JP6511999B2 - 頭外定位フィルタ生成装置、頭外定位フィルタ生成方法、頭外定位処理装置、及び頭外定位処理方法 - Google Patents
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Description
P2:自由音場における、ダミーヘッドまたは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
P3:自由音場における、ダミーヘッドまたは受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
P5:ヘッドホン受聴時における、受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
P6:ヘッドホン受聴時における、受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
Zear canal:外耳道入口から鼓膜側を見た音響インピーダンス
Zheadphone:ヘッドホン受聴時に外耳道入口から外側を見た音響インピーダンス
Zradiation:自由音場における、外耳道入口から外側を見た音響インピーダンス
ここで、P3は第1の音圧、P2は第2の音圧、P6は第3の音圧、P5は第4の音圧である。
Gc:自由音場における、ダミーヘッドまたは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧P2を用いた場合の、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタ
Gc *:Gcの近似値であり、'open headphone'を使用した場合の頭外定位フィルタ
M1:録音時のマイクロホン伝達関数
P5:ヘッドホン受聴時における、受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
Eheadphone:ヘッドホン端子電圧
[発明の概要]
これまでの頭外定位処理では、イヤホンから聴こえる仮想音源の位置は、頭外には出るものの現実の音源の位置よりは手前(受聴者に近い位置)に定位する。また、音質が変化した(ある周波数の音が強調された)音になる場合が多い。これらの原因として、以下の2つの理由が挙げられる。
外耳道をモデル化した構造物、すなわち一端が閉じられている測定管を用いて、頭外定位フィルタを求めるための音圧を測定する。例えば、イヤピース全体が外耳道に沿って密着してはめ込まれた状態におけるイヤピースの先から0.5〜1cmの位置にマイクを設置して音圧を測定する。測定を通じ、個人によらない万人共通の頭外定位フィルタを取得する。
上記で取得された万人共通の頭外定位フィルタは、あくまで外耳道という管を1次元振動していくと仮定したものである。したがって、鼓膜でふさがれた外耳道で起こる共鳴が発生することについては考慮されていない。共鳴により、ある高い周波数のみ大きく聴こえたり、逆に全く聴こえなかったりすることが発生する。このように共鳴する周波数は個人毎の特性であり、共鳴の発生は避けられない。また、イヤホンの装着状態が適切でない場合も個人毎の特性に関係する。こうした個人毎の特性は聴取者にしか知覚できないため、聴取者による調整によって共鳴周波数を特定する。モデル化した構造物によって起こる共鳴を排除するためのノッチフィルタまたはピーキングフィルタを用いて、減衰または増強処理を実施する仕組みを備えている。
実施の形態1では、非特許文献1に記載された頭外定位フィルタを求めるための数式を用いる。したがって、まずこれらの数式について説明する。非特許文献1では鼓膜位置の音圧を録音し、ヘッドホンで再生することが想定されている。ヘッドホン受聴でも自由音場と同じ音を聴くためには、頭外定位フィルタGAを使って、以下の式(3)が成り立つ必要がある。すなわち、自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者が存在しない場合の頭部中心位置の音圧P1と、自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧P4との伝達関数の比が、音圧P1と、ヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧P7との伝達関数の比に等しくなる必要がある。マイクが伝達関数M1を有し、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタをGAとすれば、以下の式(3)が成り立つ。
GA:音圧P4を用いた場合の、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタ
P1:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者が存在しない場合の頭部中心位置の音圧
P4:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧
P7:ヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧
M1:録音時のマイクロホン伝達関数
Eheadphone:ヘッドホン端子電圧
Gc:音圧P2を用いた場合の、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタ
P1:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者が存在しない場合の頭部中心位置の音圧
P2:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
P4:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧
P7:ヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧
M1:録音時のマイクロホン伝達関数
Eheadphone:ヘッドホン端子電圧
Gc:音圧P2を用いた場合の、自由音場とヘッドホン受聴を等価にするための頭外定位フィルタ
P1:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者が存在しない場合の頭部中心位置の音圧
P2:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
P3:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
P4:自由音場における、ダミーヘッドあるいは受聴者の鼓膜位置の音圧
P5:ヘッドホン受聴時における、受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
P6:ヘッドホン受聴時における、受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
P7:ヘッドホン受聴時における、受聴者の鼓膜位置の音圧
M1:録音時のマイクロホン伝達関数
Eheadphone:ヘッドホン端子電圧
P3:自由音場における、ダミーヘッドまたは受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
P5:ヘッドホン受聴時における、受聴者の閉塞された外耳道入口位置の音圧
P6:ヘッドホン受聴時における、受聴者の開放された外耳道入口位置の音圧
Zear canal:外耳道入口から鼓膜側を見た音響インピーダンス
Zheadphone:ヘッドホン受聴時に外耳道入口から外側を見た音響インピーダンス
Zradiation:自由音場で外耳道入口から外側を見た音響インピーダンス
ここでイヤホンに注目する。イヤホンにもインナイヤと呼ばれる開放型のものがあるが、音漏れが多いことから、近年ではカナル型のイヤホンが圧倒的多数を占めている。しかしながらカナル型のイヤホンの音響インピーダンスと自由音場の音響インピーダンスとは大きく異なるため、式(1)の比を1とすること、すなわち'open headphone'の条件を満たすことは、上記の通り、構造上、実現が困難である。
次に、頭外定位処理を行う頭外定位処理装置20の構成について、図9を用いて説明する。頭外定位処理装置20は、イヤホンを用いた場合に、頭外定位のためのフィルタ処理を行う。頭外定位処理装置20は、畳み込み演算部11〜14と、補正処理部15、音質調整部16、周波数スイープ信号発生器17、スイッチ18、加算器19を備えている。なお、図9では、左のイヤホンに対応する構成については、符号にLを付し、右のイヤホンに対応する構成については符号にRを付している。
イヤピース5aの先端から0.5〜1cmに設置したマイク1とイヤホン5の直管部分には特有の共鳴が発生する。このため共鳴周波数により音質が変化しまうことがある。これを避けるためにノッチフィルタ群を必要とする。さらにマイクロホン1から受聴者の鼓膜までの区間は個人毎に湾曲しており、その結果、共鳴周波数が異なる。したがって、音質調整部16は、先のノッチフィルタ群にて共鳴によって変化した音質を調整する。これはその受聴者にしか知覚できない音であるので、頭外定位処理装置20は、周波数を提示して、強く聴こえるタイミングにおいてノッチ周波数を決定する。また逆に鼓膜位置にて聴こえない周波数も現れる。これについてもスイープさせた純音を再生することによって、急に聴こえにくくなる周波数がわかるのでピーキングフィルタにて強調すればよい。
実施の形態1でカナル型イヤホンについて説明を行ったが、実施の形態2では、開放型イヤホン(インナイヤ型)を用いている。非特許文献1では開放型のヘッドホンの場合、式(1)は1に近いと記載されているが、ヘッドホンと比較するとイヤホンは再生帯域、及び再生音量が十分でなく、1に近いとは言えない。そこで実施の形態1と同様に、インナイヤ型イヤホンの頭外定位フィルタを測定によって求める。また、インナイヤ型イヤホンについて、音質調整部16が周波数スイープ信号を用いたゲイン調整を行う。このようにすることで、インナイヤ型イヤホンについても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
2 イヤプラグ
3 耳
4 鼓膜
5 イヤホン
5a イヤピース
6 測定管
6a 開放口
6b 直管部分
7 マイクケーブル
8 スピーカ
9 外耳道
10 処理装置
11〜14 畳み込み演算部
15 補正処理部
16 音質調整部
17 周波数スイープ信号発生器
20 頭外定位処理装置
100 フィルタ生成装置
Claims (10)
- 直管部分を有する測定管と、
前記測定管内の前記直管部分に設けられたマイクと、
前記マイクを前記測定管に固定するイヤプラグと、
前記測定管に装着されるイヤホンと、
前記測定管の外部に設置されたスピーカと、
第1の音圧、第2の音圧、第3の音圧、及び第4の音圧に基づいて頭外定位フィルタを生成する処理部と、
を備え、
前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第1の音圧とし、
前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第2の音圧とし、
前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第3の音圧とし、
前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第4の音圧としている頭外定位フィルタ生成装置。 - (前記第1の音圧/前記第2の音圧)/(前記第3の音圧/前記第4の音圧)の値に基づいて、前記頭外定位フィルタを算出する請求項1に記載の頭外定位フィルタ生成装置。
- 前記マイクの設置位置は、前記イヤホンのイヤピースの先端から0.5〜1cmである請求項1、又は2に記載の頭外定位フィルタ生成装置。
- 左チャンネルの信号、及び右チャンネルの信号に対して、頭部伝達関数を畳み込む畳み込み演算部と、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の頭外定位フィルタ生成装置で生成された頭外定位フィルタを用いて、前記畳み込み演算部での演算結果に対して補正を行う補正処理部と、
前記補正処理部で補正された信号に対して、受聴者の個人特性に応じた音質調整を行う音質調整部と、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の頭外定位フィルタ生成装置で用いられた前記イヤホンと同型であり、前記音質調整部で調整された信号を出力するイヤホンと、を備える頭外定位処理装置。 - 前記音質調整部は、前記音質調整部で調整された信号を出力する受聴者が前記イヤホンを装着した状態で、周波数が変化するスイープ信号を出力した時の、前記受聴者の受聴結果に応じて設定された複数のフィルタを備えており、
前記音質調整部は、前記複数のフィルタを用いて周波数に応じてゲインを変化させる請求項4に記載の頭外定位処理装置。 - 測定管、マイク、イヤプラグ、イヤホン、及びスピーカを用いて第1の音圧、第2の音圧、第3の音圧、及び第4の音圧を測定するステップと、
前記第1の音圧、前記第2の音圧、前記第3の音圧、及び前記第4の音圧に基づいて頭外定位フィルタを生成するステップと、
を備え、
前記測定管が直管部分を有し、
前記マイクが、前記測定管内の前記直管部分に設けられており、
前記イヤプラグ、前記マイクを前記測定管に固定し、
前記イヤホンが、前記測定管に装着され、
前記スピーカが前記測定管の外部に設置されており、
前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第1の音圧とし、
前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを前記測定管に装着せずに前記スピーカを駆動した時の自由音場の音圧を前記マイクが測定して、前記第2の音圧とし、
前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定せずに設置し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第3の音圧とし、
前記マイクを前記イヤプラグで前記測定管に固定し、前記イヤホンを駆動した時の音圧を前記マイクが測定して、前記第4の音圧としている頭外定位フィルタ生成方法。 - (前記第1の音圧/前記第2の音圧)/(前記第3の音圧/前記第4の音圧)の値に基づいて前記頭外定位フィルタを算出する請求項6に記載の頭外定位フィルタ生成方法。
- 前記マイクの設置位置は、前記イヤホンのイヤピースの先端から0.5〜1cmである請求項6、又は7に記載の頭外定位フィルタ生成方法。
- 左チャンネルの信号、及び右チャンネルの信号に対して、頭部伝達関数を畳み込む畳み込み演算ステップと、
請求項6〜8のいずれか1項に記載の頭外定位フィルタ生成方法で生成された頭外定位フィルタを用いて、前記畳み込み演算ステップでの演算結果に対して補正を行う補正ステップと、
前記補正ステップで補正された信号に対して、受聴者の個人特性に応じた音質調整を行う音質調整ステップと、
請求項6〜8のいずれか1項に記載の頭外定位フィルタ生成方法で用いられた前記イヤホンと同型のイヤホンから、前記音質調整ステップで調整された信号を出力するステップを備える頭外定位処理方法。 - 前記受聴者が前記音質調整ステップで調整された信号を出力するイヤホンを装着した状態で、周波数が変化するスイープ信号を出力した時の、前記受聴者の受聴結果に応じて複数のフィルタを設定するステップをさらに備え、
前記音質調整ステップでは、前記複数のフィルタを用いて周波数に応じてゲインを変化させる請求項9に記載の頭外定位処理方法。
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