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JP6527486B2 - 不整地運搬車 - Google Patents
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Description

本発明は、河川や湖沼、海等に沿った水分量の多い泥地や山岳地等の不整地においてその不整地の土砂等を運搬するクローキャリア等の不整地運搬車に係り、特に荷台に積載する土砂等の過積載を報知する報知装置を備えた不整地運搬車に関する。
この種の不整地運搬車として、例えば特許文献1に記載されたクローラキャリアが知られている。このクローラキャリアは、履帯式の走行体の上部に旋回装置を介して旋回体が設置された構成をしている。旋回体の基枠である旋回フレーム上の前部左側には運転室、前部右側にはエンジンや油圧ポンプを有する動力源部が搭載されている。旋回フレーム上の後部には、左右に伸びる枢着ピンを中心に上下動可能に荷台(以下、ベッセルと記載する)が取付けられ、旋回フレームとベッセルとの間にベッセルシリンダが取付けられている。
特開平11−343637号公報
ベッセルに積載された積載物の質量(以下、積載質量と記載する)は、旋回装置を通して走行体で支持されるのでクローラキャリアの機体寿命等に影響する。そのため、積載質量には、一般に許容最大値(以下、最大積載質量と記載する)が設定される。
しかし、実際の稼働現場では、積載物の比重が大きいと、積載物の体積の割に積載質量が重くなるため、最大積載質量を超えて積載物が積載された過積載の状態となることがある。また、最大積載質量はベッセルの物理的な受け入れ量に対して余裕を確保して設定されるため、積載質量が最大積載質量を超えたことに気付かないまま積込作業が継続されることもある。過積載状態が過度に発生するとクローラキャリアの機体寿命を縮める場合がある。
また、クローラキャリアは、旋回フレーム上に運転室や動力源部、ベッセル等を集約してコンパクトに構成しつつ旋回機構を確保する必要があるため、レイアウトの自由度が低く積載質量を計測する専用の計器を追加することは困難である。
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、部品の追加を抑えつつ過積載を作業者に報知することで機体寿命の短縮を抑止し機体性能を維持することができる不整地運搬車を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、履帯式の走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられた旋回フレームと、前記旋回フレーム上の前部に設けた運転室と、前記旋回フレーム上の後部に設けたベッセルと、前記旋回フレーム及び前記ベッセルに両端が連結されたベッセルシリンダと前記ベッセルシリンダの圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサからの信号を基に前記ベッセルに積載されている積載物の質量である積載質量を演算する積載質量演算装置と、前記積載質量の予め設定された上限値である最大積載質量を記憶した記憶装置と、前記積載質量演算装置で演算された積載質量と前記記憶装置から読み出した前記最大積載質量と比較する比較部を有しており、その比較部からの出力値により前記積載質量が前記最大積載質量以上であれば過積載、前記最大積載質量より小さければ許容積載と判定して判定信号を出力する判定装置と、前記判定装置からの判定信号に基づいて少なくとも過積載である場合にその旨を報知する報知装置と、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから前記ベッセルシリンダに供給される圧油を制御するコントロールバルブと、前記積載質量の演算処理を指示するための測定指示装置と、パイロットポンプと、前記パイロットポンプからの圧油を制御して前記コントロールバルブにパイロット信号を出力するパイロット操作装置と、前記パイロット操作装置に接続する前記パイロットポンプの吐出管路に設けた電磁切換弁と、ロック位置であるときに前記電磁切換弁を閉位置に、ロック解除位置であるときに前記電磁切換弁を開位置に切り換えるロックレバー信号を出力するゲートロックレバーとを備えた不整地運搬車において、前記積載質量演算装置は、前記測定指示装置から信号が入力されると前記コントロールバルブに信号を出力し前記ベッセルシリンダを伸長させて前記ベッセルを上昇させる出力部と、前記ロックレバー信号が前記ゲートロックレバーのロック位置を識別する信号で、かつ前記測定指示装置からの信号が入力されることを判定条件として判定処理を実行する判定部と、前記判定条件が満たされた場合に、前記ベッセルの上昇時に前記圧力センサから入力された信号を基に前記積載質量の演算処理を実行する実行部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、部品の追加を抑えつつ過積載を作業者に報知することで機体寿命の短縮を抑止し機体性能を維持することができる。
本発明の一実施形態に係る不整地運搬車の一例であるクローラキャリアの側面図である。 本発明の一実施形態に係る不整地運搬車の一例であるクローラキャリアの平面図である。 本発明の一実施形態に係る不整地運搬車の一例であるクローラキャリアの正面図である。 図1−図3に示したクローラキャリアに備えられた油圧駆動装置の回路図である。 図1−図3に示したクローラキャリアに備えられた制御装置における積載質量の演算及び積載状態の判定に関わる部分を抽出して表した機能ブロック図である。 図1−図3に示したクローラキャリアに備えられた制御装置の演算装置について詳しく表した機能ブロック図である。 図1−図3に示したクローラキャリアに備えられた演算装置による積載質量の演算及び積載状態の判定に関する処理の手順を表すフローチャートである。
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
1.クローラキャリア
図1は本発明の一実施形態に係る不整地運搬車の一例であるクローラキャリアの側面図、図2は平面図、図3は正面図である。以降、運転席に着いたオペレータの前側(図2中の左側)、後側(図2中の右側)、左側(図2中の下側)、右側(図2中の上側)をクローラキャリアの前、後、左、右とし、それぞれ単に前側、後側、左側、右側と記載する。
図1−図3に示したクローラキャリアは、走行体1及び旋回体6を備えている。図2に示すように、上面視で旋回体6は走行体1を覆うように走行体1の車幅に沿う形で矩形状に形成されている。
1−1.走行体
走行体1は履帯式であり、トラックフレーム2、駆動輪3、従動輪4及び履帯5を備えている。トラックフレーム2は上から見てH字状のフレームである。駆動輪3はトラックフレーム2の左右の前部に設けられていて、後述する走行用油圧モータ33,34(図4参照)により回転駆動する。従動輪4はトラックフレーム2の左右の後部に回転自在に設けられている。履帯5は左右それぞれにおいて駆動輪3と従動輪4に掛け回されている。この走行体1は、駆動輪3によって履帯5を駆動することにより、山岳地、泥地、山道等の不整地を走行することができる。
1−2.旋回体
旋回体6は、旋回フレーム8、運転室10、動力源部(パワーユニット)12及びベッセル9を備えている。
旋回フレーム8は旋回体6の基枠であり、トラックフレーム2の上部に旋回装置7を介して旋回可能に設置されている。旋回装置7は、旋回モータ55(図4参照)及び歯車機構(図示せず)によって、鉛直方向に延びる軸を中心にして走行体1に対して旋回体6を旋回させるものである。
運転室10は、旋回フレーム8上の前部における左右方向の一方側(本実施形態では左側)に設けられている。図1−図3では図示していないが、運転室10の内部には、操作者が座る運転席(図示せず)の他、各種駆動装置の動作を指示するための操作装置(図4のパイロット操作装置43,44等)、ゲートロックレバー14(図4)、積載質量の演算動作を指示するための測定指示装置99(図5)、各種情報を報知する報知装置98(図5)等が設けられている。
動力源部12は、旋回フレーム8上における運転室10の左右方向の他方側(本実施形態では右側)の領域から後側の領域に掛けてL字状に配置されている。この動力源部12には、いずれも後述する図4に示す要素であるが、不整地運搬車の動力源であるエンジン21の他、両傾転ポンプ31,32、パイロットポンプ41、油圧ポンプ51、ラジエータ22、オイルクーラ56、作動油タンクT等が備わっている。
ベッセル9は外形が矩形状で、運転室10及び動力源部12の後側に位置するように旋回フレーム8上の後部に設けられている。このベッセル9の下部側の後端部は左右に伸びるピン11を介して旋回フレーム8の後端部に連結されている。また、ベッセル9はベッセルシリンダ57(図4で後述)によっても旋回フレーム8と連結されている。ベッセルシリンダ57は旋回フレーム8及びベッセル9の間に配置され、旋回フレーム8及びベッセル9に両端が回動自在に連結されている。このベッセルシリンダ57の伸縮に伴って、ピン11を中心にして旋回フレーム8に対してベッセル9が回動し起伏する。本実施形態のベッセル9は両側に側板を有するタイプであるが、ベッセル9の構成は図示したものに限定されない。
1−3.その他
ここで、上記のゲートロックレバー14(図4)は運転席の乗降側に設置されていて、寝かせた閉鎖状態では操作者の降車を妨げ、降車するにはゲートロックレバー14を引き上げて運転席に対する乗降口を開放状態にしなければならないように構成されている。以下、ゲートロックレバー14のポジションとして、寝かせた状態を操作系の「ロック解除位置」、引き上げた状態を操作系の「ロック位置」と記載する。ゲートロックレバー14のポジションがロック位置である場合、操作の有無に関わらず各種操作装置から操作信号が出力されなくなり、操作装置による操作が無効化されて走行、旋回及びダンプの動作が禁止される。ゲートロックレバー14のポジションがロック解除位置になると、各種操作装置から操作に応じた操作信号が出力されるようになり、操作装置による操作が有効化されて走行、旋回及びダンプの動作が許容される。
また、上記の測定指示装置99(図5)は、後述する積載質量の演算動作の実行を指示する装置であり、機械的なスイッチでも良いし、報知装置98等にタッチパネルが備わっている場合には画面上のボタン等でも良い。報知装置98は運転室10内において運転席に座った操作者が見易い位置、例えば前方のピラー等に設置されている。この報知装置98には、エンジン回転数等のクローラキャリアの稼働情報の他、ベッセルに積載された積載物の質量(以下、積載質量と記載する)や積載状態(後述する過積載状態であるか許容積載状態であるか)を適宜表示させることができる。
2.油圧駆動装置
図4は図1−図3に示したクローラキャリアに備えられた油圧駆動装置の回路図である。この図に示した油圧駆動装置は、エンジンユニット20、走行回路30、パイロット回路40、ダンプ・旋回回路50等を備えている。
2−1.エンジンユニット
エンジンユニット20には、エンジン21及びラジエータ22が含まれる。エンジン21の出力軸は、シャフト23やカップリング等を介して両傾転ポンプ31,32、パイロットポンプ41、油圧ポンプ51及びファン24に連結しており、エンジン21によりこれらポンプやファンが駆動される。ラジエータ22は管路25,26を介してエンジン21にループ状に接続されており、管路25,26を介してラジエータ22とエンジン21との間で冷却水が循環する。ラジエータ22はファン24で誘起される冷却風で冷却され、ラジエータ22で冷却された冷却水によりエンジン21が冷却される。
2−2.走行回路
走行回路30には、可変容量型の両傾転ポンプ(HSTポンプ)31,32が含まれる。両傾転ポンプ31,32は、一対の入出力ポートを持つ両傾転斜板機構、及び両傾転斜板の傾斜角を調整するレギュレータを備えている。レギュレータは操作者の操作に伴って走行用の操作装置(図示せず)から出力される操作信号に応じて駆動されるように構成されており、レギュレータを駆動することで両傾転ポンプ31,32の圧油の吐出方向と吐出流量が制御される。両傾転ポンプ31と左側の履帯5の走行用油圧モータ33は、管路36,37によりループ状に接続して閉回路を構成している。同様に、両傾転ポンプ32と走行用油圧モータ34は、管路38,39によりループ状に接続して閉回路を構成している。
2−3.パイロット回路(操作系)
パイロット回路40には、パイロットポンプ41、電磁切換弁42及びパイロット操作装置43,44等が含まれる。
パイロットポンプ41は例えばギヤポンプであり、作動油タンクTに貯留された作動油を吸い込み、圧油として吐出管路45に吐出する。パイロットポンプ41の吐出管路45はパイロット操作装置43,44に接続しており、この吐出管路45の途中に上記電磁切換弁42が設けられている。電磁切換弁42のソレノイド駆動部は運転室10(図1等)の上記ゲートロックレバー14の位置検出部14aと電気的に接続しており、位置検出部14aからの信号に応じて位置が切り換わって吐出管路45を開通及び遮断する。具体的には、ゲートロックレバー14がロック位置に引き上げられると電磁切換弁42が閉位置に切り換わって吐出管路45が遮断され、ゲートロックレバー14がロック解除位置に下げられると電磁切換弁42が開位置に切り換わって吐出管路45が開通される。
パイロット操作装置43は減圧弁43a,43b及び操作レバー43cを備えていて、パイロットポンプ41からの圧油の流れを減圧弁43a,43bで制御してパイロット信号として出力する。具体的には、減圧弁43a,43bの一次側ポートには吐出管路45が、二次側ポートにはパイロット管路46a,46bが接続している。パイロット管路46a,46bはそれぞれコントロールバルブ52の受圧部52a,52bに接続している。操作レバー43cを操作すると操作方向に対応した減圧弁が操作量に応じた量だけ開き、操作に応じたパイロット信号が出力される。例えば図4中で操作レバー43cを左側に倒すと減圧弁43aが操作量に応じて開き、操作量に応じたパイロット信号がパイロット管路46aを介してコントロールバルブ52の受圧部52aに出力される。反対に図4中で操作レバー43cを右側に倒すと減圧弁43bが操作量に応じて開き、操作量に応じたパイロット信号がパイロット管路46bを介してコントロールバルブ52の受圧部52bに出力される。但し、電磁切換弁42により吐出管路45が遮断されているときは、操作の有無に関わらずパイロット操作装置43からパイロット信号は出力されない。
パイロット操作装置44もパイロット操作装置43と同様、減圧弁44a,44b及び操作レバー44cを備えていて、パイロットポンプ41からの圧油の流れを減圧弁44a,44bで制御してパイロット信号として出力する。具体的には、減圧弁44a,44bの一次側ポートには吐出管路45が、二次側ポートにはパイロット管路47a,47bが接続している。パイロット管路47a,47bはそれぞれコントロールバルブ53の受圧部23a,23bに接続している。例えば図4中で操作レバー44cを左側に倒すと、操作量に応じたパイロット信号がパイロット管路47aを介してコントロールバルブ53の受圧部23aに出力される。但し、電磁切換弁42により吐出管路45が遮断されているときは、操作の有無に関わらずパイロット操作装置44からパイロット信号は出力されない。なお、本実施形態ではコントロールバルブ53として電磁パイロット式の制御弁を例示しており、コントロールバルブ53が油圧のパイロット信号以外に電気信号でも駆動されるようになっている。
また、吐出管路45からはリリーフ管路47が分岐しており、このリリーフ管路47を介して吐出管路45と作動油タンクTが接続されている。リリーフ管路47にはリリーフ弁47aが設けられている。リリーフ弁47aは、吐出管路45の最大圧力を規定して吐出管路45を保護する役割を果たす。
2−4.ダンプ・旋回回路
ダンプ・旋回回路50には、ダンプ・旋回用の油圧ポンプ51、コントロールバルブ52,53等が含まれる。
油圧ポンプ51は例えばギヤポンプであり、作動油タンクTに貯留された作動油を吸い込み、圧油として吐出管路54に吐出する。吐出管路54はコントロールバルブ52,53に接続している。この例では、コントロールバルブ52,53は吐出管路54上に直列に配置されている。
コントロールバルブ52は、油圧ポンプ51、旋回モータ55及び作動油タンクTに接続している。このコントロールバルブ52は、パイロット操作装置43で生成されたパイロット信号を受圧部52a又は受圧部52bに受けることにより駆動され、油圧ポンプ51から旋回モータ55に供給される圧油の流れ(方向及び流量)を制御する機能を有する。油圧ポンプ51からの圧油がコントロールバルブ52を介して旋回モータ55に供給されると、コントロールバルブ52の切り替え位置に応じた方向及び速度で旋回モータ55が駆動され、これにより旋回体6が旋回する。旋回モータ55を駆動した圧油はコントロールバルブ52を経由して作動油タンクTに戻る。
コントロールバルブ53は、油圧ポンプ51、ベッセルシリンダ57及び作動油タンクTに接続している。このコントロールバルブ53は、パイロット操作装置44で生成されたパイロット信号を受圧部53a又は受圧部53bに受けることにより駆動され、油圧ポンプ51からベッセルシリンダ57に供給される圧油の流れ(方向及び流量)を制御する機能を有する。油圧ポンプ51からの圧油がコントロールバルブ53を介してベッセルシリンダ57に供給されると、コントロールバルブ53の切り替え位置に応じた方向及び速度でベッセルシリンダ57が駆動され、これによりベッセル9が起伏する。ベッセルシリンダ57を駆動した圧油はコントロールバルブ53を経由して作動油タンクTに戻る。
作動油タンクTに繋ぐ管路にはオイルクーラ56が設けられていて、作動油タンクTに戻る圧油はオイルクーラ56により冷却される。吐出管路54からはリリーフ管路59が分岐しており、このリリーフ管路59を介して吐出管路54と作動油タンクTが接続されている。リリーフ管路59にはリリーフ弁59aが設けられている。リリーフ弁59aは、吐出管路54の最大圧力を規定して吐出管路54を保護する役割を果たす。また、例えばベッセルシリンダ57のボトム側油室とコントロールバルブ53とを接続する管路には、ベッセルシリンダ57の圧力(ボトム側油室の圧力)を検出する圧力センサ58が設けられている。
なお、前述した通りコントロールバルブ52,53は直列に配置されており、コントロールバルブ53にはコントロールバルブ52を介して圧油が導かれるようになっている。つまり、旋回停止時でないとベッセルシリンダ57を駆動できないようになっている。
3.制御装置
例えば運転室10には、クローラキャリアの動作を制御する制御装置60が設けられている。特に本実施形態のクローラキャリアに搭載された制御装置60には、操作者の指示に従ってベッセル9の積載質量を演算し、積載状態を判定する機能が備わっている。制御装置60における積載質量の演算及び積載状態の判定に関わる部分を抽出して表した機能ブロック図を図5、制御装置60に備えられた演算装置64について詳しく表した機能ブロック図を図6に示す。
図5及び図6に示したように、制御装置60は、入力インターフェース61、ROM62、RAM63、演算装置64、タイマ65、出力インターフェース66等を備えている。
入力インターフェース61は、ゲートロックレバー14、圧力センサ58及び測定指示装置99等と電気的に接続している。ゲートロックレバー14からのロックレバー信号R、圧力センサ58からの圧力検出信号P、及び測定指示装置99からの測定指示信号Sが入力インターフェース61に入力される。
ROM(リードオンリーメモリ)62は、各種処理プログラムを保存した読み込み専用の記憶装置であり、保存したプログラムには、積載質量の演算に関するプログラム、積載状態の判定に関するプログラムが含まれる。
RAM(ランダムアクセスメモリ)63は、プログラムの実行に用いる変数や積載質量の演算結果である質量データ、入力インターフェース61を介して入力された信号等を保存する記憶装置である。プログラムの実行に用いる変数には、ベッセルシリンダ57のボトム側油室の断面積値(シリンダ断面積D)、ベッセル9の質量(ベッセル質量G)、ベッセル9の予め設定された許容積載質量の上限値(最大積載質量Wmax)等が含まれる。
演算装置64は積載質量の演算処理や積載状態の判定処理を実行する処理部(例えばCPU)であり、タイマ(クロック)65によって駆動される。この演算装置64には、図6に示したように積載質量演算装置67及び判定装置68が含まれている。積載質量演算装置67及び判定装置68については後述する。
出力インターフェース66は報知装置98に電気的に接続しており、演算装置64による積載質量の演算結果や積載状態の判定結果を報知装置98に出力する。
3−1.積載質量演算装置
上記の積載質量演算装置67は、測定指示装置99から信号が入力されるとコントロールバルブ53に信号を出力しベッセルシリンダ57を伸長させてベッセル9を上昇させる出力部として機能する処理領域と、ベッセル9の上昇時に圧力センサ58から入力された圧力検出信号Pを基に積載質量の演算処理を実行する実行部として機能する処理領域を含む。特に本実施形態の積載質量演算装置67は、ゲートロックレバー14からのロックレバー信号Rがゲートロックレバー14のロック位置を識別する信号で、かつ測定指示装置99からの信号が入力されることを判定条件として判定処理を実行する判定部として機能する処理領域を含んでおり、判定部の出力を基に、判定条件が満たされた場合に積載質量の演算手順が実行部により実行されるように構成されている。図6に示したように、この積載質量演算装置67には、掛算器67a、質量演算器67b及び減算器67cが含まれる。掛算器67aでは、圧力検出信号Pとシリンダ断面積Dを基にシリンダ圧力荷重Ptが演算される。質量演算器67bでは、ROM62から読み出したプログラム(演算式)によってシリンダ圧力荷重Ptからシリンダ支持荷重Wtが演算される。減算器67cでは、シリンダ支持荷重Wtとベッセル質量Gを基に、ベッセル9に積載されている積載物の質量である積載質量Wが演算される。
3−2.判定装置
判定装置68は、積載状態の判定処理を実行する処理領域であり、減算器68aを含んでいる。減算器68aは、最大積載質量Wmaxと積載質量Wとを比較する比較部である。判定装置68は、減算器68aの出力値(演算結果)から、積載状態が過積載状態か許容積載状態かを判定する。過積載状態とは積載質量Wが最大積載質量Wmaxを超えている状態、許容積載状態とは積載質量Wが最大積載質量Wmax以下の状態をいう。判定装置68は、過積載状態であるか許容積載であるかを識別する判定信号Jを出力する。
4.積載質量の演算及び判定処理
図7は演算装置64による積載質量の演算及び積載状態の判定に関する処理の手順を表すフローチャートである。
・ステップS101
図7の処理はROM62から読み込まれたプログラムに従って演算装置64により実行される。また、この処理を開始する時点では、ベッセルシリンダ57は最収縮していてベッセル9は水平に倒伏した状態であるとする。まずステップS101として、演算装置64は、測定指示装置99から測定指示信号Sが入力されたか否かを判定する。測定指示信号Sの入力がなくステップS101の判定が満たされない場合、演算装置64は、ステップS101に手順を戻して測定指示信号Sの入力を待つ。測定指示信号Sが入力されてステップS101の判定が満たされた場合、演算装置64はステップS102に手順を移す。
・ステップS102
ステップS102では、演算装置64は、ゲートロックレバー14からのロックレバー信号Rがロック位置であることを識別する信号であるか否かを判定する。ロックレバー信号Rがロック解除位置であることを識別する信号でステップS102の判定が満たされない場合、演算装置64は積載質量演算装置67による積載質量の演算処理を開始することなくステップS101に手順を戻す。ロックレバー信号Rがロック位置であることを識別する信号でステップS102の判定が満たされた場合、演算装置64は、ステップS103に手順を移して積載質量演算装置67による積載質量の演算処理を開始する。
・ステップS103
ステップS103に手順を移して積載質量の演算処理を開始すると、積載質量演算装置67は、コントロールバルブ53に指令信号を出力してベッセルシリンダ57を設定速度で設定時間だけ伸長させ、ベッセル9が上昇する間に圧力センサ58から入力される圧力検出信号PをRAM63に記憶させる。ベッセルシリンダ57を伸ばす設定時間は、ベッセル9に積載した積載物がダンプ排出されない程度の時間(例えば2秒程度)である。ベッセルシリンダ57の設定の伸長速度は、設定時間だけベッセルシリンダ57を伸長させても積載物がダンプ排出される所定の角度まで起立しない程度に抑えられた速度である。圧力検出信号Pの入力を終えたら、積載質量演算装置67は、コントロールバルブ53に指令信号を出力し、ベッセルシリンダ57を収縮させてベッセル9を水平姿勢に戻す。
・ステップS104
ステップS104では、積載質量演算装置67は、ステップS103で入力された圧力検出信号PをRAM63から読み出し、圧力検出信号P(例えばピーク値、平均値等)を基にベッセルシリンダ57のボトム側油室の圧力値であるシリンダ圧力Paを演算する。そして、積載質量演算装置67は、RAM63から読み出したシリンダ断面積Dを掛算器67aによってシリンダ圧力Paに掛け合わせ、ベッセルシリンダ57に作用する圧力荷重であるシリンダ圧力荷重Ptを演算する。
・ステップS105
ステップS105では、積載質量演算装置67は、掛算器67aで演算したシリンダ圧力荷重Ptを基に、ROM62から読み出した演算式に従ってベッセルシリンダ57で支持している荷重、つまりベッセル9及び積載物の合計質量であるシリンダ支持質量Wtを質量演算器67bで演算する。
・ステップS106
ステップS106では、積載質量演算装置67は、質量演算器67bで演算したシリンダ支持質量Wtからベッセル質量Gを減算器67cで減算して積載質量Wを演算し、積載質量の演算処理の終了を識別する信号を演算装置64に出力する。また、演算された積載質量Wは、判定装置68に入力されると共に、RAM63に記憶される。
・ステップS107
積載質量Wが演算されたら、演算装置64はステップS107に手順を移し、判定装置68による積載状態の判定処理を開始する。判定装置68は、RAM63から読み出した最大積載質量WmaxとステップS106で積載質量演算装置67によって演算された積載質量Wを比較し、積載質量Wが最大積載質量Wmaxよりも小さいか否かを判定する。本実施形態では、減算器68aで最大積載質量Wmaxから積載質量Wを減算して得た差分の値の正負を判定する。積載質量Wが最大積載質量Wmaxよりも小さく差分が正の値である場合には、判定装置68は減算器68aの出力により積載状態を許容積載状態と判定し、ステップS108に手順を移す。積載質量Wが最大積載質量Wmax以上で差分がゼロ以下の値である場合には、判定装置68は減算器68aの出力により積載状態を過積載状態と判定し、ステップS109に手順を移す。
・ステップS108,S109
ステップS108に手順を移した場合、判定装置68は現在の積載状態が許容積載状態である旨を識別する判定信号Jを出力する。ステップS109に手順を移した場合、判定装置68は現在の積載状態が過積載状態である旨を識別する判定信号Jを出力する。判定信号JはRAM63に記憶されると共に出力インターフェース66を介して報知装置98に出力され、報知装置98によって現在の積載質量Wと共に、積載状態が過積載であるか許容積載であるかの情報が、運転席の操作者に報知される。
なお、本実施形態では報知の態様として文字による表示が例示できるが、音声出力やランプ点灯表示等の他の態様でも良い。ステップS108又はS109で判定装置68による判定処理を終えたら、演算装置64は図7の処理を終了する。 運転中、演算装置64は、図7の処理を繰り返し実行することにより、ゲートロックレバー14がロック位置であるときに測定指示信号Sが入力されることで、積載質量の演算処理及び積載状態の判定処理を実行する。
5.効果
5−1.機体の寿命及び性能の維持
本実施形態によれば、積載質量演算装置67により積載質量を演算し、報知装置98で積載質量を報知するので、まず操作者は積載質量を確認することができる。また、判定装置68で最大積載質量Wmaxとの比較により積載状態について判定し、報知装置98で判定結果を報知するので、操作者は現在の積載状態が許容積載状態であるのか過積載状態に陥っているのかを積載質量と併せて確認することができる。現在の積載質量や積載状態を確認することができるので、稼働現場で無自覚に最大積載質量を超えて積載物がベッセル9に積載されることを抑制することができる。これにより、過積載による機体寿命の短縮を抑止し、クローラキャリアの機体性能を維持することができる。
5−2.追加部品の抑制
本実施形態によれば、ベッセルシリンダ57の圧力を検出する圧力センサ58を利用して積載質量を演算するので、部品の追加を抑えることができる。従って、レイアウトの自由度が低く大掛かりな計器を追加することは困難なクローラキャリアにあって、大掛かりな設計変更を伴うことなく積載質量を測定する機能を確保することができる。また、積載質量の測定機能の付与に掛かるコストも低廉である。
5−3.任意性の確保
本実施形態では測定指示装置99を操作することによって積載質量の演算処理及び積載状態の判定処理が指示されるので、操作者は任意のタイミングで積載質量や積載状態を確認することができる。積載状態の判定処理が常時実行される構成であると操作者にとって煩わしい場面、また実作業上の柔軟性、生産性を欠くような場面もあり得る。このような場面で操作者の要求なしに徒に積載状態の報知がなさることがなく、必要なときにのみ適時に積載質量や積載状態を確認することができることも、本実施形態のメリットである。
5−4.測定精度の確保
本実施形態ではゲートロックレバー14によるインターロックが掛かっていることを条件にして、積載質量の演算処理が実行される。そのため、走行動作や旋回動作がされていない状態で積載質量が測定され、機体動作に起因する慣性等が測定に与える影響を抑制することができる。
6.その他
上記実施形態では、過積載状態であるか許容積載状態であるかを報知装置98で報知する場合を例に挙げて説明したが、過積載の抑制のためには少なくとも過積載である場合にその旨を報知できば良く、許容積載状態である旨を報知する手順は省略しても良い。
また、積載質量の測定精度の観点でゲートロックレバー14によるインターロックを条件として積載質量の演算処理や積載状態の判定処理を実行する場合を例に挙げて説明したが、この点は前述した基本的効果5−1及び5−2を得るための要件ではない。従って、不要であれば積載質量の演算処理の開始条件からゲートロックレバー14によるインターロックを除いても良い。
1…走行体、8…旋回フレーム、9…ベッセル、10…運転室、14…ゲートロックレバー、41…パイロットポンプ、42…電磁切換弁、44…パイロット操作装置、45…吐出管路、51…油圧ポンプ、53…コントロールバルブ、57…ベッセルシリンダ、58…圧力センサ、63…RAM(記憶装置)、67…積載質量演算装置、68…判定装置、98…報知装置、99…測定指示装置、J…判定信号、R…ロックレバー信号、W…積載質量、Wmax…最大積載質量

Claims (1)

  1. 履帯式の走行体と、
    前記走行体上に旋回可能に設けられた旋回フレームと、
    前記旋回フレーム上の前部に設けた運転室と、
    前記旋回フレーム上の後部に設けたベッセルと、
    前記旋回フレーム及び前記ベッセルに両端が連結されたベッセルシリンダと、
    前記ベッセルシリンダの圧力を検出する圧力センサと、
    前記圧力センサからの信号を基に前記ベッセルに積載されている積載物の質量である積載質量を演算する積載質量演算装置と、
    前記積載質量の予め設定された上限値である最大積載質量を記憶した記憶装置と、
    前記積載質量演算装置で演算された積載質量と前記記憶装置から読み出した前記最大積載質量と比較する比較部を有しており、その比較部からの出力値により前記積載質量が前記最大積載質量以上であれば過積載、前記最大積載質量より小さければ許容積載と判定して判定信号を出力する判定装置と、
    前記判定装置からの判定信号に基づいて少なくとも過積載である場合にその旨を報知する報知装置と、
    油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから前記ベッセルシリンダに供給される圧油を制御するコントロールバルブと、
    前記積載質量の演算処理を指示するための測定指示装置と、
    パイロットポンプと、
    前記パイロットポンプからの圧油を制御して前記コントロールバルブにパイロット信号を出力するパイロット操作装置と、
    前記パイロット操作装置に接続する前記パイロットポンプの吐出管路に設けた電磁切換弁と、
    ロック位置であるときに前記電磁切換弁を閉位置に、ロック解除位置であるときに前記電磁切換弁を開位置に切り換えるロックレバー信号を出力するゲートロックレバーとを備えた不整地運搬車において、
    前記積載質量演算装置は、
    前記測定指示装置から信号が入力されると前記コントロールバルブに信号を出力し前記ベッセルシリンダを伸長させて前記ベッセルを上昇させる出力部と、
    前記ロックレバー信号が前記ゲートロックレバーのロック位置を識別する信号で、かつ前記測定指示装置からの信号が入力されることを判定条件として判定処理を実行する判定部と、
    前記判定条件が満たされた場合に、前記ベッセルの上昇時に前記圧力センサから入力された信号を基に前記積載質量の演算処理を実行する実行部とを有することを特徴とする不整地運搬車。
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