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JP6448524B2 - 二重反転式送風機 - Google Patents
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Description

本発明は、上流側のインペラと下流側のインペラとが互いに異なる方向に回転する二重反転式送風機に関する。
軸流型の送風機としては、軸流方向に回転軸中心をそろえて上流側のインペラと下流側のインペラとを配置したものが知られている。このような二重反転式送風機は、単一のインペラを回転するものと比較すると、整流効果により風の流れが軸流方向に集中するため冷却対象への風量が大きくなる、カウンタートルクを相殺することができる、などの利点がある。その利点を利用することにより、送風機の小型化、省電力化、及び静寂化が可能となる。
更に、二重反転式送風機としては、電気機器のケース内部に設けられる空冷装置として利用されたものがよく知られている。その場合、通常は上流側のインペラと下流側のインペラとがダクトの内部に配置されている。つまり、静圧を得るためにクローズド構造となっている(特許文献1〜2)。これに対し、本願発明者は、パソコンの周辺機器としてパソコンの外部から風を当てる送風機の性能向上を図るべく、上流側のインペラと下流側のインペラとの間からも空気を吸い込むオープン構造の二重反転式送風機を提案した(特許文献3〜5)。
これらの二重反転式送風機において、特許文献5のものは、その特許請求の範囲に記載されているように、軸流方向に回転軸中心をそろえて配置された上流側の第1インペラ及び下流側の第2インペラと、前記第1インペラを回転する第1モータと、前記第2インペラを回転する第2モータと、前記第1インペラ及び前記第2インペラを包囲するガードとを備え、前記第1インペラと前記第2インペラとが互いに異なる方向に回転する二重反転式送風機において、前記第1インペラの回転数をX、前記第2インペラの回転数をYとし、前記第1インペラの直径をL1、前記第2インペラの直径をL2とし、前記第1インペラの前記ブレードの数をA、前記第2インペラの前記ブレードの数をBとするとき、前記第1モータ及び第2モータをスペックが共通の同型のモータとして、第1モータ及び第2モータを等しい電圧で駆動した場合に、それらは、X>Y、L1<L2、A<B、の関係が成り立つようにした構成の二重反転式送風機である。
上記特許文献5記載の二重反転式送風機は、第1モータ及び第2モータをスペックが共通の同型のモータとし、第1モータ及び第2モータを等しい電圧で駆動した場合における第1インペラ及び第2インペラの構造を次のように工夫して完成させたものである。
すなわち、第1モータ及び第2モータは、それぞれ駆動時における回転数及びトルクが適正負荷の許容範囲内となればよい。条件としては、空気に作用するブレードの面積が大きくなればトルクが増して回転数が低下する。つまり、インペラの直径が大きくなれば回転数が低下する。ブレードの枚数が多くなれば回転数が低下する。また、軸流方向に対するインペラのブレードの幅が大きくなれば回転数が低下する。
ここで、オープン構造、すなわち第1インペラと第2インペラとの間からも空気を吸い込むことにより風量を増すことを考慮して、第2インペラの直径L2を第1インペラの直径L1よりも大きく設定した。また、第2インペラの直径L2が第1インペラの直径L1より大きいことを踏まえつつ空気の流れ等を考慮して、第2インペラのブレードの数Bを第1インペラのブレードの数Aよりも多く設定した。すると、第1インペラの回転数Xは、第2インペラの回転数Yよりも相対的に大きくなる。このような構成によると、二重反転式送風機の送風効率を高めることが可能となる。
更に、第1インペラの回転数Xを第2インペラの回転数Yよりも大きくするという条件の下で、軸流方向に対する第1インペラのブレードの幅W1を第2インペラのブレードの幅W2よりも大きく設定した。つまりこれは、第2インペラの直径L2をより大きくするための工夫である。このような構成によると、第1インペラと第2インペラとの間からより積極的に空気を吸い込むことが可能となる。そして構造的にバランスのとれた設計となり、送風効率が向上する。
本願発明者は、優れたオープン構造の二重反転式送風機を得るべく、試作と検証を繰返して、特許文献5記載の発明を完成させたものであり、この構成が極めて有効であることは、条件が異なる試作品との比較実験によっても確認されている。
特許第3993118号公報 特許第4128194号公報 特許第5709921号公報 特許第5726107号公報 特許第5749195号公報
本願発明者は、上述したような前記発明の試作及び検証から得た知見に基づき、この種の二重反転式送風機の動力源として使用している2つのモータを、1つのモータで同様の作用効果、或はそれに近似した作用効果を奏することができる構造を検討して、本発明を完成したものである。
尚、1つのモータを使用する二重反転式送風機として、歯車列を用いて各インペラを駆動するものも考慮され得るが、コストアップやノイズ発生などの点から好ましくないので、歯車列を用いるものは設計開発から除外した。
そこで本発明は、1つのモータを使用しながら上記の歯車列を用いずに、よりシンプルな構成で且つエネルギー効率の高い二重反転式送風機を得ることを目的とするものである。
本願第1請求項に記載した発明は、実施例で用いた符号を付して記すと、軸流方向に回転軸中心をそろえて配置された上流側の第1インペラ(110)及び下流側の第2インペラ(120)を備え、前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(120)とが互いに異なる方向に回転する二重反転式送風機(1)であって、
前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(120)のうち一方のインペラはモータにより回転駆動されるものであるとともに、他方のインペラは、前記回転軸に回転可能に設けられ、且つ、前記一方のインペラが回転したときに当該一方のインペラの風力によって当該一方のインペラの回転方向とは反対の方向に回転する非モータ駆動のものであり、
当該二重反転式送風機(1)は、前記軸流方向の後方から空気を吸い込むとともに、前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(120)との間からも空気を吸い込むものであり、
更に、
a:前記一方のインペラの直径をL1、前記他方のインペラの直径をL2、
b:前記一方のインペラのブレード数をA、前記他方のインペラのブレード数をB、
c:前記一方のインペラ及び前記他方のインペラを前記軸流方向の正面から見たとき、当該一方のインペラのインペラ総面積に対する各インペラ間の空隙部の比率をP、当該他方のインペラのインペラ総面積に対する各インペラ間の空隙部の比率をQ、
とするとき、それらは、L1<L2、A<B、及び、P>Q、の関係が成り立つように設けたことを特徴とする二重反転式送風機である。
本願第2請求項に記載した発明は、請求項1において、前記他方のインペラに、直線状の翼断面の部位、又は、ハブ位置と翼端で形状の異なる翼断面の部位を有することを特徴とする二重反転式送風機である。
本発明は、上流側と下流側に2つのインペラを有する二重反転ファンの構造を持ち、一方のインペラをモータで駆動し、他方のインペラは当該一方のインペラの風を受けて回転する構造を備えるので、図1に示すように、送風損失となる風、つまり、インペラの回転により生じる旋風(インペラの周囲を回っているだけの風)および遠心力方向(横方向)に吹き出される風を、当該他方のインペラの回転にて取り込み得ることとなり、結果、当該他方のインペラから軸流方向へもたらされる送風の送風効率を向上することができる。
また、当該他方のインペラの奏する上記の整流効果は、前記他方のインペラに、直線状の翼断面の部位、又は、ハブ位置と翼端で形状の異なる翼断面の部位を有することにより、一層向上することができるものである。
本発明における下流側インペラ(第2インペラ)による整流効果を示す説明図である。 本発明の実施例に係り、二重反転式送風機の正面図である。 本発明の実施例に係り、二重反転式送風機の側面図である。 本発明の実施例に係り、二重反転式送風機の側面断面図である。 本発明の実施例に係り、第1インペラの説明図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。 本発明の実施例に係り、第2インペラの説明図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。 本発明の実施例に係り、第1インペラ及び第2インペラの説明図である。
以下に、本発明の実施例を図面(図2〜図7)に基づいて説明する。
本例の二重反転式送風機1は、パソコンのUSBを電源として駆動する小型の送風機である。この二重反転式送風機1は、軸流方向に回転軸中心をそろえて配置された上流側の第1インペラ110及び下流側の第2インペラ120と、第1インペラ110を回転するモータ210と、第1インペラ110及び第2インペラ120を包囲するガード300とを備え、第1インペラ110と第2インペラ120とが互いに異なる方向に回転する構成となっている。
ガード300は格子状又は網状の覆いであり、本例の二重反転式送風機1は、第1インペラ110と第2インペラ120との間からも空気を吸い込むオープン構造のものである。尚、図3中の黒矢印は空気の流れを示している。また、図5中の白矢印は第1インペラ110の回転方向を示し、図6中の白矢印は第2インペラ120の回転方向を示している。
第1モータ210は、DCモータであり、USBを電源とする5[V]の直流電源を用いている。各インペラ110,120は、モータ210の駆動軸に連係するハブ110aと、モータを用いていない軸に連係するハブ120aに直結されている。各インペラ110,120のハブ110a,120aは、直径が等しく設定されている。尚、図4において、符号220はケースである。このケース220は、従前の発明(前記特許文献5)のモータ(第2モータ)のモータケースを本実施例に利用しているものであって、この例ではケース220に、第2インペラ120をフリー回転可能に設けている。すなわち、第2インペラ120を非モータ駆動のものとしている。もっとも、ケース220を用いずに、ハブ120aに第2インペラ120を回転可能に設けるようにしてもよい。
モータ210及びガード300は、台座10に対して角度調整可能に支持された支持体20に装着されている。支持体20又は台座10の要所には、モータ210のON/OFFを切換えるスイッチ30が設けられている。尚、スイッチ30は、ON/OFFの機能のほかに、電圧を変えることにより風量の調整を可能としたものである。以下の説明における回転数は、最大電圧にて駆動した際の値である。
発明者の知見によると、二重反転式送風機は、その送風効率の点で、モータ回転するインペラの回転数がフリー回転するインペラの回転数よりも大きい方が優れている。そこで、このような送風効率を得る構造として、インペラの直径が大きくなれば回転数が低下し、ブレードの枚数が多くなれば回転数が低下すること、また、軸流方向に対するインペラのブレードの幅が大きくなれば回転数が低下すること、更に、第1インペラと第2インペラとの間からも空気を吸い込むことにより風量を増すことを考慮して、第2インペラの直径L2を第1インペラの直径L1よりも大きく設定した。
また、第2インペラの直径L2が第1インペラの直径L1より大きいことを踏まえつつ空気の流れなどを考慮して、第2インペラのブレードの数Bを第1インペラのブレードの数Aよりも多く設定した。すると、第1インペラの回転数Xは、第2インペラの回転数Yよりも相対的に大きくなる。
更に、第1インペラの回転数Xを第2インペラの回転数Yよりも大きくするという条件の下で、軸流方向に対する第1インペラのブレードの幅W1を第2インペラのブレードの幅W2よりも大きく設定した。これは、第2インペラの直径L2をより大きくするための工夫であり、第1インペラと第2インペラとの間からより積極的に空気を吸い込むことが可能となって、構造的にバランスのとれた設計となり、送風効率が向上する知見を得ている。
以上のような構成によると、二重反転式送風機の送風効率を高めることが可能となる点を考慮して、下記の構造を案出した。
本例の二重反転式送風機1は、第1インペラ110の直径をL1、第2インペラ120の直径をL2とし、第1インペラ110のブレード111の数をA、第2インペラ120のブレード121の数をB、軸流方向に対する第1インペラ110のブレード111の幅をW1、第2インペラ120のブレード121の幅をW2とするとき、それらは、L1<L2、A<B、W1>W2の関係が成り立つように構成されている。尚、本例の場合、第1インペラ110の回転数は2400[rpm]である。
また、第1インペラ110の直径L1は80[mm]、第2インペラ120の直径L2は85[mm]である。L1とL2との望ましい関係は、L2/L1=1.06〜1.20、である。L1の実用的な値は80〜100[mm]であり、L2の実用的な値は85〜120[mm]である。
また、第1インペラ110及び第2インペラ120を軸流方向の正面から見たとき、当該第1インペラ110のインペラ総面積に対する各インペラ間の空隙部の比率をP、当該第2インペラ120のインペラ総面積に対する各インペラ間の空隙部の比率をQ、とするとき、P>Q、であることが好ましいことが判明した。
第1インペラ110のブレード111の数Aは5枚であり、第2インペラ120のブレード121の数Bは7枚である。Aの実用的な枚数は3〜6枚であり、このときBの望ましい枚数はAより1〜4枚多い枚数である。
軸流方向に対する第1インペラ110のブレード111の幅W1は21[mm]、第2インペラ120のブレード121の幅W2は18[mm]である。W1とW2との望ましい関係は、W1/W2=1.16〜1.40である。
第1インペラ110のブレード111と第2インペラ120のブレード121との間隔Gは、14.5[mm]である。Gの実用的な値は1.0〜16.5[mm]であり、より望ましい値は、可及的に接近可能な方がよく、1.0[mm]である。
更に、本例の場合、第2インペラ120に、直線状の翼断面の部位、又は、ハブ位置と翼端で形状の異なる翼断面の部位を有することが、下流側のプロペラは風を受けて回るのに適した形状であり、かつ送風機として整流効果を持つことが判明した。
すなわち、通常、インペラは、回転して空気を押し出す部位(空気と接触する面)が直線状の翼断面であるとともに、裏面が円弧状の翼断面であるところ、本例では、この第2インペラ120に、直線状の翼断面の部位のほか、ハブ位置と翼端で形状の異なる翼断面の部位を有することを提案するものである。この異なる翼断面とは、好ましくは、第2インペラ120のハブ120aの箇所は直線状の翼断面の部位とし、また、翼端では円弧状の翼断面の部位とするものである。このように設けると、直線状の翼断面の部位を有する翼端においては、第1インペラ110からの風を受けて、第2インペラ120を回転せしめるエネルギーに変換でき、また、直線状の翼断面の部位を有するハブ120aの箇所においては、軸流方向へ風を強めて送風することができるものとなる。
このような本例の構成によると、製造性に優れるとともに騒音が小さく送風性能の高い極めて優れた二重反転式送風機を得ることができる。
更に、発明者の知見によると、本発明の二重反転式送風機は、本例のモータ回転する第1インペラ110とフリー回転する第2インペラ120を備えた構成のみならず、このモータ回転とフリー回転を逆に設定して、つまり第1インペラ110をフリー回転させるとともに第2インペラ120をモータ回転させることによっても、略同様の作用効果を奏することが判明している。この場合は、上述した本例の第1インペラ110及び第2インペラ120の各ブレードに係る数値を逆に設定するものである。
以上説明したように、本例はオープン構造の二重反転式送風機として極めて合理的に構成されたものである。尚、本例における各部の構成は、特許請求の範囲に記載した技術的範囲において適宜に設計変更が可能であり、図例説明したものに限定されないことは勿論である。
本発明の二重反転式送風機は、パソコンのUSBを電源として駆動する小型の送風機として好適に利用することが可能である。
1 二重反転式送風機
10 台座
20 支持体
30 スイッチ
110 第1インペラ
110a ハブ
111 ブレード
120 第2インペラ
120a ハブ
121 ブレード
210 モータ
220 ケース
300 ガード
L1 第1インペラの直径
L2 第2インペラの直径
W1 軸流方向に対する第1インペラのブレードの幅
W2 軸流方向に対する第2インペラのブレードの幅
G 第1インペラのブレードと第2インペラのブレードとの間隔

Claims (2)

  1. 軸流方向に回転軸中心をそろえて配置された上流側の第1インペラ(110)及び下流側の第2インペラ(120)を備え、前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(120)とが互いに異なる方向に回転する二重反転式送風機(1)であって、
    前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(120)のうち一方のインペラはモータにより回転駆動されるものであるとともに、他方のインペラは、前記回転軸に回転可能に設けられ、且つ、前記一方のインペラが回転したときに当該一方のインペラの風力によって当該一方のインペラの回転方向とは反対の方向に回転する非モータ駆動のものであり、
    当該二重反転式送風機(1)は、前記軸流方向の後方から空気を吸い込むとともに、前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(120)との間からも空気を吸い込むものであり、
    更に、
    a:前記一方のインペラの直径をL1、前記他方のインペラの直径をL2、
    b:前記一方のインペラのブレード数をA、前記他方のインペラのブレード数をB、
    c:前記一方のインペラ及び前記他方のインペラを前記軸流方向の正面から見たとき、当該一方のインペラのインペラ総面積に対する各インペラ間の空隙部の比率をP、当該他方のインペラのインペラ総面積に対する各インペラ間の空隙部の比率をQ、
    とするとき、それらは、L1<L2、A<B、及び、P>Q、の関係が成り立つように設けたことを特徴とする二重反転式送風機。
  2. 前記他方のインペラに、直線状の翼断面の部位、又は、ハブ位置と翼端で形状の異なる翼断面の部位を有することを特徴とする請求項1記載の二重反転式送風機。

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