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JP6507578B2 - ドレーンチューブ - Google Patents
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JP6507578B2 - ドレーンチューブ - Google Patents

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Description

本発明は医療用のドレーンチューブに関する。
被験者の体内から血液や漿膜腔液、消化液、膿液などの体液を吸引して体外に排出する医療用のドレーンチューブが提供されている。ドレーンチューブの先端部は体腔内に留置され、基端部は体外に設置され排液バッグや排液ボトルなどに接続されて僅かに負圧に吸引されることが一般的である。そして、ドレーンチューブの中間部は被験者の体壁表面に縫合糸等で緊縛されて固定される。これにより、ドレーンチューブは被験者の創部が治癒するまで留置されて体腔内から持続的に体液を吸引および排出する。
この種のドレーンチューブとしては、各種の寸法や内部構造を有するものが提案されている。特許文献1には、先端側の長さ領域に4個のルーメンが4枚の隔壁で隔てられて形成され、中間の移行部分でこれらの隔壁が消失してルーメンが1つに統合されたドレーンチューブが記載されている。このように、移行部分よりも基端側に隔壁を形成しないことで開口面積が大きくなり、流体抵抗が低減されて体液を良好に吸引および排出することができるとされている。
特開2002−283433号公報
留置されるドレーンチューブは、被験者の体壁表面に縫合糸で縫合するなどして固定されることが一般的である。そして、吸引すべき体液が徐々に減ってきて細径のドレーンチューブで足りるようになった場合など種々の理由により、留置されているドレーンチューブを交換する場合がある。かかる場合、一般に以下のような手技が行われる。すなわち、まず体壁表面よりも上方でドレーンチューブを切断してガイドワイヤをルーメンに挿入するとともに縫合糸等を切断して体壁表面との固定を解除する。そして、留置されているドレーンチューブをガイドワイヤに沿って引き抜き、更に新たなドレーンチューブをガイドワイヤに沿って体腔内に挿入して留置する。その後、当該新たなドレーンチューブを縫合糸等を用いて体壁表面に固定し、そしてガイドワイヤを抜去する。
留置されているドレーンチューブにガイドワイヤを挿入するにあたっては、複数のルーメンのいずれかを選択して当該ルーメンにガイドワイヤを挿入することが求められる場合がある。たとえば、ドレーンチューブが備える複数のルーメンが、もっぱら先端側に開口しているエンドルーメンと、周壁にスリット開口が形成されたスリットルーメンとを含む場合には、エンドルーメンを選択してガイドワイヤを挿入することが求められる。これにより、ガイドワイヤの先端がスリット開口から側方に突出して被験者の体腔内壁と干渉することなく、先端開口から突出させることができる。
しかしながら、特許文献1のドレーンチューブは、先端側の長さ領域に形成された4個のルーメンが中間の移行部分で1つに統合されているため、いずれかのルーメンを選択してガイドワイヤを挿入することができないという問題がある。すなわち、留置されたドレーンチューブを交換するにあたり、ドレーンチューブを切断する位置が移行部分よりも基端側であると、1つに統合されたルーメンにガイドワイヤを挿入することになる。このため、ドレーンチューブの先端側からガイドワイヤが突出してくるルーメンを所望に選択することができない。逆に、ドレーンチューブを切断する位置が移行部分よりも先端側になるように、移行部分を十分に基端側まで形成した場合には、流体抵抗を低減して体液を良好に吸引および排出することができなくなる。ドレーンチューブを切断する位置は被験者の体格や留置される深さ位置などにより種々に変化するため、かかる変化に対応すべく特許文献1のドレーンチューブにおいて移行部分を十分に基端側まで形成した場合には、4枚の隔壁が形成される長さ領域が大きくなるためである。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、被験者の体内から体液を良好に吸引および排出することが可能でありながら、交換作業時には所定のルーメンを選択してガイドワイヤを挿入することが可能な医療用のドレーンチューブを提供するものである。
本発明によれば、長手方向に延在する周壁ならびに第一および第二の隔壁と、前記周壁および前記隔壁によってそれぞれ画成された以上のルーメンと、を備え、中間領域と、前記中間領域よりも基端側の長さ領域である遷移領域と、前記中間領域よりも先端側の先端部領域と、を有する医療用のドレーンチューブであって、前記ルーメンが、前記周壁および前記第二の隔壁によって画成され、前記先端部領域における前記周壁に貫通形成されたスリット開口を備える3以上のスリットルーメンと、前記周壁および前記第一の隔壁によって画成され、前記スリット開口を有さず前記ドレーンチューブの先端側に開口している一以上のエンドルーメンと、を含み、前記第一の隔壁および前記エンドルーメンは前記先端部領域と前記中間領域と前記遷移領域とに亘って形成されており、3以上の前記スリットルーメンおよび2以上の前記第二の隔壁が前記先端部領域と前記中間領域とに亘って形成され、前記中間領域に形成されている2以上の前記第二の隔壁のうちの一部であって前記第一の隔壁に対して周方向に隣接する隣接隔壁が、前記中間領域と前記遷移領域との境界で消失して前記遷移領域で非形成であり、他の前記第二の隔壁であって前記第一の隔壁に対して径方向に対向する前記第二の隔壁である対向隔壁が、前記境界を越えて前記中間領域と前記遷移領域における先端部とに亘って形成され、かつ前記遷移領域において消失して前記遷移領域における基端部で非形成であることで、中間領域における3以上の前記スリットルーメンが前記遷移領域における前記基端部において互いに連通しており、前記スリットルーメンの数が、前記中間領域において前記3以上、前記遷移領域における前記先端部において前記3以上よりも少ない所定数、かつ前記遷移領域における前記基端部において前記所定数よりも少ない数であることを特徴とするドレーンチューブが提供される。
本発明にかかる医療用のドレーンチューブによれば、ドレーンチューブの遷移領域において一部の隔壁および一以上のルーメンを形成し、他の一以上の隔壁が非形成で複数のルーメンが互いに連通している。このため、遷移領域に形成されたルーメンを選択してガイドワイヤを挿入することができ、かつ一以上の隔壁を非形成としたことでドレーンチューブの開口面積が大きくなるため体液の良好な吸引および排出が可能となる。
本発明の実施形態にかかるドレーンチューブの使用状態を説明する模式図である。 ドレーンチューブを長手方向に対して垂直に切断した横断面図であり、(a)から(e)は図1のA−A線断面からE−E線断面にそれぞれ対応する横断面図を示す。 チューブ製造装置を説明する側面断面図である。 インダイの第一部材の斜視図である。 (a)はインダイの第一部材の先端部の側面図であり、(b)はその正面図である。 インダイの第二部材の斜視図である。 (a)は基端領域形成工程において第二部材を前進させて第一部材から突出させた状態を示す斜視図であり、(b)は第一遷移領域形成工程において第二部材を第一部材の内部に後退させた状態を示す斜視図である。 (a)はスリット形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの先端部領域の断面形状である。 (a)は中間領域形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの中間領域の断面形状である。 (a)は第一遷移領域形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの第一遷移領域の断面形状である。 (a)は第二遷移領域形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの第二遷移領域の断面形状である。 (a)は基端領域形成工程におけるインダイの横断面図、(b)はチューブ製造装置の部分断面図、(c)は成形されるドレーンチューブの基端領域の断面形状である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。各図面において、対応する構成要素には共通の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。なお、本明細書では、各ルーメンの位置関係等を説明するにあたり、左右または上下の方向を規定する場合がある。しかし、これは構成要素の相対関係を説明するために便宜的に規定するものであり、本発明にかかる製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
図1は、本発明の実施形態にかかるドレーンチューブ60の使用状態を説明する模式図である。図2(a)から図2(e)は、ドレーンチューブ60を長手方向に対して垂直に切断した横断面図であり、図1のA−A線断面からE−E線断面にそれぞれ対応する横断面図を示している。
はじめに、本実施形態の概要について説明する。
本実施形態のドレーンチューブ60は医療用に用いられ、長手方向に延在する周壁10および複数の隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32c)と、これらの周壁10および隔壁によってそれぞれ画成された3以上のルーメン20(エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25)と、を備えている。
ドレーンチューブ60は、中間領域L2と、この中間領域L2よりも基端側の長さ領域である遷移領域L3と、を有している。図2(b)に示す中間領域L2は、複数の隔壁(符号略)が形成されて3以上のルーメン20が画成された長さ領域である。遷移領域L3(第一遷移領域L31および第二遷移領域L32)は、複数のうち一部の隔壁(第一隔壁30a〜30b)および一以上のルーメン20(エンドルーメン21)が形成され、かつ複数のうち他の一以上の隔壁(第二隔壁32aおよび32c)が非形成で複数のルーメン20(スリットルーメン22〜25)が互いに連通している長さ領域である。
遷移領域L3は、ルーメン20および隔壁の数が中間領域L2から変化する長さ領域である。図1に示すように、遷移領域L3は、先端DE側の第一遷移領域L31およびその基端PE側に隣接する第二遷移領域L32を備えている。第一遷移領域L31と第二遷移領域L32とでルーメン20および隔壁の数が更に変化する。
遷移領域L3の第一遷移領域L31では、複数(本実施形態では5個)のうち一部の隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32b)および一以上のルーメン20(エンドルーメン21および統合ルーメン26・27)が形成され、他の一以上の隔壁(第二隔壁32aおよび32c)が非形成で、複数のルーメン20(スリットルーメン22と23、およびスリットルーメン24と25)の2個ずつが互いに連通している。
遷移領域L3の第二遷移領域L32では、複数(5個)のうち一部の隔壁(第一隔壁30a〜30b)および一以上のルーメン20(エンドルーメン21および統合ルーメン28が形成され、他の一以上の隔壁(第二隔壁32a〜32c)が非形成で、複数のルーメン20(スリットルーメン22〜25)の4個が互いに連通している。
次に、本実施形態のドレーンチューブ60について詳細に説明する。
ドレーンチューブ60の材質としては、軟質塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂など、医療用として使用されている合成樹脂材料を用いることができる。ドレーンチューブ60の全長は50〜2000mm程度とすることができる。周壁10の肉厚は0.1〜3.0mm程度で、周方向および長さ方向に均一とすることができる。
ドレーンチューブ60は、先端DE側から順に、先端部領域L1、中間領域L2、遷移領域L3および基端領域L4に区分することができる。図2(a)は先端部領域L1の横断面図、図2(b)は中間領域L2の横断面図、図2(c)は遷移領域L3の先端部の第一遷移領域L31の横断面図、図2(d)は遷移領域L3の基端部の第二遷移領域L32の横断面図、図2(e)は基端領域L4の横断面図である。
図1に示すように、ドレーンチューブ60は被験者Sの体腔BCに留置して用いられる。より具体的には、ドレーンチューブ60の少なくとも先端部領域L1が被験者Sの体腔BCに挿入され、基端PEは被験者Sの体外に引き出され、僅かに負圧に吸引される。これにより、ドレーンチューブ60を通じて、体腔BCの内部に存在する体液Fを吸引して体外に排出することができる。体液Fとしては、血液や漿膜腔液、消化液、膿液などを例示することができる。
ドレーンチューブ60の中間領域L2は、被験者Sの体壁BWに設けられた穿刺孔PHに挿入され、そして体壁BWに固定して用いられる。ドレーンチューブ60を固定する方法は特に限定されないが、縫合糸62を用いてドレーンチューブ60の周壁10を体壁BWに縫合するとよい。
図2(a)から図2(d)に示すように、ドレーンチューブ60の周壁10のうちエンドルーメン21に対応する位置に、放射線不透過性の造影ライン14が配設されている。造影ライン14はドレーンチューブ60の長さ方向に沿って直線的に配設されている。造影ライン14を設けることで、エックス線などの放射線撮影下でドレーンチューブ60の向きおよび先端DEの位置を確認することができる。
造影ライン14には、周壁10を構成する上記の合成樹脂材料に放射線不透過材料を混入した混合材料を用いることができる。放射線不透過材料としては、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、酸化ビスマス、タングステン、タングステンカーバイド、酸化ジルコニウム、タンタル、金、白金または銀を例示することができる。
造影ライン14は、周壁10のうちエンドルーメン21に対応する位置であって第一隔壁30aおよび30bの間に配設されている。かかる位置に造影ライン14を配設することで、体液Fの負圧吸引時にスリット開口12a〜12dが開閉して第二隔壁32a〜32cが局所的に揺動しても、放射線撮影下で造影ライン14を安定して観察することができる。
図2(a)に示す先端部領域L1および図2(b)に示す中間領域L2には、3以上のルーメン20が形成されている。本実施形態では、1個のエンドルーメン21および4個のスリットルーメン22〜25の合計5個のルーメン20が形成されている態様を例示する。すなわち、本実施形態のドレーンチューブ60におけるルーメン20は、一以上のエンドルーメン21と複数(本実施形態では4個)のスリットルーメン22〜25とを含む。エンドルーメン21は、周壁10および第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)によって画成され、ドレーンチューブ60の先端DE側に開口している。スリットルーメン22〜25は、周壁10および第二の隔壁(第二隔壁32a〜32c)によって画成され、中間領域L2よりも先端DE側の先端部領域L1における周壁10に貫通形成されたスリット開口12a〜12dを備えている。
なお、エンドルーメン21がドレーンチューブ60の先端DE側に開口しているとは、エンドルーメン21がスリット開口を有さず、もっぱらドレーンチューブ60の先端DEに開口が形成されていることをいう。また、スリットルーメン22〜25は、スリット開口12a〜12dが周壁10に貫通形成されているほか、図2(a)に示すように、ドレーンチューブ60の先端DEにおいても更に開口している。
ただし、ルーメン20の数量はこれに限られず、たとえばエンドルーメンを2個以上形成してもよく、スリットルーメンを2個、3個または5個以上形成してもよい。
図2(b)に示す中間領域L2には、第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)および一または複数(本実施形態では3個)の第二の隔壁(第二隔壁32a〜32c)が形成されて、エンドルーメン21および複数(本実施形態では4個)のスリットルーメン22〜25が形成されている。そして、遷移領域L3には、第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)およびエンドルーメン21が形成され、かつ第二の隔壁(第二隔壁32a〜32c)の一部または全部が非形成で複数のスリットルーメン22〜25が互いに連通している。
エンドルーメン21はドレーンチューブ60の先端DEから少なくとも遷移領域L3に亘る長さ領域に形成されている。一方、スリットルーメン22〜25は、第一遷移領域L31において隣接する2個ずつが互いに統合されて統合ルーメン26・27となり、さらに第二遷移領域L32において4個のスリットルーメン22〜25が総て統合されて統合ルーメン28となっている。すなわち、図2(c)に示す統合ルーメン26は、第二隔壁32aが非形成でスリットルーメン22および23が互いに連通したルーメンである。統合ルーメン27は、第二隔壁32cが非形成でスリットルーメン24および25が互いに連通したルーメンである。図2(d)に示す統合ルーメン28は、第二隔壁32a〜32cがいずれも非形成でスリットルーメン22〜25が総て連通したルーメンである。以下、スリットルーメン同士が連通した統合ルーメン26〜28も、スリットルーメンと呼称する場合がある。
本実施形態のドレーンチューブ60においては、中間領域L2よりも遷移領域L3の方が長く形成されている。言い換えると、中間領域L2は遷移領域L3よりも短く形成されている。第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cが形成されてドレーンチューブ60の開口面積が小さい中間領域L2が短くなるためドレーンチューブ60における圧力損失が軽減され、体液F(図1参照)の良好な吸引が可能になる。なお、ここでいう遷移領域L3の長さとは第一遷移領域L31と第二遷移領域L32とを合計した長さである。中間領域L2は、たとえば10mm以上かつ50mm以下とすることができる。
本実施形態のドレーンチューブ60によれば、中間領域L2は第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cが形成されているため耐圧性が高い。このため、かかる中間領域L2を縫合糸62で縫合して体壁BWに固定することで、縫合糸62による締め付け力によってルーメン20が閉塞することが抑制され、体液Fの吸引および排出を阻害することがない。そして、一部のルーメン20がエンドルーメン21としてドレーンチューブ60の先端DE側に開口しており、このエンドルーメン21は先端部領域L1から中間領域L2を経て、少なくとも遷移領域L3に至るまで形成されている。このため、体外留置された遷移領域L3でドレーンチューブ60を切断することで、エンドルーメン21の開口を容易に露出させることができる。このため、遷移領域L3で切断して現れるエンドルーメン21の開口にガイドワイヤ(図示せず)を挿入することで、ドレーンチューブ60の先端DEの開口までガイドワイヤを確実に案内することが可能である。また、本実施形態のドレーンチューブ60によれば、中間領域L2に形成されている第二隔壁32a〜32cの一部または全部が遷移領域L3において非形成であり、スリットルーメン22〜25どうしが連通する。このため、遷移領域L3およびその基端側(基端領域L4)におけるドレーンチューブ60の開口面積を大きくすることができる。すなわち、第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cが形成されて流路が狭くなっている中間領域L2を短く形成し、これよりも流路が広い遷移領域L3を長く形成して体液Fの流体抵抗を低減することが可能でありながら、ドレーンチューブ60の交換時に遷移領域L3を切断することでエンドルーメン21を選択してガイドワイヤを挿入することができる。
第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cは、ドレーンチューブ60の横断面において放射状に形成されている。先端部領域L1および中間領域L2では、ルーメン20(エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25)の全部が周壁10、第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cにより画成されている。
より具体的には、先端部領域L1および中間領域L2には、3以上のスリットルーメン22〜25および2以上の第二の隔壁(第二隔壁32a〜32c)が形成されている。そして、遷移領域L3における先端部(第一遷移領域L31)には、第二隔壁32bおよび一以上(本実施形態では2個)のスリットルーメン(統合ルーメン26・27)が形成されているとともに、当該第二隔壁および当該スリットルーメンの数が遷移領域L3の基端部(第二遷移領域L32)に向かって減少している。すなわち、第二遷移領域L32では第二隔壁がいずれも形成されておらず、1個のスリットルーメン(統合ルーメン28)が形成されている。
中間領域L2から遷移領域L3の第二遷移領域L32に向かって、第二隔壁の数量は3個(第二隔壁32a〜32c:中間領域L2)、1個(第二隔壁32b:第一遷移領域L31)、0個(第二遷移領域L32)の順に複数段階に減少している。そして、スリットルーメンの数量も、4個(スリットルーメン22〜25:中間領域L2)、2個(統合ルーメン26・27:第一遷移領域L31)、1個(統合ルーメン28:第二遷移領域L32)の順に複数段階に減少している。
遷移領域L3における先端部(第一遷移領域L31)においては、図2(c)に示すように、第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)に対して径方向に対向する第二の隔壁(第二隔壁)である対向隔壁32bが形成され、かつ第一隔壁30a〜30bに対して周方向に隣接する他の第二隔壁である隣接隔壁32a、32cが非形成である。そして、遷移領域L3における基端部(第二遷移領域L32)では、図2(d)に示すように、対向隔壁32bおよび隣接隔壁32a、32cがともに非形成で3以上(本実施形態では4個)のスリットルーメン22〜25が互いに連通している。
これにより、ドレーンチューブ60の耐圧性は、中間領域L2において高く、第一遷移領域L31、第二遷移領域L32の順に徐々に低くなっている。このため、体外に引き出されたドレーンチューブ60が遷移領域L3においてキンクすることが防止されている。特に、中間領域L2と連続する第一遷移領域L31に対向隔壁32bを形成することで、ドレーンチューブ60は第一隔壁30a〜30bおよび対向隔壁32bによって径方向に高い剛性を保持することができる。このため、縫合糸62による締め付け力が中間領域L2から第一遷移領域L31に及んだ場合も、ドレーンチューブ60の潰れが防止される。
中間領域L2と遷移領域L3とに亘って、ドレーンチューブ60の開口面積は、先端DE側から基端PE側に向かって連続的または段階的に拡大している。段階的とは1段階以上であることを意味し、複数段階でもよい。すなわち、中間領域L2と第一遷移領域L31との境界で第二隔壁(隣接隔壁)32a、32cが不連続に消失するように形成されている場合は、ドレーンチューブ60の開口面積は中間領域L2から第一遷移領域L31にかけて段階的に拡大する。同様に、第一遷移領域L31と第二遷移領域L32との境界で第二隔壁(対向隔壁)32bが不連続に消失するように形成されている場合は、ドレーンチューブ60の開口面積は第一遷移領域L31から第二遷移領域L32にかけて段階的に拡大する。また、第二隔壁32a〜32cが長さ方向に徐々に消失するように形成されている場合は、ドレーンチューブ60の開口面積は中間領域L2から第一遷移領域L31、そして第一遷移領域L31から第二遷移領域L32にかけて連続的に拡大する。
本実施形態のドレーンチューブ60のように中間領域L2と遷移領域L3とに亘って開口面積が連続的または段階的に拡大することで、吸引される体液F(図1参照)がドレーンチューブ60の内部で過度に減速されることなく良好に吸引および排出される。
本実施形態のドレーンチューブ60は、遷移領域L3よりも更に基端PE側に、第一の隔壁(第一隔壁30a〜30b)が非形成でエンドルーメン21および複数のスリットルーメン22〜25が互いに連通している基端領域L4を有している(図2(e)参照)。ドレーンチューブ60の基端領域L4では、エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25の総てが統合されて単一ルーメン29が形成されている。
これにより、ドレーンチューブ60の基端PEは円形の単一ルーメン29が開口することとなる。このため、ドレーンチューブ60の基端PEに特別な治具を装着することなく穿刺針や吸引具(図示せず)を装着することができる。
ただし本実施形態に代えて、遷移領域L3は基端PEまで延在して設けられていてもよい。すなわち、第二遷移領域L32に形成されたエンドルーメン21がドレーンチューブ60の基端PEまで延在していてもよい。かかる態様の場合、留置されたドレーンチューブ60を交換するにあたり、被験者Sの体壁BWの外部のどの位置でドレーンチューブ60を切断しても切断面にエンドルーメン21の開口が現れるため、ガイドワイヤ(図示せず)を確実にドレーンチューブ60の先端DEの開口まで案内することができる。
つぎに、本実施形態のドレーンチューブ60の製造方法について説明する。
ドレーンチューブ60の製造方法は特に限定されず、先端部領域L1から基端領域L4を個別に作成して長さ方向に接合してもよく、または先端部領域L1から基端領域L4までを連続的に成形してもよい。
先端部領域L1から基端領域L4までを個別に作成する場合には、図2(a)から図2(e)に示すドレーンチューブ60の断面形状と相補的な断面をもつ複数の金型を個別に作成するとよい。そして、ドレーンチューブ60を長さ領域ごとに区分して、押出成形または射出成形により短尺のチューブを作成し、これらの短尺のチューブを接合してドレーンチューブ60を形成することができる。隣接する短尺のチューブ同士は、周壁10および隔壁(第二隔壁32a〜32cおよび/または第一隔壁30a〜30b)を接着剤または熱融着により接合するとよい。
先端部領域L1から基端領域L4までを連続的に成形する場合には、図2(a)から図2(e)に示すドレーンチューブ60の断面形状と相補的な断面をもつ長尺の金型を作成するとよい。この金型に樹脂チューブを被覆し、更に熱収縮チューブを外周面に被覆し、加熱および加圧成形してドレーンチューブ60を形成してもよい。この金型は相対移動可能な複数の部位で構成されており、加圧成形後に金型をドレーンチューブ60から抜去するにあたっては、スリット開口12a〜12dに対応する部位は先端DE側に引き抜き、単一ルーメン29、統合ルーメン26〜28、エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25にそれぞれ対応する部位は基端PE側に引き抜くとよい。
また、先端部領域L1から基端領域L4までを連続的に成形するには、以下のインダイ100およびチューブ製造装置300を用いてドレーンチューブ60を押出成形してもよい。以下、かかる製造方法を「本方法」という場合がある。
すなわち本方法は、樹脂製のドレーンチューブ60を、インダイ100を用いて押出成形するチューブ製造方法である。ドレーンチューブ60には、図2各図を参照して上述したように、長手方向に延在する周壁10および複数の隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32c)と、これらの周壁10および隔壁(符号略)によってそれぞれ画成された3以上の所定数(本実施形態では5個)のルーメン20と、が少なくとも一部の長さ領域に形成されている。インダイ100は、複数の空隙部114a〜114eを介して互いに離間して配置された上記所定数の爪部112a〜112eを有している(図5および図6参照)。
図3はチューブ製造装置300を説明する側面断面図である。同図の左方を前方または先端側、同図の右方を後方または基端側と呼称する場合がある。便宜上、第一部材110および第二部材120の先端部、第一駆動機構310ならびに第二駆動機構320に関しては断面図ではなく側面図で表示している。図4はインダイ100の第一部材110の斜視図である。図5(a)はインダイ100の第一部材110の先端部の側面図であり、図4の矢印Aの方向に第一部材110を目視した状態を示す。図5(b)は第一部材110の正面図であり、図4の矢印Bの方向に第一部材110を目視した状態を示す。図6はインダイ100の第二部材120の斜視図である。図7(a)は基端領域形成工程において第二部材120を前進させて第一部材110から突出させた状態を示す斜視図である。図7(b)は第一遷移領域形成工程において第二部材120を第一部材110の内部に後退させた状態を示す斜視図である。
本方法に用いられるチューブ製造装置300は、インダイ100を備え、本実施形態のドレーンチューブ60を押出成形する装置である。ドレーンチューブ60には、上述のように、隔壁(第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32c)で互いに隔てられた3以上の所定数(本方法では5個)のルーメン20が少なくとも一部の長さ領域に通孔形成されている。
チューブ製造装置300は、溶融樹脂R1を吐出する吐出口202を有するアウトダイ200と、インダイ100の第一部材110と第二部材120とを相対的に進退駆動する第一駆動機構310と、インダイ100とアウトダイ200とを相対的に進退駆動する第二駆動機構320と、を備えている。インダイ100は吐出口202に対して進退可能に設けられている。
インダイ100は、図4に示す外筒状の第一部材110の内部に、図6に示すピン状の第二部材120を挿入して用いられる。第一駆動機構310は第二部材120をアウトダイ200に対して進退駆動し、第二駆動機構320は第一部材110をアウトダイ200に対して進退駆動する。すなわち、第二駆動機構320を固定した状態で第一駆動機構310を駆動することで、第二部材120は第一部材110に対して進退駆動される。そして、第一駆動機構310および第二駆動機構320をともに駆動することで、第一部材110と第二部材120とを相対的に固定したまま、インダイ100をアウトダイ200に対して相対的に進退駆動することができる。第一駆動機構310および第二駆動機構320には、それぞれ油圧装置など直線的に動作するリニア駆動機器が用いられる。
第一部材110と第二部材120とを相対的に進退駆動することで、図2(b)から図2(e)に示したように、ドレーンチューブ60に形成される第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cの数を段階的に変化させることができる。また、第一部材110および第二部材120をアウトダイ200に対して進退駆動することで、図2(a)に示したようにドレーンチューブ60の周壁10にスリット開口12a〜12dを形成することができる。
図3に示すように、アウトダイ200はチューブ製造装置300の前方に配設されている。アウトダイ200の中心には円形の吐出口202が貫通形成されている。インダイ100の先端部は吐出口202の内側に配置される。なお、吐出口202の内側とは、アウトダイ200の正面視における吐出口202の内側を意味し、インダイ100の先端部が吐出口202よりも前方に突出している状態や吐出口202から後方に後退している状態も含む。
チューブ製造装置300は、アウトダイ200の後方に設置されてインダイ100の先端部を挿通するガイド220を更に備えている。ガイド220は、吐出口202に向かって突出する円錐台形状をなしている。ガイド220には、第一部材110の先端部を挿通する円形のガイド開口222(図7(a)および図7(b)参照)が形成されている。ガイド220の前面221とチューブ製造装置300との間に樹脂供給路230が形成されている。樹脂供給路230には、ドレーンチューブ60の周壁10および隔壁(第一隔壁30a〜30b、第二隔壁32a〜32c)を作成するための樹脂材料が、押出機214から溶融状態で供給される。かかる溶融樹脂R1は、ガイド220の前面221に沿って吐出口202に向かって流動し、ガイド220から突出するインダイ100の先端部に接触してインダイ100と相補的な形状となって吐出口202から吐出される。
チューブ製造装置300は、樹脂供給路230と異なる第二樹脂供給路232を備えている。第二樹脂供給路232には、放射線不透過性の造影剤が配合された第二の樹脂材料R2が、第二の押出機216から溶融状態で供給される。かかる第二の樹脂材料R2により造影ライン14(図2各図参照)が形成される。第二樹脂供給路232は、アウトダイ200の背面側に形成された樹脂流路212に接続されている。
つぎに、インダイ100について更に詳細に説明する。
図4に示すように、インダイ100の第一部材110は筒状の胴部118の先端部に爪部112a〜112eが突出して一体形成されている。胴部118の基端側にはフランジ部119が形成されている。フランジ部119は第二駆動機構320(図3参照)に連結されて進退駆動される。
図5(b)に示すように、インダイ100の第一部材110は、空隙部114a〜114eを介して互いに離間して配置されてルーメン20を形成する所定数(本実施形態では5個)の爪部112a〜112eを有している。
爪部112aはドレーンチューブ60におけるエンドルーメン21を形成する部位であり、爪部112b〜112eはドレーンチューブ60におけるスリットルーメン22〜25をそれぞれ形成する部位である。
第一部材110は、上記所定数(本実施形態では5個)のうちの一部の爪部112b〜112eの外面に突出形成されてドレーンチューブ60の周壁10にスリット開口12a〜12dを形成する外側突起部116a〜116dを有している。そして、爪部112aの外面には、外側突起部は非形成である。
外側突起部116a〜116dは爪部112b〜112eに対し、正面視で一部の周長にそれぞれ形成されている。これにより、図2(a)に示したように、ドレーンチューブ60のスリットルーメン22〜25には、周壁10の一部が切り欠かれたスリット開口12a〜12dがそれぞれ形成される。
図6に示すインダイ100の第二部材120は、第一部材110に対して進退可能に設けられ、空隙部114a〜114eに介挿される複数(本実施形態では5個)の突片部122a〜122eを有している。
第二部材120は、進退方向の第一位置P1、およびこの第一位置P1よりも基端側の第二位置P2に、一以上の突片部122a〜122eが形成されている。そして、第一位置P1と第二位置P2とで、形成されている突片部(符号略)の数が異なっている。
第二部材120は円柱状の摺動部124を有している。摺動部124は第一部材110の胴部118に摺動自在に挿入される。突片部122a〜122eは、摺動部124の先端側に突出して一体形成されている。
第二部材120の基端側にあたる第二位置P2には、ルーメン20と同数の所定数(本実施形態では5個)の突片部122a〜122eが形成されており、先端側にあたる第一位置P1には上記所定数よりも少ない数(2個)の突片部122c・122eが形成されている。
さらに、第二部材120には、進退方向における第一位置P1と第二位置P2との間の第三位置P3に、第二位置P2における突片部122a〜122eの数(5個)よりも少なく、第一位置P1における突片部122c・122eの数よりも多い数(3個)の突片部122c〜122eが形成されている。
突片部122a〜122bは、ドレーンチューブ60における第一隔壁30a〜30bをそれぞれ形成するための部位である。突片部122c〜122eは、ドレーンチューブ60における第二隔壁32a〜32cをそれぞれ形成するための部位である。
突片部122a〜122eは、インダイ100の第二部材120の軸心から放射方向に突出し、かつ軸心方向に沿って延在する板状に形成されている。第二部材120は、第一位置P1と第二位置P2とに亘って軸心方向に長く延在する突片部122c・122eと、第一位置P1と第三位置P3との間で終端する中間長さの突片部122dと、第三位置P3と第二位置P2との間で終端する短い突片部122a〜122bと、を有している。これらの短い突片部122a〜122bは第二部材120の周方向に互いに隣接しており、以下、「隣接突片部」と呼称する場合がある。
中間長さの突片部122dは、長い突片部122c・122eを介して、短い突片部(隣接突片部)122a〜122bの反対側に形成されている。すなわち、第二部材120の第三位置P3には、短い突片部(隣接突片部)122a〜122bと、当該突片部122a〜122bに対して第二部材120の径方向に対向する突片部122dと、が形成されている。
第二部材120は第一部材110に対して所定の向きで挿入される。すなわち、図7(a)および図7(b)に示すように、外側突起部が非形成の爪部112aを挟むようにして、第二部材120の隣接突片部122a〜122bを第一部材110の空隙部114a〜114bに介挿する。
以下、図8から図12を参照してドレーンチューブ60の先端部領域L1から基端領域L4を形成する方法を説明する。先端部領域L1を形成する工程をスリット形成工程、中間領域L2を形成する工程を中間領域形成工程、第一遷移領域L31を形成する工程を第一遷移領域形成工程、第二遷移領域L32を形成する工程を第二遷移領域形成工程、基端領域L4を形成する工程を基端領域形成工程と呼称する。
以下の説明では、スリット形成工程、中間領域形成工程、第一遷移領域形成工程、第二遷移領域形成工程および基端領域形成工程の順に行うことを例示するが、本方法はこれに限られない。これらを逆順に行ってもよい。
図8(a)〜図8(c)はスリット形成工程を説明する図であり、図8(a)はインダイ100の横断面図である。インダイ100の横断面とはアウトダイ200の吐出口202において第一部材110および第二部材120を切断した横断面をいい、図9(a)〜図12(a)に関しても同様とする。図8(b)はチューブ製造装置300の部分断面図である。便宜上、第一部材110および第二部材120の先端部に関しては断面図ではなく側面図で表示しており、図9(b)〜図12(b)に関しても同様とする。図8(c)は成形されるドレーンチューブ60の先端部領域L1の断面形状である。
スリット形成工程では、インダイ100の第一部材110を吐出口202に向けて前進させてドレーンチューブ60の周壁10にスリット開口12a〜12dを形成する。第一部材110の外側突起部116a〜116dの長さ方向の少なくとも一部が吐出口202よりも前方に突出するように第一部材110を前進させた状態で溶融樹脂R1をインダイ100に接触させたうえで吐出口202より吐出する。このとき、第二部材120は、突片部122a〜122e(図7参照)がガイド220の先端よりも後方に位置するように十分に後退させておく。
これにより、吐出口202におけるインダイ100の横断面には、図8(a)に示すように爪部112a〜112eおよび外側突起部116a〜116dが現れる。そして、スリット形成工程で作成される先端部領域L1には、スリットルーメン22〜25の周壁10にスリット開口12a〜12dが形成される。
このとき、アウトダイ200の樹脂流路212に第二の押出機216(図3参照)から第二の樹脂材料R2を供給する。これにより、ドレーンチューブ60の周壁10とともに造影ライン14が形成される。以下、基端領域形成工程まで造影ライン14を連続的に形成する。
図9(a)〜図9(c)は中間領域形成工程を説明する図であり、図9(a)はインダイ100の横断面図、図9(b)はチューブ製造装置300の部分断面図、図9(c)は成形されるドレーンチューブ60の中間領域L2の断面形状である。
中間領域形成工程では、外側突起部116a〜116dがガイド220の先端部よりも後方に位置するように、スリット形成工程よりも第一部材110を後退させて行う。そして、溶融樹脂R1が押し出される吐出口202の内側に配置されたインダイ100の複数の空隙部114a〜114eを開放して溶融樹脂R1をインダイ100と接触させる。本実施形態では空隙部114a〜114eの全部を開放する。これにより、周壁10、複数の隔壁(本実施形態では第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cの5個)および3以上(本実施形態では5個)のルーメン20が形成された中間領域L2が作成される。そして、中間領域L2のスリットルーメン22〜25にはスリット開口12a〜12d(図8(c)参照)は形成されておらず、周回状の周壁10が形成される。
図10(a)〜図10(c)は第一遷移領域形成工程を説明する図であり、図10(a)はインダイ100の横断面図、図10(b)はチューブ製造装置300の部分断面図、図10(c)は成形されるドレーンチューブ60の第一遷移領域L31の断面形状である。
第一遷移領域形成工程では、第一部材110を吐出口202に対して固定したまま、中間領域形成工程よりも第二部材120を僅かに前進させる。第二部材120の第一位置P1に形成された最先端の突片部122c・122e(図6参照)を吐出口202よりも突出させ、他の突片部122a〜122b・122dを吐出口202よりも後退させた位置とする。そして、インダイ100における上記複数のうち一部の空隙部114c・114e(図9(a)参照)を閉塞し、他の空隙部114a〜114b・114d(図9(a)参照)を開放して溶融樹脂R1をインダイ100と接触させる。これにより、上記複数(5個)よりも少ない数(本実施形態では3個)の隔壁(符号略)および上記3以上(5個)のうちの一部(3個)のルーメン20を形成し、他のルーメン20を互いに連通させる。具体的には、スリットルーメン22および23は互いに連通して統合ルーメン26となり、スリットルーメン24および25は互いに連通して統合ルーメン27となる。
中間領域形成工程と第一遷移領域形成工程とは、溶融樹脂R1の押し出しを継続しながら相前後して行う。これにより、ドレーンチューブ60において中間領域L2と第一遷移領域L31とを連続的に形成することができる。
図11(a)〜図11(c)は第二遷移領域形成工程を説明する図であり、図11(a)はインダイ100の横断面図、図11(b)はチューブ製造装置300の部分断面図、図11(c)は成形されるドレーンチューブ60の第二遷移領域L32の断面形状である。
第二遷移領域形成工程では、第一部材110を吐出口202に対して固定したまま、第一遷移領域形成工程よりも第二部材120を更に僅かに前進させる。第二部材120の第三位置P3に形成された突片部122c〜122e(図6参照)を吐出口202よりも突出させ、他の突片部122a〜122bを吐出口202よりも後退させた位置とする。これにより、第一位置P1に形成された突片部122c・122eは爪部112c・112eよりも突出する。そして、インダイ100における一部の空隙部114c〜114e(図9(a)参照)を閉塞し、他の空隙部114a〜114b(図9(a)参照)を開放して溶融樹脂R1をインダイ100と接触させる。これにより、上記複数(5個)よりも少ない数(本実施形態では2個)の隔壁(符号略)および上記3以上(5個)のうちの一部(2個)のルーメン20を形成し、他のルーメン20を互いに連通させる。具体的には、スリットルーメン22〜25は互いに連通して統合ルーメン28となる。
図12(a)〜図12(c)は基端領域形成工程を説明する図であり、図12(a)はインダイ100の横断面図、図12(b)はチューブ製造装置300の部分断面図、図12(c)は成形されるドレーンチューブ60の基端領域L4の断面形状である。
基端領域形成工程では、第一部材110を吐出口202に対して固定したまま、第一遷移領域形成工程よりも第二部材120を更に前進させる。全工程中、第二部材120は第一部材110に対して相対的に最も前進した位置をとる。第二部材120の第二位置P2の突片部122a〜122e(図6参照)を第一部材110の空隙部114a〜114e(図9(a)参照)に介挿し、複数(本実施形態では5個全部)の空隙部114a〜114eを閉塞して溶融樹脂R1をインダイ100と接触させる。これにより、第一隔壁30a〜30bおよび第二隔壁32a〜32cが非形成となる。具体的には、エンドルーメン21およびスリットルーメン22〜25が総て連通して単一ルーメン29が形成された基端領域L4が形成される。
以上、本方法によれば、先端部領域L1から基端領域L4が連続的に形成されたドレーンチューブ60が作成される。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば、上記の実施形態では第一遷移領域L31および第二遷移領域L32を両方形成することを例示したが、本発明はこれに限られず、ドレーンチューブ60は第一遷移領域L31または第二遷移領域L32の一方のみを備えてもよい。たとえば第一遷移領域L31を形成し第二遷移領域L32を形成しない場合、上記の第一遷移領域形成工程と相前後して基端領域形成工程を行えばよい。また、第二遷移領域L32を形成し第一遷移領域L31を形成しない場合には、上記の中間領域形成工程と相前後して第二遷移領域形成工程を行えばよい。
なお、本発明のドレーンチューブ60の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)長手方向に延在する周壁および複数の隔壁と、前記周壁および前記隔壁によってそれぞれ画成された3以上のルーメンと、を備える医療用のドレーンチューブであって、前記複数の前記隔壁が形成されて前記3以上の前記ルーメンが画成された中間領域と、前記中間領域よりも基端側の長さ領域であって、前記複数のうち一部の前記隔壁および一以上の前記ルーメンが形成され、かつ前記複数のうち他の一以上の前記隔壁が非形成で複数の前記ルーメンが互いに連通している遷移領域と、を有することを特徴とするドレーンチューブ。
(2)前記ルーメンが、前記周壁および第一の前記隔壁によって画成され、前記ドレーンチューブの先端側に開口している一以上のエンドルーメンと、前記周壁および第二の前記隔壁によって画成され、前記中間領域よりも先端側の先端部領域における前記周壁に貫通形成されたスリット開口を備える複数のスリットルーメンと、を含み、前記中間領域には、前記第一の隔壁および一または複数の前記第二の隔壁が形成されて前記エンドルーメンおよび複数の前記スリットルーメンが形成され、前記遷移領域には、前記第一の隔壁および前記エンドルーメンが形成され、かつ前記第二の隔壁の一部または全部が非形成で複数の前記スリットルーメンが互いに連通している上記(1)に記載のドレーンチューブ。
(3)前記先端部領域および前記中間領域に3以上の前記スリットルーメンおよび2以上の第二の前記隔壁が形成されており、前記遷移領域における先端部に前記第二の隔壁および一以上の前記スリットルーメンが形成されているとともに、当該第二の隔壁および当該スリットルーメンの数が前記遷移領域の基端部に向かって減少することを特徴とする上記(2)に記載のドレーンチューブ。
(4)前記遷移領域における前記先端部に、前記第一の隔壁に対して径方向に対向する前記第二の隔壁である対向隔壁が形成され、かつ前記第一の隔壁に対して周方向に隣接する他の前記第二の隔壁である隣接隔壁が非形成であり、前記遷移領域における前記基端部で、前記対向隔壁および前記隣接隔壁がともに非形成で3以上の前記スリットルーメンが互いに連通している上記(3)に記載のドレーンチューブ。
(5)前記中間領域と前記遷移領域とに亘って、開口面積が先端側から基端側に向かって連続的または段階的に拡大している上記(2)から(4)のいずれか一項に記載のドレーンチューブ。
(6)前記遷移領域よりも更に基端側に、前記第一の隔壁が非形成で前記エンドルーメンおよび複数の前記スリットルーメンが互いに連通している基端領域を有する上記(2)から(5)のいずれか一項に記載のドレーンチューブ。
(7)前記ドレーンチューブの前記周壁のうち前記エンドルーメンに対応する位置に、放射線不透過性の造影ラインが配設されている上記(2)から(6)のいずれか一項に記載のドレーンチューブ。
(8)前記遷移領域が基端まで延在して設けられている上記(1)から(5)のいずれか一項に記載のドレーンチューブ。
(9)前記中間領域よりも前記遷移領域の方が長く形成されている上記(1)から(8)のいずれか一項に記載のドレーンチューブ。
10 周壁
12a〜12d スリット開口
14 造影ライン
20 ルーメン
21 エンドルーメン
22〜25 スリットルーメン
26〜28 統合ルーメン
29 単一ルーメン
30a〜30b 第一隔壁
32a、32c 第二隔壁(隣接隔壁)
32b 第二隔壁(対向隔壁)
60 ドレーンチューブ
62 縫合糸
100 インダイ
110 第一部材
112a〜112e 爪部
114a〜114e 空隙部
116a〜116d 外側突起部
118 胴部
119 フランジ部
120 第二部材
122a〜122b 突片部(隣接突片部)
122c〜122e 突片部
124 摺動部
200 アウトダイ
202 吐出口
212 樹脂流路
214 押出機
216 第二の押出機
220 ガイド
221 前面
222 ガイド開口
230 樹脂供給路
232 第二樹脂供給路
300 チューブ製造装置
310 第一駆動機構
320 第二駆動機構
S 被験者
F 体液
BC 体腔
BW 体壁
PH 穿刺孔
DE 先端
PE 基端
L1 先端部領域
L2 中間領域
L3 遷移領域
L31 第一遷移領域
L32 第二遷移領域
L4 基端領域
P1 第一位置
P2 第二位置
P3 第三位置
R1 溶融樹脂
R2 第二の樹脂材料

Claims (6)

  1. 長手方向に延在する周壁ならびに第一および第二の隔壁と、前記周壁および前記隔壁によってそれぞれ画成された以上のルーメンと、を備え、中間領域と、前記中間領域よりも基端側の長さ領域である遷移領域と、前記中間領域よりも先端側の先端部領域と、を有する医療用のドレーンチューブであって、
    前記ルーメンが、
    前記周壁および前記第二の隔壁によって画成され、前記先端部領域における前記周壁に貫通形成されたスリット開口を備える3以上のスリットルーメンと、
    前記周壁および前記第一の隔壁によって画成され、前記スリット開口を有さず前記ドレーンチューブの先端側に開口している一以上のエンドルーメンと、を含み、
    前記第一の隔壁および前記エンドルーメンは前記先端部領域と前記中間領域と前記遷移領域とに亘って形成されており、
    3以上の前記スリットルーメンおよび2以上の前記第二の隔壁が前記先端部領域と前記中間領域とに亘って形成され、
    前記中間領域に形成されている2以上の前記第二の隔壁のうちの一部であって前記第一の隔壁に対して周方向に隣接する隣接隔壁が、前記中間領域と前記遷移領域との境界で消失して前記遷移領域で非形成であり、
    他の前記第二の隔壁であって前記第一の隔壁に対して径方向に対向する前記第二の隔壁である対向隔壁が、前記境界を越えて前記中間領域と前記遷移領域における先端部とに亘って形成され、かつ前記遷移領域において消失して前記遷移領域における基端部で非形成であることで、中間領域における3以上の前記スリットルーメンが前記遷移領域における前記基端部において互いに連通しており、
    前記スリットルーメンの数が、前記中間領域において前記3以上、前記遷移領域における前記先端部において前記3以上よりも少ない所定数、かつ前記遷移領域における前記基端部において前記所定数よりも少ない数であることを特徴とするドレーンチューブ。
  2. 前記中間領域と前記遷移領域とに亘って、開口面積が先端側から基端側に向かって連続的または段階的に拡大している請求項に記載のドレーンチューブ。
  3. 前記遷移領域よりも更に基端側に、前記第一の隔壁が非形成で前記エンドルーメンおよび複数の前記スリットルーメンが互いに連通している基端領域を有する請求項1または2に記載のドレーンチューブ。
  4. 前記ドレーンチューブの前記周壁のうち前記エンドルーメンに対応する位置に、放射線不透過性の造影ラインが配設されている請求項1から3のいずれか一項に記載のドレーンチューブ。
  5. 前記遷移領域が基端まで延在して設けられている請求項1または2に記載のドレーンチューブ。
  6. 前記中間領域よりも前記遷移領域の方が長く形成されている請求項1からのいずれか一項に記載のドレーンチューブ。
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