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JP6560113B2 - パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する方法 - Google Patents
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パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する方法 Download PDF

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Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する方法に関する。本発明の評価方法は、はき易いパンツ型使い捨ておむつの開発に有用なものである。
重心動揺計は、被験者が動作を行っている間の重心の移動を軌跡として表示する測定機器である。重心動揺計は、主に耳鼻科などでめまい・平衡障害の客観評価及び病巣診断に用いられている。これ以外の重心動揺計の適用例の1つとして特許文献1には、重心動揺計測計から得られたバランス機能に関する指標である重心動揺面積、総軌跡長、実効値面積、重心移動速度及び重心動揺軌跡の周波数特性といった複数の指標のうちの2つ以上の指標を用いて体調の評価を行う方法が記載されている。
特許文献2にも重心動揺計の適用例が記載されている。同文献には、重心動揺計を用い、パンツ型おむつの引き上げ動作中における着用者の重心動揺を測定し、その程度に基づきおむつのはき易さを評価する方法が記載されている。同文献によれば、この方法は、パンツ型おむつのはき易さを客観的に評価することが可能であるとされている。
特開2004−180792号公報 特開2008−200237号公報
特許文献2に記載の評価方法は、はき易いパンツ型使い捨ておむつの開発の一助となるものである。しかし、パンツ型使い捨ておむつのはき易さは、おむつの引き上げ動作時の操作性だけで決定されるものではなく、一連の動作の中での操作性を評価することが現実に即している。しかしながら、パンツ型使い捨ておむつの主たる着用対象者である高齢者の場合、おむつ着脱を一連の動作として行わせて、その一連の動作の中ではき易さの難易を評価することは容易でなかった。
したがって本発明の課題は、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易の評価方法の改良にあり、更に詳細には、従来の評価方法よりも一層実態に即したはき易さの評価方法を提供することにある。
本発明は、着用者を座った姿勢にさせ、その姿勢から座ったままの状態でパンツ型使い捨ておむつのレッグ開口部に脚を通す動作を行うときの該着用者の重心動揺を、重心動揺計のセンサを用いて測定し、測定された重心動揺の程度に基づき、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する方法であって、
前記センサを第1センサ及び第2センサに分割し、座った姿勢における着用者の臀部下に前記第1センサを設置し、足底下に前記第2センサを設置し、各センサによって得られる測定結果から、前記動作を行っている間の連続した重心動揺を求め、該連続した重心動揺の程度に基づき、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する方法を提供するものである。
本発明によれば、従来の評価方法よりも一層実態に即したパンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易の評価方法が提供される。
図1は、本発明の評価方法に用いられる重心動揺測定装置の一部を示す斜視図である。 図2は、図1に示す測定装置に被験者が配置された状態を示す斜視図である。 図3(a)ないし図3(i)は、被験者がパンツ型使い捨ておむつを装着し、更に脱着する動作を順次示す模式図である。 図4は、重心動揺測定の結果の一例を示す図である。 図5は、重心動揺の測定結果から各種パラメータを算出するための手順の一部を示す説明図である。 図6は、重心動揺測定の結果の別の例を示す図である。 図7は、実施例で行った官能評価の結果を示すグラフである 図8は、実施例で行った重心動揺の測定結果から得られた総軌跡長と、各動作との関係を示すグラフである。 図9は、実施例で行った重心動揺の測定結果から得られた外周面積と、各動作との関係を示すグラフである。 図10は、実施例で行った重心動揺の測定結果から得られた前後軌跡長と、各動作との関係を示すグラフである。 図11は、実施例で行った重心動揺の測定結果から得られた左右軌跡長と、各動作との関係を示すグラフである。 図12(a)は、実施例で行った重心動揺の測定結果から得られた一連の着脱動作における軌跡長と官能評価との関係を示すグラフであり、(b)は重心動揺の測定結果から得られた脚入れ時の軌跡長と官能評価との関係を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の評価方法に用いられる重心動揺測定装置の一部が示されている。図2は、図1に示す測定装置に被験者が配置された状態を示す図である。図1及び図2に示すとおり、測定装置10は、座面11を有する椅子12を備えている。椅子12には回転ハンドル13が取り付けられており、このハンドル13を回転させることで座面11を昇降させることができるようになっている。座面11の昇降には例えばネジ式のジャッキ機構を用いることができる。このように、図1及び図2に示す測定装置10は、被験者1,すなわちおむつ2の着用者を座らせた姿勢を初期姿勢とし、その初期姿勢から動作を開始させるときの重心動揺を測定するものである。
本評価方法においては、被験者の重心動揺を重心動揺計のセンサを用いて測定する。このセンサは、該センサの感知面に作用する垂直圧力を検出し、検出された垂直圧力中心の動揺を電気信号変化として出力する機能を備えている。本評価方法においては、センサを第1センサ及び第2センサの2つのセンサに分割して使用する。図1及び図2に示すとおり、第1センサ21は、椅子12の座面11上に載置される。一方、第2センサ22は、装置10に座った状態の被験者1の足底に対応する位置に載置される。各センサ21,22は、その感知面が水平面と一致するように載置されている。
各センサ21,22からはケーブル21a,22aが引き出されている。ケーブル21a,22aは、各センサ21,22とデータ処理装置(図示せず)とを接続しており、各センサ21,22で検出された重心位置に対応する電気信号を、データ処理装置(図示せず)に送出するために用いられる。データ処理装置においては、分割状態にある2つのセンサ21,22からの各信号を結合し、あたかも単一のセンサから得られた信号であるかのようにする処理を行う。データ処理装置としては、例えばパーソナルコンピュータ等の電子計算処理装置が用いられる。データ処理装置で得られた重心動揺のデータは、例えば該データ処理装置に接続された端末表示手段(図示せず)に表示したり、該データ処理装置に接続された印字手段(図示せず)に印字されたり、あるいは該データ処理装置に内蔵されているかあるいは接続されている記憶装置(図示せず)に保存される。
本発明の評価方法の対象となるパンツ型おむつは、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ形状のおむつを広く包含する。ここで言うパンツには、ブリーフ、ショーツ、トランクス等の種々の形状が含まれる。パンツ型おむつは、一般にウエスト開口部に沿っておむつの幅方向に配されたウエスト部の弾性部材や、レッグ開口部に沿って配されたレッグ部弾性部材を有している。更にパンツ型おむつは、ウエスト開口部とレッグ開口部との間に位置する胴回り部に、おむつの幅方向に配された胴回り部弾性部材を有していることもある。
パンツ型おむつは、着用者の肌に対向する表面シートと、衣類に対向する裏面シートと、両シート間に介在配置された液保持性の吸収性コアとを有している。表面シートは液透過性のシートから構成されている。そのようなシートとしては、例えば不織布や、フィルムを穿孔して多数の開孔を設けたもの等が用いられる。裏面シートは不液透過性又は撥水性のシートから構成されている。そのようなシートとしては、例えばフィルムや、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布などが用いられる。このフィルムは透湿性を有していてもよい。吸収性コアは、パルプ等の吸水性の繊維材料又は該繊維材料と高吸収性ポリマーとの混合物などからなる。パンツ型おむつは、以上の部材に加え必要に応じ、おむつの各種性能を向上させるための部材を有していてもよい。そのような部材としては、例えばおむつの肌対向面における左右両側部に設けられた一対の防漏カフなどが挙げられる。
図3(a)ないし(i)には、パンツ型使い捨ておむつ2を装着し、更に着脱する動作が順次示されている。これらの図のうち、図3(a)は、先に述べた図2に示す状態と同じである。図3(a)は、被験者1が椅子12に座っている状態を示している。同図に示す状態では、座った姿勢における着用者の臀部下に第1センサ21が設置されており、且つ両足の足底下に第2センサ22が設置されている。被験者1は自身の大腿の上に、着用すべきパンツ型使い捨ておむつ2を置いている。この状態から重心動揺の測定を行う。
図3(b)は、図3(a)に示す姿勢から被験者1が座ったまま片脚を上げて、おむつ2の一方のレッグ開口部に脚を通す動作を示している。この動作をもう一方の脚についても行う。この場合、おむつ2の両脇を持っておむつ2のウエスト開口部を広げる。次いで広げた状態のおむつ2のレッグ開口部に順番に脚を入れる。脚の左右の順序は問わない。それによって、おむつ2は、各レッグ開口部に被験者の各脚が通った状態となる。この状態になったら、椅子に座ったまま被験者1を60秒間休憩させる。然る後に、被験者1を椅子12からゆっくり起立させて図3(c)に示す姿勢とする。この姿勢では、おむつ2は被験者1の膝又はその近傍の位置にある。また、この姿勢までは第1センサ21及び第2センサ22からの信号が検出され、且つこの姿勢以降では第2センサ22からの信号のみが検出される。第2センサ22からの信号のみの検出は、後述する図3(f)に示す動作まで継続する。
図3(d)は、図3(c)に示す直立の起立姿勢から被験者を若干前屈みにさせておむつ2を腰の位置まで引き上げる動作を示している。この場合、おむつ2の両脇を持っておむつ2を引き上げる。おむつ2が完全に引き上げられて装着状態が完成したら、図3(e)に示すとおり、被験者1を直立に起立した状態にさせる。そして、この状態のまま被験者1を20秒間休憩させ呼吸を整えさせる。然る後に、図3(f)ないし(i)に示す動作を被験者1に行わせる。図3(f)ないし(i)に示す動作は、おむつ2の装着状態から、該おむつ2を完全に脱ぐまでの動作である。これら一連の動作について以下に説明する。
先ず図3(f)に示すとおり、被験者1を、図3(e)に示す直立の起立姿勢から、図3(f)に示す若干前屈みの姿勢にさせる。そして、おむつ2の両脇を持っておむつ2を引き下ろす。おむつ2が被験者の膝又はその近傍の位置まで引き下ろされたら、図3(g)に示すとおり被験者1を椅子12に座らせる。この姿勢以降は、第1センサ21及び第2センサ22からの信号が検出される。引き続き、図3(h)に示すとおり、おむつ2のレッグ開口部を通じて被験者の脚を片方ずつおむつ2から引き抜く。脚の左右の順序は問わない。最後に、図3(i)に示すとおり、被験者1を椅子12に座らせたままの状態で、脱いだおむつ2を被験者の大腿の上に置く。
以上の一連の動作の中で、図3(a)に示す姿勢から図3(b)に示す動作を行い、おむつ2の各レッグ開口部に被験者1の各脚が通った状態の姿勢になるまでの間の動作を行うときの被験者1の重心動揺を測定する。測定結果の一例を図4に示す。同図においては、縦軸の座標0の位置が、被験者1の正中線と一致している。また同図においては、重心動揺の軌跡がLで示されている。同図においては、紙面に向かって右半分の領域A1が、第1センサ21からの信号に基づく測定結果であり、左半分の領域A2が第2センサ22からの信号に基づく測定結果である。このように、本評価方法では、各センサ21,22によって得られる測定結果に基づいて、図3(a)に示す姿勢から図3(b)に示す動作を行い、おむつ2の各レッグ開口部に被験者1の各脚が通った状態の姿勢になるまでの動作を行っている間の連続した重心動揺を求めている。すなわち、着用者を座った姿勢にさせ、その姿勢から座ったままの状態でおむつ2のレッグ開口部に脚を通す動作を行うときの着用者の重心動揺を求めている。図4に示す測定結果から明らかなとおり、測定開始時には被験者1の重心は領域A1、すなわち第1センサ21によって検出される領域である椅子12の座面11上にある。
重心動揺の測定においては、図3(a)に示す姿勢から図3(b)に示す動作を行い、おむつ2の各レッグ開口部に被験者1の各脚がそれぞれ通った状態の姿勢になるまでの動作を行っている間のすべての時間における重心動揺を連続して求めることが好ましい。しかし、このような測定態様これに限らず、座ったままの状態でおむつ2の各レッグ開口部に各脚をそれぞれ通す動作を行っている間における一部の動作の連続した重心動揺を求めてもよい。例えば、図3(a)に示す姿勢からおむつ2の片方のレッグ開口部に被験者1の片脚のみが通った状態の姿勢になるまでの動作を行っている間の連続した重心動揺を求めても良い。
図3(a)に示す姿勢から図3(b)に示す動作を行い、おむつ2の各レッグ開口部に被験者1の各脚が通った状態の姿勢になるまでの動作を行い重心動揺を測定しているときは、その動作を動画撮影しておき、重心動揺の測定結果と、撮影された動画とを連動させることが好ましい。これによって、重心動揺の測定結果を被験者1の動作を正確に関連付けることができ、一層正確な評価をすることができる。
本評価方法においては、図4に示す重心動揺、すなわち座った姿勢の被験者1が自身の脚をおむつ2のレッグ開口部に通す動作を行うときの該着用者の重心動揺の程度に基づき、おむつ2のはき易さの難易を評価する。重心動揺に関する具体的パラメータとしては、(a)総軌跡長、(b)外周面積、(c)前後軌跡長、(d)左右軌跡長、(e)前後最大振幅、及び(f)左右最大振幅などが上げられる。以下、これらのパラメータについてそれぞれ説明する。
(a)総軌跡長
図5に示すとおり、ある時間Tのときの重心の位置をPとし、また微小時間経過後の時間をTi+1、そのときの重心の位置をPi+1とすると、瞬時動揺長ΔLは以下の式(a1)によって算出される。それを測定時間にわたって積算することで、式(a2)に示されるように総軌跡長が求められる。なお式(a2)中、nはサンプリング個数を表す(以下の(c1)及び(d1)についても同様である。)。また、図5におけるx方向は、図4における左右方向に一致し、図5におけるy方向は、図4における前後方向に一致する。
(b)外周面積
外周面積は、重心動揺の軌跡の最外部によって囲まれる内側の面積、すなわち包括面積のことである。
(c)前後軌跡長及び(d)左右軌跡長
前後軌跡長は、重心の前後方向、すなわち図5におけるy方向に沿った瞬時移動距離yを、測定時間にわたって積算することによって求められる量である。積算式は以下の(c1)に示すとおりである。一方、左右軌跡長は、重心の左右方向、すなわち図5におけるx方向に沿った瞬時移動距離xを、測定時間にわたって積算することによって求められる量である。積算式は以下の(d1)に示すとおりである。
(e)前後最大振幅及び(f)左右最大振幅
前後最大振幅は、重心動揺の前後方向、すなわち図5におけるy方向に沿った最前部と最後部との間の距離である。一方、左右最大振幅は、重心動揺の左右方向、すなわち図5におけるx方向に沿った最右部と最左部との間の距離である。
以上説明した(a)ないし(f)のパラメータのうちの少なくとも1つを採用し、そのパラメータの値に基づきおむつ2のはき易さの難易を評価する。例えばパラメータとして(a)の総軌跡長を採用する場合、このパラメータの値が短ければ短いほど、そのおむつ2は、はき易いおむつであると評価する。逆にパラメータの値が長ければ長いほど、そのおむつ2は、はき難いおむつであると評価する。
パラメータとして(b)の外周面積を採用する場合には、そのパラメータの値が小さければ小さいほど、そのおむつ2は、はき易いおむつであると評価する。逆にパラメータの値が大きければ大きいほど、そのおむつ2は、はき難いおむつであると評価する。
パラメータとして(c)の前後軌跡長、又は(d)の左右軌跡長を採用する場合には、それらのパラメータの値が短ければ短いほど、そのおむつ2は、はき易いおむつであると評価する。逆にパラメータの値が長ければ長いほど、そのおむつ2は、はき難いおむつであると評価する。
パラメータとして(e)の前後最大振幅、又は(f)の左右最大振幅を採用する場合には、それらのパラメータの値が短ければ短いほど、そのおむつ2は、はき易いおむつであると評価する。逆にパラメータの値が長ければ長いほど、そのおむつ2は、はき難いおむつであると評価する。
本評価方法においては、前記のパラメータ(a)ないし(f)のうちの少なくとも1つを採用し、それを指標としておむつ2のはき易さの難易を評価することができる。あるいは、前記のパラメータ(a)ないし(f)のうちの2つ以上の組み合わせを採用し、その組み合わせを指標としておむつ2のはき易さの難易を評価することができる。組み合わせの例としては、(a)と(b)との組み合わせ、(a)と(d)との組み合わせ、(a)と(f)との組み合わせなどが挙げられる。これらの組み合わせに基づきおむつ2のはき易さの難易を評価する場合には、2つのパラメータの重み付けは1:1でもよく、1:x(xは0超の実数を表す。ただし1を除く。)でもよい。
本評価方法においては、おむつ2のレッグ開口部に脚を通す動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度に加えて、おむつ2を膝又はその近傍まで引き下げた状態で被験者1を座らせて、その座った状態からおむつ2を脱ぐまでの動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度に基づき、おむつ2のはき易さの難易を評価してもよい。すなわち、上述した図3(g)ないし図3(i)に示す一連の動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度を加重して、おむつ2のはき易さの難易を評価してもよい。重心動揺の程度は、先に述べた(a)ないし(f)のパラメータのうちの任意の1つ又は任意の2つ以上の組み合わせに基づいて評価することができる。この場合、おむつ2のレッグ開口部脚を通す動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度と、おむつ2を引き下げた状態から脚を引き抜くまでの動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度とは、1:1の重み付けで評価してもよく、あるいは1:x(xは0超の実数を表す。ただし1を除く。)の重み付けで評価してもよい。
更に本評価方法においては、座ったままの状態でおむつ2のレッグ開口部に脚を通す動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度に加えて、被験者1の各脚をおむつ2の各レッグ開口部に通した姿勢から被験者1を起立させ、おむつ2を引き上げて装着状態とするまでの間、すなわち、おむつ2の引き上げ動作中における被験者1の重心動揺の程度に基づき、おむつ2のはき易さの難易を評価してもよい。すなわち、上述した図3(c)ないし図3(e)に示す一連の動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度を加重して、おむつ2のはき易さの難易を評価してもよい。図3(c)ないし図3(e)に示す一連の動作を行ったときの重心動揺の測定結果の一例を図6に示す。
図6においては、縦軸の座標0の位置が、被験者1の正中線と一致している。また同図においては、重心動揺の軌跡がLで示されている。同図においては、紙面に向かって右半分の領域A1が、第1センサ21からの信号に基づく測定結果であり、左半分の領域A2が第2センサ22からの信号に基づく測定結果である。同図に示す結果から明らかなとおり、図3(c)ないし図3(e)に示す一連の動作を行ったときには、概ね正中線に沿った直線上で重心が移動している。図3(c)ないし図3(e)に示す一連の動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度も、先に述べた(a)ないし(f)のパラメータのうちの任意の1つ又は任意の2つ以上の組み合わせに基づいて評価することができる。また、2つの組み合わせに基づきおむつ2のはき易さの難易を評価する場合には、2つのパラメータの重み付けは1:1でもよく、1:x(xは0超の実数を表す。ただし1を除く。)でもよい。
また更に本評価方法においては、座ったままの状態でおむつ2のレッグ開口部に脚を通す動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度に加えて、おむつ2の引き下げ動作、すなわちおむつ2を装着した状態から起立した状態でこれを膝又はその近傍の位置まで引き下げるまでの動作中における被験者1の重心動揺の程度に基づき、おむつ2のはき易さの難易を評価してもよい。すなわち、上述した図3(e)ないし図3(g)に示す一連の動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度を加重して、おむつ2のはき易さの難易を評価してもよい。図3(e)ないし図3(g)に示す一連の動作を行うときの被験者1の重心動揺の程度も、先に述べた(a)ないし(f)のパラメータのうちの任意の1つ又は任意の2つ以上の組み合わせに基づいて評価することができる。2つの組み合わせに基づきおむつ2のはき易さの難易を評価する場合の重み付けについても同様とすることができる。
本評価方法においては、(i)おむつ2のレッグ開口部に脚を通す動作(脚入れ)を行うときの被験者1の重心動揺の程度と、(ii)おむつ2のレッグ開口部に各脚を通した後の引き上げ動作中(引き上げ)における被験者1の重心動揺の程度と、(iii)おむつ2の引き下げ動作中(引き下げ)における被験者1の重心動揺の程度と、(iv)おむつ2を膝又はその近傍の位置まで引き下げた状態から各脚を抜いておむつ2を脱ぐまでの動作中(脚抜き)における被験者1の重心動揺の程度と、との4つの重心動揺の程度に基づいて、おむつ2のはき易さの難易を評価してもよい。
以上のとおり、本評価方法は、おむつ2に被験者1の脚を通し、おむつ2を引き上げて装着状態を完成させ、次いで装着状態からおむつ2を引き下げ、更におむつ2から脚を抜くまでの一連の着脱動作中における被験者1の重心動揺を連続的に測定することができ、その連続的に測定された重心動揺に基づきおむつ2のはき易さの難易を評価するので、特許文献2に記載されているような従来技術よりも一層実態に即した評価が行える。この点において、従来技術よりも一層精度の高い評価が行える。更に一連の動作を動画撮影しておき、これを重心動揺測定と関連付けることで、各動作、すなわち脚入れ、引き上げ、引き下げ、及び脚抜き毎に前記パラメータ(a)ないし(f)を分解して評価できる。このことによっても、従来技術よりも一層精度の高い評価が行える。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
市販の下着(綿100%スムースズロース(Mサイズ)、製品名シマックス、販売元株式会社しまむら)及び異なるメーカーの市販の2種類のパンツ型使い捨ておむつ(商品A及び商品B)をサンプルとして用いた。60歳台及び70歳台の被験者15人に、図3(a)ないし(i)に示す動作に従い下着及びおむつをはかせ、そのときのはき易さの難易を官能評価させた。被験者はすべて普段おむつを着用していない者を選定した。官能評価は、VAS(visual Analogue Scale)によって行った。VASにおいては、「おむつをはきにくい」と0とし、「おむつをはき易い」を5として、その間を1刻みにして、被験者が感じたおむつのはき易さを数値で選択させた。その結果は図7に示すとおりとなった。
次に、図1に示す測定装置10を用い、前記の官能評価を行ったときの動作と同様の動作を被験者に行わせて重心動揺を測定した。このとき、被験者の一連の着脱動作を動画撮影し、その動画を重心動揺の測定結果と連動させて、被験者の脚入れ、おむつの引き上げ、おむつの引き下げ、及び脚抜き動作それぞれについて重心動揺を切り分けた。そして、各動作について、(a)総軌跡長、(b)外周面積、(c)前後軌跡長及び(d)左右軌跡長との対応関係を求めた。それらの結果を図8ないし図11に示す。また、一連の着脱動作の総軌跡長及び切り分けた被験者の脚入れ動作の総軌跡長のそれぞれと、官能評価との関係を図12(a)及び(b)に示す。
図8ないし図11に示す結果から明らかなとおり、本評価方法によれば、重心動揺の測定結果がおむつのはき易さの難易と相関していることが分かる。
特に、図8に示すとおり、引き上げ動作の方が脚抜き動作や引き下げ動作に比べて軌跡長の差異が大きいことが分かる。また、脚入れ動作は、引き上げ動作に比べて軌跡長の差異が更に大きくなっていることが分かる。このことは、引き上げ動作に比べて脚入れ動作の方が、おむつのはき易さの難易の評価に対して有効であることを意味している。また、脚入れ動作は、他の動作に比べて総軌跡長が長く、被験者がふらつくことが分かる。したがって、脚入れ動作に着目して評価を行うことで、より一層実態に即した評価を行うことができることが分かる。
更に、図12(a)と図12(b)との対比から明らかなように、図12(a)に示すおむつの一連の着脱動作の方が、図12(b)に示す脚入れ動作のみよりも、より一層精度の高い評価を行うことができることが分かる。
1 被験者
2 パンツ型使い捨ておむつ
10 重心動揺測定装置
11 座面
12 椅子
13 回転ハンドル
21 第1センサ
22 第2センサ

Claims (7)

  1. 着用者を座った姿勢にさせ、その姿勢から座ったままの状態でパンツ型使い捨ておむつのレッグ開口部に脚を通す動作を行うときの該着用者の重心動揺を、重心動揺計のセンサを用いて測定し、測定された重心動揺の程度に基づき、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する方法であって、
    前記センサを第1センサ及び第2センサに分割し、座った姿勢における前記着用者の臀部下に前記第1センサを設置し、足底下に前記第2センサを設置し、各センサによって得られる測定結果から、前記動作を行っている間の連続した重心動揺を求め、該連続した重心動揺の程度に基づき、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する方法。
  2. 座ったままの状態で前記パンツ型使い捨ておむつの前記レッグ開口部に脚を通す動作を行うときの前記着用者の重心動揺の程度に加えて、各脚をパンツ型使い捨ておむつの各レッグ開口部に通した姿勢から前記着用者を起立させ、該おむつを引き上げて装着状態とするまでの間の該着用者の重心動揺の程度に基づき、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する請求項1に記載の方法。
  3. 重心動揺における総軌跡長を求め、該総軌跡長に基づき、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 重心動揺における外周面積を求め、該外周面積に基づき、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する請求項1又は2に記載の方法。
  5. 重心動揺における前後軌跡長又は左右軌跡長を求め、該前後軌跡長又は該左右軌跡長に基づき、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する請求項1又は2に記載の方法。
  6. 重心動揺における前後最大振幅又は左右最大振幅を求め、該前後最大振幅又は該左右最大振幅に基づき、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する請求項1又は2に記載の方法。
  7. 重心動揺を測定しているときの前記着用者の動作を動画撮影しておき、撮影された動画を重心動揺の測定結果と連動させ、前記着用者の一連の動作を行うときの重心動揺の測定結果の中から、座ったままの状態で前記パンツ型使い捨ておむつの前記レッグ開口部に脚を通す動作における重心動揺の測定結果を切り分けて、パンツ型使い捨ておむつのはき易さの難易を評価する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
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