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JP6464924B2 - 回転電機の制御装置 - Google Patents
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JP6464924B2 - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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インバータ装置から回転電機に対して出力される出力電圧を調整することで、回転電機の制御を行う回転電機の制御装置に関する。
インバータ装置から回転電機に対して出力される出力電圧を調整する制御において、パルス幅変調制御(PWM制御)と、矩形波制御とが用いられている。
PWM制御は、回転電機の出力トルクを指令するトルク指令値及びインバータ装置から回転電機に出力される出力電流に基づいて、出力電圧の指令値として正弦波状の基本波を設定し、基本波と、基本波より周波数の高い搬送波とを比較する。そして、基本波と搬送波との比較に基づいて、インバータ装置から回転電機に対して出力される出力電圧を調整する。また、矩形波制御では、インバータ装置から回転電機に対して、矩形波状の電圧を出力する。さらに、出力電流に基づいて、出力トルクの推定値であるトルク推定値を算出し、そのトルク推定値及びトルク指令値に基づいて、矩形波状の電圧の位相を調整する。
PWM制御では、低回転領域においてトルク変動を抑制することができる一方で、電圧利用率に限界があるという問題がある。また、矩形波制御では、電圧利用率を最大化することが可能となる一方で、低回転領域においてトルク変動が増加する。そこで、PWM制御と、矩形波制御とを使い分ける構成が用いられている(例えば、特許文献1)。
特許第4404790号公報
上記特許文献1に記載の構成では、PWM制御から矩形波制御への切り替えは、PWM制御における入力電圧に対する基本波の振幅の比である変調率に基づいて実施される。
ここで、本願の発明者は、基本波の一周期に含まれる搬送波のパルス数が減少すると、変調率が高い領域において、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力される状況が生じることを発見した。これにより、回転電機の出力トルクが不安定化する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力されることを抑制し、回転電機の出力トルクを安定化させることを主たる目的とする。
第1の構成は、インバータ装置(20)から回転電機(10)に対して出力される出力電圧を調整することで、前記回転電機の制御を行う回転電機の制御装置(40)であって、前記回転電機の出力トルクを指令するトルク指令値及び前記インバータ装置から回転電機に出力される出力電流に基づいて、前記出力電圧の指令値として正弦波状の基本波を設定し、前記基本波と搬送波との比較に基づいて、前記出力電圧を調整する制御であるパルス幅変調制御を実施する第1制御部(41)と、前記出力電流に基づいて、前記出力トルクの推定値であるトルク推定値を算出し、そのトルク推定値及び前記トルク指令値に基づいて、矩形波状の前記出力電圧の位相を調整する制御である矩形波制御を実施する第2制御部(42)と、前記第1制御部によるパルス幅変調制御を実施している場合に、前記基本波の振幅と、前記インバータ装置の入力電圧との比である変調率が所定の変調率閾値を超えることを条件として、前記第1制御部によるパルス幅変調制御から前記第2制御部による矩形波制御へ制御を切り替える切り替え制御部(43)と、を備え、前記切り替え制御部は、前記基本波の一周期に含まれる前記搬送波のパルス数に基づいて、前記変調率閾値を設定することを特徴とする。
PWM制御から矩形波制御への切り替えに用いる変調率閾値を、基本波の一周期に含まれる搬送波のパルス数に基づいて設定する構成とした。これにより、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力されることを抑制し、回転電機の出力トルクを安定化させることが可能になる。
第2の構成は、インバータ装置(20)から回転電機(10)に対して出力される出力電圧を調整することで、前記回転電機の制御を行う回転電機の制御装置(40)であって、前記回転電機の出力トルクを指令するトルク指令値に基づいて、前記出力電圧の指令値として正弦波状の基本波を設定し、前記基本波と搬送波との比較に基づいて、前記出力電圧を調整する制御であるパルス幅変調制御を実施する第1制御部(41)と、前記トルク指令値に基づいて、矩形波状の前記出力電圧の位相を調整する制御である矩形波制御を実施する第2制御部(42)と、前記基本波の一周期に含まれる前記搬送波のパルス数に基づいて、所定の変調率閾値を設定し、前記第2制御部による矩形波制御から前記第1制御部によるパルス幅変調制御への切り替え後において、前記第1制御部によるパルス幅変調制御の前記変調率の初期値が前記変調率閾値となるように、前記第2制御部による矩形波制御から前記第1制御部によるパルス幅変調制御への切り替えを実施する切り替え制御部(43)と、を備えることを特徴とする。
矩形波制御からPWM制御への切り替えを行った後、基本波の一周期に含まれる搬送波のパルス数が少ない場合、PWM制御を実施しているにも関わらず、インバータ装置から回転電機に対し、矩形波電圧が出力されることが懸念される。そこで、変調率閾値を、基本波の一周期に含まれる搬送波のパルス数に基づいて設定し、第1制御部によるPWM制御の変調率の初期値が変調率閾値となるように、矩形波制御からPWM制御への切り替えを実施する。このような制御を実施することで、矩形波制御からPWM制御への切り替え後において、パルス数が少ない場合に、PWM制御を実施しているにも関わらず、インバータ装置から回転電機に対し、矩形波電圧が出力されることを抑制することができる。
本実施形態の回転電機及びインバータ装置を表す電気的構成図。 本実施形態の制御装置を表す機能ブロック図。 所望のトルク及び所望の回転速度を実現可能な制御モードを表す図。 過変調PWM制御を表す図。 PWM制御と矩形波制御の切り替えを表す図。 高変調率、かつ、パルス数が少ない場合に、PWM制御を実施しているにも関わらず矩形波電圧が出力される状態を表す図。 高変調率、かつ、パルス数が少ない場合に、PWM制御を実施している場合に、通常の過変調PWM電圧が出力される状態を表す図。 パルス数の減少に伴う出力トルクの不安定化の原理を表す図。 基本波の一周期におけるパルス数と、変調率閾値との対応を表す図。 変調率閾値設定処理を表すフローチャート。 PWM制御から矩形波制御への切り替え処理を表すフローチャート。 PWM制御から矩形波制御への切り替えにおいて、本願と従来技術との差異を表す図。 矩形波制御からPWM制御への切り替えにおいて、本願と従来技術との差異を表す図。 矩形波制御からPWM制御への切り替え処理を表すフローチャート。
以下、本発明にかかる制御装置を車載主機としてエンジンを備える車両に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、回転電機10は、多相巻線を有する永久磁石型同期電動機であり、具体的には、3相巻線を有する永久磁石型同期電動機である。回転電機10のステータ13(固定子)には、電機子巻線14が巻回されている。電機子巻線14は、異なる中性点を有する3相巻線からなる。なお、回転電機10は、巻線界磁型同期電動機であってもよい。
回転電機10の電機子巻線14には、インバータ20が接続されている。インバータ20には、直流電源22が接続されている。インバータ20は、U,V,W相高電位側スイッチSUp,SVp,SWpと、U,V,W相低電位側スイッチSUn,SVn,SWnとの直列接続体を3組備えている。U,V,W相における上記直列接続体の接続点は、電機子巻線14のU,V,W相の端子に接続されている。
本実施形態では、各スイッチSUp〜SWnとして、IGBTを用いている。そして、各スイッチSUp〜SWnにはそれぞれ、還流ダイオードDUp〜DWnが並列に接続されている。また、各スイッチSUp〜SWnとしては、IGBTに限らず、例えばNチャネルMOSFETであってもよい。
インバータ20の高電位側の端子(各高電位側スイッチのコレクタ側の端子)には、直流電源22の正極端子が接続されている。低電位側の端子(各低電位側スイッチのエミッタ側の端子)には、直流電源22の負極端子が接続されている。また、インバータ20は、高電位側の端子と、低電位側の端子との間に平滑コンデンサ21を有している。なお、直流電源22は、例えば、二次電池や、二次電池から供給される電力を昇降圧する昇降圧回路である。
また、制御装置40は、回転電機10のトルク指令値T*と、インバータ20から回転電機10に対して出力される相電流IU,IV,IWの検出値と、直流電源22の出力電圧VB(インバータ20の入力電圧)の検出値と、ロータ11の回転角度θの検出値と、を取得する。制御装置40は、トルク指令値T*を、制御装置40より上位の制御装置から取得する。また、制御装置40は、相電流IU,IV,IWの検出値を電流センサ31から取得する。また、制御装置40は、電圧VBの検出値を電圧センサ32から取得する。また、制御装置40は、回転角度θの検出値を回転電機10に設けられた回転角センサ33から取得する。そして、制御装置40は、トルク指令値T*、相電流IU,IV,IW、電圧VB、回転角度θに基づいて、スイッチSUp〜SWnのオフオン制御(開閉制御)を実施する。
図2に、制御装置40の機能ブロック図を示す。制御装置40は、PWM制御部41(第1制御部)と、矩形波制御部42(第2制御部)と、PWM制御(電流フィードバック制御)と、矩形波制御(トルクフィードバック制御)との切り替えを行う切り替え制御部43とを備える。ここで、矩形波制御とは、ワンパルス制御ともいい、電気角θeの一周期において、所定の通電期間(例えば、180度)にわたって、各相電圧VU,VV,VWの電圧が、VB/2→0→−VB/2の順に変化するような制御をいう。以下、PWM制御、矩形波制御、切り替え制御の順に説明を行う。
(PWM制御)
3相2相変換部45は、相電流IU,IV,IWの検出値を、回転角度θに基づいて、UVW座標系(3相)からdq座標系(2相)に変換し、d軸電流Id、及び、q軸電流Iqを算出する。電流指令値生成部46は、トルク指令値T*に基づいて、d軸電流指令値Id*、及び、q軸電流指令値Iq*を算出する。
偏差算出部47d,47qは、d軸電流指令値Id*とd軸電流Idとの偏差ΔId、及び、q軸電流指令値Iq*とq軸電流Iqとの偏差ΔIqをそれぞれ算出する。PID演算部48d,48qは、それぞれ偏差ΔId,ΔIqに基づいて、PID演算(比例・積分・微分演算)を実施する。PID演算部48dの出力値が、d軸電圧指令値Vd*1の基準値となるd軸電圧基準値Vdb*であり、PID演算部48qの出力値が、q軸電圧指令値Vq*1の基準値となるq軸電圧基準値Vqb*である。
ここで、電機子巻線14に印加される電圧のdq軸成分は、電機子巻線14を流れる電流のうち同一の軸成分に比例する項に加えて、異なる軸成分に比例する項や逆起電力といった、いわゆる干渉項を含む。
そこで、非干渉化制御部49は、d軸電流Id及びq軸電流Iqに基づいて、d軸干渉電圧Vd0及びq軸干渉電圧Vq0を算出する。そして、補正部50dは、d軸電圧基準値Vdb*からd軸干渉電圧Vd0を減算することで補正し、d軸電圧指令値Vd*1を算出する。また、補正部50qは、q軸電圧基準値Vqb*からq軸干渉電圧Vq0を減算することで補正し、q軸電圧指令値Vq*1を算出する。
2相3相変換部51は、d軸電圧指令値Vd*1及びq軸電圧指令値Vq*1を、回転角度θに基づいて、dq座標系からUVW座標系に変換し、U相電圧指令値VU*1、V相電圧指令値VV*1、及び、W相電圧指令値VW*1を算出する。電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1は、それぞれ、正弦波であり、かつ、その中央値がゼロとされている。ここで、電圧VBに対し、電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1が大きい場合、つまり、変調率Ampが大きいときには、正弦波に所定の高調波を重畳したものを最終的な電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1として出力する。
搬送波生成部52は、搬送波CAとして三角波を生成する。本実施形態の搬送波生成部52は、基本波の周波数に依存しない所定の周波数を有する搬送波CAを出力する。つまり、本実施形態のPWM制御は、周波数非同期PWM制御である。
比較器53Uは、U相電圧指令値VU*1及び搬送波CAが入力され、U相電圧指令値VU*1と搬送波CAとの大小比較を実施し、信号gU1を出力する。比較器53Vは、V相電圧指令値VV*1及び搬送波CAが入力され、V相電圧指令値VV*1と搬送波CAとの大小比較を実施し、信号gV1を出力する。比較器53Wは、W相電圧指令値VW*1及び搬送波CAが入力され、W相電圧指令値VW*1と搬送波CAとの大小比較を実施し、信号gW1を出力する。比較器53U,53V,53Wの出力信号gU1,gV1,gW1は、それぞれ、基本波である電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1をパルス幅変調したものである。
出力信号gU1,gV1,gW1は、切り替え部44に入力される。そして、切り替え制御部43によってPWM制御が選択されている場合、出力信号gU1,gV1,gW1は、切り替え部44を介して、デッドタイム生成部55に入力される。また、出力信号gU1,gV1,gW1は、NOT回路54U,54V,54Wによって反転され、デッドタイム生成部55に入力される。
デッドタイム生成部55は、上アームスイッチSUp,SVp,SWpと、下アームスイッチSUn,SVn,SWnとの組み合わせにおいて、同一のレグに属するものが同時にオンされることで、直流電源22が短絡されることを抑制する。具体的には、出力信号gU1と、その反転信号とがともにハイ状態となることを抑制し、出力信号gV1と、その反転信号とが、ともにハイ状態となることを抑制し、出力信号gW1と、その反転信号とが、ともにハイ状態となることを抑制する。
デッドタイム生成部55によって、整形された出力信号gU1,gV1,gW1及び出力信号gU1,gV1,gW1の反転信号は、ゲート駆動回路56に入力される。ゲート駆動回路56は、gU1,gV1,gW1を駆動信号gUp,gVp,gWpとして、スイッチSUp,SVp,SWpのそれぞれのゲートに出力する。また、ゲート駆動回路56は、gU1,gV1,gW1の反転信号を駆動信号gUn,gVn,gWnとして、スイッチSUn,SVn,SWnのそれぞれのゲートに出力する。
上述したPWM制御部41の動作によって、相電流IU,IV,IWの検出値をdq座標に変換したd軸電流Id及びq軸電流Iqが、それぞれ、トルク指令値T*に基づき算出されるd軸電流指令値Id*、及び、q軸電流指令値Iq*となるように制御される。
(矩形波制御)
トルク推定部57は、d軸電流Id及びq軸電流Iqに基づいて、回転電機10の出力トルクの推定値であるトルク推定値Teを算出する。トルク推定値Teは、例えば回転電機10の極対数p、誘起電圧定数φ、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqを用いて、下記の式によって算出できる。
Te=p{φ・Iq+(Ld−Lq)・Id・Iq}
偏差算出部58は、トルク指令値T*とトルク推定値Teとの偏差ΔTを算出する。電圧位相算出部59は、偏差ΔT、及び、回転速度FRに基づいて、電圧位相操作量α*を算出する。出力信号生成部60は、電圧位相操作量α*に基づいて、矩形波の位相を操作するべく、信号gU2,gV2,gW2を生成する。
出力信号gU2,gV2,gW2は、切り替え部44に入力される。そして、切り替え制御部43によって矩形波制御が選択されている場合、出力信号gU2,gV2,gW2は、切り替え部44を介して、デッドタイム生成部55に入力される。また、出力信号gU2,gV2,gW2は、NOT回路54U,54V,54Wによって反転され、デッドタイム生成部55に入力される。デッドタイム生成部55及びゲート駆動回路56の動作は、PWM制御と同等であるため、説明を省略する。
(切り替え制御)
図3に、PWM制御を行う領域と矩形波制御を行う領域とを示す。図示されるように、低回転速度領域から中回転速度領域まではPWM制御を行う領域であり、高回転速度領域は矩形波制御を行う領域である。PWM制御を行う領域と矩形波制御を行う領域との境界は、トルク指令値T*が大きいほど低回転速度側となる。高回転速度領域において、PWM制御から矩形波制御へ切り替えるのは、次の理由による。
電機子巻線14の各相に印加可能な電圧の最大値は、直流電源22の電圧VBである。このため、電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1の最大値が電圧VBの「1/2」以上となる状態、即ち、変調率Ampが100%以上(3次高調波を重畳した場合、115%以上であり、以下、100%の記述について同じ)の状態では、電機子巻線14の各相に実際に印加される電圧を電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1とすることができない。
図4(a)に、変調率Ampが100%の場合に電機子巻線14の各相に印加される電圧(例えば、VU)の推移を示し、図4(b)に、変調率Ampが100%よりも大きい場合に電機子巻線14の各相に印加される電圧(例えば、VU)の推移を示す。図示されるように、変調率Ampが100%よりも大きい場合には電機子巻線14の各相に印加される電圧VUの振幅は、直流電源22の電圧VBの1/2に制限されるため、正弦波形状の電圧とはならない。しかし、この場合であっても、図4(a)に示される電圧と比較すると、図4(b)中斜線にて示す領域だけ電圧の利用度が向上している。
これにより、電機子巻線14の各相に印加される電圧の実効値を、図4(a)に示したものと比較して大きくすることができ、電流指令値Id*,Iq*によって定まる3相の電流指令値を電機子巻線14に流すことが可能となる。したがって、電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1の最大値が電圧VBの「1/2」以上となった場合に、PWM制御を継続することで、電機子巻線14、電流指令値Id*,Iq*によって定まる3相の電流を流すことが可能となる。図3に示すように、この変調率Ampが100%以上とされる領域を過変調PWM制御領域と呼ぶ。
電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1の振幅が増加していくと、最終的には、電機子巻線14の各相に印加される電圧は、電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1と同一周期で「VB/2」と「−VB/2」とに交互に変化する矩形波状となる。ここで、理論的に、変調率Ampが4/πを超えることでPWM制御による制御性が極度に低下することが知られている。そこで、一般的に、電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1の振幅が、直流電源22の電圧VBの127%(<4/π)の値となることでPWM制御から矩形波制御への切り替えが行われる。
図5に、PWM制御及び矩形波制御によってとり得るdq座標系の電流Id,Iqを示す。実線にて示す電流指令値ラインCLは、電流指令値生成部46(図2)によって生成される電流指令値Id*,Iq*の描く曲線である。電流指令値ラインCLは、回転電機10の制御に対する要求に応じ、適宜設定されるものであり、本実施形態では、トルク指令値T*を最小の電流で実現することのできる電流Id,Iqとなるように設定されている。なお、CTは、等トルク線を示している。
一方、2点鎖線にて示すのは、実際に回転電機10に流すことの可能な電流の境界をdq座標系上で定める制限ラインLLである。制限ラインLLは、直流電源22の電圧VB及び回転電機10の回転速度FRに応じて定まるものである。このため、PWM制御時には、d軸電流Id及びq軸電流Iqは、電流指令値ラインCLと制限ラインLLとの交点である上限PMを超えることはできない。そこで、電流指令値Iq*,Id*が上限PMに達することで矩形波制御に切り替えられることになる。
矩形波制御が実施されている場合、電流Id,Iqは、電流指令値ラインCLによって規定される電流Id,Iqとは一致しない。即ち、矩形波制御とPWM制御とでは、例えば図5のベクトルI1とベクトルI2とが互いに等しいトルクTを実現するにもかかわらず電流Id,Iqが異なるというように、トルク指令値T*が同一でも、電流Id,Iqが相違する。しかし、矩形波制御によって生成されるトルクTをPWM制御によって実現する際の電流ベクトル(Id,Iq)の長さが上限PM以下であるなら、矩形波制御によって生成されていたトルクTをPWM制御によって生成することが可能である。
切り替え制御部43(図2)は、PWM制御における変調率Amp、d軸電流Id及びq軸電流Iqに基づいて、PWM制御と矩形波制御との切り替えを行う。PWM制御における変調率Ampは、インバータ20の入力電圧VBと、d軸電圧指令値Vd*1及びq軸電圧指令値Vq*1とに基づいて算出される。
上述したとおり、PWM制御では、電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1と搬送波CAとの比較に基づいて、正弦波状の相電圧VU,VV,VWを出力する。ここで、変調率Ampが126%〜127%となる高変調領域において、電圧指令値VU*1,VV*1,VW*1(基本波)の一周期における搬送波CAのパルス数Pnが少ない場合に、トルクTが不安定化するという問題が生じる。ここで、基本波の一周期における搬送波CAのパルス数が少ない、とは、具体的には、基本波の一周期におけるパルス数が12未満となる場合である。基本波の一周期における搬送波CAのパルス数Pnが減少する原因は、主として、回転電機10の回転速度FRが増加した結果、基本波の一周期が短くなることで生じる。
図6,7を用いて、高変調領域、かつ、基本波の一周期における搬送波CAのパルス数Pnが減少している場合に、トルクTが不安定化する原因を説明する。図6,7に示す状態では、ともに変調率が126%であり、過変調PWM制御が実施されている。過変調PWM制御において、基本波VU*1,VV*1,VW*1に対し、三次高調波が重畳されている。図6(a)では、基本波VV*1,VW*1,VW*1と、搬送波CAとの位相差が15度となっており、図6(b)基本波VV*1,VW*1,VW*1と、搬送波CAとの位相差が20度となっている。
図6では、時刻T10において、実線で示す基本波VU*1が、−VB/2から増加し始める。時刻T11において、基本波VU*1が搬送波CAより大きくなり、出力信号gU1がハイ状態とされ、スイッチSUpがオン状態、スイッチSUnがオフ状態とされる。時刻T12において、基本波VU*1は、VB/2となる。つまり、基本波VU*1の立ち上がり時において、基本波VU*1は、搬送波CAと一回だけ交差する。
時刻T13において、基本波VU*1は、VB/2から減少し始める。その後、時刻T14において、基本波VU*1が搬送波CAより小さくなり、出力信号gU1がロー状態とされ、スイッチSUpがオフ状態、スイッチSUnがオン状態とされる。時刻T15において、基本波VU*1は、−VB/2となる。つまり、基本波VU*1の立ち下がり時において、基本波VU*1は、搬送波CAと一回だけ交差する。
このように図6に示す状態では、基本波VU*1の立ち上がり時において、基本波VU*1は、搬送波CAと一回だけ交差し、基本波VU*1の立ち下がり時において、基本波VU*1は、搬送波CAと一回だけ交差する。これにより、矩形波状の相電圧VU、つまり、矩形波制御(ワンパルス制御)を実施しているときと同様の波形の相電圧VUが出力される。なお、相電圧VV,VWも同様に矩形波状となる。PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波状の相電圧VU,VV,VWが出力されることで、回転電機10のトルクTが過剰に出力される。
図7では、時刻T20において、基本波VU*1が、−VB/2から増加し始める。時刻T21において、基本波VU*1が搬送波CAより大きくなり、出力信号gU1がハイ状態とされ、スイッチSUpがオン状態、スイッチSUnがオフ状態とされる。その後、時刻T22において、基本波VU*1が搬送波CAより小さくなり、出力信号gU1がロー状態とされ、スイッチSUpがオフ状態、スイッチSUnがオン状態とされる。時刻T23において、基本波VU*1が搬送波CAより大きくなり、出力信号gU1がハイ状態とされ、スイッチSUpがオン状態、スイッチSUnがオフ状態とされる。時刻T24において、基本波VU*1は、VB/2となる。
時刻T25において、基本波VU*1が、VB/2から減少し始める。時刻T26において、基本波VU*1が搬送波CAより小さくなり、出力信号gU1がロー状態とされ、スイッチSUpがオフ状態、スイッチSUnがオン状態とされる。その後、時刻T27において、基本波VU*1が搬送波CAより大きくなり、出力信号gU1がハイ状態とされ、スイッチSUpがオン状態、スイッチSUnがオフ状態とされる。時刻T28において、基本波VU*1が搬送波CAより小さくなり、出力信号gU1がロー状態とされ、スイッチSUpがオフ状態、スイッチSUnがオン状態とされる。時刻T29において、基本波VU*1は、−VB/2となる。
このように、図7に示す状態では、通常の過変調PWM制御が実施されており、回転電機10のトルクTが過剰に出力される現象は生じない。
図6に示す状態では、基本波の一周期における搬送波CAのパルス数Pnが減少する場合に、基本波VU*1,VV*1,VW*1と搬送波CAとの位相差によって、PWM制御で出力可能な変調率Ampの最大値が減少し、矩形波電圧が出力されていると言える。
図8に示すように、基本波の一周期における搬送波CAのパルス数Pnが減少する場合に、基本波VU*1,VV*1,VW*1と搬送波CAとの位相差によって、出力可能な変調率Ampの最大値に対応する制限ラインLLが、出力トルクが減少する方向、つまり、d軸方向に変化する。これにより、電流ベクトル(Id,Iq)が、Ia,Ib,Icの3状態で変動する。ここで、電流ベクトルIaは、制限ラインLLと、制限ラインLLaとの間であって、電流指令値ラインCL上の点を指すベクトルである。また、電流ベクトルIbは、電流指令値ラインCLと、制限ラインLLaとの交点を指すベクトルである。また、電流ベクトルIcは、等トルク線CTと制限ラインLLaとの交点を指すベクトルである。電流ベクトル(Id,Iq)が、Ia,Ib,Icの3状態で変動することで、トルクTが変動し不安定化する。
そこで、本実施形態の切り替え制御部43は、PWM制御から矩形波制御への切り替えの判定に用いる変調率Ampの閾値である変調率閾値Athを基本波の一周期に含まれる搬送波CAのパルス数Pnに応じて設定する。
図9に基本波の一周期に含まれる搬送波CAのパルス数Pnに基づく、変調率閾値Athの設定について示す。この変調率閾値Athは、PWM制御を実施している状態で、基本波と搬送波CAとの位相差によらず、インバータ20から回転電機10に対して、矩形波電圧が出力される変調率Amp未満となるように設定されている。具体的には、パルス数Pnが12未満の場合、変調率閾値Athを127未満に設定する。また、パルス数Pnが12未満の場合、パルス数Pnが小さいほど変調率閾値Athを小さく設定する。切り替え制御部43は、回転電機10の回転速度FR及び搬送波周波数FCに基づいて、パルス数Pnを算出する。また、回転電機10の回転速度FRは、回転角度θの微分値として算出する。
図10に、変調率閾値Athの設定処理を示す。本処理は、切り替え制御部43によって、所定周期ごとに実施される。
ステップS01において、回転角度θ及び搬送波周波数FCを取得する。ステップS02において、回転角度θに基づいて回転速度FRを算出する。ステップS03において、回転速度FRが所定値を超えるか否かを判定する。回転速度FRが所定値以下の場合(S03:NO)、ステップS04において、変調率閾値Athを127%に設定し、処理を終了する。回転速度FRが所定値を超える場合(S03:YES)、ステップS05において、回転速度FR及び搬送波周波数FCに基づいて、パルス数Pnを算出する。
ステップS06において、パルス数Pnが12未満か否かを判定する。パルス数Pnが12以上の場合(S06:NO)、ステップS04において、変調率閾値Athを127%に設定し、処理を終了する。パルス数Pnが12未満の場合(S06:YES)、ステップS07において、図9に示すマップを用い、パルス数Pnに基づいて変調率閾値Ath(n)を算出する。ステップS08において、ステップS07で算出した変調率閾値Ath(n)を新たな変調率閾値Athとして設定し、処理を終了する。
図11に、PWM制御から矩形波制御への切り替え処理を示す。本処理は、切り替え制御部43によって、所定周期ごとに実施される。
ステップS11において、電圧指令値Vd*1,Vq*1を取得する。ステップS12において、電圧指令値Vd*1,Vq*1に基づいて、変調率Ampを算出する。具体的には、Amp=√(Vd*1^2+Vq*1^2)/(VB・√(3/8))として変調率Ampを算出する。ステップS13において、変調率Ampと変調率閾値Athとを比較する。変調率Ampが変調率閾値Athより大きい場合(S13:YES)、ステップS14において、PWM制御から矩形波制御への切り替えを実施し、処理を終了する。変調率Ampが変調率閾値Ath以下の場合(S13:NO)、そのまま処理を終了する。
図12を用いて、本実施形態と従来技術との差異を示す。従来技術(破線)では、変調率Ampが時間の経過とともに増加し、変調率Ampが約126から127へ増加する領域(時刻TA〜時刻TB)において、PWM制御を実施しているにも関わらず、インバータ20から回転電機10に対し、矩形波電圧が出力される。その後、時刻TBにおいて、変調率Ampが変調率閾値Athである127に達するため、PWM制御から矩形波制御への切り替えが実施される。
本実施形態(実線)では、パルス数Pnに基づいて変調率閾値Athを設定するため、時刻TAにおいて、PWM制御から矩形波制御への切り替えが実施される。このため、PWM制御を実施しているにも関わらず、インバータ20から回転電機10に対し、矩形波電圧が出力されることを抑制でき、その結果、トルクTが不安定化することを抑制することができる。
また、本実施形態では、矩形波制御からPWM制御への切り替え時において、切り替え直後の変調率Ampがパルス数Pnに基づく変調率閾値Ath以下となるように、切り替え制御を実施する。
図13を用いて、本実施形態と従来技術との差異を示す。従来技術(破線)では、時刻TCにおいて、矩形波制御からPWM制御への切り替えが実施される。その後、変調率Ampが時間の経過とともに減少し、変調率Ampが127から約126へ減少する領域(時刻TC〜時刻TD)において、PWM制御を実施しているにも関わらず、インバータ20から回転電機10に対し、矩形波電圧が出力される。その後、時刻TDにおいて、変調率Ampの低下により、PWM制御を実施しているにも関わらず、インバータ20から回転電機10に対し、矩形波電圧が出力される状態が解消される。
本実施形態(実線)では、パルス数Pnに基づいて変調率閾値Athを設定する。そして、矩形波制御からPWM制御への切り替えにおいて、PWM制御の変調率Ampの初期値を変調率閾値Athに設定する。これにより、PWM制御を実施しているにも関わらず、インバータ20から回転電機10に対し、矩形波電圧が出力され、トルクTが不安定化することを抑制することができる。
図14に、矩形波制御からPWM制御への切り替え処理を示す。本処理は、切り替え制御部43によって、所定周期ごとに実施される。
ステップS21において、d軸電流Id及びq軸電流Iqを取得する。ステップS22において、d軸電流Id及びq軸電流Iqに基づいて、電流位相αを算出する。ステップS23において、電流位相αが所定の閾値αth未満か否かを判定する。電流位相αが閾値αth以上の場合(S23:NO)、切り替え処理を実施せず、処理を終了する。
電流位相αが閾値αth未満の場合(S23:YES)、ステップS24において、変調率閾値Ath及び入力電圧VBに基づいて、電圧指令値Vd*1,Vq*1を算出する。ステップS25において、矩形波制御からPWM制御への切り替えを実施し、処理を終了する。
以下、本実施形態の効果を述べる。
PWM制御から矩形波制御への切り替えに用いる変調率閾値Athを、基本波VU*1,VV*1,VW*1の一周期に含まれる搬送波CAのパルス数Pnに基づいて設定する構成とした。これにより、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力されることを抑制し、回転電機10の出力トルクTを安定化させることが可能になる。
基本波VU*1,VV*1,VW*1の一周期は、回転電機10の回転速度FRに反比例する。このため、回転電機10の回転速度FRが増加するほど、パルス数Pnは減少する。そこで、パルス数Pnを回転速度FRに基づいて算出する構成とした。
変調率閾値Athを、基本波と搬送波CAとの位相差によらず、インバータ20から回転電機10に対して、矩形波電圧が出力されない変調率Ampに設定する。このような構成とすることで、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力される状況をより確実に抑制することができる。
基本波VU*1,VV*1,VW*1の一周期は、回転電機10の回転速度FRに反比例する。このため、回転速度FRが大きい場合に、基本波VU*1,VV*1,VW*1の一周期に含まれる搬送波CAのパルス数Pnが減少し、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力される状況が生じる。つまり、回転速度FRが所定値より小さい場合には、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力される状況が生じない。そこで、回転速度FRが所定値を超えることを条件として、パルス数Pnに基づいて、変調率閾値Athを設定する構成とした。このような構成とすることで、制御装置40の処理負荷を低減することができる。
本願の発明者は、基本波VU*1,VV*1,VW*1の一周期に含まれる搬送波CAのパルス数Pnが12未満である場合に、変調率閾値を127に設定すると、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力されることを発見した。そこで、パルス数Pnが12未満であることを条件として、閾値を127未満に設定する構成とした。これにより、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力されることを抑制することができる。
矩形波制御からPWM制御への切り替えを行った後、基本波VU*1,VV*1,VW*1の一周期に含まれる搬送波CAのパルス数Pnが少ない場合、PWM制御を実施しているにも関わらず、インバータ20から回転電機10に対し、矩形波電圧が出力されることが懸念される。そこで、矩形波制御からPWM制御への切り替え時において、PWM制御の変調率Ampの初期値が閾値Athとなるように、矩形波制御からPWM制御への切り替えを実施する。これにより、矩形波制御からPWM制御への切り替え後において、PWM制御を実施しているにも関わらず、インバータ20から回転電機10に対し、矩形波電圧が出力されることを抑制することができる。
(他の実施形態)
・上記実施形態では、パルス数Pnが小さくなるほど、変調率閾値Athを小さく設定する構成とした。これを変更し、パルス数Pnが12未満となる場合に、変調率閾値Athを127%未満の所定値、例えば、126%とする構成としてもよい。
・搬送波CAは三角波に代えて、のこぎり波であってもよい。
・切り替え制御部43は、d軸電流Id及びq軸電流Iqに代えて、回転電機10の出力トルクの推定値であるトルク推定値Teや回転速度FRに基づいて、矩形波制御からPWM制御への切り替えを行ってもよい。
・矩形波制御からPWM制御への切り替え時において、PWM制御の変調率Ampの初期値を変調率閾値Athに設定する制御を省略する構成としてもよい。
・矩形波制御からPWM制御への切り替え時において、PWM制御の変調率Ampの初期値を変調率閾値Athに設定する上記制御のみを行い、PWM制御から矩形波制御への切り替え時において、基本波VU*1,VV*1,VW*1の一周期に含まれる搬送波CAのパルス数Pnに基づいて、変調率閾値Athを設定する制御を省略する構成としてもよい。
・搬送波生成部52は、搬送波CAの周波数を、基本波VU*1,VV*1,VW*1の周波数の自然数倍とする同期PWM制御を実施してもよい。さらに、搬送波CAの位相を、基本波VU*1,VV*1,VW*1の位相と同期させる位相同期PWM制御を実施してもよい。
ここで、同期PWM制御を実施している場合でも、回転速度FRが所定値以上となると、スイッチSUp〜SWnのスイッチング特性や、制御装置40の処理負荷によって、基本波VU*1,VV*1,VW*1における搬送波のパルス数Pnが減少する。このため、同期PWM制御においても、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力される状況が生じる。そこで、同期PWM制御において、搬送波CAのパルス数Pnに基づいて、変調率閾値Athを設定する構成を適用することで、PWM制御を実施しているにも関わらず、矩形波電圧が出力されることを抑制し、回転電機10の出力トルクを安定化させることが可能になる。要するに、搬送波CAの周波数と相対的に基本波の周波数が上昇する場合に、搬送波CAのパルス数Pnに基づいて変調率閾値Athを設定すればよい。換言すれば、搬送波CAの周期と相対的に基本波の周期が短縮する場合に、搬送波CAのパルス数Pnに基づいて変調率閾値Athを設定すればよい。
・PWM制御を実施している状態で、基本波と搬送波CAとの位相差によらず、インバータ20から回転電機10に対して、矩形波電圧が出力されない変調率Ampとなるように、基本波の一周期に含まれる搬送波CAのパルス数Pnに基づいて、変調率閾値Athを設定する構成としてもよい。
・以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明は、こうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得る。
10…回転電機、20…インバータ、40…制御装置、41…PWM制御部、42…矩形波制御部、43…切り替え制御部。

Claims (8)

  1. インバータ装置(20)から回転電機(10)に対して出力される出力電圧を調整することで、前記回転電機の制御を行う回転電機の制御装置(40)であって、
    前記回転電機の出力トルクを指令するトルク指令値及び前記インバータ装置から回転電機に出力される出力電流に基づいて、前記出力電圧の指令値として正弦波状の基本波を設定し、前記基本波と搬送波との比較に基づいて、前記出力電圧を調整する制御であるパルス幅変調制御を実施する第1制御部(41)と、
    前記出力電流に基づいて、前記出力トルクの推定値であるトルク推定値を算出し、そのトルク推定値及び前記トルク指令値に基づいて、矩形波状の前記出力電圧の位相を調整する制御である矩形波制御を実施する第2制御部(42)と、
    前記第1制御部によるパルス幅変調制御を実施している場合に、前記基本波の振幅と、前記インバータ装置の入力電圧との比である変調率が所定の変調率閾値を超えることを条件として、前記第1制御部によるパルス幅変調制御から前記第2制御部による矩形波制御へ制御を切り替える切り替え制御部(43)と、
    を備え、
    前記切り替え制御部は、前記回転電機の回転速度が所定値を超えることを条件として、前記基本波の一周期に含まれる前記搬送波のパルス数に基づいて、前記変調率閾値を設定することを特徴とする制御装置。
  2. 前記切り替え制御部は、前記基本波の一周期に含まれる前記搬送波のパルス数が12未満であることを条件として、前記変調率閾値を127パーセント未満に設定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. インバータ装置(20)から回転電機(10)に対して出力される出力電圧を調整することで、前記回転電機の制御を行う回転電機の制御装置(40)であって、
    前記回転電機の出力トルクを指令するトルク指令値及び前記インバータ装置から回転電機に出力される出力電流に基づいて、前記出力電圧の指令値として正弦波状の基本波を設定し、前記基本波と搬送波との比較に基づいて、前記出力電圧を調整する制御であるパルス幅変調制御を実施する第1制御部(41)と、
    前記出力電流に基づいて、前記出力トルクの推定値であるトルク推定値を算出し、そのトルク推定値及び前記トルク指令値に基づいて、矩形波状の前記出力電圧の位相を調整する制御である矩形波制御を実施する第2制御部(42)と、
    前記第1制御部によるパルス幅変調制御を実施している場合に、前記基本波の振幅と、前記インバータ装置の入力電圧との比である変調率が所定の変調率閾値を超えることを条件として、前記第1制御部によるパルス幅変調制御から前記第2制御部による矩形波制御へ制御を切り替える切り替え制御部(43)と、
    を備え、
    前記切り替え制御部は、前記基本波の一周期に含まれる前記搬送波のパルス数が12未満であることを条件として、前記変調率閾値を127パーセント未満に設定することを特徴とする制御装置。
  4. 前記切り替え制御部は、前記第2制御部による矩形波制御から前記第1制御部によるパルス幅変調制御への切り替え後において、前記第1制御部によるパルス幅変調制御の前記変調率の初期値が前記変調率閾値となるように、前記第2制御部による矩形波制御から前記第1制御部によるパルス幅変調制御への切り替えを実施することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. インバータ装置(20)から回転電機(10)に対して出力される出力電圧を調整することで、前記回転電機の制御を行う回転電機の制御装置(40)であって、
    前記回転電機の出力トルクを指令するトルク指令値及び前記インバータ装置から回転電機に出力される出力電流に基づいて、前記出力電圧の指令値として正弦波状の基本波を設定し、前記基本波と搬送波との比較に基づいて、前記出力電圧を調整する制御であるパルス幅変調制御を実施する第1制御部(41)と、
    前記出力電流に基づいて、前記出力トルクの推定値であるトルク推定値を算出し、そのトルク推定値及び前記トルク指令値に基づいて、矩形波状の前記出力電圧の位相を調整する制御である矩形波制御を実施する第2制御部(42)と、
    前記第1制御部によるパルス幅変調制御を実施している場合に、前記基本波の振幅と、前記インバータ装置の入力電圧との比である変調率が所定の変調率閾値を超えることを条件として、前記第1制御部によるパルス幅変調制御から前記第2制御部による矩形波制御へ制御を切り替える切り替え制御部(43)と、
    を備え、
    前記切り替え制御部は、前記基本波の一周期に含まれる前記搬送波のパルス数に基づいて、前記変調率閾値を設定し、前記第2制御部による矩形波制御から前記第1制御部によるパルス幅変調制御への切り替え後において、前記第1制御部によるパルス幅変調制御の前記変調率の初期値が前記変調率閾値となるように、前記第2制御部による矩形波制御から前記第1制御部によるパルス幅変調制御への切り替えを実施することを特徴とする制御装置。
  6. 前記切り替え制御部は、前記搬送波のパルス数を、前記回転電機の回転速度に基づいて算出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 前記切り替え制御部は、前記第1制御部によるパルス幅変調制御を実施している状態で、前記基本波と前記搬送波との位相差によらず、前記インバータ装置から回転電機に対して、矩形波電圧が出力される変調率未満となるように、前記基本波の一周期に含まれる前記搬送波のパルス数に基づいて、前記変調率閾値を設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の制御装置。
  8. インバータ装置(20)から回転電機(10)に対して出力される出力電圧を調整することで、前記回転電機の制御を行う回転電機の制御装置(40)であって、
    前記回転電機の出力トルクを指令するトルク指令値に基づいて、前記出力電圧の指令値として正弦波状の基本波を設定し、前記基本波と搬送波との比較に基づいて、前記出力電圧を調整する制御であるパルス幅変調制御を実施する第1制御部(41)と、
    前記トルク指令値に基づいて、矩形波状の前記出力電圧の位相を調整する制御である矩形波制御を実施する第2制御部(42)と、
    前記基本波の一周期に含まれる前記搬送波のパルス数に基づいて、所定の変調率閾値を設定し、前記第2制御部による矩形波制御から前記第1制御部によるパルス幅変調制御への切り替え後において、前記第1制御部によるパルス幅変調制御の前記変調率の初期値が前記変調率閾値となるように、前記第2制御部による矩形波制御から前記第1制御部によるパルス幅変調制御への切り替えを実施する切り替え制御部(43)と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
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