JP6559960B2 - メッキ部品の製造方法及びメッキ部品 - Google Patents
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図1に示すフローチャートに従って、成形体に所定パターンのメッキ膜が形成されたメッキ部品の製造方法について説明する。まず、主成分であるベース樹脂(第1の熱可塑性樹脂)と、親水性付与材料(第2の熱可塑性樹脂)を含む樹脂材料を所定の成形温度で成形し、成形体を得る(図1のステップS1)。
本実施形態では、樹脂材料がレーザー光吸収材料を含むメッキ部品の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、成形体の成形工程(図1のステップS1)において樹脂材料がレーザー光吸収材料を含む以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、以下に本実施形態の成形体の成形工程について説明し、第1の実施形態と同様であるヨウ素付与工程(同、ステップS2)、レーザー光照射工程(同、ステップS3)、無電解メッキ触媒付与工程(同、ステップS4)及び無電解メッキ工程(同、ステップS5)については説明を省略する。
1.樹脂材料
本実施例では、ベース樹脂として植物由来成分を有する高融点(310℃)のガラス繊維45%含有芳香族ナイロン(GF強化芳香族ナイロン)(東洋紡製、バイロアミドMJ−385JT)を用い、親水性付与材料として親水性セグメントを有するブロック共重合体(三洋化成工業製、ペレクトロンAS)を用いて、選択的にメッキ膜が形成された成形体(試料)を製造した。本実施例で用いた親水性セグメントを有するブロック共重合体は、ポリエチレングリコール(PEG)を有するブロック共重合体(PEG含有ブロック共重合体)である。
GF強化芳香族ナイロンとPEG含有ブロック共重合体の吸水率は、ISO62に準拠し、それぞれの樹脂から成形した成形体(4cm×6cm×2mm)を常温(23℃)の水中に24時間浸漬させた後の重量変化(%)とした。GF強化芳香族ナイロンの吸水率(WA1)は0.12%、PEG含有ブロック共重合体の吸水率(WA2)は3.1%であり、(WA2/WA1)=(3.1/0.12)=26であった。
GF強化芳香族ナイロンとPEG含有ブロック共重合体の溶融粘度は、ISO1133に準拠して測定したメルトマスフローレイト(MFR)とした。後述するように、本実施例では成形温度330℃で成形を行ったので、溶融粘度は330℃で測定した。GF強化芳香族ナイロンの溶融粘度(MFR1)は60g/10分、PEG含有ブロック共重合体の溶融粘度(MFR2)は120g/10分であり、(MFR1/MFR2)=60/120=0.5であった。
(1)成形体の成形
GF強化芳香族ナイロンとPEG含有ブロック共重合体とを97:3の重量比率で混合した樹脂材料を汎用の射出成形機(日本製鋼所製、J180AD−300H)を用いて、4cm×6cm×0.2cmの板状体に射出成形した。成形温度は330℃、金型温度は140℃とした。上述した吸水率の測定方法により得られた成形体の吸水率を測定したところ、成形体の吸水率は0.3%であり、ベース樹脂であるGF強化芳香族ナイロンの吸水率(0.12%)の2.5倍であった。
以下の手順で、ヨウ素濃度1.5重量%、ヨウ化カリウム濃度6重量%、水とエタノール混合溶液を溶媒とするヨウ素溶液を調製した。まず、水194.5gにヨウ化カリウム(和光純薬製試薬)18.0gを溶解し、ヨウ化カリウム水溶液を調製した。次に、調製したヨウ化カリウム水溶液に、ヨウ素(和光純薬製試薬)4.5gを加え、攪拌して完全に溶解させた。更にエタノール(和光純薬製試薬)83.0gを加え、ヨウ素溶液を得た。
ヨウ素を付与した成形体に、レーザー描画装置(パナソニック製、LP−310、光源CO2、レーザー発振部の出力:平均12W、発光ピーク波長:10.6μm)を用いて、所定のパターンに沿ってレーザー光を照射した。レーザー描画は、パワー80%、線幅0.01mm、描画速度1000mm/secで行った。本実施例では2種類のパターンA及びBをレーザー描画した。パターンAは、メッキ選択性を評価するためのパターンであり、描画後のライン/スペースが、0.5mm/0.5mmとなる複数の細線からなるパターンである。パターンBは、メッキ膜の密着強度を評価するための10mm×10cmのパターンである。パターンBは、10mm×10cmの領域を0.1mmピッチで描画して作製した。
レーザー描画を行った成形体表面に、市販の無電解メッキ用触媒液を用いた汎用の方法により無電解メッキ触媒を付与した。まず、レーザー描画を行った成形体を常温の感応性付与剤(奥野製薬製、センシタイザー)に浸漬し、5分間超音波を照射してセンシタイザー処理を行い、成形体表面にスズコロイドを吸着させた。その後、成形体を感応性付与剤から取り出し、十分に水洗した。次に、成形体を常温の触媒化処理剤(アクチベータ、奥野製薬製)に浸漬し、2分間放置してアクチベータ処理を行い、成形体表面にパラジウムを吸着させた。その後、樹脂成形体を触媒化処理剤から取り出し、十分に水洗した。
無電解メッキ触媒を付与した成形体を61℃の無電解銅メッキ液(奥野製薬工業製、OPC−NCA)に15分浸漬して、成形体表面に無電解銅メッキ膜を1μm成長させた。本実施例に用いた無電解メッキ液は、メッキ膜の成長速度の速い汎用の無電解銅メッキ液である。更に、無電解銅メッキを行った成形体を硫酸銅液に浸漬し、電流密度3A/dm2にて銅の電解メッキを行い、無電解銅メッキ膜上に40μmの銅電解メッキを積層した。
(1)メッキ選択性
成形体全体及びパターンAのメッキ膜を観察し、以下の評価基準に従ってメッキ選択性を評価した。
<メッキ選択性の評価基準>
○:メッキ膜がレーザー描画部のみに成長している。
×:メッキ膜がレーザー描画部以外に成長している部分がある。
引っ張り試験機(島津製作所社製,AGS−100N)を用いて、JIS H8630に準拠し、角度90°、速度25mm/分の条件で、試料表面において長さ40mmに亘り、メッキ膜を試料からから引き剥がすときの力を測定した。密着強度の目標値は4.5N/cmであるので、以下の評価基準に従って密着強度を評価した。
<密着強度の評価基準>
○:密着強度が4.5N/cm以上
×:密着強度が4.5N/cm未満、又は測定不可能。
以下の手順に従って、メッキ膜形成部分(パターンA)の細線間の電気抵抗を測定した。先ず、測定に使用する隣り合う2本の細線パターンを、それぞれ他のパターンと切り離した。そして、それぞれの細線のメッキ膜の一端と、同じ細線の他端にテスターの端子を押し当てて抵抗を測定した。この結果、抵抗値は1Ω以下であり、2本の細線が共に導電性を有することが確認できた。次に、1本の細線と、他の細線にテスターの端子を押し当てて、端子間の電気抵抗を測定した。この結果、電気抵抗は200MΩ以上と高い値であり、隣り合う細線間には導通がないことが確認できた。
本実施例では、ベース樹脂として、高融点(310℃)のミネラル及びガラス繊維65%含有6Tナイロン(ソルベイアドバンストポリマーズ製、アモデルAS1566HS)(ミネラル及びGF強化6Tナイロン)を用いた。また、樹脂材料を実施例1とはサイズの異なる10cm×30cm×0.3mmの板状体に射出成形した。それ以外は、実施例1と同様の方法により選択的にメッキ膜が形成された成形体(試料)を製造した。
(1)吸水率
実施例1と同様の方法により測定される、ミネラル及びGF強化6Tナイロンの吸水率(WA1)は、0.3%であり、(WA2/WA1)=(3.1/0.3)=10であった。また、同様の測定方法により、得られた成形体の吸水率を測定したところ、成形体の吸水率は0.6%であり、ベース樹脂である6Tナイロンの吸水率の2倍であった。
また、本実施例では実施例1と同様に成形温度330℃で成形を行ったので、溶融粘度は330℃で測定した。実施例1と同様の方法により測定される、ミネラル及びGF強化6Tナイロンの溶融粘度(MFR1)は72g/10分であり、(MFR1/MFR2)=72/120=0.6であった。
(1)メッキ選択性
実施例1と同様の方法により、メッキ選択性を評価した。本実施例では、メッキ膜はレーザー描画部のみに成長しており、メッキ選択性は良好であった(評価結果:○)。
実施例1と同様の方法により、メッキ膜の密着強度を評価した。本実施例のメッキ膜の密着強度は10.0N/cmと高い値であった(評価結果:○)。
以下に説明する方法により、本実施例で成形した成形体の反りを測定した。成形体に反りがある場合、成形体(板状体)は湾曲して、凸面と凹面を有する。凸面を下にして成形体を水平面上に設置すると、成形体の4つの角(時計回りに、A、B、C及びDとする)は水平面から浮き上がり、水平面と接触しない。4つの角のうちの1つの角Aを水平面に押し当てると、角Aの対角である角Cが更に水平面から浮き上がる。角Aを水平面に押し当てた状態における、水平面と角Cとの距離を成形体の反りの大きさと定義して測定した。本実施例の成形体の反りは、2mmであった。
成形体中にフィラーが存在すると、親水性付与材料の状態の観察が困難となる。そこで、本実施例のベース樹脂からフィラーを除いた樹脂と、PEG含有ブロック共重合体とを混合し、本実施例と同一条件で成形品を成形し、この成形体の断面をSEMにより観察した。ベース樹脂である6Tナイロンと親水性付与材料であるPEG含有ブロック共重合体とのコントラストを付けるために、観察前に成形体をルテニウムにより染色した。ルテニウムはPEG含有ブロック共重合体中のポリエチレングリコール(PEG)部分を染色するため、PEG含有ブロック共重合体は高輝度で観察される。SEM観察は、メッキ膜が形成されていない部分における、表面近傍の断面(図3(a))と表面から200μm内部の断面(図3(b))について行った。
本実施例では、実施例2と同様の樹脂材料を用いて、実施例2と同サイズの板状体を発泡成形した。それ以外は、実施例1と同様の方法により選択的にメッキ膜が形成された成形体(試料)を製造した。
(1)発泡成形体の成形
ミネラル及びGF強化6Tナイロンと、PEG含有ブロック共重合体とを97:3の重量比率で混合した樹脂材料を発泡射出成形した。本実施例では、本出願人による特開2014‐156073号公報に開示する、実施例2で用いた成形機と同様の成形機を用いた。発泡圧力は4MPaとし、成形温度は330℃とした。また、ソリッド(無発泡成形体)を成形する場合と比較して、計量ストロークを2%短くし、更に保圧を40%低下させた。それ以外は、特開2014‐156073号公報の実施例2に開示される方法と同様の方法により発泡成形体を製造した。
(1)メッキ選択性
実施例1と同様の方法により、メッキ選択性を評価した。本実施例では、メッキ膜はレーザー描画部のみに成長しており、メッキ選択性は良好であった(評価結果:○)。
実施例1と同様の方法により、メッキ膜の密着強度を評価した。本実施例のメッキ膜の密着強度は9N/cmと高い値であった(評価結果:○)。
実施例2と同様の方法により、成形体の反りを測定した。本実施例の成形体の反りは、0.3mmであった。実施例2で成形した、同様の材料から成形した非発泡成形体の反り(2mm)と比較して、本実施例の発泡成形体では、成形体の反りが大幅に低減された。これは、発泡成形により、金型内での冷却歪が緩和され、樹脂材料の結晶化及び収縮による不均一性が改善されたためと推定される。
試料の断面をSEMにより観察した。成形体中には、発泡セル径30μm程度の発泡セルが粗な密度で観察された。
本実施例の試料をリフロー炉に通した。リフロー炉の通過時間は1分とし、リフロー炉内における試料の最高到達温度は250℃であった。リフロー炉通過後に試料を目視により観察した。その結果、試料に膨れ等は認められず、十分なハンダリフロー耐性を有することが確認された。
本実施例では、ベース樹脂及び親水性付与材料に加えて、レーザー光吸収材料を含む試料を製造した。
本実施例では、ベース樹脂として、ナチュラル色のABS樹脂(東レ(株)製、トヨラック500A)を用い、親水性付与材料として実施例1と同様のブロック共重合体を用い、更に、レーザー光吸収材料としてマルチウォールカーボンナノチューブ(MW−CNT)(昭和電工製、VGCF−H)を用いて、選択的にメッキ膜が形成された成形体(試料)を製造した。
実施例1と同様の方法により測定されるABS樹脂の吸水率(WA1)は、0.3%であり、(WA2/WA1)=(3.1/0.3)=10であった。
また、後述するように、本実施例では成形温度220℃で成形を行ったので、溶融粘度は220℃で測定した。実施例1と同様の方法により測定されるABS樹脂の溶融粘度(MFR1)は17g/10分であり、PEG含有ブロック共重合体の溶融粘度(MFR2)は30g/10分であり、(MFR1/MFR2)=17/30=0.57であった。
(1)樹脂ペレットの製造
本実施例では、まず、レーザー光吸収材料と親水性付与材料とを含む樹脂ペレットを製造した。PEG含有ブロック共重合体と、マルチウォールカーボンナノチューブ(MW−CNT)とを90:10の重量比率で混合した材料を単軸押出成形機を用いて、紐状に押出成形した。その後、押出成形物を粉砕して、MW−CNTを10重量%含むPEG含有ブロック共重合体ペレットを得た。
ベース樹脂であるABS樹脂と上で製造した樹脂ペレットとを97:3の重量比率で混合した樹脂材料を実施例1と同様の方法により射出成形した。但し、成形温度は220℃とした。樹脂材料において、ABS樹脂、PEG含有ブロック共重合体、MW−CNTの重量比率は、97:2.7:0.3である。実施例1と同様の方法により、得られた成形体の吸水率を測定したところ、成形体の吸水率は0.5%であり、ベース樹脂であるABS樹脂の吸水率(0.3)の1.7倍であった。
ヨウ素濃度を5.0重量%とした以外は、実施例1と同様の方法によりヨウ素溶液を調製した。調製したヨウ素溶液に成形体を浸漬し、室温で15分間放置した。その後、成形体をヨウ素溶液から取り出し、十分に水洗した後、常温で乾燥させた。
ヨウ素を付与した成形体に、実施例1と同様の方法により、レーザー描画、無電解メッキ触媒の付与及びメッキを行い、選択的にメッキ膜が形成された成形体(試料)を製造した。
(1)メッキ選択性
実施例1と同様の方法により、メッキ選択性を評価した。本実施例では、メッキ膜はレーザー描画部のみに成長しており、メッキ選択性は良好であった(評価結果:○)。
実施例1と同様の方法により、メッキ膜の密着強度を評価した。本実施例のメッキ膜の密着強度は5.6N/cmであり、十分な密着強度を有していた(評価結果:○)。
成形体のレーザー描画を行った部分の表面をSEMにより観察した。図4(a)に示すように、レーザー描画部分の表面には複雑な凹凸が形成されていた。この部分の表面粗Raは76μmであった。本実施例では、成形体がレーザー光吸収材料(MW−CNT)を含むことにより、レーザー光照射部分が複雑に粗化され、その上に形成されるメッキ膜の密着強度を高めることができた。
本実施例では、ベース樹脂として、ガラス繊維30%含有ポリカーボネート(GF強化PC)(三菱エンジアリングプラスチック製、ユーピロンGSH2030R2)を用い、親水性付与材料として、非晶質透明ナイロン(ユニチカ製、CX−2500)を用いた。また、GF強化PCと、非晶質透明ナイロンとの重量比率は、85:15とし、成形温度は300℃とした。それ以外は、実施例1と同様の方法により選択的にメッキ膜が形成された成形体(試料)を製造した。
(1)吸水率
実施例1と同様の方法により測定されるGF強化PCの吸水率(WA1)は0.1%であり、非晶質透明ナイロンの吸水率(WA2)は0.7であり、(WA2/WA1)=(0.7/0.1)=7であった。また、同様の測定方法により、得られた成形体の吸水率を測定したところ、成形体の吸水率は0.2%であり、ベース樹脂であるGF強化PCの吸水率の2倍であった。
また、本実施例では成形温度300℃で成形を行ったので、溶融粘度は300℃で測定した。実施例1と同様の方法により測定されるGF強化PCの溶融粘度(MFR1)は5.7g/10分であり、非晶質透明ナイロンの(MFR2)は17g/10分であり、(MFR1/MFR2)=5.7/17=0.34であった。
(1)メッキ選択性
実施例1と同様の方法により、メッキ選択性を評価した。本実施例では、メッキ膜はレーザー描画部のみに成長しており、メッキ選択性は良好であった(評価結果:○)。
実施例1と同様の方法により、メッキ膜の密着強度を評価した。本実施例のメッキ膜の密着強度は5.0N/cmであり、十分な密着強度を有していた(評価結果:○)。
本比較例では、親水性付与材料を用いなかった以外は、実施例1と同様の方法により試料を製造した。即ち、本比較例の樹脂材料は、GF強化芳香族ナイロン100重量%である。
(1)メッキ選択性
実施例1と同様の方法により、メッキ選択性を評価した。本比較例の試料では、レーザー描画部にメッキ膜が成長していたが、レーザー描画部以外でも一部にメッキ膜の成長が確認された。図2(b)に示すように、パターンAにおいてライン間にもメッキ膜の成長が確認され、メッキ選択性は不良であった(評価結果:×)。
実施例1と同様の方法により、メッキ膜の密着強度を評価した。本比較例のメッキ膜の密着強度は5.0N/cmであった(評価結果:○)。
実施例1と同様の方法により、メッキ膜形成部分(パターンA)の細線間の電気抵抗を測定した。この結果、隣り合う2つの細線間の電気抵抗は1Ω未満と低い値であり、導電性があることが確認された。
本比較例では、親水性付与材料及びレーザー光吸収材料を用いなかった以外は、実施例4と同様の方法により試料を製造した。即ち、本比較例の樹脂材料は、ABS樹脂100重量%である。
(1)メッキ選択性
実施例1と同様の方法により、メッキ選択性を評価した。本比較例の試料では、レーザー描画部にメッキ膜が成長していたが、レーザー描画部以外でも一部にメッキ膜の成長が確認された。パターンAにおいてライン間にもメッキ膜の成長が確認され、メッキ選択性は不良であった(評価結果:×)。
実施例1と同様の方法により、メッキ膜の密着強度を評価した。しかし、本比較例のメッキ膜は簡単に剥離してしまい、密着強度を測定できるレベルの強度を有しておらず、測定不可能であった(評価結果:×)。
成形体のレーザー描画を行った部分の表面をSEMにより観察した。図4(b)に示すように、本比較例では実施例4(図4(a))で確認されたような大きな粗化は確認できなかった。本比較例及び実施例4は、ベース樹脂として同様のABS樹脂を用いているが、本比較例はレーザー光吸収材料を用いていないためレーザー光照射部分の粗化が不十分であり、メッキ膜の密着強度が得られなかったものと推測される。
本比較例では、親水性付与材料を用いなかった以外は、実施例3と同様の方法により試料を製造した。即ち、本比較例では、ミネラル及びGF強化6Tナイロン100重量%の樹脂材料を発泡成形した。
(1)メッキ選択性
実施例1と同様の方法により、メッキ選択性を評価した。本比較例の試料では、レーザー描画部にメッキ膜が成長していたが、レーザー描画部以外でもスワルマーク部分にメッキ膜の成長が確認された(評価結果:×)。スワルマーク部分は表面の凹凸の大きいため、ヨウ素の浸透が不十分になり、無電解メッキ膜形成を十分に抑制できなかったと推測される。
実施例1と同様の方法により、メッキ膜の密着強度を評価した。本比較例のメッキ膜の密着強度は8.5N/cmであった(評価結果:○)。
101 親水性付与材料(第2の熱可塑性樹脂)
102 レーザー光吸収材料
103 ベース樹脂(第1の熱可塑性樹脂)
Claims (11)
- メッキ部品の製造方法であって、
主成分である第1の熱可塑性樹脂と、第2の熱可塑性樹脂とを含む樹脂材料を所定の成形温度で成形し、成形体を得ることと、
前記成形体の表面にヨウ素を付与することと、
前記ヨウ素が付与された成形体の表面の一部にレーザー光を照射することと、
前記レーザー光を照射した成形体の表面に無電解メッキ触媒を付与することと、
前記無電解メッキ触媒を付与した成形体の表面に無電解メッキ液を接触させ、前記レーザー光を照射した部分に無電解メッキ膜を形成することを含み、
第2の熱可塑性樹脂の吸水率が第1の熱可塑性樹脂の吸水率よりも高く、第2の熱可塑性樹脂の前記成形温度における溶融粘度が第1の熱可塑性樹脂の前記溶融粘度よりも低いことを特徴とするメッキ部品の製造方法。 - 第2の熱可塑性樹脂は、前記樹脂材料中に1重量%〜20重量%含まれることを特徴とする請求項1に記載のメッキ部品の製造方法。
- 前記成形体の表面の一部にレーザー光を照射することにより、レーザー光を照射した部分からヨウ素を除去することを特徴とする請求項1又は2に記載のメッキ部品の製造方法。
- 前記成形体の表面の一部にレーザー光を照射することが、前記成形体の表面にレーザー描画することであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のメッキ部品の製造方法。
- 前記樹脂材料が、レーザー光吸収材料を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のメッキ部品の製造方法。
- 前記レーザー光吸収材料が第2の熱可塑性樹脂に含まれることを特徴とする請求項5に記載のメッキ部品の製造方法。
- 前記レーザー光吸収材料が、色素又は炭素材料であることを特徴とする請求項5又は6に記載のメッキ部品の製造方法。
- 前記樹脂材料を成形することが、
前記レーザー光吸収材料と、第2の熱可塑性樹脂とを含む樹脂ペレットを製造することと、
前記樹脂ペレットと、第1の熱可塑性樹脂とを用いて前記成形体を成形することを含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のメッキ部品の製造方法。 - 前記樹脂材料を成形することが、前記樹脂材料を発泡成形することである請求項1〜8のいずれか一項に記載のメッキ部品の製造方法。
- 前記メッキ部品が、立体回路成形部品であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のメッキ部品の製造方法。
- メッキ部品であって、
主成分である第1の熱可塑性樹脂と、第2の熱可塑性樹脂とを含む成形体と、
前記成形体の表面の一部に形成された無電解メッキ膜とを有し、
前記成形体の表面近傍における第2の熱可塑性樹脂の体積比率が、前記成形体の前記表面近傍以外の領域における第2の熱可塑性樹脂の体積比率よりも高く、
前記メッキ部品が立体回路成形部品であることを特徴とする、メッキ部品。
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