JP6566622B2 - 蓄電デバイスの電極塗工液用増粘・安定剤、該増粘・安定剤を用いて調製された塗工液、該塗工液を用いて製造された電極、及び該電極を使用した蓄電デバイス - Google Patents
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Description
これらの蓄電デバイスは、主に電極、非水電解液および通常セパレーターなどの部材から構成される。このうち蓄電デバイス用電極は、例えば電池活物質と導電材を結着剤とともに有機溶剤または水に分散させた蓄電デバイス用電極合剤を、集電体表面である金属箔上に塗布し、乾燥させることにより形成される。蓄電デバイスの特性は、使われる電極活物質、電解質、集電体などの主要構成材料によって大きく左右されることはもちろんであるが、添加剤として用いられる結着剤や増粘安定剤によっても大きく左右される。
〔1〕セルロース繊維を含有する蓄電デバイスの電極塗工液用増粘・安定剤であって、上記セルロース繊維のセルロース分子中の水酸基にカルボキシメチル基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下であり、
上記セルロースがI型及び/又はII型の結晶構造を有し、
上記セルロース繊維のアスペクト比が50以上であり、
上記セルロース繊維の数平均繊維幅が2nm以上500nm以下であることを特徴とする蓄電デバイスの電極塗工液用増粘・安定剤。
〔2〕上記電極塗工液用増粘・安定剤を含有する蓄電デバイス用塗工液組成物。
〔3〕好ましい実施形態として、上記セルロース繊維の含有量が蓄電デバイス用塗工液組成物の固形分100質量部に対し0.05質量%以上5.00質量%以下である蓄電デバイス用塗工液組成物。
〔4〕上記蓄電デバイス用塗工液組成物を使用して製造される蓄電デバイス用電極。
〔5〕好ましい実施形態として、活物質密度の厚み方向のバラツキが±5%以内である蓄電デバイス用電極。
〔6〕上記蓄電デバイス用電極を使用する蓄電デバイス。
さらに、本発明の蓄電デバイスの電極塗工液用増粘・安定剤は強力な機械的分散条件でも攪拌せん断力を受けて粘度低下を起こすことがないため強力な機械的分散条件での分散が可能となり、その結果として電極活物質を均一に分散させることが可能となる。また、分散後も粘度を維持することができるため、塗工性と保存安定性に優れた電極塗工液が得られる。
セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下であり、
上記セルロースがI型及び/又はII型の結晶構造を有し、
上記セルロース繊維のアスペクト比が50以上であり、
上記セルロース繊維の数平均繊維幅が2nm以上500nm以下である。
ち、セルロースを親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウ
ラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、セルロー
スの短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を観察した。すなわち、各先に述べ
た方法に従い、短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を算出し、これらの値を
用いてアスペクト比を下記の式(1)に従い算出した。
本発明の蓄電デバイスに使用する電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCl、LiBr、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LII、LiAlCl4、NaClO4、NaBF4、NaI等を挙げることができ、特に、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6などの無機リチウム塩、LiN(SO2CxF2x+1)(SO2CyF2y+1)で表される有機リチウム塩を挙げることができる。ここで、xおよびyは0又は1〜4の整数を表し、また、x+yは2〜8である。有機リチウム塩としては、具体的には、LiN(SO2F)2、LiN(SO2CF3)(SO2C2F5)、LiN(SO2CF3)(SO2C3F7)、LiN(SO2CF3)(SO2C4F9)、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2C2F5)(SO2C3F7)、LiN(SO2C2F5)(SO2C4F9)等が挙げられる。中でも、LiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)2、LiN(SO2F)2、LiN(SO2C2F5)2などを電解質に使用すると、電気特性に優れるので好ましい。上記電解質塩は1種類用いても2種類以上用いても良い。このようなリチウム塩は、通常、0.1〜2.0モル/リットル、好ましくは0.3〜1.5モル/リットルの濃度で、電解液に含まれていることが望ましい。
本発明の蓄電デバイスとして、液系の電池は電解液、ゲル系の電池はポリマーを電解液に溶解したプレカーサー(precursor)溶液、固体電解質電池は電解質塩を溶解した架橋前のポリマーを電池容器内に収容する。
<グルコース単位当たりの置換度の測定方法>
セルロース繊維を0.6質量%スラリーに調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.4とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量からカルボキシル基量を測定し、下式(2)を用いて算出した。ここで言う置換度とは、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値を表している。
セルロース繊維に水を加えて2質量%のスラリーとして、ディスパー型ミキサーを用いて回転数8,000rpmで10分間微細化処理を行った。各セルロース繊維の最大繊維径および数平均繊維径を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子社製、JEM−1400)を用いて観察した。すなわち、各セルロース繊維を親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、先に述べた方法に従い、数平均繊維径を算出した。
X線回折装置(リガク社製、RINT‐Ultima3)を用いて、各セルロース繊維の回折プロファイルを測定し、セルロースI型(回折角2θ=14.8°、16.8°、22.6°)またはセルロースII型(回折角2θ=12.1°、19.8°、22.0°)に典型的なX線回折パターンが見られる場合は結晶構造(I型及び/又はII型)が「あり」と評価し、ピークが見られない場合は「なし」と評価した。
セルロースを親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、セルロースの短幅の方の数平均幅、長幅の方の数平均幅を観察した。すなわち、各先に述べた方法に従い、短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を算出し、これらの値を用いてアスペクト比を下記の式(1)に従い算出した。
〔製造例1〕
撹拌機にパルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥重量で200g、水酸化ナトリウムを18g加え、パルプ固形濃度が15%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウムを23g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりの置換度0.01のアニオン変性されたセルロースを得た。その後、アニオン変性したパルプを固形濃度1%とし、高圧ホモジナイザーにより、液温20℃から冷却操作を伴いながら140MPaの圧力で5回処理し、数平均繊維径97nm、アスペクト比81で、結晶構造を有するセルロース繊維1の水分散液を得た。
水酸化ナトリウムを176g、モノクロロ酢酸ナトリウムを234g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維2の水分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.10であり、数平均繊維径は21nm、アスペクト比160であり、結晶構造を有していた。
水酸化ナトリウムを308g、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維3の水分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.25であり、数平均繊維径は10nm、アスペクト比171であり、結晶構造を有していた。
水酸化ナトリウムを9g、モノクロロ酢酸ナトリウムを12g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維4の水分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.005であり、数平均繊維径は710nm、アスペクト比19であり、結晶構造を有していた。
水酸化ナトリウムを476g、モノクロロ酢酸ナトリウムを632g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維5の水分散液を得た。なお、得られたセルロースのグルコース単位当たりの置換度は0.60であり、これを観察したところ、繊維状のTEM像は得られず、数平均繊維径は測定できなかった。また、結晶構造も有していなかった。
水酸化ナトリウムを308g、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)、高圧ホモジナイザーによる処理を20回に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維6の水分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.25であり、これを観察したところ、繊維状のTEM像は得られず、数平均繊維径は測定できなかった。また、結晶構造も有していなかった。
撹拌機に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で308g加え、パルプ固形分濃度が15%になるように水を加えた。その後、70℃で9時間攪拌した後に、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりの置換度0.28のアニオン変性されたセルロースを得た。その後、アニオン変性したパルプに水を添加して固形分濃度1%とし、高圧ホモジナイザーにより、液温20℃から冷却操作を伴いながら140MPaの圧力で5回処理し、セルロース繊維7の分散液を得た。これを観察したところ、繊維状のTEM像は得られず、数平均繊維径は測定できなかった。また、結晶構造も有していなかった。
〔負極1〕
負極活物質として、天然黒鉛100g、導電剤としてカーボンブラック0.5g(Timcal社製、Super−P)と増粘剤としてセルロース繊維1の1質量%水分散体50g、結着剤としてスチレン・ブタジエンゴム水分散物(SBR)50重量%溶液4.0gを遊星型ミキサーで混合し、固形分50%になるように負極スラリーを調製した。この負極スラリーを塗工機で厚み10μmの電解銅箔上にコーティングを行い、120℃で乾燥後、ロールプレス処理を行い、負極活物質7mg/cm2の負極1を得た。
負極活物質、導電剤、増粘剤、及び結着剤の種類及び添加量を下記表1に示す通りに変更した以外は負極1と同様に製造し負極2ないし21を得た。
正極活物質であるLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(NMC)100g、導電剤としてカーボンブラック(Timcal社製、Super−P)を7.8g、増粘剤としてセルロース繊維1の1重量%水分散体50g、結着剤としてスチレン・ブタジエンゴム水分散物(SBR)の50重量%溶液4.0gを遊星型ミキサーで混合し、固形分50%になるように正極スラリーを調製した。この正極スラリーを塗工機で集電体である厚み20μmのアルミニウム箔上にコーティングを行い、130℃で乾燥後、ロールプレス処理を行い、正極活物質13.8mg/cm2の正極を得た。
負極活物質、導電剤、増粘剤、結着剤、及び集電体の種類、添加量を表2に示すとおりに変更した以外は正極1と同様に製造し、正極2ないし18を得た。
得られた電極について以下の項目について評価を実施した。評価結果を表1及び表2に示す〔実施例1ないし24、比較例1ないし17〕。
上記で得られた電極の塗工面を外側に180℃折り曲げて戻した後に、塗工面の活物質の脱落した面積の程度を目視で判断した。
評価基準:
5点:0%脱落
4点:25%脱落
3点:50%脱落
2点:75%脱落
1点:100%脱落
上記で得られた電極をEC(エチレンカーボネート)/PC(プロピレンカーボネート)/DMC(ジメチルカーボネート)/EMC(エチルメチルカーボネート)/DEC(ジエチルカーボネート)=1/1/1/1/1(vol)の混合溶剤に60℃、7日後浸漬後の塗膜外観を目視で判断した。
評価基準:
○ :塗膜に変化無し
△ :塗膜に膨れ数点発生
× :塗膜が剥がれる。
上記で得られた電極の5cm×5cmの範囲を観察し、目視で確認できる凝集物の有無を判断した。
評価基準:
○ :凝集物が確認できない
△ :1〜5つの凝集物が確認できる。
× :5つ以上の凝集物が確認できる。
上記で得られた電極断面の活物質密度分布を電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)にて測定して、活物質密度の厚さ方向のバラツキを評価した。
評価基準:
○ :±5%以内
△ :±5%超10%未満
× :±10%以上
得られた電極の5cm×5cmの範囲を観察し、目視で確認できるスジ、ピンホールの有無を判断した。
評価基準
○:スジまたはピンホールが確認できない
×:スジまたはピンホールが確認できる
〔実施例25ないし41、比較例18ないし25〕
上記で得られた正極、負極を下記表3のように組み合わせて、電極間にセパレータとしてポリオレフィン系(PE/PP)セパレータを挟んで積層し、各正負極に正極端子と負極端子を超音波溶接した。この積層体をアルミラミネート包材に入れ、注液用の開口部を残しヒートシールした。正極面積18cm2、負極面積19.8cm2とした注液前電池を作製した。次にエチレンカーボネートとジエチルカーボネート(30/70vol比)とを混合した溶媒にLiPF6(1.0mol/L)を溶解させた電解液を注液し、開口部をヒートシールし、評価用電池を得た。
作製したリチウム二次電池について、20℃における性能試験を行った。試験方法は下記の通りである。試験結果を表5に示す。
セルインピーダンスは、インピーダンスアナライザー(ZAHNER社製)を用いて、周波数1kHzでの抵抗値を測定した。
充放電サイクル特性は、以下の条件で測定した。
正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2或いはLiMn2O4、負極活物質として天然黒鉛を使用した場合は、1C相当の電流密度で4.2VまでCC(定電流)充電を行い、続いて4.2VでCV(定電圧)充電に切り替え、1.5時間充電したのち、1C相当の電流密度で2.7VまでCC放電するサイクルを20℃で300サイクル行い、このときの初回1C放電容量に対する300サイクル後1C放電容量比を1C充放電サイクル保持率とした。
Claims (6)
- セルロース繊維を含有する蓄電デバイスの電極塗工液用増粘・安定剤であって、上記セルロース繊維のセルロース分子中の水酸基にカルボキシメチル基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下であり、
上記セルロースがI型及び/又はII型の結晶構造を有し、
上記セルロース繊維のアスペクト比が50以上であり、
上記セルロース繊維の数平均繊維幅が2nm以上500nm以下であることを特徴とする蓄電デバイスの電極塗工液用増粘・安定剤。 - 請求項1に記載の電極塗工液用増粘・安定剤を含有することを特徴とする蓄電デバイス用塗工液組成物。
- 上記セルロース繊維の含有量が蓄電デバイス用塗工液組成物の固形分100質量%に対し0.05質量%以上5.00質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の蓄電デバイス用塗工液組成物。
- 請求項2又は3に記載の蓄電デバイス用塗工液組成物を使用して製造されたことを特徴とする蓄電デバイス用電極。
- 活物質密度の厚み方向のバラツキが±5%以内であることを特徴とする請求項4に記載の蓄電デバイス用電極。
- 請求項4又は5に記載の電デバイス用電極を使用することを特徴とする蓄電デバイス。
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