[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の車両用衝突検知装置について、図1〜図11を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の車両用衝突検知装置1は、バンパアブソーバ2、中空の検出用チューブ部材3、圧力センサ4、速度センサ5、衝突検知ECU6、変形検出部11等を備えて構成される。衝突検知ECU6は、図8に示すように、衝突判定部61、閾値補正部62(補正部に相当)を有して構成される。車両用衝突検知装置1は、車両前方に設けられたバンパ7のバンパカバー8への物体(即ち、歩行者)の衝突を検知するものである。バンパ7は、図3及び図4にも示すように、バンパカバー8、バンパアブソーバ2、バンパレインフォースメント9を主体として構成されている。
バンパアブソーバ2は、バンパレインフォースメント9の前面9aに対向する位置、即ち車両前方側に配設されている。このバンパアブソーバ2は、バンパ7において衝撃吸収の作用を受け持つ部材であり、例えば発泡ポリプロピレン等からなる。バンパアブソーバ2の線膨張係数は、例えば1.0×10−4[1/℃]程度に設定されている。
バンパアブソーバ2の後面2bには、図3に示すように、検出用チューブ部材3を装着するための溝部2aが車幅方向に沿って形成されている。この溝部2aは、矩形の断面形状を有し、車幅方向に延びている。溝部2aの車両前後方向の長さは、検出用チューブ部材3の車両前後方向の長さ(即ち、外径の長さ)と同程度に設定されている。この場合、溝部2aの前後長さは、8mm程度である。また、溝部2aの車両上下方向の長さは、検出用チューブ部材3の車両上下方向の長さ(即ち、外径の長さ)以上に設定されている。この場合、溝部2aの上下長さは、10mm程度に設定されている。尚、溝部2aの断面形状は、矩形に限られず、楕円形や半円形等でもよい。
本実施形態では、図1、図2及び図4に示すように、バンパアブソーバ2の溝部2aにおける検出用チューブ部材3の車両前方側に、車幅方向に間隔をあけて2つの隙間Aが形成されている。隙間Aは、図5に示すように、車両上下方向から見たときの断面形状が略半円形となっている。この隙間Aにおいては、車両前後方向の長さが最長の部分で、前後長さが例えば5〜6mm程度となっている。また、隙間Aの車幅方向の長さは、50mm〜100mm程度である。
そして、本実施形態では、上記した隙間Aに、一対の導電部材11a,11bを有して構成される変形検出部11が配設される。即ち、バンパアブソーバ2の溝部2aにおける車幅方向の異なる位置に、変形検出部11が2つ配設されている。この変形検出部11は、一対の導電部材11a,11bが接触することによる導電部材11a,11b間の電圧値の変化を検出することに基づいて、検出用チューブ部材3の熱膨張による変形を検出するものである。一対の導電部材11a,11bは、例えば電極からなるものとする。尚、変形検出部11は、バンパアブソーバ2が車幅方向に直線状をなして形成されている車幅方向位置に配設されることが好ましい。
具体的には、一対の導電部材11a,11bのうち、一方の導電部材11aは、図4に示すように、検出用チューブ部材3の車両前方側の外周面に、例えば接着固定されて取り付けられる。他方の導電部材11bは、バンパアブソーバ2に形成された凹部2c内に設けられ、導電部材11aに対向する車幅方向位置に配置される。また、導電部材11aには、図1に示すように、伝送線を介して電源供給部11cが接続されている。この電源供給部11cは、導電部材11aに所定の電源を供給する。
変形検出部11は、検出用チューブ部材3の車両前方側の外周面に取り付けられた導電部材11aが、バンパカバー8内における温度上昇に伴う検出用チューブ部材3の熱膨張によって、バンパアブソーバ2の凹部2c内に配設された導電部材11bと接触した場合に、衝突検知ECU6へON信号を出力する。一方、変形検出部11は、一対の導電部材11a,11bが非接触状態であれば衝突検知ECU6へOFF信号を出力する。尚、変形検出部11は、一対の導電部材11a,11b間の電圧値の変化を検出するものに限られず、他にも、電流値、電気抵抗値、静電容量のいずれかの変化を検出するものであってもよい。
尚、一対の導電部材11a,11b間の前後方向の離間距離Lは、例えば5mm程度に設定されている。この離間距離Lは、検出用チューブ部材3が常温から高温に上昇して車両前方側に撓むように変形した際に、検出用チューブ部材3の車両前方側の外周面がバンパアブソーバ2の凹部2cの内壁面に対して確実に接触可能な距離に設定されている。具体的には、一対の導電部材11a,11bの離間距離Lは、2mm〜5mm程度の範囲内であることが好ましい。
本実施形態では、2つの変形検出部11のうち、1つがメインセンサとしての機能を有し、残りがメインセンサの冗長用のセーフィングセンサとしての機能を有する。具体的には、図2に示す車両右側に配設された変形検出部11がメインセンサであり、車両左側に配設された変形検出部11がセーフィングセンサであるものとする。
更に、本実施形態では、図6及び図7に示すように、バンパアブソーバ2には、検出用チューブ部材3を保持するための上下一対の保持部21が、溝部2aの長さ方向(即ち、車両左右方向)に間隔をあけて複数設けられている。この保持部21は、バンパアブソーバ2と一体成形されているものであって、溝部2aの開口上下端から互いに対向して突出する一対の突起である。保持部21は、図7に示すように、検出用チューブ部材3の車両上方側及び下方側の面に当接することにより、検出用チューブ部材3を保持する。尚、保持部21は、検出用チューブ部材3の車両上方側及び下方側のいずれか一方の面に当接するものであればよい。また、バンパアブソーバ2の溝部2aに、バンパアブソーバ2とは別体の保持部材を設けることにより、検出用チューブ部材3を保持してもよい。
検出用チューブ部材3は、図1及び図2に示すように、内部に中空部3aが形成され、車幅方向(即ち、車両左右方向)に延びているチューブ状の部材である。この検出用チューブ部材3は、図3及び図4に示すように、円形の断面形状を有している。検出用チューブ部材3の外径は、例えば8mm程度である。また、検出用チューブ部材3の周壁の肉厚は、例えば2mm程度である。
検出用チューブ部材3は、バンパアブソーバ2の溝部2a内に装着され、バンパレインフォースメント9の前面9aに対向した位置(即ち、車両前方側)に配設される。検出用チューブ部材3の両端部は、バンパレインフォースメント9の車幅方向左右の外側にて湾曲し、後述する圧力センサ4に接続される。尚、検出用チューブ部材3の断面形状は、円形に限られず、四角形等の多角形であってもよい。
本実施形態では、検出用チューブ部材3は、例えばシリコーンゴムからなる。また、検出用チューブ部材3の線膨張係数は、バンパアブソーバ2の線膨張係数(即ち、1.0×10−4[1/℃]程度)よりも大きな値に設定されている。具体的には、検出用チューブ部材3の線膨張係数は、4.0×10−4[1/℃]程度に設定されている。尚、線膨張係数とは、温度上昇に応じて物体の長さが変化する割合をいう。また、検出用チューブ部材3の材質としては、バンパアブソーバ2よりも線膨張係数が大きなものであればよく、他にもエチレンプロピレンゴム等でもよい。
圧力センサ4は、バンパレインフォースメント9の前面9aよりも車両後方側に配置される。具体的には、圧力センサ4は、バンパカバー8内の左右両端部側に2つ設置され、バンパレインフォースメント9の後面9bに図示しないボルト等で締結することにより固定されて取り付けられる。本実施形態では、このように圧力センサ4を2つ設置することにより、冗長性及び検出精度を確保している。
この圧力センサ4は、図4に示すように、検出用チューブ部材3の左右両端部に接続され、検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力を検出するように構成されている。具体的には、圧力センサ4は、気体の圧力変化を検出するセンサ装置であり、検出用チューブ部材3の中空部3a内の空気の圧力変化を検出する。圧力センサ4は、図1に示すように、伝送線を介して衝突検知ECU6に電気的に接続され、圧力に比例した信号を衝突検知ECU6へ出力する。
速度センサ5は、車両の速度を検出するためのセンサある。速度センサ5は、検出した車両の速度を速度信号として伝送線を介して衝突検知ECU6に出力する。
衝突検知ECU6は、CPUを主体として構成され、車両用衝突検知装置1の動作全般を制御するものであり、図8に示すように、衝突判定部61と、閾値補正部62とを有している。この衝突検知ECU6は、図1に示すように、圧力センサ4、速度センサ5、歩行者保護装置10、及び変形検出部11のそれぞれに電気的に接続されている。衝突検知ECU6には、圧力センサ4からの圧力信号、速度センサ5からの速度信号、及び変形検出部11からのON・OFF信号等が入力される。
衝突判定部61は、圧力センサ4による圧力検出結果に基づいて、所定の衝突判定処理を実行することにより、バンパカバー8へ物体(即ち、歩行者)が衝突したか否かの判定を行うものである。本実施形態の衝突判定部61は、閾値補正部62により補正された閾値を用いて衝突判定を行う。衝突判定部61は、車両の歩行者との衝突が発生したものと判定した場合、歩行者保護装置10を作動させる制御信号を出力する。
閾値補正部62は、変形検出部11からON信号が出力されている場合に、閾値を補正する。具体的には、閾値補正部62は、変形検出部11からON信号が出力されている場合に、図10に示すように、補正無しの閾値よりも閾値を大きくするように補正する。これは、変形検出部11からON信号が出力されている場合には、検出用チューブ部材3の温度が高温(例えば60℃程度以上)となっていて、常温・低温時(例えば20℃程度以下)よりも圧力センサ4による圧力検出値が大きく出力されることを想定しているためである。
バンパ7は、車両の衝突時における衝撃を和らげるためのものであり、バンパカバー8、バンパアブソーバ2、バンパレインフォースメント9等から構成される。バンパカバー8は、バンパ7の構成部品を覆うように設けられ、例えばポリプロピレン等の樹脂製の部材からなる。このバンパカバー8は、バンパ7の外観を構成すると同時に、車両全体の外観の一部を構成するものとなっている。
バンパレインフォースメント9は、バンパカバー8内に配設されて車幅方向に延びるアルミニウム等の金属製の剛性部材であって、図3に示すように、内部中央に梁が設けられた中空部材である。また、バンパレインフォースメント9は、車両前方側の面である前面9aと、車両後方側の面である後面9bとを有している。このバンパレインフォースメント9は、図1及び図2に示すように、車両前後方向に延びる一対の金属製部材であるサイドメンバ12の前端に取り付けられる。
通常、車両の衝突事故においては、車両の進行方向(即ち、車両前方)に存在する歩行者や車両と衝突する場合が多い。このため、本実施形態では、圧力センサ4をバンパレインフォースメント9の後面9bに配設して、車両前方の歩行者や車両との衝突に伴う衝撃が、車両前方に設けられたバンパカバー8等から圧力センサ4に直接伝わることをバンパレインフォースメント9の存在によって保護している。
歩行者保護装置10としては、例えばポップアップフードを用いる。このポップアップフードは、車両の衝突検知後瞬時に、エンジンフードの後端を上昇させ、歩行者とエンジン等の硬い部品とのクリアランスを増加させ、そのスペースを用いて歩行者の頭部への衝突エネルギーを吸収し、歩行者の頭部への衝撃を低減させるものである。尚、ポップアップフードの代わりに、車体外部のエンジンフード上からフロントウインド下部にかけてエアバッグを展開させて歩行者の衝撃を緩衝するカウルエアバッグ等を用いてもよい。
ここで、本実施形態における車両用衝突検知装置1の衝突時の動作について説明する。車両前方に歩行者等の物体が衝突した際には、バンパカバー8が歩行者との衝突による衝撃により変形する。続いて、バンパアブソーバ2が衝撃を吸収しながら変形すると同時に、検出用チューブ部材3も変形する。このとき、検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力が急上昇し、この圧力変化が圧力センサ4に伝達する。
また、本実施形態では、バンパカバー8内における温度が上昇し、検出用チューブ部材3の温度が高くなると、検出用チューブ部材3が熱膨張により長さ方向に伸びる。これにより、検出用チューブ部材3が車両前方側の隙間Aに撓むようにして弾性変形する。この検出用チューブ部材3の熱膨張による変形量が大きくなると、図9に示すように、検出用チューブ部材3に取り付けられた導電部材11aと、バンパアブソーバ2c内に配設された導電部材11bとが接触する。変形検出部11は、一対の導電部材11a,11bが接触状態になると、衝突検知ECU6へ伝送線を介してON信号を出力する。一方、検出用チューブ部材3の温度が低温又は常温であれば、一対の導電部材11a,11bが非接触状態となり、変形検出部11は、衝突検知ECU6へ伝送線を介してOFF信号を出力するようになっている。
次に、上記構成を有する車両用衝突検知装置1による衝突判定処理の流れについて、図11のフローチャートも参照して説明する。ただし、このフローチャートは一例であり、これに限定されるものではない。本実施形態の衝突判定処理においては、圧力センサ4及び速度センサ5の検出結果に基づいて、歩行者保護装置10の作動を要する歩行者との衝突が発生したか否かの判定を行う。
まず、図11のフローチャートにおいて、ステップS1において、車両用衝突検知装置1の衝突検知ECU6は、変形検出部11からの出力を取得する。変形検出部11からの出力は、上述の通り、一対の導電部材11a,11bが接触状態であればON信号であり、一対の導電部材11a,11bが非接触状態であればOFF信号である。尚、衝突検知ECU6は、所定時間ごとに継続して変形検出部11からの出力の取得を行っているものとする。
続いて、S2では、衝突検知ECU6は、変形検出部11からの出力がON信号か否かの判定を行う。S2でYesの場合、即ち、変形検出部11からの出力がON信号の場合、S3へ進み、衝突検知ECU6の閾値補正部62により衝突判定の閾値を補正する。具体的には、図10に示すように、閾値補正部62は、変形検出部11からの出力がON信号である場合、検出用チューブ部材3が高温であるものと判定し、閾値を大きくするように補正を行う。尚、本実施形態では、高温として60℃程度以上の温度を想定している。
一方、S2でNoの場合、即ち、変形検出部11からの出力がOFF信号の場合、閾値補正部62は、検出用チューブ部材3が高温時以外(即ち、低温又は常温)であるものと判定し、閾値の補正を行わない。尚、本実施形態では、常温として20℃程度の温度を想定している。また、歩行者等のバンパカバー8への衝突が発生した際には、衝突検知ECU6は、衝突発生直前における変形検出部11からの出力に基づいて、衝突発生時の検出用チューブ部材3の温度状態を判定するものとする。
続いて、S4において、衝突検知ECU6は、速度センサ5からの出力により車両速度を取得し、S5において車両速度が所定の作動範囲内か否かの判定を行う。この車両速度の作動範囲としては、例えば時速25km〜55kmの範囲であるとする。この作動範囲は、歩行者保護装置10の歩行者保護機能が有効に作用する速度が車両形状等の条件によって決まっていることによる。
S5でNoの場合、衝突検知ECU6は、車両速度が作動範囲内でないものと判定し、S1に戻る。一方、S5でYesの場合、衝突検知ECU6は、車両速度が作動範囲内であるものと判定し、S6において圧力センサ4の圧力検出値を取得し、S7へ進む。
S7では、衝突検知ECU6は、有効質量を算出する。ここで、「有効質量」とは、衝突時における圧力センサ4の検出値より、運動量と力積の関係を利用して算出する質量をいう。車両と物体との衝突が発生した場合、歩行者(即ち、ON要件対象物)とは質量の異なるロードサイドマーカ等の衝突物(即ち、OFF要件対象物)では、検知される圧力センサ4の値が異なる。このため、人体の有効質量と、想定される他の衝突物の質量との間に閾値を設定することにより、衝突物の種類を切り分けることが可能となる。この有効質量は、次式に示すように、圧力センサ4により検出される圧力の値の所定時間における定積分値を、速度センサ5により検出される車両速度で割ることにより算出される。
M=(∫P(t)dt)/V・・・(式1)
ここで、Mは有効質量、Pは所定時間における圧力センサ4による検出値、tは所定時間(例えば、数ms〜数十ms)、Vは衝突時の車両速度を示している。尚、有効質量を算出する方法には、他にも、衝突した物体の運動エネルギーEを表す式E=1/2・MV2を用いて算出することが可能である。この場合、有効質量は、M=2・E/V2により算出される。
次に、S8へ進み、衝突検知ECU6の衝突判定部61は、算出した有効質量が閾値以上か否かの判定を行う。ここで、衝突判定の閾値は、検出用チューブ部材3が高温時以外の場合には所定値に設定されており、検出用チューブ部材3が高温時の場合には閾値補正部62により補正された値に設定されている。
S8でNoの場合、即ち、有効質量が閾値未満の場合にはS1に戻る。一方、S8でYesの場合、即ち、有効質量が閾値以上の場合、S9へ進み、衝突検知ECU6の衝突判定部61は、車両の歩行者との衝突が発生したものと判定する。続いて、S10において衝突検知ECU6の衝突判定部61は、歩行者保護装置10を作動させる制御信号を出力して、歩行者保護装置10を作動させる。これにより、車両の歩行者との衝突による歩行者への衝撃を低減させる。
以上説明したように、第1の実施形態の車両用衝突検知装置1は、車両のバンパ7内においてバンパレインフォースメント9の車両前方側に配設されたバンパアブソーバ2と、バンパアブソーバ2の後面2bに車幅方向に沿って形成された溝部2aに装着される内部に中空部3aが形成された検出用チューブ部材3と、検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力を検出する圧力センサ4と、圧力センサ4により検出された圧力検出値が所定の閾値以上になった場合にバンパ7への物体(即ち、歩行者)の衝突が発生したものと判定する衝突判定部61と、検出用チューブ部材3の熱膨張による変形を検出する変形検出部11と、変形検出部11により検出用チューブ部材3の熱膨張による変形が検出された場合、閾値を補正する補正部62と、を備えている。そして、衝突判定部61は、閾値補正部62により補正された閾値を用いて衝突判定を行う。
この構成によれば、変形検出部11により検出用チューブ部材3の熱膨張による変形が検出された場合、閾値補正部62によって閾値を補正し、閾値補正部62により補正された閾値を用いて衝突判定部61が衝突判定を行うので、検出用チューブ部材3の温度変化に応じて適切な衝突判定を行うことができる。従って、検出用チューブ部材3の温度変化に拘わらず歩行者等の衝突を高精度に検知できる。
また、変形検出部11は、互いに対向する一対の導電部材11a,11bを有し、一対の導電部材11a,11bのうち一方の導電部材11aが検出用チューブ部材3に配設され且つ他方の導電部材11bがバンパアブソーバ2に配設されたものであって、一対の導電部材11a,11bが検出用チューブ部材3の熱膨張による変形により接触したことを検出するものであって、一対の導電部材11a,11bのうち一方の導電部材11aが検出用チューブ部材3に配設され、他方の導電部材11bがバンパアブソーバ2に配設されている。
この構成によれば、変形検出部11により、検出用チューブ部材3に配設された導電部材11aが、バンパアブソーバ2に配設された導電部材11bに接触したことを検出することによって、検出用チューブ部材3において熱膨張を伴う温度の上昇が生じたことを確実に検出することができる。
また、バンパアブソーバ2の溝部2aにおける変形検出部11が配設される車幅方向位置には、検出用チューブ部材3の車両前方側に所定の隙間Aが形成され、一対の導電部材11a,11bは、検出用チューブ部材3が高温時では接触状態となり、検出用チューブ部材3が高温時以外では非接触状態となる。
この構成によれば、バンパアブソーバ2の溝部2aにおいて、検出用チューブ部材3の車両前方側に所定の隙間Aを形成し、この隙間Aに変形検出部11の一対の導電部材11a,11bを非接触状態で配設して、一対の導電部材11a,11bの接触状態を検出することにより、検出用チューブ部材3が高温時か高温時以外かを容易に判別することが可能である。
また、検出用チューブ部材3の線膨張係数は、バンパアブソーバ2の線膨張係数よりも大きな値に設定されている。この構成によれば、バンパアブソーバ2よりも検出用チューブ部材3の方が、その線膨張係数が大きな値に設定されているので、バンパカバー8内の温度上昇時にバンパアブソーバ2よりも検出用チューブ部材3を優先的に熱膨張変形させることができる。これにより、検出用チューブ部材3の熱膨張による変形を用いて、一対の導電部材11a,11bの接触状態と非接触状態とを確実に切り替えることができ、変形検出部11によって検出用チューブ部材3の温度上昇を確実に検出できる。
また、一対の導電部材11a,11bのうち一方の導電部材11aに電源を供給する電源供給部11cを備えている。変形検出部11は、一対の導電部材11a,11bの電圧値の変化を検出することに基づいて、検出用チューブ部材3の変形を検出する。
この構成によれば、電源供給部11cにより導電部材11aに電源を供給し、変形検出部11によって一対の導電部材11a,11b間の電圧値の変化を検出することに基づいて、検出用チューブ部材3の熱膨張による変形を正確に検出することができる。
また、変形検出部11は、車幅方向の異なる位置に複数(即ち2つ)配置されている。複数の変形検出部11は、1つがメインセンサとしての機能を有し、残りがメインセンサの冗長用のセーフィングセンサとしての機能を有するものである。
この構成によれば、変形検出部11を車幅方向の異なる位置に複数(即ち2つ)配置し、1つをメインセンサとし残りをセーフィングセンサとすることで、変形検出部11の冗長性を確保することができる。
また、バンパアブソーバ2には、検出用チューブ部材3の車両上方側及び下方側の面に当接して検出用チューブ部材3を保持する保持部21が、溝部2aの長さ方向に間隔をあけて複数設けられている。
この構成によれば、バンパアブソーバ2に、検出用チューブ部材3の車両上方側及び下方側の面に当接して検出用チューブ部材3を保持する保持部21が、溝部2aの長さ方向に間隔をあけて複数設けられているので、溝部2a内の所定の位置に検出用チューブ部材3を安定して配置することができ、検出用チューブ部材3が脱落することを防止できる。
また、保持部21は、バンパアブソーバ2と一体成形され、検出用チューブ部材3の車両上方側及び下方側に当接して当該検出用チューブ部材3を保持するものである。この構成によれば、保持部21はバンパアブソーバ2と一体成形されているものであるので、別部品の保持部材(例えば、クランプ等)を設ける必要がなく、部品数を増やすことなく簡易な構成で検出用チューブ部材3を安定して保持できる。
また、バンパアブソーバ2には、導電部材11bを配設するための凹部2cが設けられている。この構成によれば、バンパアブソーバ2に導電部材11bを配設するための凹部2cが設けられているので、導電部材11aに対向する位置に導電部材11bを安定して配置することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図12〜図14を参照して説明する。尚、図12〜図14において上記実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。
第2の実施形態の車両用衝突検知装置1では、図12に示すように、第1の実施形態における閾値補正部62の代わりに、出力補正部63(補正部に相当)が設けられている。この出力補正部63は、後述するように、変形検出部11により検出用チューブ部材3の熱膨張による変形が検出された場合、圧力検出値を小さくするように補正を行うものである。
以下、第2の実施形態の車両用衝突検知装置1による衝突判定処理の流れについて、図14のフローチャートを参照して説明する。ただし、このフローチャートは一例であり、これに限定されるものではない。まず、図14のフローチャートにおいて、車両用衝突検知装置1の衝突検知ECU6は、S11において速度センサ5からの出力により車両速度を取得し、S12において車両速度が所定の作動範囲内か否かの判定を行っている。
S12でNoの場合、即ち、車両速度が作動範囲内でない場合には、S11に戻る。一方、S12でYesの場合、即ち、車両速度が作動範囲内の場合、衝突検知ECU6は、S13において、圧力センサ4の検出値を取得する。
次に、衝突検知ECU6は、S14において変形検出部11からの出力を取得する。具体的には、変形検出部11からの出力は、一対の導電部材11a,11bが接触状態であればON信号であり、一対の導電部材11a,11bが非接触状態であればOFF信号である。
続いて、S15では、衝突検知ECU6は、変形検出部11からの出力がON信号か否かの判定を行う。S15でYesの場合、即ち、変形検出部11からの出力がON信号の場合、S16へ進み、衝突検知ECU6の出力補正部63により圧力検出値を補正する。具体的には、図13に示すように、出力補正部63は、変形検出部11からの出力がON信号である場合、検出用チューブ部材3が高温であるものと判定し、圧力検出値を小さくするように補正を行う。
即ち、衝突時における検出用チューブ部材3の変形量は、バンパアブソーバ2の温度特性から影響を受ける。この場合、バンパアブソーバ2は、低温では変形量が小さく、高温では変形量が大きくなるという温度特性を有する。このため、検出用チューブ部材3の温度が高いときには、衝突時における検出用チューブ部材3の変形量が大きくなり、圧力センサ4の出力が大きくなることが想定される。そこで、第2の実施形態では、検出用チューブ部材3の温度変化に伴って、所定の負荷荷重に対する圧力センサ4の出力がばらつくことを防ぐために、高温時には出力補正部63により圧力センサ4の圧力検出値を小さくするように補正を行うようにしている。
一方、S15でNoの場合、即ち、変形検出部11からの出力がOFF信号の場合、出力補正部63は、検出用チューブ部材3が高温時以外(即ち、低温又は常温)であるものと判定し、圧力検出値の補正を行わない。尚、歩行者等のバンパカバー8への衝突が発生した際には、衝突検知ECU6は、衝突発生直前における変形検出部11からの出力に基づいて、衝突発生時の検出用チューブ部材3の温度状態を判定するものとする。
続いて、S17において、衝突検知ECU6は、上述した有効質量を算出し、S18へ進む。S18では、衝突検知ECU6の衝突判定部61は、算出した有効質量が所定の閾値以上か否かの判定を行う。
S18でNoの場合、即ち、有効質量が閾値未満の場合にはS11に戻る。一方、S18でYesの場合、即ち、有効質量が閾値以上の場合、S19へ進み、衝突検知ECU6の衝突判定部61は、車両の歩行者との衝突が発生したものと判定する。続いて、S20において衝突検知ECU6の衝突判定部61は、歩行者保護装置10を作動させる制御信号を出力して、歩行者保護装置10を作動させる。これにより、車両の歩行者との衝突による歩行者への衝撃を低減させる。
以上説明した第2の実施形態の車両用衝突検知装置1では、変形検出部11により検出用チューブ部材3の熱膨張による変形が検出された場合、圧力検出値を補正する出力補正部63を備えている。そして、衝突判定部61は、出力補正部63により補正された圧力検出値を用いて衝突判定を行う。
この第2の実施形態の車両用衝突検知装置1においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。即ち、変形検出部11による検出結果に基づいて、出力補正部63が圧力センサ4による圧力検出値を補正し、衝突判定部61が出力補正部63により補正された圧力検出値を用いて衝突判定を行うので、検出用チューブ部材3の温度に応じて正確に衝突判定を行うことができる。従って、検出用チューブ部材3の温度変化に拘わらず歩行者の衝突を高精度に検知できる。
また、出力補正部63は、変形検出部11により検出用チューブ部材3の変形が検出された場合、S16において圧力検出値を小さくするように補正を行う。この構成によれば、変形検出部11により検出用チューブ部材3の熱膨張による変形が検出された場合、出力補正部63が圧力検出値を小さくするように補正を行うことで、温度変化に応じて圧力検出値を適切に補正して衝突判定部61による衝突判定をより正確に行うことができる。即ち、検出用チューブ部材3の温度が高い場合には所定荷重に対する圧力センサ4の出力が大きくなるため、圧力検出値を小さくするように補正することで、検出用チューブ部材3の温度変化に拘わらず衝突時における検出用チューブ部材3の中空部3a内の圧力変化を高精度に検知できる。
具体的には、図13の白抜き矢印に示すように、高温時では圧力センサ4による圧力検出値を小さくするように補正することで、OFF要件の衝突時に、圧力センサ4による圧力検出値に基づいて算出された有効質量が閾値以上となり、歩行者保護装置10が作動してしまうことを防止できる。これにより、検出用チューブ部材3の温度が高くても、OFF要件の衝突とON要件の衝突とを確実に区別することができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について、図15〜図17を参照して説明する。尚、図15〜図17において上記実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。第3の実施形態の車両用衝突検知装置1においては、複数(即ち、3つ)の変形検出部11が車幅方向に間隔をあけて設けられている。
具体的には、変形検出部11は、図15に示すように、バンパ7内において車幅方向中央部に1つと、前記車幅方向中央部から所定の距離離れた左右に1つずつ計3つ設けられている。図16に示すように、車幅方向中央部の変形検出部11の一対の導電部材11a,11bどうしの間隔と、その左右の変形検出部11の一対の導電部材11a,11bどうしの間隔とは、それぞれ異なるように設定されている。
このように、第3の実施形態では、一対の導電部材11a,11bどうしの間隔L1,L2が異なる変形検出部11を複数設けることによって、検出用チューブ部材3の熱膨張による変形を段階的に検出することが可能な構成となっている。そして、閾値補正部62は、各変形検出部11による検出結果に基づいて、閾値を段階的に補正する。具体的には、閾値補正部62は、図17に示すように、第1閾値、第2閾値、第3閾値のいずれかに閾値を設定する。
隙間A1では、車両前後方向の長さが最長部分において、前後長さが例えば5mm〜6mm程度である。また、一対の導電部材11a,11b間の前後方向の離間距離L1は、5mm程度に設定されている。この離間距離L1は、検出用チューブ部材3の温度が60℃程度以上になった場合に、検出用チューブ部材3の車両前方側の外周面に配設された導電部材11aが、バンパアブソーバ2の凹部2cに配設された導電部材11bに接触することを想定している。尚、隙間A1の車幅方向の長さは、50mm〜100mm程度に設定されている。また、導電部材11aは、検出用チューブ部材3の変形を阻害しない薄板状の部材からなり、その厚さは1mm未満であるとする。
また、隙間A2では、車両前後方向の長さが最長部分において、前後長さが例えば3mm〜4mm程度に設定されている。また、一対の導電部材11a,11b間の前後方向の離間距離L2が3mm程度となっている。この離間距離L2は、検出用チューブ部材3の温度が40℃程度以上になった場合に、検出用チューブ部材3に取り付けられた導電部材11aが、バンパアブソーバ2に配設された導電部材11bに接触することを想定している。従って、バンパカバー8内の温度上昇時において、隙間A1に設けられた変形検出部11よりも隙間A2に設けられた変形検出部11の方が先に一対の導電部材11a,11bが接触するように構成されている。尚、隙間A2の車幅方向の長さは、50mm〜100mm程度に設定されている。
このように第3の実施形態では、隙間A2の一対の導電部材11a,11bが非接触状態では、検出用チューブ部材3の温度が40℃未満であると判定する。また、隙間A2の一対の導電部材11a,11bが接触状態且つ隙間A1の一対の導電部材11a,11bが非接触状態では、検出用チューブ部材3の温度が40℃〜60℃程度であると判定する。また、隙間A1の一対の導電部材11a,11bが接触状態では、検出用チューブ部材3の温度が60℃程度以上であると判定する。
次に、上記した第3の実施形態の車両用衝突検知装置1の衝突判定処理の流れについて説明する。この第3の実施形態の衝突判定処理は、図11に示す第1の実施形態の衝突判定処理のフローチャートと同様に行われる。ただし、第3の実施形態の衝突判定処理は、S2及びS3が第1の実施形態と異なる。
第3の実施形態では、S1において車幅方向中央部及びその左右に配設された3つの変形検出部11からの出力を取得した後、S2において、衝突検知ECU6は、各変形検出部11からの出力がON信号か否かの判定を行う。
S2でNoの場合、即ち、各変形検出部11からの出力がすべてOFF信号の場合、閾値補正部62は、検出用チューブ部材3が高温時以外(即ち、低温又は常温)であるものと判定し、図7に示す第1閾値に設定する。この第1閾値は、図10に示す第1の実施形態の補正無しの閾値に相当する。
一方、S2でYesの場合、具体的には、隙間A2の一対の導電部材11a,11bが接触状態且つ隙間A1の一対の導電部材11a,11bが非接触状態の場合、衝突検知ECU6の閾値補正部62は、衝突判定の閾値を第1の閾値よりも大きい値である第2閾値に補正する。この場合、検出用チューブ部材3の温度が40℃〜60℃程度であることを想定している。尚、車幅方向の左右に2つ形成された隙間A2にそれぞれ設けられた変形検出部11の両方がON信号を出力している場合に、閾値補正部62は、衝突判定の閾値を第2閾値に補正するものとする。
また、隙間A1及び隙間A2に配設された一対の導電部材11a,11bのすべてが接触状態の場合、衝突検知ECU6の閾値補正部62は、衝突判定の閾値を第2閾値よりも大きい値である第3閾値に補正する。この場合、検出用チューブ部材3の温度が60℃以上であることを想定している。以下、図11に示すS4〜S10が第1の実施形態と同様に行われる。
以上説明した第3の実施形態の車両用衝突検知装置1では、変形検出部11は、車幅方向の異なる位置に複数(即ち、3つ)配置されている。車幅方向中央部に配置された変形検出部11とその左右に配置された変形検出部11とは、一対の導電部材11a,11bどうしの間隔が異なるように設定されている。変形検出部11は、検出用チューブ部材3の熱膨張による変形を段階的に検出する。閾値補正部62は、変形検出部11による検出結果に基づいて、閾値を段階的に補正する。そして、衝突判定部61は、閾値補正部62により補正された閾値を用いて衝突判定を行う。
この第3の実施形態の車両用衝突検知装置1においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、変形検出部11により検出用チューブ部材3の熱膨張による変形を段階的に検出し、閾値補正部62によって閾値を段階的に補正して、閾値補正部62により補正された閾値を用いて衝突判定部61が衝突判定を行うので、検出用チューブ部材3の温度に応じてより正確に衝突判定を行うことができる。
具体的には、閾値補正部62は、検出用チューブ部材3の温度変化に応じて衝突判定の閾値を第1閾値、第2閾値、第3閾値の3種類のいずれかに設定する。これにより、ON要件対象物との衝突(以下、ON衝突)と、OFF要件対象物との衝突(以下、OFF衝突)との区別をより正確に行うことができる。例えば、図17において、40℃〜60℃程度の高温時、第1閾値ではOFF衝突でも有効質量が閾値を超えてしまい衝突発生と判定されてしまうが、第3の実施形態では、閾値補正部62によって閾値が第2閾値に補正されているので、OFF衝突では有効質量が第2閾値よりも小さいので、衝突判定部61により衝突発生と判定されることがない。
また、60℃以上の高温時、第2閾値ではOFF衝突でも有効質量が閾値を超えてしまい衝突発生と判定されてしまうが、第3の実施形態では、閾値補正部62によって閾値が第3閾値に補正されているので、OFF衝突では有効質量が第3閾値よりも小さいので、衝突判定部61により衝突発生と判定されることがない。このようにして、閾値補正部62によって閾値を段階的に補正することで、ON衝突とOFF衝突との区別をより正確に行うことを可能としている。
尚、上記第3の実施形態の車両用衝突検知装置1では、閾値補正部62が、変形検出部11による検出結果に基づいて、閾値を段階的に補正するものとしたが、これに代えて、出力補正部63により圧力検出値を段階的に補正するようにしてもよい。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について、図18〜図20を参照して説明する。尚、図18〜図20において上記実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。
この第4の実施形態では、図18に示すように、バンパアブソーバ2の溝部2aにおいて、検出用チューブ部材3の車両上方側に所定の隙間Aが形成されている。この隙間Aにおいて変形検出部11を構成する一対の導電部材11a,11bが対向して設けられる。
具体的には、検出用チューブ部材3の車両上方側の面に導電部材11aが設けられている。また、バンパアブソーバ2の溝部2aにおける車両上方側の内壁面に凹部2cが形成され、この凹部2c内に導電部材11bが配設されている。尚、導電部材11bは、凹部2cに例えば接着固定により配置されるものとする。
また、第4の実施形態では、バンパ7内の温度上昇に伴って検出用チューブ部材3が熱膨張した際、溝部2a内において検出用チューブ部材3の車両上方側に隙間Aが形成されていることにより、図20に示すように、検出用チューブ部材3が車両上方側へ撓むようにして変形する。これにより、検出用チューブ部材3が所定温度(例えば60℃程度)以上の高温になると、図19に示すように、変形検出部11における一対の導電部材11a,11bが接触状態になり、変形検出部11から衝突検知ECU6へON信号が出力される。
尚、この第4の実施形態における車両用衝突検知装置1においても、上記第1の実施形態と同様に、図11に示す衝突判定処理が行われる。
以上説明した第4の実施形態の車両用衝突検知装置1では、バンパアブソーバ2の溝部2aにおける変形検出部11が配設される車幅方向位置には、検出用チューブ部材3の車両上方側に所定の隙間Aが形成されている。また、一対の導電部材11a,11bは、検出用チューブ部材3が高温時では接触状態となり、検出用チューブ部材3が高温時以外では非接触状態となる。
この第4の実施形態の車両用衝突検知装置1においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、バンパアブソーバ2の溝部2aにおいて、検出用チューブ部材3の車両上方側に形成された隙間Aに変形検出部11(即ち、一対の導電部材11a,11b)が配設されるので、検出用チューブ部材3の車両前方側に隙間が多くあることで、車両前方の歩行者との衝突時に圧力センサ4の出力の立ち上がりが遅くなるといった衝突検知性能への悪影響が生じることを極力抑えながら、検出用チューブ部材3の温度上昇を確実に検出することが可能である。
尚、上記した第4の実施形態では、検出用チューブ部材3の車両上方側の面に導電部材11aを設けると共に、バンパアブソーバ2の溝部2aにおける車両上方側の内壁面に導電部材11bを配設するものとしたが、検出用チューブ部材3の車両下方側の面に導電部材11aを設け、バンパアブソーバ2の溝部2aにおける車両下方側に導電部材11bを配設してもよい。この場合、上下一対の保持部21によって、検出用チューブ部材3を溝部2aの車両下方側の内壁面と接触しない状態で保持するものとする。
[その他の実施形態]
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形または拡張を施すことができる。例えば、上記実施形態では、一対の導電部材11a,11bが電極からなるものとしたが、導電部材11a,11bは接触の有無が判別可能なものであればよく、他にも例えば抵抗ライン等でもよい。
また、上記実施形態では、圧力検出結果に基づいて有効質量を算出し、衝突判定処理において有効質量が閾値以上になった場合に、歩行者保護装置10の作動を要する歩行者との衝突が発生したと判定するものとしたが、これには限られない。即ち、圧力検出結果をそのまま用いてもよく、例えば圧力値、圧力変化率等を用いてそれぞれの衝突判定用の閾値と比較し、衝突判定を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、圧力センサ4をバンパレインフォースメント9の後面9bにおける左右両端部側に2つ配設したが、これに限られず、圧力センサ4の配設位置や配置個数は適宜変更可能であるとする。例えば、圧力センサ4をバンパレインフォースメント9の内壁面に固定してもよく、別の剛性部材に配設してもよい。