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JP6561572B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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JP6561572B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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この発明は、自動車用変速装置又は航空機用変速装置として、若しくはポンプ等の各種産業用機械の運転速度を調節する為の変速装置等として利用する、トロイダル型無段変速機の改良に関する。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば特許文献1等の刊行物に記載されると共に、一部で実施されている。又、トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを組み合わせて変速比の調整幅を広くする構造も、特許文献2等の刊行物に記載されて従来から知られている。
図8は、これら各特許文献に記載され、従来から知られているトロイダル型無段変速機の従来構造の第1例を示している。この従来構造の第1例の場合、入力回転軸1の軸方向両端寄り部分の周囲に1対の入力側ディスク2a、2bを、それぞれがトロイド曲面である内側面同士を互いに対向させた状態で、ボールスプライン3、3を介して支持し、遠近動可能に、且つ、前記入力回転軸1と同期して回転する様にしている。又、この入力回転軸1の軸方向中間部の周囲に出力筒4を、この入力回転軸1に対する相対回転を可能に支持している。又、この出力筒4の外周面には、軸方向中央部に出力歯車5を固設すると共に、軸方向両端部に1対の出力側ディスク6、6を、スプライン係合により、前記出力筒4と同期した回転を可能に支持している。又、この状態で、それぞれがトロイド曲面である、前記両出力側ディスク6、6の側面を、前記両入力側ディスク2a、2bの内側面に対向させている。
又、前記両入力側ディスク2a、2bと前記両出力側ディスク6、6との間に、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーローラ7、7を挟持している。これら各パワーローラ7、7は、それぞれトラニオン8、8に回転自在に支持されており、前記両入力側ディスク2a、2bの回転に伴って回転しつつ、これら両入力側ディスク2a、2bから前記両出力側ディスク6、6に動力を伝達する。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸9により一方(図8の左方)の入力側ディスク2aを、押圧装置10(図示の構造はローディングカム式の押圧装置)を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸1の軸方向両端部に支持された1対の入力側ディスク2a、2bが、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、前記各パワーローラ7、7を介して前記両出力側ディスク6、6に伝わり、前記出力歯車5から取り出される。
又、前記入力回転軸1の軸方向両端部近傍で前記両入力側ディスク2a、2bを軸方向両側から挟む位置に、それぞれが大きな弾力を有する皿ばね等である予圧ばね11a、11bを設けている。そして、前記押圧装置10の非作動時(駆動軸9の停止時)にも、前記各パワーローラ7、7の周面と、前記入力側、出力側各ディスク2a、2b、6の側面との転がり接触部(トラクション部)の面圧を、必要最低限は確保できる様にしている。従って、これら各転がり接触部は、トロイダル型無段変速機の運転開始直後から、過大な滑りを生じる事なく、動力伝達を開始する。尚、前記必要最低限の面圧を確保する為の弾力は、前記押圧装置10の内径側に配置した予圧ばね11aにより得る。前記入力回転軸1の先端部に螺着したローディングナット12と入力側ディスク2bの外側面との間に配置した予圧ばね11bは、前記押圧装置10の急な作動時に加わる衝撃を緩和するものであって、省略する事もできる。前記予圧ばね11bを設ける場合には、十分に(大きなトルクを伝達する際にも完全に押し潰されない程度に)大きな弾力を持たせる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の場合、前記必要最低限の面圧を確保する為の前記予圧ばね11aの弾力を調整する作業が面倒である。即ち、前記従来構造の第1例の場合、この予圧ばね11aの弾力を、前記入力回転軸1の先端部に螺着したローディングナット12の締め付け量を変更する事により調整する必要があり、面倒である。
これに対し、特許文献3等には、ローディングナットに代えてコッタと呼ばれる係止環を用いた構造が記載されている。図9〜12は、この様な係止環を組み込んだ従来構造の第2例を示している。この従来構造の第2例の場合、1対の入力側ディスク2c、2dのうち、入力回転軸1aの先端側に配置された入力側ディスク2dを、内周面の軸方向中間部乃至外端部(図9〜11の右端部)に亙る範囲に雌スプライン部13を形成し、この雌スプライン部13と、前記入力回転軸1aの先端寄り部分の外周面に形成した雄スプライン部14とを係合している。又、この入力回転軸1aの先端部外周面で、この雄スプライン部14から軸方向に外れた部分に、全周に亙って係止溝15を形成し、この係止溝15に、複数(2〜4個)の部分円弧状の素子から成る係止環16の径方向内半部を係止している。そして、この係止環16の側面(図9〜10の左側面)のうちの径方向外端寄り部分を、入力側ディスク2dの外側面のうちの径方向内端部に当接させる。
又、押圧装置10a(図示の構造は油圧式の押圧装置)の非作動時に、各パワーローラ7、7(図8参照)の周面と入力、出力側各ディスク2c、2d、6aの内側面との転がり接触部の面圧を必要最低限確保する為の、予圧ばね11cの弾力の調整は、前記係止環16として、適正な軸方向の厚さ寸法を有するものを選択する事により図る。又、前記入力回転軸1aの先端部に断面L字形の抑え環17を外嵌し、この抑え環17の内周面を、前記係止環16の外周面に当接又は近接対向させる事により、この係止環16(を構成する各素子)が前記係止溝15から抜け出るのを防止している。この様な抑え環17は、前記入力回転軸1aの先端部に係止した止め輪18により軸方向の変位を阻止する。
以上の様な構成により、前記入力側ディスク2dを前記入力回転軸1aに、この入力回転軸1aと同期した回転を自在に支持している。尚、従来構造の第2例の場合、出力側ディスク6aとして一体型のものを使用する事により、トロイダル型無段変速機全体として小型・軽量化を図っている。但し、この部分の構造及び作用に就いては、本発明の要旨とは関係しない為、詳しい説明は省略する。
上述の様な従来構造の第2例に係るトロイダル型無段変速機の場合、運転時に、前記入力回転軸1aの先端側に配置された入力側ディスク2dは、前記押圧装置10aの発生する推力に基づく前記各パワーローラ7、7から受ける力に基づいて、図13に誇張して示す様に、この入力側ディスク2dの外径寄り部分が前記係止環16側に近付く方向(軸方向)に弾性変形する。即ち、運転時に前記推力に基づき前記入力側ディスク2dに加わる力は、トロイダル型無段変速機の運転時に最大で数十kN〜百数十kN(数tF〜十数tF)程度となり、この様な力に基づく入力側ディスク2dの軸方向に関する弾性変形量は、コンマ数mm(10分の数mm)程度と無視できない量となる。そして、この様に前記入力側ディスク2dが軸方向に弾性変形すると、この入力側ディスク2dの外側面と前記係止環16の側面とが断続的に繰り返し当接する事で互いに擦れ合い、当該部分でフレッチング摩耗が生じる可能性がある。
特に、前記入力側ディスク2dが弾性変形する円周方向位置は、前記各パワーローラ7、7により押し付けられる部分が変化するのに伴って常に変化する。この為、前記擦れ合いの周波数は相当に高く(例えば百数十Hzに)なり、フレッチング摩耗発生の面からはかなり厳しい条件となる。更に、従来構造の第2例の場合には、前記入力側ディスク2dの内周面の軸方向中間部乃至外端部に亙る範囲に雌スプライン部13を設けている為、この入力側ディスク2dが弾性変形するのに伴って、この雌スプライン部13を構成する各雌スプライン溝の軸方向外端縁(図9、10、13の右端縁)と、前記係止環16の側面(図9、10、13の左側面)とが断続的に繰り返し当接して互いに擦れ合い、これら各雌スプライン溝の外端縁が前記係止環16の側面に食い込む傾向となる可能性があり、この面からもフレッチング摩耗が発生し易い厳しい条件となる。この様なフレッチング摩耗は、剥離等の損傷の起点となったり、発生した摩耗粉が潤滑油(トラクションオイル)を汚染し、各部の潤滑状態を不良にする可能性がある。
特開2003−214516号公報 特開2004−169719号公報 特開2000−205361号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、押圧装置の発生する推力に基づいて、外側ディスクと係止部材との間でフレッチング摩耗が発生するのを防止できる構造を、トロイダル型無段変速機の組み立て作業性を確保しつつ、実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、回転軸と、1対の外側ディスクと、内側ディスクと、複数個のパワーローラと、押圧装置と、予圧付与部材と、係止部材とを備える。
このうちの両外側ディスクは、それぞれが断面円弧形である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で前記回転軸の両端部に、この回転軸と同期した回転を自在に、それぞれ支持されている。
又、前記内側ディスクは、前記回転軸の軸方向中間部の周囲に、断面円弧形である軸方向両側面を前記両外側ディスクの軸方向片側面に対向させた状態で、前記回転軸に対する相対回転を自在に支持されたもので、一体又は1対の素子を結合して成る。
又、前記各パワーローラは、前記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記内側ディスクの軸方向両側面と前記両外側ディスクの軸方向片側面とに当接させている。
この為に、軸方向に関して前記内側ディスクの軸方向両側面と前記両外側ディスクの軸方向片側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、前記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられた支持部材(トラニオン)に対し、前記各パワーローラを回転自在に支持する事ができる。
又、前記押圧装置は、前記回転軸と、前記両外側ディスクのうちの一方の外側ディスクとの間に設けられ、この一方の外側ディスクを、これら両外側ディスクのうちの他方の外側ディスクに向け押圧する。この様な押圧装置としては、機械式又は油圧式の構造を採用する事ができる。
又、前記予圧付与部材は、前記回転軸と前記一方の外側ディスクとの間に設けられ、この一方の外側ディスクを前記他方の外側ディスクに向け、軸方向に押圧する。これにより、前記押圧装置が押圧力を発生しない状態でも、前記両外側ディスクを前記内側ディスクに向け押圧し、前記各パワーローラの周面と前記両外側ディスク及び前記内側ディスクの側面との転がり接触部(トラクション部)に面圧を付与する。この様な予圧付与部材としては、例えば皿ばねやコイルばね等のばねやゴム等の弾性部材を利用できる。
又、前記係止部材は、前記回転軸のうち、軸方向に関して前記他方の外側ディスクが配置された側の端部(先端部)に係止され、この他方の外側ディスクが前記一方の外側ディスクから軸方向に離れる方向に変位するのを阻止する。
特に本発明のトロイダル型無段変速機の場合は、前記他方の外側ディスクの内周面の軸方向一部に形成された例えば雌スプライン部や雌セレーション部の内周面側凹凸部と、前記回転軸の外周面の軸方向一部に形成された例えば雄スプライン部や雄セレーション部等の外周面側凹凸部とを、例えば凹凸係合等により相対回転不能に係合させている。
これと共に、前記他方の外側ディスクの内周面のうちで、前記内周面側凹凸部の軸方向他側(係止部材側)に隣接する部分に形成されたディスク側嵌合面部を、前記回転軸の外周面のうちで、軸方向に関して前記外周面側凹凸部と前記係止部材が係止された部分との間部分に形成された軸側嵌合面部に、直接圧入している。
この様な構造により、前記他方の外側ディスクを前記回転軸に対し、この回転軸と同期した回転を自在に(これら他方の外側ディスクと回転軸との間で動力の伝達を可能に)支持している。
更に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、前記ディスク側嵌合面部と前記軸側嵌合面部との間の圧入部に於ける締め代の大きさを、前記予圧付与部材が発揮する弾力に基づき、前記他方の外側ディスクを前記回転軸に対して軸方向に相対変位させられる(回転軸を外側ディスクから軸方向に引き抜く事が可能となる)大きさに規制している。
尚、本発明のトロイダル型無段変速機を実施する場合、前記係止部材としては、例えばコッタと呼ばれる係止環を使用する事ができる。この係止環は、複数(例えば2〜4個)の部分円弧状の素子を組み合わせる事により、全体を円環状に構成したものであって、前記回転軸に形成された係止凹溝に係止される。そして、前記係止環は、その軸方向側面の外径寄り部分(係止凹溝から露出した部分)を、前記他方の外側ディスクの軸方向他側面に当接させる(突き当てる)事により、この他方の外側ディスクが前記一方の外側ディスクから離れる方向に変位するのを阻止する。
又は、前記係止部材として、ローディングナットを使用する事もできる。このローディングナットは、前記回転軸の端部に形成された雄ねじ部に螺合して更に緊締される。そして、このローディングナットは、その先端部を直接又は他の部材(予圧ばね等)を介し、前記他方の外側ディスクの軸方向他側面に当接させる(突き当てる)事により、この他方の外側ディスクが前記一方の外側ディスクから離れる方向に変位するのを阻止する。
上述の様に構成する、本発明のトロイダル型無段変速機によれば、押圧装置の発生する推力に基づいて、外側ディスク(他方の外側ディスク)と係止部材との間でフレッチング摩耗が発生するのを防止できる構造を、トロイダル型無段変速機の組み立て作業性を確保しつつ実現できる。
即ち、本発明の場合には、前記外側ディスクの内周面のうちで、回転軸の外周面に相対回転不能に係合させた内周面側凹凸部の軸方向他側(係止部材側)に隣接する部分に形成されたディスク側嵌合面部を、この回転軸の外周面のうちで、軸方向に関して前記内周面側凹凸部に相対回転不能に係合させた外周面側凹凸部と前記係止部材が係止された部分との間部分に形成された軸側嵌合面部に、直接圧入している。
この為、前記外側ディスクのうち、軸方向他端部(係止部材側の端部)の前記回転軸に対する支持剛性を高くできる。又、この外側ディスクの内周面のうち、軸方向他端部の縮径方向の剛性を高くできる。従って、前記押圧装置の発生する推力に基づいて、前記外側ディスクの内周面のうち、軸方向他端部が縮径する方向に弾性変形する傾向となるのを抑えられ、延いては、前記外側ディスクの外径寄り部分が軸方向に弾性変形するのを抑えられる(この外側ディスクの軸方向への弾性変形量を小さくできる)。この結果、この外側ディスクの他側面と前記係止部材の側面とが互いに擦れ合って、これら両側面に著しいフレッチング摩耗が発生するのを防止できる。
又、本発明の場合には、前記外側ディスクの内周面の軸方向一部に形成された、前記外周面側凹凸部と相対回転不能に係合する内周面側凹凸部の端縁と、前記係止部材の側面とを軸方向に関して互いに離隔させられる。従って、仮に前記押圧装置の発生する推力に基づいて、前記外側ディスクが軸方向に弾性変形した場合であっても、前記端縁が前記係止部材の側面に食い込む傾向となる事はない。この面からも、前記外側ディスクとこの係止部材との間でフレッチング摩耗が発生する事を防止できる。
更に、本発明の場合には、前記ディスク側嵌合面部と前記軸側嵌合面部との間の圧入部に於ける締め代の大きさを、前記予圧付与部材が発揮する弾力に基づき、前記外側ディスクを前記回転軸に対して軸方向に相対変位させられる(入力回転軸を入力側ディスクから引き抜ける)大きさに規制している。この為、トロイダル型無段変速機の組み立て作業時に、前記外側ディスクの組み付け位置を厳密に管理しなくても、前記予圧付与部材の発揮する弾力に基づき、前記外側ディスクを前記係止部材に向けて押し付けて、前記外側ディスクの位置決めを図る事ができる。従って、本発明によれば、トロイダル型無段変速機の組み立て作業性を良好にできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、トロイダル型無段変速機の断面図。 同じく図1の左側から見た状態を示す端面図。 同じく図1の左部拡大図。 同じく図1のX部拡大図。 同じく先端側の入力側ディスクと入力回転軸との係合部のうち、軸方向内端部の状態を示す断面図(A)と、軸方向中間部の状態を示す断面図(B)と、軸方向外端部の状態を示す断面図(C)。 締め代の大きさが本発明の範囲から外れた場合に生じる問題点を説明する為に示す、図4に相当する断面図。 本発明に関する参考例を示す、図4に相当する図。 従来構造のトロイダル型無段変速機の第1例を示す断面図。 同第2例を示す断面図。 同じく図9の右上半部拡大図(A)と、(A)のY部拡大図(B)。 先端側の入力側ディスクを取り出して示す斜視図。 この先端側の入力側ディスクと入力回転軸との係合部の状態を示す断面図。 この先端側の入力側ディスクの弾性変形を誇張して示す模式図。
図1〜5は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のトロイダル型無段変速機は、特許請求の範囲に記載した回転軸に相当する入力回転軸1bの軸方向両端寄り部分の周囲に、特許請求の範囲に記載した1対の外側ディスクに相当する1対の入力側ディスク2e、2fを、それぞれがトロイド曲面である内側面同士を互いに対向させた状態で支持し、前記入力回転軸1bと同期して回転する様にしている。又、この入力回転軸1bの軸方向中間部の周囲に、特許請求の範囲に記載した内側ディスクに相当する出力側ディスク6bを、この入力回転軸1bに対する相対回転を可能に支持している。又、この状態で、それぞれがトロイド曲面である、前記出力側ディスク6bの両側面を、前記両入力側ディスク2e、2fの内側面に対向させている。尚、図示の構造の場合には、これら両入力側ディスク2e、2fのうち、前記入力回転軸1bの基端側に設けられた入力側ディスク2eのみを、ボールスプライン3を介してこの入力回転軸1bに支持し、前記両入力側ディスク2e、2f同士の遠近動を可能にしている。又、本明細書中、入力側ディスクの内側面が、特許請求の範囲に記載した外側ディスクの軸方向片側面に相当する。
又、前記両入力側ディスク2e、2fと前記出力側ディスク6bとの間に、それぞれの周面を球状凸面とした複数個のパワーローラ7、7(図8参照)を挟持している。これら各パワーローラ7、7は、それぞれトラニオン8、8(図8参照)に回転自在に支持されており、前記両入力側ディスク2e、2fの回転に伴って回転しつつ、これら両入力側ディスク2e、2fから前記出力側ディスク6bに動力を伝達する。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時には、駆動軸により、特許請求の範囲に記載した一方の外側ディスクに相当する入力側ディスク2eを、押圧装置10b(図示の構造は油圧式の押圧装置)を介して回転駆動する。この結果、前記入力回転軸1bの軸方向両端部に支持された1対の入力側ディスク2e、2fが、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、前記各パワーローラ7、7を介して前記出力側ディスク6bに伝わり、外周面に形成された出力歯車から取り出される。尚、前記各トラニオン8、8は、軸方向に関して前記両入力側ディスク2e、2fの内側面と前記出力側ディスク6bの両側面との間位置にそれぞれ複数個ずつ、前記入力回転軸1bに対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられており、前記各パワーローラ7、7は、この様なトラニオン8、8に対し回転自在に支持されている。
前記押圧装置10bは、図3に示す様に、1対のピストンを力の伝達方向に関して互いに並列に配置した、所謂ダブルピストン型と呼ばれる構造を有する。前記押圧装置10bは、第一シリンダハウジング19と、第一ピストン20と、第一油圧室21と、第一圧油給排路22と、第二シリンダハウジング23と、第二ピストン24と、第二油圧室25と、第二圧油給排路26とを備える。
このうちの第一シリンダハウジング19は、全体をシャーレ状に構成しており、前記入力回転軸1bの基端部に、油密を確保できる様に、締り嵌めで外嵌している。又、前記第一シリンダハウジング19の内径寄り部分を、前記入力回転軸1bの基端部外周面に形成された鍔部に突き当てる事で、前記第一シリンダハウジング19が前記入力側ディスク2eから遠ざかる方向に変位しない様にしている。同時に、前記第一油圧室21内への圧油送り込みに伴って前記第一シリンダハウジング19に、図1、3の左向きに加わるスラスト力を、前記入力回転軸1bに伝達自在としている。
又、前記第一ピストン20は、全体を円輪状に構成しており、前記第一シリンダハウジング19の内周面と、前記入力回転軸1bの基端寄り部分の外周面との間に、油密に、且つ、軸方向(図1、3の左右方向)の変位を可能に、嵌装している。前記第一油圧室21は、この様に組み合わされた前記第一シリンダハウジング19と前記第一ピストン20との間に設けられている。そして、前記入力回転軸1bの基端寄り部分で前記第一油圧室21の内径側に対向する部分に設けた、前記第一圧油給排路22により、この第一油圧室21内に圧油を給排自在としている。
又、前記第二シリンダハウジング23は、円筒状で、前記入力側ディスク2eの外周縁部に、この入力側ディスク2eの外側面側(図1、3の左側)に突出する状態で設けられている。図示の例では、前記第二シリンダハウジング23を前記入力側ディスク2eの外側面の外周縁部に、この入力側ディスク2eと一体に形成している。前記第二ピストン24は、断面L字形で全体を円輪状に形成されており、前記入力回転軸1aの基端寄り部分に油密に外嵌した状態で、前記第二シリンダハウジング23の内径側に油密に、且つ、この第二シリンダハウジング23に対する軸方向の変位を可能に嵌装している。
又、前記第二油圧室25は、前記第二シリンダハウジング23の内径側で、前記入力側ディスク2eの外側面と前記第二ピストン24との間に設けられている。そして、前記入力回転軸1bの基端寄り部分で前記第二油圧室25の内径側に対向する部分に設けた、前記第二圧油給排路26により、この第二油圧室25内に圧油を給排自在としている。
尚、前記第二圧油給排路26と前記第一圧油給排路22とは、前記入力回転軸1bの中心孔27と図示しない油圧制御弁とを介して、給油ポンプ(図示省略)の吐出口に通じている。前記トロイダル型無段変速機の運転時には、油圧制御弁の切換に基づいて、前記第一油圧室21と前記第二油圧室25とに、所定圧の圧油を送り込む。そして、これら両油圧室21、25内に、これら両油圧室21、25の軸方向寸法が増大する方向の力を惹起させる。これら両油圧室21、25部分で発生した力は、何れも、前記入力側ディスク2eを前記出力側ディスク6bに向け押圧すると共に、前記入力回転軸1bを基端側(図1、3の左側)に引っ張り、他方の入力側ディスク2fを前記出力側ディスク6bに押圧する方向の力として加わる。
又、本例の場合、前記第一油圧室21内に、前記第一シリンダハウジング19と前記第一ピストン20とに互いに離れる方向の弾性力を付与する、特許請求の範囲に記載した予圧付与部材に相当する、予圧ばね(皿ばね)11dを設けている。これにより、前記各油圧室21、25内に油圧が導入されていない、前記押圧装置10bの非作動時(駆動軸の停止時)の状態でも、前記各パワーローラ7、7の周面と、前記入力側、出力側各ディスク2e、2f、6bの側面との転がり接触部(各トラクション部)に動力伝達の為に必要な最低限以上の押し付け力(面圧)を付与すると共に、同じく圧油が供給されない状態で構成部材同士ががたつくのを防止している。具体的には、前記予圧ばね11dが発揮する弾力により、前記入力側ディスク2eを前記出力側ディスク6bに向け押圧すると共に、前記入力回転軸1bを基端側(図1、3の左側)に引っ張り、他方の入力側ディスク2fを前記出力側ディスク6bに押圧している。従って、本例の場合、前記各転がり接触部は、トロイダル型無段変速機の運転開始直後から、過大な滑りを生じる事なく、動力伝達を開始する。
又、本例の場合、図4、5に示す様に、特許請求の範囲に記載した他方の外側ディスクに相当する前記入力側ディスク2fを、前記入力回転軸1bの先端部に対して、次の様な構成により支持している。
即ち、前記入力側ディスク2fの中心部に、この入力側ディスク2fを軸方向に貫通する状態で中心孔28を形成している。そして、この中心孔28の内周面のうちの軸方向中間部にのみ、雌スプライン部13aを形成している。又、この中心孔28の内周面のうち、この雌スプライン部13aの軸方向内側(図4の左側)に隣接した部分には、ディスク側円筒面部29を形成しており、この雌スプライン部13aの軸方向外側(図4の右側)に隣接した部分には、ディスク側嵌合面部30を形成している。
前記ディスク側円筒面部29は、前記入力側ディスク2fの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が、この入力側ディスク2fの中心軸を中心とする正円形である。又、ディスク側円筒面部29の内径d29は、軸方向に亙り一定であり、前記雌スプライン部13aの歯底円直径(最大内径)dmaxよりも大きい(d29>dmax)。これに対し、前記ディスク側嵌合面部30は、前記入力側ディスク2fの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が、この入力側ディスク2fの中心軸を中心とする正円形である。又、前記ディスク側嵌合面部30の内径d30は、軸方向に亙り一定であり、前記雌スプライン部13aの歯先円直径(最小内径)dminよりも小さい(d30<dmin)。
一方、前記入力回転軸1bの外周面のうちの先端寄り部分(図1、4の右端寄り部分)に、前記雌スプライン部13aとスプライン係合する雄スプライン部14aを形成している。そして、前記入力回転軸1bの外周面のうち、この雄スプライン部14aよりも先端側に隣接する部分に、この入力回転軸1bの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が、この入力回転軸1bの中心軸を中心とする正円形である、軸側嵌合面部31を形成している。この軸側嵌合面部31の外径D31は、軸方向に亙り一定であり、前記雄スプライン部14aの歯底円直径(最小外径)Dminよりも小さい(D31<Dmin)。又、前記軸側嵌合面部31の自由状態(入力側ディスク2fを入力回転軸1bに圧入する以前の状態)での外径は、前記ディスク側嵌合面部30の自由状態での内径よりも僅かに大きく設定している。
より具体的には、前記ディスク側嵌合面部30の内径と前記軸側嵌合面部31の外径との差に相当する、これらディスク側嵌合面部30と軸側嵌合面部31との間の圧入部に於ける締め代の大きさ(|D31−d30|)を、前記予圧ばね11dが発揮する弾力に基づき、前記入力側ディスク2fを前記入力回転軸1bに対して軸方向に相対変位させられる(入力回転軸1bを入力側ディスク2fから軸方向に引き抜く事が可能な)大きさに規制している。別な言い方をすれば、前記予圧ばね11dが発揮する弾力の大きさを、前記入力回転軸1bを前記入力側ディスク2fから基端側に引き抜く(図1、3、4の左側に移動させる)のに必要となる荷重であり、前記締め代の影響を受ける、引き抜き力よりも大きく設定している(弾力>引き抜き力)。
更に、前記入力回転軸1bの外周面のうちで、前記軸側嵌合面部31よりも先端側に隣接する部分には、係止溝15aを全周に亙り形成している。そして、この係止溝15aに、特許請求の範囲に記載した係止部材に相当する、複数(2〜4個)の部分円弧状の素子から成る係止環(コッタ)16aの内径側半部を係止している。そして、この係止環16aの側面(図1〜4の左側面)のうちの径方向外端寄り部分を、前記入力側ディスク2fの外側面のうちの径方向内端部に当接させている。
前記入力側ディスク2fを前記入力回転軸1bの先端部に組み付けるには、前記予圧ばね11dを弾性的に縮めつつ(圧縮しつつ)、この入力回転軸1bの先端部を前記入力側ディスク2fの中心孔28内に、この入力側ディスク2fの軸方向内側から挿通する。そして、前記雄スプライン部14aを前記雌スプライン部13aにスプライン係合させると共に、前記軸側嵌合面部31を前記ディスク側嵌合面部30に圧入する(締り嵌めで内嵌する)。そして、この状態で、前記係止溝15aに前記係止環16aを係止し、この係止環16aの側面を前記入力側ディスク2fの外側面に当接させる(突き当てる)。又、この状態で、前記入力回転軸1bの先端部に断面L字形の抑え環17aを外嵌し、この抑え環17aの内周面を、前記係止環16aの外周面に当接又は近接対向させると共に、前記入力回転軸1bの先端部に止め輪18aを係止する。これにより、前記係止環16a(を構成する各素子)が前記係止溝15aから抜け出るのを防止する。
以上の様な構成により、前記入力側ディスク2fが前記入力回転軸1bの先端側に変位するのを阻止すると共に、この入力側ディスク2fをこの入力回転軸1bに対し、この入力回転軸1bと同期した回転を自在に(入力側ディスク2fと入力回転軸1bとの間で動力の伝達を可能に)支持する。尚、本例の場合、この入力回転軸1bの外周面のうちで前記雄スプライン部14aよりも基端側に隣接する部分と、前記ディスク側円筒面部29とは、隙間嵌としている。
上述の様に構成する本例のトロイダル型無段変速機の場合、前記押圧装置10bの発生する推力に基づいて、前記入力側ディスク2fと前記係止環16aとの間でフレッチング摩耗が発生するのを防止できると共に、組み立て作業性を良好に確保できる。
即ち、前述した従来構造の第2例の場合には、前記入力側ディスク2dの内周面の軸方向中間部乃至外端部に亙る範囲に雌スプライン部13を設け、この雌スプライン部13と、入力回転軸1aの先端寄り部分の外周面に形成した雄スプライン部14とを係合させている。この為、押圧装置10の発生する推力に基づいて、前記入力側ディスク2dの外径寄り部分が軸方向外側(図13の右側)に弾性変形すると、前記雌スプライン部13の軸方向外端寄り部分が、入力回転軸1aの外周面に押し付けられて、その内径を縮める(縮径する)方向に弾性変形し易くなる。
これに対し、本例の場合には、前記入力側ディスク2fの中心孔28の内周面と入力回転軸1bの外周面との間部分のうちで、この入力側ディスク2fの外側面と前記係止環16aの側面との当接部の軸方向内側(図4の左側)に隣接する部分は、何れも断面形状が正円形であり、締り嵌めにより嵌合された、ディスク側嵌合面部30と軸側嵌合面部31とを設けている。従って、前記入力側ディスク2fのうち、軸方向外端部の前記入力回転軸1bに対する支持剛性を、前記従来構造の第2例の場合と比較して高くできる。又、前記入力側ディスク2fの中心孔28の内周面のうち、軸方向外端部の縮径方向の剛性を高くでき、前記押圧装置10bの発生する推力に基づいて、前記入力側ディスク2fが、前記中心孔28の軸方向外端寄り部分を縮径する方向に弾性変形する傾向となるのを抑え、延いては、前記入力側ディスク2fの外径寄り部分が軸方向外側に弾性変形するのを抑えられる(入力側ディスク2fの外径寄り部分の軸方向への弾性変形量を小さくできる)。この為、この入力側ディスク2fの外側面と前記係止環16aの側面とが互いに擦れ合って、これら両側面に著しいフレッチング摩耗が発生するのを防止できる。
更に、本例の構造の場合には、前記中心孔28の内周面の軸方向中間部に形成された雌スプライン部13aを構成する各雌スプライン溝の軸方向外端縁と、前記係止環16aの側面とが軸方向に関して互いに離隔している。この為、仮に前記押圧装置10bの発生する推力に基づいて、前記入力側ディスク2fの外径寄り部分が軸方向外側に向け弾性変形した場合であっても、前記雌スプライン部13aを構成する各雌スプライン溝の軸方向外端縁が前記係止環16aの側面に食い込む傾向となる事はない。この面からも前記入力側ディスク2fと係止環16aとの間でフレッチング摩耗が発生する事を防止できる。
更に、本例の場合には、前記入力側ディスク2fの内周面に形成したディスク側嵌合面部30と、前記入力回転軸1bの外周面に形成した前記軸側嵌合面部31との間の圧入部に於ける締め代の大きさを、前記予圧ばね11dが発揮する弾力に基づき、前記入力側ディスク2fを前記入力回転軸1bに対して軸方向に相対変位させられる(入力回転軸1bを入力側ディスク2fから引き抜ける)大きさに規制している。この為、トロイダル型無段変速機の組み立て作業時に、前記入力側ディスク2fの組み付け位置を厳密に管理しなくても、前記予圧ばね11dの発揮する弾力に基づき、前記入力側ディスク2fを前記係止環16bに対し押し付けて(入力回転軸1bを入力側ディスク2fから引き抜く方向に移動させて)、この入力側ディスク2fの位置決めを図る事ができる。従って、本例の構造によれば、トロイダル型無段変速機の組み立て作業性を良好にできる。
尚、比較例として、締め代の大きさを、予圧ばねが発揮する弾力に拘らず、入力側ディスクが入力回転軸に対して軸方向に相対変位できない程大きな値に設定した場合に就いて、図6を参照しつつ説明する。比較例の場合、予圧ばねが発揮する弾力によっては、入力側ディスク2fを係止環16aに押し付ける(入力回転軸1bを入力側ディスク2fから引き抜く)事ができない。この為、組み立て作業時に、この入力側ディスク2fを正規の組み付け位置(係止環16aに突き当たる位置)よりも軸方向片側(図6の左側)に誤って移動させてしまうと、前記入力側ディスク2fに反対側から外力を加えて、前記入力回転軸1bから引き抜き、再度圧入作業をやり直す必要がある。この為、トロイダル型無段変速機の組み立て作業性が悪くなる。又、前記入力側ディスク2fが、正規の組み付け位置よりも軸方向片側に組み付けられている事に気付かずに、トロイダル型無段変速機の運転を開始させてしまうと、前記入力側ディスク2fに大きな軸力がかかるまでは、この入力側ディスク2fを軸方向に移動させる(正規の組み付け位置に移動させる)事ができない。この為、パワーローラの周面と入力側、出力側各ディスクの側面との転がり接触部に作用する面圧が過大になると共に、予圧ばねを過剰に弾性変形させてしまうと言った問題を生じる可能性がある。
これに対し、本例の構造によれば、前記予圧ばね11dの弾力に基づき、前記入力側ディスク2fを前記入力回転軸1bに対し軸方向に相対変位させられる為、この様な問題を生じずに済む。
又、本例の場合、前記入力回転軸1bの先端部を前記入力側ディスク2fの中心孔28に挿通する際に、この入力回転軸1bの挿通方向前側となるこの中心孔28の軸方向内端部に、前記雌スプライン部13aの歯底円直径dmaxよりも大きな内径を有するディスク側円筒面部29を設けている。この為、組み付け作業の初期段階で、このディスク側円筒面部29に、前記軸側嵌合面部31乃至前記雄スプライン部14aを隙間嵌で内嵌する事により、前記入力側ディスク2fと前記入力回転軸1bとの心合わせを行える。この為、この面からも前記トロイダル型無段変速機の組み立て作業を容易化できる。
尚、本例の場合、前記入力側ディスク2fの中心孔28の内周面のうちで軸方向内端部に形成された前記ディスク側円筒面部29は、前記入力回転軸1bの外周面のうち、前記雄スプライン部14aよりも基端側に隣接する部分に、隙間嵌めで外嵌している。但し、当該部分に、前記入力回転軸1bの中心軸を中心とする正円形で、軸方向に関して外径が変化しない軸側円筒面部を形成し、この軸側円筒面部の自由状態での外径を、前記ディスク側円筒面部29の自由状態での内径よりも僅かに大きくして、このディスク側円筒面部29を前記軸側円筒面部に圧入(締り嵌めで外嵌)する様に構成しても良い。これらディスク側、軸側両円筒面部29同士を締り嵌めで嵌合すれば、前記入力側ディスク2fと前記入力回転軸1bとの同心性を向上でき(中心軸同士の偏心量及び傾斜角度を低減でき)、前記トロイダル型無段変速機の各種性能をより一層向上できる(例えば前記入力側ディスク2fの振れ回り運動を低減して、振動の低減及び変速比制御の精度向上を図れる)。尚、この様な構成を採用した場合には、前記ディスク側円筒面部29と前記軸側円筒面部との間の圧入部、及び、前記ディスク側嵌合面部30と前記軸側嵌合面部31との圧入部でそれぞれ生じる引き抜き力の合計よりも、前記予圧ばね11dが発揮する弾力が大きくなる様に、前記各圧入部に於ける締め代の大きさを設定する。
参考例
図7は、本発明に関する参考例を示している。本参考例の場合には、入力側ディスク2gと入力回転軸1cとを、円環状の中間部材32を介して間接的に圧入している。より具体的には、この中間部材32を、前記入力回転軸1cの先端寄り部分に形成された軸側嵌合面部31aに対し圧入している。又、前記中間部材32の外周面に対し、前記入力側ディスク2gの内周面の軸方向他端部(図6の右端部)に形成されたディスク側嵌合面部30aを圧入している。本参考例の場合、前記入力側ディスク2gの内周面の軸方向外端部に、雌スプライン部13aの歯底円直径よりも内径寸法が大きくなった環状凹部33を全周に亙り形成しており、この環状凹部33の底面を、前記ディスク側嵌合面部30aとしている。又、この環状凹部33の側面を前記中間部材32の側面に当接させている。
以上の様な構成を有する本参考例の場合、前記中間部材32の側面と前記環状凹部33の側面との当接に基づき、この中間部材32は、前記入力側ディスク2gに対して、前記入力回転軸1cの基端側に相対変位する事が阻止される。この為、本参考例の場合には、前記ディスク側嵌合面部30aと前記中間部材32の外周面との間の締め代を小さく設定し、前記入力側ディスク2gをこの中間部材32に軽圧入している。これに対し、この中間部材32の内周面と前記軸側嵌合面部31aとの間の締め代は、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、予圧ばね11d(図1、3参照)が発揮する弾力に基づき、前記中間部材32(入力側ディスク2g)を前記入力回転軸1cに対して軸方向に相対変位させられる大きさの範囲で規制している。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
上述した実施の形態及び参考例の各例では、入力側ディスクが軸方向外側に向け変位するのを阻止する為の係止部材として、コッタと呼ばれる係止環を使用した場合に就いて説明したが、本発明のトロイダル型無段変速機を構成する係止部材としては、前述の図8に示した様な、ローディングナットを使用する事もできる。又、本発明は、図示の様なハーフトロイダル型に限らず、フルトロイダル型のトロイダル型無段変速機で実施する事もできる。
1、1a〜1c 入力回転軸
2a〜2g 入力側ディスク
3 ボールスプライン
4 出力筒
5 出力歯車
6、6a、6b 出力側ディスク
7 パワーローラ
8 トラニオン
9 駆動軸
10、10a、10b 押圧装置
11a〜11d 予圧ばね
12 ローディングナット
13、13a 雌スプライン部
14、14a 雄スプライン部
15、15a 係止溝
16、16a 係止環
17、17a 抑え環
18、18a 止め輪
19 第一シリンダハウジング
20 第一ピストン
21 第一油圧室
22 第一圧油給排路
23 第二シリンダハウジング
24 第二ピストン
25 第二油圧室
26 第二圧油給排路
27 中心孔
28、28a 中心孔
29 ディスク側円筒面部
30、30a ディスク側嵌合面部
31、31a 軸側嵌合面部
32 中間部材
33 環状凹部

Claims (1)

  1. 回転軸と、
    それぞれが断面円弧形である互いの軸方向片側面同士を対向させた状態で、前記回転軸と同期した回転を自在として支持された1対の外側ディスクと、
    前記回転軸の軸方向中間部の周囲に、断面円弧形である軸方向両側面を前記両外側ディスクの軸方向片側面に対向させた状態で、前記回転軸に対する相対回転を自在に支持された、一体又は1対の素子を結合して成る、内側ディスクと、
    前記回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に支持され、球状凸面としたそれぞれの周面を、前記内側ディスクの軸方向両側面と前記両外側ディスクの軸方向片側面とに当接させたパワーローラと、
    前記回転軸と前記両外側ディスクのうちの一方の外側ディスクとの間に設けられ、この一方の外側ディスクを、これら両外側ディスクのうちの他方の外側ディスクに向け押圧する押圧装置と、
    前記回転軸と前記一方の外側ディスクとの間に設けられ、この一方の外側ディスクを前記他方の外側ディスクに向け押圧する事で、前記押圧装置が押圧力を発生しない状態でも、これら両外側ディスクを前記内側ディスクに向け押圧する予圧付与部材と、
    前記回転軸のうち、軸方向に関して前記他方の外側ディスクが配置される側の端部に係止され、この他方の外側ディスクが前記一方の外側ディスクから軸方向に離れる方向に変位するのを阻止する係止部材と、を備えたトロイダル型無段変速機に於いて、
    前記他方の外側ディスクの内周面の軸方向一部に形成された内周面側凹凸部と、前記回転軸の外周面の軸方向一部に形成された外周面側凹凸部とを相対回転不能に係合させると共に、前記他方の外側ディスクの内周面のうちで、前記内周面側凹凸部の軸方向他側に隣接する部分に形成されたディスク側嵌合面部を、この回転軸の外周面のうちで、軸方向に関して前記外周面側凹凸部と前記係止部材が係止された部分との間部分に形成された軸側嵌合面部に、直接圧入する事により、前記他方の外側ディスクを前記回転軸に対し、この回転軸と同期した回転を可能に支持しており、且つ、前記ディスク側嵌合面部前記軸側嵌合面部との間の圧入部に於ける締め代の大きさを、前記予圧付与部材が発揮する弾力に基づき、前記他方の外側ディスクを前記回転軸に対して軸方向に相対変位させられる大きさに規制している、事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
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