JP6448433B2 - キャリア - Google Patents
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Description
キャリアは、遊星ギヤにおけるギヤ軸の一端部と他端部とを支持する。そのため、遊星ギヤに対して軸方向一方の部材と軸方向他方の部材とを接合することで、キャリアを製造することが提案されている。たとえば、一方のプレートを軸方向に折り曲げて他方のプレートの面部に突き当てた状態で溶接することにより、キャリアが製造される。
そこで、軸方向からプレート同士を溶接することが提案されている。具体的には、軸方向一方のプレートにおいて周方向に並ぶスリットに、軸方向他方のプレートを折り曲げた端部を挿入し、軸方向一方から電子ビームを照射してプレート同士を溶接することで、キャリアを製造することが検討されている(特許文献1参照)。
前記キャリアは、前記ギヤ軸の軸方向一方を支持する本体部と前記ギヤ軸の軸方向他方を支持するカバー部とを備える。
前記カバー部は、前記ギヤ軸よりも内周側の径方向位置と前記ギヤ軸よりも外周側の径方向位置とを結ぶ周方向端縁部が前記本体部に対して接合される。
なお、前記カバー部の前記周方向端縁部が本体部に対して接合されることから、前記カバー部は、前記キャリアにおいて周方向に分割された部位である。
(3)前記カバー部は、周方向に間隔をおいて複数が設けられることが好ましい。この場合、軸方向視で、対向する前記カバー部における前記周方向端縁部それぞれが一直線上に配置されることが好ましい。すなわち、二つの前記周方向端縁部が軸方向視で一直線上に設定されることが好ましい。
(4)前記本体部は、鍛造,鋳造または焼結によって成形されることが好ましい。
(6)前記カバー部の前記周方向端縁部は、軸方向他方側から前記本体部に溶接されることが好ましい。
このキャリアは、遊星ギヤ機構において遊星ギヤのギヤ軸を支持するものである。
本実施形態では、遊星ギヤ機構の軸心(遊星ギヤの公転軸心)を「C1」とし、遊星ギヤ自身の軸心(遊星ギヤの自転軸心)を「C2」とする。なお、図面には、互いに平行に設けられる軸心C1,C2に沿う方向の一方(以下、「軸方向一方」という)を「I」とするとともに他方(以下、「軸方向他方」という)を「O」とする。
[1.構成]
図2に二点鎖線で示すように、遊星ギヤ機構には、中心に配置されるサンギヤ2と外周に配置されるリングギヤ4とが軸心C1と同心に設けられ、これらサンギヤ2およびリングギヤ4の間に遊星ギヤ3が配置される。遊星ギヤ3は、サンギヤ2およびリングギヤ4それぞれと噛合し、自身の軸心C2まわりに回転(自転)するとともに遊星ギヤ機構の軸心C1まわりに回転(公転)する。ここでは、軸心C1を中心とする周方向に沿って等間隔に、四つの遊星ギヤ3が配置される。
以下、図1〜図4を参照して、キャリア1の構成を詳細に説明する。
キャリア1は、ギヤ軸3aの軸方向一方を支持する本体部10と、ギヤ軸3aの軸方向他方を支持するカバー部20との二種の部材に大別される。
本体部10は、四つのギヤ軸3aの軸方向一方を支持する部材である。この本体部10は、軸心C1を中心とする円板状であって軸心C1に直交する面状の面部11と、面部11から軸方向他方に突出して設けられた四つの脚部12との二種の部位に大別される。
本体部10は、面部11と脚部12とが一体に成形されている。この本体部10は、以下に例示する製法1〜3の何れかによって成形される。
製法1:金属の塊を鍛造した後に切削する
製法2:溶融した金属を鋳造した後に切削する
製法3:粉末状の金属を焼結して成形する
以下、面部11,脚部12の順に説明する。
面部11は、軸方向他方に延在する平面(以下、「内面」という)111と軸方向一方に延在する平面(以下、「外面」という)112とを有する。この面部11は、ギヤ軸3aの軸方向一方へ突出した部分(以下、「一端部」という)に対応する軸方向位置に設けられる。
また、面部11は、脚部12の内周面12aよりも内周側へフランジ状に突出してサンギヤ2の外周部と軸方向視で重畳する内周面部11Aと、脚部12間の本体部10を構成し、径方向に沿う寸法(以下、「径方向幅」という)が遊星ギヤ3の直径よりやや小さく且つ脚部12と同一の径方向幅の外周面部11Bとに大別される。
四つの脚部12は、周方向に遊星ギヤ3それぞれを挟むように配置されている。遊星ギヤ3に対して周方向の両側に脚部12が立設されている。これらの脚部12それぞれは、軸心C1を基準とする四回の回転対称形状に設けられている。そのため、配設箇所を除いて脚部12それぞれは同一形状に成形されている。そこで、以下の説明では一つの脚部12に着目して説明する。
脚部12は、ギヤ軸3aのうち軸方向他方へ突出した部分(以下、「他端部」という)に対応する軸方向位置まで、外周面部11Bから突出して設けられている。すなわち、ギヤ軸3aのうち一端部を除いた部分に対応する軸方向位置に脚部12が設けられる。
この脚部12には、軸方向他方側の端部における周方向端部(直線状縁部)それぞれに、詳細を後述するカバー部20の厚みに応じて切り欠かれた段部13が成形されている。段部13は、軸方向に沿う面部(以下、「軸面」という)13aと周方向に沿う周方向面部(以下、「周面」という)13bとで形成される。
カバー部20は、遊星ギヤ3それぞれに応じて四つ設けられた部材である。これらのカバー部20は、周方向に間隔をおいて設けられ、それぞれ周方向に隣接する脚部12の段部13間に架け渡すように取り付けられる。そのため、カバー部20は、キャリア1において周方向に分割されたものといえる。たとえば、カバー20の周方向端部21は、軸方向視で45°おきに設けられる。
これらのカバー部20は、軸心C1を基準とした四回の回転対称形状に成形されている。そのため、配設箇所を除いてカバー部20それぞれは同一形状に成形されている。そこで、以下の説明では一つのカバー部20に着目して説明する。
このカバー部20には、本体部10の軸穴11aに対応する軸穴20aが設けられる。この軸穴20aには、対応するギヤ軸3aの他端部が挿入されて支持される。すなわち、カバー部20の周方向端部21は、ギヤ軸3aよりも内周側の径方向位置とギヤ軸3aよりも外周側の径方向位置とを結んでいる。
また、軸方向視において、軸心C1を挟んで対向する二つのカバー部20,20′の各周方向端縁部21,21′が一直線L1上に配置されている。すなわち、二つの周方向端縁部21,21′が同一の直線L1上に配置される。なお、本実施形態においては、直線L1が軸心C1を通る。そのため、直線L1上に本体部10の直径がある。
この板材9には、打ち抜き工程における移送(いわゆる縦走)のため、打ち抜かれるカバー部20ではない箇所に送り穴9aが形成されている。なお、軸穴20aも打ち抜いて成形する場合には、この軸穴20aに送り穴9aの機能を持たせることができる。すなわち、送り穴9aを省略することができる。ただし、はじめに軸穴20aを打ち抜いたのちにカバー部20を打ち抜く必要がある。
周方向端面21が段部13の軸面13aに対して接合されることで、カバー部20が本体部10に対して取り付けられることにより、キャリア1が製造される。
次に、キャリア1の製造について詳細に説明する。
はじめに、本体部10に対するカバー部20の位置決めについて説明する。
図1に示すように、本体部10における脚部12の段部13に対して、カバー部20を外周から内周へ向けて押し込み、カバー部20を軸方向他方から一方へ押圧する。そのため、カバー部20の周方向端面21と段部13の軸面13aとが突き合わされ、カバー部20における周方向端面21近傍の内面201と段部13の周面13bとが突き合わされる。このようにして、本体部10に対してカバー部20が位置決めされる。
本体部10に対してカバー部20が位置決めされた状態では、図3に示すように、カバー部20の周方向端面21と段部13の軸面13aとが突き合わされて密着している。すなわち、軸方向に直交する同一の平面内において周方向端面21と軸面13aとが接合される。
さらに、二つの周方向端面21,21′が軸心C1を挟んで配置される直線L1に沿って溶接時に照射される電子ビームあるいはレーザを移動させることで、二つの周方向端面21,21′が一工程で溶接される。
本体部10とカバー部20とが接合されたのち、軸穴11a,20aが設けられていなければ、軸穴11a,20aが穿設される。このようにして、キャリア1が組み立てられる。
本実施形態におけるキャリア1は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)ギヤ軸3aの軸方向他方を支持するカバー部20は、その周方向端面21の内周側と外周側との間が、ギヤ軸3aの軸方向一方を支持する本体部10に対して接合される。したがって、本体部10に対するカバー部20の接合強度を高めることができる。よって、キャリア1に組み付けられる遊星ギヤ3の支持剛性を確保することができる。
また、カバー部20は、キャリア1において周方向に分割されているため、本体部10の面部11のような環状のプレートを打ち抜いて成形するのに比較して、板材9の大きさ(幅)を抑えることができる。言い換えれば、材料歩留まりを抑えることができる。よって、材料コストを抑えることができる。
一方、本キャリア1の本体部10は、鍛造,鋳造または焼結によって成形されるため、プレス加工に必要な凹部を設けること無く、強度あるいは剛性を確保することができる。
一方、本キャリア1は、カバー部20の周方向端面21と段部13の軸面13aとが軸方向他方側からに溶接される。そのため、外周面部11Bの内面111へのスパッタの飛散が抑えられ、製造コストを低減させることができる。
以上、一実施形態について説明したが、本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した一実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
遊星ギヤ3の個数は、四つに限らず、三つ以下であってもよいし五つ以上であってもよい。この場合、脚部12およびカバー部20も遊星ギヤ3に応じた数だけ設けられる。たとえば、三つの遊星ギヤ3が設けられる場合に、周方向端縁部21が軸方向視で60°おきに設けられれば、対向するカバー部20における周方向端面21それぞれを一直線上に配置することができる。このような配置であれば、奇数のカバー20が設けられる場合であっても、接合効率を向上させることで、製造コストを低減させることができる。
カバー部20の周方向端面21は、軸方向に沿うものに限られず、図3に二点鎖線で示すように、軸方向一方を向くように傾斜した形状に成形されてもよい。この場合、段部13は、周方向端面21に対応して軸方向他方を向くように傾斜した形状に成形される。
なお、本体部10は、鍛造,鋳造,焼結に限らず、プレス加工などの他の製法によって成形されてもよい。
2 サンギヤ
3 遊星ギヤ
3a ギヤ軸
4 リングギヤ
10 本体部
11 面部
111 内面
112 外面
11A 内周面部
11B 外周面部
11a 軸穴
12 脚部
13 段部
13a 軸面
13b 周面
20 カバー部
20a 軸穴
201 内面
202 外面
21 周方向端面(周方向端縁部)
9 板材
9a 送り穴
r1 ギヤ軸3aよりも内周側の径方向位置
r2 ギヤ軸3aよりも外周側の径方向位置
L1 直線
Claims (6)
- 遊星ギヤ機構において遊星ギヤのギヤ軸を支持するキャリアであって、
前記ギヤ軸の軸方向一方を支持する本体部と
前記ギヤ軸の軸方向他方を支持し、前記ギヤ軸よりも内周側の径方向位置と前記ギヤ軸よりも外周側の径方向位置とを結ぶ周方向端縁部が前記本体部に対して接合されるカバー部と、
を備えたことを特徴とするキャリア。 - 前記カバー部は、外周から内周へ向かうにつれて前記周方向端縁部間の寸法が短く成形され、
軸方向に対して直交する同一の平面内において、前記周方向端縁部と前記本体部とが接合される
ことを特徴とする請求項1に記載のキャリア。 - 前記カバー部は、周方向に間隔をおいて複数が設けられ、
軸方向視で、対向する前記カバー部における前記周方向端縁部それぞれが一直線上に配置される
ことを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア。 - 前記本体部は、鍛造,鋳造または焼結によって成形される
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のキャリア。 - 前記本体部における前記遊星ギヤの両側に脚部が立設され、
前記脚部の軸方向他方側に、前記カバー部の厚みに応じて切り欠かれた段部が成形され、
前記段部に前記カバーの前記周方向端縁部が接合される
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のキャリア。 - 前記カバー部の前記周方向端縁部は、軸方向他方側から前記本体部に溶接される
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のキャリア。
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