JP6450631B2 - 層間変位計測システム、層間変位計測方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
また、地震発生時のエレベータの健全性を評価するために、エレベータの昇降路内にCCDカメラ等の光学的な計測機器を設置し、エレベータの昇降路の歪を計測する地震損傷計測システムがある(例えば、特許文献1参照)。
本発明の実施形態における層間変位計測システムは、複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって第2の層に設けられた被写体を撮影した映像データから、前記被写体の撮像画像内の位置に基づいて前記第1の層と前記第2の層との間の層間変位を得る変換部を備える。前記変換部は、地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分から抽出する。
このような層間変位計測システムは、建物の層間変形を精度良く計測することができる。
以下、図を用いて本発明の第1の実施形態の層間変位計測システムの説明を行う。図1は、本発明の第1の実施形態による層間変位計測システムの構成例を表す概念図である。
図1において、層間変位計測システム1は、建物100に設けられている撮像部151から15n(1からnまでは建物の階数)の各々から地震時に撮像した画像データを取得する。撮像部151から15nの各々は、それぞれ設けられた階の層(上層階)に近接する階の層(下層階)に設けられた被写体を撮像した映像データを出力する。ここで、撮像部15は、図1に示すように、建物100のそれぞれの階に配置されている。図1の建物100が6階立ての建物である場合、1階1001に撮像部151が配置され、2階1002に撮像部152が配置され、3階1003に撮像部153が配置され、4階1004に撮像部154が配置され、5階1005に撮像部155が配置され、6階1006に撮像部156が配置されている。
また、撮像部151から15nに対応するように、層間変位計測部111から11nが各階に設けられている。層間変位計測部111から11nは、撮像部151から15nによってそれぞれ撮像された結果の映像データに基づいて、撮像部151から15nの何れかの撮像部が設けられている第1の層と当該撮像部の被写体に当たる第2の層との間の層間変位を得る。
また、建物100の屋上100Rには、加速度計測部16が配置されている。また、この加速度計測部16は、屋上100Rでなくとも、屋上100R近傍の最上階または建物100の上層部に配置しても良い。
また、層間変位計測システム1は、上記の構成の他に、固有周期計測部12、建物安全性評価部13、データベース14を含めて構成してもよい。
同図は、平常時の建物100に歪が生じていない状態(実線)と、地震による歪が生じた状態(点線)とを示している。歪が生じた状態では、1階1001の階高h1に対して、天井と床とが水平方向にΔx変位した状態が示されている。式(1)に示すように、この場合の層間変位はΔxであり、φが層間変形角になる。
同図に示される層間変位計測システム1は、撮像部15、加速度計測部16、及び、層間変位計測部11を備える。
撮像部15は、複数の層からなる建物の第1の層に設けられている。撮像部15は、第2の層に設けられた被写体を撮像して、被写体の像Xpを示す映像データを出力する。地震による振動が無い状態の画像には、振動の影響を受けていない被写体の像(Xp)が映る。一方で、地震による振動gが有る状態の画像には、振動gの影響を受けた被写体の像(Xp)が映る。ここで、振動gの影響を受けた被写体の像(Xp)を示す映像データには、振動gによる揺れXgにより揺れた被写体の像の信号成分(Xp+Xg)が含まれる。
加速度計測部16は、図4に示すような常時微振動Stを検出して、その常時微振動Stを周波数成分に変換することにより、図5に示すようなスペクトルSfを得る。ここで、f0は建物100の1次固有振動数(固有周期)を示す。スペクトルSfには、1次固有振動数f0の成分の他、建物100の高次の振動数成分や、建物100以外の様々な外的要因によるノイズの振動数成分が併せて観測されている。同図の例では、スペクトルSfの3次固有振動数成分までのエネルギーが、4次固有振動数成分以上の周波数成分のエネルギーより大きく観測されている。ここで、1次固有振動数f0より周波数が低い低周波領域から3次固有振動数成分までの成分を透過するようなローパスフィルタ型のフィルタを定め、そのフィルタのカットオフ周波数fcを選択する。層間変位計測システム1は、上記の範囲の周波数成分から、建物100の地震時の代表的な挙動を検出することができる。
なお、撮像部15の撮像デバイスの大きさと、その解像度と、撮像部15の光学系の焦点距離と、被写体から撮像部15までの距離とから、撮像デバイスの1画素当たりの被写体の大きさを算出する。例えば、式(2)と式(3)に示すように、撮像デバイスの大きさ(横幅DEVXx縦幅DEVY)と解像度(構成画素数:横NX画素x縦NY画素)から1画素の幅PICWと高さPICHが定まる。
=(PICWxL/f)x(MX) ・・・(6)
=(PICHxL/f)x(MY) ・・・(7)
層間変位計測システム1は、平常時に加速度計測部16が建物100の固有振動数(固有周期)を検出する(ステップSa10)。加速度計測部16は、固有振動数(固有周期)を基準に1次固有振動数(f0)より低周波成分から3次固有振動数成分までの成分を透過するようなカットオフ周波数fcを選択して、振動の主成分を含む周波数領域を特定する(ステップSa20)。
平常時に特定しておいた周波数領域の画像信号から、層間変位計測部11は、地震時に撮像部15によって得られた画像データに基づいて、被写体の変位量を抽出する(ステップSa30)。層間変位計測部11は、抽出した変位量から算出した推定変位量を出力する(ステップSa40)。
加速度計測部16は、加速度を検出し(ステップSa31)、検出した加速度の大きさから地震の発生を判定する(ステップSa32)。地震の発生を検出しない場合(ステップSa32:No)は、地震の発生の検出を繰り返し行う。
地震の発生を検出した場合(ステップSa32:Yes)、層間変位計測部11は、撮像部15が撮像した映像データを記録する(ステップSa33)。
加速度計測部16は、検出した加速度から地震の終了を判定する(ステップSa34)。地震の終了を検出しない場合(ステップSa34:No)は、映像データの記録を継続して行わせる。
地震の終了を検出した場合(ステップSa34:Yes)は、層間変位計測部11は、記録されている映像データによって示される画像から特徴点を抽出する(ステップSa35)。層間変位計測部11は、記録されている映像データによって示される画像から抽出した特徴点が画像内で何画素移動したかの特徴点の移動量から推定変位量を算出する(ステップSa36)。
図1に示したように、層間変位計測システム1は、固有周期計測部12、建物安全性評価部13、データベース14を含めて構成してもよい。
固有周期計測部12は、加速度計測部16から、地震発生後に供給される微振動データに対し、信号処理を行う。すなわち、固有周期計測部12は、微振動データのフーリエ解析を行い、固有振動数を推定する。そして、建物安全性評価部13は、抽出した固有振動数の周期を求め、この周期を固有周期Tとする。
以下、図8を用いて本発明の第2の実施形態の層間変位計測システムについて説明する。
図8は、特定の階の撮像部の配置を示す断面図である。例えば、層間変位計測システム1Aにおいて、撮像部15A1は、1階1001の天井側に配されている。撮像部15A1の光軸Lが鉛直に対して所定の角度θを成すように、光軸Lの方向を床面に向けて撮像部15A1が天井に固定されており、撮像部15A1は、1階1001の床にある被写体を撮像する。同図において撮像部15A1の下方側の三角形D3とD4は、撮像部15A1の撮像可能な範囲を模擬的に示す。また、被写体は、前述した場合と同様に、床に移動しないように固定して床上に据え置くものに限らず、床面に描かれた図形等でもよい。
なお、撮像部15A1には、撮像部15A1の取付角度を検出する角度検出部17が設けられている。
同図は、平常時の建物100に歪が生じていない状態(実線)と、地震による歪が生じた状態(点線)とを示している。建物100に歪が生じた状態では、1階1001の階高h1に対して、天井と床とが水平方向にΔx変位した状態が示されている。前述の式(1)に示した通り、この場合の層間変位はΔxであり、φが層間変形角になる。
また、同図には、地震により、地震中に撮像部15A1の取付角度が変化して、撮像部15A1の光軸L’が鉛直に対して所定の角度(θ+α)を成す状態になり、その角度(θ+α)が角度検出部17によって検出される。
前述の構成と同じ構成には、同じ符号を附す。
撮像部15Aは、前述の撮像部15に相当し、角度検出部17が付帯する点が異なる。
角度検出部17は、撮像部15Aの取付角度を検出する。例えば、角度検出部17は、撮像部15Aの取付角度を、撮像部15A1の光軸Lが鉛直に対して成す角度θで示す。
層間変位計測部11Aは、前述の層間変位計測部11に相当し、撮像部15Aから出力された映像データから、前記被写体の撮像画像内の位置に基づいて、撮像部15Aが設けられた層(第1の層)と撮像部15Aの被写体になる層(第2の層)の間の層間変位を得る。層間変位計測部11Aは、角度検出部17から撮像部15Aの取付角度を得て、撮像部15Aの取付角度の変化に応じて生じる偏差を補正する。
地震により、撮像部15Aの取付角度が角度θから角度(θ+α)に変化した場合について検討する。
振動の衝撃等の影響を受け、撮像部15A1の取付角度が変化してしまう場合がある。このような取付角度の変化が生じた場合には、変位量Δxに取付角度の変化に起因する誤差が検出される。この誤差は、振動によって値が変化せずに、地震後の値に恒常的な偏差として現れる。偏差εの大きさは、下記の式(8)から計算できる。
なお、衝撃によって同じ地震内で度々取付角度が変化した場合には、角度変化が計測される度にデータを補正するとよい。また、撮像部15A1を取り付けている雲台等の部材の弾性変形等により時々刻々と取付け角度が変化する場合がある。上記の場合には、偏差は、「恒常的な偏差」として発生するだけでなく「経時的に値が変化する偏差」として発生する。例えば、上記の式(8)により算出される偏差εを「恒常的な偏差」として扱わず、上記の式(8)により時事刻々と算出される偏差εを計測データから差し引く補正方法を適用することにより、上記のような「経時的に値が変化する偏差」についても補正することができる。
以下、図1から図6と図11と図12を用いて本発明の第3の実施形態の層間変位計測システムについて説明する。
層間変位計測システム1(1A)は、区間1の処理に続き、区間2、区間3、・・・、区間nの各区間についても同様に、区間ごとにフーリエ変換を実施して、区間2、区間3、・・・、区間nの各区間に対応するスペクトルSfをそれぞれ得る。層間変位計測部11は、区間2、区間3、・・・、区間nの各区間に対応するスペクトルSfに対してリアルタイムでノイズを低減する処理を実施して、各区間における層間変位を得る。層間変位計測システム1(1A)の建物安全性評価部13は、ノイズを低減した後のスペクトルSfに基づいて建物100の安全性評価を実施する。
また、層間変位計測システム1(1A)は、このようにして得られた各区間のスペクトルSfを建物100に設けられている表示部に順次表示させるようにしてもよい。
ステップS33の処理を終えた後、層間変位計測部11は、記録されている映像データを区間毎に読み出して、区間毎の映像データによって示される画像から特徴点を抽出する(ステップSa35A)。層間変位計測部11は、区間毎に読み出した映像データの画像から抽出した特徴点の移動量から、各区間に対応するスペクトルSfを得て、各区間に対応するスペクトルSfに対してリアルタイムでノイズを低減する。層間変位計測部11は、上記の処理を実施して、層間変位(推定変位量)を算出する。
さらに、層間変位計測部11は、地震による振動を受けて揺れが継続している間に算出した推定変位量を、建物100に設けられている表示部に表示させてもよい。建物安全性評価部13は、ノイズを低減した後のスペクトルSfに基づいて建物100の安全性評価を実施してもよい(ステップSa36A)。
地震の終了を検出した場合(ステップSa37:Yes)は、同図に示す処理を終える。
上記実施形態において、本発明における層間変位計測システムが層間変位計測システム1(1A)に対応し、層間変位計測部が層間変位計測部11に対応し、加速度計測部が加速度計測部16に対応する。
例えば、層間変位計測システム1(1A)において計測された層間変位のデータ(変位データ)を、層間変位計測部11から建物安全性評価部13にリアルタイムで転送して、変位データをデータベース14に逐次記録してもよい。このような変位データを時系列情報として記録することにより、地震時の建物100の挙動を示すデータをデータベース14に残すことができる。
層間変位計測部11は、加速度計測部16によって検知された地震の振動が収まった後に前記映像データから前記信号成分を抽出し、前記抽出した信号成分を用いて前記層間変位を得る。これにより、地震の発生と地震による振動が収まったことを検出することができ、地震がおさまってから速やかに建物100の層間変位を算定することができる。
層間変位計測部11は、前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する。これにより、実際の建物100の常時微振動から建物100固有の信号帯域を特定することができ、ノイズの影響を低減して地震による層間変位を得ることができる。
層間変位計測部11は、前記求めた固有振動数の信号成分が含まれるように前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する。
これにより、実際の建物100の常時微振動から建物100の固有振動数(固有周期)を得ることができ、固有振動数(固有周期)に基づいて有効な信号成分の信号帯域を特定することができ、ノイズの影響を低減して地震による層間変位を得ることができる。
これにより、実際の建物100の常時微振動等から建物100の主たる振動成分を得るように、所望の固有振動数(固有周期)成分を含む有効な信号成分の信号帯域を特定する。これにより、層間変位計測システム1(1A)は、ノイズの影響を低減して地震による層間変位を得ることができる。
11、11A 層間変位計測部、15 撮像部、16 加速度計測部、17 角度検出部
Claims (7)
- 複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって第2の層に設けられた被写体を撮影した映像データから、前記被写体の撮像画像内の位置に基づいて前記第1の層と前記第2の層との間の層間変位を得る層間変位計測部
を備え、
前記層間変位計測部は、
地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分から抽出する
ことを特徴とする層間変位計測システム。 - 地震の発生を検知する加速度計測部
を備え、
前記層間変位計測部は、
前記加速度計測部によって検知された地震の振動が収まった後に前記映像データから前記信号成分を抽出し、前記抽出した信号成分を用いて前記層間変位を得る
ことを特徴とする請求項1に記載の層間変位計測システム。 - 前記加速度計測部は、
前記地震発生前の建物の振動を検出し、前記検出された前記地震発生前の建物の振動から前記信号帯域を定め、
前記層間変位計測部は、
前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する
ことを特徴とする請求項2に記載の層間変位計測システム。 - 前記加速度計測部は、
前記検出された前記地震発生前の建物の振動から当該建物の固有振動数を求め、前記求めた固有振動数の信号成分が含まれるように前記信号帯域を定め、
前記層間変位計測部は、
前記求めた固有振動数の信号成分が含まれるように前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する
ことを特徴とする請求項3に記載の層間変位計測システム。 - 前記加速度計測部は、
前記建物の主たる振動成分までが含まれるように前記信号帯域を定め、
前記層間変位計測部は、
前記主たる振動成分までが含まれるように前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する
ことを特徴とする請求項4に記載の層間変位計測システム。 - 複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって前記建物の層間変形を撮影した映像データから、当該映像データによって示された前記建物の層間変形を第1の層と第2の層との間の層間変位に変換するステップと、
地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分として前記映像データから抽出するステップと
を含むことを特徴とする層間変位計測方法。 - 複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって前記建物の層間変形を撮影した映像データから、当該映像データによって示された前記建物の層間変形を第1の層と第2の層との間の層間変位に変換するステップと、
地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分として前記映像データから抽出するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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