本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
以下の説明において散布作業車の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後というが、本発明の構成を限定するものでは無い。また、溶液とは、肥料や農薬等を溶媒(例えば、水)に溶解させた液体、及び肥料や農薬等の固形分を含む液体(例えば、水)等の液状物をいう。
図1は、本実施形態に係る散布作業車の側面図である。図2は、本実施形態に係る散布作業車の平面図である。散布作業車1は、動力発生源が発生する動力によって走行して、溶液を圃場に散布する作業用車両である。
散布作業車1は、車体1Bと、車体1Bに搭載された動力発生源としての内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン又はガソリンエンジン)2と、内燃機関2が発生した動力を地面Gに伝えて散布作業車1を走行させる前輪3FL、3FR及び後輪3RL、3RRと、を含む。内燃機関2の出力は、油圧ポンプ2Pに入力される。油圧ポンプ2Pは、内燃機関2によって駆動されて、油圧機器を駆動するための作動油を吐出する。
前輪3FL、3FR及び後輪3RL、3RRは、車体1Bに取り付けられて、これを支持している。前輪3FL、3FR及び後輪3RL、3RRには、それぞれ油圧モータ3Mが取り付けられている。また、後述するように、前輪3FL、3FRは散布作業車1の操舵輪である。このように、車体1Bは、操舵輪と駆動輪とを有する。油圧モータ3Mは、油圧ポンプ2Pから吐出された作動油によって回転し、前輪3FL、3FR及び後輪3RL、3RRを回転させる。このような構造によって、内燃機関2の動力が地面Gに伝えられて、散布作業車1を走行させる。なお、図1は、右側の前輪3FL及び後輪3RLに油圧モータ3Mが取り付けられている状態を示しているが、左側の前輪3FR及び後輪3RRについても同様に油圧モータ3Mが取り付けられている。
本実施形態において、散布作業車1は、内燃機関2の動力を油圧ポンプ2P及び油圧モータ3Mを介して前輪3FL、3FR及び後輪3RL、3RRに伝達するが、内燃機関2の動力を、トランスミッションを介して前輪3FL、3FR及び後輪3RL、3RRに伝達してもよい。この場合、内燃機関2とトランスミッションとの間に油圧式無段変速装置HST(Hydro Static Transmission)を設け、内燃機関2からの動力を油圧式無段変速装置HSTの可変油圧ポンプに入力し、油圧式無段変速装置HSTの定量油圧モータから出力した動力をトランスミッションに入力し、トランスミッション内の副変速装置を介して前輪3FL、3FR及び後輪3RL、3RRに動力伝達するようにしてもよい。
散布作業車1は、溶液を散布するための複数の地上散布ノズル4と、複数の地上散布ノズル4が取り付けられてこれらを支持する一対の散布ブーム5としての左散布ブーム5L、右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cとを有する。左散布ブーム5Lは、散布作業車1の前後方向の左側に配置され、右散布ブーム5Rは、散布作業車1の前後方向の右側に配置される。このように、左散布ブーム5Lと右散布ブーム5Rとは、散布作業車1の車体1Bの前後方向に対してそれぞれ両側に設けられる一対の散布ブーム5である。
前散布ブーム5Cは、散布作業車1の進行方向側かつ左散布ブーム5Lと右散布ブーム5Rとの間に配置される。左散布ブーム5Lと、右散布ブーム5Rと、前散布ブーム5Cとは、それぞれ複数の地上散布ノズル4を有している。本実施形態において、複数の地上散布ノズル4は、溶液を散布するための噴射口が地面Gを向いているが、前記噴射口の向きはこれに限定されるものではなく、溶液の散布対象に応じて適宜調整できる。
左散布ブーム5Lは、散布作業車1に旋回可能に取り付けられる旋回散布ブーム5BLと、旋回散布ブーム5BLに伸縮自在に支持される延長散布ブーム5SLとを有する。
右散布ブーム5Rも、左散布ブーム5Lと同様に、散布作業車1に旋回可能に取り付けられる旋回散布ブーム5BRと、旋回散布ブーム5BRに伸縮自在に支持される延長散布ブーム5SRとを有する。図2に示すように、左散布ブーム5L及び右散布ブーム5Rは、圃場で溶液を散布しないときには散布作業車1の車体1Bの前後方向に対して両側に折り畳まれている。延長散布ブーム5SLと延長散布ブーム5SRの先端上部には受信アンテナ50を設け、複数のGPS衛星SG1、SG2から送信される電波を受信する。この受信アンテナ50を含むGPS受信部10については後述する。
溶液の散布時において、左散布ブーム5L及び右散布ブーム5Rは、いずれも散布作業車1の前方に向かって、前散布ブーム5Cと略平行になる位置まで旋回する(図2の矢印Rで示す方向)。図2においては、左散布ブーム5L及び右散布ブーム5Rは、図2の矢印Rで示す方向に旋回する。この位置で、左散布ブーム5L及び右散布ブーム5Rは散布作業車1に固定される。すると、左散布ブーム5Lと右散布ブーム5Rと前散布ブーム5Cとは、略一直線上に配置されるので、これらに取り付けられた複数の地上散布ノズル4も、略一直線上に配列される。
また、散布作業車1は、左散布ブーム5L又は右散布ブーム5Rと、基準面(例えば、前輪3FL、3FR及び後輪3RL、3RRの車軸を含む平面又は水平面)とのなす角度を、それぞれ独立に調整することができる。散布作業車1は、左散布ブーム5L又は右散布ブーム5Rと基準面との角度を調整することにより、圃場と左散布ブーム5L又は右散布ブーム5Rとの距離を調整することができるので、圃場の作物と左散布ブーム5L又は右散布ブーム5Rとの距離も調整することができる。
図9と図10に右散布ブーム5Rの伸縮構造を示す。左散布ブーム5Lはこの右散布ブーム5Rと対称構造となっているので、説明を省略する。
基部が車体1Bに枢支された右旋回散布ブーム5BRに、右延長散布ブーム5SRを取り付けた右支持ガイド17Rが複数の上ローラ19Aと下ローラ19Bで摺動可能に載せられている。右旋回散布ブーム5BRの基部上に設けるモータブラケット35Rに取り付けた右スライドモータ34Rの出力軸にスプロケット33Sが固着され、該スプロケット33Sに連結チェン22Cが巻き掛けられ、右支持ガイド17Rの上部の先端側に設けたプーリブラケット18R2に枢着の従動プーリ33Pに連結チェン22Cと連結した連結ワイヤ22Wが巻き掛けられている。つまり、前記従動プーリ33Pとスプロケット33Sを連結チェン22Cと連結ワイヤ22Wがループ状に連結している。
従って、右スライドモータ34Rを駆動すると、連結ワイヤ22Wを取り付けた連結ブラケット18R1を介して右延長散布ブーム5SRが右支持ガイド17Rに対して摺動して伸縮するようになる。
右支持ガイド17Rの基部と先端に立設する右ガイド支柱20R1、20R2には連結チェン22Cの上側で右ホースガイド36Rを張って、コイル状に巻いた右フレキシブルホース23ERを吊り下げて支持している。
尚、従動プーリ33Pを駆動するアシストモータをプーリブラケット18R2に設けると、右延長散布ブーム5SRのスライドがよりスムースになる。
散布作業車1は、車体1Bの進行方向側かつ前後方向に対して両側に、それぞれ左散布ブーム高さ調整装置としての左上下アクチュエータ12Lと、右散布ブーム高さ調整装置としての右上下アクチュエータ12Rとを搭載している。また、散布作業車1は、車体1Bの進行方向側かつ前後方向に対して両側に、左散布ブーム開閉装置としての左開閉アクチュエータ13Lと、右散布ブーム開閉装置としての右開閉アクチュエータ13Rとを搭載している。左上下アクチュエータ12L、右上下アクチュエータ12R、左開閉アクチュエータ13L及び右開閉アクチュエータ13Rは、例えば、油圧シリンダ又はエアシリンダ等である。
散布作業車1は、車体1Bの前側に水平バルブ14を搭載している。水平バルブ14は、左散布ブーム5L、右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cと車体1Bの所定平面(例えば、前輪3FL、3FR及び後輪3RL、3RRの車軸を含む平面)とのなす角度を調整する装置である。例えば、散布作業車1が圃場で散布作業をしているときに、圃場の作付面(圃場において作物が作付けされている部分の表面)に対して散布作業車1が傾斜したような場合、左散布ブーム5L、右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cが圃場に対して傾斜することがある。この場合、水平バルブ14は、左散布ブーム5L、右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cと車体1Bの所定平面とのなす角度を調整して、左散布ブーム5L、右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cと作付面とが平行になるようにする。このようにすることで、散布作業車1が作付面に対して傾斜しても、作物と地上散布ノズル4との距離を略一定に保持することができる。
散布作業車1は、車体1Bの前側に、ブームストロークセンサ95と、リンク角速度センサ96と、リンク傾斜センサ97とを搭載している。また、散布作業車1は、車体1Bの前側で左右側に、ブーム角度右センサ98Rとブーム角度左センサ98Lとを搭載し、さらに、ブーム開閉右センサ99Rとブーム開閉左センサ99Lとを搭載する。
ブームストロークセンサ95は、左散布ブーム5L及び右散布ブーム5Rの長さを検出する。リンク角速度センサ96は、左散布ブーム5L、右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cを車体1Bに取り付けるリンクの角速度を検出する。
リンク傾斜センサ97は、左散布ブーム5L、右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cを車体1Bに取り付けるリンクの水平面に対する傾斜を検出する。ブーム角度右センサ98Rは、右散布ブーム5Rの前記基準面に対する傾斜角度を検出し、ブーム角度左センサ98Lは、左散布ブーム5Lの前記基準面に対する傾斜角度を検出する。
ブーム開閉右センサ99Rは、右散布ブーム5Rが閉じているか又は開いているかを検出し、ブーム開閉左センサ99Lは、左散布ブーム5Lが閉じているか又は開いているかを検出する。ブームストロークセンサ95、リンク角速度センサ96、リンク傾斜センサ97、ブーム角度右センサ98R、ブーム角度左センサ98L、ブーム開閉右センサ99R及びブーム開閉左センサ99Lは、後述する制御装置9と電気的に接続されている。制御装置9は、これらのセンサが検出した値を取得して、散布作業車1の制御に用いる。
散布作業車1は、制御装置9と、表示・操作パネル11と、散布作業車1が走行する速度(車両速度又は車速)を検出する速度検出手段としての車速センサ90と、操舵輪の操舵角度を検出する操舵角検出手段としての操舵角センサ91とを有する。
制御装置9は、散布作業車1の制御、例えば、GPS受信部10から得られる情報に基づいて散布作業車1が圃場の溶液を散布する領域へ進入際の進入位置を求めたり、地上散布ノズル4から散布される溶液の供給量を制御したり、内燃機関2を制御したりする。
表示・操作パネル11は、作業者からの入力を受け付けたり、散布作業車1の運転条件を表示したり、散布作業車1の状態を表示したり、散布作業車1の移動軌跡を表示したり、散布作業車1の移動軌跡から未散布領域を表示したりする。制御装置9、と表示・操作パネル11については後述する。
車速センサ90は、例えば、前輪3FL、3FR、後輪3RL、3RRの回転速度から又はトランスミッション内の歯車の回転から、散布作業車1の速度(車速)を検出する。操舵角センサ91は、ハンドル7の回転角度から、前輪3FL、3FRの操舵角を検出する。すなわち、散布作業車1は、前輪3FL、3FRが操舵輪となる。
作業者は、車体1Bの中央に設ける運転席6に座って、ハンドル7を操作して操縦する。
図3、図4は、散布作業車が溶液を散布する際の姿勢を示す正面図である。図3は、図2に示す旋回散布ブーム5BL、5BRから延長散布ブーム5SL、5SRが伸びていない状態を示している。図4は、旋回散布ブーム5BL、5BRから延長散布ブーム5SL、5SRが伸びている状態を示している。いずれの状態においても、地面G上の散布作業車1は、左散布ブーム5Lと右散布ブーム5Rと前散布ブーム5Cとが略一直線上に配置された状態で、複数の地上散布ノズル4から溶液を散布する。すなわち、散布作業車1は、左散布ブーム5Lと右散布ブーム5Rとを左右に開いた状態で複数の地上散布ノズル4から溶液を散布する。なお、散布作業車1は、車体1Bの前後方向両側にそれぞれ設けられた左散布ブーム5Lと右散布ブーム5Rとが、車体1Bに収納された状態と左右に開いた状態との間に存在する状態においても、複数の地上散布ノズル4から溶液を散布することができる。
図4に示すように、旋回散布ブーム5BL、5BRからそれぞれ延長散布ブーム5SL、5SRが伸びると、左散布ブーム5Lの先端と右散布ブーム5Rの先端との距離は、延長散布ブーム5SL、5SRが伸びない場合よりも大きくなる。左散布ブーム5Lの付け根(前散布ブーム5Cとの接続部)と先端との距離及び右散布ブーム5Rの付け根(前散布ブーム5Cとの接続部)と先端との距離は、ブームストロークセンサ95が検出する。
前述の如く、旋回散布ブーム5BL、5BRから延長散布ブーム5SL、5SRが伸びる距離は、無段階又は段階的に調整することができるよう構成されるとともに、旋回散布ブーム5BL、5BRと延長散布ブーム5SL、5SRとが重複する個所の旋回散布ブーム5BL、5BR側に存在するノズルへの溶液の供給を遮断できるよう構成されている。このような構成としては、例えば、旋回散布ブーム5BL、5BRの各ノズルに切替コックを備え、前記切替コックの開閉切替を作動させる切替部材を機外に配置するとともに、延長散布ブーム5SL、5SR側に作動片を設ける。このような構成として、延長散布ブーム5SL、5SRが往・復する際に前記切替コックへ接当させることによって、コック切替をすることができる。このような構造により、散布作業車1は、圃場における溶液の散布領域に応じて、溶液を散布する幅(散布幅)を調整することができる。
また、散布作業車1は、複数の地上散布ノズル4から溶液を散布するノズルを選択して溶液を散布することができる。このように、散布作業車1は、溶液の散布幅と溶液を散布するノズルの数及び位置とを調整することによって、溶液の様々な散布条件に対応することができる。
次に、溶液供給系統8について説明する。
図5は、本実施形態に係る散布作業車が有する溶液供給系統の一例を示す構成図である。散布作業車1は、溶液供給系統8を有している。溶液供給系統8は、複数の地上散布ノズル4に溶液を供給するシステムである。溶液供給系統8は、防除タンク20と、給水ホース21と、吐水ホース22と、散布ホース23と、撹拌ホース24と、余水ホース25と、給水コック26と、ポンプ27と、フィルタ28と、流量制御弁29と、分岐装置30と、安全弁31と、圧力センサ92と、流量センサ93と、弁開度センサ94とを含む。
以下において、「水」は、溶液を含むものとする。
防除タンク20は、地上散布ノズル4が散布する薬液を含んだ溶液を蓄える。給水ホース21は、防除タンク20からフィルタ28を介して、ポンプ27まで防除タンク20内の溶液を導くための配管である。
吐水ホース22は、ポンプ27から分岐装置30まで溶液を導くための配管である。散布ホース23は、分岐装置30から左散布ブーム5L及び右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cまで溶液を導くための配管である。左散布ブーム5Lの延長散布ブーム5SL及び右散布ブーム5Rの延長散布ブーム5SRに取り付けられた複数の地上散布ノズル4へ溶液を導くための散布ホース23は、それぞれフレキシブルホース23EL、23ERを有している。
このような構造により、フレキシブルホース23EL、23ERは、延長散布ブーム5SL、5SRが伸縮しても、その動きを許容する。撹拌ホース24は、防除タンク20内の薬液を撹拌するために、常時所定の流量の溶液を防除タンク20内に流すための配管である。撹拌ホース24は、吐水ホース22から分岐して防除タンク20に接続されている。余水ホース25は、散布及び撹拌に使用しなかった溶液を防除タンク20内に戻すための配管である。
給水コック26は、防除タンク20とフィルタ28との間に設けられて、フィルタ28の交換、掃除等を行うときに防除タンク20からの給水を止めるときに使用する。フィルタ28は、防除タンク20内の溶液からごみ等を除去する。ポンプ27は、フィルタ28を通過した溶液を吸引した後に加圧して、吐水ホース22を介して流量制御弁29に向かって吐出する。流量制御弁29は、分岐装置30へ流す溶液の流量を調整する装置であって、図1、図2に示す制御装置9によって制御される。分岐装置30は、流量制御弁29から送られてきた溶液を3本の散布ホース23に分岐させて、左散布ブーム5Lと右散布ブーム5Rと前散布ブーム5Cとがそれぞれ有する複数の地上散布ノズル4へ溶液を供給する。
分岐装置30の出口側には、右散布コック32Lと左散布コック32Rと第3散布コック32Cとが設けられている。右散布コック32Lは、分岐装置30と左散布ブーム5Lの地上散布ノズル4との間に配置されており、分岐装置30から左散布ブーム5Lの地上散布ノズル4に対する溶液の供給と非供給とを切り替える。左散布コック32Rは、分岐装置30と右散布ブーム5Rの地上散布ノズル4との間に配置されており、分岐装置30から右散布ブーム5Rの地上散布ノズル4に対する溶液の供給と非供給とを切り替える。第3散布コック32Cは、分岐装置30と前散布ブーム5Cの地上散布ノズル4との間に配置されており、分岐装置30から前散布ブーム5Cの地上散布ノズル4に対する溶液の供給と非供給とを切り替える。
右散布コック32L、左散布コック32R及び第3散布コック32Cは、直接作業者がこれらを開閉する方式であってもよいし、アクチュエータがこれらを開閉する方式であってもよい。右散布コック32L、左散布コック32R及び第3散布コック32Cには、これらの状態(閉じているか、開いているか)を検出するための開閉センサが取り付けられており、制御装置9は、前記開閉センサの出力を取得して、右散布コック32L、左散布コック32R及び第3散布コック32Cの状態を把握する。安全弁31は、吐水ホース22内の溶液の圧力が過度に上昇した場合に、溶液を防除タンク20に戻して吐水ホース22内の溶液の圧力上昇を抑制するための装置である。
流量センサ93は、流量制御弁29と分岐装置30との間に設けられている。流量センサ93は、分岐装置30へ流入する溶液の流量、すなわち、地上散布ノズル4から散布される溶液の流量を検出して、図1、図2に示す制御装置9に送信する。圧力センサ92は、分岐装置30に設けられている。
圧力センサ92は、散布ホース23へ送られる溶液の圧力を検出し、図1、図2に示す制御装置9に送信する。弁開度センサ94は、流量制御弁29に設けられている。弁開度センサ94は、流量制御弁29の開度を検出して、図1、図2に示す制御装置9に送信する。制御装置9は、圧力センサ92、流量センサ93及び弁開度センサ94が検出した情報に基づき、ポンプ27及び流量制御弁29を制御して、散布される溶液の流量を調整する。
次に、制御装置9について説明する。
図6は、本実施形態に係る散布作業車1が有する制御装置の制御ブロック図である。
制御装置9は、制御用プロセッサ40と、記憶部41と、入力インターフェース42a〜42qと、入出力インターフェース43と、出力インターフェース44a〜44nとを含む。制御用プロセッサ40は、コンピュータにおいてソフトウェアを動作させる演算装置(ハードウェア)であり、コンピュータプログラムの命令を解釈し実行する機能を有する。
制御用プロセッサ40は、散布作業車1が有する内燃機関2及び溶液供給系統8等を制御するためのコンピュータプログラムの命令を解釈し実行することにより、散布作業車1全体を制御する。この他にも、制御用プロセッサ40は、左散布ブーム5L及び右散布ブーム5Rの昇降及び開閉を制御したり、左散布ブーム5L、右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cの傾斜を制御したりする制御部としても機能する。この場合、制御用プロセッサ40は、左散布ブーム5L、右散布ブーム5R及び前散布ブーム5Cの動作の制御を実現するための命令が記述されたコンピュータプログラムの命令を解釈し実行することにより、上述した制御部の機能を実現する。
記憶部41は、RAM(Random Access Memory)41Aと、ROM(Read Only Memory)41Bと、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)41Cとを含む。RAM41Aは、電源の供給が絶たれると記憶内容が失われる揮発性メモリであり、ROM41B及びEEPROM41Cは、電源を供給しなくとも記憶内容を保持する不揮発性メモリである。EEPROM41Cは、記憶内容を電気的に消去できるとともに、新たな情報を記憶することができる。記憶部41は、散布作業車1の制御を実現するためのコンピュータプログラム及びデータ並びに散布制御装置としての機能を実現するためのコンピュータプログラム及びデータ等を記憶する。
本実施形態において、ROM41Bはコンピュータプログラム等を記憶し、EEPROM41Cは制御装置9の動作中に得られたデータ等を記憶する。RAM41Aは、制御装置9の動作中において、ROM41Bに記憶されたコンピュータプログラムを展開する。
入力インターフェース42a〜42qは、それぞれ、伸縮スイッチ88、操舵角センサ91、ポンプスイッチ81、車速センサ90、圧力センサ92、流量センサ93、弁開度センサ94、設定スイッチ82、ブームストロークセンサ95、リンク角速度センサ96、リンク傾斜センサ97、ブーム角度右センサ98R、ブーム角度左センサ98L、ブーム開閉右センサ99R、ブーム開閉左センサ99Lが接続される。入力インターフェース42a〜42qは、自身に入力される情報を、制御用プロセッサ40が利用できる形に変換して制御用プロセッサ40へ入力する。
入出力インターフェース43は、GPS受信部10の送受信回路56が接続される。後述するように、GPS受信部10は、GPS車速Vgを生成する。送受信回路56は、GPS車速Vgを入出力インターフェース43に送信し、また、制御用プロセッサ40からの命令を、入出力インターフェース43を介して受信する。入出力インターフェース43は、GPS受信部10と制御用プロセッサ40との間に介在し、両者の間で情報のやりとりができるようにする。
出力インターフェース44a、44c〜44mは、それぞれ、流量制御モータ29M、ポンプ27、ブザー83、表示部11D、水平バルブ14、右上下アクチュエータ12R、左上下アクチュエータ12L、右開閉アクチュエータ13R、左開閉アクチュエータ13L、右伸縮アクチュエータ15R、左伸縮アクチュエータ15Lに接続される。出力インターフェース44nは、全体昇降用アクチュエータ16に接続される。流量制御モータ29Mは、図5に示す流量制御弁29の弁開度を調整するための装置である。
出力インターフェース44bは、制御用プロセッサ40が生成した、流量制御モータ29Mの回転方向を切り替えるための情報を、モータ回転方向切替出力RDに変換して出力する。流量制御モータ29Mは、モータ回転方向切替出力RDによって回転方向が切り替えられる。
出力インターフェース44a〜44mは、制御用プロセッサ40が生成した流量制御モータ29M、ポンプ27、右上下アクチュエータ12R、左上下アクチュエータ12L及び全体昇降用アクチュエータ16等を制御するための命令を、これらの機器が利用できる形に変換して出力する。
散布作業車1は、車速に連動させて溶液の散布量を制御する。このような制御を、車速連動散布制御という。制御用プロセッサ40は、すべての地上散布ノズル4から散布される溶液の流量(単位時間当たりの散布量)をパラメータとした演算式を用いて、車速連動散布制御を実現する。すなわち、制御用プロセッサ40は、溶液の散布条件に基づき、散布作業車1の車速に連動して溶液を散布する。
作業者は、表示・操作パネル11から、ノズル定数(散布圧力10kgf/cm2時におけるノズル一個あたりの噴霧量L/min)と散布圧力(kgf/cm2)と、10アールあたりの目標散布量(L/10a)とを入力する。制御用プロセッサ40は、散布作業車1の車速及び前記目標散布量等を用いて、図5に示す散布ホース23へ送られる溶液の設定圧力を計算する。そして、制御用プロセッサ40は、計算した設定圧力となるように、散布ホース23へ供給される溶液の量を調整する。溶液の量は、制御用プロセッサ40が、流量制御モータ29Mを駆動して流量制御弁29の開度を調整することにより調整される。ここで、散布作業車1の車速は、GPS受信部10が生成した散布作業車1の車速又は車速センサ90により検出された散布作業車1の車速である。
次に、GPS受信部10について説明する。
図7は、本実施形態に係る散布作業車が有するGPS受信部の構成例を示す模式図である。GPS受信部10は、複数のGPS衛星SG1、SG2等から受信した電波に基づき、受信アンテナ50と地上散布ノズル4の平面位置及び標高に関する情報(測位情報)及びGPS車速Vg等を出力する。GPS受信部10は、運転席6の右隣に設けられ、受信回路51と、信号処理回路52と、時計回路53と、メモリ54と、GPS用プロセッサ55と、送受信回路56とを含む。
受信アンテナ50は、散布作業車1の左右延長散布ブーム5SLと延長散布ブーム5SRの先端に設けられ、複数のGPS衛星SG1、SG2等が発信した電波を受信する。受信回路51は、受信アンテナ50と接続されており、受信アンテナ50が受信したGPS衛星SG1、SG2等が発信した電波を電気信号に変換する。信号処理回路52は、受信回路51が出力した電気信号を、GPS用プロセッサ55が利用できる形に変換して出力する。時計回路53は、時刻を計時してGPS用プロセッサ55へ入力する。メモリ54は、GPS用プロセッサ55の処理に必要なデータを記憶したり、GPS用プロセッサ55の処理に必要なコンピュータプログラムを展開したりする。
GPS用プロセッサ55は、複数のGPS衛星SG1、SG2等が発信した電波に基づき、受信アンテナ50の位置と、車体1Bの位置についての情報を計算し、送受信回路56に出力する。また、GPS用プロセッサ55は、GPS受信部10の位置についての情報に基づき、GPS受信部10の速度を計算し、送受信回路56に出力する。GPS受信部10は、散布作業車1に搭載されているので、GPS受信部10の位置についての情報は、散布作業車1の位置に関する情報(位置情報)となる。また、前記速度は、GPS衛星SG1、SG2の電波に基づいて得られた散布作業車1の車速であり、これが上述したGPS車速Vgである。
送受信回路56は、制御装置9が有する制御用プロセッサ40と、制御装置9の入出力インターフェース43を介して接続されている。送受信回路56は、GPS用プロセッサ55が求めた位置情報を制御装置9の入出力インターフェース43を介して制御用プロセッサ40へ出力する。制御用プロセッサ40は、前記位置情報を用いて、散布作業車1を制御したり、GPS受信部10に対してデータの変更要求を発信したりする。なお、GPS車速Vgは、制御装置9の制御用プロセッサ40が、GPS受信部10から得た位置情報に基づいて求めるようにしてもよい。
図8は、本実施形態に係る散布作業車が有する操作パネルの一例を示す模式図である。
表示・操作パネル11は、表示部11Dと、手動スイッチ80と、ポンプスイッチ81と、設定スイッチ82と、累計リセットスイッチ87と、表示切替スイッチ85と、自動スイッチ86と、伸縮スイッチ88とを含む。
表示部11Dは、図6に示す制御用プロセッサ40が求めた、散布作業車1が圃場の溶液を散布する領域へ進入する進入位置を表示したり、GPS受信部10で計測する測位情報に基づいて、散布作業車1が圃場で薬液の散布作業を実行しているときに、図12に示すような、散布作業車1の現在位置及び散布作業車1の移動軌跡を表示したりする。
図12は、散布作業中の表示部11Dで、散布作業車1の移動軌跡が示され、左散布ブーム5Lと前散布ブーム5Cと右散布ブーム5Rで散布された散布領域SEが示され、往路散布と復路散布の境界部分では、未散布領域SE0と重複散布域SE2が発生し、表示される。
また、表示部11Dは、散布作業車1が溶液を散布する圃場に関する情報、散布する溶液に関する情報、散布作業車1の運転状態に関する情報等を表示する。圃場に関する情報としては、例えば、圃場の位置及び面積がある。後者に関する情報としては、例えば、溶液の種類、散布量、図5に示すポンプ27の吐出圧力の設定値(設定圧力)、散布した溶液の累計値等がある。
このようにすることで、表示部11Dは、作業者の操作をガイドする。表示部11Dは、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いることができる。
手動スイッチ80は、溶液の散布において、作業者が自身の操作で溶液の散布条件を変更したり、散布幅を調整したりする場合に操作する入力手段である。手動スイッチ80が操作されると、図6に示す制御装置9は、設定スイッチ82が散布条件の変更あるいは散布幅の調整を受け付けるように設定する。ポンプスイッチ81は、図5に示すポンプ27を起動させるための入力手段である。ポンプスイッチ81が操作されると、ポンプ27が起動し、そして右散布コック32L、左散布コック32R及び第3散布コック32Cを開き側に操作することで溶液の散布が開始される。
設定スイッチ82は、溶液の散布条件を入力するための入力手段である。設定スイッチ82は、溶液の散布量を設定するための散布量設定スイッチ82Aと、ポンプ27の吐出圧力を設定するための圧力設定スイッチ82Bと、設定値を増減させる増減スイッチ82Cと、設定を確定するための確定スイッチ82Dとを含む。累計リセットスイッチ87は、散布した溶液の累計量をリセットする際に用いられる入力手段である。
表示切替スイッチ85は、表示部11Dに表示される情報を切り替える際に用いられる入力手段である。自動スイッチ86は、溶液の散布において、設定された散布条件で溶液を自動散布する場合に操作される入力手段である。機体を停車した状態で、この自動スイッチ86がONとなるように操作されると、ポンプ27が駆動(ポンプスイッチ81はOFF)する。そして、右散布コック32L、左散布コック32R及び第3散布コック32Cを開き側に操作すると、自動散布の準備が整う構成である。
右散布コック32L、左散布コック32R及び第3散布コック32Cを開き側に操作しても、ポンプ27と一体構成の電磁クラッチがOFFなので溶液は散布されない。車速センサから機体の走行状態が検出されると、ポンプ27と一体構成の電磁クラッチがONとなり、車速センサからの情報に基づき散布量が均一になるように調整されて自動散布される。そして、走行停止状態では自動的に散布停止となる。なお、手動スイッチ80を設けない構成としてもよい。この場合は、自動スイッチ80がOFFされると手動散布となる構成である。
伸縮スイッチ88は、左散布ブーム5L及び右散布ブーム5Rを伸縮させるためのスイッチである。伸縮スイッチ88は、第1伸縮スイッチ88Lと、第2伸縮スイッチ88Rとを含む。第1伸縮スイッチ88Lは、左散布ブーム5Lを伸縮させ、第2伸縮スイッチ88Rは、右散布ブーム5Rを伸縮させる。
図11は、表示・操作パネル11の表示部11Dを図8の状態から切り換えた表示で、同一圃場を二台の散布作業車A1,B1で散布作業を行う場合で、両散布作業車A1,B1は通信機能で防除済み圃場の情報を共有する。
散布作業車A1は左側から右Uターンしながら進行し、散布作業車B1は右側から左Uターンしながら進行している。右散布作業車B1が散布域BE1から散布域BE2移り、左の散布作業車A1が散布域AE1から散布域AE2へ移る場合に、左の散布作業車A1は、防除済み圃場AE1の右上隅(右受信アンテナ50が散布終了時に在った位置)にその右受信アンテナ50の位置を合わせて、左受信アンテナ50の位置が右散布作業車B1の防除済み圃場BE2の左上隅になるように左延長散布ブーム5SLを伸縮させて散布域AE2を決定する。なお、右受信アンテナ50の位置合わせは、地上散布ノズル4の散布域を考慮して、決定する。
右散布作業車B1は、圃場の端に達すると左散布作業車A1が残りの圃場を散布しているので、散布作業を終了する。
本実施例の散布作業車1は、図13に示す無人航空機60を使って未散布領域に追加散布を行えるようにしているので、以下で無人航空機60による追加散布を説明する。
この無人航空機60は、タブレット等の携帯端末58と通信により信号の送受信を行う。携帯端末58は散布作業車1とも通信可能に構成されており、無人航空機60を操作ステイック58L、58R等により遠隔操作するコントローラとしての機能を併せ持つ。
また、携帯端末58は、散布作業車1の制御装置9とブルーツース(bluetooth)通信によって、制御装置9に記憶した散布軌跡を携帯端末58に読み込み、画像表示部59に未散布領域を表示する。
携帯端末58の中央には画像表示部59があり、後述する無人航空機60のカメラ61が撮影した映像や、無人航空機60の操縦ボタン等が表示される。
無人航空機60はプロベラ62を装着した複数のモータ63の出力バランスにより姿勢が制御され、飛行による移動やホバリングを自在に行うことができる。機体の姿勢制御は携帯端末58から送信される操作信号による制御と、内蔵する加速度センサ等による自動の制御が同時に行われる。
無人航空機60の機体下部には着陸用の脚部64や下方を撮影するカメラ61、散布用の溶液を搭載する溶液タンク65が搭載されており、溶液タンク65の下部中央に空中散布ノズル66が設けられて、バランスよく飛行できるように構成されている。空中散布ノズル66には散布シャッター67が設けられ、携帯端末58の画像表示部59に表示されるカメラ61の映像を見ながら、散布を任意のタイミングで中断することが可能である。また、無人航空機60の機体上部には飛行GPSアンテナ68が搭載されている。
図14は溶液散布システムの制御ブロック図である。散布作業車1には車両の走行を制御する制御部としての車両ECU(ElCtroniC Control Unit)70と車載の受信アンテナ50で得た測位情報を処理する位置情報処理ECU79が搭載されている。
車両ECU70には走行車速を検出する車速センサ71からの信号と、前輪3FL、3FRの操向角度を検出するステリングセンサ72からの信号と、変速位置を検出する変速センサ73からの信号と、防除タンク20内の溶液残量を検出する溶液残量センサ74からの信号とが入力される。車両ECU70からはエンジンEの出力を制御する信号と、ステアリングホイール7の操向角度を制御するステアリングモータ75の操作信号と、変速装置76の変速操作信号と、車両の走行を停止するブレーキを操作するブレーキシリンダ77へのブレーキ操作信号とが出力される。
位置情報処理ECU79と車両ECU70とは有線通信により情報を互いに送受信することができ、車両の位置に応じて各種制御を実行することも可能である。車両ECU79は携帯端末58とは無線通信により情報の送受信を行い、車両の状態や作業状況を携帯端末58の画像表示部59に表示することもできる。
携帯端末58は無人航空機60に搭載された制御用の無人航空機(UAVUnmAned AeriAl VehiCle)ECU100とも無線通信により情報の送受信ができる。無人航空機ECU100から携帯端末58に、飛行GPSアンテナ68からの位置情報信号やカメラ61からの映像信号、加速度センサ69からの姿勢情報が出力され、携帯端末58から無人航空機ECU100に、散布シャッター67への開閉信号やモータ63の出力制御信号が出力される。
作業者は、散布作業車1での散布作業を終えて、散布作業車1の制御装置9から送られ携帯端末58の画像表示部59に表示される未散布領域SE0に無人航空機60を飛ばし、散布シャッター67を開いて追加散布を行うことで、散布漏れを無くすることが出来る。この追加散布では無人航空機60の散布シャッター67の標高を散布ブーム5の地上散布ノズル4の標高と同じになるようにして、無人航空機60を飛行させることで、散布領域SEと同じ散布濃度にすることが出来る。
なお、無人航空機60が、散布作業車1の制御装置9から携帯端末58に送信されてきた未散布領域SEOのデータに基づいて、未散布領域SEOまでの飛行コースを自動で決定して、未散布領域SEO内を自動で飛行して自動で散布シャッター67の開閉を行う構成としても良い。この構成の場合、散布作業車1の制御装置9から携帯端末58に送信されてきた未散布領域SEOのデータを携帯端末58の画像表示部59に表示すると共に、無人航空機60の飛行軌跡を重ねて表示することで、作業者は、追加散布が適切に行われているかどうかを判断出来る。
また、無人航空機60の散布シャッター67の標高を散布ブーム5の地上散布ノズル4の標高と同じになるように自動で飛行させることで、速やかな追加散布と自動で散布高さが適切に制御されるので、精度よく追加散布ができて未散布領域SE0を無くすることが出来る。高い精度で散布領域SEと同じ散布濃度にすることが出来る。
なお、散布ブーム5にマーカーを付けて、散布作業車1の散布作業時に無人航空機60が自動で一定標高で追従飛行しながら追加散布を行って散布漏れを無くするようにすることも出来る。
また、溶液タンク65に歪ゲージ等による重量を検出する液量センサを設け、溶液が無くなると無人航空機60を図18に示す帰還台102の所へ自動で帰還するようにすると良い。帰還台102は、無人航空機60を着陸させる着地台102a,102b,102c,102dを設け、溶液タンク65の給排出口に連結する給排水パイプ103を上方に向けて開口している。溶液タンク65の給排出口は、中央或いは周辺部に設ける。
なお、溶液タンク65の液残量計測は、プロベラ62を駆動するモータ63の負荷を検出して行うことも可能である。
また、無人航空機60から巻き取り式の測位ロープを吊り下げて、作物までの高さを測って飛行高さを設定することも出来る。
また、無人航空機60にカメラ61を二個設けて散布作業車1の地上散布ノズル4の標高を算出することも出来る。
図17に示す無人航空機60の実施例では、伸縮ホース101の下端に空中散布ノズル66を設けて作物の近くで溶液を散布出来るようにしている。この構成で、空中散布ノズル66と共に第二カメラを設けて、作物の出来具合や雑草の生え具合や作物の葉色を携帯端末58の画像表示部59に映して生育管理に役立てるようにすると良い。この構成で薬剤散布や肥料散布の圃場地図を記録して後の作物生育の参考にすることが出来る。
図15、16は散布開始前に圃場形状を登録するときの概略図である。圃場の位置情報と形状情報を無人航空機60を用いて測定し、携帯端末58に登録するときには、図15に示すように無人航空機60を用いる。カメラ61で撮影されている映像を画像表示部59で確認しながら、測定したい圃場の角部KAの上方に手動で無人航空機60を飛ばし、マーカー37を基準に無人航空機60の位置を調整して位置設定ボタン39をタップすると、その時の無人航空機60の位置が点で記憶される。その時の座標は座標表示部38に表示される。
同様にして角部KB、角部KCを登録していき、図16に示すように角部KD上空で最後の角部を登録した後に設定終了ボタン45をタップすると圃場形状が確定する。
以上の無人航空機60を使った散布作業は、牧草地において図19の如く、牧草の少ない領域を確認して播種器78で播種を行ったり、図21に示す如く、牧草刈り取り後の牧草地の水分率を計測して記録したりすることで、牧草地管理に役立てることも出来る。