JP6540989B2 - 呈味を増強する化合物をスクリーニングする方法および呈味増強剤並びに呈味増強剤を含む飲食品 - Google Patents
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Description
(1)非ヒト動物を用いた呈味を増強する化合物のインビボのスクリーニング方法であって、
(a)被検化合物と、味覚物質を含む水溶液とを混合することと、
(b)得られた水溶液を非ヒト動物の舌に接触させることと、
(c)上記接触により発生する鼓索神経の生理学的応答を検出することと、
(d)被検化合物存在時の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の生理学的応答の強度よりも高まることを指標として呈味を増強する化合物を選択することと
を含む、スクリーニング方法。
(2)呈味を増強する化合物から、その化合物自体が味覚受容体に反応しないことを指標として化合物を選択することをさらに含む、上記(1)に記載のスクリーニング方法。
(3)鼓索神経に対して生理学的応答を生じさせない濃度で呈味を増強する化合物を選択する、上記(1)または(2)に記載のスクリーニング方法。
(4)被検化合物存在時の鼓索神経の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の鼓索神経の生理学的応答の強度に対して1.1倍以上6.0倍以下である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(5)味覚物質が、塩味物質である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(6)味覚物質が、塩味物質であり、被検化合物が上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)発現細胞に生理学的応答を生じさせない濃度で、塩味物質による鼓索神経の生理学的応答を増強することを指標として、塩味を増強する化合物を選択する、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)味覚細胞を用いた呈味を増強する化合物のインビトロのスクリーニング方法であって、
(i)被検化合物と、味覚物質を含む水溶液とを混合することと、
(ii)得られた水溶液を味覚細胞に接触させることと、
(iii)上記接触により発生する味覚細胞の生理学的応答を検出することと、
(iv)被検化合物存在時の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の生理学的応答の強度よりも高まることを指標として呈味を増強する化合物を選択することと
を含む、スクリーニング方法。
(8)生理学的応答が、味覚細胞内へのカルシウム流入であるか、または味覚細胞の膜電位の脱分極である、上記(7)に記載の方法。
(9)呈味を増強する化合物から、その化合物自体が味覚受容体に反応しないことを指標として化合物を選択することをさらに含む、上記(7)または(8)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(10)味覚細胞に対して生理学的応答を生じさせない濃度で呈味を増強する化合物を選択する、上記(7)〜(9)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(11)被検化合物存在時の味覚細胞の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の味覚細胞の生理学的応答の強度に対して1.1倍以上6.0倍以下である、上記(7)〜(10)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(12)味覚物質が、塩味物質である、上記(7)〜(11)のいずれかに記載のスクリーニング方法。
(13)味覚物質が、塩味物質であり、被検化合物が上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)発現細胞に生理学的応答を生じさせない濃度で、塩味物質による味覚細胞の生理学的応答を増強することを指標として、塩味を増強する化合物を選択する、上記(7)〜(12)のいずれかに記載の方法。
(14)上記(1)〜(13)のいずれかに記載の方法により得られた、呈味を増強する化合物。
(15)上記(14)に記載の化合物を、味覚物質を含む組成物と混合することを含む、呈味の増強方法。
(16)上記(14)に記載の化合物を、味覚物質を含まない水溶液中では非ヒト動物の鼓索神経に生理学的応答を生じさせない濃度で、味覚物質を含む飲食品と混合することを含む、呈味の増強方法。
(17)上記(14)に記載の化合物を、味覚物質を含まない水溶液中では味覚細胞に生理学的応答を生じさせない濃度で、味覚物質を含む飲食品と混合することを含む、呈味の増強方法。
(18)上記(14)に記載の化合物を、味覚物質を含まない水溶液中では非ヒト動物の鼓索神経に生理学的応答を生じさせない濃度で含む、飲食品。
(19)上記(14)に記載の化合物を、味覚物質を含まない水溶液中では非ヒト動物の味覚細胞に生理学的応答を生じさせない濃度で含む、飲食品。
(20)スピラントールを、0.03mM〜900mMの濃度で含む、呈味増強剤。
(21)上記(20)に記載の呈味増強剤を飲食品と混合することを含み、これにより呈味増強剤を飲食品の総重量に対して0.01〜1重量%となるように調節する、飲食品の呈味増強方法。
(22)上記(20)に記載の呈味増強剤を0.01〜1重量%含むことを特徴とする飲食品。
非ヒト動物を用いた呈味を増強する化合物のインビボのスクリーニング方法であって、
(a)被検化合物と、味覚物質を含む水溶液とを混合することと、
(b)得られた水溶液を非ヒト動物の舌に接触させることと、
(c)上記接触により発生する鼓索神経の生理学的応答を検出することと、
(d)被検化合物存在時の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の生理学的応答の強度よりも高まることを指標として呈味を増強する化合物を選択することと
を含む、スクリーニング方法が提供される。
味覚物質としては、増強させたい味覚を生じる味覚物質を用いることができる。例えば、特に限定されないが、塩味物質、甘味物質、酸味物質または旨味物質を用いることができる。
工程(b)は、通常は、非ヒト動物を麻酔し、鼓索神経を露出させた上で鼓索神経の生理学的応答を測定しながら非ヒト動物の舌に水溶液を接触させることにより行うことができる。これにより、水溶液は舌に存在する味覚細胞に接触することとなる。
鼓索神経は、味覚受容体細胞とシナプスを介して連結しており、呈味刺激による生理学的応答を伝達する。従って、工程(c)では、呈味刺激に応じて生じる鼓索神経の生理学的応答を検出する。生理学的応答は、神経細胞の活動電位とすることができる。
工程(d)では、被検化合物を混入させた味覚物質溶液に対する鼓索神経の生理学的応答(すなわち、被検化合物存在時の生理学的応答)と、被検化合物を含まない味覚物質溶液に対する鼓索神経の生理学的応答(すなわち、被検化合物非存在時の生理学的応答)とを比較して、生理学的強度が高まったか否かを評価することができる。
呈味を増強する化合物の中には、味覚受容体に反応しない化合物が存在する。例えば、本明細書では、被検化合物が味覚受容体に反応するか否かは、特定の味覚受容体を発現する味覚細胞を単離して該化合物と接触させた場合に、その細胞に対して生理学的応答を示さないことを指標として判断することができる。あるいは、被検化合物が味覚受容体に反応するか否かは、インビボで被検化合物を単独で非ヒト動物の舌に接触させたときに非ヒト動物の鼓索神経応答を生じさせないことを指標として判断してもよい。工程(e)は、呈味を増強する濃度で化合物が味覚受容体に反応しない化合物を選択することができる。工程(e)は、呈味を増強する濃度域において、味覚受容体に反応しない濃度域を決定することもできる。
味覚細胞を用いた呈味を増強する化合物のインビトロのスクリーニング方法であって、
(i)被検化合物と、味覚物質を含む水溶液とを混合することと、
(ii)得られた水溶液を味覚細胞に接触させることと、
(iii)上記接触により発生する味覚細胞の生理学的応答を検出することと、
(iv)被検化合物存在時の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の生理学的応答の強度よりも高まることを指標として呈味を増強する化合物を選択することと
を含む、スクリーニング方法が提供される。
本実施例では、鼓索神経の神経レコーディング法(Journal of Neurophysiology, 108:3221-3232, 2012を参照)を用いて味覚刺激の検出を試みた。
本実施例では、塩味物質に対する被検化合物の呈味増強効果を鼓索神経の神経応答により検出することを試みた。
本実施例では、スピラントールの官能特性に及ぼす影響と、実施例2で示された鼓索神経応答との関連を調べた。
本実施例では、スピラントールによる塩味増強作用に、上皮型ナトリウムイオンチャネル(ENaC)が関与するか否かを調べた。
本実施例では、単離した味覚受容体細胞を用いて塩味増強度合いの測定を試みた。
Claims (10)
- 非ヒト動物を用いた呈味を増強する化合物のインビボのスクリーニング方法であって、
(a)被検化合物と、味覚物質を含む水溶液とを混合することと、
(b)得られた水溶液を非ヒト動物の舌に接触させることと、
(c)上記接触により発生する鼓索神経の生理学的応答を検出することと、
(d)被検化合物存在時の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の生理学的応答の強度よりも高まることを指標として呈味を増強する化合物を選択することと、
(e1)呈味を増強する化合物から、その化合物自体が味覚受容体に反応しないことを指標として化合物を選択すること、および/または(e2)鼓索神経に対して生理学的応答を生じさせない濃度で呈味を増強する化合物を選択することと
を含み、前記被検化合物は、オランダセンニチ、カプシカム(トウガラシ)、ペッパー(コショウ)、ジンジャー(ショウガ)、オニオン(タマネギ)、ガーリック(ニンニク)、マスタード(カラシ)、ワサビ、ダイコン、及びサンショウからなる群から選択される香辛料に含まれる刺激物質若しくは当該刺激物質を含む香辛料抽出物であるか、または、スピラントール、ピペリン、ジンゲロール、ショーガオール、アリルイソチオシアネート及びα−サンショオール並びにこれらの類縁体からなる群から選択される刺激物質である、
を含む、スクリーニング方法。 - 被検化合物存在時の鼓索神経の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の鼓索神経の生理学的応答の強度に対して1.1倍以上6.0倍以下である、請求項1に記載のスクリーニング方法。
- 味覚物質が、塩味物質である、請求項1または2に記載のスクリーニング方法。
- 味覚物質が、塩味物質であり、被検化合物が上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)発現細胞に生理学的応答を生じさせない濃度で、塩味物質による鼓索神経の生理学的応答を増強することを指標として、塩味を増強する化合物を選択する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
- 味覚細胞を用いた呈味を増強する化合物のインビトロのスクリーニング方法であって、
(i)被検化合物と、味覚物質を含む水溶液とを混合することと、
(ii)得られた水溶液を味覚細胞に接触させることと、
(iii)上記接触により発生する味覚細胞の生理学的応答を検出することと、
(iv)被検化合物存在時の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の生理学的応答の強度よりも高まることを指標として呈味を増強する化合物を選択することと、
(v)呈味を増強する化合物から、その化合物自体が味覚受容体に反応しないことを指標として化合物を選択することと
を含み、前記被検化合物は、オランダセンニチ、カプシカム(トウガラシ)、ペッパー(コショウ)、ジンジャー(ショウガ)、オニオン(タマネギ)、ガーリック(ニンニク)、マスタード(カラシ)、ワサビ、ダイコン、及びサンショウからなる群から選択される香辛料に含まれる刺激物質若しくは当該刺激物質を含む香辛料抽出物であるか、または、スピラントール、ピペリン、ジンゲロール、ショーガオール、アリルイソチオシアネート及びα−サンショオール並びにこれらの類縁体からなる群から選択される刺激物質である、
スクリーニング方法。 - 生理学的応答が、味覚細胞内へのカルシウム流入であるか、または味覚細胞の膜電位の脱分極である、請求項5に記載のスクリーニング方法。
- 呈味を増強する化合物から、その化合物自体が味覚受容体に反応しないことを指標として化合物を選択することをさらに含む、請求項5または6に記載のスクリーニング方法。
- 被検化合物存在時の味覚細胞の生理学的応答の強度が、被検化合物非存在時の味覚細胞の生理学的応答の強度に対して1.1倍以上6.0倍以下である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
- 味覚物質が、塩味物質である、請求項5〜8のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
- 味覚物質が、塩味物質であり、被検化合物が上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)発現細胞に生理学的応答を生じさせない濃度で、塩味物質による味覚細胞の生理学的応答を増強することを指標として、塩味を増強する化合物を選択する、請求項5〜9のいずれか一項に記載のスクリーニング方法。
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