JP6546482B2 - 容器詰液状飲食品及びその製造方法並びに容器詰液状飲食品の呈味劣化抑制方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、昨今の健康志向の高まりからも、減塩飲食品に対するニーズは高く、食塩を低減しても濃度感や風味を損なわない食品加工・原料加工の技術が強く求められている。
また、一般的にこれらの容器詰液状飲食品は塩分量が多く、上記のような疾患の懸念がある高齢者等からは敬遠される傾向にある一方で、単純な減塩は呈味性及び保存性の観点からも容易に行うことができないという事情があった。
従って、塩分量を低減しながらも、容器詰飲食品の塩味や濃度感及び呈味劣化を抑制しうる容器詰飲食品を商品設計することは、技術的ハードルが高かった。
(1)容器詰液状飲食品であって、タマバリタケ科のきのこ抽出物を含有すると共に、前記飲食品中に含有されるミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)が0.30〜2.00であり、pHが4.0〜7.0であることを特徴とする容器詰液状飲食品。
(2)
前記タマバリタケ科のきのこが、エノキタケであることを特徴とする請求項1に記載の容器詰液状飲食品。
(3)
前記呈味成分はアミノ酸、γ−アミノ酪酸及びポリフェノールから構成され、前記呈味成分は、前記飲食品中に500〜8000ppm含有されることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器詰液状飲食品。
(4)
ナトリウムを500〜4000ppm含有し、且つ前記飲食品中のアミノ酸に対するナトリウムの重量比率(ナトリウム/アミノ酸)が0.1〜5.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰液状飲食品。
(5)
前記飲食品中のタンパク質に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/タンパク質)が0.01〜1.25であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰液状飲食品。
(6)
前記タンパク質が3000〜25000ppm含有されることを特徴とする請求項5に記載の容器詰液状飲食品。
(7)
ポリフェノールを100〜650ppm含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器詰液状飲食品。
(8)
容器詰液状飲食品の製造方法であって、きのこ抽出物を含有すると共に、前記飲食品中に含有されるミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)が0.30〜2.00であり、pHが4.0〜7.0に調整することを特徴とする容器詰液状飲食品の製造方法。
(9)
容器詰液状飲食品の呈味劣化抑制方法であって、きのこ抽出物を含有すると共に、前記飲食品中に含有されるミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)が0.30〜2.00であり、pHが4.0〜7.0に調整することを特徴とする容器詰液状飲食品の呈味劣化抑制方法。
本発明における容器詰液状飲食品とは、例えばトマト、とうもろこし、じゃがいも、大豆、玉葱等の野菜や穀物の抽出液、搾汁液及び/又は該抽出液、該搾汁液の濃縮液やエキス、あるいは昆布、鰹、煮干、椎茸等からとった和風出汁、あるいは牛肉・鶏肉・魚等からとった出汁(ブイヨン)を原料とし、容器に充填してなる飲料である。具体的には、味噌汁等の和風スープや、コーンスープ、トマトスープ、コンソメスープ、クラムチャウダー等の洋風スープ、中華スープ等の液状の食品を容器に充填してなる飲料である。
また、本発明の容器詰液状飲食品とは、容器詰液状飲食品中に固形状の野菜、穀物及び肉類といった具材を含有することが好ましく、常温よりも高い温度に加温した状態で飲用する飲料であることがより好ましいが、常温より低い温度(25℃未満)であっても飲用可能である。本発明の容器詰液状飲食品における塩味、呈味、濃度感等の風味は加温された状態でより好適な状態となるからである。
本発明におけるタマバリタケ科のきのこ抽出物には、該抽出物の濃縮物も含む概念である。該きのこをそのまま、あるいは切断・粉砕した状態で、水、お湯又は有機溶媒に投入し、常圧下又は加圧下で抽出し、抽出液を回収後、任意の濃度に濃縮することによって得られるエキスである。また、濃縮の方法は特に限定されることはなく、例えば減圧濃縮、膜濃縮等が挙げられる。
本実施形態にあっては、特にタマバリタケ科のきのこの一種であるエノキタケ(学名:Flammulina velutipes)抽出物(以後えのきエキスとも称する)を用いることが望ましい。
前記えのきエキスとしては、例えば長崎県農村工業研究所から販売されているえのきエキス(Bx4〜5)を用いることができ、ストレート換算で容器詰液状飲食品中に0.01〜5.00質量%含有されることが好ましい。0.01質量%を下回ると旨みにより塩味を付与する効果が弱くなり、容器詰液状飲食品として物足りない印象となってしまう。5.00質量%を上回ると過度な旨みによって、塩味とのバランスを損なってしまい、容器詰液状飲食品において適さない呈味となってしまう。本発明におけるえのきエキスはえのきの風味が目立たず、洋風スープ等のきのこを出汁として添加しない容器詰液状飲食品であっても、えのきエキスの添加によってその風味を損なうことはない。かかる観点から、えのきエキスは0.05〜3.00質量%含有されることがより好ましく、0.10〜2.00質量%含有されることが特に好ましく、0.20〜1.50質量%含有されることが最も好ましい。
特に、容器詰液状飲食品が味噌汁等の塩味を感じやすい飲料である場合は、えのきエキスは0.20〜1.50質量%含有することが好ましく、0.30〜1.00質量%含有することがより好ましい。また、容器詰液状飲食品がコーンスープ等の比較的甘味を感じやすい飲料である場合は、えのきエキスは0.10〜1.00質量%含有することが好ましく、0.15〜0.65質量%含有することがより好ましい。更に、容器詰液状飲食品がトマトスープ等の塩味及び酸味を感じやすい飲料である場合は、えのきエキスは0.15〜1.2質量%含有することが好ましく、0.18〜0.80質量%含有することがより好ましい。
また、えのきエキスには呈味成分としてアミノ酸が含まれ、風味を付与する観点から、本発明のえのきエキスに含有されるアミノ酸は500〜3000ppmであることが好ましく、1000〜2000ppmであることがより好ましい。また、えのきエキスに含有されるポリフェノールは100〜600ppmであることが好ましく、200〜450ppmであることがより好ましい。
更に、えのきエキスに含有されるナトリウムは5〜100ppmであることが好ましく、10〜80ppmであることがより好ましい。また、えのきエキスに含有されるカリウムは80〜400ppmであることが好ましく、100〜300ppmであることがより好ましい。
更に、えのきエキスにおけるカリウムに対するナトリウムの重量比率(ナトリウム/カリウム)は0.001〜0.100であることが好ましく、0.005〜0.050であることがより好ましい。
なお、本発明におけるえのきエキス、すなわちえのき抽出液及び/又は該抽出液は、液状の形態であっても、乾燥、造粒等を行った粉末の形態、あるいはスラリー状の形態であっても良い。えのきエキスの各含有成分は当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができる。例えば、アミノ酸、ナトリウム及びカリウムは、HPLCを用いた検量線法によって測定する方法が挙げられ、ポリフェノールはタンニン酸を標準物質としてフォリン−デニス法によって測定する方法が挙げられる。
本発明における呈味成分とは、容器詰液状飲食品中に含有されるアミノ酸、γ−アミノ酪酸及びポリフェノールの総量であって、500〜8000ppmに調整される。500ppmを下回ると容器詰液状飲食品における呈味と濃度感が損なわれ、塩味も弱く感じ、薄い印象となってしまう。8000ppmを上回ると呈味と濃度感が不自然に強くなり、自然な味わいを損なってしまう。かかる観点から、好ましくは600〜6500ppmであり、より好ましくは700〜5000ppmであり、特に好ましくは800〜4500ppmであり、最も好ましくは1000〜4000ppmである。
また、本発明においては上記3種の成分すべてが含有されていることが好ましく、いずれか1種でも含有されていない成分があると容器詰液状飲食品における呈味のバランス調整が難しくなる。
特に、容器詰液状飲食品が比較的塩味の強い味噌汁である場合、呈味と塩味のバランスの観点から、呈味成分は500〜3000ppmが好ましく、1000〜2000ppmがより好ましく、容器詰液状飲食品がコーンスープである場合は700〜4000ppmが好ましく、1500〜2500ppmがより好ましい。また、容器詰液状飲食品が比較的塩味の弱いトマトスープである場合、呈味と塩味のバランスの観点から、呈味成分は2000〜8000ppmが好ましく、3000〜4000ppmがより好ましい。
本発明におけるアミノ酸とは遊離アミノ酸であって、アラニン、セリン、アルギニン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸及びアスパラギン酸の総量であって、容器詰液状飲食品中に100〜7000ppm含有されることが好ましい。この範囲とすることで、容器詰液状飲食品において良好な旨みとなり、塩味の減少を感じにくくすることができる。かかる観点から、より好ましくは300〜6000ppmであり、さらに好ましくは400〜5000ppmであり、特に好ましくは500〜4000ppmであり、最も好ましくは700〜3500ppmである。本発明においてはアミノ酸のうちグルタミン酸が10〜95%であることが好ましく、20〜90%であることがより好ましい。
また、アミノ酸量はアミノ酸を含有する原材料の配合割合を調整するか、アミノ酸を添加することで調整することができる。なお、アミノ酸は当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができる。例えば、HPLCを用いた検量線法によって測定する方法が挙げられる。
本発明におけるγ−アミノ酪酸とは、GABAとも呼ばれるアミノ酸の一種であり、容器詰液状飲食品中に1〜500ppm含有されることが好ましい。この範囲とすることで、容器詰液状飲食品に鮮度感のある呈味を付与することができる。かかる観点から、好ましくは2〜400ppmであり、より好ましくは3〜350ppmであり、特に好ましくは4〜300ppmであり、最も好ましくは5〜250ppmである。
特に、容器詰液状飲食品がトマトスープであった場合、鮮度感が風味に与える影響が大きいことから、γ−アミノ酪酸が50〜500ppm含有されることが好ましく、100〜300ppm含有されることがより好ましい。
γ−アミノ酪酸量を調整する方法としては、市販のγ−アミノ酪酸量の標準品や製剤等を用いる方法もあるが、全体の風味に悪影響を与える可能性や製造コスト抑制の観点から野菜類、穀物類あるいは肉類由来の原料で調整するのが好ましい。なお、γ−アミノ酪酸量は、当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができる。例えばアミノ酸分析計を使用する方法や、オルトフタルアルデヒド(OPA)で誘導体化を行なってから蛍光−HPLCで分析する方法や、その他の簡易測定方法により測定することができる。
本発明の容器詰液状飲食品は、ポリフェノールを100〜650ppm含有することが好ましい。ポリフェノール量が100ppmを下回るとポリフェノールによる呈味や濃度感を感じにくく、もの足りない印象となる。650ppmを上回ると後味のキレが悪くなり、雑味が口に残る印象となる。更に、この範囲とすることでポリフェノールの抗酸化能により、加熱殺菌工程による呈味劣化の抑制にも効果的である。かかる観点から、本発明におけるポリフェノール量は、より好ましくは150〜580ppmであり、特に好ましくは180〜550ppmであり、最も好ましくは200〜500ppmである。
本発明においてポリフェノールとは、植物に由来する物質(フィトケミカル:phytochemical)の1種であり、1分子中にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の総称である。ポリフェノールには、大別して分子量が1,000以下の単量体ポリフェノールと、単量体ポリフェノールが2つ以上結合した重合ポリフェノールが存在し、重合ポリフェノールは一般にタンニンとも称される。代表的な単量体ポリフェノールとしては、フラボノイド類(フラボノイド類には、フラボン、フラバノール、アントシアニジン、イソフラボノイド、ネオフラボノイド等を基本骨格とする化合物が含まれる)、クロロゲン酸、没食子酸、エラグ酸などがある。各ポリフェノールは単体以外にも、当該ポリフェノールの効果を失わない範囲であれば、例えば、重合体、配糖体等の所定の化合物状態であっても良い。
また、ポリフェノール量を調整する方法としては、市販のポリフェノール製剤等を用いる方法もあるが、全体の風味に悪影響を与える可能性や製造コスト抑制の観点から、ポリフェノール含有する原料の配合割合によって調整するのが好ましい。
更に、本発明におけるポリフェノールとは、イソフラボン、タンニン、カテキン、アントシアニン、クルクミン、ルチン、ケルセチン、フラボノール、フラボノン、プロシアニジン、フェルラ酸、ナリンゲニンカルコン、レスベラトロールから選ばれる1種以上であることが好ましく、その中でもイソフラボン、タンニン、フェルラ酸、ナリンゲニンカルコンから選ばれる1種以上であることがより好ましく、特にその中でもタンニンであることが最も好ましい。
なお、ポリフェノールは当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができる。例えば、タンニン酸を標準物質としてフォリン−デニス法を用いて求める方法が挙げられる。
本発明におけるミネラル類とは、容器詰液状飲食品中に含まれるナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの総量であり、1000〜6000ppmに調整されることが好ましい1000ppmを下回ると、後味の濃度感が弱くなり、薄い印象となってしまい、6000ppmを上回ると後味の苦味が強く、容器詰液状飲食品に適さない味となってしまうからである。かかる観点から、より好ましくは1500〜5500ppmであり、特に好ましくは2000〜5000ppmであり、最も好ましくは2500〜4000ppmである。
特に、ミネラル類の中でもナトリウム量の調整は、塩分量の低減及び容器詰液状飲食品の濃度感の観点から重要であり、本発明においては500〜4000ppmに調整されることが好ましい。500を下回ると、容器詰液状飲食品としての塩味や濃度感が損なわれ、4000を上回ると、過剰な塩味と濃度感を感じ、そもそも塩分量の低減効果を損なってしまうからである。かかる観点から、1000〜3500ppmに調整されることがより好ましく、1500〜3400ppmが特に好ましく、1800〜3200ppmが最も好ましい。
また、本発明のミネラル類においては、ミネラル類のうちカリウムが5〜50%含有されていることが好ましい。この範囲とすることで、塩分量を低減した容器詰液状飲食品であって塩味を感じることが期待できる。かかる観点から、より好ましくは10〜45%であり、最も好ましくは12〜40%である。更に、塩分量を低減させ、且つ塩味を付与する観点から、カリウムに対するナトリウムの重量比率(ナトリウム/カリウム)は0.5〜8.0であることが好ましく、0.8〜7.0であることがより好ましく、1.0〜6.0であることが特に好ましい。また、ミネラル類はミネラル類を含有する原材料の配合割合を調整するか、ミネラル類を添加することで調整することができる。なお、ミネラル類は当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができる。例えば、ナトリウム、カリウムは原子吸光測定法が挙げられ、その他のミネラル(カルシウム、マグネシウム等)は、ICP発光分析測定法が挙げられる。
本発明におけるミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)は0.30〜2.00に調整されることを特徴とする。0.30を下回ると、容器詰液状飲食品としての呈味、塩味のバランスが損なわれ、特に呈味由来の濃度感が物足りない印象となってしまう。また、2.00を上回ると、容器詰液状飲食品としての呈味、塩味のバランスが損なわれ、特に塩味由来の濃度感が物足りない印象となってしまう。かかる観点から、好ましくは0.32〜1.90であり、より好ましくは0.33〜1.70であり、特に好ましくは0.34〜1.50であり、最も好ましくは0.35〜1.20である。
特に呈味と塩味のバランスの観点から、容器詰液状飲食品が味噌汁であった場合、ミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)は0.30〜1.00に調整されることが好ましく、0.32〜0.60に調整されることがより好ましい。また、容器詰液状飲食品がコーンスープであった場合、ミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)は0.30〜1.00に調整されることが好ましく、0.40〜0.90に調整されることがより好ましい。更に、容器詰液状飲食品がトマトスープであった場合、ミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)は0.50〜1.70に調整されることが好ましく、0.60〜1.50に調整されることがより好ましい。
本発明における容器詰液状飲食品の製品pHは4.0〜7.0に調整されることを特徴とする。pHが4.0を下回ると渋味や酸味が目立ってしまい、7.0を上回ると水っぽい印象となってしまうからである。更に、この範囲とすることで加温販売時においても容器詰液状飲食品の液色を保持することができる。かかる観点から、好ましく4.3〜6.8であり、より好ましいpHは4.5〜6.7であり、特に好ましいpHは4.8〜6.6であり、最も好ましいpHは5.1〜6.5である。なお、pHを上記範囲に調整するには、例えば、アスコルビン酸やクエン酸、重曹や炭酸カリウム等のpH調整剤の添加量を調整すればよい。
特に、容器詰液状飲食品が味噌汁であった場合、pHは5.2〜6.8に調整されることが好ましく、5.5〜6.5に調整されることがより好ましい。また、容器詰液状飲食品がコーンスープであった場合、pHは5.8〜7.0に調整されることが好ましく、6.0〜6.8に調整されることがより好ましい。更に、容器詰液状飲食品がトマトスープであった場合、pHは4.0〜6.0に調整されることが好ましく、4.5〜6.0に調整されることがより好ましい。
本発明におけるアミノ酸に対するナトリウムの重量比率(ナトリウム/アミノ酸)は0.1〜5.0に調整されることを特徴とする。この範囲とすることで、塩分量を低減した容器詰液状飲食品においても旨みが塩味の代わりとなり、濃度感を演出できるからである。かかる観点から、好ましくは0.2〜4.5であり、より好ましくは0.3〜4.0であり、特に好ましくは0.4〜3.5であり、最も好ましくは0.5〜3.0である。
本発明におけるタンパク質とは、容器詰液状飲食品の加温殺菌工程によって変性し、呈味劣化の原因となる成分である。本発明におけるタンパク質は呈味劣化の抑制のため3000〜25000ppmであることが好ましく、4000〜22000ppmであることがより好ましく、5000〜20000ppmであることが特に好ましく、7000〜18000ppmであることが最も好ましい。
また、タンパク質量はタンパク質を含有する原材料の配合割合や製造工程中の濾過工程等で調整することができる。なお、タンパク質の測定は当業者に公知の方法で行うことができ、例えばケルダール法やブラッドフォード法にて行うことができる。また、ケルダール法に用いる分解促進剤等の試薬には市販品を適宜用いることができ、測定機についても市販品を用いることができる。
本発明におけるタンパク質に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/タンパク質)は0.01〜1.25に調整されることを特徴とする。この範囲とすることで、容器詰液状飲食品における呈味による濃度感を得ることができ、更に加熱殺菌工程による呈味劣化が抑制される。かかる観点から、好ましくは0.02〜1.00であり、より好ましくは0.03〜0.80であり、特に好ましくは0.04〜0.65であり、最も好ましくは0.05〜0.50である。
また、本発明の容器詰液状飲食品におけるエルゴチオネインに対するタンパク質の重量比率(タンパク質/エルゴチオネイン)が5000〜100000に調整されることが好ましい。この範囲とすることで容器詰液状飲食品において、加熱殺菌工程によるタンパク質等の酸化劣化が抑制され良好な呈味や液色を保持することができ、加温販売を目的とした容器詰液状飲食品においては特に効果的である。かかる観点から、より好ましくは6000〜80000であり、特に好ましくは8000〜65000である。なお、エルゴチオネインはえのきエキス等の原材料の配合割合で調整することができ、当業者に公知の方法で分析及び算出できる。例えばHPLCを用いた検量線法によって測定する方法が挙げられる。
特に、容器詰液状飲食品が味噌汁であった場合、糖度(Bx)は3.0〜6.5に調整されることが好ましく、3.5〜5.5に調整されることがより好ましい。また、容器詰液状飲食品がコーンスープであった場合、糖度(Bx)は7.0〜13.0に調整されることが好ましく、8.0〜9.5に調整されることがより好ましい。更に、容器詰液状飲食品がトマトスープであった場合、糖度(Bx)は6.0〜9.0に調整されることが好ましく、6.5〜8.5に調整されることがより好ましい。
更に、本発明の容器詰液状飲食品おける酸度は0.001〜1.000に調整されることが好ましく、この範囲とすることで、容器詰液状飲食品における最適な鮮度感及び酸味を感じることができるからである。かかる観点から、より好ましくは0.005〜0.500であり、特に好ましくは0.010〜0.300である。
特に、容器詰液状飲食品が味噌汁であった場合、酸度は0.001〜0.200に調整されることが好ましく、0.040〜0.120に調整されることがより好ましい。また、容器詰液状飲食品がコーンスープであった場合、酸度は0.001〜0.100に調整されることが好ましく、0.010〜0.100に調整されることがより好ましい。更に、容器詰液状飲食品がトマトスープであった場合、酸度は0.050〜0.500に調整されることが好ましく、0.050〜0.030に調整されることがより好ましい。
なお、酸度の測定方法は、当業者に公知の手法により算出及び/又は測定することができる。例えば、市販の自動滴定装置を用い、電位差滴定法に基づいて算出することができる。
また、本発明の容器詰液状飲食品における糖酸比は10.0〜500.0に調整されることが好ましく、この範囲とすることで、容器詰液状飲食品における濃度感と鮮度感のバランス及びほのかな甘味と酸味のバランスが良好となるからである。かかる観点から、より好ましくは40.0〜400.0であり、特に好ましくは50.0〜350.0である。
特に、容器詰液状飲食品が味噌汁であった場合、糖酸比は10.0〜100.0に調整されることが好ましく、20.0〜80.0に調整されることがより好ましい。また、容器詰液状飲食品がコーンスープであった場合、糖酸比は100.0〜500.0に調整されることが好ましく、200.0〜400.0に調整されることがより好ましい。更に、容器詰液状飲食品がトマトスープであった場合、糖酸比は10.0〜100.0に調整されることが好ましく、20.0〜80.0に調整されることがより好ましい。
なお、糖酸比は糖度の値を酸度の値で除することによって算出できる。
また、本発明の容器詰液状飲食品は、加温販売時における酸化劣化を抑制するために1容器あたりの残存酸素量は1.0ml以下であることが好ましく、0.5ml以下であることがより好ましい。更に、含有する具材を容器内に残さずに飲食できるようにボトル缶であることが特に好ましく、飲み口の直径が29mm(φ29)以上である広口のボトル缶であることが最も好ましい。
<試験例1:味噌汁飲料>
後述する市販の各原料を使用し味噌汁飲料の試作品を作製した。合わせみそ(マルコメ社製)、白みそ(マルコメ社製)、コンブエキス(マルハチ村松社製)、えのきエキス(長野県農村工業研究所製:Bx5)、鰹節エキス(マルハチ村松社製)、麦みそ(宮島醤油社製)、乳化剤(ポエムDP−95RF:理研ビタミン社製)、豆腐及びきざみ油揚げからなる原材料を表1の配合に基づいて添加し、イオン交換水で8Lにメスアップした。これらのサンプルを直ちに200mLの缶容器にホットパック充填し、レトルト殺菌機にて126℃で30分間殺菌後、実施例1〜9及び比較例1及び2を得た。下記方法により評価した結果を合わせて表1に示す。なお、濃縮エキスについては、ストレート換算した値を記載する。
なお、表中の「えのきエキス」、「昆布エキス」及び「鰹節エキス」はストレート換算した値である。また、各成分を分析する際には80メッシュを通過させた飲料液サンプルを使用した。
堀場製作所F−52型・卓上pHメーターにて品温20度にて測定した。また、pH測定は5℃で2週間保管後のサンプルを用いた。
アミノ酸及びγ−アミノ酪酸はHPLC(高速液体クロマトグラフ法)を用いて、検量線法によって分析した。また、アミノ酸及びγ−アミノ酪酸の測定は5℃で1週間保管後のサンプルを用いた。
タンニン酸を標準物質としてフォーリンデニス法を用いて求められる量をポリフェノール量とした。また、ポリフェノール量の測定は5℃で1週間保管後のサンプルを用いた。
ナトリウム、カリウムは原子吸光測定法によって分析した。また、カルシウム、マグネシウムは、ICP発光分析測定法によって分析した。なお、ミネラル類の測定は5℃で1週間保管後のサンプルを用いた。
官能評価は5℃で1週間保管後のサンプルについて、約55℃に加温後8人のパネラーが以下の評価方法に基づいて実施し、最も多かった評価を採用した。
塩味の感じ方:
◎:容器詰液状飲食品に最適な塩味を有し、極めて良好
○:塩味が適度にあり、良好
△:塩味が若干弱く感じられ、薄い印象、あまりよくない
×:塩味が弱く、物足りない印象、問題あり
容器詰液状飲食品としての濃度感:
◎:容器詰液状飲食品に最適な濃度感を有し、極めて良好
○:濃度感が適度に感じられ、良好
△:濃度感が若干弱く感じられ、あまりよくない
×:濃度感が弱く、問題あり
加熱殺菌後の呈味と舌触り:
◎:加熱殺菌後も鮮度のある呈味を感じ、舌触りもなめらかで極めて良好
○:加熱殺菌後も鮮度のある呈味をやや感じ、舌触りも良好
△:加熱殺菌後は加熱劣化した呈味をやや感じ、舌触りも粗い印象、やや問題あり
×:加熱殺菌後は加熱劣化した呈味を感じ、舌に残る印象がある、問題あり
後述する市販の各原料を使用し、コーンスープ飲料の試作品を作製した。クリーム用コーン(アメリカ産)、粒コーン(北海道産)、グラニュー糖(ホクレン社製)、食塩(日本食塩製造社製)、チキンコンソメ(ネスレ社製)、チキンブイヨン(富士食品社製)、植物性クリーム(レトスター:月島食品社製)、乳タンパク(プロミルク85:INGREDIA社製)生クリーム(明治社製)、殺菌乳(明治社製)、えのきエキス(長野農村工業研究所製:Bx5)、乳化剤(ポエムDP−95RF:理研ビタミン社製)、グルタミン酸ナトリウム及びアスコルビン酸ナトリウムの原材料を表2の配合に基づいて添加し、イオン交換水で8Lにメスアップした。これらのサンプルをレトルト殺菌機にて126℃で52分間殺菌後、直ちに200mLの缶容器にホットパック充填し、実施例10〜17及び比較例3〜6を得た。下記方法により評価した結果を合わせて表2に示す。なお、濃縮エキスについては、ストレート換算した値を記載する。
なお、表中の「えのきエキス」はストレート換算した値である。本試験における成分分析及び官能評価は、試験例1と同様の項目・方法にて実施した。
後述する市販の各原料を使用しトマトスープ飲料の試作品を作製した。トマトペースト(スガリダル社製)、ニンジンピューレ(宮崎県農協果汁製)、えのきエキス(長野県農村工業研究所製:Bx5)、グラニュー糖(ホクレン社製)、セロリ濃縮果汁(インベルテック社製)、ポテトフレーク(イワキ社製)、ビーフパウダー(井村屋シーズニング社製)、バジルパウダー(エスビー食品社製)、ホワイトペッパー(エスビー食品社製)、乳化剤(ポエムDP−95RF:理研ビタミン社製)及びグルタミン酸ナトリウムからなる原材料を表3の配合に基づいて添加し、イオン交換水で8Lにメスアップした。これらのサンプルをレトルト殺菌機にて126℃で40分間殺菌後、直ちに200mLの缶容器にホットパック充填し、実施例18〜25及び比較例7〜10を得た。下記方法により評価した結果を合わせて表3に示す。なお、濃縮エキス又は濃縮野菜汁については、ストレート換算した値を記載する。
なお、表中の「えのきエキス」はストレート換算した値である。本試験における成分分析及び官能評価は、試験例1及び2と同様の項目・方法にて実施した。
Claims (8)
- 容器詰液状飲食品であって、エノキタケの水抽出物及び/又は該抽出物の濃縮物を含有すると共に、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの総量であるミネラル類と、アミノ酸、γ−アミノ酪酸及びポリフェノールの総量である呈味成分とを含有し、
前記飲食品中に含有されるミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)が0.30〜2.00であり、pHが4.0〜7.0であることを特徴とする容器詰液状飲食品。 - 前記呈味成分が、前記飲食品中に500〜8000ppm含有されることを特徴とする請求項1に記載の容器詰液状飲食品。
- ナトリウムを500〜4000ppm含有し、且つ前記飲食品中のアミノ酸に対するナトリウムの重量比率(ナトリウム/アミノ酸)が0.1〜5.0であることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器詰液状飲食品。
- 前記飲食品中のタンパク質に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/タンパク質)が0.01〜1.25であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰液状飲食品。
- 前記タンパク質が3000〜25000ppm含有されることを特徴とする請求項4に記載の容器詰液状飲食品。
- ポリフェノールを100〜650ppm含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器詰液状飲食品。
- 容器詰液状飲食品の製造方法であって、エノキタケの水抽出物及び/又は該抽出物の濃縮物を含有すると共に、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの総量であるミネラル類と、アミノ酸、γ−アミノ酪酸及びポリフェノールの総量である呈味成分とを含有し、
前記飲食品中に含有されるミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)を0.30〜2.00に調整し、pHを4.0〜7.0に調整することを特徴とする容器詰液状飲食品の製造方法。 - 容器詰液状飲食品の呈味劣化抑制方法であって、エノキタケの水抽出物及び/又は該抽出物の濃縮物を含有すると共に、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムの総量であるミネラル類と、アミノ酸、γ−アミノ酪酸及びポリフェノールの総量である呈味成分とを含有し、
前記飲食品中に含有されるミネラル類に対する呈味成分の重量比率(呈味成分/ミネラル類)を0.30〜2.00に調整し、pHを4.0〜7.0に調整することを特徴とする容器詰液状飲食品の呈味劣化抑制方法。
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