保工20は、溶解により除去可能な材料で構成されており、具体的には、ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等の発泡樹脂製の角材が用いられている。
発泡樹脂製の角材からなる支保工20は、両側に配置された基礎梁10の間において、当該基礎梁10に対して長手方向が平行になる姿勢で地盤1上に配置される。
更に、その支保工20の側部には、当該支保工20に対して後述する溶剤A(図3参照)を供給するための供給管30を配置する。供給管30としては、通常の可撓性のホースや塩化ビニル樹脂製パイプ等を利用することができ、その供給管30の側壁には、支保工20に向かう方向に開口する噴射孔30aが所定間隔で複数穿設されている。
支保工20及び供給管30等を地盤1側に配置した後に、支保工20上に、安定性を確保するための押え板21を載置した上で、デッキプレート11を載置する。尚、図示は省略するが、このデッキプレート11上に形成される構造スラブ15の形成空間にはスラブ筋が配置されている。
尚、このデッキプレート11の両端部は、基礎梁10又はその捨て型枠5の上面に架設されているので、そのデッキプレート11の幅が狭く撓みが問題にならない場合には、上記支保工20を省略することができる。しかし、本実施形態では、デッキプレート11の幅が比較的広いため、デッキプレート11の下面が支保工20により支保されている。
支保工20上にデッキプレート11を載置した後に、当該デッキプレート11の上部に形成された構造スラブ15の形成空間にコンクリートを打設する。すると、図2に示すように、基礎梁10どうしの間に亘る姿勢で構造スラブ15が構築されることになる。
尚、この段階では、構造スラブ15は支保工20等を介して地盤1側に接触している状態となっている。
更に、図3に示すように、構造スラブ15の形成空間に打設したコンクリートの強度が発現された後に、支保工20を溶解除去して、構造スラブ15を地盤1側に対して浮かせた非接触状態とする。
即ち、支保工20を構成する発泡樹脂は、所定の溶剤A、具体的には、ベンゼン,トルエン、アセトン、キシレン等の有機溶剤や、柑橘の皮から採れる芳香精油成分リモネン(d−リモネン)等の溶剤に接触させることで溶解除去可能な材料といえる。
そして、供給管30の基端側に設けた接続部31にポンプ32を接続し、当該ポンプ32により供給管30に溶剤Aを圧送することで、供給管30の側壁に設けられた噴射孔30aから溶剤Aが支保工20に向けて噴射されることになる。
すると、図3に示すように、発泡樹脂で構成された支保工20が溶剤Aの接触により徐々に溶解され、結果、図4に示すように、支保工20が完全に除去された状態となる。
尚、支保工20を除去した後は、供給管30は不要となるため、例えば、この供給管30については、露出部を適宜撤去し、裏あて板や詰めゴム等の落下防止措置を施して、モルタル等で埋設し隠すことが望ましい。
以上のような施工方法により、構造スラブ15を地盤1側に対して浮かせた非接触状態で構成し、構造スラブ15と地盤1側との間に、全体に亘って直接又は型枠などを介してそれらを接触させる接触部が存在しない空洞40を形成することができる。よって、上述したように、構造スラブ15の振動が地盤1に直接的に伝達されることを防止でき、当該振動による近隣住民への影響を回避できる。
また、この基礎構造の施工方法では、コンクリート打設後の構造スラブ15と地盤1側との間の空間において、支保工20を撤去するために作業員が潜り込む必要がないので、地盤1側の上面に対する構造スラブ15側の下面(デッキプレート11の下面)の空間高さが比較的低く設定されている。これにより、地盤1の掘削量が削減され、コストダウンや施工工数の縮小が図られている。
また、本実施形態では、支保工20として発泡樹脂を利用し、その発泡樹脂の溶解除去により構造スラブ15と地盤1側との間に空間を形成したが、このように発泡樹脂の溶解除去による空間形成の技術は、土間スラブの一時的な目地の形成や建物の外壁の耐震スリットの形成等にも好適に利用することができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態の基礎構造では、基礎梁10を地盤に支持された第1部位とし、構造スラブ15を第1部位どうしの間に亘らせた第2部位として、当該構造スラブ15を地盤1側に対して浮かせた非接触状態で構成したが、別の部位を第1部位及び第2部位として設定しても構わない。
例えば、建物の四隅などに配置されるフーチングを第1部位とし、そのフーチング同士の間に亘らせた基礎梁を第2部位として、当該基礎梁を地盤側に対して浮かせた非接触状態で構成したり、耐圧盤基礎(ベタ基礎)において、底盤部分の一部を第1部位として、底盤部分の他部を第2部位として、当該底盤部分の他部を地盤側に対して浮かせた非接触状態で構成しても構わない。
(2)上記実施形態の基礎構造では、第2部位である構造スラブ15を地盤1側に対して浮かせた非接触状態で構成するための基礎構造の施工方法として、構造スラブ15と地盤1側との間に設ける支保工20を、構造スラブ15の形成空間に打設したコンクリートの強度発現後に溶解させて除去する施工方法を採用したが、別の施工方法を採用しても構わない。例えば、コンクリートパネルなどで構成された第2部位の底型枠を、一対の第1部位に両端を架設させた状態で敷設し、その底型枠の下方の地盤を予め掘削しておくことで、第2部位を地盤側に対して浮かせた非接触状態とすることができる。
(3)上記実施形態の基礎構造の施工方法では、支保工20を、所定の溶剤Aにより溶解除去可能な発泡樹脂で構成したが、生分解により除去可能な材料を利用しても構わない。例えば、生分解により除去可能な材料としては、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸やポリヒドロキシアルカノエート等の微生物生産系、ポリ乳酸やポリビニルアルコール等の化学合成系、エステル化澱粉、酢酸セルロース等の天然物質系等の各種生分解性材料を使用できる。
1 地盤
10 基礎梁(第1部位)
15 構造スラブ(第2部位)
20 支保工
30 供給管
A 溶剤

Claims (2)

  1. 地盤に支持された第1部位と、前記第1部位どうしの間に亘らせた第2部位と、を備えたコンクリート造の基礎構造の施工方法であって、
    前記第2部位の形成空間にコンクリートを打設するにあたり、前記地盤側との間に設ける支保工を、溶解により除去可能な発泡樹脂で構成すると共に、当該支保工に向かう方向に開口する噴射孔が側壁に穿設された供給管を前記地盤側との間における前記支保工の側部に配置し、
    前記第2部位の形成空間に打設したコンクリートの強度発現後に、前記供給管に対して前記発泡樹脂を溶解する溶剤を圧送することで、当該供給管の側壁に設けられた噴射孔から前記溶剤を前記支保工に噴射して、当該支保工を溶解させて除去する基礎構造の施工方法。
  2. 前記支保工が、発泡樹脂製の角材で構成されていると共に、長手方向が平行になる姿勢で地盤上に複数配置され、
    前記供給管が、前記噴射孔を所定間隔で複数穿設して構成されている請求項1に記載の基礎構造の施工方法。
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