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JP6554865B2 - 配線・配管設計装置及び方法 - Google Patents
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本発明は、コンピュータ支援設計(CAD:computer-aided design)に関し、特に、機構製品の設計において配線や配管の引き回し等を決定して最終形状の設計を行うための配線・配管設計装置及び方法に関する。
機構製品の設計では、3次元(3D:three dimentional)CADツール(以下、3D−CADツールとも呼ぶ)を用いてその機構製品の3次元設計情報を作成することが行われている。しかしながら、機構製品を実際に完成させるためには、その機構製品を構成する各要素ブロック間を接続する配線や配管(例えばエアー配管など)についての詳細な設計を行って設計事項を決定する必要がある。ここでいう詳細な設計には、配線や配管の引き回しをどうするか、それらの長さと分岐位置をどうするか、分岐や接続に使用する接続機器として何を使用するか、などが含まれる。配線や配管の詳細な設計に際しては、設計対象の機構製品の試作品を製作し、そののち試作品上で仮の線材(配線や配管の)を実際に引きまわし、その結果に基づいて、実際の機構製品における配線や配管の引き回し、長さ、接続位置を決定し、接続機器を決定することが一般に行われている。配線や配管の詳細な設計が完了すれば、これらの設計決定事項に合わせて機構製品の正式設計図等の正規図面を完成させ、構成部品の手配を行って正規製品に組み込むことにより、機構製品が完成することになる。試作品を用いずに実機を用いて配線や配管の引き回しを決定する場合もある。
しかしながら、試作品を製作して仮の線材を実際に引き回して詳細な設計事項を決定するやり方では、試作品製作のための手間とコストがかかるという課題がある。試作品製作を行うことなく配線や配管についての詳細な設計事項を決定するものとして、特許文献1には、PC(パーソナルコンピュータ;personal computer)上で設計対象の機構製品を表示させ、そこに配線(ハーネス)の通過点を指定することによりハーネスの3次元データを作成する方法が開示されている。また特許文献2には、特許文献1に記載されたものの改良として、配線の通過点を指定した際に、作成する通過点での配線の通過方向を含む通過点情報を自動作成し、その通過点情報を用いて配線のルートを作成することが開示されている。しかしこれらの方法では、あくまでPC上で表示させた画面上で配線の経路を設定するので、実際に配線作業を行う時の作業性、つまり作業者の手が入って接続部品や中継部品の抜き差しや工具の使用を含めて十分な作業が可能であるかを再現することができない。このため、実際の機構製品において、修正が加わる可能性が十分にありうる。
近年では、3D−CADツールを用いて生成した設計の3次元データを使用し、データ上で配線や配管の詳細な設計の妥当性を検証する方法も提案されている。この方法では、データ上で検証した結果の修正個所を設計にフィードバックして設計に反映させ、修正した結果を再度仮想空間上に表示させて検証するといったルーチンを数回繰り返さないと設計が完成しないため、設計に要する時間が長くなるという課題がある。例えば特許文献3には、仮想空間上に設計データを表示させて作業を疑似体験し、その作業性を検証し評価する方法が開示されている。しかしこの方法では、疑似体験した結果による修正箇所を設計にフィードバックして反映させ、修正を反映した設計データを、再度、仮想空間上に表示させて疑似体験し、また修正箇所があれば再度設計に反映させるといったルーチンを数回繰り返して設計が完成するため、設計に要する時間が長くなる。
特許文献4には、設計者と評価者とを通信ネットワークを介して接続し、設計された3次元形状モデルを立体映像として仮想空間に投影し、仮想空間内の評価者による変更指示を受けながら設計者が変更を進める方法が開示されている。この方法では、設計者と評価者との間で意思疎通を図るために音声や映像の伝送が必要であるとともに多数の複雑な形状の部品に関する3次元データの送信を行うので、通信ネットワークを流れるデータ量が大きくなり、ある程度大きな規模の通信システムが必要となるという課題がある。さらに、設計者と評価者との間の意思疎通が、相互の音声、評価者の映像、評価者が示す空間上の複数の点の位置情報、あらかじめ登録された円柱、円錐、立方体などの形状の有無の情報だけによって行われるので、複雑な3次元形状を再現するには不十分なものとなっている。また、評価者からどのように形状修正を提示するかについて具体的な記載がないので、特許文献4に記載の方法では、評価者の音声や、評価者の身振りなどの映像を設計者にフィードバックして設計者が形状を修正することとなる。したがって特許文献4に記載のものでは、特許文献3に記載のものと同様に、設計の評価と修正の指摘と設計への反映とからなるルーチンを繰り返すこととなり、設計完了までに時間を要し、また手間もかかることとなる。また、空間上で点の位置情報を指定するので、人の手による作業を考慮した作業検証結果を考慮することができないという課題もある。
仮想空間技術を用いた設計支援の例としては、以上のほかにも、例えば特許文献5には、製品を設計するための3次元CADシステムと、製品の組立を仮想空間上で擬似的に体験させる仮想空間データ処理装置とを備える組立性評価支援装置が開示されている。この組立性評価支援装置は、被験者を仮想現実内に没入させ、仮想の部品や仮想の設備、工具、冶具を用いて仮想空間上で製品の組立作業を被験者に疑似体験させ、これにより、組立性評価対象の製品の組立性評価を得る。また特許文献6には、プラント制御盤の設計支援する装置であって、3次元仮想空間内に制御盤を模擬的に製作し、3次元形状としてのワイヤフレームデータを3次元盤/器具情報データベースに格納されるようにした装置が開示されている。この装置では、設計者である被体験者は、仮想空間内における制御盤の視野映像に配線図を加えることにより、その組立作業や改造作業あるいは保守作業などを模擬的に体験できる。これにより、保守性、使い勝手の良好なシステムを実現できるようになる。さらに特許文献7には、3次元仮想空間内の設計対象の運動を計算によって求める3次元動力学シミュレータと、3次元仮想空間内において設計対象とその運動を設計者に視覚的に提示する没入型ディスプレイ装置とを備え、新しい製品の人間工学的な特性を人間の主観に依存する感性に基づいて組立てし評価する没入型設計支援装置が開示されている。この没入型設計支援装置では、例えばロボットの設計を行う場合には、物理法則を考慮したロボットの運動を計算により求め、ロボットの運動の妥当性を仮想設計者を通じた相互作用力によって評価することができる。
国際公開第2008/041362号 国際公開第2008/084516号 特開平9−16550号公報 特開2005−135161号公報 特開2004−178222号公報 特開平6−314418号公報 特開2005−115430号公報
上述した各特許文献に示される技術は、いずれも、設計とその評価と評価に応じた設計修正とからなるルーチンを繰り返すことによって、配線や配管の引き回し、それらの長さ、分岐位置、及び、分岐や接続に使用する接続機器を決定するものであり、配線や配管の最終形状を決定して最終的に設計を完了するまでにコストや手間がかかるという課題がある。
本発明の目的は、配線及び配管の少なくとも一方である部材に関し、設計とその評価とその評価に基づいた設計修正とからなるルーチンを繰り返し実行することなく、また試作品を使用した事前検証も行うことなく、作業性をも考慮して少なくとも部材の引き回し決定できる配線・配管設計装置及び方法を提供することにある。
本発明の例示実施態様によれば、機構製品を設計する際に、配線及び配管の少なくとも一方である部材に関し、機構製品を構成する複数の要素ブロックの相互間での部材の引き回しを少なくとも決定する配線・配管設計装置は、評価設計者に対して仮想空間での作業環境を提供するために評価設計者に立体画像を提示する立体表示手段と、評価設計者の頭の位置または視線方向と、評価設計者の指の位置とを検出する位置検出手段と、機構製品の3次元データに評価設計者の指の位置を重畳させた出力画像を立体表示手段を介して評価設計者に提示し、指の位置の変化に応じて仮想空間での線材の引き回しを変化させて出力画像に反映させ、評価設計者からの指示の入力によって設計結果として引き回しを決定する処理手段と、を有する。
本発明の例示実施態様によれば、機構製品を設計する際に、配線及び配管の少なくとも一方である部材に関し、機構製品を構成する複数の要素ブロックの相互間での部材の引き回しを少なくとも決定する配線・配管設計方法は、評価設計者の頭の位置または視線方向と、評価設計者の指の位置とを検出することと、機構製品の3次元データに評価設計者の指の位置を重畳させた出力画像を立体画像として評価設計者に提示して評価設計者を仮想空間に没入させ、評価設計者の指の位置の変化に応じて仮想空間での線材の引き回しを変化させて出力画像に反映させることと、評価設計者からの指示の入力によってその時点での仮想空間における引き回しを設計結果として決定することと、を有する。
本発明によれば、配線や配管の設計において、試作品を製作しての事前検証や3次元データを使っての設計・検証の繰り返し作業といったコストや手間を必要とすることなく、作業性をも考慮に入れた配線や配管の設計が可能になる。
実施の一形態の配線・配管設計装置の構成を示すブロック図である。 処理装置の構成を示す機能ブロック図である。 仮想空間上での操作例を示す図である。 仮想空間上での操作例を示す図である。 仮想空間上での操作例を示す図である。 図1に示す装置を用いた機構製品の設計の処理手順を示すフローチャートである。 図1に示す装置における情報の流れを示す図である。 別の実施形態の配線・配管設計装置の構成を示すブロック図である。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明に基づく配線・配管設計装置は、機構製品の設計を進める際に、それに基づいて配線や配管の引き回し、長さ、分岐位置などを決定し、分岐や接続に用いる接続機器を決定し、これによって機構製品の最終形状をするために用いられるものである。特にこの装置は、3D−CADツールを用いて作成した機構製品の3次元設計情報と配線・配管の接続情報とに基づいて設計対象となる製品を表示するための仮想空間を形成し、この仮想空間での評価設計者の動き、特に頭(あるいは視線)と手の各指の動きを検出し、それに基づいて配線や配管の引き回し、長さ、分岐位置などを決定し、また評価設計者の入力により、分岐や接続に用いる接続機器を決定する。また、要素ブロック間の配線や配管に分岐や中継がない場合もあるから、要素ブロックの相互間の配線または配管の引き回しを決定できるものであれば、ここでいう配線・配管設計装置に含まれる。
仮想空間の形成には、公知の手段、例えば、左右両眼の視差を演算した映像データを表示することによって利用者が仮想現実を実感できるようにする立体表示手段を用いることができる。立体表示手段は例えば1/1スケールで立体映像を利用者に提示する。このような立体表示手段としては、例えば、利用者がその頭部にかぶることができるヘッドマウントディスプレイ(HMD;head-mounted display)がある。仮想空間上でヘッドマウントディスプレイを装着した評価設計者の頭(あるいは視線)と手の各指の動きの検出には、例えば、超音波や磁気などを使用して、評価設計者の頭部と指に設置した発信器の信号を固定した受信器によって受信し、空間上での各発信器の位置を検出する検出手段を用いることができる。さらに配線・配管設計装置は、評価設計者からの指示を受けるためのコントローラなどの入力手段を備えるとともに、立体表示手段、検出手段及び入力手段に接続してこれらを制御する処理手段を備えている。このような構成により、評価設計者の頭の位置(あるいは視線方向)と作業する指の位置とが処理手段に情報として入力され、処理手段によって立体表示手段に映し出される製品3次元データ像における指の相対的な位置関係が明らかになる。
検出された視線位置に合わせ、設計対象の機構製品3次元データの1/1スケールの画像を立体表示手段に送り、位置を検出された指の動作と入力手段に対する操作とに基づいて、仮想空間上で、表示されている機構製品3次元データに対し、線材などの配線やチューブなどの配管のモデリングを作成し、それらの引き回しを行っていく。分岐や中継に使用する機器は、あらかじめ3次元データとしてライブラリに準備しておき、入力手段に対する操作と位置検出された指の動きとによって、仮想空間上での適正な位置へ設置する。したがってこの装置では、仮想空間内の評価設計者が仮想空間上で直接的に配線あるいは配管を引き回すことにより、その長さ、接続、分岐、中継、結束部品の型式や数の構成が決定されるため、実機試作や3次元データを見ながらの繰り返し検証を行うことなく、設計の最終形状の決定が可能になり、またその情報を手配図面へと反映することができるようになる。
図1は、このような本実施形態の配線・配管設計装置の具体的な構成例を示している。図1に示す装置は、評価設計者20の頭に装着されるヘッドマウントディスプレイ10と、評価設計者20の頭の向きあるいは視線方向を検出するための頭(視線)検出用発信器11と、評価設計者20の手の指の位置を検出するための指検出用発信器12と、頭(視線)検出用発信器11及び指検出用発信器12の位置を検出する受信器である位置検出センサ13と、設計評価者20によって操作されるコントローラ15と、処理装置16とを備えている。
位置検出センサ13が設置されており、位置検出センサ13の有効範囲14内に、1/1スケールの立体画像を出力するヘッドマウントディスプレイ10を装着した評価設計者20がいる。ヘッドマウントディスプレイ10に近接して頭(視線)検出用発信器11が設けられており、頭(視線)検出用発信器11と位置検出センサ13との間で信号の送受信を行うことにより、評価設計者20の頭の位置及び方向、つまり評価設計者20の視線位置が検出される。評価設計者20の両手には例えばグローブの形をした指検出用発信器12がそれぞれ装着されている。指検出用発信器12は、評価設計者20の各指に対応した発信体を有している。指検出用発信器12と位置検出センサ13との間で信号の送受信を行うことによりって、両手の各指の動作位置が検出される。各発信器11,12と位置検出センサ13との間の信号の送受信によって位置を検出する方法として、上述したように、一般的に知られている超音波を用いる方法や磁気を用いる方法が使用される。評価設計者20の近傍、具体的には手が届く範囲にはコントローラ15が設けられており、コントローラ15は処理装置16に接続している。コントローラ15は、複数のスイッチや操作レバーを備え、評価設計者20の意思を処理装置16に伝達するために使用される。処理装置16は、位置検出センサ13及びヘッドマウントディスプレイ10とも節即している。
図2は、処理装置16の構成を示す機能ブロック図である。処理装置16には、機構製品の3次元データを格納する機構製品データ記憶部61と、機構製品における配線や配管の接続情報(すなわち配線/配管接続情報)を格納する接続情報記憶部62と、接続や中継、分岐、結束などに用いる補助部品の3次元データを格納したライブラリ記憶部63と、評価設計者20について検出した頭や指の位置とコントローラ15からの指令とに基づいて、仮想空間での配線や配管の引き回しや長さ、分岐位置を決定し、接続機器を決定し、さらにその決定した内容についての作業性を検証する処理を行う演算処理部64と、ヘッドマウントディスプレイ10に出力すべき出力画像21を生成する画像生成部65と、演算処理部64で決定した配線や配管の引き回し、長さ、分岐位置、及び接続機器についての情報を格納する出力記憶部66と、を備えている。配線/配管接続情報は、機構製品を構成する要素ブロックの相互間の配線または配管による接続関係を示す情報であり、この配線/配管接続情報に基づいて、この配線・配管線形装置により、配線や配管の実際の引き回しや分岐が決定することになる。画像生成部65は、記憶部61〜63に格納されている情報及びデータと、検出された頭や指の位置と、演算処理部64での処理結果とに基づいて出力画像21を生成する。
演算処理部64は、位置検出センサ13の設置位置を基準(すなわち原点)として、この原点から座標系で数値管理された位置に、機構製品データ記憶部61に格納されている機構製品3次元データを仮想的に配置する。位置検出センサ13に対する評価設計者20視線位置は頭(視線)検出用発信器11を介して検出されているため、画像生成部65は、仮想的に配置された機構製品3次元データの画像が設計評価者20の視線位置に合わせて表示されるように、その画像をヘッドマウントディスプレイ10に送る。つまり、評価設計者20の視線のリアルタイムの移動に合わせた見え方の画像がヘッドマウントディスプレイ10に送られることになる。このようにしてヘッドマウントディスプレイ10に表示される立体空間を仮想空間とする。位置検出センサ13に対する評価設計者20の指の位置も指検出用発信器12によって検出されているため、画像生成部65は、設計評価者20の手の指の位置に合わせた3次元の両手のモデルをヘッドマウントディスプレイ10に画像として送る。つまり、ヘッドマウントディスプレイ10に表示される出力画像21では機構製品3次元データと評価設計者20の指の位置とが重畳されて表示されており、位置検出センサ13からの検出結果に基づいて、演算処理部64は、仮想空間において機構製品3次元データに対して指が触れるといった状況の検出が可能になる。
なお、図1に示すように、画像生成部65からヘッドマウントディスプレイ10には、配線/配管接続情報と補助部品ライブラリに関する情報も送られる。したがって、出力画像21は、手のモデルが重畳表示された機構製品3次元データの表示領域17と、配線/配管接続情報を図解的に示す表示領域18と、補助部品ライブラリに関する情報が示される表示領域19とから構成されている。表示領域17に表示される機構製品3次元データは、例えば3D−CADツールによって生成されたものであり、機構製品を構成する複数の要素ブロックが設計結果に応じて配置された状態を示すものである。表示領域19において補助部品ライブラリが示されているとして、補助部品ライブラリ中のどの補助部品を選択して使用するか、また選択した補助部品を仮想空間におけるどの位置に配置するかは、後述するように、コントローラ15に対するスイッチ操作と評価設計者20の指の動きによって行われる。
次に、図3乃至図6を使用し、本実施形態における仮想空間上での配線あるいは配管の設計の操作について説明する。以下では、引き回し対象の配線または配管を線材/配管チューブ24と表すことにする。最初に図3に示すように、機構製品3次元データに基づく画像を表示領域17に1/1スケールで表示させる。表示領域17に表示される画像では、機構製品を構成する各要素ブロックが、見掛け上実寸で、3D−CADツールなどにより設計された位置に配置されている。位置検出センサ13を介して位置が検出されている指の内の1本(例えば、右手人差し指)を位置指示用の指として、評価設計者20は、位置指示用の指により位置を指示しつつ、もう片方の手を使ってコントローラ15上のスイッチ(例えば、スイッチA(不図示))を押して入力を行うことにより、つまり位置指示用の指の動きと、スイッチ入力があったときの位置指示用の指の位置とに基づいて、仮想空間上の線材/配管チューブ24の通過点25を指示する。通過点25を順次指定するとによって、評価設計者20は、仮想空間内で線材/配管チューブ24を現実のように引き回していく。演算処理部64は、このようにして引き回された線材/配管チューブ24の3次元データを生成する。線材/配管チューブ24の種類、太さ、材質、最小曲げ半径などの情報は、引き回し前にあらかじめ登録・選定しておく。
次に線材/配管チューブ24の適正位置への修正、または、実際の作業に際して狭いところに手を入れなければならないかどうかなどの作業性検証を行う。図4に示すように、評価設計者20の左右の手それぞれの指の動作はその位置が検出されており、演算処理部64は、仮想空間上で作成された線材/配管チューブ24の3次元データに対して、例えば少なくとも2本の指がそれに接触した場合に「つかむ」という判断を行うものとする。演算処理部64は、指の動きに合わせ、つかまれた線材/配管チューブ24の3次元データにおけるその位置を移動し、修正を行う。例えば、仮想空間において評価設計者20が左手の2本の指で線材/配管チューブ24の任意のある位置をつかみ、もう一方の右手2本の指で同じ線材/配管チューブ24の他の位置をつかみ、左手は動かさずに右手を移動させたときは、演算処理部64は、左手でつかまれた位置を固定した状態で右手でつかまれた部分が移動するように、線材/配管チューブ24の3次元データにおける位置修正を行う。また、評価設計者20が右手でつかんだ部分を左手でつかんだ位置へ近づけたり遠ざけたりすることで、演算処理部64は、位置調整だけでなく線材/配管チューブ24の長さも決定する。評価設計者20が同じ線材/配管チューブ24において位置を変えてこれらの操作を順次行うことにより、演算処理部64によって、線材/配管チューブ24の引き回しの最終的な位置及び長さが決定されることになる。本実施形態では、線材/配管チューブ24の引き回しの決定では、実機を実際に製作する際に作業者の手が入って接続部品や中継部品の抜き差しや工具の使用を含めての十分な作業が可能なスペースが確保されているかを上記の操作中に考慮することにより、作業性検証の結果に基づいた引き回し決定を行うようにする。また、仮想空間上での機構製品3次元データの各要素ブロックの位置と線材/配管チューブ24の位置と指の位置との相互の位置関係が明らかであるため、それぞれが干渉する場合にそのことを演算処理部64が検出することは可能である。このような干渉を検出した場合には、例えば干渉する部分の色を変えるなどのアラーム表示を出力画像21において行うようにする。干渉を検出してその回避を促すことで、引き回し操作と作業性の検証とを正確に進めることができるようになる。
図5は、配線や配管における分岐や中継、接続、結束位置の決定、分岐や中継、接続、結束に用いる部品の選定、そのような部品を配置する適正な位置の決定を示している。分岐や接続、中継、結束などに使用する部品を総称して補助部品という。使用するストレートタイプやL型といったコネクタなどの接続部品、配管などに使われるT型やY型、十字型などの分岐用継手、中継ジョイントなどの部品、結束に用いる部品などの補助部品は、3次元データとして補助部品ライブラリを構成しており、補助部品ライブラリは、上述したようにライブラリ記憶部63に格納されている。ヘッドマウントディスプレイ10で表示される出力画像21では、その表示領域19に補助部品ライブラリ内の各補助部品の3D画像が例えばスクロール可能な形式で表示されている。そこで評価設計者20は、補助部品を選択する際には、コントローラ15の例えばレバー(不図示)を手によって操作して表示領域19内に表示された補助部品群をスクロールし、適切な形状の部品、例えば中継部品25を例えば仮想空間内で1本の指(例えば右手人差し指)で触れることにより、選択する。そしてコントローラ15上の別のスイッチ(例えばスイッチB(不図示))をもう片方の手の指で押したまま、選択された中継部品25を指で触れながら仮想空間内で適切な位置へ移動させ、その後、コントローラ15のスイッチから指を離すことで移動を終了する。これにより演算処理部64は、移動を終了した時点での位置に中継部品25の配置位置を決定する。
図4に示した線材/配管チューブ24の位置調整と、図5に示した補助部品の選定及び配置は、これらに間で特に順番を規定するものではなく、双方を考慮しながら実行すること、例えば交互に進めていくことが好ましい。
図6は、仮想空間22上での上述した操作の全体の手順を示しており、図7は、この操作手順における情報の流れを示している。まず、ステップ71において、3D−CADツールによって設計された機構製品3次元データをヘッドマウントディスプレイ10での出力画像21に表示することにより、仮想空間22に1/1スケールで機構製品3次元データを表示する。さらに、配線/配管接続情報と補助部品ライブラリの情報を出力画像21に表示することにより、これらの情報を仮想空間22に表示する。次に、ステップ72において、図3及び図4に示したようにして配線や配管の引き回しを決定し、ステップ73において、図5に示したように補助部品を選択して仮想空間22上に配置するとともに、作業性を考慮して、引き回し済みの配線や配管を仮想空間22上で修正する。その後、ステップ74において、配線や配管の引き回し状態を最終的に決定し、接続や中継に用いる補助部品とその配置を決定する。これによって詳細な設計が完了するから、完了した設計情報を演算処理部64から出力記憶部66に出力する。完了した設計情報からは、ステップ74に示すように、線材/配管チューブ24の長さ、使用する分岐部品、中継部品、結束部品などのリスト、線材長さを決定したケーブル図など、部品表/手配図面23を自動的に作成することができる。
図1に示した装置では、評価設計者20に提示する画像の出力先としてヘッドマウントディスプレイ10を用いたが、評価設計者20に対して仮想現実を提示するための出力機器は、ヘッドマウントディスプレイに限られるものではない。図8に示した配管/配線設計装置は、図1に示した装置におけるヘッドマウントディスプレイの代わりにスクリーン32による1/1スケールの立体視画像表示を用いたものである。スクリーン32を用いることによっても図1に示した装置と同様の効果を得ることができる。図8に示した装置では、出力画像21として処理装置16からの3次元画像データを、3次元プロジェクタ30を介してスクリーン32上に映し出している。これにより、評価設計者20は、立体視用メガネ31を使用してスクリーン32に映し出された3次元画像の立体視が可能になり、評価設計者23の目の前に仮想空間が形成されることとなる。スクリーン32上に3次元画像を映し出し立体視用メガネ31を介して立体視を可能とする方法としては、液晶シャッタ法や偏光フィルタ法などが知られている。図8に示す配線・配管設計装置は、ヘッドマウントディスプレイの代わりに3次元プロジェクタ30、立体視用メガネ31及びスクリーン32を用いる点以外は図1に示すものと同じであり、頭(視線)検出用発信器11、指検出用発信器12、位置検出センサ13、コントローラ15及び処理装置16を備えている。また図8に示す装置において、仮想空間での実際の操作、処理手順、情報の流れなどは図1に示す装置と同様である。
上述した各実施形態の配線・配管設計装置において処理装置16は、専用のハードウェアとして構成することもできるが、3D−CADツールを実行するために用いられるPCなどのコンピュータを用いてソフトウェアによって実現することもできる。具体的には、コンピュータの記憶装置内に機構製品データ記憶部61、接続情報記憶部62、ライブラリ記憶部63及び出力記憶部66として用いられる記憶領域あるいはファイルを設定し、そのコンピュータを演算処理部64及び出力生成部65として機能させるプログラムをそのコンピュータ上で実行させることによって、処理装置16を実現することができる。このようにして処理装置16を実現するためののプログラムは、通信インタフェースなどを介して外部装置から読み込まれ、あるいはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み込まれてそのコンピュータの記憶装置に格納され、その後、そのコンピュータのCPU(中央処理ユニット:Central Processing Unit)によって実行される。
10 ヘッドマウントディスプレイ
11 頭(視線)検出用発信器
12 指検出用発信器
13 位置検出センサ
15 コントローラ
16 処理装置
21 出力画像
30 3次元プロジェクタ
31 立体視用メガネ
32 スクリーン

Claims (6)

  1. 機構製品を設計する際に、配線及び配管の少なくとも一方である部材に関し、前記機構製品を構成する複数の要素ブロックの相互間での前記部材の引き回しを少なくとも決定する配線・配管設計装置であって、
    評価設計者に対して仮想空間での作業環境を提供するために前記評価設計者に立体視映像を提示する立体表示手段と、
    前記評価設計者の頭の位置または視線方向と、前記評価設計者の指の位置とを検出する位置検出手段と、
    前記機構製品の3次元データに前記評価設計者の前記指の位置を重畳させた出力画像を前記立体表示手段を介して前記評価設計者に提示し、前記指の位置の変化に応じて前記仮想空間での前記部材の引き回しを変化させて前記出力画像に反映させ、前記評価設計者からの指示の入力によって設計結果として前記引き回しを決定する処理手段と、
    を有し、
    前記処理手段は、前記位置検出手段の検出結果により前記評価設計者が前記仮想空間において前記部材をつかみながら前記部材を伸縮する動作を行ったときに、該動作に応じて前記仮想空間での前記部材の長さを変化させて前記出力画像に反映させる、配線・配管設計装置。
  2. 前記処理手段は、前記仮想空間において前記要素ブロック及び前記部材に対して前記指の位置が干渉するかどうかを判定し、干渉する場合に前記評価設計者に警告する、請求項1に記載の配線・配管設計装置。
  3. 前記処理手段は、前記部材の分岐、中継、接続及び結束の少なくとも1つに用いられる補助部品ライブラリを備え、該補助部品ライブラリの内容を前記出力画像に表示させ、前記評価設計者が前記補助部品ライブラリ中のいずれかの補助部品を選択して配置位置を指定したときに、前記選択された補助部品と前記配置位置とを前記設計結果に含める、請求項1または2に記載の配線・配管設計装置。
  4. 前記立体表示手段は、前記評価設計者が装着するヘッドマウントディスプレイである請求項1乃至のいずれか1項に記載の配線・配管設計装置。
  5. 前記立体表示手段は、3次元プロジェクタとスクリーンと前記評価設計者が装着する立体視用メガネとからなる請求項1乃至のいずれか1項に記載の配線・配管設計装置。
  6. 機構製品を設計する際に、配線及び配管の少なくとも一方である部材に関し、前記機構製品を構成する複数の要素ブロックの相互間での前記部材の引き回しを少なくとも決定する配線・配管設計方法であって、
    位置検出手段が、評価設計者の頭の位置または視線方向と、前記評価設計者の指の位置とを検出することと、
    処理手段が、前記機構製品の3次元データに前記評価設計者の前記指の位置を重畳させた出力画像を、立体視映像として、立体表示手段を介して評価設計者に提示して前記評価設計者を仮想空間に没入させ、前記評価設計者の前記指の位置の変化に応じて前記仮想空間での前記部材の引き回しを変化させて前記出力画像に反映させることと、
    前記処理手段が、前記評価設計者からの指示の入力によってその時点での前記仮想空間における前記引き回しを設計結果として決定することと、
    を有し、
    前記処理手段は、前記位置検出手段の検出結果により前記評価設計者が前記仮想空間において前記部材をつかみながら前記部材を伸縮する動作を行ったときに、該動作に応じて前記仮想空間での前記部材の長さを変化させて前記出力画像に反映させる、配線・配管設計方法。
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