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JP6450631B2 - 層間変位計測システム、層間変位計測方法、及びプログラム - Google Patents
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層間変位計測システム、層間変位計測方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、層間変位計測システム、層間変位計測方法、及びプログラムに関する。
地震発生時等に建物の変形が生じることが知られている。地震発生後の建物の健全性を評価する指標として、各層間の水平方向の変位差をフロアの高さで除した値(層間変形角)が用いられることが多い。
また、地震発生時のエレベータの健全性を評価するために、エレベータの昇降路内にCCDカメラ等の光学的な計測機器を設置し、エレベータの昇降路の歪を計測する地震損傷計測システムがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−281435号公報
しかしながら、特許文献1のようにエレベータの昇降路の歪を検出しても、エレベータの昇降路等が設けられたコア部の変形量は、必ずしも建物の変形量に一致するとは限らない。また、エレベータの昇降路等のコア部以外の場所には床があり、建物の各層を貫通して設けられているエレベータの昇降路等に適用する測定方法をコア部以外の場所に適用することは困難である。このように特許文献1等の方法では、建物の層間変形を精度良く計測できない場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、建物の層間変形を精度良く計測する層間変位計測システム、層間変位計測方法、及びプログラムを提供する。
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって第2の層に設けられた被写体を撮影した映像データから、前記被写体の撮像画像内の位置に基づいて前記第1の層と前記第2の層との間の層間変位を得る層間変位計測部を備え、前記層間変位計測部は、地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分から抽出することを特徴とする層間変位計測システムである。
また、上記の層間変位計測システムは、地震の発生を検知する加速度計測部を備え、前記層間変位計測部は、前記加速度計測部によって検知された地震の振動が収まった後に前記映像データから前記信号成分を抽出し、前記抽出した信号成分を用いて前記層間変位を得ることを特徴とする。
また、上記の層間変位計測システムにおいて、前記加速度計測部は、前記地震発生前の建物の振動を検出し、前記検出された前記地震発生前の建物の振動から前記信号帯域を定め、前記層間変位計測部は、前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出することを特徴とする。
また、上記の層間変位計測システムにおいて、前記加速度計測部は、前記検出された前記地震発生前の建物の振動から当該建物の固有振動数を求め、前記求めた固有振動数の信号成分が含まれるように前記信号帯域を定め、前記層間変位計測部は、前記求めた固有振動数の信号成分が含まれるように前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出することを特徴とする。
また、上記の層間変位計測システムにおいて、前記加速度計測部は、前記建物の主たる振動成分までが含まれるように前記信号帯域を定め、前記層間変位計測部は、前記主たる振動成分までが含まれるように前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出することを特徴とする。
また、本発明の他の一態様は、複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって前記建物の層間変形を撮影した映像データから、当該映像データによって示された前記建物の層間変形を第1の層と第2の層との間の層間変位に変換するステップと、地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分として前記映像データから抽出するステップとを含むことを特徴とする層間変位計測方法である。
また、本発明の他の一態様は、複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって前記建物の層間変形を撮影した映像データから、当該映像データによって示された前記建物の層間変形を第1の層と第2の層との間の層間変位に変換するステップと、地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分として前記映像データから抽出するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、建物の層間変形を精度良く計測する層間変位計測システム、層間変位計測方法、及びプログラムを提供することができる。
本発明の第1の実施形態による層間変位計測システムの構成例を表す概念図である。 本実施形態による特定の階の撮像部の配置を示す断面図である。 本実施形態による層間変位計測システムの概略構成を示す構成図である。 本実施形態による建物の常時微振動を示す説明図である。 本実施形態による層間変位計測システムの原理を示す説明図である。 本実施形態による層間変位計測システムにおける処理の手順を示すフローチャートである。 図6のステップSa30における処理の手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態による特定の階の撮像部の配置を示す断面図である。 本実施形態による層間変位計測システムの概略構成を示す構成図である。 本実施形態による撮像部の取付角度が変化した場合の層間変位に対する影響について示す説明図である。 第3の実施形態による解析の単位期間を示すデータ区間の規定方法を示す説明図である。 図6のステップSa30における第3の実施形態による処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の実施形態における層間変位計測システムの概要について説明する。
本発明の実施形態における層間変位計測システムは、複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって第2の層に設けられた被写体を撮影した映像データから、前記被写体の撮像画像内の位置に基づいて前記第1の層と前記第2の層との間の層間変位を得る変換部を備える。前記変換部は、地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分から抽出する。
このような層間変位計測システムは、建物の層間変形を精度良く計測することができる。
[第1の実施形態]
以下、図を用いて本発明の第1の実施形態の層間変位計測システムの説明を行う。図1は、本発明の第1の実施形態による層間変位計測システムの構成例を表す概念図である。
図1において、層間変位計測システム1は、建物100に設けられている撮像部15から15(1からnまでは建物の階数)の各々から地震時に撮像した画像データを取得する。撮像部15から15の各々は、それぞれ設けられた階の層(上層階)に近接する階の層(下層階)に設けられた被写体を撮像した映像データを出力する。ここで、撮像部15は、図1に示すように、建物100のそれぞれの階に配置されている。図1の建物100が6階立ての建物である場合、1階100に撮像部15が配置され、2階100に撮像部15が配置され、3階100に撮像部15が配置され、4階100に撮像部15が配置され、5階100に撮像部15が配置され、6階100に撮像部15が配置されている。
また、撮像部15から15に対応するように、層間変位計測部11から11が各階に設けられている。層間変位計測部11から11は、撮像部15から15によってそれぞれ撮像された結果の映像データに基づいて、撮像部15から15の何れかの撮像部が設けられている第1の層と当該撮像部の被写体に当たる第2の層との間の層間変位を得る。
また、建物100の屋上100には、加速度計測部16が配置されている。また、この加速度計測部16は、屋上100でなくとも、屋上100近傍の最上階または建物100の上層部に配置しても良い。
また、層間変位計測システム1は、上記の構成の他に、固有周期計測部12、建物安全性評価部13、データベース14を含めて構成してもよい。
図2は、特定の階の撮像部の配置を示す断面図である。例えば、撮像部15は、1階100の天井側に配されている。撮像部15は、上層階のスラブ又は梁下、柱梁接合部等の地震により変形が生じにくい場所に設置されている。撮像部15は、光軸Lが鉛直になるように、光軸Lの方向を床面に向けて固定され、1階の床にある被写体を撮像する。同図において撮像部15の下方側の二等辺三角形D1とD2は、撮像部15の撮像可能な範囲を模擬的に示す。なお、撮像部15の光軸Lの方向は、鉛直又は斜め下向きであってもよい。また、被写体は、地震等の振動で移動しないように床に固定して下層階の床上に据え置くものに限らず、床面に描かれた図形等であってもよい。
同図は、平常時の建物100に歪が生じていない状態(実線)と、地震による歪が生じた状態(点線)とを示している。歪が生じた状態では、1階100の階高h1に対して、天井と床とが水平方向にΔx変位した状態が示されている。式(1)に示すように、この場合の層間変位はΔxであり、φが層間変形角になる。
Δx=(h1)tanφ ・・・(1)
図3を参照して、層間変位計測システム1の概略構成について説明する。同図は、層間変位計測システム1の概略構成を示す構成図である。同図には、1階高分の層間変位を得る構成が示されている。
同図に示される層間変位計測システム1は、撮像部15、加速度計測部16、及び、層間変位計測部11を備える。
撮像部15は、複数の層からなる建物の第1の層に設けられている。撮像部15は、第2の層に設けられた被写体を撮像して、被写体の像Xpを示す映像データを出力する。地震による振動が無い状態の画像には、振動の影響を受けていない被写体の像(Xp)が映る。一方で、地震による振動gが有る状態の画像には、振動gの影響を受けた被写体の像(Xp)が映る。ここで、振動gの影響を受けた被写体の像(Xp)を示す映像データには、振動gによる揺れXgにより揺れた被写体の像の信号成分(Xp+Xg)が含まれる。
層間変位計測部11は、撮像部15から出力された映像データから、前記被写体の撮像画像内の位置に基づいて、撮像部15が設けられた層(第1の層)と撮像部15の被写体になる層(第2の層)の間の層間変位を得る。例えば、層間変位計測部11は、画素の大きさを基準にして、前記被写体の撮像画像内の位置の移動量を移動量に応じた画素数として算出する。層間変位計測部11は、地震発生前の建物100の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、地震の振動が収まった後に当該地震による水平方向の振動の成分から抽出し、上記の層間変位を得る。
加速度計測部16は、地震の発生前の建物100の振動を検出し、前記検出された前記地震の発生前の建物100の振動(常時微動や人力加振による強制振動による振動等)から、建物100の振動特性に応じて信号帯域を定める。加速度計測部16は、地震の発生時には、地震による振動が建物に到来している期間を検出する。
図4と図5を参照して、層間変位計測システム1の原理について説明する。図4は、建物の常時微振動を示す説明図である。同図に、加速度計測部16が検出する建物100の常時微振動Stの波形の一例を示す。図5は、層間変位計測システム1の原理を示す説明図である。同図に、地震時の建物100の振動のエネルギー分布をスペクトルにして示す。
加速度計測部16は、図4に示すような常時微振動Stを検出して、その常時微振動Stを周波数成分に変換することにより、図5に示すようなスペクトルSfを得る。ここで、f0は建物100の1次固有振動数(固有周期)を示す。スペクトルSfには、1次固有振動数f0の成分の他、建物100の高次の振動数成分や、建物100以外の様々な外的要因によるノイズの振動数成分が併せて観測されている。同図の例では、スペクトルSfの3次固有振動数成分までのエネルギーが、4次固有振動数成分以上の周波数成分のエネルギーより大きく観測されている。ここで、1次固有振動数f0より周波数が低い低周波領域から3次固有振動数成分までの成分を透過するようなローパスフィルタ型のフィルタを定め、そのフィルタのカットオフ周波数fcを選択する。層間変位計測システム1は、上記の範囲の周波数成分から、建物100の地震時の代表的な挙動を検出することができる。
なお、撮像部15の撮像デバイスの大きさと、その解像度と、撮像部15の光学系の焦点距離と、被写体から撮像部15までの距離とから、撮像デバイスの1画素当たりの被写体の大きさを算出する。例えば、式(2)と式(3)に示すように、撮像デバイスの大きさ(横幅DEVXx縦幅DEVY)と解像度(構成画素数:横NX画素x縦NY画素)から1画素の幅PICWと高さPICHが定まる。
PICW=DEVX/NX ・・・(2)
PICH=DEVY/NY ・・・(3)
被写体から撮像部15までの距離Lと撮像部15の光学系の焦点距離fとの比に基づいて、1画素の幅PICWと高さPICHが、実際の被写体の移動量(横方向ΔXpic、縦方向ΔYpic)でそれぞれ何mm(ミリメートル)に対応するかを式(4)と式(5)により算出する。
ΔXpic=PICWxL/f ・・・(4)
ΔYpic=PICHxL/f ・・・(5)
被写体の像が撮像デバイスの撮像面上で何画素(横:MX画素、縦:MY画素)分移動したかにより、移動した画素数に応じた実空間の距離(実空間のX軸方向の距離:ΔX、Y軸方向の距離:ΔY)を被写体が移動したものとして、式(6)と式(7)とから算出する。
ΔX=(Xpic)x(MX)
=(PICWxL/f)x(MX) ・・・(6)
ΔY=(Ypic)x(MY)
=(PICHxL/f)x(MY) ・・・(7)
以上の換算により、層間変位の変位量(ΔXとΔY)を画素数から換算して得ることができる。
図6を参照して、層間変位計測システム1における処理について説明する。同図は、層間変位計測システム1における処理の手順を示すフローチャートである。
層間変位計測システム1は、平常時に加速度計測部16が建物100の固有振動数(固有周期)を検出する(ステップSa10)。加速度計測部16は、固有振動数(固有周期)を基準に1次固有振動数(f0)より低周波成分から3次固有振動数成分までの成分を透過するようなカットオフ周波数fcを選択して、振動の主成分を含む周波数領域を特定する(ステップSa20)。
平常時に特定しておいた周波数領域の画像信号から、層間変位計測部11は、地震時に撮像部15によって得られた画像データに基づいて、被写体の変位量を抽出する(ステップSa30)。層間変位計測部11は、抽出した変位量から算出した推定変位量を出力する(ステップSa40)。
図7を参照して、層間変位計測システム1における処理の詳細について説明する。同図は、図6のステップSa30における層間変位計測システム1の処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
加速度計測部16は、加速度を検出し(ステップSa31)、検出した加速度の大きさから地震の発生を判定する(ステップSa32)。地震の発生を検出しない場合(ステップSa32:No)は、地震の発生の検出を繰り返し行う。
地震の発生を検出した場合(ステップSa32:Yes)、層間変位計測部11は、撮像部15が撮像した映像データを記録する(ステップSa33)。
加速度計測部16は、検出した加速度から地震の終了を判定する(ステップSa34)。地震の終了を検出しない場合(ステップSa34:No)は、映像データの記録を継続して行わせる。
地震の終了を検出した場合(ステップSa34:Yes)は、層間変位計測部11は、記録されている映像データによって示される画像から特徴点を抽出する(ステップSa35)。層間変位計測部11は、記録されている映像データによって示される画像から抽出した特徴点が画像内で何画素移動したかの特徴点の移動量から推定変位量を算出する(ステップSa36)。
以上に示したように、層間変位計測システム1は、撮像部15によって得られた映像データから、建物100の層間変形を精度良く計測することができる。
(第1の実施形態の変形例)
図1に示したように、層間変位計測システム1は、固有周期計測部12、建物安全性評価部13、データベース14を含めて構成してもよい。
固有周期計測部12は、加速度計測部16から、地震発生後に供給される微振動データに対し、信号処理を行う。すなわち、固有周期計測部12は、微振動データのフーリエ解析を行い、固有振動数を推定する。そして、建物安全性評価部13は、抽出した固有振動数の周期を求め、この周期を固有周期Tとする。
建物安全性評価部13は、建物100における1階からn階までの全ての階又は撮像部15の設置階における損傷程度の判定を行う。建物安全性評価部13は、地震発生前後に算出した固有周期と固有周期の変動閾値とを比較し、地震発生後の固有周期T’が地震発生前の固有周期Tと比較して、変動閾値の範囲内であるか否かの判定を行う。このとき、建物安全性評価部13は、固有周期T’が変動閾値の範囲外である場合、建物100に不安全な状態が生じていると判定し、一方、固有周期T’が変動閾値の範囲内である場合、建物100に不安全な状態といえる損傷は生じていない可能性が高いと判定する。建物安全性評価部13における判定処理の詳細は、特開2014−134436号公報等に記載の方法を適用してもよい。
データベース14は、各種判定に用いる判定条件、過去に検出された加速度の時刻歴を記憶する。
上記のように構成した層間変位計測システム1を、建物安全性評価システムとして機能させることができる。層間変位計測システム1を、建物安全性評価システムとして機能させる場合には、建物安全性評価部13は、固有周期計測部12により計測された固有周期の変化、各層間変位計測部11により検出された層間変位の大きさ等に基づいて、建物100の安全性を評価することができる。
[第2の実施形態]
以下、図8を用いて本発明の第2の実施形態の層間変位計測システムについて説明する。
図8は、特定の階の撮像部の配置を示す断面図である。例えば、層間変位計測システム1Aにおいて、撮像部15Aは、1階100の天井側に配されている。撮像部15Aの光軸Lが鉛直に対して所定の角度θを成すように、光軸Lの方向を床面に向けて撮像部15Aが天井に固定されており、撮像部15Aは、1階100の床にある被写体を撮像する。同図において撮像部15Aの下方側の三角形D3とD4は、撮像部15Aの撮像可能な範囲を模擬的に示す。また、被写体は、前述した場合と同様に、床に移動しないように固定して床上に据え置くものに限らず、床面に描かれた図形等でもよい。
なお、撮像部15Aには、撮像部15Aの取付角度を検出する角度検出部17が設けられている。
同図は、平常時の建物100に歪が生じていない状態(実線)と、地震による歪が生じた状態(点線)とを示している。建物100に歪が生じた状態では、1階100の階高h1に対して、天井と床とが水平方向にΔx変位した状態が示されている。前述の式(1)に示した通り、この場合の層間変位はΔxであり、φが層間変形角になる。
ところで、同図に示されるように、撮像部15Aの光軸Lが鉛直に対して所定の角度θを成すように設けられており、その角度θが角度検出部17によって検出される。初期の取付角度が角度θの場合には、光軸Lは、撮像部15Aの真下の位置からhtanθ離れた場所に向けられている。hは、床面から撮像部15までの距離を示す。
また、同図には、地震により、地震中に撮像部15Aの取付角度が変化して、撮像部15Aの光軸L’が鉛直に対して所定の角度(θ+α)を成す状態になり、その角度(θ+α)が角度検出部17によって検出される。
図9を参照して、層間変位計測システム1Aの概略構成について説明する。同図は、層間変位計測システム1Aの概略構成を示す構成図である。同図には、1階高分の層間変位を得る構成が示されている。同図に示される層間変位計測システム1Aは、撮像部15A、加速度計測部16、角度検出部17、及び、層間変位計測部11Aを備える。
前述の構成と同じ構成には、同じ符号を附す。
撮像部15Aは、前述の撮像部15に相当し、角度検出部17が付帯する点が異なる。
角度検出部17は、撮像部15Aの取付角度を検出する。例えば、角度検出部17は、撮像部15Aの取付角度を、撮像部15Aの光軸Lが鉛直に対して成す角度θで示す。
層間変位計測部11Aは、前述の層間変位計測部11に相当し、撮像部15Aから出力された映像データから、前記被写体の撮像画像内の位置に基づいて、撮像部15Aが設けられた層(第1の層)と撮像部15Aの被写体になる層(第2の層)の間の層間変位を得る。層間変位計測部11Aは、角度検出部17から撮像部15Aの取付角度を得て、撮像部15Aの取付角度の変化に応じて生じる偏差を補正する。
図10を参照して、撮像部15Aの取付角度が変化した場合の層間変位に対する影響ついて説明する。図10は、撮像部15Aの取付角度が変化した場合の層間変位に対する影響について示す説明図である。図10(a)に、撮像部15Aの取付角度が変化した場合の層間変位を示し、図10(b)に、撮像部15Aの取付角度が変化した場合の層間変位に対する影響を打ち消すように補正した結果を示す。
地震により、撮像部15Aの取付角度が角度θから角度(θ+α)に変化した場合について検討する。
振動の衝撃等の影響を受け、撮像部15Aの取付角度が変化してしまう場合がある。このような取付角度の変化が生じた場合には、変位量Δxに取付角度の変化に起因する誤差が検出される。この誤差は、振動によって値が変化せずに、地震後の値に恒常的な偏差として現れる。偏差εの大きさは、下記の式(8)から計算できる。
ε=h{tan(θ+α)−tanθ} ・・・(8)
そこで、撮像部15Aの取付角度の恒常的な変化分を打ち消すように上記の偏差の値を減算して補正することにより、撮像部15Aの取付角度の恒常的な変化に影響されることなく、上記の偏差を低減した層間変位を得ることができる。
なお、衝撃によって同じ地震内で度々取付角度が変化した場合には、角度変化が計測される度にデータを補正するとよい。また、撮像部15Aを取り付けている雲台等の部材の弾性変形等により時々刻々と取付け角度が変化する場合がある。上記の場合には、偏差は、「恒常的な偏差」として発生するだけでなく「経時的に値が変化する偏差」として発生する。例えば、上記の式(8)により算出される偏差εを「恒常的な偏差」として扱わず、上記の式(8)により時事刻々と算出される偏差εを計測データから差し引く補正方法を適用することにより、上記のような「経時的に値が変化する偏差」についても補正することができる。
以上に示したように、層間変位計測システム1Aによれば、建物の層間変形を精度良く計測することができる。
[第3の実施形態]
以下、図1から図6と図11と図12を用いて本発明の第3の実施形態の層間変位計測システムについて説明する。
また、上記の実施形態の説明において、層間変位計測システム1(1A)は、地震の揺れが治まった後に、建物100の層間変位の解析や安全性の評価を実施するものとして説明したが、地震による振動を受けて揺れが継続している最中に、層間変位計測システム1(1A)は、建物100の層間変位の解析やその安全性を評価してもよい。地震による振動を受けて揺れが継続している最中に建物100の層間変位の解析やその安全性を評価する場合には、適当な長さの期間に対応するデータ区間ごとに振動の分析を行って、層間変位を得ても良い。例えば、図11に示すように、複数のデータ区間を定義する。同図は、解析の単位期間を示すデータ区間の規定方法を示す説明図である。それぞれのデータ区間は、当該データ区間の前後のデータ区間に一部が重畳するように期間を重ねて定められている。例えば、加速度計測部16は、区間1で示されるデータ区間のデータから、区間1に対応するスペクトルSfを得る。層間変位計測部11は、区間1に対応するスペクトルSfに対してリアルタイムでノイズを低減する処理を実施して、層間変位を得る。層間変位計測システム1(1A)の建物安全性評価部13は、ノイズを低減した後のスペクトルSfに基づいて建物100の安全性評価を実施する。
層間変位計測システム1(1A)は、区間1の処理に続き、区間2、区間3、・・・、区間nの各区間についても同様に、区間ごとにフーリエ変換を実施して、区間2、区間3、・・・、区間nの各区間に対応するスペクトルSfをそれぞれ得る。層間変位計測部11は、区間2、区間3、・・・、区間nの各区間に対応するスペクトルSfに対してリアルタイムでノイズを低減する処理を実施して、各区間における層間変位を得る。層間変位計測システム1(1A)の建物安全性評価部13は、ノイズを低減した後のスペクトルSfに基づいて建物100の安全性評価を実施する。
また、層間変位計測システム1(1A)は、このようにして得られた各区間のスペクトルSfを建物100に設けられている表示部に順次表示させるようにしてもよい。
図12を参照して、図11に示す処理の手順について説明する。同図は、図11に示す処理の手順を示すフローチャートである。同図に示されるステップS31からステップS33の処理は、前述の図7のステップS31からステップS33の処理に対応する。
ステップS33の処理を終えた後、層間変位計測部11は、記録されている映像データを区間毎に読み出して、区間毎の映像データによって示される画像から特徴点を抽出する(ステップSa35A)。層間変位計測部11は、区間毎に読み出した映像データの画像から抽出した特徴点の移動量から、各区間に対応するスペクトルSfを得て、各区間に対応するスペクトルSfに対してリアルタイムでノイズを低減する。層間変位計測部11は、上記の処理を実施して、層間変位(推定変位量)を算出する。
さらに、層間変位計測部11は、地震による振動を受けて揺れが継続している間に算出した推定変位量を、建物100に設けられている表示部に表示させてもよい。建物安全性評価部13は、ノイズを低減した後のスペクトルSfに基づいて建物100の安全性評価を実施してもよい(ステップSa36A)。
加速度計測部16は、検出した加速度から地震の終了を判定する(ステップSa37)。地震の終了を検出しない場合(ステップSa37:No)は、映像データの記録を継続して行わせる。
地震の終了を検出した場合(ステップSa37:Yes)は、同図に示す処理を終える。
このように、層間変位計測システム1(1A)は、建物100の状態を逐次表示することができ、速やかに建物100の状態を建物100を利用している利用者に表示することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、層間変位計測システム1(1A)は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS等も含むものとする。
そして、層間変位計測システム1(1A)における層間変位計測部11、加速度計測部16、及び建物安全性評価部13における各処理の全部又は一部の処理は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工、演算処理を実行することにより、実現されるものである。勿論、層間変位計測システム1(1A)を構成する各処理部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
なお、ここで、本発明と上記実施形態との対応関係について補足して説明する。
上記実施形態において、本発明における層間変位計測システムが層間変位計測システム1(1A)に対応し、層間変位計測部が層間変位計測部11に対応し、加速度計測部が加速度計測部16に対応する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の層間変位計測システム1(1A)は、上述の図示例にのみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、層間変位計測システム1(1A)において計測された層間変位のデータ(変位データ)を、層間変位計測部11から建物安全性評価部13にリアルタイムで転送して、変位データをデータベース14に逐次記録してもよい。このような変位データを時系列情報として記録することにより、地震時の建物100の挙動を示すデータをデータベース14に残すことができる。
また、建物安全性評価部13は、層間変位計測システム1(1A)において計測された層間変位のデータ(変位データ)を解析して、解析の結果である建物100の安全性に関する情報を出力するように構成してもよい。建物安全性評価部13は、上記の情報の出力先である表示部を建物100の各階に設けておき、当該表示部に建物100の安全性に関する情報を逐次表示させるようにしてもよい。また、層間変位計測システム1(1A)は、建物100の利用者が携帯する端末装置の表示部を利用して、建物100の安全性に関する情報を逐次表示させるように構成してもよい。
また、特に、建物100において、コア部が偏心し、建物100の剛性が平面的に偏っている場合等は、捩れ振動等が励起され、建物100の外周部の変形量がコア部の変形量と比較して大きくなる場合がある。このような場合、層間変位計測システム1(1A)は、建物100の外周部の変形量に基づいて建物100の安全性を評価することにより、建物100の変形の大きさに応じた安全性を適切に評価することができる。
(1)なお、本実施形態に示す層間変位計測システム1は、複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって第2の層に設けられた被写体を撮影した映像データから、前記被写体の撮像画像内の位置に基づいて前記第1の層と前記第2の層との間の層間変位を得る層間変位計測部11を備える。層間変位計測部11が、地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分から抽出することにより、層間変位計測システム1は、ノイズ成分を低減させた振動の成分を得る。これにより、層間変位計測システム1は、建物100の層間変形を精度良く計測することができる。
(2)層間変位計測システム1は、地震の発生を検知する加速度計測部16を備える。
層間変位計測部11は、加速度計測部16によって検知された地震の振動が収まった後に前記映像データから前記信号成分を抽出し、前記抽出した信号成分を用いて前記層間変位を得る。これにより、地震の発生と地震による振動が収まったことを検出することができ、地震がおさまってから速やかに建物100の層間変位を算定することができる。
(3)加速度計測部16は、前記地震発生前の建物の振動を検出し、前記検出された前記地震発生前の建物の振動から前記信号帯域を定める。
層間変位計測部11は、前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する。これにより、実際の建物100の常時微振動から建物100固有の信号帯域を特定することができ、ノイズの影響を低減して地震による層間変位を得ることができる。
(4)加速度計測部16は、前記検出された前記地震発生前の建物の振動から当該建物の固有振動数を求め、前記求めた固有振動数の信号成分が含まれるように前記信号帯域を定める。
層間変位計測部11は、前記求めた固有振動数の信号成分が含まれるように前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する。
これにより、実際の建物100の常時微振動から建物100の固有振動数(固有周期)を得ることができ、固有振動数(固有周期)に基づいて有効な信号成分の信号帯域を特定することができ、ノイズの影響を低減して地震による層間変位を得ることができる。
(5)加速度計測部16は、建物100の主たる振動成分までが含まれるように前記信号帯域を定める。層間変位計測部11は、前記主たる振動成分までが含まれるように前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する。
これにより、実際の建物100の常時微振動等から建物100の主たる振動成分を得るように、所望の固有振動数(固有周期)成分を含む有効な信号成分の信号帯域を特定する。これにより、層間変位計測システム1(1A)は、ノイズの影響を低減して地震による層間変位を得ることができる。
1、1A 層間変位計測システム、
11、11A 層間変位計測部、15 撮像部、16 加速度計測部、17 角度検出部

Claims (7)

  1. 複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって第2の層に設けられた被写体を撮影した映像データから、前記被写体の撮像画像内の位置に基づいて前記第1の層と前記第2の層との間の層間変位を得る層間変位計測部
    を備え、
    前記層間変位計測部は、
    地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分から抽出する
    ことを特徴とする層間変位計測システム。
  2. 地震の発生を検知する加速度計測部
    を備え、
    前記層間変位計測部は、
    前記加速度計測部によって検知された地震の振動が収まった後に前記映像データから前記信号成分を抽出し、前記抽出した信号成分を用いて前記層間変位を得る
    ことを特徴とする請求項1に記載の層間変位計測システム。
  3. 前記加速度計測部は、
    前記地震発生前の建物の振動を検出し、前記検出された前記地震発生前の建物の振動から前記信号帯域を定め、
    前記層間変位計測部は、
    前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の層間変位計測システム。
  4. 前記加速度計測部は、
    前記検出された前記地震発生前の建物の振動から当該建物の固有振動数を求め、前記求めた固有振動数の信号成分が含まれるように前記信号帯域を定め、
    前記層間変位計測部は、
    前記求めた固有振動数の信号成分が含まれるように前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の層間変位計測システム。
  5. 前記加速度計測部は、
    前記建物の主たる振動成分までが含まれるように前記信号帯域を定め、
    前記層間変位計測部は、
    前記主たる振動成分までが含まれるように前記定められた信号帯域に含まれている信号成分を前記映像データから抽出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の層間変位計測システム。
  6. 複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって前記建物の層間変形を撮影した映像データから、当該映像データによって示された前記建物の層間変形を第1の層と第2の層との間の層間変位に変換するステップと、
    地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分として前記映像データから抽出するステップと
    を含むことを特徴とする層間変位計測方法。
  7. 複数の層からなる建物の第1の層に設けられた撮像部によって前記建物の層間変形を撮影した映像データから、当該映像データによって示された前記建物の層間変形を第1の層と第2の層との間の層間変位に変換するステップと、
    地震発生前の建物の振動特性に応じて定められた信号帯域の信号成分を、当該地震による水平方向の振動の成分として前記映像データから抽出するステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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