前記の特許文献2による連結構造を実際の木造建築に導入した結果、金物類を覆い隠し、当初想定していた効果を得ることができた。ただしこの連結構造は、垂直荷重の伝達を主にボルトが担っており、部材が大断面化すると、ボルトの軸部に作用するせん断荷重も大きくなり、強度上の余裕が不足することが判明した。そこで、特許文献2による連結構造の利点を引き継ぎながらも、より大きな垂直荷重に耐えることのできる技術が待ち望まれている。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、各種木構造において、ほぼ全ての金物類を部材の中に埋め込み、美観などに優れるほか、垂直荷重に対する強度を向上させた部材同士の連結構造の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、一方材と他方材との連結構造であって、該他方材は棒状で、その一端面が該一方材に接触し、前記一方材と前記他方材との接触面を跨ぐように埋め込む角筒状の連結管と、該連結管の一側面に接触する補助板と、前記連結管を前記一方材に引き寄せるための寄せ具および掛け具と、を用い、前記連結管は、前記他方材の端面に設けた上下に伸びる端溝に埋め込み、ボルトやネジ釘等で該他方材に固定し、該連結管の一部は、該他方材の端面から突出し、前記一方材には、前記端溝と断面形状を揃えた収納溝を設け、該収納溝の奥面に前記補助板を配置し、該補助板と前記連結管の側面同士が接触すると共に、前記他方材の端面が前記一方材に接触し、前記収納溝および前記端溝は、前記一方材または前記他方材の下面に到達することなく、その手前で途切れており、前記連結管および前記補助板は、その上方以外を該一方材と該他方材で覆い隠され、前記掛け具は、前記補助板に設けた通過孔を通り、その一端は前記一方材に固定し、他端は該補助板から突出させ、前記連結管の下部には、該掛け具を差し込むための下部溝を設け、前記連結管と前記補助板との間で垂直荷重を伝達するため、該連結管の一側面上部には、前記一方材側に突出するアゴ部を設け、該補助板には、該アゴ部を受け止める受け溝を設け、且つ該アゴ部には、前記寄せ具を通すための寄せ孔を形成してあることを特徴とする連結構造である。
本発明は、木造建築などに用いられる各種木構造において、部材同士を連結するためのもので、便宜上、連結される複数の部材のうち、より基礎に近い方を一方材と称し、この一方材で架空に支持される方を他方材と称するものとする。また一方材と他方材は、双方を直に面接触させることを前提とする。ただし部材の配置は自在で、一方材の側面と他方材の端面を接触させて、丁字状やL字状に連結する場合のほか、双方の端面同士を接触させて、直線状に連結する場合もある。さらに他方材を二本用い、一方材の両側面に他方材の端面を接触させ、十字状に連結する場合もある。
他方材は棒状の部材であり、水平または斜方向に配置され、その一端面が一方材に接触することを前提とする。対して一方材は、柱などの直立する部材でも構わない。さらに一方材は、棒状の部材のほか板材でもよく、直立する板材が一方材となり、その側面で他方材の端面を支持することもできる。そのほか一方材や他方材のいずれも、木材であることを前提としており、各種集成材を用いることが多い。
連結管は、一方材と他方材の連結を実質的に担う部品で、所定の長さに切断した角鋼管を直立させた姿勢で使用する。なお本発明では、連結管の内部にボルトなどを差し入れ、さらに締め付けを行う必要があり、連結管の内部は、ある程度の広さが必要である。また「一方材と他方材との接触面を跨ぐように埋め込む角筒状の連結管」とは、連結管を一方材と他方材との境界に配置し、連結管が一方材と他方材の両方に入り込んでいることを意味する。
補助板は、連結管の一側面に接触する金属板で、連結管の一側面と同等の大きさとする。そして補助板は、一方材と接触するように組み込み、他方材に作用する垂直荷重(下向きの荷重)を受け止める役割を担う。そのため連結管と補助板は、単に双方の側面同士が接触するだけではなく、垂直荷重の伝達を担う機能が必要で、これを実現するため、連結管にアゴ部を設け、補助板に受け溝を設けてある。
アゴ部は、連結管の一側面の上部中央に設ける突出部である。また受け溝は、補助板の上部中央に設ける切り欠きで、そこにアゴ部が嵌り込む。アゴ部が受け溝に嵌り込むことで、アゴ部の底部が受け溝で受け止められ、連結管に作用する下向きの荷重が補助板に伝達される。なお受け溝は、上方に開放している。そのため、連結管と補助板を接触させる際は、まず連結管の下部を補助板の上部に接触させ、次に連結管を下方に滑らせることで、アゴ部を受け溝に嵌め込む。
端溝は、連結管を埋め込むため、他方材の端面に加工する溝で、端面の上下方向に伸びるが、他方材の下面に到達することはなく、その手前で途切れている。また端溝の幅は、連結管を緩みなく嵌め込める程度とし、端溝が他方材の側面に露出することはない。なお連結管の高さは、端溝の深さよりも小さくし、連結管の上部が他方材から突出しないようにする。ただし端溝の奥行きは、連結管の対向する二側面の距離(他方材の端面と平行に揃う二側面)よりも小さくし、連結管の一部は、他方材の端面から突出するようにする。
端溝に嵌め込まれた連結管は、様々な従来技術を用い、他方材に固定する。その具体例としては、一端面にメネジの形成されたラグスクリューや異形棒鋼を用いる方法が挙げられる。ラグスクリューや異形棒鋼は、端溝の奥面に加工した下穴に埋め込み、連結管の内部からこれらに向けてボルトを差し込むと、連結管は、ラグスクリューや異形棒鋼を介し、他方材に固定される。また、連結管の内部から他方材に向けてネジ釘を差し込み、連結管を固定することもできる。
収納溝は、一方材に加工する溝で、その奥面には補助板を組み込むほか、入り口付近には連結管が入り込む。そのため収納溝は、他方材の端溝と断面形状を揃え、連結管が緩みなく嵌め込まれるようにする。また収納溝は、端溝と同様、一方材の下面に到達することなく、その手前で途切れているものとする。そして補助板の下面は、収納溝の底面に接触させ、この面を介し、補助板に作用する下向きの荷重を一方材に伝達させる。なお補助板は、収納溝の奥面に組み込めばよく、一方材に固定しなくても構わない。
一方材に補助板を組み込み、他方材に連結管を固定した後、他方材の端面から突出する連結管を一方材の収納溝に嵌め込み、補助板と連結管の側面同士を接触させると共に、連結管のアゴ部を補助板の受け溝に嵌め込むことで、他方材に作用する下向きの荷重は、アゴ部と受け溝を介し、一方材に伝達される。なお連結管の下面は、一方材の収納溝の底面に載るため、ここでも、他方材に作用する下向きの荷重が伝達される。
補助板と連結管が接触した際、他方材の端面(端溝よりも外側の領域)は、一方材に接触するよう、収納溝と端溝の双方の奥行きを調整する。その結果、補助板や連結管は、一方材や他方材の内部に覆い隠され、一方材や他方材の下面や側面には、金物類が一切露出しない。ただし上面には、収納溝や端溝が露出しており、その中の補助板や連結管も露出している。そこで上面には、別途に板材を載せ、これらを覆い隠す。
寄せ具および掛け具は、いずれも連結管を一方材に引き寄せるために用いるが、寄せ具は、連結管の上部に組み込み、掛け具は、連結管の下部に組み込む。寄せ具は、連結管の内部から一方材に向けて差し込むボルトやネジ釘で、連結管のアゴ部に設けた寄せ孔を通って一方材に到達する。なお一方材には、寄せ具の先部を螺合できるよう、ラグスクリューなどを埋め込むことがある。また寄せ具は、補助板を一方材に組み込み、連結管を他方材に固定した後、一方材と他方材を連結する最終段階で差し込む。
掛け具は、連結管の下部に組み込むボルトやネジ釘で、その一端は一方材に固定するが、他端は補助板から外側に突出し、連結管の内部に入り込む。そのため掛け具がボルトである場合、一方材には、これと螺合するラグスクリューなどを埋め込む。また補助板の下部には、掛け具の軸部を通すため、通過孔を設けるほか、連結管の下部には、掛け具の軸部を通すため、下部溝を設ける。下部溝は、連結管の下面から上方に伸びるV字状の切り欠きである。
一方材の収納溝に補助板を組み込んだ後、掛け具を取り付ける際は、掛け具の頭部を補助板に接触させることなく、連結管が入り込むだけの隙間を確保する。次に、連結管を固定した他方材を接近させ、掛け具の軸部を連結管の下部溝に差し込み、掛け具の頭部を連結管の内部に入り込ませる。これにより、連結管の下部は、掛け具を介して一方材に引き寄せられる。なお連結管の一部は、他方材の端面から突出し、連結管の下面が露出している。そのため、このような手順が実施可能になる。
このように、連結管と補助板を用い、連結管のアゴ部を補助板の受け溝に嵌め込むことで、他方材に作用する下向きの荷重は、連結管を介して確実に補助板に伝達され、垂直荷重に対する強度が向上する。また、補助板や連結管を配置する収納溝や端溝は、一方材や他方材の下面に到達することなく、その手前で途切れている。そのため補助板や連結管などの各種金物類は、収納溝や端溝の上方にのみ露出し、一方材や他方材の下面や側面には、何らの金物類も露出しない。
請求項1記載の発明のように、一方材に収納溝を設け、他方材に端溝を設け、収納溝の奥面に補助板を組み込み、端溝の奥面に連結管を固定し、寄せ具および掛け具で連結管を一方材に引き寄せる連結構造において、連結管の側面上部にはアゴ部を設け、補助板にはアゴ部が嵌り込む受け溝を設けることで、連結管と補助板との間で垂直荷重の伝達が実現する。そのため、連結管だけを用いる場合と比較し、より大きな垂直荷重に耐えることができ、荷重条件が厳しい部材も連結可能になるほか、一方材や他方材として、従来よりも大断面の部材を用いることができる。
加えて収納溝や端溝は、一方材や他方材の下面に到達することなく、その手前で途切れており、補助板や連結管は、一方材や他方材に覆い隠される。そのため、一方材や他方材の下面や側面には、何らの金物類も露出することがなく、室内では、木材による自然な雰囲気が醸し出される。
図1は、本発明による連結構造の具体例を示しており、一方材61の側面に他方材71の端面を接触させ、両材を丁字状に連結する。この一方材61と他方材71のいずれも、水平に伸びる木材で、これらを連結するため、他方材71には連結管11を固定し、一方材61には補助板31を組み込み、さらに連結管11を一方材61に引き寄せるため、寄せ具28と掛け具48を用いる。なお図1の一方材61と他方材71は、高さが等しく、双方の上下面が段差なく揃っている。また一方材61と他方材71は、無垢材のほか、各種集成材を用いることもある。
連結管11は、汎用の鋼管を切り出したもので、その横幅は、他方材71よりも狭い。そして連結管11を埋め込むため、他方材71の端面中央には、端溝74を加工してある。端溝74は、他方材71の上面から下方に伸びるが、他方材71の下面に到達することなく、その手前で途切れている。なお端溝74の横幅は、連結管11を隙間なく嵌め込むことのできる大きさで、また端溝74の深さ(上下方向)は、連結管11の高さよりも大きく、連結管11が他方材71の上面から突出することはない。ただし連結管11の一部は、他方材71の端面から突出するよう、端溝74の奥行きを調整する。
連結管11を他方材71に固定するため、図1ではラグスクリュー51を用いている。ラグスクリュー51は、金属製の円柱形で、その側周面には螺旋状の凸条56を形成してあるほか、一端面には六角形の頭部55を形成してあり、頭部55の中心にはメネジ57を形成してある。また他方材71の端溝74の奥面には、ラグスクリュー51を埋め込むため、下穴76を加工してあり、凸条56が下穴76の内周面に食い込むことで、ラグスクリュー51が他方材71に固定される。なお図では、端溝74の上下二箇所にラグスクリュー51を埋め込む。
そのほか、他方材71と連結管11との間で垂直荷重を伝達するため、丸ホゾ54を用いている。丸ホゾ54は、単純な円柱状だが、その一端面には頭部55とメネジ57を形成してある。丸ホゾ54についても、端溝74の奥面に加工した下穴76に埋め込むが、その目的から下穴76は、丸ホゾ54を緩みなく保持する内径としてある。なお丸ホゾ54は、上下のラグスクリュー51の間に計二個配置する。またラグスクリュー51と丸ホゾ54のいずれも、その全体が下穴76に埋め込まれ、連結管11の側面は、端溝74の奥面に接触する。
連結管11を他方材71に固定するため、連結管11の内部からラグスクリュー51や丸ホゾ54のメネジ57に向け、ボルト27を差し込む。なおラグスクリュー51と螺合するボルト27は、連結管11の上下開口から差し込むが、丸ホゾ54と螺合するボルト27は、作業性を考慮し、連結管11の側面に設けた大孔18から差し込む。また連結管11の各側面のうち、ラグスクリュー51や丸ホゾ54の頭部55と接触する面には、ボルト27の軸部を差し込むため、小孔22を設けてある。当然ながら小孔22や大孔18は、ラグスクリュー51や丸ホゾ54と同心に配置する。
補助板31は単純な金属板で、その高さと幅を連結管11と揃えてあり、一方材61の側面に加工した収納溝64の奥面に組み込まれ、連結管11の側面と接触する。収納溝64は、他方材71の端溝74と断面を揃えてあり、一方材61と他方材71を接触させると、両溝は向かい合う。なお収納溝64についても、一方材61の下面に到達することなく、その手間で途切れている。また収納溝64の奥面には、下穴66を加工してあり、他方材71と同様、その上下二箇所にラグスクリュー51を埋め込む。このラグスクリュー51は、他方材71側と同一の物だが、下穴66は一方材61を貫通している。
一方材61と補助板31との間で垂直荷重を伝達するため、パイプ41を用いている。パイプ41は単純な筒状で、ボルト27で補助板31に取り付ける。そのため補助板31には、メネジ37を設けてある。またパイプ41を埋め込むため、収納溝64の奥面には、有底の下穴66を加工してある。この下穴66は、垂直荷重の伝達を担うため、パイプ41を緩みなく保持する内径である。なおパイプ41は、上下のラグスクリュー51の間に計二個配置する。
連結管11と補助板31との間で垂直荷重を伝達するため、連結管11の側面上部中央には、水平方向に突出するアゴ部16を設けてあり、補助板31には、アゴ部16が嵌り込む受け溝36を設けてある。そして、連結管11と補助板31が接触した際、アゴ部16は受け溝36に隙間なく嵌り込む。そのため、連結管11に作用した下向きの荷重は、円滑に補助板31に伝達され、最終的には、補助板31の下面やパイプ41を介し、一方材61で受け止められる。
連結管11を一方材61に引き寄せるため、寄せ具28を用いる。図1の寄せ具28は、通常のボルトであり、連結管11の内部から、一方材61に埋め込んだラグスクリュー51(上方の物)に向けて差し込む。寄せ具28を差し込むため、アゴ部16には、寄せ孔21を設けてある。寄せ孔21とラグスクリュー51は同心に揃うほか、寄せ孔21の端面は、ラグスクリュー51に接触する。そして連結管11を補助板31に接触させた後、連結管11の内部から寄せ具28を差し込み、締め付けを終えると、連結管11は一方材61に引き寄せられ、補助板31は、収納溝64の奥面と連結管11で挟み込まれる。
連結管11を一方材61に引き寄せるため、寄せ具28のほか、掛け具48を用いる。掛け具48は、頭部を大径化したボルトで、補助板31から一方材61に向けて差し込む。そのため補助板31の下部には、掛け具48の軸部を通す通過孔39を設けてあり、掛け具48の先部は、一方材61に埋め込んだラグスクリュー51(下方の物)に螺合する。なお掛け具48は、その頭部を補助板31に接触させることなく、連結管11が入り込むための隙間を確保する。また連結管11の下部には、掛け具48の軸部を差し込むため、下部溝19を設けてある。下部溝19は、連結管11の下面からV字状に削り込んだもので、掛け具48の軸部は、その奥に入り込む。
貫通ピン25は、一方材61と他方材71との位置精度向上のほか、耐力を向上するために用い、一方材61の側面から他方材71に向けて打ち込み、途中で補助板31と連結管11を貫く。貫通ピン25を打ち込むため、一方材61の側面には、両側を貫くピン穴65を加工し、他方材71にも同心でピン穴75を加工してある。また補助板31には側孔40を設け、連結管11についても、対向する二側面に側孔20を設けてある。なお貫通ピン25は、一方材61と他方材71の連結を終えた後、打ち込みを行う。
図1に描く連結構造は、あくまでも本発明の一例を示すもので、ラグスクリュー51や丸ホゾ54やパイプ41の使用の有無のほか、その使用数や配置などは、要求される強度などに応じ、都度自在に決めて構わない。貫通ピン25についても、必要に応じて使用する。ただし、連結管11を他方材71に固定するほか、収納溝64の奥面に補助板31を組み込み、連結管11と補助板31で垂直荷重を伝達するほか、補助板31と連結管11を端溝74と収納溝64で覆い隠すことは不可欠である。
図2は、図1の他方材71に連結管11を固定した状態と、一方材61に補助板31を組み込んだ状態を示す。図2の上方に描く他方材71については、その端溝74の奥面の上下二箇所にラグスクリュー51を埋め込むほか、これらに挟まれるように二個の丸ホゾ54を埋め込む。なおラグスクリュー51は、その一端面が端溝74の奥面と段差なく並ぶよう、埋め込み量を調整する。
次に、連結管11を端溝74に嵌め込むが、端溝74の奥行きとの兼ね合いで、連結管11の一部は、他方材71の端面から突出する。そのため連結管11の上面のほか、下面からも内部にボルト27を差し入れることができ、連結管11からラグスクリュー51に向けてボルト27を差し込むと、ラグスクリュー51を介し、連結管11が他方材71に固定される。また、連結管11の大孔18から丸ホゾ54に向けてボルト27を差し込み、丸ホゾ54を連結管11に引き寄せ、垂直荷重を伝達させる。
図2の下方に描く一方材61については、上下二箇所の下穴66にラグスクリュー51を埋め込むほか、ボルト27を用い、補助板31の上下二箇所にパイプ41を取り付ける。次に、補助板31を収納溝64の奥面に組み込み、パイプ41を下穴66に埋め込む。なおこの段階では、補助板31が一方材61に固定された訳ではない。そして最後に、補助板31の通過孔39に掛け具48を差し込み、その先部をラグスクリュー51(下方の物)に螺合させる。ただし掛け具48は、完全に締め付けるのではなく、その頭部と補助板31に隙間を確保し、そこに連結管11の下部溝19を差し込む。
図3は、図2の後、他方材71を一方材61に連結する直前の状態を示す。他方材71には連結管11を固定し、一方材61には補助板31を組み込んだ後、他方材71を吊り上げ、他方材71の位置を調整し、収納溝64と連結管11が上下に並ぶようにする。その後、他方材71を徐々に下降させると、連結管11と補助板31の側面同士が接触し、やがて、連結管11の下部溝19の中に掛け具48の軸部が入り込み、他方材71が一方材61に引き寄せられる。同時に、連結管11のアゴ部16は、補助板31の受け溝36に嵌り込み、他方材71の自重が一方材61で受け止められる。
図4は、図1の一方材61と他方材71が連結された状態を示す。他方材71の端面(端溝74よりも外側の領域)は、一方材61の側面に接触し、両材は上から見て丁字状に連結される。また補助板31や連結管11は、収納溝64と端溝74に埋め込まれ、これらが一方材61や他方材71の下面や側面に露出することはなく、美観に優れる。なお一方材61の側面のうち、他方材71の反対側には、ラグスクリュー51や貫通ピン25が露出しているが、この面は室内側ではない。
図4の下方には、連結された一方材61と他方材71の縦断面を描いてある。連結管11は、図の右側のラグスクリュー51で他方材71に固定されており、さらに垂直荷重を伝達するため、上下のラグスクリュー51の間には、二個の丸ホゾ54を埋め込んである。また連結管11を一方材61に引き寄せるため、アゴ部16から一方材61のラグスクリュー51に向け、寄せ具28を差し込んである。
掛け具48は、連結管11の内部から一方材61のラグスクリュー51に向けて差し込まれ、連結管11の下部を一方材61に引き寄せる。掛け具48の頭部は、補助板31から浮き上がるように固定し、その隙間に連結管11が差し込まれる。なお先の図3に示すように、連結の際は、吊り上げた他方材71を下降させる。そのため連結管11には、下部溝19を設けてあり、ここに掛け具48の軸部を差し入れることで、下部溝19の周囲は、掛け具48の頭部で拘束される。そのほか貫通ピン25は、補助板31と連結管11を経て、一方材61と他方材71を貫く。
他方材71の自重は、まずラグスクリュー51や丸ホゾ54を介して連結管11に伝達され、さらにアゴ部16と受け溝36を介して補助板31に伝達される。そして補助板31には、パイプ41を取り付けてあるほか、補助板31の下面は、収納溝64の底面に接触している。そのため補助板31に作用した垂直荷重は、円滑に一方材61に伝達され、一部の部品だけに荷重が集中することはない。
図5は、一方材61の両側面に他方材71を引き寄せた十字状の連結構造を示す。本発明は、一方材61と他方材71を丁字状に連結する場合以外にも使用可能で、この図では、一方材61の両側面に収納溝64を加工してあり、個々の収納溝64に補助板32を組み込むほか、対向する収納溝64を結ぶように計四列の下穴66を加工してあり、その上下二列にラグスクリュー52を埋め込む。このラグスクリュー52は、全長を下穴66の延長と揃えてあるほか、両端にメネジ57を設けてある。また他方材71は、同一形状の二本を対向するように配置し、他方材71の端溝74には、連結管12を固定してある。
図5の連結管12は、上下二本のラグスクリュー51を介して他方材71に固定するほか、垂直荷重を伝達するため、その間に二個の丸ホゾ54を埋め込んであり、基本的に図1と描いたものと同じ構成だが、貫通ピン25は使用しないため、側孔20は省略してある。また個々の補助板32には、上下に二個のパイプ41を取り付ける。パイプ41は、一方材61の下穴66に埋め込み、垂直荷重の伝達を担う。そのほか補助板32の下部には、掛け具48を組み込む。掛け具48は、補助板32の通過孔39を通り、一方材61のラグスクリュー52に螺合する。
図5では、一方材61と他方材71で高さが異なり、他方材71の端部は、一方材61の側面に埋め込む構造としてある。そのため収納溝64の入り口には、他方材71を受け入れる外溝67を加工してあり、他方材71の端面下部は、外溝67の底面に載り、垂直荷重に対する強度が一段と向上する。なお外溝67の高さは、他方材71と等しく、一方材61と他方材71の上面同士は、段差なく並ぶ。
図6は、図5の一方材61と他方材71を連結した状態を示す。一方材61と他方材71は十字状に並び、連結管12の上部に寄せ具28を差し込み、その先部を一方材61のラグスクリュー52に差し込み、これを六角棒レンチなどで締め付けると、他方材71が一方材61に引き寄せられる。また連結管12の下部では、掛け具48で他方材71を引き寄せている。そのほか他方材71の端部は、一方材61の外溝67に嵌り込み、他方材71の下面は、一方材61に対して段差を有する。
図7は、本発明による連結構造の形態例を示し、一方材61と他方材71の端面同士を接触させ、一直線に連結するほか、一方材61や他方材71に異形棒鋼53を埋め込んでいる。異形棒鋼53は、側周面に複数のリブ58を形成したもので、その一端面にはメネジ57を設けてあり、一方材61や他方材71に加工した下穴66、76に埋め込み、接着剤59で固定する。図7では、連結管13を固定するため、他方材71に計三本の異形棒鋼53を埋め込む。また上下の異形棒鋼53の間には、一個だけ丸ホゾ54を埋め込む。
連結管13のアゴ部16には、上下二箇所に寄せ孔21を設けてあり、それぞれに寄せ具28を差し込む。そのため一方材61の上部には、二本の異形棒鋼53を埋め込む。また一方材61の下部には、掛け具48を螺合させるため、一本の異形棒鋼53を埋め込む。そのほか補助板33には、一個のパイプ41を取り付ける。そして一方材61の収納溝64の奥面には、異形棒鋼53やパイプ41を埋め込むため、上下に計四列の下穴66を加工してある。
図7に示すように、連結管13を固定する方法は、様々な従来技術を用いることができ、さらに要求される強度に応じ、その使用数や配置を調整する。また寄せ具28についても、引張荷重に応じて本数を調整するが、これに伴い、アゴ部16や受け溝36の形状も変化する。そのほか、一方材61と他方材71の配置は自在で、この図のように一直線に連結することも可能で、丁字状やL字状に限定される訳ではない。
図8は、本発明による連結構造の形態例を示し、直立する一方材61の側面に他方材71の端面を接触させるほか、連結管14や補助板34をネジ釘26で固定している。この図の一方材61は直立する柱で、その側面に他方材71の端面を接触させ、両材を横から見てL字状に連結する。また図8の連結管14は、複数のネジ釘26で固定するため、連結管14の側面には、複数の大孔18と小孔22を設けてある。大孔18は、ネジ釘26の頭部が通過できる大きさで、小孔22は、ネジ釘26の軸部だけが通過できる大きさで、大孔18と小孔22は、連結管14の対向する側面に配置してある。
図8の補助板34は、ネジ釘26で一方材61に固定する。そのため補助板34には、複数の釘孔46を設けてある。また、釘孔46に差し込んだネジ釘26の頭部は、釘孔46の入り口に設けたザグリ38に収容され、連結管14と補助板34は、側面同士が無理なく接触する。なおザグリ38を省略し、ネジ釘26の頭部を連結管14の大孔18に収容することもできる。そのほか図8では、補助板34の下面を収納溝64の底面に接触させており、補助板34に作用する下向きの荷重は、ここからも一方材61に伝達する。ただし補助板34の下面を接触させることなく、ネジ釘26だけで下向きの荷重を伝達する場合もある。
連結管14を一方材61に引き寄せる寄せ具29として、ここではネジ釘を用いている。この寄せ具29は、アゴ部16の寄せ孔21を通って一方材61に到達するが、作業性を考慮し、寄せ孔21は傾斜しており、寄せ具29は、連結管14の上部から斜め下方に差し込む。なお図8では、強度を確保するため、寄せ孔21を上下二列とし、寄せ具29を二本用いる。
掛け具49についても、ここではネジ釘を用いている。この掛け具49は、補助板34の通過孔39を通して一方材61に差し込むが、その頭部は、補助板34に接触させることなく隙間を確保し、そこに連結管14を挟み込む。なお通過孔39は、補助板34の下部中央一箇所だけで、残りは全て釘孔46である。通過孔39については、釘孔46と異なり、ザグリ38を設けていない。
図9は、図7および図8の連結構造を組み上げた状態を示す。なお図9の上方は、図7に基づき、図9の下方は、図8に基づく。この図に示すように本発明は、連結管13、14と補助板33、34を用い、一方材61と他方材71を連結することを特徴としており、一方材61と他方材71の配置は自在である。また連結管13、14の固定方法も、諸条件に応じて自在に決めることができる。