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JP6923004B2 - ロータの製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、ロータの製造方法に関する。
従来、プレートと回転伝達部材とを備えるロータの製造方法が知られている。このようなロータの製造方法は、たとえば、特開2015−119557号公報に開示されている。
上記特開2015−119557号公報には、ロータコアとエンドプレート(プレート)と軸体(回転伝達部材)とを備えるロータの製造方法が開示されている。このロータの製造方法では、ロータコアのコア内周面と軸体の外周面とが溶接される。そして、エンドプレートのプレート内周面と、軸体の外周面とが溶接される。これにより、ロータコアと軸体とエンドプレートとが互いに固定されたロータが製造される。
特開2015−119557号公報
ここで、上記特開2015−119557号公報には記載されていないが、回転伝達部材(軸体)は、ロータコアと、シャフトまたはギア部等との間で回転運動を伝達する機能上、比較的硬い組織を有する材料により構成することが好ましい。具体的には、回転伝達部材は、マルテンサイト系材料から構成される。マルテンサイトの組織は、オーステナイトの組織またはフェライトの組織に比べて硬い組織である一方、他の部材(プレート)に溶接された後に生じる割れである低温割れが生じやすいという不都合がある。この低温割れが生じた場合、溶接された部分の接合強度を確保することは困難になる。このため、従来、マルテンサイト系材料から構成される回転伝達部材に、プレートを溶接して固定する場合に、接合強度を確保することが可能なロータの製造方法が望まれていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、マルテンサイト系材料から構成される回転伝達部材に、プレートを溶接して固定する場合にも、接合強度を確保することが可能なロータの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるロータの製造方法は、ロータコアと、ロータコアの回転軸線方向の少なくとも一方側に配置されるプレートと、マルテンサイト系材料から構成され、プレートに溶接されて固定される回転伝達部材とを備えるロータの製造方法であって、回転伝達部材に径方向に隣接して設けられ、回転軸線方向の端面から、回転軸線方向のうちのロータコアから離れる方向に突出する突出部と、突出部と径方向に隣接するとともに突出部の回転軸線方向の幅よりも小さい回転軸線方向の幅を有する部分とを有し、オーステナイト系材料から構成される前記プレートを準備する工程と、プレートを準備する工程の後、プレートよりも径方向の内側に、回転伝達部材を配置する工程と、回転伝達部材を配置する工程の後、突出部の少なくとも一部にエネルギービームを照射して、突出部の少なくとも一部を溶融させることにより、プレートの突出部と回転伝達部材とに亘って溶接部を形成する工程とを備える。
この発明の一の局面によるロータの製造方法では、上記のように、突出部の少なくとも一部を溶融させることにより、プレートの突出部と回転伝達部材とに亘って溶接部を形成する。これにより、プレートのうちの溶融される部分が突出しない面として形成されている場合に比べて、突出部(プレートのうちの溶融される部分)の熱容量を小さくすることができる。この結果、オーステナイト系材料から構成されるプレートの溶融量を、突出部を設けない場合に比べて大きくすることができるので、溶接部におけるオーステナイト系材料の溶融割合を大きくすることができる。その結果、溶接部において、低温割れを生じにくくすることができるので、マルテンサイト系材料から構成される回転伝達部材に、プレートを溶接して固定する場合にも、接合強度を確保することができる。ここで、溶接部におけるオーステナイト系材料の溶融割合を大きくするために、オーステナイト系材料からなる溶接用ワイヤを溶融している部分に供給しながら溶接することが考えられる。しかしながら、この場合、溶接装置とは別個に、溶接用ワイヤを供給するワイヤ供給装置を、ロータの製造設備に設ける必要があるため、ロータの製造設備が大型化するという問題点がある。これに対して、この発明の第1の局面によるロータの製造方法では、予めプレートに設けられたオーステナイト系材料から構成されている突出部を溶融させることができるので、ワイヤ供給装置をロータの製造設備に設けることなく、溶接部におけるオーステナイト系材料の溶融割合を大きくすることができる。この結果、ロータの製造設備(溶接設備)が大型化するのを防止しながら、回転伝達部材とプレートとの接合強度を確保することができる。
本発明によれば、上記のように、マルテンサイト系材料から構成される回転伝達部材に、プレートを溶接して固定する場合にも、接合強度を確保することができる。
本発明の一実施形態によるロータ(回転電機)の断面図であり、図2の600−600線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態によるロータを回転軸線方向に見た図である。 本発明の一実施形態によるロータコアの一部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態によるエンドプレートを回転軸線方向に見た図である。 図2の700−700線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による突出部および第1溶接部の構成を示す断面図である。 図6の第1溶接部を示す部分拡大図である。 本発明の一実施形態によるロータを回転軸線方向に見た部分拡大図である。 本発明の一実施形態によるロータの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態のエンドプレートの準備の工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態のエンドプレートの配置の工程およびハブ部材の配置の工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態の第1溶接部を形成する工程を説明するための図である。 比較例による第1溶接部の形成方法と本発明の一実施形態による第1溶接部の形成方法との比較結果を説明するための図である。 本発明の一実施形態による第1溶接部の溶融割合に関する接合強度の評価結果を示す図である。 本発明の一実施形態の第1変形例によるロータ(突出部および第1溶接部)の構成を示す図である。 本発明の一実施形態の第2変形例によるエンドプレートの構成を示す図である。 本発明の一実施形態の第3変形例によるエンドプレートの構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[ロータの構造]
図1〜図8を参照して、第1実施形態によるロータ100の構造について説明する。
本願明細書では、「回転軸線方向」とは、ロータ100の回転軸線Cに沿った方向(Z方向、図1参照)を意味する。また、「周方向」とは、ロータ100の周方向(矢印A1方向または矢印A2方向、図2参照)を意味する。また、「径方向内側」とは、ロータ100の中心に向かう方向(矢印R1方向)を意味する。また、「径方向外側」とは、ロータ100の外に向かう方向(矢印R2方向)を意味する。
図1に示すように、ロータ100は、回転電機101の一部を構成する。たとえば、回転電機101は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。すなわち、回転電機101では、ロータ100の径方向外側に、ステータ10が配置されている。ステータ10は、ステータコア11と、ステータコア11に巻回される巻線12とを備えている。
また、ロータ100は、ロータコア20と、エンドプレート30と、ハブ部材40とを備える。エンドプレート30とハブ部材40とは、第1溶接部50により互いに接合されている。また、ロータコア20とハブ部材40とは、第2溶接部60により互いに接合されている。なお、エンドプレート30は、請求の範囲の「プレート」の一例である。また、ハブ部材40は、請求の範囲の「回転伝達部材」の一例である。また、第1溶接部50は、請求の範囲の「溶接部」の一例である。また、第2溶接部60は、請求の範囲の「コア溶接部」の一例である。
(ロータコアの構成)
図1に示すように、ロータコア20は、複数の電磁鋼板21を含む。ロータコア20は、複数の電磁鋼板21は、回転軸線Cの延びる方向である回転軸線方向(Z方向)に積層されることにより形成されている。電磁鋼板21は、たとえば、磁性体である珪素鋼板により構成されている。複数の電磁鋼板21は、それぞれ、回転軸線Cを中心に円環状に形成されており、積層された状態で回転軸線方向に延びる円筒形状を構成する。
ロータコア20には、径方向内側に貫通孔22が設けられている。また、ロータコア20の貫通孔22には、ハブ部材40が配置されている。そして、ロータコア20の貫通孔22を構成するコア内周面22aと、ハブ部材40の外周面41とが、第2溶接部60により接合されている。
また、ロータコア20には、永久磁石23がそれぞれ挿入される複数の挿入孔24が設けられている。図2に示すように、挿入孔24は、円環状のロータコア20の周方向に沿って、等角度間隔に設けられている。また、挿入孔24は、たとえば、ロータコア20の矢印Z1方向側のコア端面25aから矢印Z2方向側のコア端面25bまで貫通して延びるように形成されている。
図3に示すように、ロータコア20には、回転軸線方向から見て、貫通孔22のコア内周面22aから径方向外側に窪む凹部26と、隣り合う2つの凹部26の間に設けられ、回転軸線Cに向かって突出する凸部27とが設けられている。凹部26は、たとえば、自動変速機油(ATF:Automatic Transmission Fluid)を通過(たとえば、図3の矢印B参照)させる油路として形成されている。自動変速機油は、ロータ100およびステータ10を冷却する機能を有する。
また、ロータコア20には、凸部27が溶融されることにより形成されたコア形成溶接部28が設けられている。コア形成溶接部28により、複数の電磁鋼板21同士が接合されている。具体的には、コア形成溶接部28は、コア端面25aからコア端面25bに亘って、凸部27の頂部近傍に設けられている。
(エンドプレートの構成)
エンドプレート30は、非磁性体材料により構成されている。本実施形態では、エンドプレート30は、オーステナイト系材料のステンレス鋼(stainless steel)により構成されている。エンドプレート30は、たとえば、日本工業規格(JIS)により規定されているSUS304、または、SUS309により構成されていることが好ましい。
図1に示すように、エンドプレート30は、ロータコア20の回転軸線方向の一方側(コア端面25a)と他方側(コア端面25b)とにそれぞれ配置されている。そして、2つのエンドプレート30は、ロータコア20を回転軸線方向の両側から挟み込むように配置されている。また、図4に示すように、エンドプレート30は、回転軸線方向に見て、円環状に形成されている。また、エンドプレート30の内周面31は、回転軸線方向にコア内周面22aと略面一に配置されている。
図5に示すように、エンドプレート30は、エンドプレート30の内周面31が、ハブ部材40の外周面41に径方向に対向するように配置されている。また、エンドプレート30とハブ部材40とは、エンドプレート30の内周面31のプレート側接合端面31aとハブ部材40の外周面41のハブ側接合端面41aとが、第1溶接部50において、溶接されることにより、互いに固定されている。
また、エンドプレート30の厚みt2は、電磁鋼板21の回転軸線方向の厚みt1よりも大きい。なお、図6に示すように、エンドプレート30の厚みt2とは、端面30aから端面30bまでの長さを意味するものとし、底板部32cの厚みt4を除く部分の回転軸線方向の厚みを意味するものとして記載している。
〈突出部の構成〉
図6および図7に示すように、本実施形態では、エンドプレート30は、内周面31のプレート側接合端面31aに径方向外側に隣接して設けられ、エンドプレート30の回転軸線方向の端面である窪み部32の底面32aから回転軸線方向のうちのロータコア20から離れる方向(矢印Z1方向)に突出するとともに、第1溶接部50の一部と、溶融されていない部分である非溶融部71とを有する突出部70を含む。突出部70は、窪み部32とプレート側接合端面31aとの径方向の間に形成されている。なお、「溶融されていない部分(非溶融部71)」とは、溶接された際に組織変化が生じていない部分に限られず、溶接熱により組織変化が生じた熱影響部を含む、広い概念を意味するものとして記載している。また、プレート側接合端面31aは、請求の範囲の「内壁面」の一例である。
また、以下の説明では、図5に示すように、コア端面25a(矢印Z1方向側)に配置されるエンドプレート30とコア端面25b(矢印Z2方向側)に配置されるエンドプレート30とは、同様に構成されているため、コア端面25aに配置されるエンドプレート30についてのみ説明し、コア端面25bに配置されるエンドプレート30についての説明は省略する。
図6に示すように、突出部70は、突出方向(矢印Z1方向側)の表面である頂面72と、プレート側接合端面31aと、傾斜面73とを含む。ここで、本実施形態では、突出部70の頂面72は、回転軸線方向のうちのロータコア20から離れる方向に向かって、径方向内側(ハブ部材40の側)に向かうように(矢印E1方向に)傾斜するように形成されている。すなわち、突出部70の回転軸線方向の突出高さh1(エンドプレート30の厚みt3)は、ハブ部材40側の方が大きく、ハブ部材40とは反対側(窪み部32側)の方が小さい。なお、突出部70の突出高さh1とは、底面32aから頂面72までの長さである。図6では、突出高さh1は、突出高さが最大となる部分(たとえば、プレート側接合端面31a近傍の位置)の突出高さを示している。また、厚みt3とは、エンドプレート30のロータコア20側の端面30aから頂面72までの長さを意味するものとする。
ここで、頂面72の第1溶接部50が形成される前の状態である頂面172(点線)では、回転軸線方向に直交する平坦面として形成されている。そして、頂面72は、第1溶接部50が形成される際に、頂面172が矢印Z1方向側に盛り上がるように変形(余盛)されることにより形成されている。すなわち、頂面72には、溶接ビート(溶接痕)が形成されている。
また、プレート側接合端面31aは、第1溶接部50が形成される前の状態で、回転軸線方向に沿ったエンドプレート30の内周面31の一部を構成する。また、プレート側接合端面31aは、ロータ100が完成された状態で、一部が第1溶接部50の内部に含まれた状態(点線部分)になる。また、プレート側接合端面31aの回転軸線方向の長さL1は、厚みt3に等しい。なお、プレート側接合端面31aは、説明上「端面」という表現を用いているが、上記のように、プレート側接合端面31aの一部が第1溶接部50の内部に含まれた状態(点線部分)をも意味するものとして記載している。
ここで、本実施形態では、傾斜面73は、突出部70の頂面72と窪み部32の底面32aとに連続して形成されるとともに、頂面72から底面32aに径方向外側(ハブ部材40から離れる方向)に向かって回転軸線方向に対して傾斜するように構成されている。すなわち、頂面72の径方向の幅W1は突出部70の根元部74の径方向の幅W2よりも小さい。
ここで、傾斜面73の傾斜角度θ1は、回転軸線方向に直交する平面に対して、傾斜角度が30度以上60度以下の大きさ(たとえば、40度以上50度以下)が好ましい。傾斜面73の傾斜角度が30度よりも小さい場合、突出部70の後述する突出高さh1が比較的小さくなるか、突出部70の根元部74の幅W2が比較的大きくなることにより、突出部70の熱容量が大きくなるため、第1溶接部50を形成する際に、入熱された熱がエンドプレート30の径方向外側の部分に伝達しやすくなる。これにより、第1溶接部50におけるエンドプレート30の溶融割合が低下する。また、傾斜面73の傾斜角度が60度よりも大きい場合には、後述するエネルギービームの照射位置P1が頂面72から傾斜面73にずれた場合に、エネルギービームの散乱・反射が大きくなることにより、突出部70(第1溶接部50)に対する入熱量が減少してしまう。これに対して、傾斜面73の傾斜角度を、30度以上60度以下にすれば、第1溶接部50におけるエンドプレート30の溶融割合が低下するのを防止することが可能になるとともに、入熱量が減少してしまうのを防止することが可能になる。
また、図8に示すように、回転軸線方向に見て、突出部70は、永久磁石23が配置される挿入孔24の径方向内側に設けられている。また、回転軸線方向に見て、突出部70の一部は、ロータコア20の凹部26の少なくとも一部および凸部27の少なくとも一部とオーバーラップするように配置されている。
〈突出部以外の各構造〉
図6に示すように、窪み部32は、傾斜面73と、底面32aと、径方向外側傾斜面32bとにより構成されている。底面32aは、たとえば、回転軸線方向に直交する平坦面として構成されている。また、径方向外側傾斜面32bは、底面32aとエンドプレート30の矢印Z1方向側の端面30aとを接続するように形成されている。また、径方向外側傾斜面32bは、矢印Z1方向に向かって、径方向外側に傾斜する弧状または直線状の傾斜面として形成されている。窪み部32の窪み深さd1は、底面32aと端面30aとの回転軸線方向位置のずれの大きさに対応する。
図8に示すように、本実施形態では、エンドプレート30には、回転軸線方向(矢印Z2方向)に見て、突出部70の周方向に隣接する位置にプレート側接合端面31aから径方向外側に窪む逃げ部33を有する。具体的には、逃げ部33は、径方向外側に窪む凹部として構成されており、回転軸線方向の外側から見て、逃げ部33を介して、コア端面25aの一部(コア端面25bの一部)と第2溶接部60とが露出している。なお、逃げ部33は、請求の範囲の「コア溶接用逃げ部」の一例である。
また、逃げ部33は、突出部70の周方向の両側から挟み込むように配置されている。これにより、突出部70では、第1溶接部50が形成される際に、熱容量がさらに低減される。
図5に示すように、エンドプレート30には、窪み部32よりも径方向外側に設けられ、回転軸線方向外側(ロータコア20から離れる方向)に屈曲して突出する屈曲部34が設けられている。
(ハブ部材の構成)
本実施形態では、ハブ部材40は、マルテンサイト系材料から構成されている。具体的には、ハブ部材40は、マルテンサイト系材料の炭素鋼(たとえば、日本工業規格により規定されるS25CまたはS35C)から構成されている。ハブ部材40は、炭素成分が比較的少なく比較的溶接しやすいS25Cが採用されることが好ましい。
図1に示すように、ハブ部材40は、シャフト部材40aに接続されており、ロータコア20およびエンドプレート30と、シャフト部材40aとの間で、回転運動を伝達するように構成されている。
図8に示すように、ハブ部材40は、円筒形状を有するように構成されており、外周面41には、第1溶接部50および第2溶接部60が設けられている。また、外周面41には、プレート側接合端面31aに対して径方向に対向するハブ側接合端面41aが設けられている。ハブ側接合端面41aの一部は、第1溶接部50が形成された状態で、プレート側接合端面31aの一部と一体化する(図6参照)。すなわち、ハブ側接合端面41aとプレート側接合端面31aとの境界がなくなる。なお、外周面41は、請求の範囲の「回転伝達部材の外径側表面」の一例である。また、ハブ側接合端面41aは、請求の範囲の「内壁面に対向する対向面」の一例である。
図6に示すように、本実施形態では、ハブ部材40には、ハブ部材40の外周面41の一部を構成するとともに、ハブ側接合端面41aに、回転軸線方向のうちのロータコア20から離れる方向(矢印Z1方向に向かって)面一に連続して形成されている熱逃がし部41bが設けられている。
(第1溶接部の構成:エンドプレートとハブ部材との溶接部分の構成)
図5に示すように、第1溶接部50は、ロータ100のZ方向の両側に設けられている。たとえば、図2に示すように、第1溶接部50は、周方向に等角度間隔で離間して、複数設けられている。また、図8に示すように、回転軸線方向に見て、第1溶接部50は、永久磁石23が配置される挿入孔24の径方向内側に設けられている。また、回転軸線方向に見て、第1溶接部50の一部は、ロータコア20の凹部26の少なくとも一部および凸部27の少なくとも一部とオーバーラップするように配置されている。
図5に示すように、第1溶接部50は、エンドプレート30の突出部70からプレート側接合端面31aおよびハブ側接合端面41aを介してハブ部材40に亘って形成されている。また、Z方向両側に設けられた第1溶接部50は同一に構成されているため、以下では、一方(矢印Z1方向側の第1溶接部50)について説明し、他方(矢印Z2方向側の第1溶接部50)についての説明を省略する。
図7に示すように、第1溶接部50の径方向断面の形状は、エンドプレート30とハブ部材40とが溶接される際の溶融部150の形状に対応する。なお、第1溶接部50とは、エンドプレート30の溶融された部分と、ハブ部材40の溶融された部分とが混ざり合った後に凝固することにより形成された部分を意味するものとする。すなわち、第1溶接部50を形成する際に生じた熱影響部は、第1溶接部50には含まないものとして説明している。なお、熱影響部は、突出部70の非溶融部71の一部を構成する。
ここで、第1溶接部50には、エンドプレート30の溶融割合rが4割以上8割以下に構成されている。詳細には、第1溶接部50では、ハブ部材40がS25Cにより構成され、エンドプレート30がSUS304により構成されている場合に、SUS304の溶融割合rが4割以上8割以下となるように第1溶接部50が構成されている。より好ましくは、SUS304の溶融割合rがS25Cの溶融割合よりも大きい。なお、エンドプレート30がSUS309により構成されている場合には、溶融割合rは、2割以上8割以下が好ましい。
具体的には、本実施形態では、第1溶接部50の径方向断面におけるエンドプレート30の溶融面積をS1とし、ハブ部材40の溶融面積をS2とした場合、エンドプレート30の溶融面積S1が第1溶接部50の全体(S1+S2)の4割以上8割以下となる。より好ましくは、図7の例のように、溶融面積S1は、溶融面積S2より大きい。なお、溶融面積S1とは、第1溶接部50のうちのプレート側接合端面31a(ハブ側接合端面41a)よりも径方向外側の部分の面積を意味するものとする。また、溶融面積S2とは、第1溶接部50のうちのハブ側接合端面41a(プレート側接合端面31a)よりも径方向内側の部分の面積を意味するものとする。
また、第1溶接部50は、ハブ部材40側の先端部52に向かって先細り形状を有するように形成されている。また、第1溶接部50は、回転軸線方向のうちのロータコア20に向かう方向(矢印Z2方向)に、エンドプレート30における第1溶接部50のプレート側接合端面31a(ハブ側接合端面41a)に直交する方向(矢印R2方向)の幅W11が徐々に小さくなる部分を有し、ハブ部材40における第1溶接部50のプレート側接合端面31a(ハブ側接合端面41a)に直交する方向(矢印R1方向)の幅W12が徐々に大きくなる部分を有する。また、幅W11の最大の大きさは、幅W12の最大の大きさよりも大きい。また、幅W11が最大となる回転軸線方向位置は、幅W12が最大となる回転軸線方向位置よりも突出部70が突出する方向側(矢印Z1方向側)に位置する。
また、突出部70には、第1溶接部50と非溶融部71との境界部53が設けられている。たとえば、境界部53は、傾斜面73上に設けられている。すなわち、突出部70のうち、境界部53から径方向内側は第1溶接部50であり、境界部53から径方向外側は非溶融部71である。
図8に示すように、回転軸線方向に見て、第1溶接部50の少なくとも一部(エンドプレート30側の部分)は、凹部26と回転軸線方向にオーバーラップする位置に形成されている。これにより、ロータコア20に熱が伝わりにくくなる分、突出部70の熱容量がより小さくなるとともに、第1溶接部50を形成する際に生じる熱に起因する、ロータコア20への熱影響(変形・歪み等)を防止することが可能となる。
(第2溶接部の構成:ロータコアとハブ部材との溶接部分の構成)
図1に示すように、第2溶接部60は、ロータ100のZ方向の両側に、それぞれ複数設けられている。すなわち、第2溶接部60は、ロータコア20のコア端面25aおよび25bにおいて、ロータコア20の貫通孔22のコア内周面22aと、ハブ部材40の外周面41とに亘って形成されている。
第2溶接部60は、径方向に沿った断面が、ロータコア20の回転軸線方向内側に向かって先細り形状を有し、略三角形形状に形成されている。また、第2溶接部60は、複数枚の電磁鋼板21に亘って形成されている。
図2に示すように、複数の第2溶接部60は、周方向に互いに離間して設けられている。また、第1溶接部50と第2溶接部60とは、略同一の径方向位置に設けられている。また、第2溶接部60は、永久磁石23(挿入孔24)同士の周方向の間に対応する周方向位置に配置されている。また、2つの隣り合う第2溶接部60の周方向の間に、第1溶接部50が配置されている。
また、ロータコア20のコア端面25aに設けられた第2溶接部60は、矢印Z1方向から見て、逃げ部33を介して露出されるように形成されている。また、ロータコア20のコア端面25bに設けられた第2溶接部60は、矢印Z2方向から見て、逃げ部33を介して露出されるように形成されている。
[ロータの製造方法]
次に、第1実施形態によるロータ100の製造方法について説明する。なお、図9には、ロータ100の製造工程のフローチャートを示している。
(エンドプレートおよびハブ部材を準備する工程)
まず、ステップS1(図9参照)において、エンドプレート30およびハブ部材40が準備される。すなわち、本実施形態では、プレート側接合端面31aに径方向に隣接して設けられ、回転軸線方向の端面である窪み部32の底面32aから、回転軸線方向のうちのロータコア20から離れる方向に突出する突出部70を有し、オーステナイト系材料から構成されるエンドプレート30が準備される。
具体的には、厚みt2を有するオーステナイト系材料としてのオーステナイト系ステンレス鋼(好ましくは、SUS304またはSUS309)の鋼板が準備される。そして、加工装置(プレス加工装置、マシニングセンタ等)による切削加工またはプレス加工により、図10に示すように、鋼板に、傾斜面73と、底面32aと、径方向外側傾斜面32bとからなる窪み部32が形成される。また、鋼板に貫通孔が形成され、内周面31(プレート側接合端面31a)が形成される。これにより、鋼板の径方向内側に、突出部70が形成される。
より詳細には、鋼板に、突出部70の頂面172と窪み部32の底面32aに連続して形成されるとともに、頂面172から径方向外側(ハブ部材40から離れる方向)に向かって回転軸線方向に対して傾斜する傾斜面73が形成される。そして、鋼板に窪み部32が形成されることにより、窪み部32とプレート側接合端面31aとの径方向の間に、窪み部32の底面32aから回転軸線方向のうちのロータコア20から離れる方向に突出する突出部70が形成される。
ここで、頂面172は、プレート側接合端面31aに直交する平坦面として形成されている。また、頂面172は、第1溶接部50が形成されることにより、頂面72となる。また、プレス加工装置により、屈曲部34(図10参照)が形成される。
また、図4に示すように、プレス加工装置または切削装置により、鋼板において、突出部70の周方向に隣接する位置に、プレート側接合端面31aから径方向外側に窪む逃げ部33が形成される。また、プレス加工装置により、屈曲部34(図10参照)が形成され、エンドプレート30が形成(準備)される。
また、図1に示すように、マルテンサイト系材料から構成されるハブ部材40が準備される。具体的には、マルテンサイト系材料としての炭素鋼(たとえば、S25CまたはS35C)から構成されているハブ部材40が準備される。また、円筒形状を有するように形成され、ハブ側接合端面41aを有するとともに、ハブ側接合端面41aに面一(径方向位置が同一)に、回転軸線方向外側に向かって連続して形成されている熱逃がし部41b(図6参照)が設けられた外周面41を有するハブ部材40が準備される。
(ロータコアを準備する工程)
ステップS2において、ロータコア20が形成(準備)される。具体的には、プレス加工装置により、帯状の電磁鋼板から複数の電磁鋼板21が打ち抜かれる。図3に示すように、円環形状を各々有する、複数の電磁鋼板21が、回転軸線の延びる方向である回転軸線方向に積層される。これにより、回転軸線回りに回転されるとともに、回転軸線Cを中心に貫通孔22を有する円筒形状の複数の電磁鋼板21が形成される。
そして、積層された複数の電磁鋼板21同士が、溶接される。具体的には、凸部27の頂部に対して、入熱されることにより、複数の電磁鋼板21の凸部27が溶融する。そして、溶融した部分が凝固することにより、凸部27にコア形成溶接部28が形成される。これにより、ロータコア20が形成(準備)される。溶接は、たとえば、熱源装置200(図12参照)から高エネルギービーム(レーザーまたは電子ビーム)を凸部27に照射して入熱されることにより行われる。
(永久磁石を挿入する工程)
ステップS3において、ロータコア20の複数の挿入孔24の各々に、永久磁石23が挿入される。たとえば、ロータコア20に対して永久磁石23が回転軸線方向に移動されることにより、永久磁石23が挿入孔24に挿入される。
(エンドプレートを配置する工程)
ステップS4において、図11に示すように、ロータコア20の回転軸線方向の端部であるコア端面25aおよびコア端面25bのそれぞれに、回転軸線Cを中心とするに内周面31(貫通孔)を有するエンドプレート30が配置される。この時、回転軸線方向の外側から見て、エンドプレート30の逃げ部33を介して、コア端面25aの一部またはコア端面25bの一部が露出した状態(図8参照)となる。また、コア端面25aおよび25bは、エンドプレート30の逃げ部33以外の部分に覆われた状態になる。
(ハブ部材を配置する工程)
ステップS5において、図11に示すように、エンドプレート30の内周面31(プレート側接合端面31a)に、ハブ部材40が配置される。具体的には、ハブ部材40の外周面41を、貫通孔として形成された内周面31(プレート側接合端面31a)およびロータコア20の貫通孔22に対して、径方向に対向するようにハブ部材40が配置される。たとえば、ハブ部材40と、エンドプレート30およびロータコア20とが回転軸線方向に相対移動される。
(第1溶接部を形成する工程)
図12に示すように、本実施形態では、ステップS6において、突出部70の少なくとも一部を溶融させることにより、エンドプレート30の突出部70およびプレート側接合端面31aとハブ部材40とに亘って第1溶接部50が形成される。たとえば、マルテンサイト系材料としての炭素鋼から構成されているハブ部材40の一部と、オーステナイト系材料としてのオーステナイト系ステンレス鋼から構成されているエンドプレート30の突出部70の少なくとも一部とを溶融させることにより、第1溶接部50が形成される。
詳細には、熱源装置200により、突出部70の回転軸線方向の頂面172に高エネルギービームG(以下、「ビームG」とする)が照射されることにより、突出部70からハブ部材40に亘る溶融部150を形成するように突出部70の少なくとも一部を溶融させることにより、溶融された部分が凝固して、第1溶接部50が形成される。なお、ビームGは、好ましくは、レーザービームであり、熱源装置200は、光源装置である。また、熱源装置200は、溶融部150を形成する際に、キーホールを形成するキーホール溶接を行うように構成されている。
より詳細には、熱源装置200により、ビームGのビーム中心C1がプレート側接合端面31aよりも径方向外側(エンドプレート30側)に距離D1分オフセットした(オフセット量D1)位置P1に位置するとともに、ビームGの照射方向F1が径方向外側から径方向内側(ハブ部材40側)に向かって回転軸線C方向に対して傾斜するように、ビームGが頂面172に照射される。たとえば、照射方向F1は、回転軸線Cに対して15度から20度の傾斜角度に設定されている。これにより、図7に示すように、本実施形態では、回転軸線方向のうちのロータコア20に向かう方向に、エンドプレート30における溶融部150のプレート側接合端面31aに直交する方向の幅W11が徐々に小さくなるとともに、ハブ部材40における溶融部150のプレート側接合端面31aに直交する方向の幅W12が徐々に大きくなるように、溶融部150が形成される。
ここで、ビームGのビーム径φよりも径方向の幅W21が大きい突出部70の頂面172に、ビームGが照射される。また、図13に示すように、幅W21は、0.8×φ以上(より好ましくは、2.0×φ以上)の大きさが好ましい。たとえば、幅W21は、2.0×φ以上3.0φ以下の大きさである。
また、幅W21は、オフセット量D1に2分の3倍(D1×3/2)の大きさにビーム半径(φ/2)を加えた大きさよりも大きい。すなわち、W21>(D1×3/2)+(φ/2)である。これにより、幅W21は、ビームGの照射位置(位置P1)の誤差の大きさ、および、エンドプレート30およびハブ部材40の寸法誤差を許容可能となる。たとえば、頂面172の幅W21と頂面72の幅W1とは同一である。
プレート側接合端面31aに直交する平坦面として形成されている頂面172にビームGが照射されることにより、頂面172が回転軸線方向のうちのロータコア20から離れる方向に向かって径方向内側(ハブ部材40側)に向かうように傾斜するように、頂面172が頂面72に変形される。
そして、本実施形態では、マルテンサイト系材料としてのS25Cから構成されているハブ部材40の一部と、オーステナイト系材料としてのSUS304から構成されているエンドプレート30の突出部70の少なくとも一部とを溶融させることにより、第1溶接部50の径方向断面(図7参照)におけるエンドプレート30の溶融面積S1が、4割以上8割以下となるように、第1溶接部50が形成される。
また、本実施形態では、外周面41のうちのエンドプレート30の内周面31に対向するハブ側接合端面41aに、回転軸線方向のうちのロータコア20から離れる方向に向かって面一に連続して形成されている熱逃がし部41bに、突出部70に入熱された熱が伝達されることにより、ハブ部材40内における熱が熱逃がし部41bに伝達される。
また、図8に示すように、回転軸線方向に見て、突出部70と凹部26とがオーバーラップする状態で、第1溶接部50が形成される。
(第2溶接部を形成する工程)
ステップS7において、第2溶接部60が形成される。本実施形態では、図8に示すように、逃げ部33を介して、回転軸線方向のうちのロータコア20から離れる方向(回転軸線方向外側)にロータコア20のコア端面25aまたはコア端面25bの一部が露出された状態で、ロータコア20とハブ部材40とを溶融することにより、第2溶接部60が形成される。
具体的には、ビームGが、逃げ部33を介して、露出されているコア端面25aおよび25bに照射される。これにより、第2溶接部60は、第1溶接部50と径方向位置が略同一になるように、第1溶接部50を周方向に挟み込むように形成される。また、ビームGは、第1溶接部50を形成する熱源装置200により照射される。そして、ロータ100が完成し、ステータ10と組み合わされることにより、回転電機101が完成される。
[第1溶接部の形成に関する比較結果]
図13に示すように、突出部が設けられていないエンドプレートとハブ部材とを溶接して第1溶接部を形成する比較例による第1溶接部の形成方法と、本実施形態による第1溶接部50の形成方法との比較結果について説明する。なお、比較例による第1溶接部の形成方法(特にオフセット量を設定すること)は、従来技術を示すものではなく、本実施形態の効果を示すために、例示するものである。
ビームGのオフセット量D1を、0(オフセットなし)、0.4×φ、0.8×φ、1.2×φ、および、1.6×φとして、形成された比較例による第1溶接部と、本実施形態による第1溶接部50との溶接部分の評価を行った。また、本実施形態による第1溶接部50については、頂面172の幅W21を、0.8×φとした場合と、2.0×φとした場合とについて、評価を行った。なお、評価「○」とは、接合強度が確保されており、低温割れまたは未溶着の状態ではないことを意味し、評価「×」とは、接合強度を確保することが容易ではない状態(低温割れまたは未溶着の状態)を意味する。
評価の結果、比較例では、オフセット量D1が0の場合、「×」、0.4×φの場合「×」、0.8×φの場合「○」、1.2×φの場合「○」、1.6×φの場合「×」となった。
本実施形態の幅W21が0.8×φの場合では、オフセット量D1が0の場合、「○」、0.4×φの場合「○」、0.8×φの場合「○」、1.2×φの場合「×」、1.6×φの場合「×」となった。また、本実施形態の幅W21が2.0×φの場合では、オフセット量D1が0の場合、「○」、0.4×φの場合「○」、0.8×φの場合「○」、1.2×φの場合「○」、1.6×φの場合「×」となった。
比較例と本実施形態との比較の結果、比較例では、オフセット量D1が0.8×φ以上1.2×φ以下の場合に、接合強度が確保可能である一方、本実施形態では、比較例よりも広い範囲であるオフセット量D1が0以上0.8×φ(W21が2.0×φの場合には1.2×φ)以下の場合に、接合強度が確保可能であることが判明した。すなわち、本実施形態の方が、比較例に比べ、オフセット量D1の誤差(ビームGの照射位置の誤差またはエンドプレート30の寸法誤差)に対しての許容範囲が広いことが判明した。
また、本実施形態の幅W21が0.8×φの場合と、本実施形態の幅W21が2.0×φの場合とを比較した結果、2.0×φの場合の方がオフセット量D1の範囲がより広くなった。すなわち、本実施形態の幅W21が2.0×φの場合、オフセット量D1の許容範囲がより広いものとなることが判明した。
[第1溶接部の溶融割合に関する評価結果]
図14を参照して、本実施形態による第1溶接部50において、エンドプレート30の溶融割合r(SUS304の溶融割合r)を変化させて溶接部分の評価を行った結果について説明する。なお、ハブ部材40は、S25Cにより構成したものを用いた。
評価の結果、図14に示すように、溶融割合rが30%では、低温割れ(「×」)が生じた。また、溶融割合rが40%以上で、80%以下の範囲で、第1溶接部50の接合強度が確保可能(「○」)であることが判明した。また、溶融割合rが90%で、未溶着(「×」)となることが判明した。
この結果、エンドプレート30としてSUS304を用いて、ハブ部材40としてS25Cを用いた場合、溶融割合rが40%以上で80%以下の場合、第1溶接部50の接合強度がより確実に確保可能であることが判明した。
[本実施形態の製造方法の効果]
本実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態では、上記のように、突出部(70)の少なくとも一部を溶融させることにより、プレート(30)の突出部(70)と回転伝達部材(40)とに亘って溶接部(50)を形成する。これにより、プレート(30)の溶融させる部分が突出しない面として形成されている場合に比べて、突出部(70)(プレート(30)の溶融させる部分)の熱容量を小さくすることができる。この結果、オーステナイト系材料から構成されるプレート(30)の溶融量を、突出部(70)を設けない場合に比べて大きくすることができるので、溶接部(50)におけるオーステナイト系材料の溶融割合(r)を大きくすることができる。その結果、溶接部(50)において、低温割れを生じにくくすることができるので、マルテンサイト系材料から構成される回転伝達部材(40)に、プレート(30)を溶接して固定する場合にも、接合強度を確保することができる。また、上記実施形態では、予めプレート(30)に設けられたオーステナイト系材料から構成されている突出部(70)を溶融させることができるので、溶接用ワイヤ等を供給する装置をロータ(100)の製造設備に設けることなく、溶接部(50)におけるオーステナイト系材料の溶融割合(r)を大きくすることができる。この結果、ロータ(100)の製造設備(溶接設備)が大型化するのを防止しながら、回転伝達部材(40)とプレート(30)との接合強度を確保することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、回転伝達部材(40)を配置する工程(S5)は、突出部(70)の径方向の内側の内壁面(31a)に、回転伝達部材(40)の外径側表面(41a)が径方向に対向するように、回転伝達部材(40)を配置する工程(S5)であり、溶接部(50)を形成する工程(S6)は、突出部(70)の内壁面(31a)と回転伝達部材(40)の外径側表面(41a)とに亘って、溶接部(50)を形成する工程(S6)である。このように構成すれば、突出部と回転伝達部材とに亘って直接的に接合することができるので、回転伝達部材(40)とプレート(30)との接合強度を、より一層確保することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、溶接部(50)を形成する工程(S6)は、マルテンサイト系材料としての炭素鋼から構成されている回転伝達部材(40)の一部と、オーステナイト系材料としてのオーステナイト系ステンレス鋼から構成されているプレート(30)の突出部(70)の少なくとも一部とを溶融させることにより、溶接部(50)を形成する工程(S6)である。このように構成すれば、回転伝達部材(40)の材料として一般的に用いられる炭素鋼と、プレート(30)の材料として一般的に用いられるオーステナイト系ステンレス鋼とを用いることができる。この結果、回転伝達部材(40)およびプレート(30)を、特別な材料により形成する必要がなくなるので、汎用性のある材料を用いながら、回転伝達部材(40)とプレート(30)との接合強度を確保することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、溶接部(50)を形成する工程(S6)は、突出部(70)の回転軸線方向の頂面(172)にエネルギービーム(G)を照射することにより、突出部(70)から回転伝達部材(40)に亘る溶融部(150)を形成するように突出部(70)の少なくとも一部を溶融させることにより、溶接部(50)を形成する工程(S6)である。このように構成すれば、オーステナイト系材料から構成される突出部(70)の頂面(172)から溶融を開始させることができるので、マルテンサイト系材料から構成される回転伝達部材(40)から溶融を開始させる場合と異なり、溶接部(50)のオーステナイト系材料の溶融割合(r)を容易に大きくすることができる。また、エネルギービーム(G)を照射することにより溶接部(50)を形成するので、エネルギービーム(G)を照射する方向に応じて、形成される溶融部(150)の形状を容易に制御することができる。この結果、エネルギービーム(G)を照射する溶接(キーホール溶接)ではないアーク溶接とは異なり、溶接部(50)の形状を容易に制御することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、溶接部(50)を形成する工程(S6)は、エネルギービーム(G)のビーム中心(C1)が回転伝達部材(40)よりも径方向のプレート(30)の側にオフセットした位置(P1)に位置するとともに、エネルギービーム(G)の照射方向が径方向のプレート(30)の側から径方向の回転伝達部材(40)の側に向かって回転軸線方向に対して傾斜するように、エネルギービーム(G)を頂面(172)に照射することにより、溶接部(50)を形成する工程(S6)である。このように構成すれば、回転伝達部材(40)よりもプレート(30)側にエネルギービーム(G)の照射位置(P1)をオフセットした状態で、入熱することができるので、溶接部(50)のオーステナイト系材料の溶融割合(r)をより一層大きくすることができる。また、エネルギービーム(G)の照射方向を径方向のプレート(30)の側から径方向の回転伝達部材(40)の側に向かって傾斜させることにより、エネルギービーム(G)の照射位置(P1)をオフセットした場合でも、溶融部(150)を容易にプレート(30)から回転伝達部材(40)に亘って形成することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、溶接部(50)を形成する工程(S6)は、回転軸線方向のうちのロータコア(20)に向かう方向に、プレート(30)における溶融部(150)の径方向の幅(W11)が徐々に小さくなるとともに、回転伝達部材(40)における溶融部(150)の径方向の幅(W12)が徐々に大きくなるように、溶融部(150)を形成することにより、溶接部(50)を形成する工程(S6)である。このように構成すれば、ロータコア(20)から比較的遠い位置においてオーステナイト系材料から構成されるプレート(30)の溶融量を大きくすることができるとともに、ロータコア(20)に比較的近い位置において、プレート(30)の溶融量を小さくすることができる。この結果、ロータコア(20)に対して、プレート(30)が溶融する際の熱の影響を低減することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、溶接部(50)を形成する工程(S6)は、エネルギービーム(G)のビーム径(φ)よりも径方向の幅(W21)が大きい突出部(70)の頂面(172)に、エネルギービーム(G)を照射することにより、溶接部(50)を形成する工程(S6)である。ここで、エネルギービーム(G)の照射位置(P1)の誤差、または、プレート(30)および回転伝達部材(40)の寸法誤差が生じた場合に、エネルギービーム(G)の照射位置(P1)が、突出部(70)の頂面(172)以外の部分である突出部(70)の側面となった場合には、照射部分におけるエネルギービーム(G)の散乱または反射が大きくなり、照射部分におけるパワー密度が低下すると考えられる。この場合、照射部分においてパワー密度が低下することにより、溶接部(50)全体の溶融量が減少し、回転伝達部材(40)とプレート(30)との接合強度を確保することが容易ではなくなると考えられる。これに対して、上記のように構成すれば、エネルギービーム(G)の照射位置(P1)の誤差、または、プレート(30)および回転伝達部材(40)の寸法誤差が生じても、突出部(70)の頂面(172)から、エネルギービーム(G)の照射位置(P1)が外れることを防止することができる。この結果、照射部分におけるパワー密度が低下するのを防止することができるので、回転伝達部材(40)とプレート(30)との接合強度をより確実に確保することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、プレート(30)を準備する工程(S1)(S1)は、突出部(70)の頂面(172)と回転軸線方向の端面(32a)とに連続して形成されるとともに、頂面(172)から径方向の回転伝達部材(40)から離れる方向に向かって回転軸線方向に対して傾斜する傾斜面(73)を有するプレート(30)を準備する工程(S1)である。ここで、突出部(70)の頂面(172)と回転軸線方向の端面(32a)とが、回転軸線方向に沿って延びる側面により接続されている場合には、エネルギービーム(G)の照射位置(P1)が突出部(70)の頂面(172)から側面に外れた(移動した)際に、エネルギービーム(G)の側面に対する入射角が小さくなり、側面におけるエネルギービーム(G)の反射および散乱が大きくなると考えられる。これに対して、上記のように構成すれば、エネルギービーム(G)の照射位置(P1)が突出部(70)の頂面(172)から傾斜面(73)に外れた場合でも、エネルギービーム(G)の傾斜面(73)に対する入射角の減少幅が小さくなるので、エネルギービーム(G)の反射および散乱を低減することができる。この結果、エネルギービーム(G)の照射位置(P1)の誤差、または、プレート(30)および回転伝達部材(40)の寸法誤差が生じても、エネルギービーム(G)の照射部分におけるパワー密度が低下するのをより一層防止することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、溶接部(50)を形成する工程(S6)は、回転軸線に直交する平坦面として形成されている頂面(172)にエネルギービーム(G)を照射することにより、頂面(172)が回転軸線方向のうちのロータコア(20)から離れる方向に向かって径方向の回転伝達部材(40)の側に向かうように傾斜するように、頂面(172)を(72に)変形させながら、溶接部(50)を形成する工程(S6)である。このように構成すれば、頂面(172)を変形させることにより、プレート(30)と回転伝達部材(40)とが接合する部分の回転軸線方向の長さを大きくすることができるので、プレート(30)と回転伝達部材(40)との接合強度をより一層確保することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、プレート(30)を準備する工程(S1)は、突出部(70)の回転軸線方向の幅(t2)よりも小さい回転軸線方向の幅(t4)を有する部分(32)として、回転軸線方向に窪む窪み部(32)を形成することにより、窪み部と径方向の内側の内壁面(31a)との径方向の間に、回転軸線方向の端面(32a)としての窪み部(32)の底面(32a)から回転軸線方向のうちのロータコア(20)から離れる方向に突出する突出部(70)を形成することにより、プレート(30)を準備する工程(S1)である。このように構成すれば、一定の回転軸線方向の厚み(t2)を有するオーステナイト系材料から構成される板部材(鋼板)を準備して、窪み部(32)を形成することにより、容易に突出部(70)が設けられたプレート(30)を形成することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、溶接部(50)を形成する工程(S6)は、マルテンサイト系材料としてのS25Cから構成されている回転伝達部材(40)の一部と、オーステナイト系材料としてのSUS304から構成されているプレート(30)の突出部(70)の少なくとも一部とを溶融させることにより、溶接部(50)の径方向断面におけるプレート(30)の溶融面積(S1)が、4割以上8割以下となるように、溶接部(50)を形成する工程(S6)である。このように構成すれば、溶接部(50)が低温割れしにくくすることができる。この効果は、上記測定結果により確認済である。
また、上記実施形態では、上記のように、回転伝達部材(40)を配置する工程(S5)は、回転軸線方向に延びるハブ部材(40)として形成された回転伝達部材(40)の外径側表面を、貫通孔として形成されたプレート(30)の内壁面(31a)に対して、径方向に対向するように回転伝達部材(40)を配置する工程(S5)であり、溶接部(50)を形成する工程(S6)は、外径側表面(41)のうちの内壁面(31a)に対向する対向面(41a)に、回転軸線方向のうちのロータコア(20)から離れる方向に向かって面一に連続して形成されている熱逃がし部(41b)に、突出部(70)に入熱された熱が伝達するように、溶接部(50)を形成する工程(S6)である。このように構成すれば、ハブ部材(40)に伝達した熱を熱逃がし部(41b)に伝熱することができるので、マルテンサイト系材料から構成されるハブ部(40)材の溶接部(50)における溶融割合を低下させることができる。この結果、溶接部(50)のオーステナイト系材料から構成されるプレート(30)の溶融割合(r)を大きくすることができるので、プレート(30)と回転伝達部材(40)との接合強度を確保することができる。
また、上記実施形態では、上記のように、プレート(30)を準備する工程(S1)は、突出部(70)の周方向に隣接する位置にプレート(30)の径方向一方側の端面(31a)から径方向他方側に窪むコア溶接用逃げ部(33)を有するプレート(30)を準備する工程(S1)であり、コア溶接用逃げ部(33)を介して、回転軸線方向のうちのロータコア(20)から離れる方向にロータコア(20)の一部(25a、25b)が露出された状態で、ロータコア(20)と回転伝達部材(40)とを溶融することにより、コア溶接部(50)を形成する工程(S6)をさらに備える。このように構成すれば、プレート(30)をロータコア(20)の回転軸線方向の端面(32a)に配置した状態で、ロータコア(20)と回転伝達部材(40)とを溶接することができる。この結果、コア溶接部(60)を形成する工程(S7)と溶接部(50)を形成する工程(S6)とを連続して実施することができるので、コア溶接部(50)を形成する工程(S6)の後、熱源装置(200)をロータ(100)(回転伝達部材(40))の近傍から退避させることなく、溶接部(50)を形成する工程(S6)を行うことができる。その結果、ロータ(100)の製造工程が複雑化するのを防止することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、ロータをインナーロータとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ロータをアウターロータとして構成してもよい。
また、上記実施形態では、ハブ部材とエンドプレートとの間に溶接部を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ハブ部材を設けずに、回転伝達部材としてシャフト部材とエンドプレートとの間に溶接部を形成してもよい。
また、上記実施形態では、エンドプレートを構成するオーステナイト系材料として、ステンレス鋼(SUS304およびSUS309)を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、エンドプレートを構成する材料は、オーステナイトの組織を有していればよく、エンドプレートは、オーステナイト系のステンレス鋼以外のオーステナイト系材料により構成されてもよい。
また、上記実施形態では、ハブ部材をマルテンサイト系材料として、炭素鋼(S25CおよびS35C)を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ハブ部材を構成する材料は、マルテンサイトの組織を有していればよく、ハブ部材は、マルテンサイト系の炭素鋼以外のマルテンサイト系材料により構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第1溶接部の境界部を突出部の傾斜面に設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図15に示す第1変形例のロータ300のように、第1溶接部350の境界部353が突出部370の頂面172上に設けられていてもよい。この場合、突出部370の頂面172の一部が、第1溶接部350が形成されることによって、余盛した形状となる頂面72となり、頂面172の他部が、平坦面となる。
また、上記実施形態では、突出部に30度以上60度以下の傾斜面を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16に示す第2変形例のエンドプレート430のように、突出部470の径方向外側の側面であり、窪み部432の内側面である側面473は、回転軸線方向に略平行に形成されていてもよい。なお、側面473は、頂面472と底面432aとを接続するように形成されている。
また、上記実施形態では、エンドプレートに窪み部を形成することにより、エンドプレートに突出部を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図17に示す第3変形例のエンドプレート530のように、窪み部を形成せずに、エンドプレート530の回転軸線方向の端面530aから突出する突出部570を形成してもよい。たとえば、傾斜面573は、頂面572と端面530a(突出部570の回転軸線方向の幅よりも小さい回転軸線方向の幅を有する部分)とを接続するように形成されている。
また、上記実施形態では、エネルギービームのビーム中心をプレート側接合端面よりも径方向のエンドプレートの側にオフセットした位置に位置する状態で、かつ、エネルギービームの照射方向を回転軸線方向に対して傾斜するように、エネルギービームを頂面に照射する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、エンドプレートとハブ部材とが径方向に沿って略面一に形成されている場合には、ビーム中心をオフセットせずに、エネルギービームを回転軸線方向に沿って照射してもよい。なお、上記実施形態のように、ビーム中心をエンドプレートの側にオフセットした位置に位置させれば、効果的に、エンドプレートの溶融割合を大きくすることが可能になる。
また、上記実施形態では、頂面をエネルギービームのビーム径よりも径方向の幅を大きくする例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、エネルギービームのビーム系以下の径方向の幅を有するように頂面を構成してもよい。なお、上記実施形態のように、頂面をエネルギービームのビーム径よりも径方向の幅を大きくすれば、反射および散乱が防止されるので、エネルギービームを効率良く突出部に照射することが可能になる。
また、上記実施形態では、傾斜面の径方向断面を直線状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、傾斜面は、径方向断面が弧状を有するように形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、ハブ部材に熱逃がし部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ハブ部材に熱逃がし部を設けなくても、突出部をエンドプレートに設けることにより、第1溶接部におけるエンドプレートの溶融割合を十分に確保することができる場合には、熱逃がし部を設けなくてもよい。
また、上記実施形態では、逃げ部を凹部として形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、逃げ部は、逃げ部を介して、ロータコアとハブ部材とが溶接可能に構成されていればよく、たとえば、逃げ部は、貫通孔として形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第1溶接部を形成する工程の後、第2溶接部を形成する工程を実施する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、第2溶接部を形成する工程の後に、第1溶接部を形成する工程を実施してもよいし、第1溶接部を形成する工程と、第2溶接部を形成する工程とを交互に実施してもよい。
また、上記実施形態では、ハブ部材の径方向外側にエンドプレートを配置する(エンドプレートの径方向内側にハブ部材を配置する)例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ハブ部材の径方向内側にエンドプレートを配置(エンドプレートの径方向外側にハブ部材を配置)してもよい。
また、上記実施形態では、本発明のプレートをエンドプレートに適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、本発明のプレートをエンドプレート以外のプレートに適用してもよい。
20 ロータコア
30、430、530 エンドプレート(プレート)
31a プレート側接合端面(内壁面)
32、432 窪み部(突出部の回転軸線方向の幅よりも小さい回転軸線方向の幅を有する部分)
32a、432a 底面(回転軸線方向の端面)
33 逃げ部(コア溶接用逃げ部) 40 ハブ部材(回転伝達部材)
41a ハブ側接合端面(外径側表面の対向面)
41b 熱逃がし部 50、350 第1溶接部(溶接部)
60 第2溶接部(コア溶接部) 70、370、470、570 突出部
72、172、472、572 頂面 73、573 傾斜面
100、300 ロータ 150 溶融部
530a 端面(突出部の回転軸線方向の幅よりも小さい回転軸線方向の幅を有する部分)

Claims (13)

  1. ロータコアと、前記ロータコアの回転軸線方向の少なくとも一方側に配置されるプレートと、マルテンサイト系材料から構成され、前記プレートに溶接されて固定される回転伝達部材とを備えるロータの製造方法であって、
    前記回転伝達部材に径方向に隣接して設けられ、回転軸線方向の端面から、回転軸線方向のうちの前記ロータコアから離れる方向に突出する突出部と、前記突出部と径方向に隣接するとともに前記突出部の回転軸線方向の幅よりも小さい回転軸線方向の幅を有する部分とを有し、オーステナイト系材料から構成される前記プレートを準備する工程と、
    前記プレートを準備する工程の後、前記プレートよりも径方向の内側に、前記回転伝達部材を配置する工程と、
    前記回転伝達部材を配置する工程の後、前記突出部の少なくとも一部にエネルギービームを照射して、前記突出部の少なくとも一部を溶融させることにより、前記プレートの前記突出部と前記回転伝達部材とに亘って溶接部を形成する工程とを備える、ロータの製造方法。
  2. 前記回転伝達部材を配置する工程は、前記突出部の径方向の内側の内壁面に、前記回転伝達部材の外径側表面が径方向に対向するように、前記回転伝達部材を配置する工程であり、
    前記溶接部を形成する工程は、前記突出部の前記内壁面と前記回転伝達部材の前記外径側表面とに亘って、前記溶接部を形成する工程である、請求項1に記載のロータの製造方法。
  3. 前記溶接部を形成する工程は、前記マルテンサイト系材料としての炭素鋼から構成されている前記回転伝達部材の一部と、前記オーステナイト系材料としてのオーステナイト系ステンレス鋼から構成されている前記プレートの前記突出部の少なくとも一部とを溶融させることにより、前記溶接部を形成する工程である、請求項1または2に記載のロータの製造方法。
  4. 前記溶接部を形成する工程は、前記突出部の回転軸線方向の頂面に前記エネルギービームを照射することにより、前記突出部から前記回転伝達部材に亘る溶融部を形成するように前記突出部の少なくとも一部を溶融させることにより、前記溶接部を形成する工程である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  5. 前記溶接部を形成する工程は、前記エネルギービームのビーム中心が前記回転伝達部材よりも径方向の前記プレートの側にオフセットした位置に位置するとともに、前記エネルギービームの照射方向が前記プレートの側から前記回転伝達部材の側に向かって回転軸線方向に対して傾斜するように、前記エネルギービームを前記頂面に照射することにより、前記溶接部を形成する工程である、請求項4に記載のロータの製造方法。
  6. 前記溶接部を形成する工程は、回転軸線方向のうちの前記ロータコアに向かう方向に、前記プレートにおける前記溶融部の径方向の幅が徐々に小さくなるとともに、前記回転伝達部材における前記溶融部の径方向の幅が徐々に大きくなるように、前記溶融部を形成することにより、前記溶接部を形成する工程である、請求項5に記載のロータの製造方法。
  7. 前記溶接部を形成する工程は、前記エネルギービームのビーム径よりも径方向の幅が大きい前記突出部の前記頂面に、前記エネルギービームを照射することにより、前記溶接部を形成する工程である、請求項4〜6のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  8. 前記プレートを準備する工程は、前記突出部の前記頂面と前記回転軸線方向の端面とに連続して形成されるとともに、前記頂面から径方向の前記回転伝達部材から離れる方向に向かって回転軸線方向に対して傾斜する傾斜面を有する前記プレートを準備する工程である、請求項4〜7のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  9. 前記溶接部を形成する工程は、回転軸線に直交する平坦面として形成されている前記頂面に前記エネルギービームを照射することにより、前記頂面が回転軸線方向のうちの前記ロータコアから離れる方向に向かって径方向の前記回転伝達部材の側に向かうように傾斜するように、前記頂面を変形させながら、前記溶接部を形成する工程である、請求項4〜8のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  10. 前記プレートを準備する工程は、前記突出部の回転軸線方向の幅よりも小さい回転軸線方向の幅を有する部分として、回転軸線方向に窪む窪み部を形成することにより、前記窪み部と径方向の内側の内壁面との径方向の間に、前記回転軸線方向の端面としての前記窪み部の底面から回転軸線方向のうちの前記ロータコアから離れる方向に突出する前記突出部を形成することにより、前記プレートを準備する工程である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  11. 前記溶接部を形成する工程は、前記マルテンサイト系材料としてのS25Cから構成されている前記回転伝達部材の一部と、前記オーステナイト系材料としてのSUS304から構成されている前記プレートの前記突出部の少なくとも一部とを溶融させることにより、前記溶接部の径方向断面における前記プレートの溶融面積が、4割以上8割以下となるように、前記溶接部を形成する工程である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  12. 前記回転伝達部材を配置する工程は、回転軸線方向に延びるハブ部材として形成された前記回転伝達部材の外径側表面を、貫通孔として形成された前記プレートの内壁面に対して、径方向に対向するように前記回転伝達部材を配置する工程であり、
    前記溶接部を形成する工程は、前記外径側表面のうちの前記内壁面に対向する対向面に、回転軸線方向のうちの前記ロータコアから離れる方向に向かって面一に連続して形成されている熱逃がし部に、前記突出部に入熱された熱が伝達するように、前記溶接部を形成する工程である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  13. 前記プレートを準備する工程は、前記突出部の周方向に隣接する位置に前記プレートの径方向一方側の端面から径方向他方側に窪むコア溶接用逃げ部を有する前記プレートを準備する工程であり、
    前記コア溶接用逃げ部を介して、回転軸線方向のうちの前記ロータコアから離れる方向に前記ロータコアの一部が露出された状態で、前記ロータコアと前記回転伝達部材とを溶融することにより、コア溶接部を形成する工程をさらに備える、請求項1〜12のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
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