JP6481302B2 - 硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層体 - Google Patents
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Description
また、特許文献3〜6に記載の有機無機ハイブリッド型の硬化樹脂組成物は、硬度を高くするためにシリカ等の無機物を用いているが、樹脂が本来持つ加工性等の特長が損なわれてしまうという問題がある。
例えば、フィルムを所定サイズに切断しようとする場合、切断面に細かなクラックが発生する。これは、シリカ等無機物を用いて高硬度化した塗膜は、ガラスに特性が近付くなるためである。
(A):ノルボルナンジイソシアネート(a1)及び1分子中に1つの水酸基と少なくとも1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a2)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(B):末端(メタ)アクリロイル基間にエトキシ構造が導入された多官能(メタ)アクリレートモノマー。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」及び「(メタ)アクリル酸」についても同様である。
また、前記ノルボルナンジイソシアネート(a1)と前記化合物(a2)との反応温度は、30〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。なお、反応の終点は、例えば、イソシアネート基を示す2250cm−1の赤外線吸収スペクトルの消失や、JIS K 7301−1995に記載の方法でイソシアネート基含有率を求めることで確認することができる。
また、前記付加反応では反応時間を短くする目的で、触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、塩基性触媒(ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アンモニア等のアミン類、トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォシフィン等のフォスフィン類)や酸性触媒(ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、テトラブトキシトリチタニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類、塩化アルミニウム等のルイス酸類、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート等の錫化合物)が挙げられる。これらの中でも、酸性触媒が好ましく、さらに錫化合物であるジブチル錫ジラウレートが最も好ましい。
前記付加反応における触媒の使用量としては、ノルボルナンジイソシアネート(a1)100質量部に対し、通常、0.1〜1質量部であることが好ましい。
(メタ)アクリレートモノマー(B)の硬化性樹脂組成物中の割合は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、0.1質量部〜60質量部、好ましくは1〜60質量部である。この割合より小さいと、硬化物が脆くなる。また大きいと硬化物の表面硬度が低くなり好ましくない。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の配合質量比はA:B=40:60〜99:1の範囲である。好ましくはA:B=50:50〜95:5、さらに好ましくはA:B=75:25〜90:10である。この範囲よりBが多いと表面硬度が低くなりやすくなり、Bが少ないとクラックや硬化収縮が大きくなりやすくなる。
光重合開始剤(C)としては、当業界で用いられるものであれば特に限定されない。例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の混合物100質量部に対して、光重合開始剤(C)の配合質量は1〜10質量部の範囲である。好ましくは、1〜7質量部、より好ましくは3〜5質量部である。この範囲よりCが多いと硬化の際にクラックが発生しやすくなる。またこの範囲よりCが少ないと硬化が不十分となる。
紫外線吸収剤(D)としては、当業界で用いられるものであれば特に限定されない。例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤からなる群より選択された、少なくとも1種であることが好ましく、特にPC基材に塗布する場合、吸収帯が一致しているトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、及び光重合開始剤(C)の混合物100質量部に対して、紫外線吸収剤(D)の配合質量は0.1〜10質量部である。好ましくは2〜7質量部、より好ましくは3〜5質量部である。この範囲より多いと光重合開始剤(C)の光重合開始作用が阻害され硬化不十分となる。またこの範囲より少ないと、特に屋外使用において太陽光等により黄変が起こりやすくなる。
活性エネルギー線が紫外線の場合は、活性エネルギー線供給源として例えば高圧水銀灯やメタルハライドランプ等を用いることができる。
紫外線の照射エネルギーとしては、100〜2,000mJ/cm2であることが好ましい。
また、活性エネルギー線が電子線の場合は、活性エネルギー線供給源として例えばスキャン式電子線照射法、カーテン式電子線照射法等を用いることができる。
電子線の照射エネルギーとしては、10〜200kGyであることが好ましい。
ウレタンアクリレート(A)の合成
攪拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び乾燥空気導入管を備えた5つ口フラスコに、予め乾燥空気を流入させて系内を乾燥させた後、(a1)としてノルボルネンジイソシアネート100質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート56質量%と(a2)としてペンタエリスリトールテトラアクリレート44質量%からなる混合物271.2質量部、溶剤として2−ブタノン101.2質量部を投入し、60℃に加温した。その後、重合触媒ジブチル錫ジラウレートを0.08質量部、重合禁止剤ジブチルヒドロキシトルエンを0.16質量部投入し、液温を80〜90℃に保った。反応物中のイソシアネート残基が消費されたことをフーリエ変換赤外分光光度計により赤外線吸収スペクトルで確認し、ペンタエリスルトールトリアクリレートとノルボルナンジイソシアネートの付加反応物であるウレタンアクリレート(A)の2−ブタノン溶液506.1質量部(固形分濃度80質量%)を得た。
合成例1で得られたウレタンアクリレート(A)の2−ブタノン溶液(固形分濃度80質量%)125質量部に対して、エトキシ化(10モル)ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学(株)製 商品名A−BPE−10)を10質量部、化合物(B)として添加し、さらに光重合開始剤2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製 商品名TPO)を5質量部((A)及び(B)の合計100質量部に対する量を記載、計算したら上の(A)+(B)は110質量部だった)混合し、硬化性組成物を得た。
この硬化性樹脂組成物をバーコーターにより、厚さ200μmのポリカーボネートフィルム(MGCフィルシート(株)製 商品名 FE−2000)表面に塗布し、50℃×1分乾燥した。この硬化性樹脂組成物を塗布しポリカーボネートフィルムに高圧水銀ランプを用いて積算光量500mJ/cm2にて紫外線照射し、ポリカーボネートフィルム表面に厚さ40μmの硬化物を形成した。クラックの発生がない、良好な外観の塗膜が形成された。
得られたハードコートフィルムを10cm角に切り、4隅をセロハンテープでガラス板に貼り付け、その表面鉛筆硬度を、JIS K 5600−5−4(1999年版)の規定に基づき、塗膜用鉛筆引掻き試験機を用いて測定した。表面鉛筆硬度は8Hであった。
断面観察により、硬化物の厚みは40μmであった。図1に示す通り、硬化物の割れによる欠損は認められなかった。
超極細のスチールウールである番手#0000を荷重100gf/cm2にて、水平に置かれたポリカーボネートフィルム(MGCフィルシート(株)製商品名FE−2000)上の硬化物面に接触させ、15回往復摩耗した後、摩耗前後でのヘイズ値(曇度)の変化量を求めた。摩耗前後での傷の発生はなくヘイズ値変化はなかった。
実施例1と同様に硬化性樹脂組成物と作成し、実施例1のポリカーボネートフィルムを厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製 商品名コスモシャインA4300)に変えた他は、実施例1と同様にして行った。鉛筆硬度は9H、硬化物の厚さは15μm、ヘイズ値の変化はなかった。
実施例1におけるアクリレートモノマー(B)をエトキシ化(8モル)ペンタエリスリトールテトラアクリレート(ダイセル・オルネクス(株)製 商品名EBECRYL−40)として10質量部とした他は、実施例1と同様にして行った。鉛筆硬度は8H、硬化物の厚さは40μm、ヘイズ値の変化はなかった。
実施例3で調合した硬化性樹脂組成物を実施例2と同様に厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製 商品名コスモシャインA4300)に塗布した。鉛筆硬度は8H、硬化物の厚さは15μm、ヘイズ値の変化はなかった。
ウレタンアクリレート(A)の2−ブタノン溶液(固形分濃度80%)125質量部に対して、光重合開始剤2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製 商品名TPO)を5質量部、すなわち固形分である六官能ウレタンアクリレートオリゴマー100質量部に光重合開始剤2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製 商品名TPO)を5質量部混合し、硬化性組成物を得た。
評価はフィルム表面上の厚さ40μmの硬化物層にクラックが発生していたため断念した。
実施例1においけるアクリレートモノマー(B)をペンタエリスリトールテトラアクリレート(ダイセル・オルネクス(株)製 商品名EBECRYL−180)として10質量部とした他は、実施例1と同様にした。しかしながら、フィルム表面上の硬化物層にクラックが発生していたため、評価を断念した。
特許文献1を参考に、攪拌機、ガス導入管、冷却管、及び温度計を備えたフラスコに、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」という。)250質量部、ラウリルメルカプタン1.6質量部、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という。)1000質量部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」という。)7.5質量部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、1時間かけて90℃に昇温し、90℃で1時間反応させた。
次いで、90℃で攪拌しながら、GMA750質量部、ラウリルメルカプタン4.4質量部、AIBN22.5質量部からなる混合液を2時間かけて滴下した後、100℃で3時間反応させた。その後、AIBN10質量部を仕込み、さらに100℃で1時間反応させた後、120℃に昇温し、2時間反応させた。60℃まで冷却し、窒素導入管を、空気導入管に付け替え、アクリル酸(以下、「AA」という。)507質量部、p−メトキシフェノール2質量部、トリフェニルホスフィン5.4質量部を加えて混合した後、空気で反応液をバブリングしながら、110℃まで昇温し、8時間反応させた。その後、p−メトキシフェノール1.4質量部を加え、室温まで冷却後、不揮発分が50質量%になるように、MIBKを加え、重合体(不揮発分50質量%のMIBK溶液)を得た。
この重合体の溶液74質量部と合成例1によって得たウレタンアクリレート溶液42.5質量部、さらにペンタエリスリトールトリアクレート/ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(質量比75/25の混合物)29質量部、シリコンヘキサアクリレート(ダイセル・ユーシービー株式会社製「EBECRYL1360」0.2質量部及び光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3質量部を均一に混合し、硬化性樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を実施例1と同様にポリカーボネートフィルム(MGCフィルシート(株)製商品名FE−2000)上に塗布しところ、鉛筆硬度HB、硬化物の厚み40μm、スチーウール摩耗後傷が発生し、ヘイズ値は0.5%増加した。
比較例2で得られた硬化性樹脂組成物を実施例2と同様に厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製 商品名コスモシャインA4300)に塗布したところ、鉛筆硬度3H、硬化物の厚み15μm、スチーウール摩耗後傷がわずかに発生し、ヘイズ値は0.1%増加した。
Claims (12)
- ノルボルナンジイソシアネート(a1)及び1分子中に1つの水酸基と少なくとも1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a2)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)並びに末端(メタ)アクリロイル基間にエトキシ構造が導入された2官能(メタ)アクリレートモノマー(B)を含有する硬化性樹脂組成物であって、ウレタン(メタ)アクリレート(A)の硬化性樹脂組成物中の割合は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、40〜99質量部であり、ウレタン(メタ)アクリレート(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の配合質量比はA:B=75:25〜95:5である、硬化性樹脂組成物。
- 前記化合物(a2)が、1分子中に1つの水酸基及び3〜5つの(メタ)アクリロイル基を有するものである、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記モノマー(B)がポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート又はエトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートである、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、前記樹脂組成物100質量部に対し、光重合開始剤(C)を1〜10質量部含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、前記樹脂組成物100質量部に対し、紫外線吸収剤(D)を0.1〜10質量部含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射して得られる硬化物。
- 前記活性エネルギー線が紫外線である請求項6に記載の硬化物。
- 請求項6又は7に記載の硬化物を基材上に成形させて得られる積層体。
- 前記硬化物の厚みが、5〜200μmである、請求項8に記載の積層体。
- 前記基材が、熱可塑性樹脂である、請求項8又は9に記載の積層体。
- 前記基材が、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又はポリメタクリル酸メチルである、請求項10に記載の積層体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を樹脂基材上に塗布した後、活性エネルギー線を照射して得られる積層体。
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