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JP6484139B2 - 汚染拡散防止システムおよび汚染拡散防止方法 - Google Patents
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汚染拡散防止システムおよび汚染拡散防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃棄物処理場からの漏水による地下水の汚染を防止する汚染拡散防止システムおよび汚染拡散防止方法に関するものである。
従来、家庭や事業所での活動により発生した廃棄物は、焼却、破砕、圧縮等の減容化処理が行われた後、廃棄物処理場に運搬され、貯留槽に埋設して処分されている。廃棄物処理場では、廃棄物によって汚染された汚染水が貯留槽外に漏出するのを防ぐための対策が講じられている。
廃棄物の貯留槽の遮水壁に鋼製壁材を用いる場合、鋼製壁材を構成する内壁と外壁との間に中空管を設置して中空管の周囲に止水材を充填し、中空管の内部に挿入した漏水検知センサを用いて中空管内の漏水状態を検知する方法がある。この方法では、漏水が検知されると、中空管内から揚水して排出することにより汚染水の貯留槽外への漏出を防止する(例えば、特許文献1参照)。
また、貯留槽の遮水工として遮水シートを用いる場合、遮水シートの下部に予め複数の電極を配置して電位差を測定することによって遮水シートの漏水位置を把握する方法がある。この方法では、遮水シートの漏水が検知されると、処理場内の散水を停止して浸出水を減量し、遮水シートの漏水位置(破損部)を掘削により露出させて修復することにより汚染水の貯留槽外への漏出を防止する(例えば、特許文献2参照)。
他に、汚染土壌を有する対象敷地からの汚染水の漏出を防止する方法として、対象敷地内に複数の観測井戸および揚水井戸を設け、揚水井戸の水位が観測井戸の水位より低く且つ一定になるように制御するものがある(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−49959号公報 特開平9−33382号公報 特開2008−62206号公報
しかしながら、上述したような中空管や電極を用いた漏水検知方法は、廃棄物処分場の貯留槽からの漏水を検知するためのものであり、貯留槽外に漏出した汚染物質や地下水汚染への対策ではない。また、複数の観測井戸および揚水井戸を設けて井戸の水位を所定の位置に保つ方法は、水圧センサーやポンプを継続的に運転する必要があり、維持管理のための費用が嵩む。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、廃棄物貯留槽からの漏水が生じた場合に、貯留槽外に漏れた汚染水の敷地外への拡散を容易に防止できる安価な汚染拡散防止システムおよび汚染拡散防止方法を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、廃棄物処理場からの漏水による地下水の汚染を防止する汚染拡散防止システムであって、廃棄物貯留槽の遮水工の漏水を検知する漏水検知システムと、前記廃棄物貯留槽の下流側の面と廃棄物処理場の敷地境界との間に設置されたモニタリング井戸と、前記モニタリング井戸の下流側において、前記敷地境界の近傍に設置された複数の揚水井戸と、を具備し、前記漏水検知システムにより前記遮水工の漏水箇所を検知した後、前記モニタリング井戸で地下水のモニタリングを行いつつ、前記漏水箇所に近いほど揚水量が大きくなるように前記複数の揚水井戸から地下水を揚水することを特徴とする汚染拡散防止システムである。
第1の発明では、前記敷地境界の近傍または前記敷地境界の外側に、確認井戸が設置される場合もある。
前記揚水井戸は、例えば、所定の間隔をおいて離散的に配置される。
前記揚水井戸は、千鳥状に配置される場合もある。
第1の発明の汚染拡散防止システムを用いれば、漏水検知システムにより貯留槽の遮水工の漏水箇所を検知した後、貯留槽の下流側に設置したモニタリング井戸で地下水のモニタリングを行いつつ、廃棄物処理場の敷地境界の近傍に設置された複数の揚水井戸から地下水を揚水することにより、貯留槽外に漏れた汚染水の敷地外への拡散を容易に防止できる。また、漏水検知システムで検知した漏水箇所の位置情報を反映し、漏水箇所に近いほど揚水量が大きくなるように揚水することにより、揚水量が最小となるように管理できる。さらに、漏水を検知した時だけモニタリングを行って揚水を行うため、維持管理費を抑えつつ汚染水の拡散リスクを低減できる。
第2の発明は、廃棄物処理場からの漏水による地下水の汚染を防止する汚染拡散防止方法であって、廃棄物貯留槽の遮水工の漏水を検知する漏水検知システムと、前記廃棄物貯留槽の下流側の面と廃棄物処理場の敷地境界との間に設置されたモニタリング井戸と、前記モニタリング井戸の下流側において、前記敷地境界の近傍に設置された複数の揚水井戸と、を具備し、前記漏水検知システムにより前記遮水工の漏水箇所を検知した後、前記モニタリング井戸で地下水のモニタリングを行いつつ、前記漏水箇所に近いほど揚水量が大きくなるように前記複数の揚水井戸から地下水を揚水することを特徴とする汚染拡散防止方法である。
第2の発明では、前記揚水井戸からの地下水の揚水と並行して、前記漏水箇所を修復し、地下水集水ピットに集水された地下水を浸出水調整槽に送水することが望ましい。
第2の発明では、漏水検知システムにより貯留槽の遮水工の漏水箇所を検知した後、貯留槽の下流側に設置したモニタリング井戸で地下水のモニタリングを行いつつ、廃棄物処理場の敷地境界の近傍に設置された複数の揚水井戸から地下水を揚水することにより、貯留槽外に漏れた汚染水の敷地外への拡散を容易に防止できる。また、漏水検知システムで検知した漏水箇所の位置情報を反映し、漏水箇所に近いほど揚水量が大きくなるように揚水することにより、揚水量が最小となるように管理できる。さらに、漏水を検知した時だけモニタリングを行って揚水を行うため、汚染拡散防止システムの維持管理費を抑えつつ汚染水の拡散リスクを低減できる。
本発明によれば、廃棄物貯留槽からの漏水が生じた場合に、貯留槽外に漏れた汚染水の敷地外への拡散を容易に防止できる安価な汚染拡散防止システムおよび汚染拡散防止方法を提供できる。
廃棄物処理場3に設置された汚染拡散防止システム33の概要を示す図 貯留槽23の遮水工5の垂直方向の断面を示す図 廃棄物処理場3に設置された汚染拡散防止システム33の概要を示す図 汚染拡散防止システム33の揚水井戸11を稼働させた状態を示す図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1、図3は、廃棄物処理場3に設置された汚染拡散防止システム33の概要を示す図である。図1は、廃棄物処理場3の垂直方向の断面を示す図、図3は、廃棄物処理場3の平面図である。図2は、貯留槽23の遮水工5の垂直方向の断面を示す図である。図2は、図1に示す範囲Dの拡大図である。
図1、図3に示すように、廃棄物処理場3では、地盤1に廃棄物の貯留槽23が設置される。貯留槽23は、地盤1に形成した凹部の内側面に遮水工5を構築して形成される。貯留槽23内には、廃棄物が搬入され、埋立地7が形成される。廃棄物処理場3では、図1に示す矢印Aの方向すなわち図3に示す矢印Bの方向に地下水が流れている。
図2に示すように、貯留槽23の遮水工5は、地盤1に形成した凹部の内側面に設置された土質遮水層39と、土質遮水層39の内側面に設置された遮水シート37と、遮水シート37の内側面に設置された保護土35とからなる。
土質遮水層39は、難透水層であり、廃棄物が埋設された埋立地7からの浸出水が貯留槽23から漏出しないように遮水するものである。土質遮水層39は、例えば、ベントナイトと現場発生土または購入土を混合して作成したベントナイト混合土や、セメントと現場発生土または購入土を混合して作成したセメント改良土とする。
遮水シート37は、土質遮水層39と同様に埋立地7からの浸出水が貯留槽23から漏出しないように遮水するものである。遮水シート37は、例えば、透水係数がきわめて小さく遮水性を有するシートである。遮水シート37の内側面には、図示しない保護マットが設けられる。保護土35は、遮水シート37の破損を防ぐものであり、良質な土砂層により形成される。
図1から図3に示すように、廃棄物処理場3には、汚染拡散防止システム33が設置される。図1から図3に示すように、汚染拡散防止システム33は、漏水検知システム41、モニタリング井戸9、揚水井戸11、確認井戸13等からなる。汚染拡散防止システム33は、廃棄物が埋設された埋立地7からの浸出水が貯留槽23の漏水箇所15から地盤1に漏出した場合に、浸出水により汚染された地下水が敷地境界17から外部に拡散するのを防ぐものである。
漏水検知システム41は、図2に示すように、貯留槽23の遮水工5内に設置される。漏水検知システム41は、電線41a、電線41bからなる。電線41aは、遮水シート37の内側の保護土35に埋設される。電線41bは、遮水シート37の外側の土質遮水層39に埋設される。電線41aと電線41bとは、直交して格子状となるように配置される。漏水検知システム41は、廃棄物の埋立地7からの浸出水が貯留槽23の遮水工5から漏れた場合に、遮水シート37の漏水箇所15を検知するものである。
モニタリング井戸9は、廃棄物の貯留槽23の下流側の面29と廃棄物処理場3の敷地境界17との間に設置される。本実施の形態の汚染拡散防止システム33では、図3に示すように、3本のモニタリング井戸9−1、9−2、9−3が間隔をおいて配置される。モニタリング井戸9は、廃棄物処理場3の敷地内の地盤1の地下水の水質をモニタリングするものである。
揚水井戸11は、モニタリング井戸9の下流側において、廃棄物処理場3の敷地境界17の近傍に設置される。本実施の形態の汚染拡散防止システム33では、図3に示すように、6本の揚水井戸11−1、11−2、…、11−5、11−6が所定の間隔をおいて離散的に配置される。揚水井戸11は、廃棄物の埋立地7からの浸出水が貯留槽23の遮水工5から漏れたことを漏水検知システム41で検知した場合や、モニタリング井戸9で地下水の水質に異常が検知された場合に、地下水の揚水を行うものである。
確認井戸13は、廃棄物処理場3の敷地境界17の外側に設置される。なお、確認井戸13を、敷地境界17近傍(敷地境界17上または敷地境界17のわずかに内側)に配置してもよい。本実施の形態の汚染拡散防止システム33では、図3に示すように、2本の確認井戸13−1、13−2が間隔をおいて配置される。確認井戸13は、廃棄物処理場3の敷地外の地盤1の地下水の水質を確認するものである。
モニタリング井戸9、揚水井戸11、確認井戸13は、貯留槽23の底部よりも深い位置まで掘削される。
次に、汚染拡散防止システム33を用いた汚染拡散防止方法について説明する。図1、図3に示す汚染拡散防止システム33では、通常時、モニタリング井戸9を用いて所定の頻度で地下水の採水を行い、地下水の水質(例えば、電気伝導度とpH)を連続測定する。また、漏水検知システム41により、貯留槽23の遮水工5の遮水シート37の破損による漏水箇所15の有無を把握する。
図4は、汚染拡散防止システム33の揚水井戸11を稼働させた状態を示す図である。漏水検知システム41により、図1に示すような漏水箇所15が検知された場合、必要に応じて埋立地7への散水処理を停止し、浸出水の減量を図る。そして、図4に示すように、埋立地7側から漏水箇所15付近に達する孔31を掘削し、遮水シート37の漏水箇所15を修復する。
また、遮水シート37の修復と並行して、モニタリング井戸9で地下水の水質のモニタリングを行いつつ、図4に示すように揚水井戸11に揚水ポンプ19を設置して揚水を行う。モニタリング井戸9でのモニタリングは、通常時より高頻度で行うことが望ましい。
揚水井戸11からの揚水は、貯留槽23の漏水箇所15に近いほど揚水量が大きくなるように実施される。例えば、図3に示す位置に漏水箇所15がある場合、漏水箇所15に最も近い揚水井戸11−3、11−4での揚水量が最大となり、漏水箇所15から最も遠い揚水井戸11−1、11−6での揚水量が最小となるように揚水する。
揚水ポンプ19は、揚水を行う時のみ揚水井戸11内に配置される。揚水ポンプ19を用いて揚水井戸11から揚水を行うと、図4に示す矢印Cの方向の地下水の流れが生じるため、廃棄物処理場3の敷地内から敷地外への汚染地下水の流出が防止される。確認井戸13では、廃棄物処理場3の敷地外の地下水の水質をモニタリングし、汚染された地下水が廃棄物処理場3の敷地境界17から敷地外に流出していないことを確認する。
揚水ポンプ19で揚水された地下水は、揚水管21を介して浸出水調整槽27に送水される。また、揚水井戸11からの地下水の揚水と並行して、貯留槽23の地下水集水ピット25に集水された地下水も、図示しない管を介して浸出水調整槽27に送水される。通常、浸出水調整槽27に送水された水はそのまま河川放流されるが、漏水箇所15を検知した後に浸出水調整槽27に送水された水は、水処理後に河川放流されたり、外部搬出されたりする。
このように、本実施の形態によれば、漏水検知システム41により貯留槽23の遮水工5の漏水箇所15を検知した後、貯留槽23外に設置したモニタリング井戸9で地下水のモニタリングを行いつつ、廃棄物処理場3の敷地境界17の近傍に設置された複数の揚水井戸11から地下水を揚水することにより、貯留槽23外に漏れた汚染水の廃棄物処理場3の敷地外への拡散を容易に防止できる。また、漏水検知システム41で検知した漏水箇所15の位置情報を反映し、漏水箇所15に近いほど揚水量が大きくなるように揚水することにより、揚水量を最小にできる。さらに、漏水を検知した時だけ揚水を行うため、汚染拡散防止システム33の維持管理費を抑えつつ汚染水の拡散リスクを低減できる。
本実施の形態の汚染拡散防止システム33を用いれば、汚染物質の拡散防止のために、敷地境界17付近に大規模な遮水壁を設ける必要がない。また、揚水井戸11から揚水した水を原位置で浄化せずに、浸出水調整槽27に送水することで、浄化薬剤の使用量を抑え、地域環境への影響を少なくできる。
なお、本実施の形態では、揚水井戸11を直線状に6本配置したが、揚水井戸の配置形状や設置数はこれに限らない。揚水井戸は千鳥状に配置してもよい。また、確認井戸13の設置は必須ではない。
本実施の形態では、モニタリング井戸9で常時モニタリングを行う例について述べたが、漏水検知システム41で漏水を検知した時のみモニタリング井戸9を用いたモニタリングを行ってもよい。また、漏水検知システム41で漏水を検知しておらず、モニタリング井戸9を用いたモニタリングで異常を検知した場合にも、揚水井戸11からの揚水を行うことが望ましい。
さらに、本実施の形態では、一層の遮水シート37と土質遮水層39を有する遮水工5の例を示したが、遮水工の構成は、図2に示すものに限らない。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………地盤
3………廃棄物処理場
5………遮水工
7………埋立地
9………モニタリング井戸
11………揚水井戸
13………確認井戸
15………漏水箇所
17………敷地境界
19………揚水ポンプ
21………揚水管
23………貯留槽
25………地下水集水ピット
27………浸出水調整槽
29………面
33………汚染拡散防止システム
37………遮水シート

Claims (6)

  1. 廃棄物処理場からの漏水による地下水の汚染を防止する汚染拡散防止システムであって、
    廃棄物貯留槽の遮水工の漏水を検知する漏水検知システムと、
    前記廃棄物貯留槽の下流側の面と廃棄物処理場の敷地境界との間に設置されたモニタリング井戸と、
    前記モニタリング井戸の下流側において、前記敷地境界の近傍に設置された複数の揚水井戸と、
    を具備し、
    前記漏水検知システムにより前記遮水工の漏水箇所を検知した後、前記モニタリング井戸で地下水のモニタリングを行いつつ、前記漏水箇所に近いほど揚水量が大きくなるように前記複数の揚水井戸から地下水を揚水することを特徴とする汚染拡散防止システム。
  2. 前記敷地境界の近傍または前記敷地境界の外側に確認井戸が設置されたことを特徴とする請求項1記載の汚染拡散防止システム。
  3. 前記揚水井戸が、所定の間隔をおいて離散的に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の汚染拡散防止システム。
  4. 前記揚水井戸が、千鳥状に配置されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の汚染拡散防止システム。
  5. 廃棄物処理場からの漏水による地下水の汚染を防止する汚染拡散防止方法であって、
    廃棄物貯留槽の遮水工の漏水を検知する漏水検知システムと、
    前記廃棄物貯留槽の下流側の面と廃棄物処理場の敷地境界との間に設置されたモニタリング井戸と、
    前記モニタリング井戸の下流側において、前記敷地境界の近傍に設置された複数の揚水井戸と、
    を具備し、
    前記漏水検知システムにより前記遮水工の漏水箇所を検知した後、前記モニタリング井戸で地下水のモニタリングを行いつつ、前記漏水箇所に近いほど揚水量が大きくなるように前記複数の揚水井戸から地下水を揚水することを特徴とする汚染拡散防止方法。
  6. 前記揚水井戸からの地下水の揚水と並行して、前記漏水箇所を修復し、地下水集水ピットに集水された地下水を浸出水調整槽に送水することを特徴とする請求項5記載の汚染拡散防止方法。
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