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JP6565432B2 - 内燃機関の触媒劣化診断装置 - Google Patents
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JP6565432B2 - 内燃機関の触媒劣化診断装置 - Google Patents

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本開示は、内燃機関の触媒劣化診断装置に関し、特に、内燃機関から排出される排ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒の劣化診断装置に関する。
車両の内燃機関から排出される排ガス中には、主に一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の排ガス成分が含まれている。このため、一般的には、内燃機関から排出される排ガスが通過する排気通路に、三元触媒等の排気浄化触媒を配置し、排ガスが浄化された状態で大気に放出されるようにしている。
内燃機関の排気浄化触媒として使用される三元触媒は、酸化雰囲気(リーン空燃比の雰囲気)でHCやCOが浄化される一方、還元雰囲気(リッチ空燃比の雰囲気)でNOxが還元されて浄化される。そのため、三元触媒の浄化性能を高めるために、排ガスの酸素濃度を検出しながら内燃機関に供給される混合気の空燃比制御を行い、三元触媒を有効に使用する技術が従来から提案されている。
一方、この排気浄化用の三元触媒の劣化を診断する技術として、触媒コンバータの上流および下流に酸素濃度センサを配設し、触媒コンバータの上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させ、下流の酸素濃度センサの出力信号の変動量を基に触媒コンバータの劣化を判定するものが知られている。これは、触媒コンバータの持つ排ガスの浄化能力が、触媒コンバータの有する酸素ストレージ量と相関性が高いことを利用した判定(診断)方法である。
三元触媒の劣化診断に関する先行技術として特許文献1、2が知られており、該特許文献1には、触媒コンバータの上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させる空燃比制御の基準点となる中心A/Fを補正して触媒コンバータの劣化診断の誤診断を防ぎつつ、劣化診断の実施頻度を高めることが示されている。この中心A/Fの補正量は、内燃機関への燃料の供給を禁止した後、燃料の供給を再開した時点から、酸素濃度センサの出力が所定値以上になるまでの期間に、触媒コンバータに吸着していた酸素が消費された量を算出し、この酸素消費量に基づいて決定することが示されている。
また、特許文献2には、三元触媒の上流および下流に設置された空燃比センサの出力に基づいて三元触媒内の酸素収支を表すパラメータ(上流側センサがリニアセンサであるときには理論空燃比相当の燃料量との燃料偏差)の積分値が所定の上下限値を越えたときには、三元触媒の酸素収支が限界を越え劣化判別の際に誤判別が発生するおそれがあるものとして劣化判別を中止して、誤判別を抑制することか示されている。
特開2013−100750号公報 特開平9−280038号公報
しかしながら、特許文献1では、前述のように、触媒コンバータの上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させる空燃比制御の基準点となる中心A/Fを補正して触媒コンバータの劣化診断の誤診断を防ぐ技術であるため、触媒コンバータの上流の空燃比をリーン、リッチの空燃比の変動ボリュームの大小によっては、正常触媒装着時に下流側の空燃比センサが反転したり、劣化触媒装着時に下流側の空燃比センサが反転しなかったりして誤診断が生じるおそれがある。このため、この上流側のA/F変動のボリュームの大小による誤診断のおそれに対する改良が必要である。
さらに、特許文献2では、前述のように、三元触媒の上流および下流に設置された空燃比センサの出力に基づいて三元触媒内の酸素収支を表すパラメータの積分値が所定の上下限値を越えたときには、誤判別が発生するおそれがあるものとして劣化判別を中止するため、すなわち、劣化判定を禁止するものであるため、劣化判定の頻度が損なわれるという問題がある。
そこで、前述の技術的課題に鑑み、本発明の少なくとも一つの実施形態の目的は、排気浄化触媒の上流および下流にそれぞれ空燃比を検出するセンサを配設し、該触媒の上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させ、上流側センサおよび下流側センサの出力信号の変動を基に触媒の劣化を判定する触媒劣化診断装置において、排気浄化触媒の上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させる上流側の空燃比の変動ボリュームの大小にかかわらず、誤判定のない判定結果を得ること、及び、劣化判定の頻度が損なわれない内燃機関の触媒劣化診断装置を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る内燃機関の触媒劣化診断装置は、内燃機関の排気通路に設けられる排気後処理手段と、前記排気後処理手段に流入する排気の空燃比をリーン空燃比とリッチ空燃比との間で変動させる空燃比制御手段と、前記排気後処理手段の上流側の前記排気通路に設けられ前記排気後処理手段に流入する排気の空燃比を検出する上流側センサと、前記排気後処理手段の下流側の前記排気通路に設けられ前記排気後処理手段から流出する排気の空燃比を検出する下流側センサと、前記上流側センサおよび前記下流側センサにおけるリーン空燃比とリッチ空燃比の変動回数に基づいて前記排気後処理手段の劣化を判定する触媒劣化判定手段と、を備え、
前記触媒劣化判定手段は、前記上流側センサの出力値の変動量に基づいて前記変動回数のカウントを制限することを特徴とする。
前記(1)の構成によれば、触媒劣化判定手段は、上流側センサの出力値の変動量に基づいて、変動回数のカウントを制限するので、排気後処理手段の上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させる上流側の空燃比の変動量の大小にかかわらず、排気後処理手段の劣化判定に適した空燃比の変動のみをピックアップすることができ、誤判定のない判定結果を得ることができる。
従って、例えば、空燃比の振幅や周期を排ガス浄化性能やドライバビリティを優先した設定としても、誤判定のない判定結果を得ることができる。
さらに、上流側センサの出力値の変動量に基づいて変動回数のカウントを制限するので、変動量に基づく制限が解除されればカウントは続行される。このため、排気後処理手段の劣化判定が、判定頻度や判定精度を損なわれることなく行われる。
(2)幾つかの実施形態では、前記(1)の構成において、前記触媒劣化判定手段は、前記上流側センサの出力値に基づいて判定される前記上流側における空燃比である上流側空燃比のリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知する上流側反転検知部と、該上流側反転検知部により検出される前記切り替わりの回数をカウントする上流側カウント部と、前記下流側センサの出力値に基づいて判定される前記下流側における空燃比である下流側空燃比のリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知する下流側反転検知部と、該下流側反転検知部により検出される前記切り替わりの回数をカウントする下流側カウント部と、前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率に基づいて劣化判定を行う判定部と、前記上流側センサの出力値の変動量が所定範囲を外れる場合に、前記上流側カウント部及び前記下流側カウント部のカウントを中断するカウント制御部と、を有することを特徴とする。
前記(2)の構成によれば、判定部によって、上流側カウント部による上流側空燃比の切り替わりの回数と、下流側カウント部による下流側空燃比の切り替わりの回数との比率に基づいて劣化判定を行うので、排気後処理手段の劣化を正確に判定できる。
また、カウント制御部で、上流側センサの出力値の変動量が所定範囲を外れる場合に、上流側カウント部及び下流側カウント部のカウントを中断するので、カウントの中断が確実に行われる。
(3)幾つかの実施形態では、前記(2)の構成において、前記上流側反転検知部は前記上流側センサの出力値が理論空燃比となった際にリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知するとともに、前記下流側反転検知部は前記下流側センサの出力値がリッチ空燃比からリーン空燃比へ変動し所定のリーン空燃比なった際に、またはリーン空燃比からリッチ空燃比へ変動し所定のリッチ空燃比となった際に、リッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知することを特徴とする。
前記(3)の構成によれば、上流側センサの出力値に基づくリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりは、理論空燃比となった際に切り替わったと判定し、下流側センサの出力値に基づくリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりは、所定のリーン空燃比となった際に、または所定のリッチ空燃比となった際に切り替わったと判定する。
このように、上流側センサの出力値に基づくリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知するタイミングと、下流側センサの出力値に基づくリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知するタイミングとが異なるセンサを組み合わせることで、劣化判定に必要な上流側空燃比の切り替わりの回数と、下流側空燃比の切り替わりの回数とを精度よく検知できるようになる。
(4)幾つかの実施形態では、前記(2)の構成において、前記下流側カウント部は、前記上流側空燃比の前記切り替わりが検出された後から次に検出される前記上流側空燃比の前記切り替わりの前までの間に、前記下流側空燃比の前記切り替わりが検出された場合に下流側空燃比の切り替わりの回数をカウントすることを特徴とする。
前記(4)の構成によれば、下流側空燃比の切り替わりの回数カウントを、上流側空燃比の切り替わりが検出された後から次に検出される上流側空燃比の切り替わりの前までの間における検出回数として定義することによって、排ガスの空燃比の変動に則った下流側空燃比の切り替わりの回数を正確にカウントすることができる。
従って、排気後処理手段の劣化時であっても、排ガス空燃比の変動が小さい場合には、下流側空燃比の変動が小さく、下流側空燃比の切り替わりがないような場合には正常と誤判定してしまう問題を防止できる。
(5)幾つかの実施形態では、前記(2)から(4)の構成において、前記判定部による劣化判定は、一定時間における前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率を基に判定することを特徴とする。
前記(5)の構成によれば、判定部による劣化判定は、予め設定された一定時間内における前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率を基に判定するので、一定時間ごとに定期的に排気後処理手段の劣化状態の情報が得られる。
(6)幾つかの実施形態では、前記(2)から(4)の構成において、前記判定部による劣化判定は、上流側カウント数が所定回数に到達するまでの一定期間における前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率を基に判定することを特徴とする。
前記(6)の構成によれば、判定部による劣化判定は、上流側カウント数が所定回数に到達するまでの一定期間における前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率を基に判定するので、上流側カウント数が所定回数に到達するごとに定期的に排気後処理手段の劣化状態の情報が得られる。
(7)幾つかの実施形態では、前記(2)から(4)の構成において、前記判定部による劣化判定は、エンジンの始動から停止の間における前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率を基に判定することを特徴とする。
前記(7)の構成によれば、判定部による劣化判定は、エンジン始動から停止の間における前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率を基に判定するので、エンジンを停止するごとに定期的に排気後処理手段の劣化状態の情報が得られる。
(8)幾つかの実施形態では、前記(2)から(7)の何れかの構成において、前記触媒劣化判定手段は、さらに、前記上流側センサの出力に基づいて、前記上流側空燃比の前記切り替わりが検出された後から次に検出される前記上流側空燃比の前記切り替わりの前までの間における酸素量の積算値を算出する上流側酸素量積算部を有し、前記カウント制御部は、前記上流側酸素量積算部による積算値が所定の上下限値の積算範囲を外れる場合には、前記上流側カウント部による上流側空燃比の切り替わりの回数のカウントと前記下流側カウント部による下流側空燃比の切り替わり回数のカウントとを中断することを特徴とする。
前記(8)の構成によれば、前記上流側酸素量積算部による積算値が所定の上下限値の積算範囲を外れる場合には、前記上流側カウント部による上流側空燃比の切り替わりの回数のカウントと前記下流側カウント部による下流側空燃比の切り替わり回数のカウントとを中断するので、触媒の劣化判定に適した触媒上流側の空燃比の変動のみを、酸素量積算値を用いることで確実にピックアップしてカウントすることができる。
(9)幾つかの実施形態では、前記(8)の構成において、前記上流側酸素量積算部は、前記上流側空燃比の前記切り替わりが検出された後に、前記積算値をゼロにリセットしてから前記積算値の算出を開始することを特徴とする。
前記(9)の構成によれば、上流側酸素量積算部による酸素量の積算値の算出が明確になり、所定の上下限値との比較を確実に行わせることができる。
(10)幾つかの実施形態では、前記(8)または(9)の構成において、前記カウント制御部は、前記中断の際には、前記上流側カウント部によるカウント値と前記下流側カウント部によるカウント値とを保持していることを特徴とする。
前記(10)の構成によれば、上流側空燃比の切り替わりの回数のカウントと下流側カウント部による下流側空燃比の切り替わり回数のカウントとを中断した際には、カウント前の結果が保持されているため、中断が解除された際には、保持されたカウント値に加算されていくので、劣化判定の頻度低下や精度低下は生じない。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、排気浄化触媒の上流および下流にそれぞれ空燃比を検出するセンサを配設し、該触媒の上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させ、上流側センサおよび下流側センサの出力信号の変動を基に触媒の劣化を判定する触媒劣化診断装置において、排気浄化触媒の上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させる上流側の空燃比の変動ボリュームの大小にかかわらず、誤判定のない判定結果を得ることができる。さらに、劣化判定の頻度が損なわれることなく判定結果を提供できる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の触媒劣化診断装置の全体構成図である。 本発明の一実施形態に係る触媒劣化判定手段の構成ブロック図である。 本発明の一実施形態の係る触媒劣化判定手段の構成ブロック図である。 本発明の一実施形態の係る触媒劣化判定手段の構成ブロック図である。 本発明の一実施形態の係る触媒劣化判定手段の構成ブロック図である。 本発明の一実施形態の係る触媒劣化判定手段の構成ブロック図である。 本発明の一実施形態の触媒劣化診断の制御フローチャートである。 本発明の一実施形態のサブルーチンのフローチャートであり、触媒上流側のリッチ空燃比とリーン空燃比の反転回数NF、触媒下流側のリッチ空燃比とリーン空燃比の反転回数NRのカウントアップのサブルーチンのフローチャートである。 触媒上流側のリッチ空燃比とリーン空燃比の反転回数NFと、触媒下流側のリッチ空燃比とリーン空燃比の反転回数NRのカウントアップの説明図である。 正常触媒と劣化触媒の酸素センサの出力信号の説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1には、本発明の幾つかの実施形態に係る内燃機関の触媒劣化診断装置の全体構成図を示す。図1のように、内燃機関としてのガソリンエンジン(以下エンジンという)1を示し、吸気ポート3に燃料を噴射する吸気ポート噴射型のエンジンについて示す。吸気管の集合部に燃料を噴射するエンジン、または燃焼室内に直接噴射する筒内噴射型のエンジンであってもよい。
図1において、エンジン1には、シリンダヘッド5及びシリンダブロック7が備えられ、シリンダブロック7には、シリンダ9が形成され、シリンダ9の内部には、ピストン11が往復移動自在に収容され、ピストン11とシリンダ9とシリンダヘッド5とで燃焼室13が形成されている。
また、シリンダヘッド5には、吸気ポート3が形成され、吸気ポート3には、図示しない吸気マニホールドが接続されている。また、吸気ポート3には吸気弁15が設けられ、吸気弁15によって燃焼室13と吸気ポート3とが連通及び遮断されるようになっている。吸気マニホールドには吸気ポート3内に燃料を噴射するポート噴射インジェクタ17が設けられている。
一方、シリンダヘッド5には、排気ポート19が形成され、排気ポート19には排気マニホールド21を介して排気管(排気通路)23が接続されている。また、排気ポート19には排気弁25が設けられ、排気弁25によって燃焼室13と排気ポート19とが連通及び遮断されるようになっている。また、排気管23には、排ガス中の主に炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を浄化する排気浄化触媒(排気後処理手段)としての三元触媒(以下触媒という)27が設置されている。
この触媒27は、排気空燃比が酸化雰囲気(リーン空燃比)になった際に、HCやCOが酸化されて浄化されるとともに、排気空燃比が還元雰囲気(リッチ空燃比)になるまで、酸素(O)をストレージする。そして、リッチ空燃比となった際に、NOxが還元されて浄化されるとともに、ストレージされたOが放出されて、HCやCOが酸化されて浄化される。
また、シリンダヘッド5には、気筒毎に点火プラグ29が取り付けられ、点火プラグ29には高電圧を出力する図示しない点火コイルが接続されている。
触媒27の上流側の排気管23には、触媒27に流入する排気の空燃比を検出する上流側センサとしての、空燃比(A/F)センサ31が設けられている。また、触媒27の下流側の排気管23には、触媒27から排出する排気の空燃比を検出する下流側センサとしての、酸素(O)センサ33が設けられている。
上流側の空燃比センサ31は、排ガス中の残留酸素濃度にほぼ比例した出力信号を発生するリニア空燃比センサ(LAFS)によって構成されている。また、下流側の酸素センサ33は、排ガス中の残留酸素濃度に応じた2値信号を発生し、すなわち、排ガス中の性状が理論空燃比に対してリーンであるかリッチであるかの2値信号を発生する。
ECU(電子コントロールユニット)35は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えている。ECU35によりエンジン1の総合的な制御が行われる。
ECU35の入力側には、前述した空燃比センサ31、酸素センサ33の他に、エンジン1のクランク角を検出するクランク角センサ36等の各種センサ類からの検出情報が入力される。
ECU35の出力側は、前述したポート噴射インジェクタ17、点火プラグ29等の各種出力デバイスに接続されている。各種出力デバイスは、センサ類からの検出情報に基づいてECU35で演算された燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期等がそれぞれ出力される。また、各種センサ類からの検出情報に基づき適正な目標空燃比が設定され、実際の空燃比が目標空燃比となるように、適正量の燃料が適正タイミングでポート噴射インジェクタ17から噴射され、また、図示しないスロットルバルブによって燃焼室13内に導入される空気量が調整され、点火プラグ29によって適正タイミングで火花点火される。
また、ECU35には、触媒27に流入する排ガスの空燃比を、理論空燃比を境にしてリーン空燃比とリッチ空燃比との間で変動させるようにポート噴射インジェクタ17からの燃料量及びスロットルバルブの開度を制御する空燃比制御手段37と、触媒27の浄化性能の劣化を判定する触媒劣化判定手段39とが備えられている。
触媒27の浄化性能を維持するためには、排ガスの空燃比を理論空燃比状態に維持する必要があり、そのために、空燃比制御手段37では、燃焼室13に供給される混合気の空燃比を、理論空燃比を中心にしてリッチ側とリーン側とに所定の目標振幅を持って交互に変化させる制御を行っている。さらに、空燃比センサ31の出力に基づいて、触媒27の上流側の空燃比が理論空燃比になるように燃焼室13に供給される混合気の空燃比をフィードバック制御している。
また、触媒劣化判定手段39は、触媒27の上流側に設けられた空燃比センサ31および触媒27の下流側に設けられた酸素センサ33におけるリーン空燃比とリッチ空燃比の反転(変動)回数に基づいて触媒27の劣化を判定する。ここで、より好適にはリーン空燃比及びリッチ空燃比は理論空燃比に対してリーン空燃比及びリッチ空燃比であることが望ましい。
例えば、触媒27の上流側の空燃比センサ31の反転回数NFと、触媒27の下流側の酸素センサ33の反転回数NRを算出して、その比率(NR/NF)を算出して、その比率が所定の基準値より大きい場合には、触媒27が劣化していると判定する。
さらに、触媒劣化判定手段39は、空燃比センサ31の出力信号の変動量が所定範囲を外れるほどに大きい場合、または小さい場合には、反転回数としてのカウントアップを制限して劣化判定を一時中断するようにしている。
上記構成によれば、触媒劣化判定手段39は、上流側の空燃比センサ31の出力信号の変動量が所定範囲を外れる場合には、反転回数(変動回数)のカウントアップを制限して劣化判定を中断するので、触媒27の上流側の空燃比の変動量の大小にかかわらず、触媒27の劣化判定に適した空燃比の変動のみをピックアップして判定するため誤判定のない判定結果を得ることができる。
従って、空燃比の振幅や周期を排ガス浄化性能やドライバビリティを優先した設定としても、誤判定のない判定結果を得ることができる。
さらに、上流側の空燃比センサ31の出力信号の変動量が所定範囲を外れる場合には、判定回数のカウントアップを制限して劣化判定を一時的に中断するので、空燃比センサ31の出力信号の変動量が所定範囲内に戻れば中断が解除されてカウントアップが続行されて劣化判定が引き続いて行われる。このため、触媒27の劣化判定の頻度や精度が損なわれない。劣化判定が中止されて新たに判定条件の成立を待つ場合に比べて劣化判定の頻度や精度の低下が防止される。
幾つかの実施形態では、図1に示した前記触媒劣化判定手段39は、図2のように構成されている。
図2に示すように、前記触媒劣化判定手段39は、空燃比センサ31の出力に基づいて判定される触媒27の上流側における空燃比のリッチとリーンとの切り替わりを検出する上流側反転検知部41と、該上流側反転検知部41によって検出される上流側空燃比の切り替わりの回数をカウントアップする上流側カウント部43と、酸素センサ33の出力に基づいて判定される下流側における空燃比のリッチとリーンとの切り替わりを検出する下流側反転検知部45と、該下流側反転検知部45によって検出される下流側空燃比の切り替わりの回数をカウントアップする下流側カウント部47と、前記上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と前記下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)との比率(NR/NF)に基づいて劣化判定を行う判定部49と、該判定部49による判定結果を出力して運転者等に報知する判定結果出力部51と、空燃比センサ31の出力信号の変動量が所定範囲を外れる場合に、前記上流側カウント部43及び前記下流側カウント部47のカウントアップを中断するカウント制御部53と、を有している。
さらに、劣化判定を行う判定部49は、比率(NR/NF)を算出し、予め設定した基準値より大きい場合には、触媒27が劣化していると判定し、その結果を判定結果出力部51によって、触媒27の劣化状態を運転者等に報知するようになっている。すなわち、触媒27の劣化が発生しているときに判定結果が出力されるようになっている。
なお、判定部49での判定は、カウントアップする毎でも、後述するように一定時間毎、または運転されている間毎、または上流側カウント数(NF)が所定回数に到達した毎等の一定条件毎に算出して判定結果として出力してもよい。
上記構成によれば、上流側カウント部43による上流側空燃比の切り替わりの回数の上流側カウント数(NF)と、下流側カウント部47による下流側空燃比の切り替わりの回数の下流側カウント数(NR)との比率(NR/NF)に基づいて劣化判定を行うので、触媒27の劣化を簡単に且つ正確に判定できる。
また、カウント制御部53で、空燃比センサ31の出力信号の変動量が所定範囲を外れる場合に、上流側カウント部43及び下流側カウント部47のカウントアップを中断するので、カウントアップの中断が確実に行われる。
また、判定結果出力部51によって、触媒27が劣化状態にあることが運転者等に報知されるため、その後の処置を促すことができる。
幾つかの実施形態では、図2に示した触媒劣化判定手段39の下流側カウント部47は、上流側の空燃比センサ(LAFS)31による上流側空燃比の切り替わりが検出された後から次に検出される上流側空燃比の切り替わりの前までの間に、下流側の酸素センサ33の空燃比の切り替わりが検出された場合に下流側空燃比の切り替わりの回数(NR)をカウントアップするように構成されている。
図9に、上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と、下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)のカウントアップの状態を示す。
図9(A)は、上流側の空燃比センサ(LAFS)31による酸素濃度出力信号の変化を示す。図9(B)は、その酸素濃度出力信号を基に算出した上流側酸素量の積算値の変化状態を示し、上流側空燃比の切り替わりが検出された後に積算値をゼロにリセットしてから積算される状態を示す。図9(C)は、劣化した触媒の場合の酸素センサ33からの出力信号を示す。図9(D)は、正常な触媒の場合の酸素センサ33からの出力信号を示す。図9(E)は、上流側空燃比の切り替わりの回数(NF)のカウントアップ状態を示し、段階的に増加していくことを示し、図9(F)は、劣化した触媒の場合の下流側空燃比の切り替わりの回数(NR)のカウントアップ状態を示し、上流側のカウントアップ状態と対応して増加していくことを示す。図9(G)は、正常な触媒の場合を示し、触媒で酸素が吸収されて反応に消費されるため、下流側の酸素センサ33には反転は認識されずカウントアップがされないことを示す。
図9(A)において、上流側の空燃比センサ(LAFS)31による上流側空燃比の切り替わりが検出された後から次に検出される上流側空燃比の切り替わりの前までの間に、すなわち、t〜tの間に、空燃比センサ31の出力はリッチを示し、その間の酸素量積算値ΣdOは、最終的にはtの時点でリッチ側の上限判定閾値R2と下限判定閾値R1との間に位置している。このためカウント許容領域にあり、下流側の酸素センサ(ROS)の出力変化をみると、劣化触媒の場合にはP点でリーン領域からリッチ領域へ切り替わりが検出されるため下流側空燃比の切り替わりの回数(NR)をカウントアップする。
下流側の酸素センサ33による切り替わりの回数カウント(NR)を、上流側の空燃比センサ31による上流側空燃比の切り替わりが検出された後から次に検出されるまでの間における検出回数として定義することによって、排ガスの空燃比の変動に則った触媒下流側の空燃比の切り替わりの回数を正確にカウントアップすることができる。すなわち、上流側の空燃比センサ31による反転周期内での下流側の酸素センサ33による反転をカウントすることで触媒下流側の空燃比の切り替わりの回数を正確にカウントアップすることが可能になる。
これによって、触媒27の劣化時であっても、排ガス空燃比の変動が小さい場合には、下流側空燃比の変動が小さく、下流側空燃比の切り替わりがないような場合に正常と誤判定してしまう問題を防止できる。
なお、上流側の空燃比センサ(LAFS)31による上流側空燃比の切り替わりは、空燃比センサ31の出力値が理論空燃比となった際にリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知するようになっている。
また、下流側の酸素センサ33による下流側空燃比の切り替わりは、酸素センサ33の出力値がリッチ空燃比からリーン空燃比へ変動し所定のリーン空燃比なった際に、またはリーン空燃比からリッチ空燃比へ変動し所定のリッチ空燃比となった際に、リッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知するようになっている。
上流側の空燃比センサ31の出力値によるリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知するタイミングと、下流側の酸素センサ33の出力値によるリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知するタイミングとが異なるセンサを組み合わせることで、劣化判定に必要な上流側空燃比の切り替わりの回数と、下流側空燃比の切り替わりの回数とを精度よく検知できるようになる。
幾つかの実施形態では、図3に示す触媒劣化判定手段57は、図2の触媒劣化判定手段39において、上流側の空燃比センサ31の出力に基づいて、上流側空燃比の切り替わりが検出された後から次に検出されるまでの間における酸素量の積算値を算出する上流側酸素量積算部59を有している。
カウント制御部61では、上流側酸素量積算部59による積算値が所定の上下限値の積算範囲を外れる場合には、上流側カウント部43による上流側空燃比の切り替わりの回数のカウントアップと下流側カウント部47による下流側空燃比の切り替わり回数のカウントアップとを中断するようになっている。
空燃比センサ31の出力に基づいての酸素量(dO)[g]の算出は、空燃比センサ31の出力信号(A/F)、ポート噴射インジェクタ17からの燃料量信号(Qf)、クランク角センサ36の出力からのエンジン回転数信号を用いて算出される。具体的には次の(1)式によって算出される。
dO={(A/F)−(A/F)c}×Qf×d×T×{Ne/(120/N)}
×0.23 …(1)
ここで、(A/F)は空燃比センサ31から得られる実際の空燃比、(A/F)cは中心A/F、Qfは一点火あたりの燃料噴射量[g]、dはガソリン比重、Tは演算周期[sec]、Neはエンジン回転速度[rpm]、Nは気筒数を表す。
(A/F)cは基本的に理論空燃比の値とするが、酸素センサ33の出力に基づくサブA/Fフィードバックによって適宜補正する。
そして、上流側酸素量積算部59では、ECU35内の演算周期ごとに算出された酸素量を積算して上流側の酸素量積算値(ΣdO)を算出する。この酸素量積算値(ΣdO)が、上下限値、例えば、図9(B)に示すリーン側ではL1〜L2の間、リッチ側ではR1〜R2の間の値である場合には、カウントアップを許可し、上下限値を外れる場合にはカウントアップを中断する。
上流側酸素量積算部59は、空燃比センサ31の上流側空燃比の切り替わりが検出された後に、積算値をゼロにリセットしてから積算値の算出を開始する。このように空燃比のリッチとリーンとの切り替わりに際してゼロにリセットするため、上流側酸素量積算部59による酸素量の積算値を算出が明確になり、所定の上下限値との比較を確実に行うことができる。
上記構成によれば、上流側の空燃比センサ31の出力に基づいて、上流側空燃比の切り替わりが検出されるまでの間における触媒に流入する酸素量の積算値が、所定の上下限値の積算範囲を外れる場合には、上流側カウント部による上流側空燃比の切り替わりの回数のカウントアップと下流側カウント部による下流側空燃比の切り替わり回数のカウントアップとが中断される。
従って、触媒27の劣化判定に適した空燃比の変動のみを、酸素量の積算値を用いることで確実にピックアップしてカウントアップすることができる。
また、上流側の空燃比センサ31の出力に基づいて、上流側空燃比の切り替わりが検出されるまでの間における触媒に流入する酸素量の積算値を、リーン側ではL1〜L2の間、リッチ側ではR1〜R2の間のように、上限値と下限値とを用いて規定した範囲によって判定するため、触媒27の劣化時であっても、排ガス空燃比の変動が小さい場合には、下流側空燃比の変動が小さく、下流側空燃比の切り替わりがないような場合には正常と誤判定してしまう問題や、触媒27が正常時であっても、排ガス空燃比の変動が大きい場合には、下流側空燃比の変動が大きく、下流側空燃比の切り替わりがあるような場合には劣化と誤判定してしまう問題を防止できる。
すなわち、図10には、排ガス空燃比の変動が大きい場合と小さい場合とにおける誤判定をそれぞれ示している。
排ガス空燃比の変動が大きい場合には、図10(B)のようにリーン側ではL2を超え、リッチ側ではR2を超える場合には、図10(D)の正常触媒装着の場合でも、下流側空燃比の変動が大きく、酸素センサ33による下流側空燃比の切り替わりを検出して、図10(C)に示す劣化触媒装着の場合と同様に故障と誤判定するおそれがある。
排ガス空燃比の変動が小さい場合には、図10(B)のようにリーン側ではL1未満で、リッチ側ではR1未満の場合には、図10(C)の劣化触媒装着の場合でも、下流側空燃比の変動が小さく、酸素センサ33による下流側空燃比の切り替わりを検出せず、図10(D)に示す正常触媒装着の場合と同様に正常と誤判定するおそれがある。
また、カウント制御部61は、カウントアップの中断の際には、上流側カウント部43によるカウントアップ値と下流側カウント部47によるカウントアップ値とを保持し、中断が解除された際には、保持されたカウント値に加算されていくので、劣化判定の頻度低下や精度低下は生じない。
幾つかの実施形態では、図2、3に示した触媒劣化判定手段39、57においては、判定部49が、上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)との比率(NR/NF)を基に、その比率が所定の基準値より大きくなった時に、触媒27が劣化していると判定して判定結果を出力するようになっているが、図4に示すように、タイマー55を備えて、劣化判定の判定部69は、タイマー55からの時間に基づいて一定時間における上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)との比率(NR/NF)を基に判定してもよい。
係る図4に示す構成によれば、一定時間における上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)との比率を基に判定するので、一定時間毎に定期的に触媒27の劣化状態の情報が得られる。
また、幾つかの実施形態では、図2、3に示した触媒劣化判定手段39、57において、図5に示すように、上流側カウント数判定部73を備えて、上流側カウント数判定部73によって上流側カウント数(NF)が所定回数に到達した信号を基に、劣化判定の判定部69は、上流側カウント数(NF)が所定回数に到達するまでの期間における上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)との比率を基に判定してもよい。
係る図5に示す構成によれば、上流側カウント数(NF)が所定回数に到達するまでの期間における上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)との比率を基に判定するので、上流側カウント数(NF)が所定回数に到達するまでの時間毎に定期的に触媒27の劣化状態の情報が得られる。
また、幾つかの実施形態では、図2、3に示した触媒劣化判定手段39、57において、図6に示すように、エンジンON/OFF信号発信部71を備えて、エンジンON/OFF信号を基に、劣化判定の判定部69は、エンジン1の始動から停止の間における上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)との比率(NR/NF)を基に判定してもよい。
係る図6に示す構成によれば、エンジン始動から停止の間における上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)との比率を基に判定するので、エンジンを停止する毎に定期的に触媒27の劣化状態の情報が得られる。
幾つかの実施形態では、例えば、図3に示す触媒劣化判定手段57の構成ブロック図において、触媒判定の制御フローを図7、8に示す。
図7に示すように、触媒劣化診断の制御が開始すると、ステップS21で、触媒27の上流側のリーン空燃比とリッチ空燃比の反転回数のカウント数(NF)と、触媒27の下流側のリーン空燃比とリッチ空燃比の反転回数のカウント数(NR)とのカウントアップを行う。このため、まず、ステップS21の「NF、NRカウントアップ」のサブルーチンについて図8を参照して説明する。
図8のステップS41で、触媒27の上流側の空燃比の反転が発生したかを判定する。すなわち、空燃比センサ31の出力信号を基にリッチリーンが切り替わったかを判定する。反転していなければ、ステップS42に進み、触媒27に供給される酸素量dOを算出する。この酸素量dOは、前述の(1)式を用いて算出される。
そして、ステップS43で、ステップS42で算出した酸素量を積算して酸素量積算値(ΣdO)を算出する。すなわち、前回の演算サイクルでの酸素量に今回の酸素量を加算して(ΣdO(n)=ΣdO(n−1)+dO)、酸素量積算値(ΣdO)を算出する。すなわち、酸素量積算値(ΣdO)は、前回上流側空燃比の反転から今回上流側空燃比の切り替までの間に積算された酸素積算量となる。
一方、ステップS41で、触媒27の上流側の空燃比の反転が発生した場合にはYesとなり、ステップS44に進む。ステップS44では、反転が発生するまでにステップS43で算出された酸素量積算値(ΣdO)が、所定範囲内か判定される。すなわち、前回上流側空燃比の反転から今回上流側空燃比の切り替までの間に積算された酸素積算量が
具体的には、所定範囲の上下限値は、図9(B)に示すリーン側ではL1〜L2の間、リッチ側ではR1〜R2の間の値である。
この範囲以内の場合には、ステップS45に進んで触媒27の上流側のリーン空燃比とリッチ空燃比の反転回数のカウント数(NF)のカウントアップを行う。所定範囲を超える場合または未満の場合にはカウントアップはせずに終了する。
次に、ステップS46で、触媒27の下流側の酸素センサ(ROS)33の反転フラグが成立したかを判定する。成立したと判定した場合には、ステップS47に進んで触媒27の下流側のリーン空燃比とリッチ空燃比の反転回数のカウント数(NR)のカウントアップを行い、そして、ステップS48で、酸素量積算値(ΣdO)をゼロにリセットする。
また、反転フラグが立っていない場合にはカウントアップはせずに終了する。この酸素センサ(ROS)33の反転フラグの成立については後述する。
以上のステップS41〜S48に示す「NF、NRカウントアップ」のサブルーチンが終了した後に、再び図7に戻り、図7のステップS22では、再び、触媒27の上流側の空燃比の反転が発生したかを判定する。すなわち、空燃比センサ31の出力信号を基にリッチリーンが切り替わったかを判定する。
切り替わったと判定された場合には、ステップS23に進み、酸素センサ33のリーンフラグ(ROSリーンフラグ)と、酸素センサ33のリッチフラグ(ROSリッチフラグ)と、酸素センサ33の反転フラグ(ROS反転フラグ)とを全てリセットする。
そして、ステップS24で、空燃比センサ31がリッチで、且つ酸素センサ33がリーン判定値以下(リーン領域)であるかを判定する。すなわち、図9(A)、(C)に示す領域Aにあるか否かを判定する。この領域Aは、これから酸素センサ33がリーンからリッチに反転することを意味するものであり、このステップS24の判定がYesの場合には、ステップS25に進んで酸素センサ33のリーンフラグ(ROSリーンフラグ)を成立させる。
一方、ステップS24で、Noの判定の場合には、ステップS26に進んで、空燃比センサ31がリーンで、且つ酸素センサ33がリッチ判定値以上(リッチ領域)であるかを判定する。すなわち、図9(A)、(C)に示す領域Bにあるか否かを判定する。この領域Bは、これから酸素センサ33がリッチからリーンに反転することを意味するものであり、このステップS26の判定がYesの場合には、ステップS27に進んで酸素センサ33のリッチフラグ(ROSリッチフラグ)を成立させる。
また、ステップS22で、空燃比センサ31の反転がなくNoの判定の場合には、ステップS28へ進み、酸素センサ33のリーンフラグ(ROSリーンフラグ)が成立し、且つ酸素センサ33がリッチ判定値以上(リッチ領域)であるかを判定する。すなわち、図9(C)に示す領域Cに、A領域から移行したか否かを判定する。ステップS28の判定がYesの場合には、ステップS30に進んで酸素センサ33の反転フラグを成立させる。
ステップS28の判定がNoの場合には、ステップS29へ進んで、酸素センサ33のリッチフラグ(ROSリッチフラグ)が成立し、且つ酸素センサ33がリーン判定値以上(リーン領域)であるかを判定する。すなわち、図9(C)に示す領域Dに、B領域から移行したか否かを判定する。ステップS29の判定がYesの場合には、ステップS30に進んで酸素センサ33の反転フラグを成立させる。
以上のように、ステップS30での酸素センサ33の反転フラグを成立情報が、次の演算サイクルの「NF、NRカウントアップ」のサブルーチンのステップS46において用いられて、ステップS47のNR数のカウントアップが実行される。
従って、図7、8に示すフローチャートは、図9(A)、(C)に示すように、空燃比センサ31の出力がt〜tの間に酸素センサ33の出力がリーンからリッチに反転した場合に、酸素センサ33の反転のカウントアップを行い、同様に、空燃比センサ31の出力がt〜tの間に酸素センサ33の出力がリッチからリーンに反転した場合に、酸素センサ33の反転のカウントアップを行うことを示している。
以上の図7、8の制御フローによれば、上流側カウント部43による上流側カウント数(NF)と下流側カウント部47による下流側カウント数(NR)とを算出することができる。
本発明の一実施形態によれば、排気浄化触媒の上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させる上流側の空燃比の変動ボリュームの大小にかかわらず、誤判定のない判定結果を得ることができ、さらに、劣化判定の頻度が損なわれることなく判定結果が得られるので、排気浄化触媒の上流および下流にそれぞれ空燃比を検出するセンサを配設し、該触媒の上流の空燃比をリーン、リッチに交互に変化させ、上流側センサおよび下流側センサの出力信号の変動を基に触媒の劣化を判定する触媒劣化診断装置への適用に有効である。
1 エンジン(内燃機関)
17 ポート噴射インジェクタ
23 排気通路
27 触媒(排気後処理手段)
31 空燃比センサ(上流側センサ)
33 酸素センサ(下流側センサ)
35 ECU(電子コントロールユニット)
36 クランク角センサ
37 空燃比制御手段
39、57 触媒劣化判定手段
41 上流側反転検知部
43 上流側カウント部
45 下流側反転検知部
47 下流側カウント部
49 判定部
51 判定結果出力部
53、61 カウント制御部
55 タイマー
59 上流側酸素量積算部
71 エンジンON/OFF信号発信部
73 上流側カウント数判定部

Claims (10)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられる排気後処理手段と、
    前記排気後処理手段に流入する排気の空燃比をリーン空燃比とリッチ空燃比との間で変動させる空燃比制御手段と、
    前記排気後処理手段の上流側の前記排気通路に設けられ前記排気後処理手段に流入する排気の空燃比を検出する上流側センサと、
    前記排気後処理手段の下流側の前記排気通路に設けられ前記排気後処理手段から流出する排気の空燃比を検出する下流側センサと、
    前記上流側センサおよび前記下流側センサにおけるリーン空燃比とリッチ空燃比の変動回数に基づいて前記排気後処理手段の劣化を判定する触媒劣化判定手段と、を備え、
    前記触媒劣化判定手段は、前記上流側センサの出力値の変動量に基づいて前記変動回数のカウントを制限することを特徴とする内燃機関の触媒劣化診断装置。
  2. 前記触媒劣化判定手段は、
    前記上流側センサの出力値に基づいて判定される前記上流側における空燃比である上流側空燃比のリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知する上流側反転検知部と、
    該上流側反転検知部により検出される前記切り替わりの回数をカウントする上流側カウント部と、
    前記下流側センサの出力値に基づいて判定される前記下流側における空燃比である下流側空燃比のリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知する下流側反転検知部と、
    該下流側反転検知部により検出される前記切り替わりの回数をカウントする下流側カウント部と、
    前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率に基づいて劣化判定を行う判定部と、
    前記上流側センサの出力値の変動量が所定範囲を外れる場合に、前記上流側カウント部及び前記下流側カウント部のカウントを中断するカウント制御部と、を有することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
  3. 前記上流側反転検知部は前記上流側センサの出力値が理論空燃比となった際にリッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知するとともに、
    前記下流側反転検知部は前記下流側センサの出力値がリッチ空燃比からリーン空燃比へ変動し所定のリーン空燃比となった際に、またはリーン空燃比からリッチ空燃比へ変動し所定のリッチ空燃比となった際に、リッチ空燃比とリーン空燃比との切り替わりを検知することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
  4. 前記下流側カウント部は、前記上流側空燃比の前記切り替わりが検出された後から次に検出される前記上流側空燃比の前記切り替わりの前までの間に、前記下流側空燃比の前記切り替わりが検出された場合に下流側空燃比の切り替わりの回数をカウントすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
  5. 前記判定部による劣化判定は、一定時間における前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率を基に判定することを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
  6. 前記判定部による劣化判定は、上流側カウント数が所定回数に到達するまでの一定期間における前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率を基に判定することを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
  7. 前記判定部による劣化判定は、エンジンの始動から停止の間における前記上流側カウント部による上流側カウント数と前記下流側カウント部による下流側カウント数との比率を基に判定することを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
  8. 前記触媒劣化判定手段は、さらに、前記上流側センサの出力に基づいて、前記上流側空燃比の前記切り替わりが検出された後から次に検出される前記上流側空燃比の前記切り替わりの前までの間における酸素量の積算値を算出する上流側酸素量積算部を有し、
    前記カウント制御部は、前記上流側酸素量積算部による積算値が所定の上下限値の積算範囲を外れる場合には、前記上流側カウント部による上流側空燃比の切り替わりの回数のカウントと前記下流側カウント部による下流側空燃比の切り替わり回数のカウントとを中断することを特徴とする請求項2から7の何れか1項に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
  9. 前記上流側酸素量積算部は、前記上流側空燃比の前記切り替わりが検出された後に、前記積算値をゼロにリセットしてから前記積算値の算出を開始することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
  10. 前記カウント制御部は、前記中断の際には、前記上流側カウント部によるカウント値と前記下流側カウント部によるカウント値とを保持していることを特徴とする請求項8または9に記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
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