本発明の樹脂積層体は、第1の樹脂層と、ポリイミド樹脂を含有する第2の樹脂層を有する、2層以上の樹脂積層体であって、波長400nmにおける透過率が80%以上であり、第1の樹脂層の、XYZ表色系色度図における透過色度座標が0.300≦x≦0.310及び0.305≦y≦0.315の範囲にあることを特徴とする。
本発明の樹脂積層体は、波長400nmにおける透過率が80%以上であることが必要であり、90%以上であることが好ましい。80%未満であると、透過光が少なくなり、この樹脂積層体を有機EL素子基板やカラーフィルター基板といったディスプレイ用途に適用した場合に、画面が暗くなる等視認性が悪くなってしまう。
なお、本発明における透過率は、紫外可視分光光度計により測定される値である。
積層体を透過する光の色は、例えば、(L*a*b*)色空間で表現できる。(L*a*b*)色空間では、明度をL*、彩度と色度をa*、b*で表し、+a*は赤色方向、−a*は緑色方向、+b*は黄色方向、−b*は青色方向を示す。すなわち、透過光を白色に近づけるには、(L*a*b*)色空間において、(a*,b*)=(0,0)に近づければよい。
<第1の樹脂層>
第1の樹脂層の透過色度座標が0.300≦x≦0.310及び0.305≦y≦0.315の範囲にあることで、樹脂積層体を通して視認される透過光を白色に近い色調とすることができる。この透過色度座標は0.305≦x≦0.310及び0.310≦y≦0.315の範囲にあることが好ましい。ここで、「透過色度座標」とは、C光源、2度視野で測定したCIE1931表色系における透過色度の座標のことをいう。
(着色剤)
第1の樹脂層は、その透過色度座標を上記範囲とするため、着色剤を含有することが好ましい。着色剤としては、例えば、有機顔料、無機顔料、又は染料が挙げられるが、透過光の色調調整のためには、青色顔料、青色染料、紫色顔料又は紫色染料が好ましい。
青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78又は79が挙げられるが、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6又は60が好ましく、C.I.ピグメントブルー15:6がより好ましい。
紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49又は50が挙げられるが、C.I.ピグメントバイオレット19又は23が好ましく、C.I.ピグメントバイオレット23がより好ましい。
これらの顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理又は塩基性処理等の表面処理がされていても構わず、分散剤として顔料誘導体が添加されていても構わない。
染料の形態としては、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料、又は酸性媒染染料等の各種染料のいずれかの形態を有するものが挙げられる。また、前記染料をレーキ化して用いる場合や、染料と含窒素化合物との造塩化合物等の形態であっても良い。
染料としては、一般的に染料と言われるものであれば特に制約はないが、中でも、トリフェニルメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、キノリン系染料、チアジン系染料、チアゾール系染料、キサンテン系染料、フラビン系染料、オーラミン系染料、サフラニン系染料、フロキシン系染料、メチレンブルー系染料、ローダミン系染料等を好ましく用いることができる。具体的には、C.I.ソルベントブルー2、3、4、5、718、25、26、35、36、37、38、43、44、45、48、51、58、59、59:1、63、64、67、68、69、70、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、124、128、129、132、136、137、138、139、143、C.I.アシッドブルー22、25、40、78、78、92、113、129、167、230、C.I.ベーシックブルー3、7、9、17、41、66、C.I.ソルベントバイオレット2、8、9、11、13、14、21、21:1、26、31、36、37、38、45、46、47、48、49、50、51、55、56、57、58、59、60、61、C.I.アシッドレッド52、87、91、92、94、289等が挙げられる。
塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化した造塩化合物であることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸であることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸であることが耐性の面で好ましい。
また、酸性染料、直接染料、の形態の場合は、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、一級アミン化合物等、及びこれらの官能基を有する樹脂成分を用いて造塩化した造塩化合物であること、あるいはスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物とした造塩化合物であることが耐性の面で好ましい。
これらの着色剤は、単独で用いられてもよいが、透過光を白色に近づけることが容易になるため、2種類以上組み合わせて用いられることが好ましい。着色剤の組み合わせとしては、例えば、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントバイオレット23、C.Iアシッドレッド289からなる群から選ばれる着色剤の組み合わせが好ましい。
第1の樹脂層は、これら青色顔料、青色染料、紫色顔料又は紫色染料に加えて、透過色調をより的確に調整するために他の顔料又は染料を含有してもかまわない。他の顔料としては、例えば、赤色顔料、緑色顔料、黄色顔料又はオレンジ色顔料が挙げられる。
第1の樹脂層に占める着色剤の割合は、色調の調整が容易になることから、固形分に対して0.0001〜10重量%が好ましく、0.001〜1重量%がより好ましい。
第1の樹脂層には、分散剤として顔料誘導体又は高分子分散剤が含まれることが好ましい。
(樹脂)
第1の樹脂層に含まれる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、アルカリ可溶性樹脂等、特に限定されないが、ビニルエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂等が好ましい。また、樹脂積層体にパターニングを施す場合には、アルカリ可溶性基を有する樹脂が好ましい。アルカリ可溶性基を有することにより、簡便にパターン加工が可能となる。アルカリ可溶性基に特に制限はないが、カルボキシル基、シラノール基及びフェノール性水酸基が、導入容易性の観点から好ましい。また、第1の樹脂層と、第2の樹脂層とを、一回の露光及び現像により一括でパターン加工して得ることが容易となる。
アルカリ可溶性基を有する樹脂においては、少なくとも一部にエチレン性不飽和二重結合が導入されていることが、硬化膜の硬度を高くする観点から好ましい。エチレン性不飽和二重結合基の導入のしやすさ、樹脂の透明性や耐熱性に優れることから、樹脂としてはポリシロキサン樹脂が特に好ましい。また、2種以上の樹脂を含有してもよい。
ポリシロキサン樹脂の合成方法としては、アルコキシシラン化合物を加水分解・縮合反応する方法が一般的である。
ポリシロキサンの合成に用いるオルガノシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルトリジメトキシシラン、ジフェニルトリエトキシシラン、1−ナフチルトリメトキシシラン、2−ナフチルトリメトキシシラン、1−ナフチルトリエトキシシラン、2−ナフチルトリエトキシシラン、4−ヒドロキシフェニルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシトリエトキシシラン、4−ヒドロキシベンジルトリメトキシシラン、4−ヒドロキシベンジルトリエトキシシラン、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルトリエトキシシラン、アントラセニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトシキシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β―(アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α―グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α―グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β―グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β―グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリプロポキシシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリプロポキシシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、α―グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α―グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β―グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β―グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシブチルトリエトキシシラン、σ―グリシドキシブチルトリメトキシシラン、σ―グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、3−(3,4―エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4―エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、4−(3,4―エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4―エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α―グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α―グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β―グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β―グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルシリケート、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピオン酸、3−トリエトキシシリルプロピオン酸、3−ジメチルメトキシシリルプロピオン酸、3−ジメチルエトキシシリルプロピオン酸、4−トリメトキシシリル絡酸、4−トリエトキシシリル絡酸、4−ジメチルメトキシシリル絡酸、4−ジメチルエトキシシリル絡酸、5−トリメトキシシリル吉草酸、5−トリエトキシシリル吉草酸、5−ジメチルメトキシシリル吉草酸、5−ジメチルエトキシシリル吉草酸、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−ジメチルメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−ジメチルエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3−トリエトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3−ジメチルメトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3−ジメチルエトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルフタル酸無水物、3−トリエトキシシリルプロピルフタル酸無水物、3−ジメチルメトキシシリルプロピルフタル酸無水物、3−ジメチルエトキシシリルプロピルフタル酸無水物、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルメチルジエトキシシラン、スリチルトリメトキシシラン、スリチルトリエトキシシラン、スリチルメチルジメトキシシラン、スリチルメチルジエトキシシラン、γ―アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ―アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ―メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ―メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ―アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ―アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ―メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ―アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ―アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
第1の樹脂層において、樹脂の含有量に特に制限はなく、所望の膜厚や用途により任意に選ぶことができるが、樹脂層中10重量%以上60重量%以下であることが好ましい。
(第1の樹脂層を形成するための組成物)
第1の樹脂層は、少なくとも上記各成分が溶解した溶液を用いて作製することができる。以下、その溶液を「樹脂組成物」という。第1の樹脂層を形成するための樹脂組成物は、感光性樹脂組成物であってもかまわないし、ポジ型又はネガ型のどちらであってもかまわない。
上記感光性樹脂組成物がポジ型の場合、感光性を付与する成分としては、キノンジアジド化合物が好ましい。キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性樹脂との混合物は、露光及びアルカリ現像によってポジ型を形成する。キノンジアジド化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドスルホン酸がエステル結合した化合物が好ましく、該化合物のフェノール性水酸基のオルト位及びパラ位にそれぞれ独立して水素、又は下記一般式(1)で表される置換基を有する化合物が好ましく用いられる。
R1〜R3はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜10の置換若しくは無置換アルキル基、カルボキシル基、フェニル基又は置換フェニル基のいずれかを示す。R1とR2、R1とR3またはR2とR3で環を形成してもかまわない。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基および2−カルボキシエチル基が挙げられる。フェニル基の水素を置換する置換基としては、水酸基が挙げられる。また、R1とR2、R1とR3またはR2とR3で形成される環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、アダマンタン環およびフルオレン環が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる(本州化学工業(株)製)。
ナフトキノンジアジドスルホン酸としては、例えば、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸又は5−ナフトキノンジアジドスルホン酸が挙げられる。4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物はi線(波長365nm)領域に吸収を持つため、i線露光に適している。また、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物は広範囲の波長領域に吸収が存在するため、広範囲の波長での露光に適している。露光波長によって、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物又は5−ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物を適宜選択することが好ましい。4−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物とを、混合して用いてもかまわない。
感光性樹脂組成物がネガ型の場合、感光性を付与する成分としては、多官能モノマー及び光重合開始剤が好ましい。
多官能モノマーとは、分子中に少なくとも2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物をいう。特に限定するわけではないが、パターン加工する際のラジカル重合のしやすさを考えると、アクリル基を有する多官能モノマーが好ましい。
具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレートのようなオリゴマー、あるいはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられる。
光重合開始剤は、光(紫外線、電子線を含む)により分解及び/又は反応し、ラジカルを発生させるものであればどのようなものでもよい。硬化膜の硬度をより高くするためには、α―アミノアルキルフェノン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシムエステル化合物、アミノ基を有するベンゾフェノン化合物又はアミノ基を有する安息香酸エステル化合物が好ましい。これらを2種以上含有してもよい。
α―アミノアルキルフェノン化合物の具体例としては、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパンー1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル化合物の具体例としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等が挙げられる。
アミノ基を有するベンゾフェノン化合物の具体例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、第1の樹脂層を形成するためのネガ型感光性樹脂組成物の樹脂及び多官能モノマーの合計量100重量部に対して0.01重量部以上20重量部以下が好ましく、0.1重量部以上10重量部以下がより好ましい。上記範囲とすることで、ラジカル硬化を十分に進めることができ、かつ残留した光重合開始剤の溶出等を抑制し、耐溶剤性を確保することができる。
第1の樹脂層を形成するための樹脂組成物は、樹脂層の硬化を促進させる、あるいは硬化を容易ならしめる各種の硬化剤を含有してもよい。硬化剤としては、特に限定はなく公知のものが使用できる。具体例としては、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、各種金属アルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート化合物及びその重合体、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体などがあり、これらを2種以上含有してもよい。中でも、硬化剤の安定性、得られた塗布膜の加工性などから、金属キレート化合物、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体が好ましく用いられる。
第1の樹脂層を形成するための樹脂組成物に用いられる溶媒としては、各成分を均一に溶解し、得られる塗布膜の透明性を向上させることができる点で、アルコール性水酸基を有する化合物又はカルボニル基を有する環状化合物が好ましい。また、大気圧下の沸点が110℃以上、250℃以下である溶媒がより好ましい。沸点を110℃以上とすることで、塗膜時に適度に乾燥が進み、塗布ムラのない良好な塗布膜が得られる。一方、沸点を250℃以下とした場合、塗布膜中の残存溶剤量を少なく抑えることができ、熱硬化時の膜収縮をより低減できるため、より良好な平坦性が確保できる。
アルコール性水酸基を有し、大気圧下の沸点が110℃以上、250℃以下である溶媒の具体例としては、アセトール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性の点からはジアセトンアルコールが好ましく、段差被覆性の点からはプロピレングリコールモノt−ブチルエーテルが好ましい。
カルボニル基を有し、大気圧下の沸点が110℃以上、250℃以下である環状化合物の具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、σ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等が挙げられる。これらの中でもγ−ブチロラクトンが好ましい。
また、上記以外のアセテート類、ケトン類、エーテル類などの各種溶媒を含有してもよい。
溶媒の含有量は特に制限はなく、塗布方法などに応じて任意の量を用いることができる。例えば、スピンコートにより塗布膜形成を行う場合には、溶媒量が樹脂組成物全体の50重量%以上、95重量%以下であることが好ましい。
第1の樹脂層を形成するための樹脂組成物は、塗布時のフロー性向上のために、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の各種界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の種類に特に制限はなく、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤等を用いることができる。これらを2種以上用いてもよい。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、“メガファック(登録商標)”F142D、同F172、同F173、同F183、同F445、同F470、同F475、同F477(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、NBX−15、FTX−218、((株)ネオス製)が好ましく用いられる。シリコーン系界面活性剤の市販品はとしては、BYK−301、BYK−331、BYK−333、BYK−345、BYK−307(ビックケミー・ジャパン(株)製)が好ましく用いられる。
第1の樹脂層の形成に用いる樹脂組成物の製造方法としては、例えば、分散機を用いて樹脂溶液中に直接顔料を分散させる方法、又は、分散機を用いて水若しくは有機溶媒中に顔料を分散させて顔料分散液を作製し、その後顔料分散液と樹脂溶液とを混合する方法が挙げられる。顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドグラインダー、3本ロールミル又は高速度衝撃ミルが挙げられるが、分散効率や微分散化の観点から、ビーズミルが好ましい。ビーズミルとしては、例えば、コボールミル、バスケットミル、ピンミル又はダイノーミルが挙げられる。ビーズミルのビーズとしては、例えば、チタニアビーズ、ジルコニアビーズ又はジルコンビーズが好ましい。分散に用いるビーズ径としては、0.01〜5.0mmが好ましく、0.03〜1.0mmがより好ましい。顔料の一次粒子径又は一次粒子が凝集して形成された二次粒子の粒子径が小さい場合には、分散に用いるビーズ径としては、0.03〜0.10mmといった微小な分散ビーズが好ましい。この場合、微小な分散ビーズと分散液とを分離することが可能な、遠心分離方式によるセパレーターを有するビーズミルを用いて分散することが好ましい。一方で、サブミクロン程度の粗大な粒子を含有する顔料を分散させる場合には、十分な粉砕力を得るため、ビーズ径が0.10mm以上の分散ビーズが好ましい。
<第2の樹脂層>
本発明の透明樹脂積層体を構成する、第2の樹脂層はポリイミド樹脂を含有する。
(ポリイミド樹脂)
本発明において第2の樹脂層に含まれるポリイミド樹脂は、特に制限はなく、一般的に、下記一般式(2)で表されるポリイミド樹脂を用いることができる。これは例えば下記一般式(3)で表されるポリイミド前駆体をイミド閉環(イミド化反応)させることで得られる。イミド化反応の方法としては特に限定されず、熱イミド化や化学イミド化が挙げられる。中でも、ポリイミド樹脂膜の耐熱性、可視光領域での透明性の観点から、熱イミド化が好ましい。
一般式(2)および(3)中、R1は4価の有機基、R2は2価の有機基を示す。X1、X2は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の1価の有機基または炭素数1〜10の1価のアルキルシリル基を示す。
ポリアミド酸やポリアミド酸エステル、ポリアミド酸シリルエステルなどのポリイミド前駆体は、ジアミン化合物と酸二無水物又はその誘導体との反応により合成することができる。誘導体としては、該酸二無水物のテトラカルボン酸、そのテトラカルボン酸のモノ、ジ、トリ、又はテトラエステル、酸塩化物などが挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などでエステル化された構造が挙げられる。重合反応の反応方法は、目的のポリイミド前駆体が製造できれば特に制限はなく、公知の反応方法を用いることができる。
具体的な反応方法としては、所定量の全てのジアミン成分および溶剤を反応器に仕込み溶解させた後、所定量の酸二無水物成分を仕込み、室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌する方法などが挙げられる。
ポリイミド前駆体の合成に用いられる酸二無水物とジアミンは既知のものを使用することができる。
酸二無水物としては特に限定されず、芳香族酸二無水物、脂環式酸二無水物、又は脂肪族酸二無水物が挙げられる。
芳香族酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ターフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシフタル酸二無水物、2,3,3’,4’−オキシフタル酸二無水物、2,3,2’,3’−オキシフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンズフラン−5−カルボン酸)1,4−フェニレン−2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンニ無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,6−ジフルオロプロメリット酸二無水物、1−トリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、1,6−ジトリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンニ無水物、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換した酸二無水物化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂環式酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,3,0]ノナン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4,4,0]デカン−2,4,8,10−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[6,3,0,0<2,6>]ウンデカン−3,5,9,11−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−5−カルボキシメチル−2,3,6−トリカルボン酸二無水物、7−オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、オクタヒドロナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、テトラデカヒドロアントラセン−1,2,8,9−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロへキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシジシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボンサン無水物、及び“リカシッド”(登録商標)BT−100(以上、商品名、新日本理化(株)製)及びそれらの誘導体、あるいはこれらの脂環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換した酸二無水物化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族酸二無水物としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物及びそれらの誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの芳香族酸二無水物、脂環式酸二無水物、又は脂肪族酸二無水物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、市販され手に入れやすい観点、反応性の観点の観点から、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンニ無水物、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロへキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。さらに耐熱性、焼成時の着色の観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3,4’,4’−オキシフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンニ無水物、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物を用いることがより好ましい。
ジアミンとしては特に限定されず、芳香族ジアミン化合物、脂環式ジアミン化合物、又は脂肪族ジアミン化合物が挙げられる。ここで焼成とは、180℃以上、500℃以下で加熱する工程をいう。
芳香族ジアミン化合物としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、2,2’3,3’−テトラメチルベンジジン、2,2’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、2,2’3,3’−テトラクロロベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2’−ビス[3−(3−アミノベンズアミド)−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換したジアミン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂環式ジアミン化合物としては、シクロブタンジアミン、イソホロンジアミン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタンビスメチルアミン、トリシクロ[3,3,1,13,7]デカン−1,3−ジアミン、1,2−シクロヘキシルジアミン、1,3−シクロヘキシルジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、trans−1,4−ジアミノシクロへキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,5−ジエチル−3’,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、3,5−ジエチル−3’,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジエチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−(3,5−ジエチル−3’,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシル)プロパン、あるいはこれらの脂環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換したジアミン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族ジアミン化合物としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカンなどのアルキレンジアミン類、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテルなどのエチレングリコールジアミン類、及び1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンなどのシロキサンジアミン類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、又は脂肪族ジアミンは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリイミド樹脂には耐熱性および可視光領域での高透明性が求められるので、透明性を付与するために酸二無水物やジアミン成分に脂環式モノマー成分を用いることが有効である。脂環式モノマーは酸二無水物とジアミン成分の両方に用いても、片方に用いてもよい。さらに、芳香族モノマーと併用してもよい。
ポリイミド樹脂の透明性を維持するために、ポリイミド樹脂としては、下記一般式(4)又は一般式(5)で表される構造単位を主成分とするポリイミド樹脂が好ましい。ここで、主成分とは、一般式(4)又は一般式(5)で表される構造単位を、全構造単位の50モル%以上有することを意味する。
式中、R0は、下記式(6)〜(10)の少なくとも1つの構造単位を有する基である。
一方、有機EL素子基板用のポリイミド樹脂には、耐熱性、低吸水性が求められる。この場合の酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物や3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むことが好ましく、ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチルベンジジンを含むことが好ましい。また、有機EL素子用基板側から光を取り出す場合は透明であること求められるので、その場合は酸二無水物やジアミン成分に嵩高いフッ素置換基を導入することが有効である。この場合の酸二無水物として4、4’−オキシジフタル酸無水物や3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むことが好ましく、ジアミンとしては2,2-ビス[3−(3−アミノベンズアミド)−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパンや2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを含むことが好ましい。
前記ポリイミド、及びポリイミド前駆体は、分子量を好ましい範囲に調整するために末端封止剤により両末端を封止してもよい。酸二無水物と反応する末端封止剤としては、モノアミンや一価のアルコールなどが挙げられる。また、ジアミン化合物と反応する末端封止剤としては、酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物、モノ活性エステル化合物、二炭酸エステル類、ビニルエーテル類などが挙げられる。また、末端封止剤を反応させることにより、末端基として種々の有機基を導入することができる。
酸無水物基末端の封止剤に用いられるモノアミンとしては、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、4−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−8−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−ヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−ヒドロキシナフタレン、1−カルボキシ−8−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−4−アミノナフタレン、1−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−カルボキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−カルボキシナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−4−アミノナフタレン、2−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−カルボキシナフタレン、2−アミノニコチン酸、4−アミノニコチン酸、5−アミノニコチン酸、6−アミノニコチン酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、アメライド、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、5−アミノ−8−メルカプトキノリン、4−アミノ−8−メルカプトキノリン、1−メルカプト−8−アミノナフタレン、1−メルカプト−7−アミノナフタレン、1−メルカプト−6−アミノナフタレン、1−メルカプト−5−アミノナフタレン、1−メルカプト−4−アミノナフタレン、1−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−メルカプト−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−メルカプトナフタレン、2−メルカプト−7−アミノナフタレン、2−メルカプト−6−アミノナフタレン、2−メルカプト−5−アミノナフタレン、2−メルカプト−4−アミノナフタレン、2−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−メルカプトナフタレン、3−アミノ−4,6−ジメルカプトピリミジン、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、2−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、4−エチニルアニリン、2,4−ジエチニルアニリン、2,5−ジエチニルアニリン、2,6−ジエチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、1−エチニル−2−アミノナフタレン、1−エチニル−3−アミノナフタレン、1−エチニル−4−アミノナフタレン、1−エチニル−5−アミノナフタレン、1−エチニル−6−アミノナフタレン、1−エチニル−7−アミノナフタレン、1−エチニル−8−アミノナフタレン、2−エチニル−1−アミノナフタレン、2−エチニル−3−アミノナフタレン、2−エチニル−4−アミノナフタレン、2−エチニル−5−アミノナフタレン、2−エチニル−6−アミノナフタレン、2−エチニル−7−アミノナフタレン、2−エチニル−8−アミノナフタレン、3,5−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,5−ジエチニル−2−アミノナフタレン、3,6−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,6−ジエチニル−2−アミノナフタレン、3,7−ジエチニル−1−アミノナフタレン、3,7−ジエチニル−2−アミノナフタレン、4,8−ジエチニル−1−アミノナフタレン、4,8−ジエチニル−2−アミノナフタレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸無水物基末端の封止剤として用いられる一価のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、1−デカノール、2−デカノール、1−ウンデカノール、2−ウンデカノール、1−ドデカノール、2−ドデカノール、1−トリデカノール、2−トリデカノール、1−テトラデカノール、2−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、2−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、2−ヘキサデカノール、1−へプタデカノール、2−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、2−オクタデカノール、1−ノナデカノール、2−ノナデカノール、1−イコサノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−プロピル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、4−メチル−3−ヘプタノール、6−メチル−2−ヘプタノール、2,4,4−トリメチル−1−ヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、イソノニルアルコール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、2,4−ジメチル−1−ヘプタノール、2−ヘプチルウンデカノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール1−メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロペンタンモノメチロール、ジシクロペンタンモノメチロール、トリシクロデカンモノメチロール、ノルボネオール、テルピネオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アミノ基末端の封止剤として用いられる酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物およびモノ活性エステル化合物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物等の酸無水物、2−カルボキシフェノール、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、2−カルボキシチオフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−8−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−4−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−3−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−8−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−4−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−3−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−2−カルボキシナフタレン、2−カルボキシベンゼンスルホン酸、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸、2−エチニル安息香酸、3−エチニル安息香酸、4−エチニル安息香酸、2,4−ジエチニル安息香酸、2,5−ジエチニル安息香酸、2,6−ジエチニル安息香酸、3,4−ジエチニル安息香酸、3,5−ジエチニル安息香酸、2−エチニル−1−ナフトエ酸、3−エチニル−1−ナフトエ酸、4−エチニル−1−ナフトエ酸、5−エチニル−1−ナフトエ酸、6−エチニル−1−ナフトエ酸、7−エチニル−1−ナフトエ酸、8−エチニル−1−ナフトエ酸、2−エチニル−2−ナフトエ酸、3−エチニル−2−ナフトエ酸、4−エチニル−2−ナフトエ酸、5−エチニル−2−ナフトエ酸、6−エチニル−2−ナフトエ酸、7−エチニル−2−ナフトエ酸、8−エチニル−2−ナフトエ酸等のモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、およびテレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、3−ヒドロキシフタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、1,2−ジカルボキシナフタレン、1,3−ジカルボキシナフタレン、1,4−ジカルボキシナフタレン、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、1,8−ジカルボキシナフタレン、2,3−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン、2,7−ジカルボキシナフタレン等のジカルボン酸類のモノカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物が挙げられる。
アミノ基末端の封止剤として用いられる二炭酸エステル化合物としては、二炭酸ジ−tert−ブチル、二炭酸ジベンジル、二炭酸ジメチル、二炭酸ジエチルが挙げられる。
アミノ基末端の封止剤として用いられるビニルエーテル化合物としては、クロロギ酸−tert−ブチル、クロロギ酸−n−ブチル、クロロギ酸イソブチル、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸アリル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピルなどのクロロギ酸エステル類、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸1−ナフチル、イソシアン酸オクタデシル、イソシアン酸フェニルなどのイソシアナート化合物類、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルなどが挙げられる。
アミノ基末端の封止剤として用いられるその他の化合物としては、クロロギ酸ベンジル、ベンゾイルクロリド、クロロギ酸フルオレニルメチル、クロロギ酸2,2,2−トリクロロエチル、クロロギ酸アリル、メタンスルホン酸クロリド、p−トルエンスルホン酸クロリド、フェニルイソシアネ−トなどが挙げられる。
酸無水物基末端の封止剤の導入割合は、酸二無水物成分に対して、0.1〜60モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜50モル%である。また、アミノ基末端の封止剤の導入割合は、ジアミン成分に対して、0.1〜100モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜90モル%である。複数の末端封止剤を反応させることにより、複数の異なる末端基を導入してもよい。
ポリイミド前駆体樹脂やポリイミド樹脂に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入されたポリマーを酸性溶液に溶解し、ポリマーの構成単位であるアミン成分と酸無水成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出できる。その他に、末端封止剤が導入されたポリマーを直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13C NMRスペクトル測定でも、容易に検出可能である。
また、本発明では、ポリイミド前駆体樹脂やポリイミド樹脂に加えて、他の樹脂を混合してもかまわない。
(熱架橋剤)
第2の樹脂層は、熱架橋剤を含有していてもよい。熱架橋剤としては、エポキシ化合物やアルコキシメチル基またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物が好ましい。これらの基を少なくとも2つ有することで、樹脂および同種分子と縮合反応して架橋構造体が形成され、加熱処理後の硬化膜の機械強度や耐薬品性を向上させることができる。
エポキシ化合物の好ましい例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリメチル(グリシジロキシプロピル)、シロキサン等のエポキシ基含有シリコーンなどを挙げることができるが、本発明は何らこれらに限定されない。具体的には、エピクロン850−S,エピクロンHP−4032、エピクロンHP−7200、エピクロンHP−820、エピクロンHP−4700、エピクロンEXA−4710、エピクロンHP−4770、エピクロンEXA−859CRP、エピクロンEXA−1514,エピクロンEXA−4880,エピクロンEXA−4850−150、エピクロンEXA−4850−1000、エピクロンEXA−4816、エピクロンEXA−4822(以上商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、リカレジンBEO−60E、リカレジンBPO−20E、リカレジンHBE−100、リカレジンDME−100(以上商品名、新日本理化(株)製)、EP−4003S、EP−4000S(以上商品名、(株)アデカ製)、PG−100、CG−500、EG−200(以上商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、NC−3000、NC−6000(以上商品名、日本化薬(株)製)、EPOX−MK R508、EPOX−MK R540、EPOX−MK R710、EPOX−MK R1710、VG3101L、VG3101M80(以上商品名、(株)プリンテック製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085(以上商品名、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられる。
アルコキシメチル基またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物としては、例えば、DML−PC、DML−PEP、DML−OC、DML−OEP、DML−34X、DML−PTBP、DML−PCHP、DML−OCHP、DML−PFP、DML−PSBP、DML−POP、DML−MBOC、DML−MBPC、DML−MTrisPC、DML−BisOC−Z、DML−BisOCHP−Z、DML−BPC、DML−BisOC−P、DMOM−PC、DMOM−PTBP、DMOM−MBPC、TriML−P、TriML−35XL、TML−HQ、TML−BP、TML−pp−BPF、TML−BPE、TML−BPA、TML−BPAF、TML−BPAP、TMOM−BP、TMOM−BPE、TMOM−BPA、TMOM−BPAF、TMOM−BPAP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、NIKALAC(登録商標) MX−290、NIKALAC MX−280、NIKALAC MX−270、NIKALAC MX−279、NIKALAC MW−100LM、NIKALAC MX−750LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
熱架橋剤は、樹脂100重量部に対し、0.01〜50重量部含有することが好ましい。
(無機フィラー)
第2の樹脂層は、無機フィラーを含有していてもよい。無機フィラーとしては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、ジルコニア微粒子などが挙げられる。
無機フィラーの形状は特に限定されず、球状、楕円形状、偏平状、ロッド状、繊維状などが挙げられる。
含有させた無機フィラーは光の散乱を防ぐため粒径が小さいことが好ましい。平均粒径は0.5〜100nmであり、0.5〜30nmの範囲が好ましい。
無機フィラーの含有量は、樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部である。
(第2の樹脂層を形成するための樹脂組成物)
第2の樹脂層は、ポリイミド前駆体および上記成分のうち必要なものが溶解した溶液を用いて作製することができる。この樹脂組成物に用いられる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ガンマブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性の非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などを単独、または2種以上使用することができる。
溶剤の含有量は、ポリイミド前駆体100重量部に対して、好ましくは50重量部以上、より好ましくは100重量部以上であり、好ましくは2,000重量部以下、より好ましくは1,500重量部以下である。50〜2,000重量部の範囲であれば、塗布に適した粘度となり、塗布後の厚さを容易に調節することができる。
前記ポリイミド前駆体、及びポリイミド樹脂溶液は、界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、フロラード(商品名、住友3M(株)製)、スルフロン(商品名、旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。また、KP341(商品名、信越化学工業(株)製)、DBE(商品名、チッソ(株)製)、ポリフロー、グラノール(商品名、共栄社化学(株)製)、BYK(ビック・ケミー(株)製)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。さらに、ポリフロー(商品名、共栄社化学(株)製)等のアクリル重合物界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、ポリイミド前駆体樹脂組成物100重量部に対し、0.01〜10重量部含有することが好ましい。
前記樹脂ワニスに無機フィラーを含有させる方法としては、種々公知の方法を用いることができる。例えば、オルガノ無機フィラーゾルを樹脂ワニスと混合させることが挙げられる。オルガノ無機フィラーゾルは、有機溶剤に無機フィラーを30重量%程度の割合で分散させたもので、有機溶剤としては、メタノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、エチレングリコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ガンマブチルラクトンなどが挙げられる。
無機フィラーのポリイミド前駆体樹脂、及びポリイミド樹脂に対する分散性を向上させるために、オルガノ無機フィラーゾルをシランカップリング剤で処理してもよい。
エポキシ基を有するものとしては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アミノ基を有するものとしては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
オルガノ無機フィラーゾルのシランカップリング剤による処理方法としては、種々公知の方法を用いることができる。例えば、濃度を調整したオルガノ無機フィラーゾルにシランカップリング剤を添加し、室温〜80℃で0.5〜2時間、撹拌することにより処理することができる。
<樹脂積層体の用途>
本発明の樹脂積層体は、その片側に有機EL素子を備えた有機EL素子基板や、その片側にブラックマトリクス及び着色画素を備えたカラーフィルター基板として利用できる。これらは、それぞれ有機EL素子やブラックマトリクス及び着色画素が備えられた側とは反対側に支持基板を備えていてもよい。有機EL素子やブラックマトリクス及び着色画素が備えられる側は、樹脂積層体のうち第1の樹脂層側であることが好ましい。
また本発明の樹脂積層体は、フレキシブル表示デバイス、フレキシブル受光デバイスなどのフレキシブルデバイスにおけるフレキシブル基板として利用できる。例えば、ガラスなどの支持基板上に本発明の樹脂積層体を作製し、第1の樹脂層側の面に有機EL素子を備えたフレキシブル有機EL素子基板、同様にしてカラーフィルターを備えたフレキシブルカラーフィルター等に利用できる。
<樹脂積層体の製造方法>
また、本発明の樹脂積層体は少なくとも下記(1)〜(3)の工程を含む製造方法で作製することができる。
(1)支持基板上にポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物を塗布して塗布膜X1を得る工程。
(2)前記塗布膜X1またはその焼成膜上に、樹脂組成物を塗布して塗布膜Y1を得る工程。
(3)前記塗布膜X1と、前記塗布膜Y1とをそれぞれ焼成して、樹脂積層体を得る工程。
(1)の工程において、まず、ポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物を支持基板上に塗布する。樹脂組成物には、界面活性剤、熱架橋剤、無機フィラー等が含まれていてもよい。支持基板としては特に規定はないが、支持基板の例としては無アルカリガラス、シリコンウエハー、セラミックス類、ガリウムヒ素、ソーダ石灰硝子などを用いることができる。
塗布方法は、例えば、スリットコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法などの方法があり、これらの手法を組み合わせて塗布してもかまわない。
次に、乾燥によって前記樹脂組成物中の溶剤を除去する。乾燥はホットプレート、オーブン、赤外線、真空チャンバーなどを使用する。ホットプレートを用いる場合、プレート上に直接、もしくは、プレート上に設置したプロキシピン等の治具上に被加熱体を保持して加熱する。プロキシピンの材質としては、アルミニウムやステレンレス等の金属材料、あるいはポリイミド樹脂や“テフロン”(登録商標)等の合成樹脂があり、いずれの材質のプロキシピンを用いてもかまわない。プロキシピンの高さは、基板のサイズ、被加熱体である樹脂層の種類、加熱の目的等により様々であるが、例えば300mm×350mm×0.7mmのガラス基板上に塗布した樹脂層を加熱する場合、プロキシピンの高さは2〜12mm程度が好ましい。
中でも、真空チャンバーを用いて真空乾燥させることが好ましく、真空乾燥後にさらに乾燥のための加熱を行ったり、真空乾燥しながら乾燥のための加熱を行ったりすることがさらに好ましい。これにより、乾燥処理時間の短縮が可能となり、さらに、均一な塗布膜を得ることができる。乾燥のための加熱の温度は被加熱体の種類や目的により様々であり、室温から170℃の範囲で1分から数時間行うことが好ましい。室温とは通常20〜30℃であるが好ましくは25℃である。さらに、乾燥工程は同一の条件、又は異なる条件で複数回行ってもよい。こうして塗布膜X1が得られる。
次に(2)の工程において、第1の樹脂層の形成に用いる樹脂組成物を、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティング等の公知の方法によって、塗布膜X1上に塗布し、ホットプレート、オーブン等の過熱装置でプリベークする。プリベークは、50℃以上、150℃以下の温度範囲で30秒以上、30分間以下で行い、プリベーク後の膜厚は、0.1μm以上、15μm以下とすることが好ましい。また、均一な樹脂膜を得るために、上記と同様にして、プリベーク前に乾燥を行うことが好ましい。こうして塗布膜Y1が得られる。
その後、(3)の工程において、塗布膜X1と塗布膜Y1をホットプレート、オーブン等の加熱装置で150℃以上、450℃以下の範囲で20分間以上、1時間以下程度加熱する。熱硬化工程の雰囲気は特に限定されず、空気でも窒素やアルゴン等の不活性ガスでもよい。ただし、酸素濃度が高い雰囲気で加熱すると、酸化劣化により樹脂層が脆くなるなど、機械特性が低下する。このような、機械特性の低下を抑制するためには、酸素濃度が5%以下の雰囲気で加熱して熱硬化を行うことが好ましい。一方で、ppmオーダーでの酸素濃度管理は、製造現場では困難であることが多い。本発明の樹脂積層体は、過熱硬化時の酸素濃度が5%以下であればより高い機械特性を保つことができるため好ましい。
なお、(3)の工程は以下のように塗布膜X1と塗布膜Y1を別々に焼成する工程でもかまわない。まず、(1)の工程により塗布膜X1が得られた後、(3)の工程として180℃以上500℃以下の範囲で塗布膜X1を焼成する。その上に、(2)の工程により塗布膜Y1を形成し、(3)の工程として焼成する。ただし、塗布膜X1と塗布膜Y1とを、2層一括で加工及び/又は焼成すると、工程数が少ないためコスト面から好ましい。
なお、第1の樹脂層の形成に用いる樹脂組成物が感光性樹脂組成物であって、塗布膜Y1の形成後にパターニングを施す場合は、以下の工程を追加することができる。ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)等の露光機を用いて、10mJ/m2以上1000mJ以下/m2以下(波長365nm露光量変換)、の光を所望のマスクを介してあるいは介さずに照射する。光源に制限はなく、i線、g線、h線等の紫外線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザー等を用いることができる。
次に、現像により未露光部を溶解させ、パターンを形成することができる。現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドル等の方法で現像液に5秒間以上、10分間以内で浸漬することが好ましい。
現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体例としてはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、等の無機アルカリ、2−ジメチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリン等の4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含有する水溶液等が挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50℃以上、150℃以下の範囲で乾燥ベークを行うこともできる。
<有機EL素子>
本発明の樹脂積層体を利用した有機EL素子は、前記(1)〜(3)の工程に加え、更に下記の工程を経て製造することができる。
(4)前記樹脂積層体上に、有機EL素子を形成する工程。
(5)支持基板から前記樹脂積層体を剥離する工程。
有機EL素子の形成は、例えば以下のように行うことができる。まず、樹脂積層体の第1の樹脂層の上に水蒸気や酸素などのガスの透過を抑制するためのガスバリア膜を形成する。好ましいガスバリア膜としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、イットリウム、およびタンタルからなる群から選ばれる1種または2種以上の金属を主成分とする金属酸化物、ケイ素、アルミニウム、ホウ素の金属窒化物またはこれらの混合物を挙げることができる。中でも、ガスバリア性、透明性、表面平滑性、屈曲性、膜応力、コスト等の点からケイ素の酸化物、窒化物、または酸窒化物を主成分とすることが好ましい。
これらガスバリア膜は例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等の気相中より材料を堆積させて膜を形成する気相堆積法により作製することができる。中でも、特に優れたガスバリア性が得られるという観点から、スパッタリング法が好ましい。
また、ガスバリア膜の厚さは10〜300nmであることが好ましく、30〜200nmであることがさらに好ましい。高いガスバリア性を得るためには、ガスバリア膜の製膜温度は高い方が好ましく、300℃以上が好ましく、より好ましくは400℃以上、さらに好ましくは500℃以上が好ましい。
ガスバリア膜の上にTFTを形成する。TFTを形成するための半導体層としては、アモルファスシリコン半導体、多結晶シリコン半導体、InGaZnOに代表される酸化物半導体、ペンタセンやポリチオフェンに代表される有機物半導体が挙げられる。例えば、本発明のポリイミド樹脂積層体を基材として、ガスバリア膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜、多結晶シリコン半導体層、エッチングストッパ膜、ソース・ドレイン電極を公知の方法によって順次形成してボトムゲート型TFTを作製する。
次に、TFT上に平坦化層を備える。平坦化層の形成に使用する樹脂の例としては、エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂又はポリイミド樹脂が挙げられる。さらに、Al/ITOなどからなる第一電極、第一電極の端部を被覆する絶縁膜を有し、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層からなる白色有機EL発光層を設け、ITOなどからなる第二電極を形成し、封止膜を形成する。前記の工程を経て作製した後、支持基板から樹脂積層体を剥離することによってフレキシブル有機EL素子基板を得ることができる。
支持基板から樹脂積層体を剥離する工程では、樹脂積層体に切り込みを入れて剥離することが好ましい。具体的な方法としては、例えば形成膜上の周囲に切り込みを入れて物理的に引っ張って剥離する方法、基板側からレーザー光を照射して形成膜上の周囲に切り込みを入れて剥離する方法、基板側から膜全面にレーザー光を照射して剥離する方法などが挙げられる。中でも装置や設備の観点で安価に剥離することが可能である、物理的に切り込みを入れる剥離方法が好ましい。ここで言う形成膜上の周囲についての規定範囲は特になく、切り込みを入れる場所によって樹脂積層体の剥離性に影響を与えるものではない。
本発明の透明樹脂積層体のうち、可視光領域で高透過率を有するものは、カラーフィルター基材に好適に使用することができる。すなわち、本発明の透明樹脂積層体上にブラックマトリックスおよび着色画素を備えたカラーフィルターを得ることができる。
<カラーフィルター>
本発明の樹脂積層体を利用したカラーフィルターは、前記(1)〜(3)の工程に加え、更に下記の工程を経て製造することができる。
(4)前記樹脂積層体上に、ブラックマトリックスを形成する工程。
(5)前記樹脂積層体上に、着色画素を形成する工程。
(6)支持基板から前記樹脂積層体を剥離する工程。
ブラックマトリックスは、黒色顔料を樹脂に分散した樹脂ブラックマトリックスであることが好ましい。黒色顔料の例としては、カーボンブラック、樹脂被覆カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック、又は、グラファイト、チタン、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、亜鉛、カルシウム若しくは銀等の金属微粒子、金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属窒化物又は金属炭化物が挙げられる。特に、酸化チタンが窒素還元された酸窒化チタン、すなわちチタンブラック、窒化チタン、炭化チタン又はカーボンブラックが好適である。
樹脂ブラックマトリックスに使用される樹脂としては、細いパターンが形成し易いため、ポリイミド樹脂が好ましい。ポリイミド樹脂は、酸無水物とジアミンとから合成されたポリアミック酸を、パターン加工後に熱硬化してポリイミド樹脂とすることが好ましい。
酸無水物、ジアミンおよび溶剤の例としては、前述のポリイミド樹脂で挙げたものを用いることができる。
樹脂ブラックマトリックスに使用される樹脂としては、感光性アクリル樹脂も好ましい。感光性樹脂を用いた樹脂ブラックマトリックスは、黒色顔料分散した、アルカリ可溶性のアクリル樹脂、光重合性モノマーおよび高分子分散剤および添加剤を含むことが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の例としては、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物との共重合体が挙げられる。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸又は酸無水物が挙げられる。
光重合性モノマーの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン又は2−クロロチオキサントンが挙げられる。
感光性アクリル樹脂を溶解するための溶媒の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、メトキシブチルアセテート又は3−メチル−3−メトキシブチルアセテートが挙げられる。
前記樹脂積層体の上に、黒色顔料を分散したポリアミック酸からなる樹脂ブラックマトリックス用黒色樹脂組成物をスピンコーター又はダイコーター等の方法でキュア後の膜厚が1μmになるように塗布し、60Pa以下まで減圧乾燥した後に、110〜140℃の熱風オーブン又はホットプレートでセミキュアを行う。
ポジ型レジストをスピンコーター又はダイコーター等の方法で、プリベーク後の膜厚が1.2μmになるように塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、80〜110℃の熱風オーブン又はホットプレートでプリベークを行い、レジスト膜を形成する。その後、プロキシミティ露光機又はプロジェクション露光機等により、フォトマスクを介して紫外線により選択的に露光を行った後、1.5〜3重量%の水酸化カリウム又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ現像液に20〜300秒浸漬することにより露光部を除去する。剥離液を用いてポジレジストを剥離後、200〜300℃の熱風オーブン又はホットプレートで10〜60分加熱することで、ポリアミック酸をポリイミドに転換させることで、前記樹脂積層体に黒色顔料を分散した樹脂ブラックマトリックスを形成する。なお、感光性樹脂で形成する場合は、ポジ型レジストを塗布することなく露光、現像を行うことができる。また、ポリイミド樹脂上に感光性樹脂を塗布して、続いて露光、現像することにより、2層一括加工することで、積層された樹脂ブラックマトリックスを形成してもよい。
樹脂ブラックマトリックスを形成した後に、着色画素を形成する。着色画素は、一般的には、赤、緑、青の3色の着色画素からなる。また3色の着色画素に加えて、無色透明または、ごく薄く薄着した第4色の画素を形成することで、表示装置の白色表示の明るさを向上させることもできる。
カラーフィルターの着色画素は、着色剤として顔料または染料を含む樹脂が用いられる。
赤の着色画素に使用する顔料の例としては、ピグメントレッド(PR)254、PR149、PR166、PR177、PR209、ピグメントイエロー(PY)138、PY150又はPYP139が挙げられ、緑の着色画素に使用する顔料の例としては、ピグメントグリーン(PG)7、PG36、PG58、PG37、ピグメントブルー(PB)16、PY129、PY138、PY139、PY150又はPY185が挙げられ、青の着色画素に使用する顔料の例としては、PB15:6又はピグメントバイオレット(PV)23が挙げられる。
青色染料の例としては、C.I.ベイシックブルー(BB)5、BB7、BB9又はBB26が挙げられ、赤色染料の例としては、C.I.アシッドレッド(AR)51、AR87又はAR289が挙げられる。
赤緑青の着色画素に使用する樹脂の例としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂又はポリイミド系樹脂が挙げられるが、カラーフィルターの製造コストを安くできるため、感光性アクリル系樹脂が好ましい。感光性アクリル系樹脂は、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマーおよび光重合開始剤を含有することが一般的である。
アルカリ可溶性樹脂の例としては、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物との共重合体が挙げられる。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸又は酸無水物が挙げられる。
光重合性モノマーの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン又は2−クロロチオキサントンが挙げられる。
感光性アクリル系樹脂を溶解するための溶媒の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、メトキシブチルアセテート又は3−メチル−3−メトキシブチルアセテートが挙げられる。
カラーフィルターの着色画素は、着色剤と樹脂とを用いて作製する。着色剤として顔料を使用する場合には、顔料に高分子分散剤および溶媒を混合して分散処理を行った後、アルカリ可溶性樹脂、モノマーおよび光重合開始剤等を添加して作製する。一方、着色剤として染料を使用する場合には、染料に溶媒、アルカリ可溶性樹脂、モノマーおよび光重合性開始剤等を添加して作製する。この場合の全固形分は、樹脂成分である高分子分散剤、アルカリ可溶性樹脂およびモノマーと、着色剤との合計である。
得られた着色剤組成物を、樹脂ブラックマトリックスが形成された透明基板上に、スピンコーター又はダイコーター等の方法で加熱処理後の膜厚が0.8〜3.0μmの目的の膜厚になるように塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、80〜110℃の熱風オーブン又はホットプレートでプリベークを行い、着色剤の塗膜を形成する。
次に、プロキシミティ露光機又はプロジェクション露光機等によりフォトマスクを介して、紫外線等により選択的に露光を行う。その後、0.02〜1重量%の水酸化カリウム又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ現像液に20〜300秒浸漬することにより未露光部を除去する。得られた塗膜パターンを180〜250℃の熱風オーブン又はホットプレートで5〜40分加熱処理することで、着色画素を形成する。着色画素の色毎に作製した着色剤組成物を使用して、上記のようなパターニング工程を赤の着色画素、緑の着色画素および青の着色画素について順次行う。
前記樹脂積層体とブラックマトリックス/着色画素層の間に、前述したガスバリア膜を形成してもよい。
さらに、前記カラーフィルターに平坦化層を設けてもよい。平坦化層の形成に使用する樹脂の例としては、エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂又はポリイミド樹脂が挙げられる。平坦化層の膜厚としては、表面が平坦になる膜厚が好ましく、0.5〜5.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmがさらに好ましい。
前記カラーフィルターの剥離方法は前述したように、樹脂積層体の周囲に切り込みを入れて剥離することが好ましい。
上記の工程を経て前記樹脂積層体を利用したカラーフィルターを製造することができる。なお、着色画素のパターンニングの順序は特に限定されない。
<デバイス>
本発明の樹脂積層体は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパーといった表示デバイス、カラーフィルター、タッチパネル、太陽電池、CMOSなどの受光デバイス等に使用することができる。特にこれらの表示デバイスや受光デバイスを、折り曲げ可能なフレキシブルデバイスとして活用する上で、本発明の樹脂積層体が好ましく用いられる。
フレキシブルデバイスの製造工程の一例としては、基板上に形成した樹脂膜の上に、表示デバイスや受光デバイスに必要な回路を形成し、前述のように切り込みを入れて物理的に剥がして樹脂積層体を基板から剥離することが挙げられる。
中でも本発明の樹脂積層体上にフレキシブル有機ELを備えたものを好適に用いることができる。
本発明において作製されたカラーフィルターおよび有機EL素子は、フレキシブルな樹脂積層体を基材とすることから、フレキシブルカラーフィルター、フレキシブル有機EL素子とすることができる。そして、これらのフレキシブルカラーフィルター、フレキシブル有機EL素子を用いてフレキシブル有機ELディスプレイを作製することができる。例えば、本発明のフレキシブル基板を利用したカラーフィルターに発光デバイスを貼り合わせることにより、フルカラー表示のフレキシブル表示デバイスを得ることができる。特に、本発明のフレキシブル基板を利用した有機EL素子とカラーフィルターを組み合わせたフレキシブル有機ELディスプレイが好ましい。
以下実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(1)色度の測定
無アルカリガラス(ガラス厚み0.7mm)上に形成された第1の樹脂層、又は第2の樹脂層の、XYZ表色系色度図における透過色度座標を大塚電子(株)製、顕微分光光度計“MCPD−2000”を用いて測定した。
また、ポリイミド樹脂を含有する第2の層側に無アルカリガラス(ガラス厚み0.7mm)を備えた樹脂積層体基板を作製した。樹脂積層体基板のC光源(L*a*b*)色空間を、大塚電子(株)製、顕微分光光度計“MCPD−2000”を用いて測定し、以下のように透過色調を判定した。
A(非常に良好:◎):a*、b*の値が、0≦|a*|≦0.5かつ0≦|b*|≦0.5
B(良好:○):a*、b*の値が、0≦|a*|≦1.0かつ0.5<|b*|≦1.0、又は0.5<|a*|≦1.0かつ0≦|b*|≦1.0
C(可:△):a*、b*の値が、0≦|a*|≦1.5かつ1.0<|b*|≦1.5、又は1.0<|a*|≦1.5かつ0≦|b*|≦1.5
D(不良:×):a*、b*の値が、|a*|>1.5又は|b*|>1.5。
(2)光透過率(T)の測定
紫外可視分光光度計((株)島津製作所製 MultiSpec1500)を用いて、透明樹脂積層体基板の400nmにおける光透過率を測定した。
(3)耐熱性試験
樹脂積層体を、オーブンを用いて、大気中300℃で10分間加熱させた後、大塚電子(株)製“MCPD−2000”を用いて、C光源(L*a*b*)色空間を測定し、(1)で測定された値からの変化量から以下のように耐熱性を判定した。
A(非常に良好:◎):a*、b*の値が、0≦|a*|≦0.5かつ0≦|b*|≦0.5
B(良好:○):a*、b*の値が、0≦|a*|≦1.0かつ0.5<|b*|≦1.0、又は0.5<|a*|≦1.0かつ0≦|b*|≦1.0
C(可:△):a*、b*の値が、0≦|a*|≦1.5かつ1.0<|b*|≦1.5、又は1.0<|a*|≦1.5かつ0≦|b*|≦1.5
D(不良:×):a*、b*の値が、|a*|>1.5又は|b*|>1.5。
(フレキシブル有機ELディスプレイの視認性評価)
フレキシブル有機ELディスプレイを白色表示したときの色目を目視で観察し、視認性を以下のように判定した。
A(○):白色に見える
B(△):やや着色しているように見えるが、気にならない程度の白色に見える
C(×):明らかに着色しており、白色とは言えない。
(合成例1:シロキサン樹脂溶液(a1)の合成)
メチルトリメトキシシラン13.62g(0.1モル)、フェニルトリメトキシシラン118.98g(0.6モル)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸39.39g(0.15モル)、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン35.16g、ダイアセトンアルコール(DAA)140.87gを500mLの三口フラスコに仕込み、室温で攪拌しながら水59.4gにリン酸0.106g(仕込みモノマーに対して0.05重量%)を溶かしたリン酸水溶液を30分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから45分過熱攪拌した(内温は100℃以上、110℃以下)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計89g留出した。得られたポリシロキサンのダイアセトンアルコール溶液が、ポリマー濃度が40重量%となるようにダイアセトンアルコールを加えてシロキサン樹脂溶液(a1)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量は7500であった。
(合成例2) シロキサン樹脂溶液(a2)の合成
メチルトリメトキシシラン40.86g(0.3mol)、フェニルトリメトキシシラン99.15g(0.50mol)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン49.28g(0.20mol)及びDAA189.29gを500mLのフラスコに仕込み、40℃のオイルバスに漬けて撹拌しながら、水54.0g(加水分解に必要な理論量)にリン酸0.39g(仕込みモノマーに対して0.2重量部)を溶かしたリン酸水溶液を滴下ロートで10分かけて添加した。40℃で1時間撹拌した後、オイルバス温度を70℃に設定して1時間撹拌し、さらにオイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計120g留出した。得られたポリシロキサンのDAA溶液に、ポリマー濃度が40wt%となるようにDAAを加え、シロキサン樹脂溶液(a2)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量は4500であった。
(合成例3:アクリル樹脂溶液(a3)の合成)
500mLのフラスコに2,2‘−アゾビス(イソブチロニトリル)を3g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートを50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を30g、スチレンを22,48g、シクロヘキシルメタクリレートを25.13g仕込み、室温でしばらく攪拌し、フラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間過熱攪拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを15g、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを100g添加し、90℃で4時間過熱攪拌した。得られたアクリル樹脂溶液は、固形分濃度が40重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルアセテートを加えて、アクリル樹脂溶液(a3)を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は13500、酸価は100mgKOH/gであった。
(合成例4:ポリイミド前駆体溶液(I)の合成)
乾燥窒素気流下、200mL4つ口フラスコに3,3’,4,4’−オキシフタル酸二無水物16.6478g(53.7mmol)、trans−1,4−ジアミノシクロへキサン6.1375g(53.7mmol)、N−メチル−2−ピロリドン100gを入れて65℃で加熱撹拌した。6時間後、冷却してポリイミド前駆体溶液(I)を得た。
(合成例5:ポリイミド前駆体溶液(II)の合成)
trans−1,4−ジアミノシクロヘキサンを、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン17.2055g(53.7mmol)に代えること以外は、合成例4と同様にして、ポリイミド前駆体溶液(II)を得た。
(合成例6:ポリイミド前駆体溶液(III)の合成)
3,3’,4,4’−オキシフタル酸二無水物を、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物12.0288g(53.7mmol)に代えること以外は、合成例5と同様にして、ポリイミド前駆体溶液(III)を得た。
(合成例7:ポリイミド前駆体溶液(IV)の合成)
3,3’,4,4’−オキシフタル酸二無水物を、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸15.8137g(53.7mmol)に代えること以外は、合成例4と同様にして、ポリイミド前駆体溶液(IV)を得た。
(合成例8;ポリイミド前駆体溶液(V)の合成)
4,4’−ジアミノフェニルエーテル(0.30モル当量)、パラフェニレンジアミン(0.65モル当量)およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(0.05モル当量)を、850gのγ−ブチロラクトンおよび850gのN−メチル−2−ピロリドンと共に仕込み、3,3’,4,4’−オキシジフタルカルボン酸二無水物(0.9975モル当量)を添加し、80℃で3時間反応させた。無水マレイン酸(0.02モル当量)を添加し、更に80℃で1時間反応させ、ポリイミド前駆体溶液(V)(樹脂の濃度20重量%)を得た。
(調製例1)
PB15:6 100g、分散剤としてbic chemie社“BYK2001”40g及びプロピレングリコールモノメチルアセテート860gを、直径0.3mmのジルコニアビーズ1000gとともにホモジナイザーを用いて、7000rpmで30分間分散処理後、ジルコニアビーズを濾過により除去し、顔料分散液(d1)を得た。
(調製例2)
PB15:6をPV23に代えること以外は、顔料分散液(d1)の作製と同様にして、顔料分散液(d2)を得た。
(調製例3)
PB15:6 100gを、PB15:6 65g及びPV23 35gに代えること以外は、顔料分散液(d1)の作製と同様にして、顔料分散液(d3)を得た。
(調製例4)
PV23をAR289に代えること以外は、顔料分散液(d3)の作製と同様にして、顔料分散液(d4)を得た。
(調製例5;ブラックマトリックスを形成するための黒色樹脂組成物の作製)
合成例7のポリイミド前駆体溶液(V)250gに、50gのカーボンブラック(MA100;三菱化学(株)製)および200gのN−メチル−2−ピロリドンを混合し、ダイノーミルKDL−Aを用いて、直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、3200rpmで3時間の分散処理を行い、黒色樹脂分散液を得た。
この黒色分散液を50gに、49.9gのN−メチル−2−ピロリドンおよび0.1gの界面活性剤(LC951;楠本化学(株)製)を添加して、非感光性の黒色樹脂組成物を得た。
(調製例6:感光性カラーレジストの作製)
ピグメントレッドPR177、8.05gを3−メチル−3−メトキシブタノール50gとともに仕込み、ホモジナイザーを用い、7000rpmで5時間分散後、ガラスビーズを濾過し、除去した。アクリル共重合体溶液(ダイセル化学工業(株)製“サイクロマー”P、ACA−250、43wt%溶液)70.00g、多官能モノマーとしてペンタエリスリトールテトラメタクリレート30.00g、光重合開始剤として“イルガキュア”369、15.00gにシクロペンタノン260.00gを加えた濃度20重量%の感光性アクリル樹脂溶液(AC)134.75gを加え、感光性赤レジストを得た。同様にして、ピグメントグリーンPG38とピグメントイエローPY138からなる感光性緑レジスト、ピグメントブルーPB15:6からなる感光性青レジストを得た。
(実施例1)
[1]着色樹脂組成物の調製
黄色灯下にて、シロキサン樹脂溶液(a1)25.0g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10.0g、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o―ベンゾイルオキシム)]1.0g、BYK−333(ビックケミー・ジャパン(株)製)0.02g、プロピレングリコールモノメチルアセテート33.0g、ジアセトンアルコール31.0g、顔料分散液(d1)0.10gを混合し、攪拌した。続いて、0.45μmのフィルターで濾過を行い、着色樹脂組成物(A1)を得た。
[2]樹脂積層体の作製
50mm×70mm×0.7mm厚の無アルカリガラス上に、スピンコーターを用いて調製例1のポリイミド前駆体溶液(I)を、キュア後の膜厚が10μmになるように塗布した。その後140℃のホットプレートで4分間セミキュアを行い、塗布膜を得た。
次に、着色樹脂組成物(A1)を、キュア後の膜厚が0.2μmになるようにスピンコーターで塗布し、90℃で10分間プリベークを行った。この塗布膜にマスクアライナーPEM−6M(ユニオン光学(株)製)を用いて、紫外線を200mJ/cm2の露光量で露光した。続いて、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)300℃に加熱したイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製 INH−21CD)で30分間キュアした。この過程でポリイミド前駆体溶液(I)の塗布膜に含まれるポリイミド前駆体はイミド化された。こうして、膜厚10μmのポリイミド樹脂を含有する第2の樹脂層(P1)および膜厚0.2μmのシロキサン樹脂を含有する第1の樹脂層(A1)からなる膜厚10.2μmの樹脂積層体を得た。
また、上記塗布膜に着色樹脂組成物(A1)を塗布せずに、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)300℃に加熱したイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製 INH−21CD)で30分間キュアし、膜厚10μmのポリイミド樹脂を含有する樹脂膜を得た。
さらに、50mm×70mm×0.7mm厚の無アルカリガラス上に、スピンコーターを用いて着色樹脂組成物(A1)を、キュア後の膜厚が0.2μmになるように塗布し、90℃で10分間プリベークを行った。この塗布膜にマスクアライナーPEM−6M(ユニオン光学(株)製)を用いて、紫外線を200mJ/cm2の露光量で露光した。続いて、窒素気流下(酸素濃度20ppm以下)300℃に加熱したイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製 INH−21CD)で30分間キュアし、膜厚0.2μmのシロキサン樹脂を含有する樹脂膜を得た。
得られた樹脂積層体および各樹脂膜について、上記の方法で色度測定、光透過率測定を行い、樹脂積層体についてはさらに耐熱性試験を行った。
[3]樹脂ブラックマトリクスの作製
上記で作製した樹脂積層体に調製例5で作製した黒色樹脂組成物をスピン塗布し、ホットプレートで130℃、10分間乾燥し、黒色の樹脂塗膜を形成した。ポジ型フォトレジスト(シプレー社製、“SRC−100”)をスピン塗布、ホットプレートで120℃、5分間プリベークし、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2紫外線照射してマスク露光した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、フォトレジストの現像と黒色の樹脂塗膜のエッチングを同時に行い、パターンを形成、メチルセロソルブアセテートでレジスト剥離し、ホットプレートで280℃、10分間加熱させることでイミド化させ、ポリイミド樹脂にカーボンブラックを分散した樹脂ブラックマトリクス4を形成した。ブラックマトリクスの厚さを測定したところ、1.4μmであった。
[4]着色層の作製
[3]で得られた、ブラックマトリクスがパターン加工された樹脂積層体に、熱処理後のブラックマトリクス開口部での膜厚が2.0μmになるようにスピナーの回転数を調整し、調製例6で調整した感光性赤レジストを樹脂積層体上に塗布、ホットプレートで100℃、10分間プリベークすることにより、赤色着色層を得た。次に、キャノン(株)製、紫外線露光機“PLA−5011”を用い、ブラックマトリクス開口部とブラックマトリクス上の一部の領域についてアイランド状に光が透過するクロム製フォトマスクを介して、100mJ/cm2(365nmの紫外線強度)で露光した。露光後に0.2%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる現像液に浸漬を行い現像し、続いて純水洗浄後、230℃のオーブンで30分間加熱処理し、赤画素5Rを作製した。同様にして、調製例6で調整した感光性緑レジストからなる緑画素5G、感光性青レジストからなる青画素5Bを作製し、ガラス基板上に作製されたカラーフィルターを(図1)得た。
[5]TFT基板の作製
図2を参照する。上記[3]の方法で作製した樹脂積層体の第1の樹脂層3上に、プラズマCVD法を用いてSiOから成る無機ガスバリア膜13を製膜した。その後、ボトムゲート型のTFT12を形成し、このTFTを覆う状態でSi3N4から成る絶縁膜(図示せず)を形成した。次に、この絶縁膜に、コンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFTに接続される配線(高さ1.0μm、図示せず)を絶縁膜上に形成した。この配線は、TFT間または、後の工程で形成される有機EL素子とTFTとを接続するためのものである。
さらに、配線の形成による凹凸を平坦化するために、配線による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜上へ平坦化層6を形成した。平坦化層の形成は、感光性ポリイミドワニスを基板上にスピンコートし、ホットプレート上でプリベーク(120℃×3分間)した後、所望のパターンのマスクを介して露光、現像し、空気フロー下において230℃で60分間加熱処理することにより行った。ワニスを塗布する際の塗布性は良好で、露光、現像、加熱処理の後に得られた平坦化層にはしわやクラックの発生は認められなかった。さらに、配線の平均段差は500nm、作製した平坦化層には5μm四方のコンタクトホールが形成され、厚さは約2μmであった。
[6]白色発光型有機EL素子(図2参照)の作製
得られた平坦化層6上に、有機EL素子を形成した。まず、平坦化層上に、ITOからなる第一電極7を、コンタクトホールを介して配線(図示せず)に接続させて形成した。その後、レジストを塗布、プリベークし、所望のパターンのマスクを介して露光し、現像した。このレジストパターンをマスクとして、ITOエッチャント用いたウエットエッチングにより第一電極のパターン加工を行った。その後、レジスト剥離液(モノエタノールアミンとジエチレングリコールモノブチルエーテルの混合液)を用いて該レジストパターンを剥離した。剥離後の基板を水洗し、200℃で30分間加熱脱水して平坦化層付き電極基板を得た。平坦化層の厚さ寸法変化は、剥離液処理前に対して加熱脱水後で1%未満であった。こうして得られた第一電極は、有機EL素子の陽極に相当する。
次に、第一電極の端部を覆う形状の絶縁層8を形成した。絶縁層には、同じく感光性ポリイミドワニスを用いた。この絶縁層を設けることによって、第一電極とこの後の工程で形成する第二電極10との間のショートを防止することができる。
さらに、真空蒸着装置内で所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して白色有機EL発光層9Wを設けた。次いで、基板上方の全面にAl/Mg(Al:反射電極)からなる第二電極10を形成した。さらにCVD成膜によりSiON封止膜11を形成した。得られた上記基板を蒸着機から取り出し、白色発光型有機EL素子(図2)を作製した。
[7]フレキシブル有機ELディスプレイの作製
上記[3]で得られたガラス基板付きカラーフィルターと、上記[7]で得られたガラス基板付き白色発光型有機EL素子を、粘着層を介して貼り合わせた。続いて、エキシマレーザー(波長308nm)をガラス基板側から照射することにより、ガラス基板からカラーフィルターと白色発光型有機EL素子を剥離し、フレキシブル有機ELディスプレイを作製した。
得られたフレキシブル有機ELディスプレイについて、上記の方法で視認性評価を行った。
(実施例2)
使用する顔料分散液(d1)0.10gを、顔料分散液(d2)0.50gに代えること以外は、実施例1[1]と同様に行い、着色樹脂組成物(A2)を得た。続いて、着色樹脂組成物(A2)を、キュア後の膜厚が0.2μmになるようにスピンコーターで塗布すること以外は、実施例1[2]と同様にして、膜厚10.2μmの樹脂積層体を得た。
得られた樹脂積層体について、上記の方法で色度測定、光透過率測定および耐熱性試験を行った。その後、実施例1[3]〜[7]と同様にして、フレキシブル有機ELディスプレイを作製した。得られたフレキシブル有機ELディスプレイについて、上記の方法で視認性評価を行った。
(実施例3)
使用する顔料分散液(d1)0.10gを、顔料分散液(d3)0.50gに代えること以外は、実施例1[1]と同様に行い、着色樹脂組成物(A3)を得た。続いて、着色樹脂組成物(A3)を、キュア後の膜厚が0.4μmになるようにスピンコーターで塗布すること以外は、実施例1[2]と同様にして、膜厚10.4μmの樹脂積層体を得た。
得られた樹脂積層体について、上記の方法で色度測定、光透過率測定および耐熱性試験を行った。その後、実施例1[3]〜[7]と同様にして、フレキシブル有機ELディスプレイを作製した。得られたフレキシブル有機ELディスプレイについて、上記の方法で視認性評価を行った。
(実施例4)
使用する顔料分散液(d3)を、顔料分散液(d4)に代えること以外は、実施例3と同様に行い、着色樹脂組成物(A4)、膜厚11μmの樹脂積層体、フレキシブル有機ELディスプレイを得た。得られたフレキシブル有機ELディスプレイについて、上記の方法で視認性評価を行った。
(実施例5)
シロキサン樹脂溶液(a1)をアクリル樹脂溶液(a3)に代えること以外は、実施例1[1]着色樹脂組成物の調製、と同様にして、着色樹脂組成物(A5)を得た。続いて、着色樹脂組成物(A5)を、キュア後の膜厚が0.1μmになるようにスピンコーターで塗布すること以外は、実施例1[2]と同様にして、膜厚10.1μmの樹脂積層体を得た。 得られた樹脂積層体について、上記の方法で色度測定、光透過率測定および耐熱性試験を行った。その後、実施例1[3]〜[7]と同様にして、フレキシブル有機ELディスプレイを作製した。得られたフレキシブル有機ELディスプレイについて、上記の方法で視認性評価を行った。
(実施例6)
シロキサン樹脂溶液(a1)をシロキサン樹脂溶液(a2)に代えること以外は、実施例3と同様にして、着色樹脂組成物(A6)、膜厚10.4μmの樹脂積層体、フレキシブル有機ELディスプレイを得た。得られた樹脂積層体について、上記の方法で色度測定、光透過率測定および耐熱性試験を行った。また、得られたフレキシブル有機ELディスプレイについて、上記の方法で視認性評価を行った。
(実施例7)
ポリイミド前駆体溶液(I)をポリイミド前駆体溶液(II)に代えること以外は、実施例3と同様にして、膜厚10μmのポリイミド樹脂を含有する第2の樹脂層(P2)および膜厚0.4μmのポリシロキサン樹脂を含有する第1の樹脂層(A1)からなる膜厚10.4μmの樹脂積層体を得た。得られた樹脂積層体について、上記の方法で色度測定、光透過率測定および耐熱性試験を行った。その後、実施例1[3]〜[7]と同様にして、フレキシブル有機ELディスプレイを得た。得られたフレキシブル有機ELディスプレイについて、上記の方法で視認性評価を行った。
(実施例8)
ポリイミド前駆体溶液(II)をポリイミド前駆体溶液(III)に代えること、および着色樹脂組成物(A3)を、キュア後の膜厚が0.3μmになるようにスピンコーターで塗布すること以外は、実施例3と同様にして、膜厚10μmのポリイミド樹脂を含有する第2の樹脂層(P3)および膜厚0.3μmのポリシロキサン樹脂を含有する第1の樹脂層(A3)からなる膜厚10.3μmの樹脂積層体およびフレキシブル有機ELディスプレイを得た。得られた樹脂積層体について、上記の方法で色度測定、光透過率測定および耐熱性試験を行った。また、得られたフレキシブル有機ELディスプレイについて、上記の方法で視認性評価を行った。
(実施例9)
ポリイミド前駆体溶液(I)をポリイミド前駆体溶液(IV)に代えること以外は、実施例3と同様にして、膜厚10μmのポリイミド樹脂を含有する第2の樹脂層(P4)および膜厚0.4μmのポリシロキサン樹脂を含有する第1の樹脂層(A3)からなる膜厚10.4μmの樹脂積層体を得た。得られた樹脂積層体について、上記の方法で色度測定、光透過率測定および耐熱性試験を行った。その後、実施例1[3]〜[7]と同様にして、フレキシブル有機ELディスプレイを得た。得られたフレキシブル有機ELディスプレイについて、上記の方法で視認性評価を行った。
(比較例1)
実施例1[2]第1の樹脂層(2層目)の作製を行わないこと以外は、実施例1と同様にして、塗布膜(P1)、フレキシブル有機ELディスプレイを得た。
(比較例2)
顔料分散液を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物(A8)、続けて膜厚10.2μmの樹脂積層体、フレキシブル有機ELディスプレイを得た。
着色剤として、青色顔料、青色染料、紫色顔料、又は紫色染料を使用した実施例1〜9では、良好な透過色調が得られることが確認された。また、XYZ表色系色度図における透過色座標が、0.300≦x≦0.310及び0.305≦y≦0.315の範囲では、より良好な透過色調が得られることが確認され、実際のフレキシブル有機ELディスプレイ等の表示装置においても、良好な透過色度が期待できる。
着色樹脂層に使用する樹脂として、ポリシロキサンを使用した実施例1〜4および実施例6〜9は、アクリル樹脂を使用した実施例5と比べて、良好な耐熱性を有することが確認された。