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JP6558766B2 - 駆動装置の試運転検査方法 - Google Patents
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本発明は、駆動装置の試運転検査方法に関する。
例えばトランスミッション等の駆動装置については、組立て工程の後に、その性能(動力伝達効率など)を評価するために、駆動装置単体をモータ等で強制的に駆動(試運転)させてその性能を検査することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平5−332883号公報
この種の試運転検査を行う際には、実際の運転状況に近い環境下で検査を行うために、当該検査の前に駆動装置を暖めておくのが一般的である。試運転検査装置は比較的高温の油を駆動装置内に循環供給可能な構成となっているため、この試運転検査装置を利用して駆動装置を暖めることが検討され、実際に採用されている。しかしながら、油を循環供給することで駆動装置を実運転時の温度(数十度)にまで暖めたのでは、非常に時間がかかるため、生産現場ではタクトタイムの観点から複数の試運転検査装置を用意する必要が生じていた。これでは、設置した数の分だけ工場内にスペースが必要となる。また、試運転検査装置はモータなど高価な部品を多く有することから、設備コストの高騰を招いていた。
一方で、この種の駆動装置に関しては、組立て工程が完了した後にリークテストを行うことがある。このリークテストには、簡便性の観点から、エアを油路などに送り込んだ際のエア圧の変化を計測することで、エアの漏れ(実際にはオイル漏れ)の有無を検査するエアリークテスト、特にマスターワーク(漏れ欠陥のないワーク)との差圧を測定することでエアの漏れの有無をより微小レベルで正確に検査可能な差圧式リークテストが採用される傾向にある。そのため、このエアリークテストを利用して、高温のエアを駆動装置の内部に送り込むようにすれば、リークテストを行いつつ、駆動装置を昇温することができるようにも思われる。
しかしながら、上述した方式のエアリークテストにおいて、単に高温のエアをワークとなる駆動装置の内部に送り込んだとしても、駆動装置内の圧力が平衡状態に至るまでエアを送り込んだ状態を維持する(待機する)必要があるため、その間に駆動装置の温度が低下する。そのため、この間の温度低下を見込んで高温エアの温度設定を行わねばならず、安定して所定の温度にまで駆動装置を昇温することは難しい。また、一旦所定の温度を越えて昇温し、然る後、所定の温度にまで低下させる必要があるため、手間がかかる上に昇温に長時間を要する。
以上の事情に鑑み、本発明により解決すべき課題は、試運転検査の前に、リークテストを精度よく行いつつも所定の温度にまで駆動装置を昇温すると共に、試運転検査までに要する時間を短縮して、必要な設備コスト及び設置スペースを削減することにある。
前記課題の解決は、本発明に係る駆動装置の試運転検査方法によって達成される。すなわち、この試運転検査方法は、駆動装置の組立て工程と、駆動装置を水中に沈めてリークテストを行う水没リークテスト工程と、水没リークテストを行った駆動装置を乾燥させる乾燥工程と、乾燥させた駆動装置を試運転して検査を行う試運転検査工程とを備え、乾燥工程において、駆動装置の水分を取り除くと共に駆動装置を暖める点をもって特徴付けられる。なお、ここでいう高温エアとは、常温(20℃を中心としてプラスマイナス15℃の範囲)よりも高い温度の気体を意味するものとする。
上記方法によれば、水没リークテストで駆動装置のリークテストを精度よく行うことができる。また、水没リークテストの直後に駆動装置を乾燥させることができるので、水分の付着、残存による不具合が生じるおそれもない。もちろん、上述の順序で水没リークテストと試運転検査を行うようにすれば、試運転時に駆動装置内部に供給される油が駆動装置の穴などを塞いだ状態で、リークテストが行われる事態を確実に回避できるので、リークテストの精度低下を招くおそれもない。
また、上記方法によれば、水没リークテスト後の水分除去処理と、試運転検査前の昇温処理を共通の工程(乾燥工程)で実施することができるので、組立て工程の後から試運転検査工程までに要する時間を短縮することができる。また、従来のように試運転検査装置を利用して駆動装置を昇温する場合には、駆動装置内部の油路に高温の油を循環供給することで昇温することになるため、どうしても昇温に長時間を要したが、乾燥工程の中で昇温するのであれば、高温エアのブロー装置など直接的かつ簡便な昇温専用の装置を採用することができるので、昇温に要する時間を短縮できる。そのため、従来のように複数の昇温装置を設置せずに済み、その分の設備スペースを削減することができる。
また、乾燥工程において駆動装置を昇温させるのであれば、例えば高温エアのブロー装置など簡便な構成の昇温装置で足りるため、従来のように高価なモータ等を含む試運転検査装置を昇温のためだけに設けずに済む。よって、従来に比べて設備コストを削減することも可能となる。もちろん、水没リークテストであれば、種々あるリークテストの中でも比較的安価に実施できるため、リークテストに要する設備に関しても従来と比べてコストアップの心配はない。
以上のように、本発明に係る試運転検査方法によれば、リークテストを精度よく行いつつも、組立て工程の後から試運転検査までに要する時間を短縮し、これにより必要な設備コスト及び設置スペースを削減することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る試運転検査方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る組立て工程から試運転検査工程に至る一連の工程を模式的に示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態に係る試運転検査方法の内容を図面に基づき説明する。なお、本実施形態では、試運転検査の対象をトランスミッションとした場合を例にとってその詳細を以下に説明する。
本発明の一実施形態に係る試運転検査方法は、図1に示すように、(S1)駆動装置の組立て工程と、(S2)組立てた駆動装置を水中に沈めてリークテストを行う水没リークテスト工程と、(S3)水没リークテストを行った駆動装置を乾燥させる乾燥工程と、(S4)乾燥させた駆動装置を試運転して検査を行う試運転検査工程とを備える。以下、各工程の詳細を説明する。
(S1)組立て工程
まず、個々に製作されたトランスミッション1の各構成部品を当該工程において組立てる(図2の工程S1)。組立てられたトランスミッション1は、例えばパレット2に載置された状態で、搬送路10上を次工程となる水没リークテスト工程S2に向けて搬送される。なお、搬送路10は、必ずしも各工程S1〜S4に跨って連続的に形成されている必要はなく、パレット2に載置したトランスミッション1を連続して次工程に搬送可能な限りにおいて任意の形態を採ることが可能である。例えば図示は省略するが、各工程S1〜S4ごとに設けられた設備に独立して搬送路が設けられ、かつこれら搬送路の間でパレット2に載置したトランスミッション1を受渡し可能な構造などを採ることも可能である。この際、搬送路の高さは互いに異なっていてもよい。
(S2)水没リークテスト工程
次に、トランスミッション1を水没リークテスト装置20にまで搬送して、水没リークテストを行う。具体的には、図2に示すように、搬送路10の下に設けた水槽21に向けてトランスミッション1を下降させ、水槽21に貯溜した水22の中に沈める。可能であれば、図示のように、パレット2ごとトランスミッション1を水22の中に沈めるようにしてもよい。また、下降前に、トランスミッション1の所定部位にカプラなどのエア供給部品を取付けると共に、必要に応じて所定の開口部を塞いでおく。また、この時点で、必要に応じてトランスミッション1の構成部品の抜け落ちを防止するための治具をトランスミッション1に取付けておいてもよい。このようにして、トランスミッション1を水22の中に沈めた後、エア供給部品よりトランスミッション1の内部、例えば油路に検査流体としてのエアを送り込んで、この際のトランスミッション1からのエアの漏れを水泡の浮き上がりとして評価する。なお、水泡の浮き上がりの有無は、作業者が目視で確認してもよいし、水22の中を撮像して得た画像を解析等することで、自動的に水泡の有無の評価を行うようにしてもよい。あるいは、センサで水泡を検知することで、自動的に水泡の有無の評価を行うようにしてもよい。
以上のようにして水没リークテストが終了したら、パレット2ごとトランスミッション1を上昇させて再び搬送路10の上にパレット2を設置し、次工程となる乾燥工程S3へ搬送を開始する。なお、上述したトランスミッション1の昇降動作は作業者の手で行ってもよいが、例えばリフターなどの昇降機構を設けて行ってもよい。
(S3)乾燥工程
次に、水没リークテストを終えたトランスミッション1を乾燥させて、トランスミッション1に付着又は残存する水分(水滴など)を取り除く。本実施形態では、乾燥工程S3に、水分除去装置30と、昇温装置40とを並べて配置しており、水分除去装置30でトランスミッション1に付着又は残存する水分を取り除いた後、昇温装置40でトランスミッション1を昇温する。各装置について詳述すると、水分除去装置30は例えばケーシングに取り付けられたエアノズル31を有するもので、水分除去装置30内にパレット2と共に搬入されたトランスミッション1に対して、エアノズル31から所定圧のエアを吹き付ける。これにより、トランスミッション1の外面及び内面に付着又は残存する水分を吹き飛ばして取り除く。また、昇温装置40も例えばケーシングに取り付けられたエアノズル41を有するもので、水分除去装置30から搬出され、昇温装置40内に搬入されたトランスミッション1に対して、エアノズル41から所定圧の高温エア(温風)を吹き付ける。これによりトランスミッション1のケーシングなど外面を構成する部品並びに内面を構成する部品の温度を上昇させる。
なお、水分除去装置30による水分除去時(エアブロー時)のブロー圧及びブロー時間は、目的とする水分の除去を達成可能な限りにおいて任意であり、対象となるトランスミッション1の形態、サイズ等によって適宜設定される。同様に、昇温装置40による昇温時(高温エアブロー時)のブロー圧、ブロー温度、及びブロー時間についても、目的とする昇温を達成可能な限りにおいて任意であり、例えば次工程である試運転検査工程S4に搬送された際にトランスミッション1が実運転時の温度(例えば40℃〜80℃)であるように、ブロー温度が所定の温度(例えば60℃〜120℃)に設定される。なお、上記構成であれば、昇温装置40によってもある程度の水分除去作用は期待できるので、この点も考慮して、水分除去装置30によるブロー条件を設定してもよい。
(S4)試運転検査工程
以上のようにして昇温したトランスミッション1を試運転検査工程S4に搬送し、試運転検査装置のモータやシャフトを連結する(図示は省略)。そして、トランスミッション1の油路に対応する流体(潤滑油)を供給した状態で試運転検査装置を起動して、トランスミッション1の試運転を行うと共にその性能や耐久性の検査を行う。この際、トランスミッション1は、乾燥工程S3において既に所定の温度にまで昇温されているため、高温の油を長時間循環供給させることなく即時に試運転及び検査の開始が可能となる。
このように、本発明に係る試運転検査方法によれば、水没リークテスト工程S2でトランスミッション1のリークテストを精度よく行うことができる。また、水没リークテスト工程S2の直後にトランスミッション1を乾燥させることができるので、水分の付着、残存による不具合が生じるおそれもない。また、上記方法によれば、水没リークテスト工程S2の後に、トランスミッション1の水分除去処理と、試運転検査前の昇温処理を共通の工程(乾燥工程S3)で併せて実施することができるので、組立て工程S1の後から試運転検査工程S4までに要する時間を短縮することができる。また、乾燥工程S3の中で昇温することで、昇温装置40に高温エアのブロー装置など直接的かつ簡便な昇温専用の装置を採用することができるので、昇温に要する時間を短縮できる。そのため、従来のように複数の昇温装置を設置せずに済み、その分の設備スペースを削減することができる。また、乾燥工程S3においてトランスミッション1を昇温させるのであれば、高温エアのブロー装置の如き簡便な構成の昇温装置40で足りるため、従来のように高価なモータ等を含む試運転検査装置を昇温のためだけに設けずに済む。よって、従来に比べて設備コストを削減することも可能となる。
また、本実施形態では、乾燥工程S3において、トランスミッション1の水分除去処理と、昇温処理とを別個の装置(水分除去装置30、昇温装置40)で行うようにしたので、水分除去と昇温それぞれに適したブロー条件を設定して、結果的に水分除去及び昇温を含む乾燥処理をより短時間で完了させることができる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
例えば、上記実施形態では、水分除去装置30と昇温装置40ともに、エアノズル31,41からのエアブローでもってトランスミッション1の水分除去及び昇温を図るものを例示したが、もちろんこの構成には限定されない。トランスミッション1に付着した水分を除去可能な限りにおいて水分除去装置30はエアブロー以外の任意の構成を採ることが可能である。昇温装置40についても、同様に、トランスミッション1を実運転時の温度にまで昇温可能な限りにおいてエアブロー以外の任意の構成を採ることが可能である。
また、上記実施形態で本発明に係る試運転検査方法の対象としたトランスミッション1について、マニュアル(手動変速)、オートマチック(自動変速)の別を問わない。また、自動変速タイプについても、いわゆるトルコンAT、CVTの別を問わない。如何なるタイプのトランスミッション1であっても本発明に係る試運転検査方法を適用することが可能である。
また、以上の説明では、トランスミッション1を本発明に係る試運転検査方法の対象としたが、もちろんこれには限られない。エンジン等の他の駆動装置についても本発明の適用対象とすることが可能である。
1 トランスミッション
2 パレット
10 搬送路
20 水没リークテスト装置
21 水槽
22 水
30 水分除去装置
31,41 エアノズル
40 昇温装置
S1 組立て工程
S2 水没リークテスト工程
S3 乾燥工程
S4 試運転検査工程

Claims (1)

  1. 駆動装置の組立て工程と、
    前記駆動装置を水中に沈めてリークテストを行う水没リークテスト工程と、
    前記水没リークテストを行った前記駆動装置を乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥させた前記駆動装置を試運転して検査を行う試運転検査工程とを備え、
    前記乾燥工程において、エアブローにより前記駆動装置の水分を吹き飛ばして取り除くと共に
    前記試運転検査工程に搬送された際に前記駆動装置が実運転時の温度となるように、前記エアブローにより前記駆動装置を所定の温度まで暖める駆動装置の試運転検査方法。
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