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JP6561337B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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JP6561337B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
自動変速機の制御装置として特許文献1の技術が知られている。この公報には、有段式自動変速機において、変速時に摩擦締結要素のピストンストロークを完了させるプリチャージの時間を制御することで、変速ショックを回避するものである。
特開平7−27217号公報
近年、自動変速機の多段化によって、変速要求後に目標変速段が確定されるまでの間に、目標変速段の候補(以下、暫定変速段と記載する。)が多数存在するようになってきた。目標変速段が確定するまでの間、暫定変速段で締結する摩擦締結要素にプリチャージを行う際、特許文献1のようにプリチャージの時間によって制御すると、プリチャージの時間が不定となり、適切なプリチャージが達成できないという問題があった。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、プリチャージの時間を安定させることが可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機の制御装置にあっては、複数の摩擦締結要素の組み合わせにより複数の変速段を達成する自動変速機と、前記摩擦締結要素の締結圧を開弁量に基づいて制御する制御弁と、オイルポンプと前記制御弁との間に設けられ、ライン圧を制御するライン圧制御弁と、前記制御弁及び前記ライン圧制御弁を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、解放状態の前記摩擦締結要素に、前記制御弁を全開にして締結圧を供給するプリチャージ時に、前記ライン圧を前記摩擦締結要素の種類に応じた高さまで上昇させてから、所定時間経過後、前記プリチャージを開始することとした。
よって、ライン圧の高さを摩擦締結要素の種類に応じて高くすることでプリチャージの時間を安定化できる。
実施例1のFR型の前進7速後退1速を達成する自動変速機の構成を表すスケルトン図である。 実施例1のコントロールバルブユニットの油圧回路を表す回路図である。 実施例1の自動変速機での前進7速後退1速の締結作動表を示す図である。 実施例1のプリチャージ制御を表すフローチャートである。 実施例1のプリチャージ制御における第1ディレイ時間マップである。 実施例1の自動変速機においてダウンシフト時におけるプリチャージ制御を表すタイムチャートである。
図1は実施例1のFR型の前進7速後退1速を達成する自動変速機の構成を表すスケルトン図及び自動変速機の制御構成を表す全体システム図である。実施例1の自動変速機ATは、エンジンEgに対し、ロックアップクラッチLUCが装着されたトルクコンバータTCを介して接続されている。エンジンEgから出力された回転は、トルクコンバータTCのポンプインペラ及びオイルポンプOPを回転駆動する。このポンプインペラの回転により攪拌されたオイルはステータを介してタービンランナに伝達され、入力軸Inputを駆動する。
また、エンジンEgの駆動状態を制御するエンジンコントローラ(以下、ECU)10と、自動変速機ATの変速状態等を制御する自動変速機コントローラ(以下、ATCU)20と、ATCU20の出力信号に基づいて各締結要素の油圧制御を実行するコントロールバルブユニットCVUと、電動オイルポンプEOPを駆動するためのポンプ用モータを制御するモータコントローラ(以下、MCU)30と、が設けられている。尚、ECU10とATCU20とMCU30とは、CAN通信線等を介して接続され、相互にセンサ情報や制御情報を通信により共有している。
ECU10には、運転者のアクセルペダル操作量を検出するAPOセンサ1と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ2が接続されている。ECU10は、エンジン回転数やアクセルペダル操作量に基づいて燃料噴射量やスロットル開度を制御し、エンジン出力回転数及びエンジントルクを制御する。
ATCU20には、後述する第1キャリヤPC1の回転数を検出する第1タービン回転数センサ3と、第1リングギヤR1の回転数を検出する第2タービン回転数センサ4と、出力軸Outputの回転数を検出する出力軸回転数センサ5と、運転者のシフトレバー操作状態を検出するインヒビタスイッチ6が接続されており、シフトレバーはP,R,N,Dの他にエンジンブレーキが作用するエンジンブレーキレンジ位置とエンジンブレーキが作用しない通常前進走行レンジ位置とを備える。
ATCU20内では、入力軸Inputの回転数を演算する回転数算出部と共に、正常時には車速Vspとアクセルペダル開度APOに基づいて、後述する前進7速段の変速マップから最適な指令変速段を選択し、コントロールバルブユニットCVUに指令変速段を達成する制御指令を出力する変速制御部が設けられている。
MCU30には、イグニッションスイッチの作動に伴い電動オイルポンプEPOのポンプ用モータの作動状態を制御するモータ制御部を有する。このモータ制御部は、ATCU20からライン圧上昇要求信号を受信、もしくは他のコントローラ等からアイドルストップ等のエンジン停止信号を受信すると、ポンプ用モータを駆動し、電動オイルポンプEPOからライン圧を供給する。
(自動変速機の構成について)
次に、自動変速機ATの構成について説明する。入力軸Input側から軸方向出力軸Output側に向けて、第1遊星ギヤセットGS1,第2遊星ギヤセットGS2の順に配置されている。また、摩擦締結要素として複数のクラッチC1,C2,C3及びブレーキB1,B2,B3,B4が配置されている。また、複数のワンウェイクラッチF1,F2が配置されている。
第1遊星ギアG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、両ギアS1,R1に噛み合う第1ピニオンP1を支持する第1キャリヤPC1と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。第2遊星ギアG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、両ギアS2,R2に噛み合う第2ピニオンP2を支持する第2キャリヤPC2と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
第3遊星ギアG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、両ギアS3,R3に噛み合う第3ピニオンP3を支持する第3キャリヤPC3と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。第4遊星ギアG4は、第4サンギヤS4と、第4リングギヤR4と、両ギアS4,R4に噛み合う第4ピニオンP4を支持する第4キャリヤPC4と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
入力軸Inputは、第2リングギヤR2に連結され、エンジンEgからの回転駆動力を、トルクコンバータTC等を介して入力する。出力軸Outputは、第3キャリヤPC3に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギヤ等を介して駆動輪に伝達する。第1連結メンバM1は、第1リングギヤR1と第2キャリヤPC2と第4リングギヤR4とを一体的に連結するメンバである。第2連結メンバM2は、第3リングギヤR3と第4キャリヤPC4とを一体的に連結するメンバである。第3連結メンバM3は、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とを一体的に連結するメンバである。
第1遊星ギヤセットGS1は、第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2とを、第1連結メンバM1と第3連結メンバM3により連結して構成し4つの回転要素から構成している。また、第2遊星ギヤセットGS2は、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4とを、第2連結メンバM2により連結し5つの回転要素から構成している。第1遊星ギヤセットGS1は、入力軸Inputから第2リングギヤR2に入力されるトルク入力経路を有する。第1遊星ギヤセットGS1に入力されたトルクは、第1連結メンバM1から第2遊星ギヤセットGS2に出力される。
第2遊星ギヤセットGS2は、入力軸Inputから第2連結メンバM2に入力されるトルク入力経路と、第1連結メンバM1から第4リングギヤR4に入力されるトルク入力経路を有する。第2遊星ギヤセットGS2に入力されたトルクは、第3キャリヤPC3から出力軸Outputに出力される。
尚、H&LRクラッチC3が解放され、第3サンギヤS3よりも第4サンギヤS4の回転数が大きい時は、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4は独立した回転数を発生する。よって、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4が第2連結メンバM2を介して接続された構成となり、それぞれの遊星ギアが独立したギア比を達成する。
インプットクラッチC1は、入力軸Inputと第2連結メンバM2とを選択的に断接するクラッチである。ダイレクトクラッチC2は、第4サンギヤS4と第4キャリヤPC4とを選択的に断接するクラッチである。H&LRクラッチC3は、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4とを選択的に断接するクラッチである。尚、第3サンギヤS3と第4サンギヤの間には、第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。フロントブレーキB1は、第1キャリヤPC1の回転を選択的に停止させるブレーキである。また、第1ワンウェイクラッチF1は、フロントブレーキB1と並列に配置されている。ローブレーキB2は、第3サンギヤS3の回転を選択的に停止させるブレーキである。2346ブレーキB3は、第3連結メンバM3(第1サンギヤS1及び第2サンギヤS2)の回転を選択的に停止させるブレーキである。リバースブレーキB4は、第4キャリヤPC4の回転を選択的に停止させるブレーキである。
(コントロールバルブユニットの構成について)
図2はコントロールバルブユニットCVUの油圧回路を表す回路図である。以下、回路構成について説明する。実施例1の油圧回路には、エンジンにより駆動された油圧源としてのオイルポンプOP及び電動オイルポンプEOPと、運転者のシフトレバー操作と連動して、ライン圧PLを供給する油路を切り換えるマニュアルバルブMVと、ライン圧を所定の一定圧に減圧するパイロットバルブPVが設けられている。オイルポンプOPと電動オイルポンプEOPとの間は油路100で接続されている。油路100上には、電動オイルポンプEOPからオイルポンプOP側への油の流れのみ許容するチェック弁100aを有する。
また、ローブレーキB2の締結圧を調圧する第1調圧弁CV1と、インプットクラッチC1の締結圧を調圧する第2調圧弁CV2と、フロントブレーキB1の締結圧を調圧する第3調圧弁CV3と、H&RLクラッチC3の締結圧を調圧する第4調圧弁CV4と、2346ブレーキB3の締結圧を調圧する第5調圧弁CV5と、ダイレクトクラッチC2の締結圧を調圧する第6調圧弁CV6が設けられている。
また、ローブレーキB2とインプットクラッチC1の供給油路をどちらか一方のみ連通する状態に切り換える第1切換弁SV1と、ダイレクトクラッチC2に対しDレンジ圧とRレンジ圧の供給油路をどちらか一方のみ連通する状態に切り換える第2切換弁SV2と、リバースブレーキB4に対して供給する油圧を第6調圧弁CV6からの供給油圧とRレンジ圧からの供給油圧との間で切り換える第3切換弁SV3と、第6調圧弁CV6から出力された油圧を油路123と油路122との間で切り換える第4切換弁SV4が設けられている。
また、ATCU20からの制御信号に基づいて、第1調圧弁CV1に対し調圧信号を出力する第1ソレノイドバルブSOL1と、第2調圧弁CV2に対し調圧信号を出力する第2ソレノイドバルブSOL2と、第3調圧弁CV3に対し調圧信号を出力する第3ソレノイドバルブSOL3と、第4調圧弁CV4に対し調圧信号を出力する第4ソレノイドバルブSOL4と、第5調圧弁CV5に対し調圧信号を出力する第5ソレノイドバルブSOL5と、第6調圧弁CV6に対し調圧信号を出力する第6ソレノイドバルブSOL6と、第1切換弁SV1及び第3切換弁SV3に対し切り換え信号を出力する第7ソレノイドバルブSOL7が設けられている。
上記各ソレノイドバルブSOL2,SOL5,SOL6は三つのポートを有する三方比例電磁弁であり、第1のポートは後述するパイロット圧が導入され、第2のポートはドレーン油路に接続され、第3のポートはそれぞれ調圧弁もしくは切換弁の受圧部に接続されている。また、上記各ソレノイドバルブSOL1,SOL3,SOL4は2つのポートを有する二方比例電磁弁、ソレノイドバルブSOL7は三つのポートを備える三方オンオフ電磁弁である。
また、第1ソレノイドバルブSOL1と第3ソレノイドバルブSOL3と第7ソレノイドバルブSOL7はノーマルクローズタイプ(非通電時に閉じた状態)とされている。一方、第2ソレノイドバルブSOL2と第4ソレノイドバルブSOL4と第5ソレノイドバルブSOL5と第6ソレノイドバルブSOL6はノーマルオープンタイプ(非通電時に開いた状態)とされている。
(油路構成について)
エンジンにより駆動されるオイルポンプOPの吐出圧は、プレッシャレギュレータバルブPRVをライン圧ソレノイドSOL8により調圧することでライン圧に調圧し、その後、油路101及び油路102に供給される。油路101には、運転者のシフトレバー操作に連動して作動するマニュアルバルブMVと接続された油路101aと、フロントブレーキB1の締結圧の元圧を供給する油路101bと、H&LRクラッチC3の締結圧の元圧を供給する油路101cが接続されている。
マニュアルバルブMVには、油路105と、後退走行時に選択されるRレンジ圧を供給する油路106が接続され、シフトレバー操作に応じて油路105と油路106を切り換える。
油路105には、ローブレーキB2の締結圧の元圧を供給する油路105aと、インプットクラッチC1の締結圧の元圧を供給する油路105bと、2346ブレーキB3の締結圧の元圧を供給する油路105cと、ダイレクトクラッチC2の締結圧の元圧を供給する油路105dと、後述する第2切換弁SV2の切り換え圧を供給する油路105eが接続されている。
油路106には、第2切換弁SV2の切り換え圧を供給する油路106aと、ダイレクトクラッチC2の締結圧の元圧を供給する油路106bと、リバースブレーキB4の締結圧を供給する油路106cが接続されている。
油路102にはパイロットバルブPVを介してパイロット圧を供給する油路103が接続されている。油路103には、第1ソレノイドバルブSOL1にパイロット圧を供給する油路103aと、第2ソレノイドバルブSOL2にパイロット圧を供給する油路103bと、第3ソレノイドバルブSOL3にパイロット圧を供給する油路103cと、第4ソレノイドバルブSOL4にパイロット圧を供給する油路103dと、第5ソレノイドバルブSOL5にパイロット圧を供給する油路103eと、第6ソレノイドバルブSOL6にパイロット圧を供給する油路103fと、第7ソレノイドバルブSOL7にパイロット圧を供給する油路103gとが設けられている。
第1調圧弁CV1には、油路105aが接続される第1ポートと、ドレーン回路に接続された第2ポートと、第1切換弁SV1と接続される油路115aが接続される第3ポートと、第1ソレノイドバルブSOL1の信号圧が供給される第4ポートと、この信号圧の対向圧として油路115aからフィードバックされた油路が接続された第5ポートと、第4ポートに供給される油圧に対向して作用するスプリングが設けられている。図2中、第1切換弁SV1が上方に移動すると油路105aと油路115aが連通され、一方、下方に移動すると油路115aとドレーンとが連通される。同様に、第2調圧弁CV2〜第6調圧弁CV6には、第1ポート〜第5ポート及びスプリングと同じ構成が設けられているため説明を省略する。
第1切換弁SV1には、油路115aと接続された第1ポートと、ドレーン回路に接続された第2ポートと、油路115bに接続された第3ポートと、ドレーン回路に接続された第4ポートと、ローブレーキB2へ油圧を供給する油路150aと接続された第5ポートと、インプットクラッチC1へ油圧を供給する油路150bと接続された第6ポートと、第7ソレノイドバルブSOL7の信号圧を供給する油路140bと接続された第7ポートと、第7ポートに供給される油圧に対向して作用するスプリングが設けられている。図2中、第1切換弁SV1が左方に移動すると油路115aと油路150aが連通されると共に油路150bとドレーンとが連通される。一方、右方に移動すると油路150aとドレーンが連通されると共に油路115bと油路150bとが連通される。
第2切換弁SV2には、Dレンジ圧を供給する油路105dと接続された第1ポートと、Rレンジ圧を供給する油路106dと接続された第2ポートと、第6調圧弁CV6へ油圧を供給する油路120と接続された第3ポートと、Dレンジ圧を供給する油路105eと接続された第4ポートと、第4ポートの対向圧としてRレンジ圧を供給する油路106aと接続された第5ポートと、第4ポートに供給される油圧に対向して作用するスプリングが設けられている。図2中、第2切換弁SV2が右方に移動すると油路106bと油路120が連通され、一方、左方に移動すると油路105dと油路120が連通される。
第3切換弁SV3には、第4切換弁SV4からの油圧を供給する油路122と接続された第1ポートと、Rレンジ圧を供給する油路106cと接続された第2ポートと、リバースブレーキB4に油圧を供給する油路130と接続された第3ポートと、第7ソレノイドバルブSOL7の信号圧を供給する油路140aと接続された第4ポートと、第4ポートd4に供給される油圧に対向して作用するスプリングが設けられている。図2中、第3切換弁SV3が右方に移動すると油路106cと油路130が連通され、一方、左方に移動すると油路122と油路130とが連通される。
第4切換弁SV4には、第6調圧弁CV6からの油圧を供給する油路121と接続された第1ポートと、ドレーン回路に接続された第2ポート及び第3ポートと、Rレンジ圧が供給される第4ポートと、Dレンジ圧が供給される第5ポートと、第4ポートに対向して作用するスプリングと、油路122と接続された第7ポートと、油路123と接続された第8ポートが設けられている。図2中、第4切換弁SV4が右方に移動すると油路121と油路123が連通されると共に油路122とドレーン回路が連通され、一方、左方に移動すると油路121と油路122が連通されると共に油路123とドレーン回路が連通される。
次に、作用を説明する。
[変速作用]
図3は実施例1の自動変速機用歯車変速装置での前進7速後退1速の締結作動表を示す図である。各クラッチC1,C2,C3及び各ブレーキB1,B2,B3,B4には、正常時には図3の締結作動表に示すように、前進7速後退1速の各変速段にて締結圧(○印)や解放圧(無印)が供給される。各ソレノイドは、これら締結状態を達成するように制御される。
(プリチャージ制御について)
プリチャージとは、各調圧弁CV1〜CV6を全開とし、ライン圧PLをそのまま摩擦締結要素に所定時間供給することで、ピストンのロスストローク分を補償する制御である。実施例1の自動変速機ATの場合、例えば、現在の変速段が7速のとき、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、ダウンシフト要求が出力されると共に、目標変速段が確定する前の状態では、6速、5速、4速、3速といった複数の目標変速段が生じる(以下、目標変速段が確定する前に変速の可能性が生じる変速段を暫定変速段と記載する。)。ここで、運転者がアクセルペダルをどの程度踏み込むか、についてはダウンシフト要求が出力された時点では確定できない。そこで、通常は、運転者のアクセルペダル操作が落ち着くと考えられる予め設定された所定時間が経過するまで、もしくは所定時間が経過する前であっても、例えば運転点の変化を表すAPO変化率が所定値以下となるまでは、目標変速段の確定を禁止する。そして、ダウンシフト要求を出力してから所定時間経過後、もしくは所定時間経過前であってAPO変化率が所定値以下となった場合は、目標変速段を確定してダウンシフトを実行する。
このとき、ダウンシフト要求が出力されてから目標変速段が確定するまでの間にプリチャージを行わず、目標変速段が決定されてからプリチャージを開始すると、応答性の悪化を招く。特に、摩擦締結要素のピストンを解放位置から締結位置にストロークさせるプリチャージには時間がかかり、かつ、この期間にトルク伝達を行うことができない。よって、目標変速段が確定する前であっても、暫定変速段で締結される摩擦締結要素に対して事前にプリチャージを行うことで、変速応答性を確保することが考えられる。
しかしながら、ライン圧PLは一般にアクセルペダル開度やエンジントルクに基づいて設定されるため、ライン圧PLが低い状態のとき、プリチャージ時間を長くすと、プリチャージによるピストンのロスストローク分の補償が終了するタイミングにバラつきが生じ、目標変速段が確定した後、変速を実行すると、締結力不足によってエンジン回転数が吹け上がることによる変速ショックの悪化や、ギア比が変化するイナーシャフェーズの進行速度不足による変速応答性の低下を招くというおそれがあった。そこで、実施例1では、ダウンシフト要求が出力されてからプリチャージを行う際、変速種(締結する摩擦締結要素に必要な流量)に応じてライン圧PLを上昇させてからプリチャージを行うこととした。
図4は実施例1のプリチャージ制御を表すフローチャートである。
ステップS1では、変速要求が出力されているか否かを判断し、変速要求があるときはステップS2に進み、それ以外の場合は本制御フローを終了する。
ステップS2では、変速種からプリチャージ時ライン圧PLpreを演算する。具体的には、変速要求後にプリチャージが必要な摩擦締結要素において、ピストン面積にストローク量を掛けた値を、予め設定された目標ストローク時間で除算し、必要流量を演算する。そして、必要流量に基づいてプリチャージ時ライン圧PLpreを演算する。すなわち、摩擦締結要素によってピストン面積やストローク量が変わるため、必要流量も異なるため、変速種に応じてプリチャージ時ライン圧PLpreを演算することで、概ね目標ストローク時間でピストンストロークを得ることができる。尚、複数の摩擦締結要素にプリチャージを行う場合は、各摩擦締結要素の必要流量を合計すればよい。
ステップS3では、プリチャージ時ライン圧PLpreに基づいて第1ディレイ時間T1を算出する。図5は実施例1のプリチャージ制御における第1ディレイ時間マップである。プリチャージライン圧PLpreが大きいほど、実際のライン圧PLの上昇に必要な時間が長くなるため、第1ディレイ時間T1を長くすることで、ライン圧を安定させる。
ステップS4では、電動オイルポンプEOPのON要求の有無を判断し、ON要求が有るときはステップS5に進み、ON要求が無いときはステップS6に進む。すなわち、ATCU20では、エンジン回転数に基づいて現在のオイルポンプOPの吐出流量が演算し、この吐出流量でプリチャージ時ライン圧PLpreを達成できるか否かを判断する。そして、プリチャージ時ライン圧PLpreが達成できないと判断した場合には、ライン圧上昇要求信号をMCU30に出力し、電動オイルポンプEOPを作動させる。これにより、ダウンシフトのようにエンジン回転数が低回転状態であっても必要なプリチャージ時ライン圧PLpreを確保できる。
ステップS5では、第1ディレイ時間T1に電動オイルポンプEOPによる昇圧時間である第2ディレイ時間T2を加算して、最終的なディレイ時間T0を算出する。電動オイルポンプEOPを作動させると、電動オイルポンプEOPの回転数上昇に時間が必要であり、また、電動オイルポンプEOPとライン圧油路との間の油路100内の油の充填時間が必要だからである。一方、電動オイルポンプEOPを作動させていない場合には、ステップS6に進み、ディレイ時間T0として第1ディレイ時間T1を設定する。
ステップS7では、ライン圧PLをPLpreに設定してライン圧上昇制御を行うとともに、ディレイカウンタのカウントアップを開始する。
ステップS8では、ディレイカウンタのカウント値Tがディレイ時間T0以上か否かを判断し、T0以上のときはステップS9に進み、T0未満のときはステップS7に戻ってライン圧上昇制御を継続する。
ステップS9では、プリチャージを開始する。具体的には、変速種に応じた摩擦締結要素の調圧弁を全開とする。
ステップS10では、変速種に応じた摩擦締結要素の調圧弁を全開にし、プリチャージを開始する。
ステップS10では、変速種に応じた摩擦締結要素のピストンストロークが完了したか否かを判断し、完了したときはステップS11に進み、完了していない場合はステップS9に戻ってプリチャージを継続する。尚、ピストンストローク状態は、例えば、摩擦締結要素の締結圧を検出し、締結圧がリターンスプリング反力やフリクションを考慮した油圧よりも高くなった時、もしくはストローク状態を直接検出するセンサ等を用いて検出してもよく、特に限定しない。
ステップS11では、ライン圧PLをプリチャージ時ライン圧PLpreから通常のライン圧PLnorに変更する。
図6は実施例1の自動変速機においてダウンシフト時におけるプリチャージ制御を表すタイムチャートである。
時刻t1において、ダウンシフト要求が判断されると、ライン圧をプリチャージ時ライン圧PLpreに上昇させる。このとき、プリチャージ時ライン圧PLpreを達成するのにオイルポンプOPのみでは対応できないため、電動オイルポンプEOPを作動させる。
時刻t2において、ディレイ時間T0が経過すると、プリチャージを開始し、変速種に応じた摩擦締結要素の制御弁を全開にする。このとき、プリチャージ時ライン圧PLpreは、目標ストローク時間に基づいて算出されているため、安定したプリチャージ時間でピストンストロークを完了できる。
時刻t3において、ピストンストロークが完了すると、制御弁の全開を終了し、徐々に締結圧を上昇させる。そして、時刻t4からイナーシャフェーズが開始し、時刻t5においてダウンシフトが終了する。
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)複数の摩擦締結要素B1,B2,B3,C1,C2,C3の組み合わせにより複数の変速段を達成する自動変速機ATと、摩擦締結要素B1,B2,B3,C1,C2,C3の締結圧を開弁量に基づいて制御する調圧弁CV1,CV2,CV3,CV4,CV5,CV6(制御弁)と、オイルポンプOPと調圧弁CV1,CV2,CV3,CV4,CV5,CV6との間に設けられ、ライン圧PLを制御するプレッシャレギュレータバルブPRV(ライン圧制御弁)と、調圧弁CV1,CV2,CV3,CV4,CV5,CV6及びプレッシャレギュレータバルブPRVを制御するATCU20(コントローラ)と、を備え、ATCU20は、解放状態の摩擦締結要素に、調圧弁を全開にして締結圧を供給するプリチャージ時に、ライン圧を摩擦締結要素の種類に応じた高さまで上昇させることとした。
よって、変速種によらず、プリチャージ時間を安定化できる。
(2)ATCU20は、ライン圧を摩擦締結要素の種類に応じた高さまで上昇させてから、ディレイ時間T0(所定時間)経過後、プリチャージを開始する。
よって、ライン圧の上昇に伴う油圧の変動が安定してからプリチャージを行うことができ、ピストンストロークの完了にかかる時間を安定化できる。
(3)ATCU20は、ライン圧の高さが高いほど、第1ディレイ時間T1(所定時間)を長くする。
よって、ライン圧の高さが高いほど油圧の安定に時間がかかるため、第1ディレイ時間T1を長くすることで、ライン圧を安定化させることができ、プリチャージ時間を安定化できる。
(4)オイルポンプは、エンジンにより駆動するオイルポンプOP(第1のポンプ)と、電動モータにより駆動する電動オイルポンプEOP(第2のポンプ)とを有し、オイルポンプOPに加えて電動オイルポンプEOPを駆動するときは、第1ディレイ時間T1に第2ディレイ時間T2(第2の所定時間)を加算する。
電動オイルポンプEOPを作動させると、電動オイルポンプEOPの回転数上昇に時間が必要であり、また、電動オイルポンプEOPとライン圧油路との間の油路100内の油の充填時間が必要となる。そこで、電動オイルポンプEOPの作動時は第2ディレイ時間T2を加算することで、ライン圧を安定化させたうえでプリチャージを開始するため、プリチャージ時間を安定化できる。また、多段化に伴い、暫定変速段が増えることで複数のプリチャージを実施するような場合でも、プリチャージ時間を安定化できる。
以上、本発明を実施例1に基づいて説明したが、上記実施例に限らず、他の構成であっても構わない。例えば、実施例1では前進7速後退1速の自動変速機について説明したが、更に多段化された自動変速機でもよいし、より少ない前進変速段を備えた自動変速機に適用してもよい。また、実施例1では、第1ディレイ時間T1をある程度確保したが、0としてもよい。また、第2ディレイ時間T2を一定値として設定したが、電動オイルポンプEOPに要求される吐出量に応じて可変としてもよい。
10 エンジンコントローラ
20 自動変速機コントローラ
30 モータコントローラ
OP オイルポンプ
EOP 電動オイルポンプ

Claims (3)

  1. 複数の摩擦締結要素の組み合わせにより複数の変速段を達成する自動変速機と、
    前記摩擦締結要素の締結圧を開弁量に基づいて制御する制御弁と、
    オイルポンプと前記制御弁との間に設けられ、ライン圧を制御するライン圧制御弁と、
    前記制御弁及び前記ライン圧制御弁を制御するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、解放状態の前記摩擦締結要素に前記制御弁を全開にして締結圧を供給するプリチャージ時に、前記ライン圧を前記摩擦締結要素の種類に応じた高さまで上昇させてから、所定時間経過後、前記プリチャージを開始することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記コントローラは、前記ライン圧の高さが高いほど、前記所定時間を長くすることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記オイルポンプは、エンジンにより駆動する第1のポンプと、電動モータにより駆動する第2のポンプとを有し、
    前記第1のポンプに加えて前記第2のポンプを駆動するときは、前記所定時間に第2の所定時間を加算することを特徴とする自動変速機の制御装置。
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