次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.実施形態:
B.各種変形例:
A.実施形態:
A−1:液体噴射システム1の構成:
図1は液体噴射システム1の概略構成を示す斜視図、図2は液体噴射システム1の内部構成を概略的に示す斜視図である。図1および図2には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。このX軸は、後述のキャリッジ8の往復動作方向に沿った軸であり、キャリッジ8の往復動に伴う印字の際の主走査方向に沿った軸である。Y軸は、机等に水平に載置された液体噴射システム1における用紙の給送経路方向に沿った軸であり、キャリッジ8の往復動に伴う印字の際の副走査方向に沿った軸である。Z軸は、机等に水平に載置された液体噴射システム1における前後方向に沿った軸である。図2以降に示す各図についても必要に応じてXYZ軸を付している。図1および図2のXYZ軸は他の図のXYZ軸にも対応している。液体噴射システム1は、液体噴射装置としてのプリンター10と、2種類のカートリッジ4,5と、を備える。図2に示すように、本実施形態の液体噴射システム1では、プリンター10のカートリッジ装着部7にカートリッジ4,5が着脱可能に装着され、このカートリッジ装着部7は、インク吐出を図る吐出ヘッド8s(図6参照)を備えるキャリッジ8に装着され、通常、キャリッジ8と一体とされている。以下、カートリッジ4を「第1のカートリッジ4」と、カートリッジ5を「第2のカートリッジ5」と適宜称することとする。
第1のカートリッジ4は、単色インク、例えばブラックインクを収容する。第2のカートリッジ5は、複数の色のインクを収容するものであり、本実施形態では、内部に3つの液体収容部が区画形成されている。これにより、本実施形態の第2のカートリッジ5は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを収容する。
ここで、カートリッジ装着部7に装着されるカートリッジの数や種類は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、4つの第1のカートリッジ4をブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色インクに対応して用意し、これら4つの第1のカートリッジ4をカートリッジ装着部7に装着しても良い。また、他の色(例えば、ライトアゼンタやライトシアン)のインクを収容するカートリッジをカートリッジ装着部7に装着しても良い。このように各色のインク毎に第1のカートリッジ4を装着する場合には、第2のカートリッジ5については装着を省略すればよい。
プリンター10は、インクジェットプリンターである。図1に示すように、プリンター10は、ハウジング14と、用紙供給部カバー16と、記録部保護カバー18と、排出部カバー20と、操作部22とを備える。また、図2に示すように、プリンター10は、装置本体12を備える。
図1に示すように、ハウジング14は、装置本体12の周囲を覆って、プリンター10の外観を構成している。また、プリンター10の上面には、用紙供給部カバー16が設けられている。用紙供給部カバー16は、ハウジング14の上面に回動可能に取り付けられている。用紙供給部カバー16は、ハウジング14に対して開いた状態(図1)と、閉じた状態(図示せず)とを取り得る。用紙供給部カバー16はハウジング14に対して閉じた状態にある場合、ハウジング14の上面とともにプリンター10の上面を構成する。
用紙供給部カバー16はハウジング14に対して開いた状態にある場合、プリンター10の背面側(−Y方向側)に傾斜した状態となる。この状態において、用紙供給部カバー16の裏面は、用紙の載置面16aとして機能する。この用紙供給部カバー16がハウジング14に対して開いた状態にある場合、装置本体12の後述する用紙供給部24の用紙開口部26は、プリンター10の上方に対して開いた状態となる。このため、用紙供給部24は、載置面16aに載置された用紙を給送経路に給送可能となる。給送経路とは、印刷を行う際の用紙の移動経路である。用紙開口部26には、一対の用紙ガイド28が設けられている。一対の用紙ガイド28は、プリンター10の幅方向(X軸方向)における間隔を調節可能に構成されている。一対の用紙ガイド28は、用紙の幅方向における両端を拘束し、幅方向における用紙の位置を規定する。
また、用紙供給部カバー16がハウジング14に対して開いた状態にある場合、プリンター10の上面において記録部保護カバー18および操作部22が露出した状態となる。記録部保護カバー18は、ハウジング14に対して開いた状態(図示せず)と閉じた状態(図1)とを取り得る。記録部保護カバー18がハウジング14に対して開いた状態にある場合、ユーザーは装置本体12に設けられた記録部6にアクセス可能となる。
操作部22は、プリンター10を操作するための電源ボタンや印刷設定ボタン等を備えている。用紙供給部カバー16がハウジング14に対して開いた状態にある場合、ユーザーが操作部22に対してアクセス可能となり、プリンター10の操作をすることができる。
さらに、ハウジング14の前面には、排出部カバー20が設けられている。排出部カバー20は、ハウジング14の前面に回動可能に取り付けられている。排出部カバー20は、ハウジング14に対して開いた状態(図1)と、閉じた状態(図示せず)とを取り得る。排出部カバー20がハウジング14に対して開いた状態にある場合、排出部カバー20は、装置本体12の排出部9から記録が実行された用紙Pをプリンター10の前方に排出する。
図2に示すように、装置本体12は、用紙供給部24と、記録部6と、排出部9と、制御部60とを備えている。
制御部60は、用紙供給部24、記録部6および排出部9に電気的に接続され、操作部22から入力された指示に基づいて各部の動作を制御する。また、制御部60は、駆動モーター(図示せず)を介してキャリッジ8の移動(X軸方向移動:主走査駆動)および搬送ローラー軸50の回転(副走査駆動)を制御している。キャリッジ8は、その底面にカートリッジ装着部7を組み込んで備える。また、制御部60は、カートリッジ4,5が備える回路基板との間で信号のやり取りを行う。
装置本体12は、キャリッジガイドレール62と図示しないキャリッジ駆動手段とを備え、キャリッジガイドレール62に沿ってキャリッジ8を移動可能とする。キャリッジガイドレール62は、X軸方向すなわち装置本体の幅方向に延びて、キャリッジ8の底面側に設けられた軸受部409(図3参照)に組み込まれ、キャリッジ8を支持する。
カートリッジ装着部7を装着済みのキャリッジ8は、図示しないキャリッジ駆動手段により装置本体12の幅方向(X軸方向、主走査方向)に往復動可能に構成されている。キャリッジ8が装置本体12の幅方向に往復動することで、カートリッジ装着部7は装置本体12の幅方向に往復動する。すなわち、カートリッジ4,5は、プリンター10によって搬送方向(X軸方向)に搬送される。本実施形態のように、吐出ヘッドを移動させるキャリッジ8に設けられたカートリッジ装着部7にカートリッジ4,5が装着されるプリンター10のタイプは、「オンキャリッジタイプ」とも呼ばれる。なお、キャリッジ8とは異なる部位に、不動のカートリッジ装着部7を構成し、カートリッジ装着部7に装着されたカートリッジ4,5からのインクを、フレキシブルチューブを介してキャリッジ8の吐出ヘッドに供給しても良い。このようなプリンターのタイプは、「オフキャリッジタイプ」とも呼ばれる。このときのカートリッジ4,5は着脱可能なカートリッジに限られず、固定されたインクタンクであっても良い。このインクタンクには外部からインクが注入可能なインク注入口があるものであっても良い。
液体噴射システム1の使用状態において、キャリッジ8を往復移動させる主走査方向(左右方向)に沿った軸をX軸とし、用紙を搬送する副走査方向(前後方向)に沿った軸をY軸とし、鉛直方向(上下方向)に沿った軸をZ軸とする。また、鉛直上方向が+Z方向であり、鉛直下方向が−Z方向である。なお、液体噴射システム1の使用状態とは、水平な面に設置された液体噴射システム1の状態であり、本実施形態では、水平な面はX軸およびY軸に平行な面(XY平面)である。
A−2.カートリッジの装着状態とキャリッジ構成:
図3はカートリッジ装着済みの状態でのキャリッジ8の外観を概略的に示す斜視図、図4はカートリッジ未装着のキャリッジ8の概略斜視図、図5はカートリッジ未装着のキャリッジ8の底面側からの概略斜視図、図6は図3における6−6線に沿った概略断面図である。なお、カートリッジ装着部7は、キャリッジ8の底部に装着されている都合上、図3においては図示されていない。
図3に示すように、カートリッジ4,5の両カートリッジは、それぞれ蓋401、501の上面に、蓋を貫通した貫通孔402a,402b,402c,502a,502b,502cと、貫通孔402aから貫通孔402cまでの間を蛇行して延びるエアー溝403と、貫通孔502aから貫通孔502cまでの間を蛇行して延びるエアー溝503と、大気連通孔434,534とを備える。この場合、貫通孔402aは、カートリッジ4の製造工程では、カートリッジ4の内部から大気を吸引し、カートリッジ4の内部の減圧状態を維持するための減圧孔として用いられる。カートリッジ4の製造後は、エアー溝403、貫通孔402c、大気連通孔434を介して、後述の液体保持部材460に大気を供給するために用いられる。また、貫通孔402bは、カートリッジ4の製造工程では、カートリッジ4の内部にインクを注入するインク注入孔として用いられる。カートリッジ4の製造後はシール部材404で封止され密閉される。また、カートリッジ5は、既述したようにイエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを収容することから、後述の各色の収容箇所に対応した貫通孔502a,502b,502cとエアー溝503と大気連通孔534を備える。そして、カートリッジ4,5の両カートリッジは、シール部材404,504を、蓋401,501の上面に接合させて、上記の貫通孔およびエアー溝の開口を被覆する。
シール部材接合済みのカートリッジ4,5は、図4に示すようにキャリッジ8の底部に組み込まれたカートリッジ装着部7を介してキャリッジ8に装着され、その装着状態では、キャリッジ8の搬送方向(X軸方向)に並んで配置されている。この装着状態では、カートリッジ4が備える着脱機構部としての後述の係合部405が、キャリッジ8のカートリッジ係合腕801に係合している。ユーザーは、カートリッジ係合腕801に外力を加えることで、係合腕を回動変位させてキャリッジ8とカートリッジ4との係合を解除する。これにより、ユーザーはカートリッジ4をキャリッジ8から取り外すことができる。なお、カートリッジ5についてもカートリッジ4と同様の構造および同様の方法により、キャリッジ8から取り外すことができる。
図4に示すように、キャリッジ8は、カートリッジ装着部7を備える。このカートリッジ装着部7は、ブラックインク用の液体導入部710bと、イエローインク用の液体導入部710yと、マゼンタインク用の液体導入部710mと、シアンインク用の液体導入部710cと、円錐状のコイルバネ720とを備える。コイルバネ720は、カートリッジ4,5に対応して配設され、カートリッジリッジ装着時に圧縮され、カートリッジ係合腕801の係合解除の際に、カートリッジを押し上げる。弾性部材705はエラストマーなどで構成される部材であり、環状をなし、液体導入基部703の外壁部に装着されている。
上記した各インク用の液体導入部は、カートリッジ装着部7に装着されるカートリッジ4,5の液体収容部に対応して配設されており、その大きさにおいて相違するものの、同一の構成を備える。液体導入部710bを例に挙げ説明すると、この液体導入部710bは、液体導入基部703と、金属メッシュ703sと、弾性部材705とを備える。金属メッシュ703sは、ステンレス等の耐食性を備える金属から形成されたフィルターであり、液体導入基部703の上端に組み込まれて、カートリッジ4の後述の供給孔側液体保持部材406に面接触する(図6参照)。そして、供給孔側液体保持部材406に保持されたインクは、金属メッシュ703sを通過し、図5に示すようにキャリッジ8がその底面に備える吐出ヘッド8sに送り込まれる。液体導入部710b等とカートリッジとの関係については後述する。
カートリッジ4は、図6に示すように、+Y方向の一端側に回路基板410を備える。この回路基板410は、第1端壁423に対し傾斜した基板載置部411に固定される。基板載置部411への回路基板410の固定の様子や配設位置等については、後述する。そして、カートリッジ4に備え付けられた回路基板410は、後述の端子412を有する。キャリッジ8へのカートリッジ4の装着状態において、端子412の接触部は、キャリッジ8における電極集合体810の電極に、電気的に接触する。また、カートリッジ4は、図におけるY軸方向において基板載置部411の端部を係合部405として備える。この係合部405は、キャリッジ8へのカートリッジ4の装着状態において、キャリッジ8におけるカートリッジ係合腕801に係合する。
図6は、キャリッジ8にカートリッジ4が装着された状態を示す。カートリッジ4は、液体を吸収し保持する機能を有する供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460とを有する。供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460は接触している。カートリッジ装着部7は、その底面に備える液体導入部710bの液体導入基部703の環状先端に取り付けられた金属メッシュ703sを供給孔側液体保持部材406に面接触させる。供給孔側液体保持部材406は液体導入基部703により+Z方向に持ち上げられ、液体保持部材460を押圧する。これにより、液体保持部材460に収容済みの液体、即ちブラックインクは、供給孔側液体保持部材406と、液体導入部710bにおける液体導入基部703の金属メッシュ703sおよび吸引孔704を経て、キャリッジ8の吐出ヘッド8sに供給されることになる。つまり、キャリッジ8の液体導入部710bは、カートリッジ4から液体(ブラックインク)の導入を受け、キャリッジ8は、液体導入部710bに導入された液体(ブラックインク)を吐出ヘッド8sから噴出することになる。なお、カートリッジ5にあっても、カートリッジ4と同様に回路基板510等を備え、既述したようにキャリッジ8に装着される。
カートリッジ4は、供給孔側液体保持部材406に覆われる液体供給孔407を備える。カートリッジ装着部7は、液体導入基部703の基部に、液密性の弾性部材705を備える。この弾性部材705は、液体供給孔407の周囲の周縁陥没部407b(図10参照)に当接し、カートリッジ装着時において液体供給孔407からのインク漏れを防ぐようシールする。こうしたカートリッジ装着時において、液体供給孔407は、後述の液体導入部710bにブラックインクを供給するよう接続される。なお、カートリッジ4をキャリッジ8のカートリッジ装着部7へ組み付ける構造については後述する。
キャリッジ8の底部にカートリッジ装着部7が装着される。このカートリッジ装着部7は、図4に示すように、Y軸方向に延びるカートリッジ間突出部721と案内突出部723と側壁側突出部724とを備える。この図4では、側壁側突出部724は、紙面奥側のキャリッジ側壁82の内側に示されているが、キャリッジ8は、紙面手前側のキャリッジ側壁81の内側にも図示しない側壁側突出部724を備える。カートリッジ間突出部721と側壁側突出部724は、カートリッジ装着部7の端壁部730からカートリッジ係合腕801の側に掛けて延び、途中、分割されている。
案内突出部723は、端壁部730から液体導入部710yに向けて延びて液体導入部710mと液体導入部710cとの間に延在する。つまり、この案内突出部723は、X軸方向で隣り合う液体導入部710mと液体導入部710cとの間に形成され、液体導入部710mと液体導入部710cとの間から液体導入部710yまでの間に位置することになる。また、この案内突出部723は、端壁部730の側の部分において、液体導入部710mと液体導入部710cとの間の部分よりも、カートリッジ装着部7の底面からの突出高が低くされている。カートリッジ4は、キャリッジ側壁81の側の側壁側突出部724(図示略)とカートリッジ間突出部721との間に入り込んで、キャリッジ8のカートリッジ装着部7に装着される。カートリッジ5は、カートリッジ間突出部721とキャリッジ側壁82の側の側壁側突出部724との間に入り込んで、キャリッジ8のカートリッジ装着部7に装着される。案内突出部723は、こうして装着されたカートリッジ5の後述の第1溝580(図14参照)に入り込む。また、カートリッジ装着部7は、端壁部730に、係合孔750を備える。この係合孔750は、カートリッジ4とカートリッジ5ごとに二つ設けられており、カートリッジ装着に際して、後述の係合突起424t,524tが入り込む。なお、カートリッジ装着の様子や、案内突出部723とカートリッジ5との関係については、後述する。
A−3.カートリッジ4の構成:
図7はカートリッジ4の外観斜視図、図8はカートリッジ4の分解斜視図、図9はカートリッジ4を底面側から見た外観斜視図、図10は回路基板410を未装着のカートリッジ4を底面側から見た外観斜視図、図11は図7における11−11線に沿って断面視した筐体420の概略断面端面図である。図示するように、カートリッジ4は、筐体420と、蓋401と、回路基板410とを備える。蓋401は筐体420に固定され、筐体420が有する凹部421(図8参照)を覆う。この他、カートリッジ4は、供給孔側液体保持部材406と、液体保持部材460と、蓋裏面シール部材436と、シール部材404とを備える。筐体420と蓋401は、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂の成型品であり、射出成型等の適宜な成型手法にて形成される。
図7、図8に示すように、筐体420は、底壁422と、第1端壁423と、第2端壁424と、第1側壁425と、第2側壁426とを有する。第1側壁425と第2側壁426とにおいて、外壁がリブ428にて補強されている。底壁422は、筐体420の底面をなし、その中央に液体供給孔407を備える。この底壁422は、蓋401(詳しくは後述の蓋部430)に対向する。第1端壁423は、底壁422から立ち上がり蓋401の蓋部430に交差する。第2端壁424は、底壁422から立ち上がって蓋401の蓋部430に交差すると共に、第1端壁423に対向する。第1側壁425は、第1端壁423の一方の端部(図8における−X方向端部)と第2端壁424の一方の端部(図8における−X方向端部)の間において底壁422から立ち上がって、蓋401の蓋部430に交差する。第2側壁426は、第1端壁423の他方の端部(図8における+X方向端部)と第2端壁424の他方の端部(図8における+X方向端部)の間において底壁422から立ち上がって、蓋401の蓋部430に交差すると共に第1側壁425と対向する。
こうした壁面構成は、次のように表すこともできる。筐体420は、液体供給孔407が形成された底壁422と、底壁422に対向する蓋401と、底壁422と蓋401に交差する第1端壁423と、底壁422と蓋401に交差し、第1端壁423に対向する第2端壁424と、底壁422と蓋401に交差する第1側壁425と、底壁422と蓋401に交差し、第1側壁425と対向する第2側壁426とを有する。
図9に示すように、回路基板410は、基板表面に複数の端子412を備え、筐体420の第1端壁423に位置する。この第1端壁423には、図10に示すように、基板載置部411が形成される。この基板載置部411は、第1端壁423に対して傾斜する。そして、回路基板410は、その背面を基板載置部411に固定され、第1端壁423に対して傾斜する。回路基板410において、端子412は、図9に示すように、いわゆる千鳥状に2列に配設され、カートリッジ4がキャリッジ8に既述したように装着されると、端子412の接触部が、図6に示すように、キャリッジ8の側の電極集合体810の各電極に電気的に接続される。
図10に示すように、基板載置部411は、第1端壁423の外壁面側に開口413を備える。この開口413は、第1端壁423の外壁面に沿って第1端壁423の上端側から下端側までZ軸方向に延び(図8参照)、第1端壁423の上下端側で開口している。その一方、蓋401が筐体420に固定されると、開口413は、蓋401が備える後述の外方延在部431により、図7に示すように、第1端壁423の上端側で閉塞される。基板載置部411への回路基板410の固定には、基板載置部411から突出した凸部414が用いられる。図10に示すように、この凸部414が回路基板410から延びた状態において、凸部414が熱カシメされる。これにより、回路基板410は、基板載置部411に固定される。
図8に示すように、蓋401は、蓋部430と、外方延在部431とを備える。蓋部430は、平板状とされ、筐体420の凹部421を覆う。外方延在部431は、端子412を有する回路基板410が位置する第1端壁423の側において、蓋部430から外方に延在した部分であり、屈曲延在部432と、傾斜延在部433とを有する。屈曲延在部432は、蓋401から筐体420に向かう第1方向(図8における−Z方向)に沿って蓋部430からほぼ90度に屈曲させて突出するよう延びている。この屈曲延在部432に続く傾斜延在部433は、蓋401から筐体420に向かう第1方向(図8における−Z方向)からの蓋401の平面視において、回路基板410の端子412に重なる位置まで延びている。そして、この外方延在部431は、蓋401が筐体420に固定されると、図10に示すように、開口413と重なって、この開口413を第1端壁423の上端側で閉塞する。また、外方延在部431は、蓋401が筐体420に固定されると、図7に示すように、傾斜延在部433を基板載置部411の開口413に係合させる。この他、外方延在部431は、傾斜延在部433を、第2端壁424から第1端壁423に向かう第2方向(図6および図8における+Y方向)において、回路基板410の少なくとも下段側の端子412より外方に突出している。なお、傾斜延在部433を図示する状態からより長く延在させて、回路基板410の端子412の総てより外方に突出ようにしてもよい。
蓋401は、既述した貫通孔402a,402b,402cとエアー溝403を備えるほか、大気連通孔434と、複数のシール部材受け座437とを備える。シール部材受け座437は、貫通孔402a,402b,402cの周壁やエアー溝403の周壁と同じ高さで蓋401の上面から突出し、シール部材404の接合受け座となる。
大気連通孔434は、蓋部430の一部がY軸方向に延びた蓋部外縁に形成され、この蓋部外縁において蓋401を貫通する。そして、この大気連通孔434は、蓋401の裏面側において貫通孔402bと図示しないエアー溝で繋げられる。当該エアー溝と大気連通孔434の蓋裏面側開口および貫通孔402bの蓋裏面側開口は、蓋裏面シール部材436にてシールされる。これにより、蓋401で塞がれた筐体420の凹部421を、貫通孔402aとエアー溝403と貫通孔402bを介して、大気連通孔434にて大気開放することができる。この大気開放を、液体保持部材460と関連付けて説明する。
液体保持部材460は、筐体420の凹部421に収納される。筐体420の底壁422は、液体供給孔407の周囲に段差状の半円状突起427を備え、この半円状突起427の段差部に、供給孔側液体保持部材406が載置される(図6参照)。これにより、液体供給孔407は、供給孔側液体保持部材406にて覆われる。また、底壁422は、各コーナー部位の周辺に、平面視で開放弧状の弧状突起429を備える。液体保持部材460は、各コーナーの弧状突起429および半円状突起427の上面で支えられるようにして、筐体420に収納される。このように液体保持部材460が収納されると、蓋裏面シール部材436やシール部材404が接合済みの蓋401が筐体420に溶着固定され、図6や図7に示すカートリッジ4が得られる。
供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460は、共に多孔質樹脂材を用いることができる。多孔質樹脂材とは、液体を保持できる機能を有すれば特に限定されるものではなく、例えばウレタンフォームのような発泡部材でもよいし、ポリプロピレンを繊維状にして束にした繊維部材であってもよい。供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460とは、液体を保持するための特性が異なる。供給孔側液体保持部材406は、細孔の形成密度を示す細孔密度が液体保持部材460よりも大きくされている。上記の細孔密度の大小関係より、供給孔側液体保持部材406の毛管力は、液体保持部材460の毛管力よりも大きい。
供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460が毛管力について上記の大小関係を有することで、液体保持部材460に収容済みのインクは以下に述べる順で流通する。すなわち、毛管力の小さい部材から毛管力の大きい部材へとインクが流れる。図6に示すように、供給孔側液体保持部材406に収容済みのインクが液体導入基部703を介して吸引されて消費されると、供給孔側液体保持部材406の上面に重なっている液体保持部材460に収容済みのインクが供給孔側液体保持部材406に移動する。こうしたインク移動の駆動力は、主に供給孔側液体保持部材406の毛管力である。そして、液体保持部材460の収納位置に対応する貫通孔402aとこれに繋がるエアー溝403および大気連通孔434からの大気連通により、上記したインク移動に支障は起きない。
上記のように、筐体420の凹部421に特性の異なる供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460が収容されると共に、液体導入基部703に供給孔側液体保持部材406よりも大きな毛管力を有する金属メッシュ703sを用いることで、液体保持部材460に収容されているインクを効率良く消費できる。すなわち、液体保持部材460における未使用インクの残量を低減できる。
なお、供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460の毛管力が、液体導入基部703から離れるに従って小さくなる構成であれば、上記の各液体保持部材の細孔密度の大小関係は本実施形態に限定されるものではない。例えば、供給孔側液体保持部材406と液体保持部材460の細孔密度が等しい場合でも、各液体保持部材に撥水処理や浸水処理を行うことで上記毛管力の大小関係を有するようにしてもよい。
この他、カートリッジ4は、液体供給孔407が形成された底壁422の底面(−Z方向側の外壁面)に、図9〜図10に示すように溝450を有する。この溝450は、図11に示すように、凹部421に干渉しないよう、第2端壁424の側から液体供給孔407に向けて延び、周縁陥没部407bの周縁近傍に達する。よって、底壁422から蓋401に向かう方向(+Z方向)にカートリッジ4を平面視したとき、液体供給孔407は、図9〜図10に示すように、溝450と回路基板410との間に位置することになる。なお、底壁422において、溝450のX軸方向における幅は、周縁陥没部407bのX軸方向における幅より狭く設定されている。インクを溝450に溜め置くことで、インクの拡散領域を制限できる。溝450の幅が狭いと、拡散領域もより小さくすることができるので効果的である。また、周縁陥没部407bと溝450は連続していてもよい。これによれば、インクは周縁陥没部407bの外側に漏れ出ることなく、溝450に誘導することができる。
また、カートリッジ4は、第2端壁424の外壁下端に、一対の係合突起424tを有する。この係合突起424tは、カートリッジ装着部7へのカートリッジ4の装着に際して、カートリッジ装着部7の端壁部730(図4参照)に入り込み、カートリッジ4の位置決めに関与する。
A−4.カートリッジ5の構成:
カートリッジ5は、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを収容する点でカートリッジ4と構成が相違する。よって、カートリッジ5についての構成の説明に当たっては、カートリッジ4と共通する構成については、符号番号の最上位桁の数値を値5に置き換えて示し、その説明を簡略化する。図12はカートリッジ5の外観斜視図、図13はカートリッジ5の分解斜視図、図14はカートリッジ5を底面側から見た外観斜視図、図15は回路基板510を未装着のカートリッジ5を底面側から見た外観斜視図、図16は図12における16−16線に沿って断面視した筐体520の概略断面端面図、図17は図13における17−17線に沿って断面視した筐体520の概略断面端面図である。なお、図17では、図13の17−17線に沿って筐体520を断面視した断面の紙面手前側に位置する後述の凹部521yが、図示する凹所に位置するものとして示されている。
図13に示すように、カートリッジ5は、筐体520と、蓋501と、回路基板510とを備える。蓋501は筐体520に固定され、筐体520が有する三つの凹部521m,521c,521y(図13参照)を覆う。筐体520は、第1側壁525と第2側壁526との間に位置する仕切壁571と、この仕切壁571と第2端壁524との間に位置する仕切壁572と、仕切壁571と第1端壁523との間に位置する仕切壁573と、を備える。これら仕切壁で、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応した凹部521m,521c,521yを形成する。そして、カートリッジ5は、凹部521m,521c,521yの底壁522のインク供給孔507m,507y,507cの周囲の半円状突起527で規定された領域に供給孔側液体保持部材506をそれぞれ載置し、液体保持部材560を供給孔側液体保持部材506に重ねて収納する。
上記した仕切壁と凹部521m,521c,521yの関係は、蓋501が筐体520に接合された状態において、次のように表すことができる。仕切壁571は、底壁522と蓋501と第1側壁525と第2側壁526とに交差し、第1端壁523と第2端壁524とに対向するように位置する。仕切壁572は、底壁522と蓋501と第2端壁524と仕切壁571に交差し、第1側壁525と第2側壁526とに対向するように位置する。そして、インク供給孔507mに連通する凹部521mは、底壁522と蓋501と第2端壁524と第1側壁525と仕切壁571と仕切壁572を用いて区画して構成される。インク供給孔507cに連通する凹部521cは、底壁522と蓋501と第2端壁524と第2側壁526と仕切壁571と仕切壁572を用いて区画して構成される。インク供給孔507yに連通する凹部521yは、底壁522と蓋501と第1端壁523と第2側壁526と仕切壁571と仕切壁573を用いて区画して構成される。なお、仕切壁573については、省略することが可能であるので、この場合には、凹部521yは、底壁522と蓋501と第1端壁523と第1側壁525と第2側壁526と仕切壁571を用いて区画して構成される。
図14、図15に示すように、筐体520が備える底壁522と、第1端壁523と、第2端壁524と、第1側壁525と、第2側壁526にあっても、カートリッジ4と同様の構成である。また、カートリッジ5は、回路基板510を、筐体520の第1端壁523側に位置させる。この回路基板510は、カートリッジ4と同様に、基板載置部511に固定される。回路基板510における端子512の構成もほぼ同様であり、これら端子512の接触部は、カートリッジ5がキャリッジ8に既述したように装着されると、キャリッジ8の側の電極集合体810の電極に電気的に接続される。基板載置部511の構成もカートリッジ4と同様であり、回路基板510は、基板載置部511から突出した凸部514の熱カシメにより、基板載置部511に固定される。
図12、図13に示すように、蓋501は、蓋部530と、外方延在部531とを備える。蓋部530は、平板状とされ、筐体520の凹部521m,521c,521yを覆う。外方延在部531は、端子512を有する回路基板510が位置する第1端壁523の側において、蓋部530から外方に延在する屈曲延在部532と、傾斜延在部533とを有する。これら延在部の構成は、カートリッジ4と同様である。屈曲延在部532は、蓋501から筐体520に向かう第1方向(図13における−Z方向)に沿って蓋部530からほぼ90度に屈曲させて突出するよう延びている。この屈曲延在部532に続く傾斜延在部533は、蓋501から筐体520に向かう第1方向(図13における−Z方向)からの蓋501の平面視において、回路基板510の端子512に重なるまで延びている。また、外方延在部531は、蓋501が筐体520に固定されると、図15に示すように、基板載置部511の開口513と重なって、この開口513を第1端壁523の上端側で閉塞する。また、外方延在部531は、蓋501が筐体520に固定されると、図12に示すように、係合部505に係合する。この他、外方延在部531は、第2端壁524から第1端壁523に向かう第2方向(図6および図13における+Y方向)において、回路基板510の少なくとも下段側の端子512より外方に突出している。なお、傾斜延在部533を長く延在させて、回路基板510の端子512の総てより外方に突出ようにしてもよい。
図13に示すように、蓋501は、マゼンタ、シアン、イエローの各色に対応した凹部521m,521c,521yごとに、貫通孔502a,502b,502cと、貫通孔502aから貫通孔502cまでの間を延びるエアー溝503と、大気連通孔534と、各コーナーのシール部材受け座537とを備える。シール部材受け座537は、貫通孔502a,502b,502cの周壁やエアー溝503の周壁と同じ高さで蓋501の上面から突出し、シール部材504の接合受け座となる。
三つの大気連通孔534は、蓋部530の外縁にX軸方向に並んで位置し、蓋501を貫通する。イエロー、マゼンタ、シアンの各色ごとの貫通孔502cは、各色ごとのエアー溝503の末端において蓋501を貫通し、X軸方向に並んだ大気連通孔534とY軸方向に重なって形成されている。そして、Y軸方向で重なった大気連通孔534と貫通孔502cとは、蓋501の裏面側において図示しないエアー溝で繋げられる。当該エアー溝と貫通孔502cの蓋裏面側開口および大気連通孔534の蓋裏面側開口は、蓋裏面シール部材536にてシールされる。これにより、蓋501で塞がれた筐体520の凹部521m,521c,521yを、貫通孔502aとエアー溝503と貫通孔502cおよび大気連通孔534を介して、それぞれ大気開放する。なお、貫通孔502a,502b,502cとエアー溝503は、シール部材504により、蓋上面側でシールされる。上記した大気開放により、蓋501で塞がれた筐体520の各色ごとの凹部521m,521c,521yに収納された多孔質の液体保持部材560は、それぞれ大気通気を受けながら、収容済みインクを供給孔側液体保持部材506、延いてはキャリッジ8の液体導入部710m(図4参照)、或いは液体導入部710y或いは液体導入部710cにインク供給孔を介してインクを供給する。つまり、凹部521m,521c,521yにおけるインク供給孔507m,507c,507yにあっても、インク供給孔507mはキャリッジ8の液体導入部710mに、インク供給孔507cは液体導入部710cに、インク供給孔507yは液体導入部710yにそれぞれの色のインクを供給することになる。また、上記各供給孔の関係は、次のようになる。
インク供給孔507m,507c,507yが形成された底壁522から蓋501に向かう方向(+Z方向)に筐体520、延いてはカートリッジ5を平面視したとき、インク供給孔507mは、第1側壁525と第2側壁526との間に位置する。また、インク供給孔507cは、インク供給孔507mと第2側壁526との間に位置する。
この他、図14〜図17に示すように、カートリッジ5は、インク供給孔507m,507c,507yが形成された底壁522の底面(−Z方向側の外壁面)に、第1溝580と第2溝581とを有する。第1溝580は、マゼンタの液体導入部710m(図4参照)に対応するインク供給孔507mとシアンの液体導入部710cに対応するインク供給孔507cとの間に形成され、インク供給孔507mとインク供給孔507cとの間からインク供給孔507yへ向けて延在する。また、この第1溝580は、カートリッジ5がカートリッジ装着部7に装着される状態においてカートリッジ装着部7の案内突出部723(図4参照)が挿入可能な深さで、仕切壁572に凹状に形成されており(図16、図17参照)、仕切壁572の延在範囲、即ち第2端壁524と仕切壁571との間に亘って延びる。そして、この第1溝580は、インク供給孔507y等と次のような位置関係にある。
図14〜図15および図17に示すように、第1溝580は、第2端壁524から第1端壁523の側に向けて延びる。図13〜図15および図17に示すように、インク供給孔507yは、第1溝580と第1端壁523との間に位置する。また、底壁522から蓋501に向かう方向(+Z方向)に筐体520またはカートリッジ5を平面視したときは、次の第1〜第4の位置関係にある。第1の位置関係では、インク供給孔507yは、図14に示すように、第1溝580と回路基板510との間に位置する。第2の位置関係では、第1溝580は、図17に示すように、第2端壁524と凹部521yとの間に位置する。第3の位置関係では、第1溝580は、キャリッジ8の液体導入部710y(図4参照)の周囲に形成された弾性部材705に底壁522が接触する領域である周縁陥没部507bと、第2端壁524と、の間に位置する。なお、カートリッジ4と同様、第1溝580のX軸方向における幅は、周縁陥没部507bのX軸方向における幅より狭く設定されている。また、第1溝580と周縁陥没部507bとは連続していてもよい。
第2溝581は、図17に示すように、第1溝580に連続する凹所として、第2端壁524に形成されている。そして、この第2溝581は、底壁522から蓋501に向かう方向における深さが、第1溝580の底壁522から蓋501に向かう方向における深さより浅くされている。
A−5.カートリッジの装着姿勢:
図18はキャリッジ8へのカートリッジ4とカートリッジ5の装着の様子を概略的に示す説明図である。図示するように、カートリッジ装着の際、カートリッジ4とカートリッジ5はいずれも、第2端壁424,524の外側壁が−Z方向に面するような傾斜姿勢で、キャリッジ8のカートリッジ装着部7に挿入される。次いで、両カートリッジの係合突起424t,524tがキャリッジ8のカートリッジ装着部7における係合孔750(図4参照)に入り込む。その後、図6に示すような、係合部405,505がカートリッジ係合腕801に係合する状態になるまで、両カートリッジはカートリッジ装着部7に向けて−Z方向に押さえ付けられる。
以上説明した構成を備える本実施形態のカートリッジ4は、図9〜図11に示すように、プリンター10におけるキャリッジ8、詳しくはこのキャリッジ8が有するカートリッジ装着部7の液体導入部710b(図4、図6参照)にブラックインクを供給可能な液体供給孔407と、プリンター10におけるキャリッジ8の電極集合体810に電気的接続可能な回路基板410とを備え、その上で、液体供給孔407を、第2端壁424から底壁422の底面において延びる溝450と回路基板410との間に位置させる。よって、本実施形態のカートリッジ4によれば、次の利点がある。カートリッジ4は、その装着の際に図18に示す傾斜姿勢をとることから、仮に液体供給孔407からブラックインクが漏洩すると、その漏洩インクは、溝450がなければ底壁422の底面を伝って濡れ広がる可能性がある。これに対し、溝450があれば、上記の漏洩インクを底壁422の溝450(図11参照)に留め置いて液体供給孔407からの漏洩インクの拡散を抑制できる。さらに、溝450によって漏洩インクを第1端壁423から遠ざかる方向に誘導することができるので、漏洩したブラックインクが端子412に触れるリスクを低減できる。
本実施形態のカートリッジ4は、底壁422から蓋401に向かう方向(Z方向)に筐体420、またはカートリッジ4を平面視したとき、図9〜図10に示すように、液体供給孔407を溝450と回路基板410との間に位置させる。この点からも、本実施形態のカートリッジ4によれば、液体供給孔407から漏洩したブラックインクを溝450に留め置いてその拡散を抑制できるので、漏洩したブラックインクが端子412に触れるリスクを低減できる。
本実施形態のカートリッジ5は、キャリッジ8に装着可能である。このキャリッジ8は、図4に示すように、液体導入部710mと液体導入部710cと液体導入部710yと、案内突出部723とを備える。案内突出部723は、液体導入部710mと液体導入部710cとの間に形成され、液体導入部710mと液体導入部710cとの間から液体導入部710yに向けて延在する。そして、本実施形態のカートリッジ5は、図13〜図15に示すように、液体導入部710mにマゼンタインクを供給可能なインク供給孔507mと、液体導入部710cにシアンインクを供給可能なインク供給孔507cと、液体導入部710yにイエローインクを供給可能なインク供給孔507yとを備える。インク供給孔507mとインク供給孔507cとの間には第1溝580が形成される。第1溝580は、インク供給孔507mとインク供給孔507cとの間からインク供給孔507yへ向けて延在し、案内突出部723が挿入可能となるように形成される。この本実施形態のカートリッジ5は、その装着の際に図18に示す傾斜姿勢をとることから、仮にインク供給孔507yからイエローインクが漏洩した場合、その漏洩インクを、インク供給孔507yへ向けて延在する第1溝580に誘導して、第1溝580に留め置くことができる。よって、本実施形態のカートリッジ5によれば、インク供給孔507yからの漏洩インクの拡散を抑制できる。そのため、漏洩インクの混合も回避できる。また、仮にインク供給孔507mやインク供給孔507cから仮にインクが漏洩しても、この漏洩インクを第1溝580に留め置くことができるので、これら漏洩インクの拡散を抑制できる。この他、本実施形態のカートリッジ5によれば、第1溝580をインク供給孔507mとインク供給孔507cとの間からインク供給孔507yへ向けて延在させるという簡易な構成で、漏洩インクの拡散を抑制できる。
本実施形態のカートリッジ5は、インク供給孔507mとインク供給孔507cとインク供給孔507yと第1溝580とが形成される底壁522と、底壁522に対向する蓋501と、底壁522と蓋501とに交差する第1端壁523と、底壁522と蓋501とに交差し、第1端壁523に対向する第2端壁524と、底壁522と蓋501とに交差する第1側壁525と、底壁522と蓋501とに交差し、第1側壁525に対向する第2側壁526とを有する。また、底壁522から蓋501に向かう方向にカートリッジ5を平面視したとき、図13〜図16に示すように、インク供給孔507mを第1側壁525と第2側壁526との間に位置させ、インク供給孔507cをインク供給孔507mと第2側壁526との間に位置させ、第1溝580を第2端壁524から第1端壁523に向けて延ばし、インク供給孔507yを第1溝580と第1端壁523との間に位置させる。よって、本実施形態のカートリッジ5は、インク供給孔507yからの漏洩インクを、インク供給孔507yへ向けて底壁522で延在する第1溝580に誘導して、この第1溝580に留め置く。こうしたことから、本実施形態のカートリッジ5によれば、インク供給孔507yからの漏洩インクの底壁522の壁面に沿った拡散を抑制できるので、漏洩インクの混合を回避できる。
本実施形態のカートリッジ5では、第1側壁525と第2側壁526との間に位置するインク供給孔507mと、インク供給孔507mと第2側壁526との間に位置するインク供給孔507cとの間において、第1溝580を第2端壁524から第1端壁523に向けて延ばすので、インク供給孔507mからの漏洩インクや、インク供給孔507cからの漏洩インクについても、これら漏洩インクを溝に留め置いて底壁522の壁面に沿った拡散を抑制して、これら漏洩インクの混合も回避できる。また、本実施形態のカートリッジ5によれば、第1側壁525と第2側壁526との間に位置するインク供給孔507mと、インク供給孔507mと第2側壁526との間に位置するインク供給孔507cとの間において、第1溝580を第2端壁524から第1端壁523に向けて延ばすという簡易な構成で、上記した漏洩インクの拡散を抑制できる。
本実施形態のカートリッジ5は、図14に示すように、第1端壁523の外側壁に位置する回路基板510に設けられた端子512の接触部を、キャリッジ8の電極集合体810(図6参照)に電気的接続可能とする。底壁522から蓋501に向かう方向にカートリッジ5を平面視したとき、インク供給孔507yは第1溝580と回路基板510との間に位置する。そして、インク供給孔507yからの漏洩インクを第1溝580へ留め置くことができる。これにより、この漏洩インクが底壁522の壁面を伝って第1端壁523に到達することを抑制できるので、漏洩インクが端子512に触れるリスクを低減できる。
本実施形態のカートリッジ5は、図16に示すように、第1溝580を、凹部521mと凹部521cとを区画する仕切壁572に凹状に形成した。よって、本実施形態のカートリッジ5によれば、凹部521mと凹部521cのインク収容容量を減少させることなく、第1溝580を容易に形成できる。
本実施形態のカートリッジ5は、底壁522から蓋501に向かう方向にカートリッジ5を平面視したとき、第1溝580を、周縁陥没部507bと、第2端壁524と、の間に位置させる。よって、本実施形態のカートリッジ5によれば、溝位置規定という簡易な構成で、既述したようにインク供給孔507yからの漏洩インクの第1溝580への留め置きによる底壁522の壁面に沿った拡散の抑制の実効性と、これを通した漏洩インクの混合回避の実効性とを高めることができる。
本実施形態のカートリッジ5は、図17に示すように、第2端壁524に、第1溝580に連続する第2溝581を有する。この第2溝581は、図18に示すようにカートリッジ5を傾斜姿勢で上方からキャリッジ8に装着する際、キャリッジ8におけるカートリッジ装着部7の案内突出部723に、第1溝580より先に近づく。よって、本実施形態のカートリッジ5によれば、カートリッジをキャリッジ8に装着する過程で、第1溝580に連続する第2溝581に案内突出部723を先に入り込ませるので、第2溝581への案内突出部723の入り込みにより、案内突出部723をX軸方向のガイドレールとして機能させる。こうしたことから、本実施形態のカートリッジ5によれば、キャリッジ8への装着を簡便とできるほか、装着性を高めることができる。
本実施形態のカートリッジ5は、第2端壁424の第2溝581を、底壁522から蓋501に向かう方向における深さが、第1溝580の底壁522から蓋501に向かう方向における深さより浅くなるようにした。上記したように、カートリッジ5をキャリッジ8に装着する過程で、カートリッジ5は傾斜姿勢となるので、キャリッジ8におけるカートリッジ装着部7の案内突出部723は、カートリッジ5の第2溝581に先に入り込む。よって、第2溝581の深さを第1溝580より浅くしておくと、第2端壁524がカートリッジ装着部7の液体導入部710mや液体導入部710cに近づきすぎないようにできる。こうしたことから、本実施形態のカートリッジ5によれば、カートリッジ5をキャリッジ8に装着する過程で、カートリッジ装着部7の液体導入部710mや液体導入部710c或いはその周辺に不用意に第2端壁524を接触させないようにできるので、損傷回避の点から有益となる。
本実施形態のカートリッジ5は、筐体520と回路基板510とを備える。筐体520については、これを、マゼンタインクとシアンインクとイエローインクをインクごとに収容可能な凹部521m,521c,521yを有するものとする。その上で、本実施形態のカートリッジ5は、筐体520に、インク供給孔507m,507c,インク供給孔507yと第1溝580とを形成し、回路基板510を筐体520に配置するようにした。よって、本実施形態のカートリッジ5によれば、筐体520と回路基板510とを含む多パーツ形態であっても、既述したように漏洩インクの第1溝580への留め置きによる漏洩インクの拡散抑制を可能とする。
B.変形例
本発明は、以下のような種々の形態で実施し得る。
B−1.カートリッジの外観の変形例:
図19はカートリッジ5Aの外観の変形例を6面図にて示す説明図である。以下の説明に当たり、上記のカートリッジ5と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図19は、既述したカートリッジ5をその底壁522の側から蓋501に向けて平面視する方向を第1方向とし、この方向に向かってカートリッジ5Aを見た底面視図と、第1方向とは反対の第2方向に向かってカートリッジ5Aを見た平面視図と、第1方向と直交する第3方向に向かってカートリッジ5Aを見た正面視図と、第3方向とは反対の第4方向に向かってカートリッジ5Aを見た背面視図と、第1方向および第3方向と直交する第5方向に向かってカートリッジ5Aを見た左側面視図と、第5方向とは反対の第6方向に向かってカートリッジ5Aを見た右側面視図とを示している。図示するように、このカートリッジ5Aは、筐体520の外観520Asを、既述したカートリッジ5における筐体520の外観520sに比して、左右の側面視において端部が湾曲した外観とする。この湾曲の程度は、第1溝580とインク供給孔507m,507c,507yが形成できる範囲が平面として残ればよく、図示より湾曲程度が大きくてもよい。その上で、カートリッジ5Aは、底面視図に表れる筐体部位に、インク供給孔507mとインク供給孔507cとインク供給孔507yと第1溝580と回路基板510とを含み、インク供給孔507yを第1溝580と回路基板510との間に位置させている。
このカートリッジ5Aにあっても、多様な外観520Asとしても、第1溝580とインク供給孔507yの位置関係により、インク供給孔507yから漏洩インクの第1溝580への留め置きによる底壁522の壁面に沿ったインク拡散の抑制と、これを通した漏洩インクの混合を回避できる。
また、このカートリッジ5Aにあっても、第1方向に向かってカートリッジ5Aを平面視した底面視図に示すように、インク供給孔507yを第1溝580と回路基板510との間に位置させるので、第1溝580への漏洩インクの留め置きにより、漏洩インクが回路基板510の側に底壁522の壁面に沿って拡散することを抑制できるので、漏洩インクが回路基板510に触れるリスクを低減できる。
B−2.外部筐体を使用したカートリッジ:
図20は外部筐体を使用した第1変形例のカートリッジ5Bの概略分解図とA方向矢視図とを併記して示す説明図である。このカートリッジ5Bは、外部筐体520outと内部筐体520inとを有する。外部筐体520outは、底壁522を除いて、その外観が既述した筐体520と同様とされており、筐体挿入孔520hを有する。内部筐体520inは、マゼンタ、シアン、イエローの各色のインクをインクごとに収容可能な凹部521m,521c,521yを備えるほか、底壁522に、インク供給孔507m,507c,507yと第1溝580とを有する。上記の各凹所並びにインク供給孔の形状は、既述した筐体520と同様とされている。また、外部筐体520outは、キャリッジ8の電極集合体810に電気的接続可能な回路基板510を有する。そして、この外部筐体520outは、筐体挿入孔520hへの内部筐体520inの挿入を経て、内部筐体520inに着脱自在とされる。内部筐体520inを外部筐体520outの筐体挿入孔520hに挿入した状態のカートリッジ5Bは、既述したカートリッジ5と互換性を有する。なお、内部筐体520inの外側壁と筐体挿入孔520hの孔内壁との間には、図示しない位置決めピンや段差等が形成されており、内部筐体520inは、Z軸方向において位置決めされる。
この変形例のカートリッジ5Bでは、各色のインクの消費が進んで交換が必要となると、内部筐体520inの交換でインク補充に対処できる。また、カートリッジ5Bでは、内部筐体520inと外部筐体520outとに分離された多パーツ形態であっても、第1溝580への漏洩インクの留め置きにより、漏洩インクが回路基板510の側に底壁522の壁面に沿って拡散することを抑制できるので、漏洩インクが回路基板510に触れるリスクを低減できる。
図21は外部筐体を使用した第2変形例のカートリッジ5Cにおける外部筐体520outの底面側からの斜視図とA方向矢視図とを併記して示す説明図、図22はカートリッジ5Cにおける各色ごとの内部筐体の底面側からの斜視図とA方向矢視図とを併記して示す説明図、図23はカートリッジ5Cの概略分解図である。このカートリッジ5Cは、外部筐体520outと内部筐体520inm,520inc,520inyとを有する。外部筐体520outは、底壁522を含めて、その外観が既述した筐体520と同様とされている。そして、外部筐体520outの底壁522には、図21に示すように、インク供給孔507m,507c,507yと、キャリッジ8の電極集合体810に電気的接続可能な回路基板510と、第1溝580と、が形成されている。上記の各インク供給孔や回路基板510の位置や形状は、既述した筐体520と同様とされている。また、外部筐体520outは、底壁522とその周囲の第1端壁523、第2端壁524、第1側壁525および第2側壁526と、既述した仕切壁571〜573で、後述の内部筐体520inm,520inc,520inyを個別に収容する筐体収納凹所521ma,521ca,521yaを有する。これら筐体収納凹所521ma,521ca,521yaは、内部筐体520inm,520inc,520inyを液密に収納できればよいことから、底壁522の内壁面は平面とされている。
内部筐体520inmは、外部筐体520outの筐体収納凹所521maに挿入可能な外観形状とされて、凹部521mを備え、凹部内部形状を、既述した筐体520の凹部521mと同様とし、液体保持部材560や供給孔側液体保持部材506を収納している。そして、内部筐体520inmは、外部筐体520outにおけるインク供給孔507mに重なる貫通孔507maを備え、その周囲をシール部材czにてシールする。よって、この内部筐体520inmが外部筐体520outの筐体収納凹所521maに収納されると、インク供給孔507mは、シール部材czにてシールされた貫通孔507maを経て、マゼンタインクをキャリッジ8の液体導入部710m(図4参照)に供給する。内部筐体520incと内部筐体520inyについても同様である。
内部筐体520inmと内部筐体520incと内部筐体520inyの集合体は、インク供給孔507mとインク供給孔507cとインク供給孔507yとに取り付け可能であり、インク供給孔507mを介してマゼンタインクをキャリッジ8の液体導入部710b(図4参照)に供給可能で、インク供給孔507cを介してシアンインクを液体導入部710cに供給可能で、インク供給孔507yを介してイエローインクを液体導入部710yに供給可能となる。そして、外部筐体520outの筐体収納凹所521ma,521ca,521yaに内部筐体520inm,520inc,520inyを収納することで、図23に示すように、カートリッジ5Cが得られる。得られたカートリッジ5Cは、既述したカートリッジ5と互換性を有する。なお、外部筐体520outの筐体収納凹所521ma,521ca,521yaの内側壁と内部筐体520inm,520inc,520inyの外側壁との間には、図示しない位置決めピンや段差等が形成されており、上記の各内部筐体は、Z軸方向において位置決めされる。
この変形例のカートリッジ5Cでは、各色のインクの消費が進んで交換が必要となると、内部筐体520inmと内部筐体520incと内部筐体520inyの交換でインク補充に対処できる。また、カートリッジ5Cでは、内部筐体520inmと内部筐体520incと内部筐体520inyと外部筐体520outとに分離された多パーツ形態であっても、第1溝580への漏洩インクの留め置きにより、漏洩インクが回路基板510の側に底壁522の壁面に沿って拡散することを抑制できるので、漏洩インクが回路基板510に触れるリスクを低減できる。
図24は外部筐体を使用した第3変形例のカートリッジ5Dの概略分解図である。このカートリッジ5Dは、外部筐体520outと内部筐体520inとを有する。外部筐体520outは、上記の第3変形例と同様であり、内部筐体520inは、上記の第3変形例の内部筐体520inmと内部筐体520incと内部筐体520inyの一体品である。このカートリッジ5Dでは、外部筐体520outについては、仕切壁571と仕切壁573を省略し、仕切壁572については、第1溝580が形成できるだけの高さとする。例えば、図17に示す仕切壁572を、図示の半分ほどの高さとし、第1溝580をこの仕切壁572に形成する。そして、内部筐体520inにあっては、第1溝580が形成済みの仕切壁572が入り込む凹所580cを、貫通孔507maと貫通孔507caとの間に設ければよい。この多パーツ形態のカートリッジ5Dにあっても、漏洩インクの拡散抑制等の上記した効果を奏することができる。
図25は外部筐体を使用した第4変形例のカートリッジ5Eの概略分解図である。このカートリッジ5Eは、外部筐体520outと内部筐体520inmと内部筐体520incと内部筐体520inyを有する他、マゼンタ、シアン、イエローの各色インクごとの外部タンク590Tm,590Tc,590Tyと、各色インクごとのチューブ590Cm,590Cc,590Cyを有する。外部筐体520outは、上記の第3変形例と同様であり、内部筐体520inmと内部筐体520incと内部筐体520inyは、上記の第2変形例と同様である。外部タンク590Tm,590Tc,590Tyは、各色のインクを内部に収容し、図示しない内蔵ポンプにより収容インクを、チューブ590Cm,590Cc,590Cyを介して内部筐体520inm,520inc,520inyに供給する。内部筐体520inm,520inc,520inyは、既述したように貫通孔507ma,507ca,507yaを有し、これら貫通孔を外部筐体520outのインク供給孔507m,507c,507yに連通する。よって、外部タンク590Tmとチューブ590Cm、外部タンク590Tcとチューブ590Ccおよび外部タンク590Tyとチューブ590Cyは、インク供給孔507mとインク供給孔507cとインク供給孔507yとに取り付け可能であり、インク供給孔507mを介してマゼンタインクをキャリッジ8の液体導入部710m(図4参照)に供給可能で、インク供給孔507cを介してシアンインクを液体導入部710cに供給可能で、インク供給孔507yを介してイエローインクを液体導入部710cに供給可能とする。従って、この多パーツ形態のカートリッジ5Eにあっても、漏洩インクの拡散抑制等の上記した効果を奏することができる。
B−3.その他の変形例:
本発明は、インクジェットプリンターおよびそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置およびその液体を収容するためのカートリッジ(液体収容容器)にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置およびその液体収容容器に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射吐出ヘッドを備える液体噴射装置
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、および、ゾルゲル法での液体材料、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記した実施形態と変形例では、カートリッジ装着部7に案内突出部723を設け、この案内突出部723が挿入する第1溝580をカートリッジ5に設けたが、次のようにしてもよい。図4に示す案内突出部723を、X軸方向で隣り合う液体導入部710mと液体導入部710cとの間から液体導入部710yに到るまでの間において、点在して突出する複数の突出部とする。そして、第1溝580については、図14に示す通りの溝形状とできるほか、複数の突出部が個別に挿入する複数の凹所としてもよい。