JP6526466B2 - 芳香部材およびこれを備える芳香性物品 - Google Patents
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Description
様々な種類の芳香手段と芳香部材がある。
特に、シート中に香料を含有させたシート状の芳香部材は、所望の形態に加工が容易で、粘着剤等で被着体へ設ける手段の適用が容易な面から多用されているが、シート状であるが故に芳香の持続が不十分な問題や、被着体を汚損するなどの改善課題を有し、安定した芳香の持続や汚損が生じない芳香部材の開発が求められている。
本発明者らは、芳香部材に近年求められている芳香効果の維持や所望の形態への加工性や見栄え、被着体への汚損防止について鋭意検討を重ね本発明を完成させた。
厚さ方向に積層された同一のまたは異なる2以上の基材シートと、
前記基材シートのシート間に設けられた少なくとも1の芳香機能性接合層とを備え、
前記基材シートの厚みは125μm未満であり、
前記芳香機能性接合層は、接合剤および液体香料を含み、
厚みが3μm以上500μm以下かつ
25℃における貯蔵弾性率が0.1MPa以上1,000MPa以下であり、
前記液体香料を接合剤100質量部に対して、3質量部以上80質量部以下含む、
ことを特徴とすること。
<作用効果>
厚さ方向に積層された同一または異なる2以上の厚み125μm未満の基材シートを用いることで、多様な用途展開において基材シートの素材を変えることで各使用場面や用途に応じた加工適性や見栄えの選択が可能となる。基材シートのシート間に設ける芳香機能性接合層にて、所望の香りの持続性や柔軟性、汚損防止機能を醸し出すことが可能に成り、本発明の課題を解決できる芳香部材を得ることができる。
<請求項2記載の発明>
前記芳香機能性接合層の接合剤の主成分がポリウレタン樹脂であることを特徴とする
請求項1〜3に記載の芳香部材。
<作用効果>
芳香機能性接合層に柔軟性を有し臭気が少ないポリウレタン樹脂を用いることで、添加する液体香料の本来の香りを阻害しないで、かつ柔軟性と加工性を維持する効果がある。
<請求項3記載の発明>
請求項1〜2いずれか1項に記載の芳香部材を備える、芳香性物品。
<作用効果>
本発明における芳香部材は、多様な用途に用いられる芳香性物品として提供できる。
言うまでもないが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において上記以外の他の層がさらに備えられていても良い。
なお、本明細書において、25℃における貯蔵弾性率(G’)は、JIS K 7244に準拠して測定した値である。より詳細には、動的粘弾性測定装置(日本シーベルヘグナー社製、型番:MCR301)を使用し、−40℃〜190℃の温度範囲において、昇温速度3℃/min、周波数1Hzにてズリ測定し、25℃における値である。
本発明の芳香部材の代表的な調製方法の例としては、基材シートを構成するフィルム上に芳香機能性接合層を構成する接合剤および液体香料の混合溶液を流延して、アプリケーターを用いて薄層を形成し、加熱工程にて溶剤を気散後に、更に前記芳香機能性接合層上に他方の基材シートを重ね合せ、積層態様の芳香部材を得ることができるが、当該基材及び芳香機能性接合層からなる多層態様は、公知の積層手段から任意に選択し利用できる。
合成例1(ポリオールAの製造)
イソフタル酸245.4g、テレフタル酸61.4g、エチレングリコール88.5g、ネオペンチルグリコール118.7g、1,6−ヘキサンジオール101.0g、および触媒として酢酸亜鉛0.13gを配合して、窒素気流下180〜220℃でエステル化反応を行った。所定量の水を留出後、アジピン酸107.9g、ダイマー酸21.1gを加え、220〜230℃でエステル化反応を行った。徐々に減圧し、220〜230℃で60分間縮合反応後、220〜230℃、133〜266Paで4時間縮合を行い、数平均分子量5000のポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオールを、さらに220〜230℃、133〜266Paで4時間縮合を行い、数平均分子量20000のポリエステルポリオールを得た。これを酢酸エチル577.6gに溶解し固形分50質量%の溶液として、ポリオールAを得た。
イソフタル酸529.4g、エチレングリコール128.8g、ネオペンチルグリコール302.4gを配合して、窒素気流下180〜220℃でエステル化反応を行った。所定量の水を留出後、セバシン酸214.8gを加え、180〜220℃でエステル化反応を行い、数平均分子量2500のポリエステルポリオールを得た。この全量を酢酸エチル428.6gに溶解し、固形分70質量%の溶液とした。このポリエステルポリオール613.8gに窒素雰囲気下でイソホロンジイソシアネート47.35gを加え、77〜80℃で3時間ウレタン化反応を行った。その後、触媒としてオクチル酸第1錫0.10gを加え、さらに3時間ウレタン化反応を継続した。ウレタン化反応終了後、70℃まで冷却し、酢酸エチル292.97gを加えて固形分50質量%の溶液として、ポリオールBを得た。
得られたポリオールBの数平均分子量は、20,000であった。
ひまし油347.8gに無水トリメリット酸57.6gを加え、100〜110℃で反応させた後、酢酸エチル405.4gに溶解し固形分50質量%の溶液として、酸変性ポリオールAを得た。
タケネートA−10(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体、三井化学株式会社製)75gとタケネートA−40(3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体、三井化学株式会社製)25gを窒素雰囲気下50℃で均一混合し、有機ポリイソシアネート化合物Aを得た。
実施例1を例に挙げ、芳香部材の製造例を以下に説明する。前記合成例に基づき得られた混合液を、乾燥後に芳香機能性接合層の厚みが表2に記載の厚みである20μmとなるように、表2に記載の基材1として厚み12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂シート上にアプリケーターを用いて塗工し、60℃に設定したオーブン中で1分間乾燥させた後、さらに90℃で1分間加熱して基材1の樹脂シート上に芳香機能性接合層を形成した。形成された芳香機能性接合層の表面に、表2に記載の基材2として厚み25μmの無延伸ポリプロピレン樹脂シートを貼り合せて、実施例1の芳香部材を調製した。また、同様にして実施例2〜8および比較例1、3、4の芳香部材を調製した。なお加熱時の温度は加熱装置の設定温度であり、得られた芳香部材の養生条件は、23℃、50%RHで14日間とした。本発明で用いるアプリケーターやオーブン、貼り合せ手段は公知の設備を適宜選択して用いることができる。
アクリル酸ブチルとアクリル酸を、質量比95:5の割合で用い、常法に従って重合してなる、重量平均分子量180万の共重合体100質量部に、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、分子量=423、3官能型(東亞合成社製、商品名「アロニックスM−315」)を30質量部、ベンゾフェノンと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとの質量比1:1の混合物、BASF社製「イルガキュア500」を3質量部、イソシアネート系架橋剤[トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー社製「コロネートL」)]を0.5質量部、液体香料としてcis-3-Hexenyl benzoate(日本ゼオン社製)を表2に記載する割合で配合した以外は、実施例1と同様にして実施例9の芳香部材を調製した。なお得られた芳香部材の養生条件は、紫外線(UV)を照度600mW/cm2、光量150mJ/cm2(ヘレウス社製無電極ランプ Hバルブ使用)で照射した後、23℃、50%RHの環境下で10日間とした。
国際公開第2004/087775号パンフレットに記載のメタロセン触媒を用いて得られるプロピレン・1−ブテン共重合体に、cis-3-Hexenyl benzoate(日本ゼオン社製)を表2に記載する割合で配合した以外は、実施例1と同様にして実施例10の芳香部材を調製した。
アクリル酸2−エチルヘキシルとアクリル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルを、質量比85:10:5の割合で用い、常法に従って重合してなる、重量平均分子量120万の共重合体100質量部に、イソシアネート系架橋剤[トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(東ソー社製「コロネートL」)]を0.5質量部、液体香料としてcis-3-Hexenyl benzoate(日本ゼオン社製)を表2に記載する割合で配合した以外は、実施例1と同様にして比較例2の芳香部材を調製した。なお得られた芳香部材の養生条件は、50℃の環境下で3日間とした。
(1)A剤の作製
平均官能基数3のひまし油変性ポリオール(商品名「URIC H−52」、伊藤製油社製)140質量部を130℃で減圧脱水処理した後、80℃まで冷却した。次いで、クルードMDI(商品名「スミジュール44V−20」、住化バイエルウレタン社製)400質量部を添加し、窒素ガス気流下、80℃を保ちながら3時間反応させて、イソシアネート基含有量19質量%のウレタンプレポリマーを合成し、このウレタンプレポリマーをそのままA剤として用いた。
平均官能基数5のひまし油変性ポリオール(商品名「URIC H−102」、伊藤製油社製)296質量部、重質炭酸カルシウム(商品名「ホワイトンSB」、白石カルシウム社製)228質量部および芳香族ジアミン系架橋剤(商品名「スミキュアーM」、住友化学社製)3.9質量部を均一に混練した後、130℃で1時間減圧脱水処理を行った。次いで、脱水剤としてゼオライト12質量部およびイソシアヌレート形成触媒(商品名「U−CAT18X」、サンアプロ社製)2質量部を添加し、均一に混練してB剤を作製した。
上記で得られたA剤とB剤とをB剤中の活性水素含有基に対するA剤中のイソシアネート基の当量比が1.6となるような割合で混合し、液体香料としてcis-3-Hexenyl benzoate(日本ゼオン社製)を表2に記載する割合で配合した以外は、実施例1と同様にして比較例5および6の芳香部材を調製した。なお得られた芳香部材の養生条件は、60℃環境下で10分間硬化させ、さらに23℃、50%RHの環境下で7日間とした。
年齢が10代から50代までの各年代の男女各5人の計50人の被験者が三点比較式臭袋法による臭気判定を行い、その判定結果を以下のように評価した。その結果を表2に示す。
◎:50人中、48〜50人全員が正しく判定できる。
○:50人中、40〜47人が正しく判定できる。
×:50人中、正しく判定できる人数が39人以下。
本発明のシートを10cm×10cmのサイズに裁断した後、60℃95%RH環境下に24時間静置した後取り出し、ウェザーメーター(照射条件:フレーム側キセノン照射、照度:70W/m2、温度・湿度条件:B.P.T;65℃・50%)で24時間照射後に、前記芳香性の試験を行い、香りの識別性を確認することにより、香りの持続性を以下のように評価した。結果を表2に示す。
◎:50人中、48〜50人全員が正しく判定できる。
○:50人中、40〜47人が正しく判定できる。
×:50人中、正しく判定できる人数が39人以下
硬化後の芳香部材が基材に発生したしわの程度、またはシートとして形状をとどめているか否かを目視で確認することにより、見栄えを以下のように評価した。結果を表2に示す。
◎:基材にしわの発生はない。
○:基材にしわの発生はあるが、シートとして形状をとどめている。
×:シート加工性が低い、またはシートとしての形状が得られず、見栄えが劣る。
実施例および比較例により得られた芳香部材を23℃50%RH環境下で断裁機(コクヨ製:型番DN−61N)を用いて裁断し、裁断から24時間後に、裁断面からの芳香機能性接合層のはみ出し距離を測定した。図4に示すように、基材シート2の裁断面5間を直線状に結んだ基準線6に対して、垂直方向のはみ出し距離7を測定した。この測定により得られた値を、裁断面からの芳香機能性接合層のはみ出し距離とした。測定は、拡大顕微鏡で175倍に拡大する方法により測定を行った。
裁断面からのはみ出し距離が5μm以下を好適な範囲と判断した。
実施例および比較例により得られた芳香部材を23℃50%RH環境下で断裁機(コクヨ製:型番DN−61N)を用いて裁断し、裁断から24時間後に、芳香部材の裁断面をガラス板にこすり付けて、ガラス面の汚れを目視で判断し以下のように評価した。結果を表2に示す。
◎:ガラス面に汚れが生じない。
○:ガラス面に僅かに汚れが見られる程度で使用に支障が無い。
×:ガラス面に顕著に汚れが付着する。
また実施例と比較例4との対比から、液体香料が接合剤100質量部に対して、3質量部以上である実施例では芳香性、香りの持続性が良好であり、3質量部未満である比較例4では芳香性および香りの持続性が劣る結果となった。なお、液体香料が接合剤100質量部に対して、80質量部以下であると実施例においては、適度に心地良い香りであったが、液体香料が80質量部を超える比較例1においては、臭気判定は正しく行えるものの、香りが強くなりすぎてしまった。
2 基材シート
3 芳香機能性接合層
4 他の接合剤や粘着剤
5 裁断面
6 基準線
7 はみ出し距離
Claims (3)
- 厚さ方向に積層された同一のまたは異なる2以上の基材シートと、
前記基材シートのシート間に設けられた少なくとも1の芳香機能性接合層とを備え、
前記基材シートの厚みは125μm未満であり、
前記芳香機能性接合層は、接合剤および液体香料を含み、厚みが3μm以上500μm以下かつ25℃における貯蔵弾性率が0.1MPa以上1,000MPa以下であり、前記接合剤の主成分がポリウレタン樹脂であり、前記液体香料を接合剤100質量部に対して、3質量部以上80質量部以下含むことを特徴とする、芳香部材。 - 前記芳香機能性接合層の60℃における貯蔵弾性率が、0.001MPa以上1MPa以下であることを特徴とする、請求項1に記載の芳香部材。
- 請求項1〜2いずれか1項に記載の芳香部材を備える、芳香性物品。
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