JP6470988B2 - あと施工アンカー及びあと施工アンカーの施工方法 - Google Patents
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Description
このアンカー構造であれば、アンカー筋に引き抜き力が作用した場合にテーパー部が充填材を押し上げる支圧力が作用する。この支圧力が楔効果となってアンカー筋が抜け出し難くなり、アンカー筋の定着力が向上するようになっている。
棒状のアンカー本体と、前記アンカー本体の先端部に交換可能に取り付けられる定着体とを備えたあと施工アンカーであって、
鋼製の棒状部材である前記アンカー本体の先端部には、鍛造ねじ加工によって形成された雄ネジが形成されており、
前記定着体には、前記アンカー本体の雄ネジと螺合可能な雌ネジを有するネジ孔が形成されており、
前記定着体は、一端から他端に向かって漸次断面積が増大する形状を有しており、前記一端側に前記アンカー本体が取り付けられているようにした。
特に、定着体は、アンカー本体の先端部に交換可能に取り付けられているので、例えば、テーパー角や形状が異なる定着体を予め幾つか用意しておき、あと施工アンカーを設置する箇所に応じて適切なテーパー角や形状の定着体に付け替えることによって、あと施工アンカーの定着力を容易に調整することができる。
また、アンカー本体の雄ネジを定着体のネジ孔に螺合させれば、あと施工アンカーを組み立てることができる。つまり、定着体の着脱は容易であるので、定着体の交換を容易に行うことができる。
また、鍛造ねじ加工によって形成された雄ネジの外径は、アンカー本体の直径よりも太くすることができる。定着体を取り付けるアンカー本体の雄ネジを鍛造ねじ加工によって比較的太く形成することで、定着体とアンカー本体を螺着させる構造であっても、ネジ部の断面積がネジ部以外の部位の断面積よりも小さくなることがないので、アンカーとしての強度が低下するようなことはなく、アンカーとして好適な定着力を発揮することができる。
前記アンカー本体に前記定着体が取り付けられた状態で、前記アンカー本体と前記定着体との境界部分でそれぞれの外周面が連続しているようにした。
つまり、アンカー本体と定着体との境界部分でそれぞれの周面が連続しているあと施工アンカーであれば、定着体の一端に負荷がかかることはなく、定着体が損傷することを防止することができるので、定着体が変形するなどしてあと施工アンカーの定着力が低下してしまうことはない。
前記アンカー本体と前記定着体との境界部分を覆う緩衝部材を設けるようにした。
また、境界部分を覆う緩衝部材を設けることによって、アンカー本体と定着体の隙間に異物が入ることを防ぐことができる。
前記定着体の周面には段差が形成されているようにした。
前記定着体の前記他端に、前記アンカー本体とは反対側に向かって窄む突起部が設けられているようにした。
所定の箇所に挿入孔を形成する工程と、
前記挿入孔内に固化材料を充填する工程と、
前記固化材料が固化する前に前記あと施工アンカーを前記突起部側から前記挿入孔に挿入する工程と、
を有するようにした。
特に、先端が尖った突起部側からあと施工アンカーを固化材料中に差し込む際に、定着体によって固化材料中に気泡を押し込んでしまうことはない。
例えば、突起部が設けられていないあと施工アンカーを固化材料中に差し込む場合には、定着体の他端側の面で固化材料中に気泡を押し込んでしまうことがある。固化材料が設計上不要な気泡を含んだ状態で固化した場合、あと施工アンカーの定着力が設計値通りに得られないことがあるので好ましくない。
これに対し、突起部を備えたあと施工アンカーを固化材料中に差し込む際には、固化材料中に気泡を押し込んでしまうことはないので、あと施工アンカーの定着力を設計値通りに安定させることができる。
本実施形態のあと施工アンカー10は、図1に示すように、棒状のアンカー本体1と、アンカー本体1の先端部に交換可能に取り付けられる定着体2とを備えている。
鍛造ねじ加工によって形成された雄ネジ1aは、その内径(谷の径)がアンカー本体1の直径に相当し、雄ネジ1aの外径はアンカー本体1の直径よりも太くなっている。
定着体2には、アンカー本体1を螺着させるネジ孔2aが形成されている。このネジ孔2aは、定着体2の一端21から他端22に貫通するように形成された雌ネジであり、定着体2の一端21側にアンカー本体1が取り付けられるようになっている。
この定着体2は、アンカー本体1に螺着させる構造であり、定着体2の着脱は容易であるので、あと施工アンカー10の定着体2は容易に交換することができる。
特に、あと施工アンカー10の定着体2は、アンカー本体1の雄ネジ1aに交換可能に取り付けられる部材であるので、例えば、図1(c)に示すようなテーパー角度が異なる円錐台形状の定着体2を予め用意しておき、あと施工アンカー10を設置する箇所に応じて適切な形状の定着体2を選択して用いることができる。
具体的に、図1(b)の定着体2よりもテーパー角度が大きい、図1(c)の定着体2を用いることで、あと施工アンカー10(アンカー本体1)に作用する引き抜き力に抵抗するアンカーの定着力を向上させることができる。
つまり、テーパー角度が異なる円錐台形状の定着体2を予め幾つか用意しておき、あと施工アンカー10を設置する箇所に応じて適切な形状の定着体2に付け替えることによって、あと施工アンカー10の定着力を容易に調整することができる。
次いで、図2(b)に示すように、挿入孔H内に固化材料Gを充填する。固化材料Gとしては、例えばモルタルやコンクリートなどのグラウト材を用いることができる。特に、可塑性(チクソトロピー性)を有する固化材料Gであれば、挿入孔Hに充填した固化材料Gが漏れ出し難いので、固化材料Gを挿入孔H内で好適に固化させることができる。
そして、固化材料Gを固化させた後、挿入孔Hを塞ぐ固定板(図示省略)をアンカー本体1に固設する。
そして、図2(b)に示すように、コンクリート構造物Cに設置したあと施工アンカー10に引き抜き力が作用した場合、定着体2のテーパー状の周面から固化材料Gに作用する支圧力Pであって、定着体2が固化材料Gを挿入孔Hの内面に対して押し付けるように、固化材料Gをコンクリート構造物Cに押し付ける支圧力Pが作用する。この支圧力Pの楔効果によって固化材料Gとコンクリート構造物Cとの摩擦力が増大し、コンクリート構造物Cの強度を有効利用するようにして、あと施工アンカー10の定着力が向上するようになっている。
例えば、図3に示すように、所定箇所に設置したあと施工アンカー10に一度荷重Lをかける載荷を実施し、変位を進行させたうえで除荷すると、次回荷重Lに達するまでの変位量が小さくなる。
こうしたプレロードを実施することで、少ない変位量で高い目標荷重Lに達するように、あと施工アンカー10の変位量をコントロールすることができる。
例えば、固化材料Gに膨張材を混ぜるなどすれば、その固化材料Gによってプレストレスが導入されるので、目標荷重Lに達するまでの変位量が小さくなる。
つまり、固化材料Gを膨張させてあと施工アンカー10にプレストレスを導入することで、少ない変位量で高い目標荷重Lに達するように、あと施工アンカー10の変位量をコントロールすることができる。
例えば、図4に示すように、あと施工アンカー10におけるアンカー本体1と定着体2との境界部分を覆う緩衝部材3を設けるようにしてもよい。
アンカー本体1と定着体2との境界には、定着体2の一端21の縁がアンカー本体1よりも太い肩部となって張り出しているので、この肩部を覆うように緩衝部材3が設けられている。緩衝部材3としては、例えばブチルゴム製のOリングを用いることができる。
また、アンカー本体1と定着体2との境界部分を覆う緩衝部材3を設けていれば、アンカー本体1と定着体2の隙間に固化材料Gの破片などの異物が入り込むことによる定着体2の変形を抑制することができる。
なお、緩衝部材3はOリングであることに限らず、例えばブチルゴム製の気密テープでもよい。その気密テープをアンカー本体1と定着体2の境界部分に巻き付けてなる緩衝部材3であっても同様の効果を奏する。
定着体2の周面に段差2bによる凹凸が形成されたあと施工アンカー10であれば、定着体2と固化材料Gとの摩擦力が増大するので、あと施工アンカー10の定着力を向上させることができる。なお、このあと施工アンカー10にも緩衝部材3を取り付けてもよい。
そして例えば、図1(b)の定着体2、図1(c)の定着体2、図5の定着体2から施工箇所に適した定着体2を選択してアンカー本体1に付け替えるようにして、あと施工アンカー10の定着力を調整することができる。
ねじ切り加工によって形成した雄ネジ1aの外径は、アンカー本体1の直径よりも細くすることができるので、アンカー本体1の外周と定着体2の一端21の外縁とを一致させ、アンカー本体1と定着体2との境界でそれぞれの外周面を連続させたあと施工アンカー10とすることができる。
アンカー本体1と定着体2との境界でそれぞれの外周面が連続しているあと施工アンカー10であれば、例えば、コンクリート構造物Cに設置したあと施工アンカー10に引き抜き力が作用した場合に、定着体2の一端21に負荷がかかることはない。
このようなあと施工アンカー10であれば、定着体2の一端21に負荷がかかることはなく、定着体2が損傷することを防止することができるので、定着体2が変形するなどしてあと施工アンカー10の定着力が低下してしまうことはない。
本実施形態の突起部23は、略円錐形状を呈している。なお、突起部23は略円錐形状であることに限らず、例えば略角錐形状など一点に向かって窄んだ先端が尖っている形状を有していれば任意の形状でよい。
なお、このあと施工アンカー10にも緩衝部材3を取り付けてもよい。
次いで、図7(c)に示すように、固化材料Gが固化する前に、あと施工アンカー10を突起部23側から挿入孔Hに挿入する。突起部23の先端は尖っているので、固化材料Gが充填されている挿入孔H内にあと施工アンカー10を挿入し易くなっている。
そして、固化材料Gを固化させた後、挿入孔Hを塞ぐ固定板(図示省略)をアンカー本体1に固設する。
特に、先端が尖った突起部23側からあと施工アンカー10を固化材料G中に差し込む場合、定着体2に突起部23が設けられていない場合と比べて固化材料G中に気泡が入り難くなっている。
一方、突起部23が設けられていないあと施工アンカー10(図1(a)参照)を固化材料G中に差し込む場合には、定着体2の他端22側の面で固化材料G中に気泡を押し込んでしまうことがある。固化材料Gが設計上不要な気泡を含んだ状態で固化した場合、あと施工アンカー10の定着力が設計値通りに得られないことがあるので好ましくない。
つまり、固化材料Gが充填されている挿入孔H内にあと施工アンカー10を挿入した後、固化材料Gを固化させてあと施工アンカー10を設置する手順をとる場合には、他端22側に突起部23が設けられている定着体2を選択してアンカー本体1に取り付け、その突起部23を備えたあと施工アンカー10を用いるようにすれば、あと施工アンカー10の定着力を設計値通りに安定させることができる。
また、PC鋼棒であるアンカー本体1に、ねじ切り加工によって雄ネジ1aを形成してもよい。
つまり、アンカー本体1の材料は任意であり、雄ネジ1aの形成手法は任意の方法でよい。
この定着体2は一端21から他端22に向かって漸次断面積が増大する形状を有していればよく、あと施工アンカー10(アンカー本体1)の軸心を対称軸とする軸対称の形状や、軸心を対称線とする線対称の形状でなくてもよい。
1 アンカー本体
1a 雄ネジ
2 定着体
2a ネジ孔
2b 段差
21 一端
22 他端
23 突起部
3 緩衝部材
C コンクリート構造物
H 挿入孔
G 固化材料
P 支圧力
Claims (6)
- 棒状のアンカー本体と、前記アンカー本体の先端部に交換可能に取り付けられる定着体とを備えたあと施工アンカーであって、
鋼製の棒状部材である前記アンカー本体の先端部には、鍛造ねじ加工によって形成された雄ネジが形成されており、
前記定着体には、前記アンカー本体の雄ネジと螺合可能な雌ネジを有するネジ孔が形成されており、
前記定着体は、一端から他端に向かって漸次断面積が増大する形状を有しており、前記一端側に前記アンカー本体が取り付けられていることを特徴とするあと施工アンカー。 - 前記アンカー本体に前記定着体が取り付けられた状態で、前記アンカー本体と前記定着体との境界部分でそれぞれの外周面が連続していることを特徴とする請求項1に記載のあと施工アンカー。
- 前記アンカー本体と前記定着体との境界部分を覆う緩衝部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のあと施工アンカー。
- 前記定着体の周面には段差が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のあと施工アンカー。
- 前記定着体の前記他端に、前記アンカー本体とは反対側に向かって窄む突起部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のあと施工アンカー。
- 請求項5に記載のあと施工アンカーを所定の箇所に設置するあと施工アンカーの施工方法であって、
所定の箇所に挿入孔を形成する工程と、
前記挿入孔内に固化材料を充填する工程と、
前記固化材料が固化する前に前記あと施工アンカーを前記突起部側から前記挿入孔に挿入する工程と、
を有することを特徴とするあと施工アンカーの施工方法。
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