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JP6540207B2 - 偽造防止用紙 - Google Patents
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JP6540207B2 - 偽造防止用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、偽造防止用紙に関し、特に、その内部に、紙パルプ繊維と、帯状の形態を有し、応力発光材料層で構成される「スレッド」を含み、且つ、その「スレッド」が、その紙パルプ繊維に接する状態で含まれていて、その偽造防止用紙に所定の外力を負荷すると、その外力によって、その偽造防止用紙が、引っ張られたり、湾曲したり、折り曲げられたり、さらには、捻じ曲げられ、このことによって、その紙パルプ繊維が変形を受けると同時に、その紙パルプ繊維と接した状態で含まれている、「スレッド」が変形を受け、同時に、その「スレッド」を構成する「応力発光材料層」が変形を受けて、応力発光材料層の所定の部位に、所定の変形応力が発生し、あらかじめ定められた波長の光を、それらの変形応力の大きさに応じて、所定の強度で発する(発光する)こととなる、偽造防止用紙に関するものである。
本発明において、「紙パルプ繊維」とは、「製紙」に用いるために分離した植物繊維である「パルプ繊維(以下、「パルプ」とも称す。)」のことを意味し、「動物繊維」や、「化学繊維」、または、「人造繊維」などを含まないものとする。
但し、その「紙パルプ繊維」に加えて、そのような「動物繊維」や、「化学繊維」、または、「人造繊維」などを、適宜、含ませることを排除するものでない。
そして、本発明において、用いられる「スレッド」の「帯状の形態」とは、「所定の基材」と、その一方の面に設けられている「応力発光材料層」の、少なくとも2層構成から成る「スレッド」の「形態」を指し、その「スレッド」の断面が、長方形(縦×横。)であって、その「スレッド」の断面に垂直な方向を「長手方向」、すなわち、「長さ」と定義して、その「縦」対「横」の比が、1対2〜1対1000であり、また、「横」対「長さ」の比が、1対2〜1対500となる「形態」を意味する。
ここで、「応力発光材料層」は、「所定の基材」の一方の面の「全面」を覆うものであっても、その一部を覆うものであってもよい。(従って、『スレッドの断面』は、『長方形』以外の『形』となり得るが、上記の説明においては、便宜上、『長方形』で代表した。)
また、本発明の「偽造防止用紙」は、この「紙パルプ繊維」に加えて、「所定の基材」上に、いわゆる「セラミクス」からなる「応力発光材料」で構成される「応力発光材料層」を設けた、少なくとも2層構成の「スレッド」を含めた「用紙」であって(『スレッド』の構成や、『応力発光材料』の組成や構造等は、以下に詳述する。)、しかも、その「スレッド」を、偽造防止用紙の抄紙段階(『抄紙工程中』という意味。)で、「抄き込む」ことによって含めて、その「紙パルプ繊維」と、その「スレッド」(すなわち、その『スレッド』内の『応力発光材料層』。)が、その「用紙」の内部で接して存在しており、この「用紙」に所定の外力負荷、例えば、「指の力」で湾曲させたり、適宜な曲面を持つ治具にその「用紙」を手の力で押し付けたりしたときに、まず、その「用紙」内の「紙パルプ繊維」がその外力負荷によって「変形」を生じる。
そして、「用紙」が「湾曲」したときの「紙パルプ繊維」の「変形」は、その「紙パルプ繊維」と「接触(一部、結合している。)」している「スレッド」(すなわち、『応力発光材料層』。)の「変形」を引き起こし、特には、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料層」の「接点」において、物理的な移動を伴って、「引っ張り応力」、「せん断応力」、「ずれ応力」(以下、総称して「応力」と称すこともある。)を発生させることとなる。
もちろん、「用紙」の「湾曲」、及び、「紙パルプ繊維」の「湾曲」による、直接的な「応力発光材料層」への圧力も、その「応力発光材料」に発生する「応力」を助長する。
この「応力発光材料層」、もしくは、その「応力発光材料層」を構成する「応力発光材料」は、いわゆる「セラミクス」、中でも、「金属、または、ケイ素の酸化物、窒化物、炭化物や硫化物の構成」を持ち、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」の接点においては、「紙パルプ繊維」間の接点における「セルロースの水酸基」による「水素結合」と同様に、「紙パルプ繊維」を構成している「セルロースの水酸基」と、「酸化物、窒化物、炭化物や硫化物の酸素原子、窒素原子、炭素原子や硫黄原子」との「水素結合」により、その接点において「結合」している。
上記した、「応力発光材料」における、「紙パルプ繊維」との「接点」の箇所が、「応力発光材料の所定の部位」であって、また、上記した、「『引っ張り応力』、『せん断応力』、もしくは、『ずれ応力』」が、「紙パルプ繊維の変形に対応した変形応力」であって、本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」は、これらの「応力の大きさ」に比例する強度で、且つ、以下に詳述する「応力発光材料を構成する構造(組成や結晶構造などを含む。)」に対する「応力の作用する方向」に応じた強度で(これが、「変形応力に応じた強度」を意味する。)、その「構造」に特有(固有)の波長の光を発する。
もちろん、「応力発光材料」どおしが、直接、接触している箇所(互いに交差している箇所。)も、上記した、そのような「応力」を発生させ、さらには、「応力発光材料」そのものに、切欠け部や凹部、さらには、凸部が存在すると、その「応力発光材料」自体の「湾曲」によって、それらの箇所にも「応力」が発生して、「応力発光材料の所定の部位」の一つとして機能することとなる。
また、本発明の偽造防止用紙に、その抄紙工程(以下に、詳述する。)において、「抄き込まれ」ている「スレッド」は、「所定の基材」の一方の面に、「応力発光材料層」を設けた、少なくとも2層の「帯状の形態」を成すものであって、その「応力発光材料層」は、その「応力発光材料層」の「組成」が、「応力発光材料で構成」されている。
すなわち、「応力発光材料層」が、「応力発光材料そのもの」で構成される、いわゆる「セラミックス板、もしくは、セラミックの薄膜層(以下、『セラミックス板等』と総称する。)」であって、「応力発光材料層の組成」は、その100%が「応力発光材料」であることを意味する。
そして、その「応力発光材料層の表面に、所定の部位として、所定の形状の切欠け部及び/または凹部を有する」とは、そのような「セラミックス板等」の「所定の基材」と接していない「表面」、すなわち、「所定の基材とは反対の『表面』」、及び/または、「セラミックス板等の端部(断面)を成す『表面』」に、以下に詳述する「応力集中係数αが2以上となる、『所定の形状の切欠け部、及び/または、凹部』(これらが、『所定の部位』となる。)」が設けられていることを意味する。
もしくは、その「スレッド」の「応力発光材料層」は、「応力発光材料を組成とする微粒子を、所定の透明な樹脂に分散してなる」ものであって、「セラミックス材料である応力発光材料」を、「粉砕手段、及び、分級手段」を用いて、「所定の形状を有する微粒子」とするか、または、「成形用、または、焼成用の『型』」に「応力発光材料」を入れて、成形(焼成)することにより「所定の形状を有する微粒子」とした、「応力発光材料を組成とする微粒子」を、「分散化手段」を用いて、「所定の透明な樹脂」に「分散」して、「所定の基材」上に形成したものであり、その「微粒子の組成」は、その100%が「応力発光材料」で構成されている。
そして、その「応力発光材料」からなる「微粒子」の「形状」は、その表面に多数の「凹凸形状」を有し、その「凹凸形状」の特には、「凹みの底の部位」が、「所定の部位」となり、且つ、その「所定の部位」の「応力集中係数α」が2以上となっている。
特には、その「所定の透明な樹脂」に、セルロース系樹脂等の「水酸基」の多い「樹脂系」を用いることで、「微粒子」と「紙パルプ繊維」との「接点(結合点)」のみならず、「応力発光材料層」として、「紙パルプ繊維」との「接点(結合点)」を増やすことができる。
もちろん、本発明の「応力発光材料層」において、「微粒子の形状」とは、「多数ある微粒子の平均的な形状」を意味し、いわゆる光学式微粒子形状測定装置等で決定可能な「形状」とする。(その『測定装置』で測定した『形状』の『平均値』という意味。)
但し、全ての「微粒子」が「応力集中係数α≧2の部位」を有する形状であることが最も望ましく、その場合には、「発光」の視認性も、十分に確保でき好適であるが、少なくとも、前記「装置」を用いてサンプリング測定した「微粒子」(すなわち、『微粒子の形状』。)の全てが、この条件を満たすものであれば、本発明の目的を達成可能であることは言うまでもない。
そして、その「『応力発光材料を構成する構造』に特有の波長の光」が、「所定波長の光」であって、通常は、「可視光」の波長範囲、すなわち、光の波長で、400nm〜800nmの範囲にあり、一つの種類の「応力発光材料」に対応して、一つの波長の光が発光する。従って、この発光した「所定波長の光」を観察者が目視にて視認できることとなる。
但し、この「所定波長の光」の強度は、「目視にて視認可能である」ためには、その「発光輝度」(「光の強度」の一つの指標。)として、少なくとも1.0mcd/cm2(ミリカンデラ/平方センチメートル)の大きさが必要である。
また、本発明において、「スレッドの剛性は、偽造防止用紙の剛性の1/10〜50/10である」とは、例えば、「比較的薄い紙」に適用される「剛性」の指標である、「クラークこわさ(クラーク剛度):JIS P 8143」の「値」を、「スレッド単体」の「値」と、「スレッドを含まない偽造防止用紙」の「値」とで、比較し、その「比」が、「『スレッド単体』/『スレッドを含まない偽造防止用紙』=1/10〜50/10」となっているという意味である。
すなわち、本発明の偽造防止用紙において、その「『スレッド』が挿入されている部分」と、その「『スレッド』が挿入されていない部分」とにおいて、それらの「部分」の「剛性」を、局部的に評価したとすると、その「『スレッド』が挿入されている部分」の「剛性」が、その「『スレッド』が挿入されていない部分」の「剛性」に対して、「1.1倍〜6.0倍」の範囲内にあることを意味する。
ここで、「スレッドを含まない偽造防止用紙」の「剛性」は、「偽造防止用紙」そのもので代用できることは、言うまでもない。
また、上記した「剛性」の指標として、他の指標、例えば、JIS−P8125(テーバー法)等を採用することも可能である。
「スレッドの剛性」を、「偽造防止用紙の剛性の1/10未満」とすることは、その層構成や材料特性から困難であり(『スレッド』を構成する『基材』及び『応力発光材料層』のヤング率は、『0.1〜500GPa』、特には、『10〜200GPa』であり、『紙パルプ繊維からなる紙』のヤング率である『数GPa』よりかなり大きい場合が多いため。尚、ヤング率は、『換算式』により、『体積弾性率』に変換可能である。)、また、「スレッドの剛性」を、「偽造防止用紙の剛性の50/10を超える」ものとすると、「偽造防止用紙」にのハンドリング適性が劣化するのみならず、「スレッド」を抄き込む際の処理、すなわち、「スレッド」を「数百m〜千m長さの『リボン』」として巻き上げる処理等に不具合が生じるなど(『偽造防止用紙』の『巻取り処理』を想定している。『偽造防止用紙』を『シート処理』する場合には、この様な不具合は生じない。)、さらには、「偽造防止用紙」としての、ミシン目加工やスリッター加工等の、種々の加工適性や、種々のプリンターに対する印字適正をも劣化させてしまうこととなる。
さらに、本発明の偽造防止用紙において、「応力発光材料に、その応力発光材料の耐水性を向上するための、所定の表面処理が施されている」とは、以下に詳述する「応力発光材料」に対する「所定の表面処理」を施すことであって、この処理により、「応力発光材料」そのものの「耐水性」、さらには、「応力発光材料層」としての「耐水性」が向上することを意味する。
ここで、「耐水性」とは、例えば、JIS K 6404−9:1999における「水浸試験」に準じて行う「試験」において、その「試験時間(水に浸す時間。)」を、その「応力発光材料の発光強度が半減する時間」と設定することで評価するものとし、その評価において、「耐水性の向上」とは、「所定の表面処理を施したもの」の「半減時間」と、「所定の表面処理を施さなかったもの」の「半減時間」とを比較し、その「半減時間」が、2.0倍以上となることを意味する。
すなわち、「所定の表面処理を施したもの」に対して、「所定の表面処理を施さなかったもの」の「半減時間」に相当する「試験時間(水に浸す時間)」を経過した後の発光強度が、「試験前の発光強度」の1/2以上であることと、「等価」である(発光強度の低下が抑制されていることを意味する。)。
また、本発明において、「スレッドは、偽造防止用紙の抄紙工程において、その偽造防止用紙に抄き込まれている」とは、
以下に詳述する「『偽造防止用紙』を製造する工程」、すなわち、その「製紙工程」の中に、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」工程として、「紙パルプ繊維」の懸濁液(スラリーとも呼ばれる。)を、いわゆる「網(プラスチックワイヤーなど。)」上に広げて乾燥させる工程があるが、この一連の工程において、
「紙パルプ繊維」の懸濁液を、2回に分けて供給し、1回目の供給の後(ワイヤーの上に拡げ、水分を落とす。)、上記した「スレッド」の「リボン(長尺の帯状の形態から、『リボン』と呼ばれている。)」から、「帯状の形態のスレッド」を、製紙工程の「流れ方向(巻取りとしての『紙』の巻き上げ方向。)」に沿って(略平行に。)、その懸濁液の上に供給し、その上に、2回目の懸濁液を供給して(1回目の懸濁液と、リボンの双方を覆うように被せる。)、次工程である「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」へと進める。
もちろん、懸濁液を複数回に分けて供給してもよいし、懸濁液の1回目の供給後、「スレッド」位置を、その「凹ませる処理」により「凹ませ」て、その「凹み」に位置合わせするように、「スレッド」を供給してもよい。
さらには、その「凹み」に深さの差を設けて、最終的に、「スレッド」の表面の一部が「紙」の表面に露出するようにすることも好適である。
また、懸濁液の供給と、次工程である「乾燥&プレス処理」とを組み合わせて、懸濁液供給、乾燥処理、プレス処理、凹ませ処理、及び「スレッド」供給の順序を様々に組み立て、「紙」の構成を、より複雑な構成とすることも好適である。
上記した「凹み」は、「スレッド」の「厚さ」より深くすることが好ましく、その深さを「流れ方向」に変動させたり、また、「スレッド」の幅より大きい幅とし、結果として、「スレッド」の片側や、両側の部分が、他の部分の「紙の厚さ」より「薄く」なって、疑似的な「透かし効果」を醸し出すようにしてもよい。
そして、「凹み」部分を「貫通部」とすることで、「紙」の「表面及び裏面」に「スレッド」の「表面及び裏面」が露出するようにすることも好適である。
本発明において、「応力発光材料」とは、いわゆる「熱弾性マルテンサイト変態」近傍において、「物理的な変形」を伴って、その材料に「応力」を負荷すると「双晶擬弾性変形」を生じやすい材料である、「Eu添加SrAl24(「SAOE」とも称される。)」等に代表される、「『物理的な変形』を伴って、その材料に『応力』を負荷した際に、所定の波長の光を発光し、且つ、その負荷した『応力』に応じてその発光強度が増加する」材料を、焼成し、焼結させて、所定の形状(層状。)としたものである。
ここで、「物理的な変形」と表現した意味は、もちろん、「化学的な組成変化」ではないことを表すが、さらに、「材料内部の一部の結晶構造のみがその格子構造を変化させること」に留まらず、「材料全体の外形の変化」に至る「変形」であることを示している。(このように、「『外観上認識できる外形の変形』を伴う変形」を、「物理的な変形」と称した。すなわち、格子構造の変形が、微視的な領域のみで発生している状態ではなく、格子構造の変形が材料内で伝搬し、視認できるほどの大きな領域に渡って発生している状態を意味する。)
従って、本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」の「発光」を促進するために、「材料全体の外形」が「変化」し得る「領域」(動き得る領域として「可動域」とも表現される。)を確保することが求められ、本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」のように、「応力発光材料」が「用紙」内で、もしくは、「用紙」とともに、比較的自由に動くことができる構成とすることが重要となる。
次に、本発明における、「応力集中係数α」につき説明する。
そもそも、「応力集中」とは、ある材料の「形状」の「不連続性」により、その材料に外力を負荷して、その材料内部に、その外力に応じた「応力」を発生させたとき、その「不連続箇所」の近傍に、他の領域に発生する「応力」に比較して、「大きな応力」が発生することをいう。
そして、この「応力集中」の要因となるものとして、その「材料」に存在する「段差(断面の急激な変化)」、「凹み」、「凹凸」、「貫通孔」、「切欠き」、さらには、その材料内の「材料組成の急激な変化」(燒結境界面や、溶接などによる接合面)などがある。
この「応力集中」の状態を数値で表したものが、「応力集中係数α」であって、α=σmax/σ0(式中、σ0は、材料全体に発生する「『応力』の平均値」であり、σmaxは、その応力集中箇所に生じる「『応力』の最大値」である。)と表される。
単純な例として、円柱形状の材料(上面と下面が同一の円となっている棒状のもの。)に対して、その上面と下面(各面の面積を、S平方ミリメートルとする。)を挟んで垂直方向に外力F(N:ニュートン)を負荷したとき、その円柱形状の中間位置に、断面積がその上面(下面)の1/2となる箇所(この箇所の断面積は、S/2平方ミリメートルとなる。)を設けてあるとすると、σ0は、[(比例定数k)×F/S](N/mm2)となり、σmaxは、[(比例定数k)×2F/S](N/mm2)となって、応力集中係数α=σmax/σ0=2.0となる。
この例は、上記したような「物理的な変形」を伴わない応力発生例であるが、説明の単純化のために敢えて用いた。
本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」の「応力集中係数α」を、2以上とするためには、「層状」の外形をした「応力発光材料」の一部に、その「応力発光材料層」の厚さの1/10〜1/5の深さの「凹み」や「切欠き」を設けることで得られる。
この「凹み」の形を、「底の浅い形。例えば、[(開口部幅/深さ)の比]が1/20〜1/10」としたもの、もしくは、「底の深い形。例えば、[(開口部幅/深さ)の比]が1/5〜1/1」としたものは、この「凹み」の「底部」周辺に「応力集中」が起こり、その「応力集中係数α」は、2以上となる。
同様に、「段差」、「凹凸」や、「材料組成の急激な変化」を設けることで、「応力集中係数α」の値を調節することができる。
本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」は、発生した「応力の大きさ」に応じて、さらには、ほぼ比例して、その発光強度が大きくなるため、「応力集中係数α」が大きいほど、その発光強度が増大し、視認性を向上させることができる。
この「応力集中係数α」は、大きいほど望ましく、2以上とする。さらには、10以上、より好適には、100以上とすることで、その部分の発光強度を「高輝度」として、より視認しやすくすることができる。
但し、「応力集中係数α」が大きければ大きいほど、「応力発光材料」の「形状」の「不連続性」が、いわゆる「急激」なものとなり、「応力発光材料」を「発光」させるための「変形」を繰り返すと、容易に「破壊」され、もはや、「発光」しなくなるため、不適当である。(このことは、真正性判定の信頼性を確保するため、『少なくとも100回以上の安定した発光』が必要であるが、その信頼性を確保できないことを意味する。)
また、本発明において、「応力発光材料の形状は、所定の外力負荷に対して、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状である」との記載における、その「応力集中係数α」とは、あくまで、「応力発光材料」そのものにおける「応力集中係数α」を用い、「応力発光材料」の「形状」そのものに起因する数値とする。
また、本発明の「応力発光材料層」において、「応力発光材料を組成とする微粒子を、所定の透明な樹脂に分散してなる」とは、以下のことを意味する。
すなわち、「応力発光材料(複数の応力発光材料から成る、『応力発光材料の複合体』を含む。)」を、最大直径で、0.1μm〜50μm、好適には、5.0μm〜20μmの「微粒子」とし、もしくは、平均粒径D50で、0.05μm〜20μm、好適には、0.5μm〜10μmの「微粒子」として準備し、これを、熱可塑性樹脂、及び/または、熱硬化性樹脂の中から、下記する「透過率」を有する「樹脂」を選定して、「透明な樹脂」とした、その「透明な樹脂」中に、その「微粒子」の2次凝集化を抑制しつつ「分散」させ、「『応力発光材料』の『微粒子』を『透明な樹脂』に『含ませた』、すなわち、『混在』させた『応力発光材料層』」とすることを意味する。
特に、「応力発光材料」の「微粒子」は、「応力発光材料の平板」や、「応力発光材料の塊」を、物理的に粉砕して「微粒子」とするが(これが、『微粒子化』である。)、その粉砕の際、例えば、衝撃式粉砕機を用いて、「微粒子」が比較的不規則な形状となるように制御し、且つ、粉砕した微粒子間の衝突を抑制しつつ、「分級装置」にて、所望の粒径の所望の形状を有する「微粒子」を作製する。
さらには、「焼成前の『応力発光材料』用組成物」(所定の『焼成』手順によって、目的とする『応力発光材料』となる、所定の各元素を所定の割合で含む、水酸化物、水和物、酸化物、複合酸化物、硝酸塩、塩酸塩、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩等の原材料及びその混合物を意味する。『前駆体』ともいう。また、発光中心元素を、ドーピング手段等により別途添加することもできる。これらの混合物、さらには、粉末混合物、もしくは、粉体混合物を、直接、『焼成』する。)を、セルロース系樹脂やエチルセルロース系樹脂等の「焼成によって分解しやすい樹脂」(いわゆる、『セラミックス』製造用の樹脂。焼成によって、その樹脂の成分が、炭酸ガスや水となって、ほぼ完全に焼失するもの。焼成時の『煤』や『残渣』が比較的少ないという特徴を持つ。)に分散させ、個々の「焼成前の応力発光材料」が、いわば「個々の粒子として、独立して、分散している状態」(この樹脂によって、互いに離間させられている状態という意味。)とし、所定の焼成を行うことで、「応力発光材料」を、「個々の粒子として、独立して、分散している状態」のまま焼成し、燒結させることも、焼成後の個々の形状をより複雑なものとすることを可能とし、よって、応力集中係数αの大きい「形状」を実現し易くすることができ、好適である。
さらには、噴霧熱分解法、ゾルーゲル法、及び、フラックスフィーダー法などを用いることもできる。
もちろん、応力集中係数αの大きい「形状」を得るために、所望の「形」とするため、その所望の「形」をその内部形状として持つ「成形型(金属製、もしくは、セラミックス製)」に、上記した「焼成前の『応力発光材料』用組成物」を充填して(もしくは、その成形型で成形と同時に充填して。)、焼成後、その成形型から取り出す製法も採用することができる。
この「微粒子」の「形状」が不規則であればある程、さらには、「微粒子」の表面が粗面であればある程、「応力集中係数α≧2」となる「部位」を広範囲に有するとともに、αが非常に大きい(α≧500)形状を持つこととなる。
ここで、「透明な樹脂」とは、「可視光透過率が高い樹脂」であって、具体的には、ナトリウム原子のD線(590nm)における透過率が、50%以上、好ましくは、80%以上のものをいう。
但し、本発明の「応力発光材料層」や、「所定の基材」においては、「応力発光材料層」を構成する「応力発光材料」が発する所定の波長の「光」に対しての「透明性」があればよく、例えば、「所定の波長」に対して±5%の波長域、さらには、少なくとも±1%の波長域における「透明性」を確保し(その『波長域』における透過率が、50%以上、好ましくは、80%以上であることをいう。)、それ以外の波長域においては、その透過率が50%未満、もしくは、それ以下とすることも、「発光」時の意外性を高めることができ、好適である。
例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の三色混合によって作り出される「墨色(黒色として観察される。)」において、上記した「所定の波長」の±1%の波長域のみ、透過率を50%以上を確保するように、各色の吸収波長分布(吸収波長曲線)を調整することで(各色の吸収波長域を隙間なく重複させるのでなく、各色の吸収波長域の低い部分を、重複させず、敢えて残すようにするということ。)、外観上は、「黒色」と見做される「膜」から、外力負荷によって所定の波長の光が、いわば「その『黒色の膜』から、漏れ出てくるように光る」現象を実現できる。
さらに、「応力発光材料」を含んでいる領域(『スレッド』の『応力発光材料層』を部分的に設けたり、『応力発光材料層』内の『応力発光材料』の密度の大きい部分を部分的に設けたり、さらには、異なる発光波長の光を発光する複数の『応力発光材料層』の組み合わせパターン等とする、その『一つ一つの領域』や、それらの『複合領域』を意味する。)を、「所定のパターン」状、例えば、所定のサイズの文字、図形や、記号、特には、真正性判定用の何らかの「メッセージ(「真正」の文字など。)」を表す「形」として、所定のサイズで設けて、その「所定のパターン」を、それらの「応力発光材料」を発光させることにより、視認可能とする。
本明細書において、配合を示す「部」は質量基準である。
(主なる用途)
そもそも、本発明の「偽造防止用紙」が用いられる、「紙」、もしくは、「板紙」(以下、総称して、単に、「紙」とも称す。)、さらには、その「紙」が使われる「用途」を含めた呼称としての「用紙」には、以下のものがあり、本発明の「偽造防止用紙」の主なる用途も、これらの「紙」、「板紙」、さらには「用紙」が用いられる分野と同様の分野に用いられる。
「紙」、「板紙」、さらには「用紙」には、一般的には、その使用目的により、印刷用紙、情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙、段ボール原紙、もしくは、紙器用板紙、その他に大別される。
さらに小分類としては、
上質紙、中質紙、色上質紙、アート紙、コート紙、マットコート紙、ミラーコート紙、キャストコート紙、アートポスト、加工紙、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、微塗工紙、軽量コート紙(以上、印刷用紙。慣用されている分類名称を全て列挙。従って、「対象となるもの」が重複している分類名称も併記してある。以下、同様。)、ケント紙、更紙、ノーカーボン紙、模造紙、グラシン紙、再生紙、白板紙、色板紙、インクジェット用紙、POD用紙、昇華熱転写用紙等のプリンター用紙、フォーム用紙、ノーカーボン紙、感熱紙、OCR用紙、OMR用紙、磁気記録紙等(以上、情報用紙。)、未晒クラフト紙、半晒クラフト紙、塗工晒クラフト紙、再生可能防湿紙等(以上、包装用紙。)、表面に様々なエンボス加工を加えた紙、他の素材を混ぜ合わせた紙、風合いを出した紙、パール加工紙、ライナー、中芯原紙等(以上、段ボール原紙。)、表面に顔料が塗られていないもので、木材(原料)を化学処理した化学パルプと、木材(原料)をほぐしただけの機械パルプを混ぜた、非塗工紙、上質紙、中質紙をベースに片面または両面に塗料を塗って、圧力をかけたロールの間を通し光沢を出した、塗工紙等、木材パルプを原料とし、機械により大量生産された洋紙に対して、楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)、雁皮(ガンピ) 、麻、檀(まゆみ)等を原料とした和紙等がある。
さらに特殊なものとして、樹脂含浸紙などがある。
中でも、「上質紙」は、化学パルプだけで製造されたものであって、上級印刷紙(印刷用紙A、筆記用紙、や図画用紙)、薄葉印刷用紙、特殊印刷用紙(色上質紙など)といった「化学パルプ」100%の「印刷用紙」であって、且つ、「情報用紙」であり、「中質紙」は、狭義には、印刷用紙Bを、広義には、中級紙を指すのみならず、下級紙や新聞用紙も含み、「化学パルプ」に少なくとも「機械パルプ」を含めたものである。この「中級紙」には、セミ上質紙、印刷用紙B、印刷用紙C、グラビア用紙など、「下級用紙」には、印刷用紙D(色上更、上更、更、ラフ更など。)、印刷せんか紙(古紙パルプ100%)などが含まれている。
また、「紙」、「板紙」、さらには「用紙」が用いられる、具体的な「用途」及び、「分野」には、
債権、預金証書、受取証書、手形、小切手、通帳、磁気帳票、振込カード、商品券、クーポン券、籤、ギフト券、映画券、会員券、ビール券などの有価証券や、証拠証券などとして証券分野に、カタログ、チラシ、パンフレット、リーフレット、ポスター、POP、グリーティングカード、絵はがき、ステッカー、案内状、招待状、報告書、議事録、名簿、ネームカード、名刺、参加証、説明書、マニュアル、社史、広報誌、社内報、料金表、振込用紙、注文書、生産指示書、納品書、売上伝票などの各種伝票、通話料金明細書、給与明細書、取引明細書などの各種明細書、各種請求書、ビジネスフォーム、はがきや封書となるフォーム、ノート、封筒、便箋、手帳、ダイアリー、はがき、圧着はがき、切手、ダイレクトメール、シークレットメール、包装紙、軟包装、プラスチック容器、紙器、玩具などの商業分野、または、小説、絵本、事典、その他の書籍、新聞、雑誌、業界紙、地図、電話帳、教科書、参考書、楽譜などの出版分野がある。
特に、偽造防止分野に使用される「用紙」であって、具体的には、証券等の偽造されて使用されると、証券の保持者や発行会社等に損害を与え得るもの、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関用の金券等がある。
これらはいずれも、経済的、もしくは社会的な価値を有する情報を保持した情報記録体であり、偽造による損害を防止する目的で、記録体そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
また、これら情報記録体以外であっても、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるものに「付して」その証明をするもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等そのものも、偽造され得るものである。さらには、量産品であっても、有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等に「付して」その証明をするもの、または、それらに吊り下げられるタグも、偽造の対象となりやすい。
さらに、著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体に「付して」その証明をするもの、または、それらのケースそのもの等も、やはり偽造の対象となり得る。また、プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などにも、偽造による損害を防止する目的で、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
(背景技術)
そもそも、「発光」とは、光を発することであり、「現象」面で分類すると、物体を燃焼させたり、電気抵抗の大きい導電性材料に大量の電流を流したり、さらには、核融合などの発熱反応を起こさせたりなどして、その物体や材料を高温状態とし、その物体または材料を構成する原子や分子を高速に振動させて、その温度に対応する光を発する「熱放射(黒体放射ともいう。炎、白熱灯や恒星などの光。)」、励起状態にある量子系(電子など)が、より低い励起状態や基底状態に遷移することにより光を発する「ルミネセンス(冷光)」、荷電粒子が電場の中で急に減速されたり進路を曲げられたりした際に発生する電磁波放射である、 荷電粒子線の「制動放射」、荷電粒子の速度がその物質中の光速度よりも速い速度でその物質中を伝搬するときに発生する「チェレンコフ放射」などがある。
そして、この「制動放射」にはシンクロトロン放射が含まれ、狭義の意味で原子により電子が止められることについていう。X線管でX線を人工発生させる原理は制動輻射であり、また、高速の電子がターゲットに衝突することによっても、ターゲット内で制動放射が発生する。すなわち、ベータ線(電子線)を鉛(ターゲット)などで遮蔽すると、ベータ線そのものは鉛で停止するが、同時に、制動放射によるX線も発生する。
また、「ルミネセンス」は、物質が電磁波の照射や電場の印加、電子の衝突などによってエネルギーを受け取って励起され、低いエネルギー状態の分布数に対する高いエネルギー状態の分布数の比が熱平衡状態のときと比較して大きい状態にされたときに起きる自然放出による発光現象であり(これに対して、熱平衡状態の物質が光を発する現象が黒体放射である。)、また、低いエネルギー状態の分布数に対する高いエネルギー状態の分布数の比が1以上となる反転分布状態においては、誘導放出による光の増幅が起きる。
そして、励起源からのエネルギーの供給を絶つとすぐに発光も止まるものを「蛍光」、残光を持つものを「燐光」と呼ぶが、両者をまとめて「蛍光」と呼ぶこともある。化学的には、励起一重項からの失活(基底状態への遷移。)に伴う発光が「蛍光」であり、励起三重項からの失活に伴う発光が「燐光」である。この励起三重項から基底状態(基底一重項)への遷移は、そのスピン多重度が異なることから禁制遷移であって、そのため、励起三重項の状態は寿命が長く、また、励起三重項は、励起一重項よりもエネルギー準位が低いことが多く、そのため「燐光」の波長は「蛍光」より長くなる傾向にある。
「ルミネセンス」は、電子が基底状態から励起状態へ「どのようにして励起されたか」によって、光照射による励起での発光であるフォトルミネセンス(PL)、 電子線照射による励起での発光であるカソードルミネセンス(CL)、電圧による励起での発光であるエレクトロルミネセンス(EL)、音響エネルギーによる励起での発光であるソノルミネセンス(SL) 、熱による励起での発光である熱ルミネセンス、摩擦力や衝撃などの機械的エネルギーによる励起での発光であるトリボルミネセンス、化学反応による励起での発光であるケミルミネセンス、溶媒によって励起される発光であるソルバトルミネセンス、圧電効果による励起での発光であるピエゾルミネセンスなどに分類される。
また、化学反応には、酵素を使って発光物質を酸化させるなどの化学反応によって光を発する生物発光などが含まれる。
上記した「熱放射」においては、その物体や材料を高温状態としたり、その物体または材料を構成する原子や分子を高速に振動させるなど、「光を発する」ために、特別、且つ、非日常的な状態を必要とするが、「ルミネセンス」においても、それぞれ、電子を基底状態から励起状態へ励起させるために、光照射による励起、電子線照射による励起、電圧による励起、音響エネルギーによる励起、機械的エネルギーによる励起、化学反応による励起、溶媒による励起、圧電効果による励起など、「励起」させるために、何らかのプロセスを要し、また、このプロセスも、十分な「発光」を得るためには、それに相当する過大な負荷を掛ける必要があった。
(先行技術)
これらの「発光」メカニズムに対し、「材料」そのもの、すなわち、「材料の組成」、もしくは、「材料の構造」に、「潜在的な発光構造」を持たせ、比較的小さい応力を負荷するのみで、その「材料」を発光させ得る、新規な「発光」メカニズムを持つ、新規な「応力発光材料」が発見されている。
この新規な「応力発光材料」は、(独立行政法人)産業技術総合研究所の徐氏他が開発した新規な「発光材料」であって、「力学エネルギー」の比較的小さい「弾性変形領域」で「応力発光を示す材料」である。
そもそも、「応力発光」とは、「発光」の励起源として「機械的な力」を用いるものであり、「外部から加えられた『機械的な力(力学エネルギー)』によって、材料が『発光』する現象」のことと定義されている。
従来の「応力発光」現象は、「破壊発光」と「変形発光」とに分けることができ、このうち、「破壊発光」は、材料を破断させたり、粉砕したりすることによって「光」が放出される現象であって、「方解石」を割った時などに観察されていた現象である。一方、「変形発光」は、このような「破壊」を伴わないものであって、ある材料に外力負荷を徐々に掛けていったときに現われる、いわゆる「応力―ひずみ曲線」において、その「曲線」が「直線」として示される(「応力」が「ひずみ」に比例するという意味。)「弾性変形領域」での発光と、この「直線」が、「材料の降伏点」において途絶えて(その比例関係が終わるという意味。)、材料内部において少しずつではあるが「構造破壊」の段階に入っている「塑性変形領域」での発光に分けられる。
「破壊発光」現象は、非常に多くの材料系で観察されており、無機物質の約半分は「破壊発光」の性質を持つと言われている。
これに対して、「変形発光」については、放射線照射したアルカリハライドやある種の高分子で数例の報告例はあるものの、これは、「塑性変形領域」での微弱な発光であると判明している。
(独立行政法人)産業技術総合研究所の徐氏他が開発した「応力発光材料」は、これとは異なり、この「変形発光」の中で、しかも、「弾性変形領域」での「応力発光」を示す材料である。
これらはいずれも、高度に構造を制御した無機結晶骨格の中に、発光中心となる元素を添加した材料(セラミクス)であり、無機材料や発光中心の種類を選択することにより、紫外〜可視〜赤外の様々な波長で発光する材料が得られている。
代表的なものとしては、発光中心として、ユウロピウムを添加したアルミン酸ストロンチウム(SrAl24:Eu:緑色発光)、マンガンを発光中心として添加した硫化亜鉛(ZnS:Mn、黄橙色発光)等がある。(特許文献1参照。)
そして、これらの応力発光材料を、その構造物単体(構造物がすべて「応力発光材料」で構成されているもの。)、もしくは、その構造物を単純に別の構造物等に重ねた積層体とし、それらに、直接、外部応力を負荷して、その構造物単体、もしくは、積層体を単に発光させるものが公開されている。(特許文献2参照。)
しかし、これらの技術開示を含め、その後にされた多くの技術開示によって、この応力発光構造物を、その「処方箋」によって作製したり、この応力発光構造物単体、もしくは、積層体を作成して、同様の効果を得るものを作り上げることはそれほどの困難を要しないものとなっている。
また、偽造防止を目的とした「用紙」、すなわち、「偽造防止用紙」として、紫外線照射によってその真正性を判定する、「蛍光インキ」印刷用紙や、ホログラムスレッドを埋設した証券用紙など、その真正性を確認可能な「用紙」も、数多く開示されているが、このような「偽造防止用紙」は、その真正性判定のために、「紫外線ランプ」等の「光を照射する光源」を必要とし、例えば、パスポートの真正性を確認するために、入国審査官がその審査用テーブルの下などで「判定」したり、照明光の届かないところや、「暗がり」で、その真正性を確実に判定することは難しいという欠点を有していた。
そして、本出願人は、ホログラム層及び蛍光層に加えて、液晶層をも含めた、非常に偽造防止性に優れる「ホログラムスレッド用紙」を開示しているが、この「用紙」も上記と同様に、照明光源や、特段の偏光フィルターを用いて真偽判定をしなければならないものであった。(特許文献3参照。)
特開2007−055144号公報 特開2003−253261号公報 特開2001−21297号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、外観上は、単なる「スレッド用紙」を使用していると認識させておきながら、実際には、その外観からは全く認識できない形で、「応力発光材料」を「スレッド」に含ませておき、その「スレッド用紙」に対する所定の外力負荷によって、その「紙パルプ繊維」が変形を生じると同時に、「応力発光材料」の所定の部位に「変形応力」が発生して、その所定の部位からその変形応力に応じた強度を有する所定波長の光が発光し、視認可能となることをもって、その「スレッド用紙」の真正性を、特段の照明光なく、容易に判定することを可能とした「偽造防止用紙」を提供する。
また、この「応力発光材料」を特定の形状とし、その「発光」を増大させ、その上、「応力発光材料」を「所定のパターン」状に配して、「応力発光材料」の「発光」による「光のパターン」を視認可能とし、その意匠性や偽造防止性を高めた「偽造防止用紙」を提供する。
上記の課題を解決するために、
本発明の偽造防止用紙の第1の態様は、
少なくとも紙パルプ繊維、及び、スレッドからなる偽造防止用紙であって、前記スレッドは、所定の基材の上に、応力発光材料を含む応力発光材料層が設けられた、帯状の形態を成し、且つ、前記スレッドは、前記偽造防止用紙の抄紙工程において抄き込まれており、前記偽造防止用紙に対する所定の外力負荷によって、前記スレッドが、前記偽造防止用紙内で変形を生じると同時に、前記応力発光材料層が変形を生じて、前記応力発光材料層の所定の部位に、前記スレッドの前記変形に対応した変形応力が発生するとともに、前記所定の部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能となることを特徴とするものである。
上記第1の態様の偽造防止用紙によれば、
少なくとも紙パルプ繊維、及び、スレッドからなる偽造防止用紙であって、前記スレッドは、所定の基材の上に、応力発光材料を含む応力発光材料層が設けられた、帯状の形態を成し、且つ、前記スレッドは、前記偽造防止用紙の抄紙工程において抄き込まれており、前記偽造防止用紙に対する所定の外力負荷によって、前記スレッドが、前記偽造防止用紙内で変形を生じると同時に、前記応力発光材料層が変形を生じて、前記応力発光材料層の所定の部位に、前記スレッドの前記変形に対応した変形応力が発生するとともに、前記所定の部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能となることを特徴とする偽造防止用紙を提供することができ、意匠性、及び、偽造防止性に優れる偽造防止用紙を提供することが可能となる。
本発明の偽造防止用紙の第2の態様は、
上記第1の態様の前記偽造防止用紙において、前記スレッドの剛性は、前記偽造防止用紙の剛性の1/10〜50/10であることを特徴とするものである。
上記第2の態様の偽造防止用紙によれば、
上記第1の態様の前記偽造防止用紙において、前記スレッドの剛性は、前記偽造防止用紙の剛性の1/10〜50/10であることを特徴とする偽造防止用紙を提供することができ、そのハンドリング適性、種々の加工適性、及び、印字適正等に優れる偽造防止用紙を提供することができる。
本発明の偽造防止用紙の第3の態様は、
上記第1の態様、または、第2の態様の前記偽造防止用紙において、前記応力発光材料に、前記応力発光材料の耐水性を向上するための、所定の表面処理が施されていることを特徴とするものである。
上記第3の態様の偽造防止用紙によれば、
上記第1の態様、または、第2の態様の前記偽造防止用紙において、前記応力発光材料に、前記応力発光材料の耐水性を向上するための、所定の表面処理が施されていることを特徴とする偽造防止用紙を提供することができ、「抄紙適性」に優れるとともに、発光強度の安定性が向上して偽造防止適性にも優れる、偽造防止用紙を提供することが可能となる。
本発明の偽造防止用紙の第4の態様は、
第1から第3の態様の何れかの態様の前記偽造防止用紙において、前記応力発光材料層の組成は、前記応力発光材料で構成され、前記応力発光材料層の表面に、前記所定の部位として、所定の形状の切欠け部及び/または凹部を有し、前記所定の部位における応力集中係数αが2以上となっていることを特徴とするものである。
上記第4の態様の偽造防止用紙によれば、
第1から第3の態様の何れかの態様の前記偽造防止用紙において、前記応力発光材料層の組成は、前記応力発光材料で構成され、前記応力発光材料層の表面に、前記所定の部位として、所定の形状の切欠け部及び/または凹部を有し、前記所定の部位における応力集中係数αが2以上となっていることを特徴とする偽造防止用紙を提供することができ、発光強度が増して、その意匠性、及び、偽造防止性に、特に優れる偽造防止用紙を提供することが可能となる。
本発明の偽造防止用紙の第5の態様は、
第1から第3の態様の何れかの態様の前記偽造防止用紙において、
前記応力発光材料層は、前記応力発光材料を組成とする微粒子を、所定の透明な樹脂に分散してなり、且つ、前記応力発光材料の前記微粒子の形状は、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状であって、前記部位が、前記応力発光材料層の所定の部位となることを特徴とするものである。
上記第5の態様の偽造防止用紙によれば、
第1から第3の態様の何れかの態様の前記偽造防止用紙において、
前記応力発光材料層は、前記応力発光材料を組成とする微粒子を、所定の透明な樹脂に分散してなり、且つ、前記応力発光材料の前記微粒子の形状は、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状であって、前記部位が、前記応力発光材料層の所定の部位となることを特徴とする偽造防止用紙を提供することができ、発光強度が増して、その意匠性、及び、偽造防止性に、特に優れる偽造防止用紙を提供することが可能となる。
本発明の偽造防止用紙の第6の態様は、
第1から第5の態様の何れかの態様の前記偽造防止用紙において、前記所定波長の光が、所定のパターンを表示するものとして視認可能となることを特徴とするものである。
上記第6の態様の偽造防止用紙によれば、
第1から第5の態様の何れかの態様の前記偽造防止用紙において、前記所定波長の光が、所定のパターンを表示するものとして視認可能となることを特徴とする偽造防止用紙を提供することができ、著しく意匠性、及び、偽造防止性に優れる偽造防止用紙を提供することが可能となる。
本発明の「偽造防止用紙」は、その「用紙」の製紙工程において、「所定の基材と応力発光材料層」からなる「スレッド」を、「紙パルプ繊維」とともに含ませることで、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料層」とが互いに接触しており、その「用紙」に係る外力負荷が、その内部の「紙パルプ繊維」に伝わって、「紙パルプ繊維」が互いに引っ張られたり、曲げられたりして「変形」する段階で、その「紙パルプ繊維」の受ける「変形」が、その「紙パルプ繊維」と接触している「スレッド」、さらには、その「スレッドの応力発光材料層」への「変形」圧力として働いて、結果として、「その応力発光材料層を構成する応力発光材料」が「変形」圧力を受けて、「応力発光材料」の内部に、「変形応力」が発生し、その「変形応力」に応じた強度を有する(ほぼ比例する。)、所定波長の光が発光するという構造を有している。
図1〜図3に、この状態を、「模式図」として示している。
図1〜図3の中で、「紙パルプ繊維からなる用紙部分(以下、単に、『用紙』とも略する。)」を「Y1」とし、「スレッド(層構成を省略し、一体として表示ている。)」を「SL0」、本発明の「偽造防止用紙」を「G1」として表示している。
図2は、図1における偽造防止用紙G1の「x−x」断面図であり、図3は、図1における偽造防止用紙G1の「y−y」断面図である。
図1における「スレッドの埋設部分G2」と、「スレッドの露出部分G3」は、図3における「スレッドSL0」の深さ方向の変化を反映したものであって、図3において、「スレッドSL0」が「用紙Y1」の表面に現われている部分が、図1における「スレッドの露出部分G2」であり、図3において、「スレッドSL0」が「用紙Y1」の内部に埋設されてい部分が、図1における「スレッドの埋設部分G1」となる。
本発明の偽造防止用紙G1において、「スレッドSL0(以下に示す、SL1〜SL3も同様。)」の幅(スレッドSL0の埋設する方向に直交する方向の長さ。)は、偽造防止用紙G1の幅(スレッドSL0の埋設する方向に直交する方向の用紙Y1の長さ。)に対して、1/500〜1/4とし、スレッドSL0の厚さは、偽造防止用紙G1の厚さの1/10〜1/2とする。
この幅が、1/500未満であったり、この厚さが、1/10未満であると、スレッドSL0の発光の視認性が低下するとともに、「スレッド加工」に支障を来す。また、この幅が、1/4を超えたり、この厚さが、1/4を超えると、「スレッド加工」が困難であるのみならず、最早、「スレッド」という概念から逸脱する。
さらに、スレッドSL0の具体的な形態は、図5〜図8に示すごとく、「応力発光材料層A0〜A3」と、基材B0の「2層構成」であって、その「応力発光材料層A0〜A3」は、偽造防止用紙G1に対する外力負荷による、スレッドSL0の変形によって、変形応力を受け、「応力発光材料層A0〜A3」の「所定の部位(応力集中部分)」に、応力が集中して、その「所定の部位」が、「所定の波長」で発光するものである。
図5の「スレッドSL0」は、いわば「直方体」を成しているため、「偽造防止用紙G1」に対して、「偽造防止用紙G1」を曲げたり、捩じったりする「外力負荷」が加わることで、その「用紙Y1」に含められている「紙パルプ繊維」が変形し、それらの「変形」に応じて、その「紙パルプ繊維」と接している、その「直方体」が「変形」し、その「直方体」を曲げたり、捩じられたりする「変形」を受けて、特には、その「紙パルプ繊維」と接している部分に応力が集中して、「所定の部位」となり、発光する。(変形を受けている状態や、発光状態は、図示していない。)
また、その「外力負荷」によっては、その「直方体」の中心線位置や、対角線位置にも、応力の集中が発生し易く、「所定の部位」となり得て、発光する(同上。)。
また、図6〜図8の「スレッドSL1〜SL3」は、「『応力発光材料層A1』の中の厚さの薄い部分(所定の部位S1となる。図6参照。)」、「『応力発光材料層A2』の中の切欠け部K1の頂角の部分(所定の部位S1となる。図7参照。)」、及び、「『応力発光材料層A3』の中の微粒子P1の表面の凹凸形状の凹部の底の部分(所定の部位S1となる。図8参照。)」に、その変形応力が集中し、他の部分より発光強度の強い発光を呈することとなる。
これらの「所定の部位S1」が、「応力集中部分」であって、そこでの「応力集中係数α」は、2以上、さらには、10以上、特には、100以上となる。
すなわち、「応力発光材料層A0〜A3」、もしくは、「微粒子P1」の、この「所定の部位S1(応力集中部分)」に発生する「応力」を増大させる。
そして、この発光した、所定波長の光を、観察者が目視にて視認する。
本発明の「偽造防止用紙」を「製紙」する「製紙工程」は、代表的には、図4に示したごとく、「パルプ化工程」、「パルプ漂白工程」、「パルプの精選&脱水工程」、「原料調整工程1:融解&叩解」、「原料調整工程2:サイジング剤等薬品添加」、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」、「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」、及び「加工&仕上げ工程」で構成され、主に、この工程中、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」において、「スレッド」を挿入する。
もちろん、その他の工程において、「スレッド」を挿入しても良いし、この工程中において、「紙パルプ繊維」の「層(「湿紙」ともいう。乾燥前の一つの層を成している状態を意味する。)」を設け、その「層」の上に「スレッド」を重ねて、「『スレッド』/『紙パルプ繊維』」の2層構成(乾燥前に二つの層を重ねるため、二つの材料が混在する境界領域で、より好適な「接触」状態とすることができる。)としても良い。
さらには、「『紙パルプ繊維』/『スレッド』/『紙パルプ繊維』」や、「『紙パルプ繊維』/『スレッド』/『紙パルプ繊維』/『スレッド』/『紙パルプ繊維』」としてもよく、もちろん、複数の「スレッド」を平行に並べて挿入しても良い。
このとき、「応力発光材料層」を「偽造防止用紙」の、最も外側に向くように配置することで、その「発光」が視認し易くなり、その真正性判定の信頼性高めることができる。
さらには、「応力発光材料層」を「偽造防止用紙」の内側に向くように配置したり、その配置で、「スレッド」を構成する「所定の基材」として、「その発光した光を遮蔽するもの」、例えば、「可視光不透明性の材料」を用いることで、「応力発光材料層」において発光した光を、「偽造防止用紙」の裏面からのみ観察できるものとしたり、さらには、「偽造防止用紙」の表裏のいずれの面からも観察できず、その「スレッド」の端部(偽造防止用紙の端部。)からのみ観察可能とすることで、その偽造防止性を著しく高めることも好適である。
本発明に用いる、「紙パルプ繊維」には、「製紙」に用いるために分離した植物繊維である「パルプ繊維(「パルプ」)」を用いる。
ここで、この「紙パルプ繊維」には、セルロースを、溶剤に溶かして、再度、繊維化させた再生セルロース繊維や、「とうもろこし」の「でんぷん」を素材とした「とうもろこし繊維」など、植物由来の合成繊維をも含む。
本発明に用いる、「繊維」、もしくは、「繊維状」として表している「形状」は、形態上の性質であって、「細長いもの」、すなわち、「太さ」(最大直径。もしくは、その断面の「幅」や「厚さ」で表す。)に対して、「長さ」がきわめて大きいものであって、アスペクト比の値(「太さ」対「長さ」)として、1対50〜1対2000程度のものを用いる。
本発明の「紙パルプ繊維」の形状は、その代表的な「針葉樹パルプ繊維(「N材」)」や、「広葉樹パルプ繊維(LBKP、または、「L材」と呼ばれる。)」において、それぞれ、「太さ」が30〜50μm程度、「長さ」が1.0〜6.0mm、もしくは、「太さ」が10〜30μm程度、「長さ」が0.5〜3.0mmという形状を持つ。
本発明の「偽造防止用紙」は、この「紙パルプ繊維」に加えて、「応力発光材料層」と「所定の基材」からなる「スレッド」を含めた「用紙」であって、その「紙パルプ繊維」と、その「応力発光材料層」が、その「用紙」の表面付近で、互いに接して存在し、この「用紙」に所定の外力負荷、例えば、「指の力」で湾曲させたり、適宜な曲面を持つ治具にその「用紙」を手の力で押し付けたりしたときに、その「用紙」内の「紙パルプ繊維」がその外力負荷によって「変形」を生じる。
このときの「紙パルプ繊維」の「変形」は、以下の様に表現できる。
すなわち、「用紙」の厚さを、一般的な上質紙の厚さに例えて、「100μmの厚さ」とし、この「用紙」を「長さ30mm(30,000μm)の切片(幅は任意。)」に切り取って、この「『厚さ100μm×長さ30,000μm(『用紙』の断面をイメージしている。)』の『切片』」の中に、「『太さ』が数十μm程度で、『長さ』が数mm(数千μm)程度の『形状』」を持つ「繊維」が、その「繊維」を引き延ばした状態で、しかも、その複数の「繊維」が「引き延ばされつつ、複数個所で接している状態」(この状態が、『複数の〈繊維〉が絡まった状態』であると表現され、『紙パルプ繊維』は、これらの『接点』において、『水素結合』によって、互いに結合している。)で含まれている、「複合体(用紙全体を複合体と見立てている。)」を想定する。
そして、この「複合体」に対して、「所定の外力負荷」、例えば、この「複合体」の両端を指で挟んで、その「複合体」を「湾曲」させたとき、その「複合体」に閉じ込められている、個々の「繊維」がその「湾曲」に応じて、その「湾曲」方向に、「しなる」ように曲げられることとなる。
しかも、「紙パルプ繊維」間の、それらの「接点」における「結合(水素結合)」は、一般的な高分子の化学結合や、樹脂間の接着などに比べて非常に弱く、上記したような「所定の外力負荷(すなわち、湾曲。)」によって、容易に、その結合が切断され、それらの「紙パルプ繊維」は、「しなる」のみならず、「切片」の両端方向に引っ張られると同時に、「物理的な水平移動」をも引き起こす。(巨視的な移動を伴うという意味。)
そして、「紙パルプ繊維」は、互いの結合が切断した後、再び、空気中の「湿気」、すなわち、水分を吸収して、新たに生じた「別の接点」において、再び「結合」することとなる。
以上のごとく、非常に薄く広がった「複合体(用紙)」の中に閉じ込められている、非常に細長い「繊維(紙パルプ繊維)」は、この「複合体」が「湾曲」したとき、その「湾曲」に応じて「しなる」と同時に「水平移動」を生じる。
特に、このような「用紙」に含められている「紙パルプ繊維」の場合には、この「変形」を、単なる「湾曲」に留めず、すなわち、「適宜な曲面を持つ治具にその『用紙』を手の力で押し付けながら(ここまでが『湾曲』。)、その治具の表面に『用紙』の表面を擦り付ける(その表面上を滑らせるという意味。)」という「変形」(いわば、ずれ変形。)を与えることで、「『湾曲』に伴う変形応力に加えて、『用紙』の内部に『ずれ応力』をも発生させることができる。
そして、このような「すれ応力」が発生すると、上記した「物理的な水平移動」が助長され、最早、その「用紙」は「湾曲」した形状のままとなり、この形状を、再び、元の「平らな状態」に戻すためには、再度、「同様、且つ、逆方向へ」の「ずれ応力を伴う変形処理」が必要となる。
本発明の「偽造防止用紙」に含まれている「スレッド」の「応力発光材料層」は、「応力発光材料」からなる「応力発光材料層」であって、「応力発光材料層」全体(そのもの)が、「応力発光材料」で構成されているか、もしくは、「応力発光材料層」の中に、部分的に「応力発光材料」を含む構成であるかの何れかの構造を持つ「層」である。
そして、そのいずれの場合においても、そのような「応力発光材料」の「形状」には、「応力集中係数α」が2以上となる「部位」(これが『所定の部位』となる。)が含まれており、その「応力発光材料層」に対して「『引っ張り応力』、『せん断応力』、及び/または、『ずれ応力』」などの各種の「応力」を発生させ得る、「その『応力発光材料層』に対する『外力負荷』」によって、その「応力発光材料層」に、「物理的な変形」が生じ(その『層』が、『曲がる』、『たわむ』、及び/または『捻じれる』等の空間的に大きな『形の変化』を起こすことを意味する。)、そして、その「応力発光材料層」の「変形」に伴って、その「応力発光材料」も「変形」して、その「応力発光材料」内部に「変形応力」が発生し、さらに、その「応力発光材料」のその「部位」に「変形応力」が集中し(その『部位』の『変形応力』が、その周辺の領域の変形応力より、著しく大きいことを意味する。)、その集中した「変形応力」によって、その「部位」から「その変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光」が「発光」して(その『部位』の周辺にも『発光』が生じるが、その『部位』に発生する『発光』より著しく小さいものとなる。)、その「所定波長の光」を観察者が視認できるものとなる。
すなわち、「応力発光材料層」を構成する、もしくは、「応力発光材料層」に含まれる「応力発光材料」の「形状」は、その「応力発光材料」の「所定の部位」における「応力集中係数α」が2以上となる、その「部位」を有する「形状」となっている。
そして、そのような「応力発光材料層」の「形状」とは、例えば、「応力発光材料層」を、幅30mm×長さ100mm×厚さ50μmの直方体の「基本形状」を持つものとしたとき、上記した「所定の部位」として、その「基本形状である直方体」の一部に、「幅が1/2以下となる部位」、及び/または、「厚さが1/2以下となる部位」を少なくとも一箇所以上含む「形状」を指す。
すなわち、幅30mm×長さ100mm×厚さ50μmの「基本形状(説明上、『帯状』の一部を切り出している。)」に対して、その中央部に、厚さが1/4となる「所定の部位S1(図6の中の、斜線表示した断面部分。)」を設けると、図6の「スレッドSL1」の「応力発光材料層A1」のような形状を持つこととなる。(図6参照。)
この「応力発光材料層A1」は、幅30mm×長さ100mm×厚さ50μmの直方体を想定し、その「直方体」を、その「端部(端面)」に平行な平面群で切り取った「断面群」が、「タテ50μm×ヨコ30mmの長方形」〜「タテ12.5μm×ヨコ30mmの長方形」の間で連続的に変化する長方形を成すようにその「直方体」を変形した「形状」を持ち、しかも、その長さ方向(100mm)の中央に、厚さ12.5μm(『基本形状』の厚さ50μmの1/4の厚さとなっている。)の「所定の部位S1」(上記した『端部(端面)』に平行な、『タテ50μm×ヨコ30mmの長方形』の断面を成す『部位』)を有する「形状」となっており、この「部位」が、「応力集中係数α=2.0」である「所定の部位S1」となっている。
この「応力発光材料層A1」を「所定の基材B0」上に重ねて(『所定の基材B0』上に、以下に説明する種々の形成法を用いて、『応力発光材料層A1』を設けたり、2つの層を圧着させたり、適宜な接着剤を用いてラミネートする等を意味する。以下、同様。)、「スレッドSL1」とする。
もちろん、この「所定の部位」は、その「基本形状」の横方向(100mm)の中央に位置しなくとも、その横方向(100mm)のいずれの位置であってもよく(横方向の1/3の位置であっても、1/4の位置であってもよく)、より広義には、その「基本形状」の一部に、「その部位の断面積が『平均断面積(ここでは、タテ25μm×ヨコ30mmの長方形の面積)』の1/2以下となる『断面』を有する部位」が存在すると、その「部位」は、「応力集中係数α≧2」の「所定の部位」となる。
ここで、ある「形状」の「平均断面積」とは、その「形状」に所定の外力負荷を加えたときに、発生する様々な応力の働く方向の内、所定の一つの応力の働く方向に垂直な平面(上記の例では、その『端部(端面)』に平行な平面群を意味する。)でその「形状」を切り取った全ての「断面」の「面積」(断面積)の、「形状」全体における「平均値」のことである。
そして、このような「平均断面積の1/2以下の断面積を持つ断面が存在するような形状」が、「応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状」であり、そのような「断面」を有する「部位」が、「応力発光材料層の所定の部位」である。
また、ここで例示した「基本形状」は、上記したような「基本形状」に限定されず、「物体のあらゆる形状」を対象とできることは言うまでもない(あらゆる形状を、『もとの形状』として想定することができるという意味。)。
さらに、「応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状」としては、上記の「基本形状」を例にとると、その「基本形状」の表面の一部に、半球面(球面を一平面で切り取った三次元曲面)や、楕円面(楕円体面を一平面で切り取った三次元曲面)のような形状の凹部や、鋭角な「切っ先」形状を持つ切り込み、または、角(つの)状の突起がある「形状」など、その表面に所定の凹凸形状が存在する「形状」が含まれ、より一般的には、「所定の部位において、応力の働く方向に垂直な平面で切り取った断面の変化が、その部位の応力集中係数αを2以上とする形状」ということができる。
これらの「形状」は、いわゆる「3次元形状解析装置」等によって、その「形状」を3次元画像データとして把握し、そして、その「形状」の「3次元画像データ」を、いわゆる「構造解析ソフト(応力分布解析ソフト)」にかけることによって、「応力集中係数αが少なくとも2以上である部位を有する形状」であることを確認することができる。
もちろん、「応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状」とは、上記した「構造解析ソフト(応力分布解析ソフト)」によって種々の「形状」をシミュレーションすることができ、例えば、上記した「基本形状」の内部に、「『球状の空洞』を設けた形状」や、「基本形状」そのものを「楕円体状」や「針状」、さらには、「紛体状」、すなわち、「微粒子の形状」とし、その「微粒子の形状の表面にさらに凹凸を設けた形状」など、「応力集中係数αが2以上である形状」のみならず、「応力集中係数αが10以上である形状」や、「応力集中係数αが100以上である形状」を設計でき、その設計に基づき、実際の「応力発光材料」を含む「応力発光材料層」、さらには、「応力発光材料」そのものを作製することができる。
そして、この「設計」と「作製」を繰り返すことも、「応力発光材料層」中の「所定の部位」の「数(『応力発光材料層』内の単位体積中に存在する部位の『数』。)」や、各部位における「応力の集中度(応力集中係数α)」を増大させることを可能とし、好適である。
さらに、本発明の「偽造防止用紙」に含まれている「スレッド」の中の「応力発光材料層」における「応力発光材料の形状」は、「層状」であって、且つ、その「層状」の「応力発光材料」の表面に、所定の部位として、「所定の形状の切欠け部及び/または凹部」を有する形状とする。
この「所定の形状の切欠け部及び/または凹部を有する」とは、その「層状」、すなわち、いわゆる「平板状」の「応力発光材料」の表面に、少なくとも一つ以上の「切欠け部」を有する、または、少なくとも一つ以上の「凹部」を有する、さらには、少なくとも一つ以上の「切欠け部及び凹部」を有する、という意味である。
もちろん、この「平板状」には、「縦、横、厚さの変化を持つもの」が含まれ、さらに、この「所定の形状の切欠け部及び/または凹部」を、その「平板状」の「応力発光材料」の「表面、及び/または、裏面」のみならず、その「平板状の『層』」の「端面」に設けてもよい。
ここで、「所定の形状の切欠け部」とは、「楔(くさび)形」をした凹みである。
「楔形」とは、ある「三角柱」の一つの側面(一つの長方形)が最表面に位置し、他の二つの側面(二つの長方形)と「三角柱」の上下面(二つの三角形)が、「層」内側に凹んだ部分の「4つの面」を成している形であって、二つの三角形(断面)の面(上下面)と、その3つの頂点を結ぶ平行な三辺で形成され、その内の二辺が開口部に位置し、残りの一辺が、凹みの底に位置するものと定義される。
すなわち、例えば、幅30mm×横100mm×厚さ50μmの「基本形状」に対して、
その一方の表面に、所定の部位として、「楔(くさび)形」をした凹みである「所定の形状の切欠け部K1」(図7の中で、『底辺』が『所定の部位S1』となる。)を設けると、図7の「スレッドSL2」の「応力発光材料層A2」のような形状となる。(図7参照。)
ここで、図7は「模式図」であって、同一の三角柱形状を有する「切欠け部」を、6個のみ、整然と配置したものを表示しているが、実際には、本発明の「偽造防止用紙」に含まれている「応力発光材料層」の目的に応じて、その個々の「切欠け部」の形(立体形状)、大きさ、及び、底辺の向き(『底辺』は、『直線』のみならず、『曲線』でもよい。)、開口部の形(『長方形』のみならず、他の『平面形状』としてもよい。)、大きさ、向き(開口部のタテ、ヨコ方向)、「切欠け部」の数、「切欠け部」の並べ方(『整然配列』のみならず、『ランダム配列』、さらには、以下に述べるような『所定のパターンを表示するための並べ方』としてもよい。)を、様々に変化させることとなる。(これらのことは、「凹部」に対しても同様である。)
そして、その「楔形」に、「外力負荷」を加えると、すなわち、その「開口部の二辺」を開く方向に変形を加えると、「残りの一辺(底の一辺。これが所定の部位である。)」における「応力集中係数α」が等しく2以上となり、同時に、最大となる。さらに、その「底の一辺」における「開き角」(その三角形の頂角にあたる。)が、10度〜90度と小さければ小さいほど、「応力集中係数α」が増大する。この「開き角」を10度未満とすると、「応力集中係数α」を極端に大きくすることができるものの、「焼成」ステップを含む本発明の「偽造防止用紙」に含まれている「応力発光材料層」の製造プロセスにおいては、製造安定性に欠けるとともに、繰り返し変形にも耐え難いものとなる。

また、この「底の一辺」における「応力集中係数α」は、「変形」を加える方向によってその「値」が変動する。すなわち、「所定の外力負荷」の加える方向によって、その「値」が変動し、例えば、上記した「上下面の三角形」の間隔を開く方向に変形すると、その「底の一辺」における「応力集中係数α」は、その「底の一辺」の中点に応力が集中する(図示していないが、このような変形においては、この『中点』が所定の部位となる。)。
すなわち、「楔形」の凹みは、その「楔形」に負荷する、「所定の外力負荷」の「3次元空間における『方向』(3次元空間成分のそれぞれの大きさの割合で定まる、一つの三次元ベクトルで表される。)」によって、その「発光強度(もしくは、その分布。)」、及び、その「発光点の位置(もしくは、発光領域。)」が変わることとなる。
このことは、「楔形」を設けた、本発明の「偽造防止用紙」に含まれている「スレッド」の「応力発光材料層」に対して与える「所定の外力負荷」の、「応力発光材料層」に対する、ひいては、その「楔形」の「切欠け部」に対する、「3次元空間における『方向』(その『外力』を、『三次元ベクトル』で表した、そのベクトルの方向。)」によって、「応力発光材料層」の「発光状態(発光点の位置分布や、個々の発光点の強度分布)」が異なることとなる。
そして、その「偽造防止用紙」に加えた「所定の外力負荷」から伝わる「外力負荷」の「応力発光材料層」に対する「方向」を変化させて、その「応力発光材料層」の発光状態の変化を視認することで、真正性の判定をすることも好適である。
また、「楔形」の凹みには、「底面が長方形のくさび形」、すなわち、「楔台形」や、四角錐、五角錐等の多角錐、円錐や、楕円錐、さらには、「開口部の形」が、「三角形、四角形等の多角形、円、楕円、及び、それらの変形」となるものも含まれる。
さらに、本発明の「偽造防止用紙」に含まれている「応力発光材料層」において、「所定の形状の凹部」とは、「凹形」をした凹みであって、半円筒凹形、半楕円体凹形、半球凹形、及びそれらの組み合わせなど、その凹みの底面が、「三次元曲面状」となっている「凹み」と定義できる。
もちろん、その「凹形」が、その形状を「制御可能」であること(製造再現性があるという意味。)を前提として、「任意の三次元曲面」とすることも好適である。
そして、その「切欠け部」や、「凹部」(以下、総称して、単に「凹み」とも称す。)の深さは、例えば「平板状(層状)」の外形をした「応力発光材料層」の表面の一部に設ける場合には、その「層」の「厚さ(それらを設ける位置の『厚さ』を意味する。)」の1/10〜4/5の深さの「切欠け部」や、「凹部」を設けることで得られる。
その上、その「凹み」の形は、その「凹み」の「底」から発した「光」に対して、その「凹み」自身が、あたかも光源の光を反射し集光する、いわゆる「ソケット」の役目(『凹面反射鏡』の様な役目を意味する。)を果たして、その「光」の集光性や指向性を高め、その「光」の視認性を向上させる。
この「切欠け部」や、「凹部」、すなわち、「凹み」の形を、「底の浅い形。例えば、その深さを、『層』の厚さの1/10未満としたもの、さらには、[(開口部幅W/深さD)の比]を、20/1以上としたものは、この「凹み」の「底部」周辺に「応力集中」が起こったとしても、その「応力集中係数α」は、2未満となる。
もしくは、「底の深い形。例えば、その深さを、『層』の厚さの4/5超〜5/5未満」としたものは、この「凹み」の「底部」周辺に、非常に大きな「応力集中」が起こるものの、繰り返しの変形操作によって、その「底部」等に亀裂が入りやすく、「少なくとも100回以上の安定した発光」を確保できず、偽造防止媒体としての信頼性を確保できない。
本発明の「偽造防止用紙G1」に用いられる「スレッドSL1、または、スレッドSL2」の「応力発光材料層A1、または、A2」(所定の応力発光材料からなる応力発光材料層A1、または、A2)を作製するには、まず、上記した「応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状」を持つ「空洞」(『型』の内側の空間という意味。)をあらかじめ設けた「焼成用型」を準備し、その「型」の「空洞」内に、「焼成前の『応力発光材料』用組成物」を充填させ、その「充填物(焼成前)」と「型」を同時に、所定の温度まで、所定の手段を用いて、且つ、所定の加温速度で加熱し、所定の温度に所定の時間保持した後、やはり所定の手段を用いて、所定の冷却速度で冷却し、常温付近まで近づいたところで、その「型」から、その「充填物(焼成後)」を取り出すという手順(これが、『焼成』手順である。酸化雰囲気である、空気中にて『仮焼成』し、これに『成形』処理を加えた後、次いで、還元雰囲気中にて、『本焼成』する手順なども『焼成』手順であり、好適である。)を用いる。
ここで、焼成用型とは、セラミックス製、または、金属製などの「型」であって、その型の中に目的物(焼成前)を流入、充填し、その型もろとも、所定の条件にて『焼成』し、その『焼成した充填物』をその『型』から取り出して、所定の『形状』を有する、所定の組成からなる『焼成した目的物(焼成後)』を得る。この「応力発光材料層A1、または、A2」を、「所定の基材B0」の上に重ねて、「スレッドSL1、または、スレッドSL2」とする。(図6、及び、図7参照。)
また、その「空洞」の形状が、「応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状」そのものとなっていること、もしくは、『焼成』時の材料収縮を考慮に入れて『空洞』の形状を決定したものであることを意味する。但し、実際には、この「空洞」の中に、以下に述べる「所定の焼成によって『応力発光材料』となる、『所定の水酸化物等』」を所定の溶剤(水系溶媒を含む。)で希釈し流動性を持たせた「焼成前の『応力発光材料』用組成物」を、所定の圧力で流し込むための、いわゆる「湯口(その組成物を『空洞』内に充填させるための開口部。『流動口』ともいう。)」が存在し、焼成後は、この「湯口」にあたる部分を切断し、平坦化処理(『湯口』が存在しなかったごとく、その部分を平坦面とすること。)をすることとなる。(このほか、『空気抜き口』や、『多面焼成における個々の焼成物をつなぐ部分(つなぎ手)』も同様である。)
また、「型」の内側の「空洞」が、「応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状」となっている、そのような「型」を得るためには、その形状を成形手段で設けた適宜なプラスチック材料等の「成形物」や、所定の形状を、削り出し方法(CADで制作した3Dデーターから数値プログラムを制作し、そのプログラムを利用して、切削用の工作機械で座標位置を制御しながら3次元的に立体物を製作するNCマシンや、いわゆる超精密工作機械を用いる方法が、精密であり好適。)、湿式エッチング方法(レジスト処理を含む。)や、乾式エッチング方法(エネルギービームエッチング方法を含む。)を用いて得たプラスチック材料等の「形成物」(削ったものという意味。)から得る方法、さらには、それらの「成形物」や「形成物」を成形用母型、または、焼成用母型として、成形や焼成を行い、所定の材料組成からなる、上記の「型」を得る方法を用いる。
さらに、上記の「焼成用型」を用いて、溶融状態であって、そのものが流動性を持つ「応力発光材料」を、その「焼成用型」の「空洞」内に流入させ、その空洞を隙間なく埋め尽くした後(真空吸引等をしてもよい。)、急冷却、または、徐々に冷却して、その形状を有する「応力発光材料」からなる「応力発光材料層A1、または、A2」を得てもよい。このとき、「急冷却、または、徐々に冷却」する条件としては、「応力発光材料層」の冷却による「体積収縮率」がより小さくなる条件を選定する。
また、このような「成形用型」から、もしくは、このような「焼成用型」を「成形用型」として用いて、「応力発光材料層A1、または、A2」を、「成形手段」によって得ることもできる。
特に、そのような「成形手段」を採用する場合には、その「成形用型」の「空洞」内に、「応力発光材料微粒子P1」と「透明な樹脂J2」の混合物(さらには、適宜な溶剤を含んだもの。)を充填することが好ましい。
そして、このような「成形用型」や「焼成用型」に用いられる「型」は、成形荷重が高く開口部を持つ開放型の「型」と、比較的成形荷重が低く閉鎖空間によって成形、または、焼成を行う密閉型の「型」に分類され、前者の「型」には、プレス金型、または、鍛造型などがあり、後者の「型」には、射出成形型、圧縮成形型、鋳造型、ガラス型、粉末成形型(粉末を射出成形によって形作るための『型』。)などがある。
この内、「鋳造型」には、開放型と密閉型があり、さらに、溶融物を直接「型」に注ぎ込んで鋳造を行う「ダイカスト型」、または、溶融物を注ぎ込むための鋳型を成型するための「生砂型」がある。いずれも、「型」取り後の「空洞形状」と「焼成後形状」の変化が少なく好適である。
この「鋳造型」を「成形用型」や「焼成用型」に用いる場合は、「応力発光材料の微粒子P1」と、「透明な樹脂J2(適宜な溶剤を加えて流動性を調整したもの)」を混合し、「型」にて成形する(『成形用型』として用いたもの。加えた溶剤は蒸発させる。)、さらには、その成形後、その成形物を、所定の条件にて焼成(焼結)する(『焼成用型』として用いたもの。透明な樹脂J2を焼失させる。)。
より具体的には、応力発光材料の微粒子P1を、60〜90%、及び、透明な樹脂J2を、40〜10%として(全体で100%。)、その成形物とする。もしくは、その成形物の焼成(燒結)後に、透明な樹脂J2を、「ほぼ0%」とし、応力発光材料の相体密度が、98%以上となる焼成物とする。
さらに、「応力発光材料層A2」は、その「層」の表面に、「所定の形状の切欠け部K1及び/または凹部」を有する「形状」を持つため、観察者が一見するだけで、もしくは、簡易な表面粗さ計で計ることによって、容易に、その「所定の形状の切欠け部K1及び/または凹部」の存在や、形状及びその配置まで、把握できてしまうという課題を有しており、このような行為を阻止し、その偽造防止性をさらに高めるため、この「所定の形状の切欠け部K1及び/または凹部」を、「応力発光材料」の「色調」と同一の「色調」を有する「充填材」で「埋め」て、その「所定の形状の切欠け部K1及び/または凹部」の存在や、形状及びその配置を秘匿することも好適である。(図示していない。)
このような「充填材」として、その色調が、「応力発光材料」の色調と同一となる、すなわち、「充填材」の色調と、「応力発光材料」の色調との色差△Eが0.5以下となるいわゆる「セラミックス」や、「『セラミックス』を『適宜な樹脂』に分散したもの」(以下、これらを総称して、『セラミックス等』ともいう。)を用いることができる。
ここで、この「セラミックス」として、「応力発光材料層A2」に用いた「応力発光材料」の組成とほぼ同一の組成を有し、その発光中心元素のみを除いたもの、すなわち、その「応力発光材料」の「母体結晶のみからなる材料(発光しない材料。)」を用いると、 そのような「『応力発光材料』の『母体結晶のみからなる材料(発光しない材料。)』」は、その「応力発光材料」と全く「同一」の色調を持つ(『充填材』の『色調』と、『応力発光材料』の『色調』との差である、『色差△E』がほぼ0となる。)こととなり、最も好適な「充填材」となる。
また、「適宜な樹脂」は、有色もしくは無色の、または、透明もしくは不透明な、あらゆる樹脂から、適宜、選定する。(『不透明』、もしくは、『不透明性』とは、上記した『透過率』が30%以下であることをいう。)
もちろん、この「充填材」としての「セラミックス等」は、その「所定の形状の切欠け部K1及び/または凹部」に変形応力が負荷される際に、その「応力」の伝達を阻害しないように、その「セラミックス等」の「体積弾性率」を、用いた「応力発光材料」の「体積弾性率」の1/10〜1/2とする。
そもそも、「セラミックス」とは、無機化合物を焼成したものの総称であって、金属や非金属を問わず、シリコンのような半導体や、炭化物、窒化物、ホウ化物などの無機化合物の成形体や、紛体などとして用いられているものである。その原材料は複数の場合もあって、アルミナ、ジルコニアなどの酸化物系、ハイドロキシアパタイトなどの水酸化物系、炭化ケイ素などの炭化物系、窒化ケイ素などの窒化物系、蛍石などのハロゲン化物系、炭酸塩系、さらには、リン酸塩系などがある。
また、「充填材」として、この「セラミックス」の「紛体(『微粒子P1』と同様の粒径を有するもの。)」を、「透明性を有する樹脂(『透明な樹脂J2』と同様の樹脂から選定したもの。)」に混入させたもの(『透明性を有する樹脂』と『粉体』の混合比を、10/1〜1/10としたもの。)を用いることによって、「充填材」の体積弾性率(『透明性を有する樹脂』と『粉体』の『混合物』の体積弾性率。)を「応力発光材料」の体積弾性率より低く抑えつつ、その「所定の形状の切欠け部K1及び/または凹部」の所定の部位S1から発光した「光」を透過させることを可能とし(『充填材』によって『充填』した部分が、その『光』を十分に透過させる性質を有することを意味する。『充填材』の中の『透明性を有する樹脂』の混合比が大きくなるほどこの『透明性』が増す。)、このことによって、「所定の形状の切欠け部K1及び/または凹部」の秘匿性と、応力発光時の「光」の視認性を両立させることができ、好適である。
また、本発明の「偽造防止用紙」に含まれている「スレッド」の「応力発光材料層」に「『含まれる』応力発光材料の形状」とは、例えば、図8の「スレッドSL3」の「応力発光材料層A3」のごとく、「応力発光材料を組成とする微粒子P1」を、「所定の透明な樹脂J2」に分散してなる「応力発光材料層A3」において、「微粒子P1状の応力発光材料」が、「層状」の「応力発光材料層A3」に「含まれる」状態の中で、この「微粒子P1の形状」が、その「『含まれる』応力発光材料の形状」に該当する。
そして、図8において、「微粒子P1」の表面の凹凸部の、特に、「凹部の底の部位」が「所定の部位S1」となっている。(図8参照。図8において、『所定の部位S1』の一つを矢印にて示している。)
従って、この「微粒子P1の形状」は、その「応力発光材料」の「所定の部位S1」における「応力集中係数α」が2以上となる、その「所定の部位S1」を有する「形状」となっており、この意味において、そのような「応力発光材料」の「形状」、すなわち、「応力発光材料層に『含まれる』応力発光材料の形状」は、「『応力発光材料』を組成とする『微粒子P1』の形状」であるということができる。
このような「微粒子P1」は、そもそも、「応力発光材料」用組成物を、所定の条件にて焼成して、「平板状」や「塊状」などとした「応力発光材料」を、所定の粉砕手段や分級手段等を用いて「微粒子化」したもの、もしくは、その「微粒子」を「透明樹脂」(『所定の透明な樹脂J2』と同様の『樹脂』をいう。特には、その『樹脂』の体積弾性率が、その微粒子の体積弾性率より大きいものとすると、その樹脂に負荷された『変形』がそのまま『微粒子』に伝わるため、好適。その『透明樹脂』と『応力発光材料』の組成比は、10/1〜1/10である。体積弾性率と、他の指標である、ヤング率、ポアソン比、剛性率、ラメの第一定数には、所定の相関関係がある。)に分散してペレット状などとしたものを、再び、粉砕、及び、分級して「微粒子化」したものの何れかであって、さらに、それらの処理中、微粒子間の衝突を抑制して処理すると(粉砕後の微粒子を互いに衝突させると、徐々に微粒子の表面が滑らかな面となってしまうため。)、それらの「微粒子P1」の形状そのものが、複雑な形状を成し、さらに、その「微粒子P1」の表面も非常にランダムな凹凸形状(凹凸の周期や深さが、小さいものでは、ナノサイズの非常に微細なものから、大きいものでは、数ミクロンメートルサイズのものまで、そして、その分布幅までも、ランダムに存在するという意味。)を維持したものとすることができる。
粉砕手段としての粉砕機には、ボールミル、ロッドミル、自生粉砕ミル、SAG(準自生粉砕)ミル、高圧粉砕ロール、縦軸インパクタ(VSI)ミルなどがある。
ここで、細粒を得るための粉砕機の代表的なものであって、少し傾いて、または水平に回転するシリンダーの中に、金属でできたボールが詰まっており、ボールとの衝突や摩擦によって粉砕が行われるボールミルには、乾式ボールミルや、湿式ボールミル(いずれも、内容積100〜10000リットルで、回転速度10〜50回転/分。)がある。
また、ロッドミルは、粉砕媒体としてボールではなくロッド(金属製の円柱)を使用し、回転するドラム(胴体)によって、粉砕物にロッドの衝撃を与えることで粉砕するものである。特に、インパクトミルは、衝撃歯を高速回転させ、衝撃力によって原料を粉砕する微粉砕機であり、直径100〜1000mmの回転盤を500〜10000回転/分で高速回転させるものであって、微粒子の形状そのものが複雑な形となりやすく、また、微粒子の表面も粗い凹凸形状となり易く、好適である。
また、一旦、「応力発光材料」を、「微粒子化」、さらには、「超微粒子化(平均粒径が、0.01〜1.0μm、特には、0.01〜0.1μmであるものを『超微粒子』と称する。これより大きいものが『微粒子』である。)」したものを、造粒機等の「造粒」手段を用いて、「『超微粒子』間の結合が強固な2次凝集物」とすることで、さらに「不定形」で「複雑な形状」を有する「応力発光材料」の「微粒子P1」を得ることが出来る。
このような造粒機とは、「粉体」や「微細粒子」を固めて、「粒状」にする装置のことであって、「粒状」のペレットをつくれることから、ペレタイザとも呼ばれる。
そして、この「造粒」の方式には、自立造粒の旋回式(ローター式)、混練式、撹拌式、転動式、流動層式や、強制造粒の圧縮式(ロールプレス式)、二軸押出し式、湿式押出し式、およびこれらを組合せた方式などがあり、混合、分散、及び造粒を連続して行う機種もある。
そのような粉砕手段で「微粒子化」した「応力発光材料」(『応力発光材料』で100%組成されているもの、複数の応力発光材料から成る『応力発光材料の複合体』、及び、『応力発光材料と透明樹脂』で組成されたものを含む。)を、分級手段を用いて、選別し、または、さらに、造粒手段を用いて造粒した後、分級手段を用いて選別し、最大直径で、0.1μm〜50μm、好適には、5.0μm〜20μmの「微粒子P1」とし、もしくは、平均粒径D50で、0.05μm〜20μm、好適には、0.5μm〜10μmの「微粒子P1」とする。
このときの「粒径」及び「粒子形状」は、レーザー回折式粒度分布測定装置など、種々の粒度分布測定法に基づく装置を使用して決定する。
このような粒度分布測定法には、細く絞ったX線ビームを用いて、分散媒中の粒子濃度を直接測定するX線透過式沈降法、粒子が細孔(アパチャー)の検知領域を通過する際に生じる、2つの電極間の電気抵抗の変化を測定する電気的検知帯法、粒子を、所定の分散媒に均一に分散し、フローセルを通過させるもので、光源からフローセルに光をあて、粒子がセル内を通過した時の投影像を、高感度CCDカメラで撮影して、その粒子像をデジタル変換し、解析用プログラム処理によって、粒子の円相当径、形状情報などを求める画像解析法(数十種類の形状パラメータ、及び、円形モデル、繊維モデル、長方形モデル、多角形モデル、楕円モデル、不規則モデルなどの画像解析モデルを用いる。)、粒子懸濁液の中で「ブラウン運動」をしている粒子に、レーザー光をし照射し、その運動をしている粒子による散乱光から、粒子径を測定する動的光散乱法、粒子にレーザー光を照射することによる光の回析/散乱現象を利用するもので、その回折/散乱光の強度パターンが、粒子の大きさに依存しており、回析/散乱光の角度により異なる強度パターン(強度分布)が観測されて、フランホーファ回折理論や、ミー散乱理論を用いて、粒子径分布を求めるレーザー回折散乱法、粉体の充填層に空気を流す時、粉体粒子が細かいほど流れにくくなり、また、粉体の粒子径と流体の透過性との間の相関関係から粉体の比表面積を求める空気透過法などを用いることができる。
そして、「応力発光材料層A3」において、「微粒子の形状」とは、「応力発光材料層A3」に含まれる「多数ある微粒子P1の平均的な形状」を意味し、いわゆる光学式微粒子形状測定装置等で決定可能な「形状」とする。もちろん、「応力発光材料層A3」に含まれる、全ての「微粒子P1」が、「応力集中係数α≧2の部位」を有する形状を有することが最も望ましく、「発光」の視認性も十分に確保でき好適であるが、少なくとも、上記した種々の方法に基づく各装置を用いて、「サンプリング測定」した「微粒子P1」(すなわち、『サンプリングした微粒子P1の形状』。)が、例外なく全て、この条件を満たすもの(『応力発光材料の形状は、微粒子P1の形状であり、応力集中係数αが少なくとも2以上となる部位S1を有する形状である』こと。)であれば、本発明の目的を達成可能であることは言うまでもない。
もちろん、この「サンプリング測定」の条件を、具体的に、例えば、「応力発光材料層A3」の任意の10mm×10mmの領域を、100枚、切り出して、含まれる「透明な樹脂J2」を溶解する溶剤を用いて、「透明な樹脂J2」を溶解した後、含まれる「微粒子P1」を全て抽出して、上記の測定を行うこととすることもできる。
そして、この「微粒子P1」を、熱可塑性樹脂、及び/または、熱硬化性樹脂の中から、上記した「透過率」を有する「樹脂」を選定して、「所定の透明な樹脂J2」とした、その「透明な樹脂J2」の中に、その「微粒子P1」の、さらなる「凝集化」を抑制しつつ「分散」させ(必要以上に『凝集化』することを防止するという意味。このような『凝集化』によって生じた接点部分は、見かけ上、すなわち、その周辺の『形』のみから判断すると、非常に応力が集中し易い『形』を成しているが、この接点部分は、小さな外力負荷によって、容易に、分離、切断するため、本発明の目的には適さない。)、「『応力発光材料』の『微粒子P1』を含んだ、『透明な樹脂J2』」として、本発明の「スレッドSL3」に用いる「応力発光材料層A3」とする。(図8参照。)
また、「微粒子P1」を「透明な樹脂J2」中に「分散」するとは、その「透明な樹脂J2」を適宜な溶剤(『水溶性樹脂(水系樹脂)』の場合には、『水』及び/または『低級アルコール』。)に溶解した溶液中に、「微粒子P1」を混入させ、デゾルバ、ミキサーなどの撹拌機や、ニーダー、ロールミル等の混練機、マグネチックスターラー方式、エアレーション方式やスプレードライ方式などの撹拌装置などを用いて、「透明な樹脂J2」中に「微粒子P1」を均一に含ませた後、その混合溶液を、グラビアコーティング方式、カーテンコーティング方式、ブレードコーティング方式、ロールコーティング方式、スピンコーティング方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式、キャスティング方式、ダイコーティング方式などを用いて、「所定の基材B0」の上に、所定の厚さで設け、所定の条件にて、乾燥(自然乾燥、接触加熱乾燥、熱風乾燥、真空乾燥など。また、電離放射線照射線乾燥等の特殊な乾燥技術を含んでもよい。)して、本発明の「スレッドSL3」を得る。(図8参照。)
上記した撹拌装置において、特に、マグネチックスターラー方式、エアレーション方式やスプレードライ方式の撹拌装置は、「微粒子P1」への不要な「せん断応力」の負荷を、極力、低く抑えることを可能とし、望ましい。
上記した「透明な樹脂J2」としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、透明性を有する、アクリル酸エステル樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリルアミド樹脂、もしくは、ポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、やはり透明性を有する、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、もしくは、フッ素化樹脂等が挙げられる。
さらには、これらの樹脂の屈折率を、用いられる「応力発光材料」の「微粒子P1」の屈折率に対応して設定すると、その「微粒子P1」からの「発光」を強め、その視認性を高めることができる。
例えば、「透明な樹脂J2」の屈折率と「微粒子P1」の屈折率の「屈折率差」を、0.3以下、さらには、0.1以下とすると、その「透明な樹脂J2」と「微粒子P1」の「界面」における反射率が小さくなり、「微粒子P1」の「発光」した「光」を効率よく観察者へ伝えることができる。
また、「透明な樹脂J2」の屈折率と、「『微粒子P1』の中に含まれる『透明樹脂』」の屈折率の「屈折率差」を、0.1以下、さらには、0.03以下とすることも好適であり、それらの「樹脂」の界面での界面反射率をほぼ「0」とすることができ、「微粒子P1(その中に含まれる『応力発光材料』)」の「発光」した「光」をさらに、効率よく観察者へ伝えることができることとなり好適である。
ここで、「透明な樹脂J2」と「微粒子P1」との含有比率は、5/95〜100/5、特には、5/30〜100/30とする。
この混合比率が、5/95より小さいものとすると、「応力発光材料層A3」の強靭性が低下し、偽造防止目的の用途においては、信頼性に欠けるものとなり、100/5を超えるものとすると、発光強度が不十分となる。
さらに、この「『透明な樹脂J2』と『微粒子P1』の混合物」に対する溶剤の割合は、上記したコーティング等の各種方式によって個々適性範囲があるが、総じて、100/5〜1/20とする。
また、本発明の応力発光材料層A1〜A3において、その応力発光材料層A1〜A3に、所定の外力負荷を負荷して生じた、応力発光材料層A1〜A3の変形により、その応力発光材料層A1〜A3に含まれる応力発光材料のその部位S1に変形応力が集中し、同時に、その部位S1からその変形応力に応じた発光強度を有する、視認可能な、所定波長の光が発光したとき、その所定波長の光が、「所定のパターンを表示」するように、「その部位S1を設定する」ことで、観察者は、所定の外力負荷によって現れる、その「所定のパターン」(『光』の『パターン』となる。)を視認し、その真正性をより確実に判定することができるものとなる。
このとき、「所定の外力負荷」の「応力発光材料層A1〜A3」に対する「作用点」(その外力負荷が作用する『応力発光材料層A1〜A3』の位置を意味する。)、及び、その作用点から「応力発光材料層A1〜A3」の内部に向かう「方向」や、その外力負荷の「大きさ」、その外力負荷を「負荷する速さ」(『応力発光材料』の発光強度は、『外力負荷の負荷される速さ』に比例して大きくなるため。)によって、その表示される「所定のパターン」が「変わる」ものとする(異なる「パターン」を表示することを意味する。)ことで、より高度な偽造防止を図ることができる。
ここで、「その表示される『所定のパターン』が『変わる』ものとする」とは、「切り替わりパターン」(これらの『作用点、方向、大きさ、及び、負荷する速さ』の『変化』によって、『所定のパターン』の『表示』が様々に『異なるものに切り替わる』ことを意味する。)でもよいし、「徐々に変化するパターン」(同様の『変化』によって、『所定のパターン』の『表示』が『様々の異なるものに徐々に切り替わる』ことを意味する。)でもよい。
さらには、これらの「『作用点、方向、大きさ、及び、負荷する速さ』の『変化』」を、時間的、且つ、空間的に「変化」させることで、その「発光点や、発光パターン」の「移動そのもの」や、「移動に伴う表示の変化」、もしくは、「移動の軌跡」を観察できるものとし、その確認によって真正性を判定できるものとすることも好適である。
一例を挙げれば、『応力発光材料層A1〜A3』が折り曲げられている『位置』を、層の一方の端面から他方の端面へと移動させて、発光する位置、すなわち、層の一方の端面に現われる「線状(もしくは、帯状)の『発光領域』」が、その「線(帯)の『長さ』や『幅』」について、「所定の変化」を示しながら、徐々に、層の他方の端面(反対側の端面)へと「移動」するものとして、観察者が、その「線状(もしくは、帯状)の『発光領域』」の「移動の状況」を判定するものである。
これらの「発光点」、「発光領域」や「発光パターン」は、その時点における「応力発光材料層A1〜A3」への「所定の外力負荷」によって出現した、一つ一つの「その部位S1」から発した「所定波長の光」そのもの、もしくは、その「光」の集まりであって、その「所定のパターン」とは、それらの「『発光点』や『発光領域』の集合体」、さらには、「『発光パターン』の集合体」によって認識される、「所定の情報」のことを意味する(『所定の情報』を表示しているという意味。)。
そして、その「所定波長の光」が、「所定のパターン」を「表示」するように、「その部位S1を設定する」とは、個々の時点における、それぞれの「所定のパターン」を出現させるため、それぞれの時点における、「『応力発光材料層A1〜A3』に対する、それぞれの『所定の外力負荷』」に対応して、発生する各部位S1を、あらかじめ所定の位置に配置(配列)しておくことを意味し、このことは、すなわち、個々の『所定の外力負荷』」で、所定の位置(配置)の各部位S1が、所定の強度で発光し、その集合体である「光のパターン」によって、所定の「情報」を「表示」することであり、さらに、そのような個々の『所定の外力負荷』」に対して、所望の部位S1が発生するように、「応力発光材料」の形状を、「応力発光材料の所定の部位S1における応力集中係数αが2以上となる、その部位S1を有する形状」とすることである。
もしくは、そのような個々の『所定の外力負荷』」に対して、所望の部位S1が発生するように、「応力発光材料」の形状を、「応力発光材料層A1、または、A2」の形状とし、且つ、その応力発光材料の表面に、その部位S1として、所定の形状の切欠け部K1及び/または凹部を有する形状」とすること、または、そのような個々の『所定の外力負荷』」に対して、所望の部位S1が発生するように、「応力発光材料」の形状を、その「微粒子P1」の形状とし、応力集中係数αが2以上となる部位S1を有する形状」とした上で、その「応力発光材料」を組成とする「微粒子P1」を、所定の透明な樹脂J2に分散してなる「応力発光材料層A3」とすることである。
ここで、その「所定のパターン」、もしくは、それらの「『発光点』や『発光領域』の集合体」、さらには、「『発光パターン』の集合体」によって認識される、「所定の情報」とは、例えば、所定のサイズの文字、図形や、記号、特には、真正性判定用の何らかの「メッセージ(「真正」の文字など。)」を所定のサイズとしたものなどを「表現する」ように「並べたもの(例えば、所定の『文字』を、飛び飛びの『ドット(網点)』で表したものなど。)」であって、その「情報」としての文字、図形、記号、その他の、少なくとも目視認識可能な、あらゆる「情報」を用いることができるものであり、「その『所定の情報』を知り得る正当な権利者にのみ開示されるべき情報」とすることも好適である。
もちろん、その「所定の情報」と、「応力発光材料層A1〜A3」が担持する別の「情報」(秘匿されていても開示されていてもよい。)との単なる組み合わせや、それらの「情報」を各種の情報合成手段等(暗号化処理も含まれる。)により合成して、「正当な権利者に開示される情報が形成される」ものとしてもよい。
さらに、「応力発光材料層A1〜A3」が表示する「所定の情報」としては、暗証番号、個人認証番号、口座番号、その他の個人特有の番号または記号や、抽選番号または記号、管理番号または記号等、もしくは、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であって、「応力発光材料層A1〜A3」を作製するときに発生させ作製者含め誰もその番号の内容を知らないよう工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を意味する。もちろん、『応力発光材料層A1〜A3』を用いる『システム(発券システムや、流通システムなど、経済的な諸活動を管理したり、支援するシステムのことをいう。)』のシステム設計者や、『応力発光材料層A1〜A3』の発券者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は容易には見ることができないよう設定される番号または記号等がある。
また、その「応力発光材料層A1〜A3」の用途により、番号または記号のみならず、文字、図形、マークその他、個人及びその「応力発光材料層A1〜A3」の供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができる。
そして、その認識方法も、少なくとも、目視確認により認識できる情報を有しながら、目視以外の認識方法、例えば、光学読取方法、磁気的読取方法、その他、あらゆる物理的もしくは化学的読取方法を採用することができ、その偽造防止性を高めるために好適である。
本発明の「偽造防止用紙」に含まれている「応力発光材料層」、もしくは、「応力発光材料」(以下、『応力発光材料層等』とも略す。)は、セラミクス、中でも、金属、または、ケイ素の酸化物、窒化物、炭化物や硫化物の構成を持ち、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料層」の接点においては、「紙パルプ繊維」間の接点における「セルロースの水酸基」による「水素結合」と同様に、「紙パルプ繊維」を構成している「セルロースの水酸基」と、「酸化物、窒化物、炭化物や硫化物の酸素原子、窒素原子、炭素原子や硫黄原子」との「水素結合」により、その接点において「結合」するものを用いる。
このことにより、この「複合体」が「湾曲」したときの「紙パルプ繊維」の「変形」は、その「紙パルプ繊維」と「結合」している「応力発光材料層等」の「変形」を引き起こし、特には、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料層等」の接点において、物理的な移動を伴って、「引っ張り応力」、「せん断応力」、「ずれ応力」を発生させる。
もちろん、この「複合体」の「湾曲」、及び、「紙パルプ繊維」の「湾曲」による、直接的な「応力発光材料層等」への圧力も、その「応力発光材料層等」の「応力」の発生を助長する。
そして、この「応力発光材料層等」における、「紙パルプ繊維」の接点の箇所が、「応力発光材料層等の所定の部位」となり、この「『引っ張り応力』、『せん断応力』、『ずれ応力』」が、「紙パルプ繊維の変形に対応した変形応力」となって、これらの「応力の大きさ」に比例する強度で、より詳しくは、「応力発光材料層等を構成する構造(組成や結晶構造などを含む。)」に対する「応力の作用する方向」に比例する強度で、その「構造」に特有の波長の光を発する(応力の作用方向に対する依存性があるという意味。)。
本発明の「偽造防止用紙」に用いられる「応力発光材料」は、その「組成」を含めた「立体構造」、さらには、この「構造」の中に位置する「電子密度の高い格子位置の元素」や「電子密度の低い格子位置の元素(『格子欠陥:元素が無い状態』となっているものも含む。)」によって、その電子状態の「遷移幅」が決まり、この「遷移幅」に相当するエネルギーを持つ「光」を発する。
すなわち、外力によって発生した内部応力(「機械的なエネルギー」)を受けて、「エネルギーE=プランク定数×光の振動数」&「光の波長=光速度/光の振動数」の式に基づく、所定の波長の光を放出するが、この内部応力の大きさをいかに大きくしても、また、この内部応力を与える速度をいかに大きくしても(すなわち、ひずみ速度をいかに大きくしても。)、「所定の波長」そのものは変化せず、「一定」である(材料に「固有」という意味。)。
従って、このような「応力発光材料層等」を、「スレッド」として、その内部に含めた、本発明の「偽造防止用紙」の真正性判定を高い信頼性をもって実施することを可能とする。
さらには、この「応力発光材料層等」に発生する「変形応力」の強度分布によって、すなわち、「応力発光材料層等」の「変形の仕方」、ひいては、本発明の「偽造防止用紙」の「変形の仕方」によって、「所定の波長の光」の「発光強度」や「『偽造防止用紙』の『スレッド』上における『発光分布』」が異なってくるため、この性質を利用した真正性判定をも可能とする。
実際に、本発明の「偽造防止用紙」を適宜な製紙機にて量産した場合には、個々の「偽造防止用紙」の紙面上(その中のスレッド部分。)の「発光分布」について、その「平均発光強度」は制御可能であるものの、個々の「偽造防止用紙」の紙面上(その中のスレッド部分。)の「発光分布」、例えば、A4サイズの「偽造防止用紙」の20mm幅の帯状の形状の「スレッド」の中央を、ある「幅」をもって「縦方向(スレッドの流れ方向。)」に、その上端から下端へ向けて、順次、連続的に発光させたときの「発光強度曲線(横軸を「スレッド上の縦方向の位置」とし、縦軸を「発光強度」としたグラフ。)は、比較的、上下の変動の激しい曲線となり、且つ、その「幅」の設定によりその変動の仕方も大きく変化するとともに、その「発光強度曲線」は、個々の「偽造防止用紙」に「固有」のものとなる。(「紙パルプ繊維」に対する個々の「スレッド」の配置や接触具合までは、人為的な制御が不可能という意味。)
さらには、このような「発光分布」を個々の「偽造防止用紙」において、顕著に異ならせることを目的として、スレッドにおける「応力発光材料層」を部分的に設けたり、「応力発光材料層」を複数の応力発光材料の組み合わせ(領域分けや混合比変化)により形成してもよい。
また、この「所定の波長の光」を視認する際に、適宜な光学フィルター(その「所定の波長の光」のみを通過させる波長フィルターなど。)を介して観察するなどして、その真正性判定の信頼性をさらに高めることも可能である。
この新規な「応力発光材料」の発光メカニズムは、(独立行政法人)産業技術総合研究所山田氏、及び、新日本製鐵株式会社松尾氏により、いずれも、代表的な「応力発光材料」である、SrAl24:Eu系につき、詳細に発表されているため、以下に、その概略のみを記す。(「(独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 応力発光技術チーム長 徐超男(編集代表)、上野直広、寺崎正、山田浩志(編集委員)他著、“応力発光による構造体診断技術 Mechanoluminescence and Novel Structural Health Diagnosis”、株式会社エヌ・ティー・エス、2012年8月発刊」参照。)
前者は、母体結晶が、スタッフド・トリジマイト構造であって、且つ、AlO4四面体が「頂点共有」して形作られるハニカム構造となっており、その中の大きな空孔に、Sr2+イオンが配置している構造を持つ。そして、その母体結晶の中に、発光中心として、Eu2+イオンが添加されて、上記したSr2+イオンの2つの種類のサイトに置換されているとし、このEu2+イオンの「4f−5d電子軌道遷移」(このときの電子軌道エネルギーの差が上記のエネルギーEとなる。)に伴う輻射遷移によって発光が起こるものとしている。
後者は、燒結体作成時に、SrAl24のβ相からα相への熱弾性マルテンサイト変態が起こって、結晶内に「双晶界面」が形成され、その界面近傍の電子密度に勾配が生じ、紫外線照射などでEuから励起されたキャリアが、空孔などにトラップされた状態にある「応力発光材料」に、「応力」を負荷すると、「双晶擬弾性変形」が起こり、その変形に伴って「双晶界面」が移動することより、電子密度分布が変化して、トラップされたキャリアが解放され、発光中心のEu2+と再結合して発光が起こるとしている。
そして、この応力を除荷した際、「双晶界面」が元の位置に戻り、その際に、Eu2+からキャリアが励起され、空孔などにトラップされて、元の状態に戻り、この現象が繰り返されるとしている。
これらの発光メカニズムから、「応力発光材料」は、「機械的エネルギーによる『励起』」を必要とせず、「トリボルミネセンス」とは異なる現象と推察される。
いずれにしても、母体構造そのものの「変形」、従って、「応力発光材料」としての「物理的な変形(具体的に巨視的なスケールで、曲がったり、ねじれたりして、その『形』を変えるという意味。)」が必須であって、「応力発光材料」に対して、このような「変形」を可能とするためには、「応力発光材料」の「動き易さ」、及び、実際に「動く領域(「動ける空間」という意味。)を併せ持つ、「偽造防止用紙」の構成設計が必要となる。
そして、この「応力発光材料を構成する『構造』に固有の波長の光」が、上記した「所定波長の光」であって、通常は、「可視光」の波長範囲、すなわち、光の波長で、400nm〜800nmの範囲にあり、一つの種類の「応力発光材料」に対応して、一つの波長の光が発光する。従って、この発光した「所定波長の光」を観察者が目視にて視認できることとなる。
但し、この「所定波長の光」の強度を、目視にて視認可能とするために、その「発光輝度」を、少なくとも1.0mcd/cm2の大きさとする。
特に、屋外での目視視認においては、10mcd/cm2以上、さらに、「高輝度」と認識させ、且つ、その「発光」を真偽判定に利用する場合における、その判定の信頼性をより高くするため、100mcd/cm2以上の「発光輝度」を持たせる。
もちろん、一つの「応力発光材料」に、「複数の構造(結晶構造や、発光中心元素の異なるものなど。)」を含ませたり、「スレッド」の「応力発光材料層」に、複数の種類の「応力発光材料」を含ませたりして、複数の波長領域を持つ光を発光するものとしてもよいし、さらには、可視光以外の波長領域において、「応力発光」させ(紫外光や赤外光の応力発光をする材料を用いる。)、その発光した光で、あらかじめ、本発明の「偽造防止用紙」に、適宜、含ませておいた「蛍光体層(適宜な蛍光材料を含む層。)」や「蛍光体パターン層(パターン状に形成した蛍光体層)」を「励起」して、可視光領域にて発光させて、結果として、可視光を視認するものとしてもよい。
そもそも、「紙」とは、「植物などの繊維を絡ませながら薄く平(たいら)に成形したもの」であって、日本工業規格 (JIS) では、「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの」と定義されている。
「広義の紙」の原料としては、直径100μm以下の細長い繊維状であれば、鉱物、金属、動物由来の物質、または合成樹脂など、ほぼあらゆる種類の原料を用いて「広義の紙」を作ることができ、「不織布」なども、「紙」の一種として分類されることがある。
しかし、本発明に用いる「紙」とは、「植物繊維」である、「紙パルプ繊維」を原料にしているものとし、その「紙」の「製法」(「製紙」の方法。)も、「紙パルプ繊維」を、適宜な「水」に分散させてから、「簀の子」や「網(ネット)」の上に広げ、脱水工程、及び、乾燥工程等を経て作られるものを用いる。但し、「水」を使用しない「乾式製法」で製造したものを除外するものでない。
また、本発明の「偽造防止用紙G1」に用いられる、「スレッドSL0〜SL3」を構成する「所定の基材B0」としては、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、「スレッド」を製造する際の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するもの、さらには、「応力発光材料層」との接着性が良好なものが好ましい。
すなわち、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、トリアセチルセルロース(TAC)等の材料からなり、厚さが1.0〜50μmであって、透明性を有する、または、不透明性を有する、プラスチックフィルムを用いる。(図5〜図8参照。)
そして、その「所定の基材」上に、その一方の面の全面、もしくは、部分的に、「応力発光材料層」を設けて、本発明の「偽造防止用紙」に用いる「スレッド」とするが、その「スレッド」に係る「変形応力」を、効果的に「応力発光材料層」に伝えるため、「スレッド」内における「応力発光材料層」と「所定の基材」の「厚さの比」を、1/10〜30/10とする。
「応力発光材料層」のヤング率は、「所定の基材」のヤング率と同程度、もしくは、その数倍〜数十倍の値を持つため、上記の「厚さの比」を、30/10を超えるものとすると、「スレッド」としての剛性が大きくなり過ぎ、その「厚さの比」を、1/10未満とすると、「スレッド」の発光による視認性が低下してしまう。そして、上記の範囲内であれば、「所定の基材」の「変形応力」が、「応力発光材料層」の「変形応力」として、伝わり易い。
その結果により、また、「偽造防止用紙」としてのハンドリング適性等の種々の適性を満足するため、本発明の「偽造防止用紙」に用いる「スレッド」の剛性は、「偽造防止用紙」の「剛性」の1/10〜50/10とする。
この「剛性」の評価としては、例えば、「比較的薄い紙」に適用される「剛性」の指標である、「クラークこわさ(クラーク剛度):JIS P 8143」の「値」を、「スレッド単体(SL0〜SL3)」の「値」と、「スレッドを含まない偽造防止用紙(用紙Y1)」の「値」とで、比較し、その「比」、すなわち、「『スレッド単体』/『スレッドを含まない偽造防止用紙』」の比を、1/10〜50/10とする。
さらには、「剛性」の指標として、他の指標、例えば、JIS−P8125(テーバー法)等を採用してもよい。
また、本発明の「偽造防止用紙」に用いる「応力発光材料」は、耐水性の劣る性質を有するため、「応力発光材料」に、その応力発光材料の「耐水性」を向上するための、「所定の表面処理」を施す。(表面処理の状態は図示していない。)
すなわち、「応力発光材料」の個々の表面に対して、もしくは、「応力発光材料層」の表面に対して、「シリル化処理」による「耐水性の向上」を目的とする「所定の表面処理」を施して、「水」による「応力発光材料」の結晶構造の崩壊や、発光性の喪失を防ぐ(特に、『製紙工程』において、大量の『水』処理が必須であるため。)。
さらには、その「シリル化処理面」を覆うように、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂の「被膜」を形成する「所定の表面処理」を施す。
特には、「紙パルプ繊維」と絡まり易い、メチルセルロース、エチルセルロース、硝酸セルロース、セルロース・アセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂を用いる。
その「所定の表面処理」に用いる「表面処理剤」としては、リン酸基、亜リン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基、およびシラノール基の少なくとも何れかの酸性基、または、そのエステルを含む化合物を用い、これらの「表面処理剤」を「応力発光材料」と反応させる方法により施すことができる。
すなわち、上記の「表面処理剤」を、それぞれ対応する有機溶剤に溶解させ、その溶液に、「応力発光材料」を添加し、撹拌する方法、もしくは、その溶液に「スレッド」を浸漬する方法、さらには、「スレッド」の「応力発光材料層」の表面に、スプレー方式、グラビアコーティング方式、オフセット印刷方式や、スクリーン印刷方式等を用いて、「所定の表面処理」を施す。
特に、トリメチルシリルクロライドや、ヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤による表面処理が好適である。
以上の方法を用いて、「応力発光材料」の耐水性を向上させ、上記した「製紙工程」の中の「水」処理工程における発光性能の低下を防ぎ、さらには、「偽造防止用紙」としての耐水性や耐候性の向上を図ることができる。
そして、この「耐水性」の評価方法として、例えば、JIS K 6404−9:1999における、所定の調整をした「偽造防止用紙」、または、「偽造防止用紙に挿入する前のリボン状の『スレッド』」を用いて、指定温度の「温水」を用いて、「水浸試験」を行い(上記、上記のJIS規格においては、『水浸試験』を『4時間』実施することとなっているが、本試験においては、『表面処理を施していないスレッド』、または、『表面処理を施していないスレッドを用いた偽造防止用紙』の『応力発光材料層』からの発光の発光強度が半減するまで、『水浸試験』を続けるものとする。その意味で、上記のJIS規格に準じて試験を行うとした。)、その「試験時間(水に浸す時間。)」を、その「応力発光材料の発光強度が半減する時間」と設定することで評価するものとし、その評価において、「耐水性が向上した」とは、「所定の表面処理を施したもの」の「半減時間」と、「所定の表面処理を施さなかったもの」の「半減時間」とを比較し、その「半減時間」が、2.0倍以上となることを意味する。
もちろん、表面処理を複数回実施したり、形成される「被膜」の厚さを厚くすればするほど、「耐水性を向上させる」ことができるが、その作業の煩雑さや、「耐水性の向上効果が飽和する」ことを考慮し、目的とする「半減時間」を、2.0倍以上、且つ、10倍以下とする。
本発明における「偽造防止用紙」に用いる「紙パルプ繊維」の原料としては、いわゆる「和紙」や「洋紙」の原料である、「木材」そのもの、「輸入木材チップ」、「非木材植物」、さらには、「古紙」を用いることができ、それらを「パルプ化」した、「木材パルプ」、ワラパルプ、ケナフパルプなどの「非木材パルプ」や、「古紙パルプ」などを用いることができる。
または、「パルプ化」の方法による分類においては、「砕木パルプ(GP)」、「リファイナーグランドパルプ(RGP)」などの「機械パルプ(MP)」や、「クラフトパルプ(KP)」などの「化学パルプ(CP)」を用いることができる。
本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」には、上記したように、「熱弾性マルテンサイト変態」近傍において、「物理的な変形」を伴って、その材料に「応力」を負荷すると「双晶擬弾性変形」を生じやすい材料である、「Eu添加SrAl24(SAOE)」等に代表される、「『物理的な変形』を伴って、その材料に『応力』を負荷した際に、所定の波長の光を発光し、且つ、その負荷した『応力』に応じてその発光強度が増加する」材料を焼成し、焼結させて、所定の形状(層状。)としたものを用いる。
ここで、「『物理的な変形』を伴って、その材料に『応力』を負荷する」とは、
「偽造防止用紙に対する所定の外力負荷」によって、その「外力負荷」が、「『紙パルプ繊維』に対する外力負荷」へと伝わり、さらには、「『応力発光材料』に対する外力負荷」へと伝わったときに、「応力発光材料」内に「応力ひずみ」が発生し、「応力発光材料」そのものが、「物理的な『変形』」=「応力ひずみ」を生じることを意味する。
すなわち、本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」は、外力負荷を与えると、いわゆる「応力―ひずみ線図」において、その「弾性域内(応力―ひずみ線図において、直線状に変化する領域。従って、外力負荷を除去すると元の状態に戻ろうとする。)」における挙動を指す。(この挙動が、いわゆる「弾性変形」である。)
本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」の「応力発光」は、この「弾性変形」領域で発生する現象を利用するものであって、その発光現象を、数百回から数万回程度、安定して起こすことができ、この「発光」を視認することで、その真正性を判定する目的、すなわち、この「発光」と「判定」を繰り返し行う用途に適している。
このように、「『物理的な変形』を伴って、その材料に『応力』を負荷する」と、材料外形に対して、目視できるほど大きな「物理的な変形」を生じさせることができ、その材料内部の結晶構造そのもの(格子形状など。)や、晶壁(結晶と結晶の壁。)に対しての変形や移動を促進し、その「変形や移動」に基づく「発光」を増大させることができる。
より具体的には、あくまで「結晶構造が、『どのような変化をするか』について『概念的なイメージ』を捉え易くするための説明」としてではあるが、以下のように例えることができる。
すなわち、結晶格子の一つである「正方晶」に、「『物理的な変形』を伴わせて」、例えば、「正方晶の一つの軸方向へのせん断変形を伴う相変態」を起こさせて、外観上、あたかも「三斜晶」へと「変形」したような変化、または、複数の結晶構造が層状に重なった状態において、それらの結晶層の間で「ずれ変形」を起こさせて、「材料」全体として、「巨視的な変形(測定可能、もしくは、目視可能なレベルの変形。)」を生じるような変形に例えられる。(あくまでイメージである。)。
そして、上記の「物理的な変形」が、その「応力―ひずみ線図」において、いわゆる「降伏点」を超えて、「塑性域」に達してしまうと、外力負荷に応じて「材料」が伸びていくのみとなり、その「材料」が「破断」するまで「伸び」続け、最早、繰り返し発光させることができなくなるため、このような「塑性域」における変形は、本発明の「変形」では無い。
また、「材料形状にほとんど変化を与えずに、その材料の内部応力を高める」ことも、本発明の「変形」に該当しない。
例えば、「その材料の外形面に、数百N(ニュートン)の外圧を負荷して、その材料の内部応力を高めても、『応力ひずみ』が発生せず、且つ、『材料形状』がほとんど変化しない状態」においては、その材料内部の結晶構造そのもの(格子形状など。)や、晶壁(一つの結晶構造と他の結晶構造の間の壁<境界面>。)に対しての変形や移動が発生しないと考えられ、言い換えると、「単に、格子を構成する原子間の間隔やその配置を維持したまま、負荷された大きい圧力に、それらの構造が耐えている状態」を指し、従って、その原子配置等から想定される「電子状態」に何らの変化も無いことから(従って、電子遷移による発光が無い。)、本発明の「外力負荷とその変形」とは異なり、「本発明に係る発光」は何ら生じない。
本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」には、多面体構造の複数の分子によって形成される母体構造の空間に、アルカリ金属イオンや、アルカリ土類金属イオンが、挿入された基本構造を有し、その一部が、希土類金属イオン、や遷移金属イオンの中の、少なくとも1種の金属イオンによって置換されている応力発光材料、AlO様構造、及び、SiO様構造の四面体構造を有する複数の分子によって形成された3次元構造と、非対称性のフレキシブルなフレーム構造とを有する基本構造に、発光中心が挿入された構成である応力発光材料、歪エネルギーの形成によって、圧電効果、格子欠陥、および変形による発熱等の機構により発光する応力発光材料や、複数の結晶構造を混在してなる混和とした応力発光材料など、さらには、これらの応力発光材料の発光輝度を、数百倍以上高めた、高発光輝度応力発光材料、可視光領域以外の発光を生じる紫外光(赤外光)発光応力発光材料、もしくは、超微粒子化して透明な樹脂に分散せて「透明な材料」とした応力発光材料などを用いることができる。
また、本発明の「スレッド」の「応力発光材料層」は、「層状」であって、いわば、「帯状の形状」となっているため、「帯状」のその「長さ」方向の真ん中近傍に、その「帯」の幅の1/10〜1/3の大きさの長軸直径を有する「楕円形の貫通孔」を設けたりすることでも、同様の効果を得ることができる。
特に、この「帯状の形状」の場合は、その「帯」をその長手方向に対して畳むように曲げる場合、幅方向に対して畳む場合、さらには、その「帯」の側面を折るように曲げる場合とで、さらには、その楕円形貫通孔の長軸の方向によって、その「応力集中係数α」の値を大きく異ならせることができる。
その「貫通孔」や、非常に「鋭利な隙間」を設ける場合には、「焼成時に焼失する樹脂」をその箇所に詰め込んでおく方法を用いる。
本発明の「応力発光材料層」に用いる「応力発光材料」は、発生した「応力の大きさ」に応じて、さらには、ほぼ比例して、その発光強度が大きくなるため、「応力集中係数α」が大きいほど、その発光強度が増大し、視認性を向上させることができる。
この「応力集中係数α」は、大きいほど望ましく、2以上とする。さらには、10以上、より好適には、100以上とすることで、その発光強度を「高輝度」とすることができるため好適である。
また、このようにして「応力集中係数α」の大きい「応力発光材料」を用いることで、「応力発光材料」に負荷する「応力」の「大きさ」は、例えば、JIS X 6305(2010:ISO/IEC 10373−1)の「識別カードの試験方法―第1部:一般特性」に提示されている、「カードの右側3mm以内の領域全体に0.7Nの荷重(F)を1分間かける。」というような「大きな外力負荷。(10MPa程度と試算される。)」でなく、観察者の「手」で軽く曲げる程度の「大きさ」で、十分な発光を得ることができるものとなり、そのような外力負荷を、5kPa〜1MPa、好ましくは、5kPa〜100kPaに設定することができる。
但し、上述したように、「応力集中係数α」が大きければ大きいほど、「応力発光材料」の「形状」の「不連続性」が、いわゆる「急激」なものとなり、「応力発光材料」を「発光」させるための「変形」を繰り返すと、容易に「破壊」され、もはや、「発光」しなくなるため、「応力集中係数α」が1000を超えるものとすることは、不適当である。
「応力集中係数α」の計算は、上述した「円柱形」のような、単純な形状においては容易であるが、より複雑な形状を持つ「応力発光材料」に対する、しかも、「応力発光材料」の中で、「所定の部位」に「応力が集中」し、その「『応力発光材料』の中で『応力集中係数αが2以上』となる所定の部位」の、その『応力集中係数α』の値を求めるためには、「有限要素法」を用いた「構造解析ソフト(応力分布解析ソフト)」を適用して求める必要がある。
もちろん、絡まっている「紙パルプ繊維」の上に、「スレッド」、すなわち、「応力発光材料層」を埋設した状態でのその接点における「応力集中係数α」を、シミュレーションにより、あくまで、計算上ではあるが、求めることができる。
この方法により、「応力発光材料層」に対して、どの方向からどのような大きさの外力を負荷すると、どの部位の『応力集中係数α』が高くなるかを試算することができ、さらには、本発明の「偽造防止用紙」そのものに対して、その「偽造防止用紙」を引っ張る力の大きさや方向、曲げる力の大きさや方向、さらには、ねじる力の大きさや方向に対する「偽造防止用紙」内の応力集中傾向を試算することが可能となる。
このようにして、本発明の「偽造防止用紙」の応力集中傾向を分析し、さらに、その内部に含めた「応力発光材料層」や、「応力発光材料」の「形状」やその配置を分析することで、最終的には、その「応力発光材料層」や「応力発光材料」の、その「応力が集中する部位(所定の部位)」の「応力」の大きさを推定する。
ここで、本発明に用いる、「応力発光材料の形状は、所定の外力負荷に対して、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状である」との記載における、その「応力集中係数α」とは、あくまで、「応力発光材料」そのものにおける「応力集中係数α」であって、「応力発光材料」の「形状」そのものに起因する数値を用いる。
「偽造防止用紙」の「製紙」工程で使われる、薬品や添加物、すなわち、本発明の「偽造防止用紙」に用いられる、これら添加物の総称としての「サイジング剤」には、「製紙工程」において、「網(ワイヤー)」の上に残る「紙パルプ繊維」や鉱物系填料の割合(歩留まり)を向上させるために添加される薬品であって、主に硫酸アルミニウム、ポリアクリルアミドなどのポリマー類、デンプン類、さらには、カルボキシメチルセルロースや無機のコロイダルシリカが用いられる、歩留剤、「製紙工程」において、水切れを良くし、乾燥性を上げるために添加される薬品であって、ポリエチレンイミンやポリアクリルアミド、カチオン化デンプンなどが用いられる、濾水向上剤、「用紙」に強度をもたせるために添加され、内添方式で用いられる、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリビニルアミンなど、濡れて水分を帯びた状態での強度を持たせるための湿潤紙力増強剤、カチオン化デンプンやカチオン性や両性のポリアクリルアミド系コポリマーなど、通常の乾いた状態での紙の強度を上げるための、乾燥紙力増強剤、表面方式で用いられる、紙の表面に、変性でんぷん、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなど、塗布またはスプレーで付着させる、紙力増強剤、「機械抄き和紙」の「紙パルプ繊維」を水中に分散させた状態を保ち、重ね合わせた紙の接着を防ぐ効果のあるトロロアオイなどの天然「ねり」や、ポリアクリルアミドなどの合成粘剤(合成ねり)、ロジン石鹸、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、ポリビニルアルコールなど、内添方式のもの、または、酸化でんぷん、スチレン・アクリル共重合体(コポリマー)、スチレン・メタクリル共重合体など、ゲートロールコーターや液膜転写によって塗布する表面方式のものであって、「用紙」に対して、インクなど液体の浸透性を抑え、裏移りや滲みを防ぎ、ある程度の耐水性を与える目的で加えられる、サイズ剤、パルプの減量、軽量化に対応しながら、不透明性や印刷性能を保つために、脂肪酸エステルエマルジョンなどの界面活性剤で、繊維表面を一部疏水化させることで効果を与えつつ、濾水性も上げる効果を持つ、「用紙」の密度を減らし、容積を増やす目的で加えられる薬剤である、嵩高剤、紙に不透明性をもたせて裏抜けを防いだり、白色度、平滑性などをもたせるために配合または塗布される鉱物性の粉末であって、主にタルク、カオリン(白土)、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムなど、さらには、非晶性シリカ(ホワイトカーボン)、有機系填料として尿素樹脂も使用され、フィラー、さらには、顔料として、カオリン、炭酸カルシウムや有機白色顔料を用い、バインダーとして、ブタジエンを主体とした合成ゴムラテックスが用いられ、紙の表面に白色の顔料を含んだ塗料液を塗布して、白色度、平滑性や、印刷適性をあげたり、耐水性を与えたりし、でんぷん、カゼイン、カルボキシメチルセルロースなどを添加して、保水剤や、改質剤として用いられる、塗工用薬品などがある。
また、「応力発光材料」が含まれる「領域」(『スレッド』の『応力発光材料層』の表面における『領域』。)を、「所定のパターン」状、例えば、所定のサイズの文字、図形や、記号、特には、真正性判定用の何らかの「メッセージ(『真正』の文字など。)」を表す「形」として、所定のサイズで設け、その「所定のパターン」を、「応力発光材料」を発光させることで、「光のパターン」とする。
さらには、上記した、「切欠け部、及び/または、凹部」を、多数、連続して並べて、「所定のパターンを表す(所定のパターンを光の点を連ねて表すという意味。)」ものとする。
このような「所定のパターン」としては、その「偽造防止用紙」の用途により、番号または記号のみならず、文字、図形、マークその他、個人、及び、その「偽造防止用紙」の供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができる。
そして、その認識方法も、少なくとも目視確認により認識できる情報を有しながら、目視以外の認識方法、例えば、光学読取方法を採用することができる。
特に、この「所定のパターン」として、「偽造防止用紙」の種類や型番号、製造メーカー名や、その製造日を採用し、その「偽造防止用紙」のトレーサビリティを確保することも好適である。
また、ある限定した用途や目的に使用するために製造する「偽造防止用紙」などには、その用途や目的に応じた「情報」、例えば、ロゴ、印章、その他、他社との識別性を有する文字、図形や、記号等、すなわち、ブランドロゴ表示や、出版社、著作者、ゲーム機運用会社、高級ブランド、セキュリティ会社、金券類発券者や発行者、配達や配送会社、販売会社、その他関連組織等の名称や、真正性を表す文字や記号等を含めた「情報」であって、そのロゴや、文字、図形や、記号等が、その用紙の付加価値や、品質保証等の信頼性を高めるもの(証明するもの)などを採用することができる。
さらには、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であって「偽造防止用紙」を作製するときに発生させ、作製者を含め誰も、その番号の内容を知らないように工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を用いる。もちろん、全体システムの設計者や、「偽造防止用紙」を応用した製品の発行者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は、物理的に見ることができないように設定される番号または記号等を用いてもよい。
そして、このような、いわば、「隠しパターン」を確認する方法として、所定の形状の「治具」、例えば、「底のサイズが、縦100〜200mm×横100〜300mmのかまぼこ型」であって、その突出部の曲率半径が50mm〜300mmである「治具」の、その突出部の曲面上に、本発明の「偽造防止用紙」を、観察者が手の指で押し当てて発光させる方法を採用することができる。
さらには、その確認すべき「隠しパターン」の文字サイズを、縦1〜20mm×横1〜20mmとして、その「治具」の曲面上で読み取ることができるようにすることが好ましく、より安定した真正性判定を可能とする。
一例を挙げれば、「スレッド」のサイズを、幅15mmの帯状とし、その「スレッド」の上に、「隠しパターン」の文字サイズを、縦10mm×横15mm(縦横比1/1.5の『横長』とする。)として、30mm間隔で、複数個並べ、「曲率半径が100mmで、底面のサイズが、縦150mm×横250mmのかまぼこ型」の形状の治具の、その曲面上に、本発明の「偽造防止用紙」を、観察者が手の指で押し当て、さらには、「偽造防止用紙」の両端を下方に引っ張ったり、その状態で治具に擦りつけるように動かしたり(紙を『しごく』動作とも表現される。)して、発光した「隠しパターン」状の文字を、視認し、判定する。
本発明の「偽造防止用紙」によれば、外観上は、単なる「スレッド用紙」を使用していると認識させておきながら、実際には、その外観からは全く認識できない形で、「応力発光材料」を「スレッド」に含ませておき、その「スレッド用紙」に対する所定の外力負荷によって、その「紙パルプ繊維」が変形を生じると同時に、「応力発光材料」の所定の部位に「変形応力」が発生して、その所定の部位からその変形応力に応じた強度を有する所定波長の光が発光し、視認可能となることをもって、その「スレッド用紙」の真正性を、特段の照明光なく、容易に判定することを可能とした「偽造防止用紙」が提供される。
また、この「応力発光材料」を特定の形状とし、その「発光」を増大させ、その上、「応力発光材料」を「所定のパターン」状に配して、「応力発光材料」の「発光」による「光のパターン」を視認可能とし、その意匠性や偽造防止性を高めた「偽造防止用紙」が提供される。
は、本発明の一実施例を示す偽造防止用紙G1の図である。 は、本発明の一実施例を示す偽造防止用紙G1のx−x断面図である。 は、本発明の一実施例を示す偽造防止用紙G1のy−y断面図である。 は、本発明の一実施例の「偽造防止用紙G1」を製造するための「製紙工程」の 流れを示した図である。

は、本発明の一実施例を示す偽造防止用紙G1に用いられる「スレッドSL0」 の断面図である。 は、本発明の一実施例を示す偽造防止用紙G1に用いられる「スレッドSL1」 の図である。 は、本発明の一実施例を示す偽造防止用紙G1に用いられる「スレッドSL2」 の図である。 は、本発明の一実施例を示す偽造防止用紙G1に用いられる「スレッドSL3」 の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(紙パルプ繊維、サイジング剤、用紙、及び偽造防止用紙)
本発明の「偽造防止用紙G1」の「用紙Y1」に用いられる「紙パルプ繊維」は、図4の製紙工程の中の、「パルプ化工程」、「パルプ漂白工程」、「パルプの精選&脱水工程」及び、「原料調整工程1:融解&叩解」工程を経て得ることができる。(図1〜図3及び図4参照。図1〜図3では、『サイジング剤』を表示していない。)
「紙パルプ繊維」の原料としては、「木材」、「輸入木材チップ」、及び、「古紙」が主に用いられるが、「製紙」による森林伐採を抑制する観点から、ケナフ、サトウキビ、タケなどの「非木材植物」が用いられる場合もある。
その「非木材植物」には、「リネンパルプ」と呼ばれ、古くから紙の主原料であったアサ、木の樹皮が原料となるカジノキ、ガンピ、ミツマタ、マユミや、「和紙」の主原料であって、栽培し易いコウゾ、「竹紙」の原料となる竹、繊維が細くて短すぎるため、比較的紙力が弱くなる稲藁や麦藁、亜麻、古くは洋紙の主原料であり、綿花の加工途中で生ずる地毛などの短繊維(リンター)を原料として漉いて「紙」とすることもでき、また「繊維」が比較的長いラグパルプ、綿花の地毛などの短繊維から作られるリンターパルプの原料となる木綿、 バガス(絞りかす)パルプの原料となるサトウキビ、比較的繊維が細長く、しなやかで強い「紙」を作ることができる、アバカ(バショウ科の植物)パルプ の原料となるマニラアサ、木に近い性質を持ち、成長が非常に早く、木材の代替となるケナフ、茎の繊維が利用されるバナナ、 非常に強度が高く、絞りかすの繊維を用いる、アブラヤシなどがある。
「紙パルプ繊維」の原料としては、本発明の目的より、「L材」より「しなやか」な、「N材」が好ましく、「和紙」の原料となるものなどが、特に好適である。また、上記した「非木材植物」の中では、同様の意味において、強度が高く、長い繊維であって「しなやかさ」を持つ、「マニラアサ」、「アブラヤシ」が好適である。
「古紙」は、水に溶解し、機械的な力や重力、界面活性剤などの薬品を利用して「紙パルプ繊維」以外の異物(金属やフィルム、粘着性樹脂、印刷インキ、コピートナーなど)を分離、除去し、用途に応じて白さを高めるよう漂白処理を加え、脱水し、乾燥して「紙パルプ繊維」とするが、その回収ルート、回収する「紙」の種類、分別状態などによってその組成や品質が大きく左右されるため、本発明の「偽造防止用紙G1」の材料としてはやや不適当であるものの、その低価格性から用い得る。
また、金属繊維や、樹脂繊維(高分子繊維。アラミド繊維など。)を、本発明の「偽造防止用紙G1」の強度補強(繰り返しの変形によって、『偽造防止用紙G』が破れたり、劣化することを防ぎ、且つ、元の形状への復元を助長する効果。)の目的で「紙パルプ繊維」に対して、5%〜20%添加することは、好適である。この添加量が、5%未満であると、この「補強」効果が不十分であり、20%を超えると、「紙パルプ繊維」と「応力発光材料」との絡まりや、結合を阻害することとなる。
「木材」としては、モミやマツなどの針葉樹(『N材』となる。)、及び、ユーカリ、ポプラなどの広葉樹(『L材』となる。)が用いられ、針葉樹では仮道管が、広葉樹では木繊維細胞が主に使われる。針葉樹の繊維は、広葉樹の繊維より太く長いため、針葉樹から製造した「偽造防止用紙G1」の方が強い「紙」となる。但し、「情報用紙」の多くは、広葉樹が主原料になっている。
「輸入木材チップ」としては、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリや中国などから輸入される、製材の背板などの残りや、間伐材、廃材などから製造されるものや、「製紙」原料目的で植林された、ユーカリやアカシアなどの木材から生産されるものを用いる。
「紙パルプ繊維」の原料となる「植物繊維」は、「セルロース」が主成分であって、細分化すると、「セルロース」、「ヘミセルロース」及び「リグニン」に分けられ、「セルロース」が骨格を形作り、「ヘミセルロース」が接続を促進し、「リグニン」が空隙充填を担っている。
この中で、「セルロース」は、その構造の中に非常に多くの「OH基」を有することから、「水素結合」によって結びつく性質がある。この「水素結合」によって、さらには、「偽造防止用紙G1」の中に含まれる水分(H−OH)の助けを借りて、「紙パルプ繊維」どおしが、それらの交差する箇所において結合している(くっつき合っている)。(図1において、この「紙パルプ繊維」どおしの結合箇所は、図示していない。)
「紙パルプ繊維」は、「植物繊維」から、マトリクスであるリグニンおよびヘミセルロースを除去するパルプ化の後、パルプ繊維(細胞壁単位)を分離(離解)して叩解した素材である。
「紙パルプ繊維」は、その表面に水酸基を多数有するため、乾燥させると水素結合を形成して自己接着したり、「スレッドSL0〜SL3」の「応力発光材料層A0〜A3」とも結合することで、「偽造防止用紙G1」となる。乾燥後は、主として、「紙パルプ繊維」の膨潤能や、相互順応性によって、「偽造防止用紙G1」の変形やその復元に寄与する。
この「紙パルプ繊維」に対して、さらに、様々な手法を用いて「解繊」して、「セルロースナノファイバー」を抽出し、この「セルロースナノファイバー」を用いて「透明な紙」を作る技術も、既に開示されている。
このような「セルロースナノファイバー」を、「紙パルプ繊維」に対して、1%〜20%添加して、「偽造防止用紙G1」の「用紙Y1」の透明性を増し、よって、「応力発光材料」の発光に基ずく「偽造防止用紙G1」の「スレッドSL0〜SL3」の発光を助長することも好適である。
また、「紙パルプ繊維」の原料としての「パルプ」には、その製法によって、物理的な力で木材を破砕する方法でできた機械パルプ(MP:メカニカルパルプ)に分類されるものと、化学的な反応で、粉砕チップ木材を分解し、リグニンなどを分離(蒸解)する方法でできる化学パルプ(CP:ケミカルパルプ)に分類されるものがある。
この「機械パルプ」には、砕木パルプ(GP、Ground Pulp)、 リファイナーグランドパルプ(RGP、Refiner GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、 Thermo―MP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP、Chemi―TMP)などがあり、「機械パルプ」を主体とすると、「偽造防止用紙G1」、すなわち、「用紙Y1」が、比較的、「剛性」の大きい「紙」となる。
また、「化学パルプ」には、クラフトパルプ(KP、Kraft Pulp)、サルファイドパルプ(SP、Sulfide Pulp)、アルカリパルプ(AP、Alkaline Pulp) などがある。「化学パルプ」から得られる「紙パルプ繊維」は、かなり高い純度のセルロースを含むため「しなやか」であって、「しなやか」に「絡み合う」ため、「偽造防止用紙G1」としての強度は強く、好適である。
図4の製紙工程における、「パルプ化工程」は、例えば、原材料として「木材」を使用する場合には、その「木材」から樹皮を除去して、いわゆる「チップ状」に粉砕し、水酸化ナトリウムや、塩化ナトリウムの水溶液中で高温加熱処理し、化学的に、「木材」を一本一本の「パルプ」とする工程である。
次の「パルプ漂白工程」は、二酸化塩素などの漂白剤で、この「パルプ」を漂白することで「『白い』パルプ」とする工程である。
例えば、機械パルプや古紙パルプに対しては、過酸化水素やハイドロサルファイトなどの漂白剤で「パルプ」を漂白する。また、化学パルプの場合は、この工程に、「パルプ」中に残留するリグニンなどの不純物を取り除く工程を含めることとなる。
そして、「パルプの精選&脱水工程」は、「パルプ」の中に含まれている、「未離解繊維」や「塵」を、クリーナー等を用いて取り除き、脱水して「パルプシート」とする工程である。
さらに、「原料調整工程1:融解&叩解」工程は、その「パルプシート」を、パルパー等を用いて、再び「水」に融解し、「パルプ」が十分な量の水に均一に混ざった状態で、2枚の金属の刃(ダブルディスクリファイナー)の間にパルプの融解液を通すなど、適宜な叩解機(リファイナー)にかけ、「パルプ」を適度なサイズにカットすると同時に、毛羽立たせ(フィブリル化)、繊維間の結びつきをしやすくする工程である。
これら、「パルプ化工程」、「パルプ漂白工程」及び、「パルプの精選&脱水工程」を経て、本発明の「偽造防止用紙G1」に用いられる「紙パルプ繊維」を得る。(図4参照。)
本発明の「偽造防止用紙G1」の「用紙Y1」に用いられる「サイジング剤」の内、「混入タイプのサイジング剤」等は、図4の製紙工程の中の「原料調整工程2:サイジング剤等添加」において、「パルプの精選&脱水工程」を経て得られた「紙パルプ繊維」に、適宜な割合で添加される。
この「混入タイプのサイジング剤」には、上述したように、歩留剤、濾水向上剤、粘剤、内添方式のサイズ剤、及び、嵩高剤などがあるが、本発明の「偽造防止用紙G1」の用途に応じて、各々適宜な割合で、且つ、適宜な方法で添加する。(図示せず。)
もう一つの「サイジング剤」である、「積層タイプのサイジング剤」、すなわち、表面方式で用いられる紙力増強剤、酸化でんぷんなどの表面方式のサイズ剤や、各種の塗工用薬品(フィラー、顔料、保水剤、または、改質剤等)などは、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」工程、または、「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」において、「材料振り掛け方式」、「スプレー方式」、または、「印刷方式、もしくは、コーティング方式」等を用い、各々適宜な割合で、且つ、適宜な方法で添加する。(図示せず。)
本発明の「紙パルプ繊維」は、上記した漂白工程において「白く」なっているが、これは、その表面が粗面となっているためであって、材質そのものは、高い「透明性」を有する。
従って、本発明の「偽造防止用紙G1」の「色調」を左右するものは、この「サイジング剤」であるため、この「サイジング剤」の「色調」と、本発明の「スレッドSL0〜SL3」の「応力発光材料層A0〜A3」の「色調」との色差を、0.5以下とすることで、本発明の「偽造防止用紙G1」の「スレッドSL0〜SL3」の「スレッド埋設部分G2」を隠ぺいすることが可能となる。
このことによって、「スレッドSL0〜SL3」の「スレッド埋設部分G2」と、「スレッド露出部分G3」の「コントラスト」を大きくして、その意匠性を高めることができる。
(応力発光材料、応力発光材料層、所定の基材、及び、スレッド)
本発明の「偽造防止用紙G1」の「スレッドSL0〜スレッドSL3」に用いられる「所定の基材B0」としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
さらには、環境に優しい、生分解プラスチックフィルムを用いることも好適である。
そして、「スレッドSL0〜SL3」の挿入の仕方(所定の基材B0を表面とするか、または、応力発光材料層A0〜A3を表面とするか、さらには、その組み合わせとするか。)により、透明性を有するプラスチックフィルム、または、不透明性を有するプラスチックフィルムを用いる。(図5〜図8参照。)
その厚さは、1.0〜50μm、特には、そのフィルムとしての「剛性(クラークこわさ)」が比較的小さいものであって、且つ、その厚さが、1.0〜12μmのものを用いる。
そして、その「所定の基材B0」上に、その一方の面の全面、もしくは、部分的に、「応力発光材料層A0〜A3」を設けて、本発明の「偽造防止用紙G1」に用いる「スレッドSL0〜SL3」とするが、その「スレッドSL0〜SL3」内における「応力発光材料層A0〜A3」と「所定の基材B0」の「厚さの比」を、1/10〜30/10とする。
その「所定の基材B0」上に、「応力発光材料層A0〜A3」を設ける方法としては、
所定の溶剤に分散した「応力発光材料」を用いて「所定の基材B0」上に、グラビアコーティング方式等の種々のコーティング方式や、オフセット印刷方式等の種々の印刷方式、インクジェット方式、さらには、転写方式、ラミネーション方式等を用いて、「応力発光材料層A0〜A3」を重ねて形成する方法、「応力発光材料層A0〜A3」の上に、「所定の基材B0」を、射出成形方式、インジェクション成形方式、エクストリュージョンージョンコーディング方式等を用いて、重ねて形成する方法、「所定の基材B0」、及び、「応力発光材料層A0〜A3」を、圧着して積層したり、適宜な接着剤を介して接着する方法などを採用することができる。
そして、それらの積層体を、所望の幅に切断処理、または、スリット処理して、所望の幅及び所望の厚さ(厚さ比を含む。)を有する「スレッドSL0〜スレッドSL3」とする。(これらの製造過程は図示していない。)
特に、「剛性(クラークこわさ)」が比較的小さいプラスチックフィルムからなる「所定の基材B0」の上に、「微粒子P1」を「透明な樹脂J2」に分散した系からなる「スレッドSL3」を重ねて設けた「スレッドSL3」は、その剛性を低く抑制することが容易であり、且つ、スリット処理適性に優れ、例えば、幅1〜5mmで、長さ500m〜1000mとなる「スレッドリボン」を、安定して製造することができ、さらには、「製紙」後の「偽造防止用紙G1」の「剛性」の偏りを小さく抑制できるため、好適である。
本発明の「偽造防止用紙G1」の「応力発光材料層A0〜A3」に用いられる「応力発光材料」としては、以下のものを用いることができる。(図5〜図8参照。)
(1)多面体構造の複数の分子によって形成される母体結晶の空間に、アルカリ金属イオン、及び/または、アルカリ土類金属イオンが、挿入された基本構造を有し、その空間に挿入された、アルカリ金属イオン、及び/または、アルカリ土類金属イオンの、一部が、希土類金属イオン、遷移金属イオン、III族の金属イオン、および、IV族の金属イオンからなる群より選択される、少なくとも1種の金属イオンによって置換されている応力発光材料。
この応力発光材料は、その基本構造である母体結晶として、
P−1空間群に属する三斜晶構造、特には、アノーサイト様構造、及び、3次元構造の空間にアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンを挿入できる範囲で、アノーサイト構造に類似する構造(類似の組成物)も包含するもの、
P−42m空間群に属する正方晶構造、特には、オケルマナイト(akermanite、オケルマン石)様構造、及び、母体結晶の空間に、アルカリ金属イオンお主びアルカリ土類金属イオンを挿入できる範囲で、オケルマナイト構造に類似する構造(類似の組成物)も包含するもの、
R−3空間群に属する三方晶構造、特には、アルミノケイ酸塩の組成を持つ長石(フェルドスパー)構造、及び、四面体構造のSiO分子およびAlO分子が最小単位であり、これらの分子が全ての頂点を共有して複数結合した、3次元構造体、さらに、その3次元構造体に形成された空間(隙間)に、アルカリ金属、または。アルカリ土類金属が挿入されているもの、
準長石(feldspathoid、フェルドスパソイド)構造、例えば、白榴石(leucite、リューサイト)KAlSiO、かすみ石(nepheline、ネフェリン)NaAlSiO、およびこれらの組成物に結晶構造が類似する組成物等、
そして、この基本構造が、下記一般式(1)〜一般式(6)のいずれか1つで示されるものを用いる。
すなわち、MxN1−xAl2Si28・・・(1) / XxY1−xAlSi38・・・(2) /(XxM1−x)(SixAl1−x)AlSi28・・・(3) /XxMyCa1−x−yAl2−xSi2+xO8・・・(4) /MxN2−xMgSi27・・・(5) /MxN3−x(PO42・・・(6)(ただし、式中、MおよびNは、2価の金属イオンであって、少なくとも1つは、Ca、Sr、Ba、MgまたはMnであり、XおよびYは、1価の金属イオンであって、少なくとも1つは、Li,Na,またはKであり、0≦x,y≦0.8である。)。
中でも、紫外線発光を示す(1)の応力発光材料の母体結晶は、一般式 M1−x−yNxQyAl2Si28 ・・・(7)(ただし、式中のMおよびNはそれぞれ、アノーサイト構造ではCa、Sr、Mg、またはBaであり、長石構造では、Li、NaまたはKであり、Qは、希土類金属イオン、遷移金属イオン、III族の金属イオン、もしくは、IV族の金属イオンであり、0≦X≦0.8、及び、0.001≦y≦0.1を満たす数である。)の化合物であるもの、
さらに、その応力発光材料の母体結晶において、アルカリ土類金属イオンとしてCaを選択し、かつ、そのCaサイトの一部を、希土類金属イオンとしてCeで置換したもの、すなわち、一般式(8)、Ca1−yQyAl2Si28・・・(8)(式中、Qは、Euまたは他の発光中心イオンであり、yは0.001≦y≦0.1を満たす数である。)また、この一般式(8)は、Ca1−mCemAl2Si28(式中、mは、0.001≦m≦0.1を満たす数である。)と表すことができるものを用いることができる。
そして、この応力発光材料の発光中心として、
希土類金属のイオンとして、ユウロピウム(Eu)、ジプシロシウム(Dy)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd) 、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、イットリウム(Y)、ネオジウム(Nd)、テルビウム(Tb)、プラセオジム(Pr)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、スカンジウム(Sc)、プロメチウム(Pm)、ホルミウム(Ho)、ルテチウム(Lu)等のイオン、
また、遷移金属のイオンとして、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、アンチモン(Sb)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニオビウム(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)等のイオンが例示される。さらに、III族の金属イオンとして、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等のイオンを用いることができる。
加えて、IV族の金属イオンとして、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)等のイオン、さらには、これら希土類金属のイオン、遷移金属のイオン、III族の金属イオン、およびIV族の金属イオンの中から、少なくとも1つのイオンを選択したもの、そして、その希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの含有量、言い換えれば、発光中心の含有量を、0.1mol%以上20mol%以下の範囲内としたもの、好ましくは、0.2mol%以上10mol%以下の範囲内としたもの、特に好ましくは、0.5mol%以上5mol%以下の範囲内としたものを用いることができる。
ここで、その含有量が、0.lmol%未満の場合、効率的な発光が得られず、20mol%を越えると母体結晶が乱れ、発光効率が低下する。
(2)少なくともAlO様構造、および、SiO様構造の四面体構造を有する複数の分子が、その四面体構造の頂点の原子を共有して結合することにより形成された母体結晶の空間に、アルカリ金属イオン、および、アルカリ土類金属イオンの少なくとも一方が挿入された基本構造を有し、その母体結晶は、さらに、非対称性のフレームワーク構造を有していて、その空間に挿入されたアルカリ金属イオン、および、アルカリ土類金属イオンの少なくとも一方の一部が、希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの少なくとも1種の金属イオンに置換されている応力発光材料であって、特に、少なくともAlO様構造およびSiO様構造の四面体構造を有する複数の分子によって形成された3次元構造(3次元フレーム構造)と、非対称性のフレキシブルなフレーム構造とを有する基本構造に、発光中心が挿入された構成を持つことで、この応力発光材料を含む、本発明の「偽造防止用紙G1」が、手で軽く変形させるだけで発光することができるものとなるもの。
この応力発光材料は、フレキシブルな3次元フレーム構造と、非対称性のフレキシブルなフレームワーク構造とを、同時に備えることで、3次元フレーム構造に加えて、「自発ひずみ」、または、「弾性異方性」を示す構造を有しており、このような母体結晶は、歪やすく、しかも、その歪エネルギーを、効率よく、フレームの中心にある発光中心の電子構造の変化へと変換しやすいものとなっている。
また、この母体結晶を、さらに、歪みやすくするために、母体結晶の空間に挿入されたアルカリ金属、または、アルカリ土類金属の一部が、他のイオン(例えば、希土類金属イオン、または、遷移金属イオン)で置換されていてもよい。
このときの置換するイオンは、母体結晶の結晶構造(非対称性のフレキシブルな3次元フレーム構造)を維持できれば、特に限定されるものではない。この置換するイオンには、例えば、その母体結晶に形成された空間に挿入されているアルカリ金属イオン、および、アルカリ土類金属イオンとはイオン半径の異なる、希土類金属イオン、または、遷移金属イオンが好適である。これにより、母体結晶を歪みやすくすることが可能となり、より強い発光を示す応力発光材料を提供できる。なお、ここでの希土類金属イオンまたは遷移金属イオンは、母体結晶を歪みやすくするためのものであって、後述する発光中心として機能しないものであってもよい。
この母体結晶として、アルミノケイ酸塩の組成を持つ長石(フェルドスパー)構造、とりわけ、アノーサイト様構造とする。このような基本構造は、例えば上記した一般式(1)〜(4)のいずれかで示されるアルミノケイ酸塩であることがより好ましい。
その発光中心としては、発光中心の希土類金属イオンとして、Euを用いることによって、好適に青色発光を示す発光体とすることができる。また、発光中心は、一種類に限定されるものではなく、複数種類の混合物を用いてもよい。例えば、EuとDyの混合物を用いることもできる。
より詳細には、特に強い青色発光を示す応力発光材料は、次の M1−x−yNxQyAl2Si28 ・・・(9)、及び、X1−x−yYxQyAl2−xSi2+xO8 ・・・(10)(ただし、式中のMおよびNはそれぞれ、2価の金属イオンであり、少なくとも1種類は、Ca,Sr,MgまたはMnであり、XおよびYは、1価の金属イオンであり、少なくとも1種類は、Li,Na,またはKであり、Qは希土類金属イオンもしくは遷移金属イオンであり、0≦X≦0.8、0.001≦y≦0.1を満たす数である。)で示される発光体であることが好ましい。
ただし、(9)式のように、アルカリ土類金属の場合、AlおよびSiは、それぞれ2のままで、式のXにより変化はしない。一方、(10)式のように、アルカリ金属の場合、電荷バランスをとるために、1価のアルカリ金属の数Xが増えた分、4価のSiの数が増え(2+X)に、また3価のAlが減り(2−X)となっている。
さらに、応力発光材料において、アルカリ土類金属として、Caを選択し、かつ、そのCaサイトの一部を、少なくとも一種類の発光中心で置換した応力発光材料がより好ましい。すなわち、Ca1−yQyAl2Si28・・・(11)(ただし、式中のQはEu、および、他の発光中心の少なくとも一種類、yは0.001≦y≦0.1を満たす数である。)とする。
なお、式(11)は、発光中心が、Euのみの場合、Ca1−m−nEumAl2Si28と表すこともできる。(ただし、式中のmおよびnは、0.001≦m≦0.1を満たす数である。)この場合、mは、0より大きく0.1以下の範囲であり、発光中心が、EUとその他の発光中心イオンの混合物である場合、混合物の発光中心としての含有量(m)は、0より大きく0.2以下の範囲であればよい。
このような応力発光材料は、青色の発光を、特に強く示すことができ、式(11)では、発光中心(Q)が、少なくともEuを含んでいることが好ましい。さらには、式(11)において、発光中心の希土類金属イオンとして、少なくともEuを含んでいることが好ましく、例えば、発光中心が、Euのみ、または、EuとDyの混合物であることがより好ましい。このように、発光中心として、Euを含んでいれば、青色発光を特に強く示す応力発光材料とすることができる。
(3)歪エネルギーにより発光する条件を満たしている応力発光材料、すなわち、歪エネルギーの形成によって、圧電効果、格子欠陥、および変形による発熱等の機構により発光する応力発光材料。
この応力発光材料を用いることで、この応力発光材料を含む、本発明の「偽造防止用紙G1」を、手で軽く変形させるだけで、発光させ得る。
この圧電効果による発光は、歪形成力が加えられることで、「材料」に歪エネルギーが生じ、その歪エネルギーに伴う圧電効果により電気が発生し、これにより、「電場発光」が起こるものである。
このために、結晶構造に対称中心が存在せず、自発分極が発生する構造とする。このような、圧電効果により強く発光する「材料」の一例として、α−SrAl24相の結晶材料を好適に用いることができる。
格子欠陥による発光は、材料に格子欠陥が存在すると、歪エネルギーにより格子欠陥にトラップされている電子と正孔(ホール)とが再結合することが可能となるため、これにより「発光」が生じるものである。
応力発光材料において、格子欠陥に由来する発光機構を実現するためには、その応力発光材料に含有される母体材料に、少なくとも1種、好ましくは、2種以上の金属イオンを、欠陥中心の中心イオンとして添加すればよいことになる。
このような応力発光材料では、後述するように、α−SrAl24相の結晶材料において、SrサイトやAlサイトを金属イオンが置換するように、各種「金属元素」を添加する。
発熱による発光は、歪形成により材料が変形すると、この変形に伴い熱が発生し、発熱(温度上昇)に伴い、サーモルミネセンス(熱発光)が生じ、「発光」するものである。ここでも、この母体材料として、α−SrAl24を挙げることができる。
(4)複数の結晶構造が混在(混和)してなる「混相」を含んでいる応力発光材料。すなわち、複数の結晶構造が混在してなる「混相」とすることにより、単独の結晶構造では実現出来なかった、目視できる高効率な(高輝度な)赤色応力発光が可能な発光材料とするもの。
その混相は、ウルツ鉱型構造の酸化亜鉛と、立方晶、または、ウルツ鉱型構造の硫化亜鉛と、立方晶の酸化マンガンとの結晶構造の中から、少なくとも、2種類以上の結晶構造を有する複合結晶体であることが好ましい。この構成により、酸化亜鉛、硫化亜鉛、および、酸化マンガンのうち、単独、あるいは、これらの2つからなるものでは実現出来なかった、赤色発光体とすることが可能になる。
すなわち、一般式、(xZnO+yZnS+zMnO)で表される混相とすることにより、赤色発光材料を実現することができる。
その混晶を構成する金属イオンの一部は、他の金属イオンに置換されたものであってもよい。この場合、混晶を構成している金属イオンとは別の他の金属イオンは、Teイオンであることが好ましい。これにより、の応力発光材料の赤色発光の強度を大きく向上させることが可能となる。(「高輝度赤色応力発光材料」となる。)
このTeイオンは、混晶を構成する金属イオン100molに対し、0.1mol以上5mol以下の範囲内となるようにすることが好ましい。
さらに、この応力発光材料は、その混晶が、正方晶構造のチタン酸バリウム、斜方晶構造のチタン酸カルシウム、菱面体晶構造のチタン酸マグネシウム、および、立方晶構造のチタン酸ストロンチウムの中から、少なくとも、2種類以上を含むものであってもよく、この場合、混晶を構成する金属イオンの一部が、他の金属イオンに置換されているものであってもよい。
また、この応力発光材料は、一般式(Ca1−xA′x)yBa1−yTiO3、(Mg1−xA′x)yBa1−yTiO3、及び、(Sr1−xA′x)yBa1−yTiO3(ここで、0.0001≦x≦0.05、0.005≦y≦0.995、A′は、Dy,La,Gd,Ce,Sm,Y,Nd,Tb,Pr,Erからなる群より選ばれる希土類元素。)からなるものであってもよい。
この構成により、応力や電場を加えることにより光を発する発光性と、圧電性とを兼ね備えた発光材料とすることができる。
また、A′として示している希土類元素としては、プラセオジム(Pr)が最も好ましく用いられる。さらに、強誘電性正方晶のBa1−xCaxTiO3:Pr固溶体(0<x<0.23)と、常誘電性の斜方晶のBayCa1−yTiO3:Pr固溶体(0.9<y<1)とからなる、「混相」であってもよい。
そのCaの比率が、40%以上80%以下の範囲内、あるいは、1%以上35%以下の範囲内であることが好ましい。また、そのCaの比率が、55%以上65%以下の範囲内、あるいは、25%以上35%以下の範囲内であることがより好ましい。
以上の応力発光材料は、機械的な外力、例えば、応力、せん断力、衝撃力、圧力等を加えることによって発光し、発光強度は、一般的に加える外力が大きいほど高くなる。
さらに、本発明の「偽造防止用紙G1」に用い得る「応力発光材料」として、
(5)母体結晶として、周期表2A、3A、4A、および、3B族に属する、少なくとも1種の金属の酸化物、または、複合酸化物、特には、MgO、SrO、CaO、ZrO2、CeO2、HfO2、Y23、Al23、Cr23、および、Ti23の中から選ばれた金属酸化物、または、その複合酸化物、中でも、スピネル構造、ホタル石構造、イットリア構造、コランダム構造、または、β‐アルミナ構造を有するもの、特には、ZrO2、CeO2、HfO2、Y23、Cr23、および、Ti23の中から選ばれた金属酸化物からなり、ホタル石構造、イットリア構造、および、コランダム構造の中から選ばれた結晶構造を有するものであって、
その発光中心を、不安定な3d、4d、5d、または、4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる希土類金属イオン、および、遷移金属イオン、特には、第一イオン化エネルギーが、8eV以下の希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた、少なくとも1種の金属イオン、特には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、および、Lu、特には、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、および、Dyの中から選ばれた希土類金属イオン、または、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、特には、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta、および、Wの中から選ばれた遷移金属イオンとするもの。
(6)母体結晶に、FeS2構造の酸化物、硫化物、炭化物、および、窒化物の1種類以上、特には、FeS2構造のSr3Al26、または、Ca3Al26を用いるものであって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
(7)母体結晶に、スピネル構造のMgAl24、および、CaAl24、コランダム構造のAl23、および、β‐アルミナ構造のSrMgAl1017の中から選ばれた、少なくとも、1種の金属酸化物、または、複合酸化物を用いるものであって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
(8)母体結晶に、Y、Ba、および、Mgの中から選ばれた、少なくとも1種の金属の酸化物と、Siの酸化物の複合体を、少なくとも主成分とする母体材料、特には、Y2SiO5、BaSi25、および、Ba3MgSi28の中から選ばれた、少なくとも1種の複合酸化物を用いるものであって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
特には、機械的エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る場合に発光する希土類、または、遷移金属の1種類以上からなる発光中心を添加したもの。
(9)母体結晶に、メリライト型構造のCaYAl37 、Ca2 Al2 SiO7 、Ca2(Mg,Fe)Si27 、Ca22 SiO7 、CaNaAlSi27 、Ca2 MgSi27 、(Ca,Na)2 (Al,Mg)(Si,Al)27 、および、Ca2 (Mg,Al)(Al,Si)SiO7 の酸化物のうちの1種類以上からなる母体材料を用いるものであって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
(10)母体結晶に、MN24で表される化合物(M、および、Nは、Mg,Sr,Ba,Znの群、および、Ga,Alの群からそれぞれ選ばれた、少なくとも1つ以上の金属元素)で構成される酸化物、且つ、Mで表わされ金属元素に対する発光中心元素のモル%を0.001〜20%としたものを用いるもの、特には、MgGa24、ZnGa24、ZnAl24、SnZn24、BaAl24、MgAl24で表される酸化物、さらには、母体材料が、スピネル構造を有する化合物で構成されるものにおいて、擬スピネルまたは逆スピネル構造を含む酸化物であって、その発光中心を、上記(5)と同様とするもの。
(11)MN24で表される化合物(MおよびNは、Mg,Sr,Ba,Znの群、および、Ga,Alの群からそれぞれ選ばれた、少なくとも1つ以上の金属元素)で構成される酸化物を母体材料とし、M、または、Nに対して、0.0001〜20モル%の格子欠陥を有するもの。
(12)母体結晶に、(A)一般式xM1O・yAl23・zSiO2(式中のM1はCa、Ba、または、Srであって、その一部がNa、K、および、Mgの中の少なくと一種で置き換えられていてもよく、x、y、および、zは1以上の数である)で示されるアルミノケイ酸塩、(B)一般式xM2O・yAl23(式中のM2は、Ca、または、Baであって、その一部が、Mg、および、Laの少なくとも一方に置き換えられていてもよい。x、および、yは、前記同様。)で示されるアルミン酸塩、(C)一般式xM3O・ySiO2(式中のM3は、Ca、または、Srであって、その一部が、Na、Mg、Zn、Be、Mn、Zr、Ce、および、Nbの中から選ばれた少なくとも一種で置き換えられていてもよい。x、および、yは前記同様。)、または、Ba2MgSiO7で示されるケイ酸塩、(D)一般式xM4O・yM5411(式中のM4は、Ca、Ba、または、Sr、M5は、Ta、および、Nbの中の少なくとも1種であり、x、および、yは前記と同じ意味をもつ)で示されるタンタル酸、または、ニオブ酸塩、(E)一般式xM5O・yGa23(式中のM5は、Ca、Ba、または、Srであって、その一部は、Laにより置き換えられていてもよい。x、および、yは前記同様。)で示されるガリウム酸塩、および、ZrO2の中から選ばれた、少なくとも一種の酸化物、特には、一般式xSrO ・y A l 23 ・z S i O 2( 式中のSrの一部が、N a 、K 、および、M g の中の少なくとも一種で置き換えられていてもよい。x 、y 、および、z は1 以上の数である。)、一般式xSrO・ySiO 2( 式中のSrの一部が、N a 、M g 、Z n 、B e 、M n 、Z r 、C e 、および、N b の中から選ばれた、少なくとも一種で置き換えられていてもよい。x 、および、y は上記同様。)、または、一般式 xSrO・yM4 O11( 式中のMは、Ta 、および、Nb の中の少なくとも一種であり、x、および、yは上記同様。)で表される組成をもつストロンチウム複合酸化物からなる母体材料、さらには、xSrO・yAl23・zSiO2として、(Sr,K2,N a2 ) Al4 Si1436、( Sr,Na ) ( Mg,Fe,Al,Ti) (Si,Al)26、(Sr,Na)2(Al,Mg,Fe)(Si,Al)27、Sr2 (Mg,Al)(Al,Si)SiO7、Sr2Al2SiO7、SrNa2Al4Si416などを挙げることができ、かっこ内の元素は互いに置き換えることができるもの。
また、xSrO・ySiO2として、Sr(Zn,Mn,Fe,Mg)Si26、Sr 2(Mg,Fe)Si27、Sr22SiO7、Sr2BeSi27、Sr2MgSi27、Sr2Na4CeFeNb2Si828、Sr3Si27、SrFeSi26、SrMgSi26など、もしくは、xSrO・yM4O11として、Sr(Ta,Nb)411であるもの、
特にに発光強度の大きいものは、Sr(Ta,Nb)411、Sr(Zn,Mn,Fe,Mg)Si26、Sr2(Mg,Al)(Al,Si)SiO7、Sr2Al2SiO7、Sr2MgSi27、Sr2Na4CeFeNb2828、および、SrMgSi26としたもの、さらには、SrGa1219、SrLaGa37であるもの。
そして、これらの酸化物が、結晶構造的には点群(簡約化表現の指標において、)1、-1、2、2/m、6/m、m3m、(−4)2m、622で表される結晶分類に属しているもので構成されるものにおいて、その発光中心を、不安定な3d、4d、5d、または、4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる希土類金属イオン、および、遷移金属イオン、特には、第一イオン化エネルギーが、8eV以下の希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた、少なくとも一種の金属イオン、特には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、および、Lu、特には、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、および、Dyの中から選ばれた希土類金属イオン、または、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、特には、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta、および、Wの中から選ばれた遷移金属イオンとするもの。
本発明の「偽造防止用紙G1」に用い得る「応力発光材料」として、
組成式、SrMgAl611、SrLaAl37、または、SrYAl37で示されるストロンチウム、および、アルミニウム含有複合金属酸化物を母体材料とし、ユーロピウムを発光中心としたもの。
(13)発光中心に、少なくとも、ユーロピウム(Eu)を含み、組成式( 1 )(Eu1−xA’x)yB’1−yAl24、または、組成式(2)(Eu1−xA’x)B’1−yMgAl1017{式中、A’は、希土類金属、B’は、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、または、カルシウム(Ca)のいずれかのアルカリ土類金属を示し、0 ≦ x ≦0.99 、0.001≦y≦0.550である}で表される発光体であるもの。
(14)母体結晶に、一般式xBaO・yAl23・zSiO2(式中のBaは、その一部が、Na、K、および、Mgの中の少なくとも一種で置き換えられていてもよく、x、y、および、zは1以上の数である)、xBaO・yAl23(式中のBaはその一部が、Mgで置き換えられていてもよく、x、および、yは前記同様。)、または、xBaO・ySiO2(式中のBaはその一部が、Mg、Fe、Mn、Zn、および、Beの中の少なくとも一種で置き換えられていてもよく、x、および、yは前記同様。)で表わされる組成をもつバリウムの複合酸化物の中から選ばれた、少なくとも一種の酸化物であって、
ここで、xBaO・yAl23・zSiO2で表わされるものとしては、例えば、Ba2(Mg,Al)(Al,Si)SiO7、Ba2Al2SiO7、BaAl2Si28、BaNaAlSi27
xBaO・yAl23で表わされるものとしては、例えば、BaAl813、BaMgAl611
xBaO・ySiO2で表わされるものとしては、例えば、Ba(Zn,Mn,Fe,Mg)Si26、Ba2(Mg,Fe)Si27、Ba2BeSi27、Ba2MgSi27、Ba2MgSiO7、などがあり、
特に発光強度の大きいものは、Ba2Al2SiO7、Ba2MgSi27、BaAl2Si28、BaAl813であるもの。
そして、これらの酸化物は、結晶構造的には点群(簡約化表現の指標において、) 1、-1、2、2/m、6/m、m3m、(−4)2m、622で表される結晶分類に属しているものを用い、その発光中心を、不安定な3d、4d、5d、または、4f電子殻を有し、この電子殻内で輻射転移を生起しうる希土類金属イオン、および、遷移金属イオン、特には、第一イオン化エネルギーが8eV以下の希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた少なくとも一種の金属イオン、特には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、および、Lu、特には、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、および、Dyの中から選ばれた希土類金属イオン、または、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、特には、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Ta、および、Wの中から選ばれた遷移金属イオンとするもの。
(14)(Ca1−pPrp)qBa1−qTiO3(0.0001≦p≦0.05,0.005≦q≦0.995)からなる発光材料、さらに、正方晶構造のチタン酸バリウムの結晶相および斜方晶構造のチタン酸カルシウムの結晶相が混在してなる混相を含み、その混相を構成する金属イオンの一部が、Prイオンに置換されている発光材料、特に、サイズの異なる複数の結晶相を有し、チタン酸バリウムの結晶相は大きい粒子サイズであり、チタン酸カルシウムの結晶相は小さい粒子サイズで構成されているとともに、小さい粒子サイズの結晶相は大きい粒子サイズの結晶相の粒子間に均一に分散している発光材料、また、強誘電性正方晶のBa1−xCaxTiO3:Pr固溶体(0<x<0.25)と、常誘電性の斜方晶のBa1−yCayTiO3:Pr固溶体(0.9<y<1)とからなる混相である発光材料、及び、[(1−x)BaTiO3−xCaTiO3]:Pr (xが、0.01≦x≦0.9)、特には、(xが、0.4≦x≦0.8)、もしくは、(xが、0.01≦x≦0.35)の発光材料を用いることができる。
もしくは、以上の発光材料が、赤色発光を示す発光材料であるもの、及び、発光強度がその発光材料に負荷する機械的な外力の大きさに比例するものである、発光材料を用いることができる。
(15)少なくともAlO4様構造、および、SiO4様構造の四面体構造を有する複数の分子が、その四面体構造の頂点の原子を共有して結合することにより形成された母体構造の空間に、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンの少なくとも一方が挿入された基本構造を有し、母体構造は、さらに、非対称性のフレームワーク構造を有しており、 その空間に挿入されたアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンの少なくとも、一方の一部が、希土類金属イオンおよび遷移金属イオンの少なくとも一種の金属イオンに置換されていて、且つ、その基本構造は、MxN1−xAl2Si28(ただし、式中MおよびNは、2価の金属イオンであり、少なくとも一種類は、Ca,Sr,Ba,Mg,またはMnであり、0≦x≦0.8である。)で示され、Ca0.985Eu0.01Dy0.005Al2Si28、Ca0.995Dy0.005Al2Si28、Ca0.97Eu0.01Nd0.02Al2Si28、Ca0.93Eu0.02Dy0.05Al2Si28、Sr0.97Eu0.01Dy0.02Al2Si28、Ba0.97Eu0.01Dy0.02Al2Si28、Ca0.8Sr0.17Eu0.01Ho0.02Al2Si28、Sr0.17Ba0.80Eu0.01Ho0.02Al2Si28、Sr0.17Ba0.80Eu0.01Dy0.02Al2Si28、Mg0.2Sr0.77Eu0.01Dy0.02Al2Si28、または、Ba0.2Sr0.77Eu0.01Dy0.02Al2Si28で示される組成を有する応力発光材料。
(16)一般式CaM1Al37で表される正方相構造の酸化物(M1は、Y、La、または、Gdを表す。)と、Eu2+とを含み、その酸化物の原料から形成される不純物相をさらに含んでいる応力発光材料、特には、そのM1で表される原子が欠損している格子欠陥構造である酸化物の結晶をさらに含む応力発光材料。
そして、Eu2+を、その酸化物100モルに対し、0.01モル〜20モル含む、さらには、不純物相を形成する物質が、その酸化物100モルに対し0.1モル〜80モルである応力発光材料。特には、その酸化物がCaYAl37であり、その不純物相は、Y23、Y3Al512、もしくは、Y4Al29の少なくとも1つを含む、応力発光材料。
(17)母体結晶に、金属酸化物、金属窒化物、および、金属硫化物からなる群より選択される、少なくとも1つの化合物を含み、特には、その金属酸化物が、アルミン酸、および、アルミノケイ酸からなる群より選択される、少なくとも1つの化合物を用い、その発光中心を、遷移金属(ただし希土類金属を除く)、Si、および、Snのうち、少なくとも一つの元素をさらに含み、その元素の少なくとも一部が、母体材料に非固溶状態で含有されてなり、さらには、その元素が、粒子状で、且つ、母体材料(母体結晶)の表面に存在して、その元素の含有量が、0.1〜90モル%、特には、10〜90モル%、もしくは、0.1〜10モル%であって、その元素が、Zr、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Hf、Nb、Mo、Ta、および、Wからなる群より選択される少なくとも1つの金属としたもの。
(18)(ZnO)0.6(MnS)0.4−x(MnTe)x(0.001≦x≦0.05)、特には、ウルツ鉱型構造の酸化亜鉛の結晶相、立方晶、または、ウルツ鉱型構造の硫化亜鉛の結晶相、および、立方晶の酸化マンガンの結晶相の中から選択される少なくとも2種類以上の結晶相が混在してなる混相を含み、その混相を構成する金属イオンの一部が、Teイオンに置換されている応力発光材料。さらには、サイズの異なる複数の結晶相を有し、酸化マンガンの結晶相は大きい粒子サイズであり、硫化亜鉛の結晶相、および、酸化亜鉛の結晶相は、小さい粒子サイズで構成されているとともに、小さい粒子サイズの結晶相は、大きい粒子サイズの結晶相の粒子間に均一に分散していて、中でも、赤色発光を示し、且つ、発光強度が負荷さ有れる機械的な外力の大きさに比例する、応力発光材料。
(19)単斜晶のLiSrPO4:Eu2+を含有する応力発光材料。特には、六方晶のLiSrPO4:Eu2+を更に含有する発光体、単斜晶のLiSrPO4:Eu2+からなる発光体、または、斜方晶のLiBaPO4からなる母体構造に形成された空間に、発光中心としてユウロピウム(Eu)のイオンが挿入されたLiBaPO4:Eu2+であって、その発光中心の含有量が2.0〜3.5モル%であるLiBaPO4:Eu2+からなる発光体。
さらに、高輝度な発光を可能とする「応力発光材料」(以下、「高輝度応力発光材料」とも称す。)として、以下のものを用いることが好適である。
(20)アルカリ土類金属酸化物とアルミニウム酸化物とから構成され、かつこの中のアルカリ土類金属イオンの組成比を欠損させたアルカリ土類金属欠損型であって、式MxAl23+x、MxQAl1016+x、Mx1Qx2Al23+x1+x2、または、Mx1Qx2LAl10O16+x1+x2[式中のM、Q、および、Lは、それぞれMg、Ca、Sr、または、Baであり、xは0.8≦x≦0.99、x1、および、x2は0.8≦(x1+x2)≦0.99を満たす数である]で表わされる化合物を主成分とする非化学量論的組成を有するアルミン酸塩の少なくとも一種からなり、かつ機械的エネルギーによって励起されたキャリアーが基底状態に戻る際に発光する格子欠陥をもつ物質、または、この母体物質中に希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた少なくとも一種の金属イオンを発光中心の中心イオンとして含む物質からなる高輝度応力発光材料。特には、格子欠陥をもつアルミン酸塩からなる物質が、化学量論的組成比から、アルカリ土類金属イオンが1〜20モル%少なく、かつこの物質中に、希土類金属イオン、および、遷移金属イオンの中から選ばれた少なくとも一種の金属イオン0.01〜10モル%を、発光中心の中心イオンとして含む高輝度応力発光材料。
(21)一般式xM1Al・(1−x)M2A2(式中のM1、および、M2は、Zn、Mn、Cd、Cu、Eu、Fe、Co、Ni、Mg、および、Caの中から選ばれる少なくとも一種の原子であり、A1、および、A2は、カルコーゲンの中から選ばれる少なくとも一種の原子であって、M1A1とM2A2とは異なったものであり、xは、0よりも大きく1よりも小さい数である。)で表わされる複合半導体結晶、特には、その複合半導体結晶が、ウルツ鉱型構造とせん亜鉛鉱型構造との共存構造を有する高輝度応力発光材料。
さらには、そのM1がMn、または、Euであり、A1とA2が同一のカルコーゲンであって、または、そのM2がZnとCd、もしくは、ZnとCuで構成されている高輝度応力発光材料、中でも、一般式xMA・(1−x)MnA(式中のMは、Zn、または、Cuにより部分的に置き換えられたZn、Aはカルコーゲン、xは、0よりも大きく1よりも小さい数である。)で表わされ、結晶粒子径が20nm以下の複合半導体結晶からなる高輝度応力発光材料。特には、AがS、または、Teである高輝度応力発光材料。
(22)結晶構造が単斜晶である第1のアルミン酸塩を含有している応力発光材料であって、第1のアルミン酸塩の母体材料が、α−SrAl24 であり、3種類以上の金属イオンが欠陥中心の中心イオンとしてその母体材料に添加されており、添加された中心イオンが、少なくともα−SrAl24のSrサイトを置換しており、中心イオンとしては、Srよりもイオン径が小さいものおよび大きいものの両方が添加されており、Srよりもイオン径が小さい金属イオンが、Euである高輝度応力発光材料、特には、結晶構造が単結晶ではない第2のアルミン酸塩を含有せず、中心イオンの添加により、母体材料の自発分極性を有する結晶構造中に、格子欠陥が形成され、さらには、結晶構造中にトンネル構造を有していて、そのトンネル中に配置する元素がイオン結合で配置されている高輝度応力発光材料、さらに、Srよりもイオン径が小さい金属イオンとして、Mg、Na、Zn、Cu、Eu、Tm、Ho、Dy、Sn、Mn、Nd、Pr、Caからなる群より選択される少なくとも一種が用いられ、Srよりもイオン径が大きい金属イオンとして、Ba、および/または、Kが用いられる高輝度応力発光材料、および、α−SrAl24のSrサイトを置換している金属イオンは、Srを基準として、0.1〜40モル%で添加されていること、全金属イオンの添加量が化学量論よりも少ないこと、中心イオンが、α−SrAl24 のAlサイトを置換していること、中心イオンとして添加される金属イオンが、Alよりもイオン径が小さいものであって、Si、Bが用いられること、中心イオンとして添加される金属イオンが、Alよりもイオン径が大きいものであって、Ga、Inが用いられること、 中心イオンとして添加され、α−SrAl24 のAlサイトを置換している金属イオンは、Alを基準として0.1〜20モル%で添加されること、中心イオンとして添加される金属イオンとして、価数の異なる金属イオンを少なくとも2種以上添加すること、材料の歪エネルギー密度に比例して発光することなどをその特徴として持つ、高輝度応力発光材料。
また、紫外線領域(光の波長として200nm〜400nm)の発光を可能とする「応力発光材料」として、以下のものを用いることもできる。
(23)MN(PO34(式中、Mは1価の金属イオンであり、Nは3価の金属イオンである。)で表される構造を母体構造とし、上記のMまたはNの一部が、希土類イオンまたはIII族金属イオンの少なくとも一方によって置換されている応力発光材料。
特には、Na1−xQxLa(PO)4(式中、QはCeイオン、またはTlイオンであり、0.01≦x≦0.2)である応力発光材料。
(24)多面体構造の複数の分子によって形成される母体構造の空間に、アルカリ土類金属イオンが挿入された基本構造を有し、その空間に挿入された、アルカリ土類金属イオンの一部が、Ceイオンによって置換されている応力発光材料であって、その基本構造が、自発歪を有し、その多面体構造の分子が、四面体構造の、AlO4、およびSiO4のうちの少なくとも1つを含んでおり、その基本構造が、一般式 MxN1−xAl2Si28 で示され(ただし、式中、MおよびNは、2価の金属イオンであって、少なくとも1つは、CaまたはSrであり、0≦xである。)、その応力発光材料は、Ca0.2Sr0.77Ce0.005Dy0.02Al2Si28、Ca0.2Sr0.79Ce0.005Tb0.005Al2Si28、Ca0.995Ce0.005Al2Si28Ca0.97Ce0.03Al2Si28、Ca0.2Sr0.77Ce0.03Al2Si28、または、Ca0.8Sr0.17Ce0.03Al2Si28で示される組成を有する応力発光材料。
(25)一般式MN(PO34(式中、Mは、Naイオンであり、Nは、Laイオンである。)で表される構造を母体構造とし、そのMの一部が、希土類イオン、または、III族金属イオンの少なくとも一方によって置換されており、そのMの一部と置換される希土類イオンは、Eu、Dy、Ce、およびTbからなる群より選択される希土類のイオンであり、そのMの一部と置換されるIII族金属イオンは、Tlイオンである応力発光材料。
本発明の「偽造防止用紙G1」に用いられる「応力発光材料」は、上記した組成に対応した材料を準備し、すなわち、各々の母体結晶用材料に対して、対応する発光中心となる元素を含む酸化物等を、その金属原子換算における所定の割合で、混合し、(一般的には、母体結晶用材料100molに対して、0.1〜100molの範囲の所定の値とする。)、窒素ガス等の不活性雰囲気中で、900〜1100℃の範囲の温度まで徐々に昇温させたのち、水素含有アルゴンガス等の還元雰囲気中、1200〜1500℃の範囲の温度で焼成することで、得ることができる。
ここで、本発明の「偽造防止用紙G1」の「応力発光材料層A0〜A3」に用いられる「応力発光材料」を、所定の形状とするためには、あらかじめ、所望の形を有する「成形型(上記の高温において、比較的変形の少ないセラミクス材料からなるものを選定する。)」に、上記材料を入れ、所定の焼成をした後、その「成形型」から取り出す手法を用いることができる。
但し、「応力発光材料」の表面を滑らかにするために、敢えて、溶融温度の高い金属材料(セラミクス材料よりも、金属材料の方が、表面平滑性が高く、「焼成」後には、それらの表面が、「応力発光材料」の表面、さらには、「応力発光材料層A0〜A2」の表面になるという意味。)をその成形型として用いてもよい。
また、上記した高温においては、完全に焼失して、焼成物への付着も少ない、セルロース系樹脂材料や、アセチルセルロース系樹脂材料等の樹脂材料を用いて、十分な耐熱性を持つ平坦な「セラミクス板」上に、適宜な厚さで樹脂塗膜を形成し、且つ、その際、その樹脂塗膜の表面に、所望の形状(「応力発光材料」とする形状)に対応する凹部(微細な凹部となる。)を設けて、その凹部に、上記のごとく準備した材料を入れて、上記と同様に焼成し、樹脂塗膜を焼失させると同時に、その「セラミクス板」上に、所望の形状を持つ「応力発光材料」さらには、「応力発光材料層A0〜A2」を残す方法を採用することも好適である。
「応力発光材料層A0〜A3」に含まれる「応力発光材料」は、上記した組成に対応した材料を準備し、すなわち、各々の母体結晶用材料となる元素、及び、その母体結晶用材料に対して、対応する発光中心となる元素を含む、酸化物、硝酸塩、塩酸塩等を、その金属原子換算における所定の割合で、混合して(母体結晶用材料100molに対して、発光中心材料を、0.1〜100molの範囲の所定の値に設定する。)、「焼成前の『応力発光材料』用組成物」とし、あらかじめ準備した「応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状」を持つ「空洞」を設けてある「焼成用型」の「空洞」内に、充填し、真空状態で、もしくは、窒素ガス、アルゴンガスや、二酸化炭素等の不活性ガス雰囲気中で、900〜1100℃の範囲の温度まで徐々に昇温させたのち(このときの、いわゆる『昇温曲線』は、個々の『応力発光材料』用組成物に対応してそれぞれ設定する。)、水素含有アルゴンガス等の「還元雰囲気」中にて、1200〜1500℃の範囲の温度まで上昇させて「焼成(酸素供給を制限した還元焼成である。)」、及び/または、燒結(『焼成』後の引き締めとも呼ばれる。)後、自然冷却させ、及び/または、所定の強制冷却を施し(このときの、いわゆる『冷却曲線』は、個々の『応力発光材料』用組成物、もしくは、『応力発光材料』に対応してそれぞれ設定する。)、常温付近まで近づいたところで、その「焼成用型」から、その「焼成した目的物(所望の『形状』をした『応力発光材料』。)」を取り出し、(これが、『焼成』手順である。)、さらには、得られた「応力発光材料」の「平板状、または、塊状」のものを、所定の粉砕手段等により「微粒子化」して、得ることができる。
その「空洞」の形状が、「応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状」そのものとなっているか、もしくは、「焼成」や「燒結」による「形状変化(主に、収縮。)」を想定して設けた形状となっている。
より具体的には、この「空洞」の中に、上記した「所定の焼成」によって、「応力発光材料層A0〜A3」に含まれる『応力発光材料』となる、「『所定の酸化物等』を所定の溶剤(水系溶媒を含む。)で希釈し流動性を持たせた、焼成前の『応力発光材料』用組成物」として、所定の圧力で流し込み、その「酸化物等」が、「所定の焼成環境」の中で、「焼成温度」まで昇温されて、その溶剤成分(水成分)や、有機材料成分を放出したり、低融点成分が軟化したりすることによる、それらの組成変化や、構造変化を経て、「応力発光材料層A0〜A3」に含まれる「応力発光材料」となる。
そして、この「所定の酸化物等」には、目的とする「応力発光材料」の結晶母体、発光中心、その他の添加物に現われる「主元素の単体や複合体」の水酸化物、水和物、無水化合物、酸化物、複合酸化物、硝酸塩、塩酸塩、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩等、さらには、その「主元素に有機材料をキレート化結合したもの(有機金属化合物など。)」、既に「応力発光材料」としたものの微粉末や、紛体、それらに、各種の粘結助剤(オレフィン系樹脂、特には、プロピレン系共重合体や、スチレン系エラストマーを混合した焼成用粘結助剤、メタクリル酸エステル系焼成用粘結助剤、セルロース系樹脂、特には、メチルセルロースにケイ酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどを加えた焼成用粘結助剤)を加えたもの、さらには、低融点セラミックス(軟化点が、200〜700度のセラミックス。ガラスフリットとも呼ばれる。)などを加えたもの、及び、プロピレン系の焼成用成形助剤などを加えたものが用いられる。
また、上記した「焼成」や「燒結」には、電気炉(マッフル炉)やガス炉を用いることができる。この電気炉には、その構造や原理から、抵抗加熱炉、誘導加熱炉、アーク加熱炉など、発熱体として、金属発熱体、炭化ケイ素、モリブデン、ランタンクロマイト、カーボングラファイトを用いるものなど、大気炉(酸化雰囲気炉)、ガス雰囲気炉、真空ガス置換炉、低真空炉、高真空炉など、さらには、箱型炉、管状炉、連続炉、目的物を回転させながら焼成するロータリーキルンなどがある。
ここで、「応力発光材料」を、所定の形状とするためには、上述した種々の手段を用いて、あらかじめ、所望の形を有する「成形型(上記の高温において、比較的変形の少ないセラミックス材料からなるものを選定する。)」に、上記材料を入れ、所定の焼成をした後、その「成形型」から取り出す手法を用いることができる。
但し、「応力発光材料」の形状を鋭利に、且つ、その表面を滑らかにするために、敢えて、溶融温度の高い金属材料(セラミックス材料よりも、金属材料の方が、表面平滑性が高く、「焼成」後には、それらの表面が、「応力発光材料」の表面になるという意味。)をその成形型として用いてもよい。
また、上記した高温においては、完全に焼失して、焼成物への煤などの付着も少ない、セルロース系樹脂材料や、アセチルセルロース系樹脂材料等の樹脂材料を用いて、十分な耐熱性を持つ平坦な「セラミックス板」上に、適宜な厚さで樹脂塗膜を形成し、且つ、その際、その樹脂塗膜の表面に、所望の形状(「応力発光材料」とする形状)に対応する凹部(微細な凹部となる。)を設けて、その凹部に、上記のごとく準備した材料を入れて、上記と同様に焼成し、樹脂塗膜を焼失させると同時に、その「セラミックス板」上に、所望の形状を持つ「応力発光材料」を残す方法を採用することも好適である。
また、「応力発光材料層A0〜A3」に含まれる「応力発光材料」である、「微粒子P1」は、そもそも、「応力発光材料」用組成物を、所定の条件にて焼成して、厚さ10μm〜3.0mmの「平板状(シート状の板という意味。)」や、粉砕を目的として立体状とした、例えば、最大長0.5mm〜100mmのタブレット状、ペレット状、円柱状、直方体、立方体などの「塊状」などとした「応力発光材料」を、所定の粉砕手段を用いて、粉砕して微粒子化し、その微粒子を所定の分級手段等を用いて、選別して、「応力発光材料層A0〜A3」に含まれる「応力発光材料」である、「微粒子P1」としたもの、もしくは、その「単に微粒子化した段階の微粒子」を、下記する「『所定の透明な樹脂J2』に用いられる樹脂から選定した『透明樹脂』」に分散してペレット状などとしたものを、再び、粉砕し、そして、分級して「微粒子化」し、「微粒子P1」としたものの何れかであって、さらに、それらの処理中、微粒子間の衝突を抑制して処理すると、それらの「微粒子P1」の形状そのものが、複雑な形状を成し、さらに、その「微粒子P1」の表面も非常にランダムな凹凸形状を維持したものとすることができる。
ここで、「『所定の透明な樹脂J2』に用いられる樹脂から選定した『透明樹脂』」とは、『所定の透明な樹脂J2』と同様の透明性を有する『樹脂』をいい、特には、その『透明樹脂』の体積弾性率を、その微粒子の体積弾性率より大きいものとして、その樹脂に負荷された『変形』がそのまま『微粒子』に伝わるように配慮したものが、好適。その「透明樹脂」と「応力発光材料」の組成比は、10/1〜1/10とする。
そして、粉砕手段としての粉砕機には、ボールミル、ロッドミル、自生粉砕ミル、SAG(準自生粉砕)ミル、高圧粉砕ロール、縦軸インパクタ(VSI)ミルなどを用いる。
また、一旦、「応力発光材料」を、「微粒子化」、さらには、「超微粒子化(平均粒径が、0.01〜1.0μm、特には、0.01〜0.1μmである『微粒子』を『超微粒子』と称する。これより大きいものが『微粒子』である。)したものを、造粒機等の「造粒」手段を用いて、「『超微粒子』間結合を強固にした2次凝集物」としたものを、「微粒子P1」としてもよい。
そのような粉砕手段で「微粒子化」した「応力発光材料」(『応力発光材料』で100%組成されているもの、複数の応力発光材料から成る『応力発光材料の複合体』、及び、『応力発光材料と透明な樹脂J2』で組成されたものを含む。)を、分級手段を用いて、選別し、または、さらに、造粒手段を用いて造粒した後、分級手段を用いて選別し、最大直径で、0.1μm〜50μm、好適には、5.0μm〜20μmの「微粒子P1」とし、もしくは、平均粒径D50で、0.05μm〜20μm、好適には、0.5μm〜10μmの「微粒子P1」とする。
この「応力発光材料」からなる「微粒子P1」を、 上記した「透明な樹脂J2」に分散して、「応力発光材料層A3」とする。(図8参照。)
その「透明な樹脂J2」には、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いる。
その熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)等、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、もしくはポリスチレン樹脂(n=1.60)等を、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アクリルウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、フェノール樹脂(n=1.60)、シリコン樹脂(n=1.41〜1.60)、もしくは、フッ素化樹脂(n=1.35〜1.38)等を用いる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用でき、さらに、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
また、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコン樹脂やフッ素含有樹脂、さらには、シリコンオイルを混合したもの、または、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂とシリコン樹脂やフッ素含有樹脂を共重合させたものや、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂の分子内にシロキサン結合〔―Si(R1)(R2)−O―〕やフッ素原子〔−F〕を導入したものを用いることができる。
さらには、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコンパウダー微粒子やフッ素パウダー微粒子を分散させたものを用いることもできる。
フッ素化樹脂には、完全フッ素化樹脂として、四フッ素化樹脂、部分フッ素化樹脂として、三フッ素化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ素化樹脂共重合体として、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂。四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体などを用いることができる。
さらに、「透明な樹脂J2」の屈折率と、「微粒子P1」の屈折率(『微粒子P1』の屈折率nは、1.7〜2.5である。)の「屈折率差」を、0.3以下、さらには、0.1以下とする。
こうすることで、その「透明な樹脂J2」と「微粒子P1」の「界面」における反射率が小さくなり、「微粒子P1」の「発光」した「光」を効率よく観察者へ伝えることができる。
特には、「透明な樹脂J2」の屈折率と、「微粒子P1」の中に含まれる「透明樹脂」の屈折率の「屈折率差」を、0.1以下、さらには、0.03以下とする。
このことによって、それらの「樹脂」の界面での界面反射率をほぼ「0」とすることができ、「微粒子P1」の「発光」した「光」をさらに、効率よく観察者へ伝えることができる。
そして、「透明な樹脂J2」と「微粒子P1」との含有比率は、5/95〜100/5、特には、5/30〜100/30とする。
この混合比率が、5/95より小さいものとすると、「応力発光材料層A3」の強靭性が低下し、偽造防止目的の用途においては、信頼性に欠けるものとなり、100/5を超えるものとすると、発光強度が不十分となる。
さらに、この「『透明な樹脂J2』と『微粒子P1』の混合物」に対する溶剤の割合は、上記したコーティング等の各種方式によって個々適性範囲があるが、総じて、100/5〜1/20とする。
そして、「微粒子P1」を「透明な樹脂J2」中に「分散」するため、その「透明な樹脂J2」を、溶剤類、例えば、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、t−ブチルセルソルブ等。)、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)等に溶解した溶液中、または、その「透明な樹脂J2」に「水溶性樹脂(水系樹脂)」を用いた場合には、「水」、及び/または、メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコール等の「低級アルコール」、グリコール類、セルソルブ類などに溶解した溶液中に、「微粒子P1」を混入させ、デゾルバ、ミキサーなどの撹拌機や、ニーダー、ロールミル等の混練機などを用いて、「透明な樹脂J2」中に「微粒子P1」を均一に含ませた後、その混合溶液を、グラビアコーティング方式、カーテンコーティング方式、ブレードコーティング方式、ロールコーティング方式、スピンコーティング方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式、キャスティング方式、ダイコーティング方式などを用いて、樹脂フィルム等の「適宜な基材」上に、所定の厚さで設け、所定の条件にて、乾燥(自然乾燥、40度〜80度の接触加熱乾燥、40度〜200度の熱風乾燥、真空乾燥など。紫外線照射や、電子線照射による硬化反応を利用する乾燥等を単独で用いても、併用してもよい。)して、その「適宜な基材」から剥離して、所定の厚さの「応力発光材料層A3」を得る。(図8参照。『適宜な基材』や製造方法は図示していない。)
ここで、応力発光材料の耐水性を向上するため、「応力発光材料」、または、「応力発光材料層A0〜A3」に表面処理を施すことも好適である。
この表面処理は、適宜な量の表面処理剤を、適宜な有機溶媒(有機溶剤)に、常温、または、加温して溶解させ、その溶解液に、目的に応じた適宜な量の、上記した応力発光材料を添加し、デゾルバーやミキサー等の適宜な撹拌装置を用いて、適宜な時間、撹拌した後、適宜な条件下で乾燥させることにより得られる。
このとき、応力発光材料の「形状」を壊さず、維持するように条件設定することは言うまでもない。
また、耐水性をさらに向上させる目的で、上記した溶解液に、同時に、応力発光材料に対する「被膜」形成用の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を適宜な量、混入させることも好適である。
この「被膜」の厚さは、0.1μm〜10μmとなるように設定する。
熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレート等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロース・アセテートプロピオネート等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル等、アクリルアミド樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、もしくは、フッ素化樹脂等が挙げられる。
表面処理剤としては、代表的には、シリル化剤、もしくは、シランカップリング剤を用いる。そのシリル化剤、もしくは、シランカップリング剤としては、
ビニル基を有する、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等、エポキシ基を有する、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等、スチリル基を有する、P−スチリルトリメトキシシラン等、アクリル基を有する、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等、メタクリル基を有する、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等、イソシアネート基を有する、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等、さらには、トリメチルシリルクルロライド、ヘキサメチルジシラザン、BSTFA(N、O―ビスートリメチルシリルートリフルオロアセトアミド)、トリエチルシリルクロライド、クロロメチルトリメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、ヘキサメチルジシラン、N、N´−ビストリメチルシリル尿素などを用いることができる。
その表面処理に用いる有機溶媒(有機溶剤)には、エチルアルコール、プロピルアルコール、または、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、または、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、または、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、または、ブチルセルソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、または、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン、オキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、または、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等を好適に用いることができるが、より好ましくは、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤を用いる。
このとき、有機溶媒の水分含有量を調節することが、さらに好ましく、その水分含有量は、0.5%未満とする。水分含有量が0.5% 以上の場合には、溶液中の水分で応力発光材料の発光特性が低下する。
また、本発明の応力発光材料の耐水性を向上させるため、「金属アルコキシド(アルコールに金属を反応させたもの。)」を用いて、応力発光材料の表面被覆処理を行うこともできる。
その「金属アルコキシド」を構成する金属元素としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、および、ケイ素(ここでは、「半金属元素」である、「ケイ素」も含める。)を用いることができ、アルコキシドの種類としては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、オキシイソプロポキシド、ブトキシド等を用いることができる。また、テトラエトキシシラン、または、テトラメトキシシランを部分的に加水分解、および、縮合することにより得られるエチルシリケート、および、メチルシリケートを用いることができる。
特には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエチルシリケート、テトラメチルシリケート、アルミニウムトリイソプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド等が好ましい。
この金属アルコキシドの添加量は、応力発光材料の比表面積によって異なるが、応力発光材料に対して、金属アルコキシドの各元素換算の合計で、0.5〜20%とする。
この応力発光材料と金属アルコキシドを混合するための装置としては、種々のブレード(回転羽)を用いた各種デゾルバー、ヘンシェルミキサー、スピードミキサー、ボールカッター、パワーミキサー、ハイブリッドミキサー等の撹拌機、各種ボールミル、及び、コーンブレンダー等の混練機を用いることができる。さらに、得られた表面被覆済みの応力発光材料を、常温乾燥機中で、数時間〜数日間、風乾した後、60℃〜200℃で、1時間〜24時間乾燥する。
さらには、化学的気相成長法(CVD法) により応力発光材料の表面にアルミナ被膜、もしくは、二酸化チタン被膜等をコーティングする方法、140℃以下の温度で気相加水分解反応により、応力発光材料の表面を、「酸化物被膜」でコーティングする方法、ゾル−ゲル反応、もしくは、中和反応により、応力発光材料の表面に、金属酸化物、もしくは、金属水酸化物からなる「保護膜」を形成させる方法、100〜200℃に加熱された応力発光材料の流動層(気体中に微細な粉体が浮遊しつつ移動している状態。)に、金属アルコキシドオリゴマー、金属アルコキシドの有機溶媒溶液、もしくは、金属アルコキシドそのものを噴霧して、応力発光材料の表面に金属酸化物被膜(保護膜)を形成する方法、応力発光材料をプラズマ状態の反応性ガスに曝し、応力発光材料の表面に酸化物被膜を付着させる方法等も用い得る。
もちろん、そのような「微粒子P1」を、「透明な樹脂J2」に分散させたものを、適宜な「成形型」を用いて、所望の形状に成形することもできる。
いずれの場合も、「透明な樹脂J2」中に含まれる「微粒子P1」の発光が、それを包んでいる「透明な樹脂J2」中を通過して、広がって、観察者の目に届くこととなり、「発光面積(発光点の占める面積)」を大きくすることを可能とするため、好適である。
また、「応力発光材料層A0〜A3」において、その「応力発光材料層A0〜A3」に、外力負荷を負荷して生じた、「応力発光材料層A0〜A3」の変形により、その「応力発光材料層A0〜A3」に含まれる応力発光材料のその部位S1に変形応力が集中し、同時に、その部位S1からその変形応力に応じた発光強度を有する、視認可能な、所定波長の光が発光したとき、その所定波長の光が、「所定のパターンを表示」するように、「その部位S1」を設定する。
「応力発光材料層A0〜A3」への「外力負荷」により、一つ一つの「その部位S1」から発した「所定波長の光」そのもの、もしくは、その「光」の集まりが、それぞれ「発光点」、「発光領域」や「発光パターン」を出現させ、その「所定のパターン」、すなわち、それらの「『発光点』や『発光領域』の集合体」、さらには、「『発光パターン』の集合体」として現われ、これによって「所定の情報」を認識させる。
これは、その「所定波長の光」が、「所定のパターン」を「表示」するように、「その部位S1を設定する」ことであって、その外力負荷を与えた、各時点における、それぞれ異なる「所定のパターン」を出現させるため、それぞれの時点における、「『応力発光材料層A0〜A3』に対する、それぞれの『外力負荷』」に対応して、発生する各部位S1を、あらかじめ所定の位置に配置(配列)しておく。
すなわち、個々の『外力負荷』」で、所定の位置(配置)の各部位S1が、所定の強度で発光し、その集合体である「光のパターン」によって、所定の「情報」を「表示」することであり、さらに、そのような個々の『外力負荷』」に対して、所望の部位S1が発生するように、「応力発光材料」の形状を、「応力発光材料の所定の部位S1における応力集中係数αが2以上となる、その部位S1を有する形状」とする。
もしくは、そのような個々の『外力負荷』」に対して、所望の部位S1が発生するように、「応力発光材料」の形状を、「応力発光材料層A1、または、A2」の形状とし、且つ、その応力発光材料の表面に、その部位S1として、所定の形状の切欠け部K1、及び/または凹部を有する形状」とする、または、そのような個々の『外力負荷』」に対して、所望の部位S1が発生するように、「応力発光材料」の形状を、その「微粒子P1」の形状とし、応力集中係数αが2以上となる部位S1を有する形状」とした上で、その「応力発光材料」を組成とする「微粒子P1」を、「所定の透明な樹脂J2」に分散してなる「応力発光材料層A3」とする。
ここで、「所定の情報」とは、所定のサイズの文字、図形や、記号、特には、真正性判定用の何らかの「メッセージ(「真正」の文字など。)」を所定のサイズとしたものなどを「表現する」ように「並べたもの(例えば、所定の『文字』を、飛び飛びの『ドット(網点)』で表したものなど。)」であって、その「情報」としての文字、図形、記号、その他の、少なくとも目視認識可能な、あらゆる「情報」を用いることができるものであり、「その『所定の情報』を知り得る正当な権利者にのみ開示されるべき情報」とすることも好適である。
もちろん、その「所定の情報」と、「応力発光材料層A0〜A3」が担持する別の「情報」との単なる組み合わせや、それらの「情報」を各種の情報合成手段等により合成して、「正当な権利者に開示される情報が形成される」ものとしてもよい。
さらに、「所定の情報」として、暗証番号、個人認証番号、口座番号、その他の個人特有の番号または記号や、抽選番号または記号、管理番号または記号等、もしくは、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であって「応力発光材料層A0〜A3」を作製するときに発生させ作製者含め誰もその番号の内容を知らないよう工夫した番号等、知ることが許された者のみが見ることができ、その他の者は容易には見ることができないよう設定される番号または記号等を用いることができる。
また、その「応力発光材料層A0〜A3」の用途に応じて、番号または記号のみならず、文字、図形、マークその他、個人及びその「応力発光材料層A0〜A3」の供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができる。
そして、その認識方法も、少なくとも、目視確認により認識できる情報を有しながら、目視以外の認識方法、例えば、光学読取方法、磁気的読取方法、その他、あらゆる物理的もしくは化学的読取方法を採用することができる。
さらに、本発明の「応力発光材料層A0〜A3」が表示する「所定の情報」として、文字、図形、記号、模様、マーク、形状、立体、もしくは、これらの結合、または、これらと色彩との結合その他、さらには、識別コード、識別番号、識別文字等のあらゆる識別情報、その他何らかの手段によって識別することが可能なものであれば、特に制限はなく、採用することができる。
この識別手段としては、目視識別、携帯カメラ認識やバーコード認識等の光学的識別、機械識別、その他の物理的識別手段等をいう。
識別可能であれば、全てが同一のものであっても、全てが個別のものであってもよく、また、個人や企業、さらには、特定の業界特有のものであってもよい。
また、「意匠」のごとく、物品(物品の部分を含む。)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって視覚を通じて美感を起こさせるもの、または、これと類似のものであってもよく、「商標」のごとく、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合であって、業として商品を生産し、証明し若しくは譲渡する者がその商品について使用するもの、または業として役務を提供し若しくは証明する者がその役務について使用するもの、または、これと類似のものであってもよい。その他、「称号」や、「商号」、さらには、種々の場面において照合の対象となるものでもよい。
そして、「文字」には、楷書体、隷書体等のあらゆる書体の文字が含まれ、「記号」には、特殊文字記号、顔文字記号、電気文字記号、地図記号等も含まれ、HTML記号等の限られた業種の限られた場面においてのみ用いられる記号もその特殊性から好ましい。
また、英文字、ギリシャ文字その他各国で使用されている文字や、シンボル、数学記号等も、不正者が瞬間的に覗き見した程度では暗記できないものとなり、好ましい。
さらには、これらの情報の中に、目視等の単なる情報読取手段では判別できない隠し情報や、暗号情報を含ませて、「応力発光材料層A0〜A3」の運用を管理する者のみが所定の情報処理手段によって、それらの隠し情報や、暗号情報を判読することができるものとすることも好適である。
このような特殊性を有するものは、正規購入者によってもその登録や照合等の場面で、誤記や誤入力の原因となるため、携帯カメラ認識等の自動認識手段を併用することが好ましい。
以下、これらのものを総称して、「番号等」という。
さらに「所定の情報」には、暗証番号等、個人認証番号等、口座番号等、その他の個人特有の番号等や、何らかの個別番号等、抽選番号等、管理番号等、もしくは、単なる連続番号等であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号等、さらには、全くの乱数であって「応力発光材料層A0〜A3」を作製するときに発生させ作製者含め誰もその番号等の内容を知らないよう工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を意味する。もちろん、「応力発光材料層A0〜A3」を用いるシステムのシステム設計者や、「応力発光材料層A0〜A3」の発券者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は物理的に見ることができないよう設定される番号等を含めることができる。
また、その「応力発光材料層A0〜A3」の用途により、上記した番号等のみならず、文字、図形、マークその他、個人及びその「応力発光材料層A0〜A3」の供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができる。
そして、その認識方法も、少なくとも目視確認により認識できる情報を有しながら、目視以外の認識方法、例えば、光学読取方法、磁気的読取方法、その他、あらゆる物理的もしくは化学的読取方法を採用することができ、その偽造防止性を高めるために好適である。(認識方法や手段は図示せず。)
「応力発光材料層A0〜A3」の厚さは、1.0μm〜100μm、特には、3.0μm〜30μmとするが、この厚さを、1.0μm未満とすると、その発光強度が不十分となり、100μmを超えると、「スレッドSL0〜SL3」の剛性の調整が困難となる。
また、「応力発光材料層A0〜A3の厚さ」と「所定の基材B0の厚さ」の比は、1/10〜30/10とし、その発光強度と剛性のバランスをとる。
ここで、「抄紙工程1:ワイヤリング&搾水」とは、いわゆる「ワイヤーパート」であって、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、または、青銅繊維などで織られた網(ワイヤー)で、連続して回転できるような帯状としたものの上に、上記した「パルプ混濁液」を幅方向に均質で、適切な濃度、速度、及び、角度で供給することで、所定の厚さの塗膜とした後、ワイヤー上で搾水して(脱水するという意味。ある程度、脱水が進んだ部分では、装備されているサクションボックス〈真空ポンプにより水を吸引する装置〉によって、脱水が促進される。)、「偽造防止用紙G1」の「用紙Y1」用の「湿紙(未だ、水分を含んでいる状態という意味。)」が形成される。
また、「抄紙工程2:乾燥&プレス処理」とは、いわゆる、「プレスパート」であって、
ワイヤーからはがされた「湿紙」がフェルトに移され、圧力をかけてさらに水分を絞るプレス装置に入って、数本のロールからなるロールプレス処理が施されることとなる。ここで、「湿紙」に十分なプレスを行うことにより、密度の高い「紙」とすることができる。
次いで、水分の蒸発によって湿紙を乾燥させる、いわゆる「ドライヤーパート」に入り、スチームによって加熱する多数のシリンダドラムに次々と転移させながら、巻き付けて、乾燥させる。
最後に、「加工&仕上げ工程」とは、いわゆる「紙の加工工程」に属し、その用途に基づき、サイズプレス処理、艶出し等の塗工処理や、カレンダー処理などの工程に入る。塗工処理やカレンダー処理は、オフマシン(一旦、巻き取ってから、別の専用装置にかけるという意味。)で行ってもよい。
本発明の「偽造防止用紙G1」は、手漉き方法でも、作製できるが、大量に生産するためには、以上の「製紙工程」を達成することが可能な抄紙機、例えば、長網方式、ツインワイヤー方式、ギャップフォーマー方式、丸網方式、ヤンキー方式など各方式の抄紙機を用いる。さらに、マシンカレンダー処理機を追加することもできる。
本発明の「偽造防止用紙G1」の厚さは、5μm〜500μm、とするが、中でも、「用紙」特有の重量表記において、52.3g/m2〜360g/m2であって、そのサイズが、定形株券(ヨコ×タテとして、210mm×107mm。定形デザイン印刷を含んでも良い。以下、同様。)、B5株券(265mm×186mm)、A5株券(216mm×150mm)、定形証券(210mm×107mm)、B5株券(257mm×182mm)、A5株券(210mm×148mm)、商品券用紙(160mm×76mm)、さらには、JIS P 0202 による A系全判、A全判、A半裁、A4切、A8切、A16切、菊判、四六判、ハトロン判のサイズ、もしくは、JIS P 0138 によるA系列やB系列のサイズである、A0〜A10、または、B0〜B10とすることが特に好ましい。
但し、この範囲外の厚さや、サイズとすることも、本発明の「偽造防止用紙G1」の用途によって必要となることはいうまでもない。
(実施例1)
針葉樹材(エゾマツと、トドマツの混合材)チップを、リファイナーによって解繊し、濾水度600ml(叩解度。カナディアン・スタンダードによる。)の未漂白機械パルプの懸濁液(1)を得た。この懸濁液(1)を、酢酸緩衝液でpH4,0に調整し、またパルプ濃度を3%に調整した後、シングルディスクリファイナ−(叩解機)で、濾水度が300mlになるまで叩解し、適宜な「混入タイプのサイジング剤」を適宜な割合で添加し、「紙パルプ繊維」を含む、懸濁液(2)とした。
このときの「紙パルプ繊維」は、平均「太さ」が30μm、平均「長さ」が3.0mmであった。
これとは別に、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、「所定の成形型」に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃で、4時間焼成して、「縦×横×厚さ」が、「2mm×107mm×10μm」の直方体を成す「応力発光材料層A0」を得た。(図4参照。)
この「応力発光材料層A0」に、「所定の基材B0」である、「縦×横×厚さ」が、「2mm×107mm×3μm」の直方体を成す、ポリエチレンテレフタレートフィルムを、積層し、100℃の加熱、及び、10MPaの加圧により、圧着して、「縦×横×厚さ」が、「2mm×107mm×13μm」となる、実施例1の「スレッドSL0」を得た。(図4参照。)
この加熱、及び、加圧の際に、「スレッドSL0」に、その厚さ方向の変形を加えて、「20mm周期で、深さ方向に20μmのたわみを有する形状とした。(図4参照。図4の直方体状の『スレッドB0』を、一旦、形成し、さらに、図3の『スレッドSL0』のような断面形状に変形して、その高低差を20μmとしたという意味。)
さらに、上記した、懸濁液(2)を用いて、角型手抄きシートマシンにて、まず、坪量30g/m2となるように「湿紙(1)」を作成し、この「湿紙(1)」の上の所定の位置に、実施例1の「スレッドB0」を、その「所定の基材B0」と「湿紙(1)」が接するようにして重ね、その「湿紙(1)」及び「スレッドSL0」を覆うように、再び、懸濁液(2)を重ねて、「用紙Y1」の坪量が、60g/m2となるように、「湿紙(2)」を作製した。(この処理が、『スレッド』の『抄き込み』工程、すなわち、『抄紙工程におけるスレッドの抄き込み』処理となる。乾燥処理を見越して『所定の厚さ』とすることを意味する。)
次いで、ドラム式乾燥器にて、120℃×2分間の乾燥処理、及び、ロールプレス処理を施し、20℃50%条件で、24時間調湿した後ヨコ×タテが、210mm×107mmのサイズに断裁して、坪量60g/m2である、本発明の実施例1の「偽造防止用紙G1」を得た。(図1〜及び図4参照。図4の『製紙工程』の一部のみを採用している。図1において、変形した『スレッドSL0』の最も高い部分が、『スレッド露出部分G3』として露出し、それ以外の部分は、その上を『懸濁液(2)』が覆って、『スレッド露出部分G3』となっている。図1〜図3は、いずれも模式図であって、『スレッド埋設部分G2』及び『スレッド露出部分G3』をそれぞれ4か所、及び3か所のみ設けている図を示している。)
この実施例1の「偽造防止用紙G1」を、「底のサイズが、縦150mm×横250mmのかまぼこ型」であって、その突出部の曲率半径が100mmの「治具(最表面を鏡面仕上げしたステンレス製。)」の、その突出部の曲面上に、「偽造防止用紙に対する所定の外力負荷」として、手の指で押し当てたところ、「偽造防止用紙G1」が変形し、特に、治具の突出部の頂点付近に対応する部分が「緑色」に発光し、目視にて視認することができ(特に、『スレッド露出部分G3』からの発光が強く視認された。)、この「偽造防止用紙G1」の真正性を確認できた。(評価状況は図示せず。以下、同様。)
このことは、「偽造防止用紙G1」に対する所定の外力負荷(手の指で押し当て)によって、「紙パルプ繊維」が「偽造防止用紙G1」内で変形を生じ、その「紙パルプ繊維」の変形が「スレッドSL0」に伝わり、且つ、「スレッドSL0」の「応力発光材料層A0」の所定の部位に、「スレッドSL0」のその変形に対応した変形応力が発生するとともに、その所定の部位からその変形応力に応じた強度を有する所定波長の光(「緑色の光」)が発光して、その所定波長の光が視認可能となったものと考えられた。
(実施例2)
実施例1において、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、さらに、セルロース系樹脂を、「母体材料/樹脂」の重量比で1/2(体積比は1/5)となる。)となるように混合し、所定のセラミックス基板上に重ねた状態で「所定の成形型」に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃で、4時間焼成して、そのセラミックス基板上にて、「縦×横×厚さ」が、「2mm×107mm×2.0μm」の直方体を成す「応力発光材料層A0」を得た。(図4参照。)
この「応力発光材料層A0」に、「所定の基材B0」である、「縦×横×厚さ」が、「2mm×107mm×3μm」の直方体を成す、ポリエチレンテレフタレートフィルムを、積層し、100℃の加熱、及び、10MPaの加圧により、圧着して、そのセラミックス基板を剥離し、「縦×横×厚さ」が、「2mm×107mm×5μm」となる、実施例2の「スレッドSL0」を得た。(図4参照。セラミックス板は図示していない。)
このときの「スレッドSL0」の剛性は、実施例1の「用紙Y1」の剛性の1/5であった。
そして、実施例1に実施した「スレッドSL0」の変形処理を施さず、「湿紙(1)」の表面の所定の位置に、周期10mmで、深さ20μmの凹みを連続して一直線上に設け(『スレッドB0』が挿入される方向。)、その上に、実施例2の「スレッドSL0」を重ね、その上に、懸濁液(2)を被せたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2の「偽造防止用紙G1」を得た。(図1〜及び図4参照。図4の『製紙工程』の一部のみを採用している。図1において、湿紙(1)の凹み部分に重ねた『スレッドSL0』の部分が、『懸濁液(2)』に覆われ、『スレッド埋設部分G2』となっており、それ以外の部分は、『スレッド露出部分G3』となっている。)
この実施例2の「偽造防止用紙G1」を、実施例1と同様に評価したところ、実施例1と同様の良好な結果を得るとともに、この実施例2の「スレッドSL0」は、剛性が低く、湿紙(1)に重ねて、懸濁液(2)で覆うのみで、所望の形状とすることができ(加熱、加圧処理による変形処理が不要であるという意味。)、「スレッドSL0」の抄き込み処理が非常に容易であると感じられたこと、及び、この「偽造防止用紙G1」の剛性が、その紙面内において、より均一であり、種々の加工適性やプリンター適性に優れると推察された。
(実施例3)
実施例1において、実施例1の「スレッドSL0」の「応力発光材料層A0」の露出面に対して、その焼成後の冷却段階(予熱利用。)において、下記、表面処理剤をスプレー方式により塗布し、且つ、その露出面の100〜200℃の予熱にて、表面処理剤を乾燥し、被膜形成、且つ、固着させて(これが、『所定の表面処理』となる。)、「応力発光材料層A0」の耐水性、及び、それを構成する「応力発光材料」の耐水性を向上させたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の「スレッドSL0」、及び、その「スレッドSL0」を「用紙Y1」に抄き込んだ、本発明の実施例3の「偽造防止用紙G1」を得た。
〈表面処理剤〉
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(シリル化剤) 5部
イソプロパノール 20部
メチルエチルケトン 10部
キシレン 35部
ブチルセルソルブ 30部
この実施例3の「偽造防止用紙G1」と、実施例1の「偽造防止用紙G1」を、JIS K 6404−9:1999における「水浸試験」に準じて行う「試験」を用いて、その「半減時間」を評価したところ、実施例1の「偽造防止用紙G1」の「半減時間」の2倍の時間を経過しても、実施例3の「偽造防止用紙G1」の発光強度が半減せず、実施例3の「偽造防止用紙G1」の「半減時間」が、実施例1の「偽造防止用紙G1」の「半減時間」の2倍上あり、耐水性が向上したと判断され、より偽造防止性に優れると思われた。
また、この実施例3の「偽造防止用紙G1」を、実施例1と同様に評価したところ、実施例1と同様の良好な結果を得た。
(実施例4)
実施例1において、
「応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状」を持つ「空洞」をあらかじめ設けた「焼成用型」として、その「空洞の形」を、
「縦×横×厚さ」が、「2mm×107mm×10μm」の「基本形状」に対して、その一方の表面に、「楔(くさび)形」をした凹みを設け、図7のような「形状」とした、ステンレスを内貼りした金属製の「焼成用型1」、及び、このような「楔形」の凹みを設けるためのプレス金型を準備した。
ここで、その「楔形」は、縦10μm×横100μmの長方形の開口部を有し、深さが、5μmの「形」(底辺10μmで2辺が11μmの二等辺三角形を、上面と下面に持つ、三角柱の形)であって、この「楔形」が、縦及び横に、3mm間隔で、碁盤目状に設けられている。(図7中では、これを『模式的』に、6個の切欠け部で示している。)
その他は、実施例1と同様にして、縦2mm×横107mm×厚さ10μmの「基本形状」に対して、その一方の表面に、所定の部位として、「楔(くさび)形」をした凹みである「所定の形状の切欠け部K1(底辺10μmで2辺が11μmの二等辺三角形を、上面と下面に持つ、三角柱の形)」(図7の中で、『底辺』が『所定の部位S1』となる。この『部位S1』が、『応力集中係数α=2.0以上』である『所定の部位S1』となっている。)を、「碁盤の目」状に設けた、本発明の実施例4の「スレッドSL1(『応力発光材料層A1』と『所定の基材B0』との積層体)」、及び、その「スレッドSL1」を「用紙Y1」に抄き込んだ、本発明の実施例4の「偽造防止用紙G1」を得た。
この実施例4の「偽造防止用紙G1」を、実施例1と同様に評価したところ、実施例1よりも、発光強度の大きい光を視認でき、真正性判定の信頼性が向上したと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。
(実施例5)
まず、「焼成用型」の「空洞の形」を、縦30mm×横100mm×厚さ10mmの「形」とした、ステンレスを内貼りした金属製の「焼成用型2」を準備した。
次いで、母体材料であるSr3Al26に、発光中心となるEuを1%、ホウ酸を1%添加し、縦30mm×横100mm×厚さ10mmの直方体の「空洞」を持つ「焼成用型2」に入れて、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、900℃まで徐々に昇温して、仮焼成した後、引き続き、水素添加アルゴン還元雰囲気中で、1300℃にて、4時間焼成し、自然冷却させて、その「焼成用型2」から取り出して、縦30mm×横100mm×厚さ10mmの直方体の「形」を持つ、「平板状の応力発光材料シート」とし、この操作を繰り返して、100枚の「平板状の応力発光材料シート」を得た。
この100枚の「平板状の応力発光材料シート」を、内容積200リットルで、回転速度50回転/分、金属ボールミル(乾式ボールミル。)を用いて、60分の粉砕を3回繰り返し、「微粒子化」した。(図8参照。)
この「微粒子」を、レーザー回折法で粒径を管理しつつ、空気分級式で、1000回転/分のステンレス製分級ロータを装備した分級機にて分級し、粒径分布幅1〜5μm、平均粒径D50=3.0μmの「微粒子P1」を得た。
この「微粒子P1」の中から、任意サンプリングにて100個の「微粒子P1」の「形状(表面の凹凸形状を含む。)」を測定し、その「形状」の「3次元画像データ」を、「構造解析ソフト(応力分布解析ソフト)」にかけ、いずれの「微粒子P1」も、その「微粒子P1」を曲げる「変形応力」の負荷に対して、応力集中係数αは、ほぼ5以上であり、ほぼ全ての「微粒子P1」が、「応力集中係数αが2.0以上である部位を有する形状(この部位S1は、『微粒子P1』の表面の凹凸形状の凹部の底の位置であった。)」を持つであろうことを確認した。(図8参照。図8においては、『微粒子P1』を『模式的』に大きく、且つ、表面の凹凸形状を誇張して示している。)
次いで、下記、「応力発光材料含有インキ組成物」(これらの混合物を、その『微粒子P1』の形状に変化を与えないように、マグネチックスターラーを用いて1時間撹拌し、『微粒子P1』を『透明な樹脂J2』に『分散』させたもの。)を、5.0μm厚さのポリエチレンテレフタレートシート「所定の基材B0」の上に、ステンレススクリーン印刷方式を用いて、10.0μm厚さで塗布し、乾燥して、その「適宜な基材」を剥離し、6.0μmの厚さを有する本発明の実施例5の「応力発光材料層A3」とし、5mm幅で500mの長さにスリットして(『スレッドリボン』状となっている。)、本発明の実施例5の「スレッドSL3」を得た。(この『応力発光材料層A3』は、『応力発光材料を組成とする微粒子P1』を、『所定の透明な樹脂J2』に分散してなる『応力発光材料層A3』となっており、且つ、『応力発光材料』の『形状』は、その『微粒子P1』の『形状』であり、応力集中係数αが2以上となる部位S1を有する『形状』となっている。)
〈応力発光材料1含有インキ組成物〉
・「微粒子P1」 30部
・「透明な樹脂J2」:アクリル樹脂(透過率95%) 50部
・トルエン 10部
・ブチルセルソルブ 10部
この実施例5の「スレッドSL3」を用いて、図4の「製紙工程」において、「用紙Y1」に抄き込み(このとき、実施例2のごとく、湿紙(1)の表面に、同様の「凹み」を設ける方法を採用した。)、用紙サイズ210mm×107mmに断裁して、本発明の実施例5の「偽造防止用紙G1」を得た。

さらに、プラスチックの曲げ特性の求め方(曲げ試験方法。JIS K 7171 2008、ISO178 2003)に準じて(『試験機』と『試験方法』を採用。『試験片』の『サイズや形状』は、規格に準じていない。)、3点法により、この実施例5の「偽造防止用紙G1」の一方の面(表面)を下方に向け、「スレッドSL3」の両端部に位置する箇所をそれぞれ支点で支え、中央部を裏面から押し下げるように、2mm/分の試験速度で、「偽造防止用紙G1」に対して、「所定の外力負荷」として、その面に垂直な方向に、30kPaの「変形応力」を掛けたところ、「偽造防止用紙G1」がその方向に「たわむ(湾曲する)『変形』」を起こし、その「変形」によって、「スレッドSL3」及び、「応力発光材料層A3」も「変形」し、そして、「応力発光材料層A3」の中の「微粒子P1」の「所定の部位S1」に「変形応力」が集中し、同時に、その「所定の部位S1」からその「変形応力」に応じた発光強度を有する所定波長の光(「緑色の光」)が発光して、所定波長の光(「緑色の光」)が視認可能となった。
具体的には、「応力発光材料層A3」を「湾曲(変形)」させたときに、その「湾曲(変形)」が、その中に含まれる「微粒子P1」に伝わり、その「微粒子P1」にも同様の「変形」が生じて、「微粒子P1」の「所定の部位S1(『微粒子P1』の表面の凹凸形状の凹部の底の部分。)」に、「変形応力」が集中して、この「所定の部位S1」が、その集中した「変形応力」に応じた発光強度を有する所定波長の光(「緑色の光」)を発光して、その「光」が、「透明な樹脂J2」内を通過(透過)し、観察者は、その「応力発光材料層A3」の内部から、その「所定波長の光(緑色の光)」が放出されていることを、その「応力発光材料層A3」の表裏、並びに、その「応力発光材料層A3」の4つの側面から、視認できた。(図1〜図3、及び図8参照。変形している状態、及び、発光している状態は図示していない。)
また、この実施例5の「応力発光材料層A3」を、「底のサイズが、縦30mm×横100mmのかまぼこ型」であって、その曲率半径が60mmの「治具(最表面を鏡面仕上げしたステンレス製。)」の、その突出部の曲面上に、「所定の外力負荷」として、手の指で押し当てたところ、「応力発光材料層A3」が変形し、特に、治具の突出部分(頂点)付近に対応する部分が、その「変形」によって、「緑色」に発光して、目視にて視認することができ、本発明の実施例5の「偽造防止用紙G1」の真正性を確認できた(評価状況は図示せず。)。
さらに、この真正性確認動作を、200回繰り返したところ、いずれも、変わらず、同様の「緑色の光」を、同様に確認でき、本発明の実施例5の「偽造防止用紙G1」を偽造することは、非常に困難と思われた。
(実施例6)
実施例4において、「切欠け部K1」を、周期0.4mm間隔の碁盤目状に設けて、「所定の文字の画線部」を埋め尽くして、「所定のパターン」の「表示」となる、「縦10mm×横20mmの大きさで、『間』を20mm開けた、『真』と『正』」を表すものとし、「応力発光材料層A2」として、本発明の実施例6の「スレッドSL2」とした。(図7参照。『文字』の『画線部』の幅は、2mmであった。この2つの文字の中心が、『応力発光材料層A2』の中心に位置するように配置した。『模式的』に示してある『切欠け部K1』が、『所定の文字』を表すように配置されることとなる。この『配置等』は示していない。)
具体的には、このときの、「所定のパターン」の「表示」、例えば、「縦10mm×横20mm」の文字「真」の、幅2mmの「画線」内を、碁盤目状に設けた、多数の「切欠け部K1」で埋め尽くして形成し、この「切欠け部K1」の「底辺(所定の部位S1)」の「発光」によって、観察者には、「『真』の文字」を「『光』の文字」として視認できるものとした。
そして、この実施例6の「応力発光材料層A2」を、「底のサイズが、縦30mm×横100mmのかまぼこ型」であって、その曲率半径が60mmの「治具(最表面を鏡面仕上げしたステンレス製。)」の、その突出部の曲面上に、「偽造防止用紙G1」に対する「所定の外力負荷」として、手の指で押し当てたところ、この実施例6の「偽造防止用紙G1」が変形し、特に、治具の突出部分(頂点)付近に対応する部分が、その「変形」によって、「緑色」に発光して、目視にて視認することができ、その「所定波長の光(緑色の光)」が、「所定のパターン(『真』と『正』の2文字。)」を「表示(『光』の文字として『表示』)」するものとして視認可能となり、この実施例6の「偽造防止用紙G1」の真正性を確認できた(評価状況は図示せず。)。
さらに、この真正性確認動作を、100回繰り返しても、変わらず、同様に「所定のパターン」を同様に確認でき、本発明の実施例6の「偽造防止用紙G1」を偽造することは、著しく困難と思われた。
(比較例1)
実施例1において、「応力発光材料」を含めず、代用として、「適宜なセラミックス材料」を用いて「スレッド用紙」を作製し、比較例1とした。
この比較例1を、実施例1と同様に評価したところ、何らの発光も生じず、この「スレッド用紙」が真正なものでないと判断できた。
G1 偽造防止用紙
G2 スレッド埋設部分
G3 スレッド露出部分
Y1 用紙
A0〜A3 応力発光材料層
B0 基材
SL0〜SL3 スレッド
J2 透明な樹脂
P1 微粒子
S1 所定の部位
K1 切欠け部

Claims (5)

  1. 少なくとも紙パルプ繊維、及び、スレッドからなる偽造防止用紙であって、
    前記スレッドは、所定の基材の上に、応力発光材料を含む応力発光材料層が設けられた、帯状の形態を成し、且つ、前記スレッドは、前記偽造防止用紙の抄紙工程において抄き込まれており、
    前記偽造防止用紙に対する所定の外力負荷によって、前記スレッドが、前記偽造防止用紙内で変形を生じると同時に、
    前記応力発光材料層が変形を生じて、前記応力発光材料層の所定の部位に、前記スレッドの前記変形に対応した変形応力が発生するとともに、前記所定の部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能であり、
    前記応力発光材料層の組成は、前記応力発光材料で構成され、前記応力発光材料層の表面に、前記所定の部位として、所定の形状の切欠け部及び/または凹部を有し、前記所定の部位における応力集中係数αが2以上となっていることを特徴とする偽造防止用紙。
  2. 少なくとも紙パルプ繊維、及び、スレッドからなる偽造防止用紙であって、
    前記スレッドは、所定の基材の上に、応力発光材料を含む応力発光材料層が設けられた、帯状の形態を成し、且つ、前記スレッドは、前記偽造防止用紙の抄紙工程において抄き込まれており、
    前記偽造防止用紙に対する所定の外力負荷によって、前記スレッドが、前記偽造防止用紙内で変形を生じると同時に、
    前記応力発光材料層が変形を生じて、前記応力発光材料層の所定の部位に、前記スレッドの前記変形に対応した変形応力が発生するとともに、前記所定の部位から前記変形応力に応じた発光強度を有する所定波長の光が発光して、前記所定波長の光が視認可能であり、
    前記応力発光材料層は、前記応力発光材料を組成とする微粒子を、所定の透明な樹脂に分散してなり、且つ、前記応力発光材料の前記微粒子の形状は、応力集中係数αが2以上となる部位を有する形状であって、前記部位が、前記応力発光材料層の所定の部位となることを特徴とする偽造防止用紙。
  3. 請求項1、又は、2に記載の前記偽造防止用紙において、
    前記スレッドの剛性は、前記偽造防止用紙の剛性の1/10〜50/10であることを特徴とする偽造防止用紙。
  4. 請求項1から3の何れかの請求項に記載の前記偽造防止用紙において、
    前記応力発光材料に、前記応力発光材料の耐水性を向上するための、所定の表面処理が施されていることを特徴とする偽造防止用紙。
  5. 請求項1からの何れかの請求項に記載の前記偽造防止用紙において、
    前記所定波長の光が、所定のパターンを表示するものとして視認可能となることを特徴とする偽造防止用紙。
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