JP6479324B2 - 風味改良剤 - Google Patents
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Description
例えば、アミノ酸やペプチドとアミノ糖との加熱反応物を用いる方法(特許文献1参照)、アミノ酸やペプチドとウロン酸との加熱反応物を用いる方法(特許文献2参照)等の、アミノ酸やペプチドと糖との加熱反応物を利用する方法が挙げられる。これらの方法は、飲食品に濃厚感を付与でき、さらに味の持続感も得られる優れた方法であるといえる。
(1)D−アミノ酸もしくはD−アミノ酸残基含有ペプチドまたはそれらの塩と、カルボニル化合物とを共存させ、加熱してなる加熱反応物。
(2)D−アミノ酸またはD−アミノ酸残基が、脂肪族側鎖、水酸基系側鎖、塩基性側鎖、アミド側鎖、酸性基系側鎖、芳香族系側鎖から選択される側鎖を有するものである、(1)に記載の加熱反応物。
(3)(1)または(2)記載の加熱反応物を含む、風味改良剤。
(4)D−アミノ酸もしくはD−アミノ酸残基含有ペプチドまたはそれらの塩と、カルボニル化合物とを共存させ、加熱する工程を含む、風味改良剤の製造方法。
(5)(1)または(2)記載の加熱反応物を含有させてなる、風味の改良された飲食品。
(6)飲食品が煮込み飲食品である、(5)に記載の飲食品。
(7)(1)または(2)に記載の加熱反応物を飲食品に含有させる工程を含む、飲食品の風味改良方法。
(8)風味改良が、飲食品への濃厚感の付与である、(7)記載の飲食品の風味改良方法。
(9)(1)または(2)に記載の加熱反応物を飲食品に含有させる工程を含む、風味の改良された飲食品の製造方法。
本発明の風味改良剤は、D−アミノ酸もしくはD−アミノ酸残基含有ペプチドまたはそれらの塩と、カルボニル化合物とを共存させ、加熱してなる加熱反応物を含むことを一つの特徴としている。
本発明の風味改良剤は、飲食品に添加することにより、飲食品の風味を改良する、特に「しつこくない濃厚感」、「後切れのよい濃厚感」を付与する剤または調味料として好適に用いることができる。すなわち、本発明の風味改良剤を用いて、飲食品の風味を効果的に改良することができる。
風味改良剤の調製
風味改良剤として、以下の方法によりD−アミノ酸とカルボニル化合物との加熱反応物を得た。
キシロ−ス(Xyl)2.5gと等モルのD−グルタミン(D−Gln:アミド側鎖を有するD−アミノ酸)2.3gを混合し、水15mLに溶解させた。該水溶液をpH3.5に調製し、90℃で1.5時間の加熱反応を行いXyl−D−Gln反応溶液を得た。
また、キシロ−スの代わりに等モルの2−ヘキセナ−ル(2−hex)を用いる以外はXyl−D−Gln反応溶液の調製と同様の操作を行って2-hex-D-Gln反応溶液を得た。
また、D−Glnの代わりにL−グルタミン(L−Gln)を用いる以外はXyl−D−Gln反応溶液および2-hex-D-Glnの調製と同様の操作を行ってそれぞれXyl−L−Gln、2−hex−L−Gln反応溶液を得た。
デミグラスソース、トマトピューレ、野菜ブイヨン、塩、胡椒を用いて、中〜弱火で2時間煮込むことによって、ビーフシチュー(対象区1)を調製した。
一方、市販ビーフシチュールゥ、水を使用し弱火で約15分煮込むことにより、ビーフシチュー(対象区2の無添加区)を調製した。得られた対象区2の無添加区100gに対して1gの該反応溶液をそれぞれ添加し、対象区2とした。
得られた対象区2の濃厚感、しつこさおよび自然な風味について、対象区2の無添加区と比較して、対象区1をポジディブコントロールとして官能評価を行った。官能評価は熟練した7名によりなるパネルにより行なった。
全て、無添加区を「±」として、下記のような評価で示した。
それぞれ、「+」「−」が多いほど、差が大きく、「+」が多いほど差が大きいことを示す。
濃厚感は、強い順に「+++」、「++」、「+」と表記した。
しつこさは、しつこさが強い順に「+++」、「++」、「+」、「±」、「−」と表記した。
自然な風味は、ポジティブコントロール(対象区1)への全体的な類似度を示し、近いと感じた順に、「+++」、「++」、「+」、「±」、「−」と表記した。
風味改良剤の調製
市販の大豆たん白加水分解物(HVP)(キリン協和フーズ社製)100gにキシロース(Xyl)2.5gとD−セリン(D−Ser:水酸基側鎖D−アミノ酸)1.65gを混合し、水300mLに溶解させた。該水溶液をpH3.5に調製し、90℃で1.5時間の加熱反応を行いHVP−Xyl−D−Ser反応溶液を得た。
また、HVPを用いる代わりに、市販の豚ゼラチン酵素分解物(HEAP)(キリン協和フーズ社製)を用いる以外は上記HVP−Xyl−D−Ser反応溶液の調製と同様の操作を行って、HEAP−Xyl−D−Ser反応溶液を得た。
また、HVPを用いる代わりに、市販のビ−ル酵母エキス(YE)(キリン協和フーズ社製)を用いる以外は上記HVP−Xyl−D−Ser反応溶液の調製と同様の操作を行って、YE−Xyl−D−Ser反応溶液を得た。
小麦粉、生クリーム、野菜ブイヨン、チキンブイヨン、バター、塩、胡椒を用いて、中〜弱火で1時間煮込むことによって、ホワイトシチュー(対象区1)を調製した。
一方、市販ホワイトシチュールゥ、水を使用し弱火で約20分煮込むことにより、ホワイトシチュー(対象区2の無添加区)を調製した。得られた対象区2の無添加区100gに対して1gの該反応溶液をそれぞれ添加し、対象区2とした。
得られた対象区2の濃厚感、しつこさおよび自然な風味について、対象区2の無添加区と比較して、対象区1をポジディブコントロールして官能評価を行った。官能評価は熟練した7名によりなるパネルにより行なった。
評価基準は、実施例1に準じた。
風味改良剤の調製
キシロース(Xyl)2.5gと等モルのD−ヒスチジン(D−His:塩基性側鎖D−アミノ酸)2.4gを混合し、水15mLに溶解させた。該水溶液をpH3.5に調製し、90℃で1.5時間の加熱反応を行いXyl−D−His反応溶液を得た。
キシロ−スの代わりに等モルの2−ヘキセナ−ル(2−hex)を用いる以外はXyl−D−His反応溶液の調製と同様の操作を行って、2−hex−D−His反応溶液を得た。
上記反応溶液の調製において、D−Hisの代わりにL−ヒスチジン(L−His)を用いる以外は同様の操作を行って、それぞれXyl−L−His、2−hex−L−His反応溶液を得た。
トマトピューレ、豚挽き肉、ガーリック、塩、胡椒、サラダ油等を用いて、中〜弱火で30分程度煮詰めながらミートソース(対象区1)を調製した。
一方市販レトルトミートソース(対象区2の無添加区)を使用し、対象区2の無添加区100gに対して1gの各反応溶液を添加し、対象区2とした。
評価基準は、実施例1に準じた。
風味改良剤の調製
キシロース(Xyl)2.5gと等モルのD−イソロイシン(D−Ile:脂肪族側鎖D−アミノ酸)2.1gを混合し、水15mLに溶解させた。該水溶液をpH3.5に調製し、90℃で1.5時間の加熱反応を行いXyl−D−Ile反応溶液を得た。
Xyl−D−Ile反応溶液の調製において、D−Ileの代わりにL−イソロイシン(L−Ile)を用いる以外は、同様の操作を行ってXyl−L−Ile反応溶液を得た。
合わせ味噌、みりん、砂糖、醤油、ひき肉等を用いて、中〜弱火で30分程度煮詰めながら肉味噌タレ(対象区1)を調製した。
一方、合わせ味噌、みりん、砂糖、醤油、ブランチング肉等を用いて、レトルト処理を行い、肉味噌タレ(対象区2の無添加区)を調製した。対象区2の無添加区100gに対して1gの各反応溶液を添加し、対象区2とした。
評価基準は、実施例1に準じた。
風味改良剤の調製
キシロース(Xyl)2.5gと等モルのD−フェニルアラニン(D−Phe:芳香族側鎖D−アミノ酸)2.6gを混合し、水15mLに溶解させた。該水溶液をpH3.5に調製し、90℃で1.5時間の加熱反応を行いXyl−D−Phe反応溶液を得た。
D−Pheの代わりにL−フェニルアラニン(L−Phe)を用いる以外はXyl−D−Phe反応溶液の調製と同様の処理を行ってXyl−L−Phe反応溶液を得た。
合わせ味噌、みりん、砂糖、醤油、ひき肉、豆板醤、にんにく等を用いて、中〜弱火で45分程度煮詰めながら麻婆ソース(対象区1)を調製した。
一方、合わせ味噌、みりん、砂糖、醤油、ブランチング肉、豆板醤、にんにく等を用いてレトルト処理を行なうことにより、麻婆ソース(対象区2の無添加区)を調整した。得られた対象区2の無添加区、100gに対して1gの該反応溶液をそれぞれ添加し、対象区2とした。
得られた対象区2の濃厚感、しつこさおよび自然な風味について、対象区2の無添加区と比較して、対象区1をポジディブコントロールして官能評価を行った。官能評価は熟練した4名によりなるパネルにより行なった。
評価基準は、実施例1に準じた。
Claims (3)
- D−アミノ酸もしくはD−アミノ酸残基含有ペプチドまたはそれらの塩と、カルボニル化合物とを共存させ、加熱してなる加熱反応物を含む、しつこくないまたは後切れのよい濃厚感の付与剤であって、
該D−アミノ酸またはD−アミノ酸残基が、イソロイシン、ロイシン、セリン、トレオニン、チロシン、アルギニン、リシン、グルタミン、アスパラギンおよびフェニルアラニンから選択される一種類または二種類以上の組み合わせであり、
該カルボニル化合物が、キシロース、リボース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、グルコサミン、シュークロース、ラクトース、マルトース、デキストリン、2−ブタジエナールまたは2−ヘキセナールを含む、剤。 - D−アミノ酸もしくはD−アミノ酸残基含有ペプチドまたはそれらの塩と、カルボニル化合物とを共存させ、加熱する工程を含む、しつこくないまたは後切れのよい濃厚感の付与剤の製造方法であって、
該D−アミノ酸またはD−アミノ酸残基が、イソロイシン、ロイシン、セリン、トレオニン、チロシン、アルギニン、リシン、グルタミン、アスパラギンおよびフェニルアラニンから選択される一種類または二種類以上の組み合わせであり、
該カルボニル化合物が、キシロース、リボース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、グルコサミン、シュークロース、ラクトース、マルトース、デキストリン、2−ブタジエナールまたは2−ヘキセナールを含む、製造方法。 - 前記加熱の時間が30分間〜1ヶ月間である、請求項2に記載の方法。
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