JP6572082B2 - 磁気ディスク基板用研磨組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスク基板 - Google Patents
磁気ディスク基板用研磨組成物、磁気ディスク基板の製造方法および磁気ディスク基板 Download PDFInfo
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Description
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、シリカ粒子を含む砥粒を用いて高い研磨レートを発揮し得る磁気ディスク基板用研磨組成物を提供することを目的とする。関連する他の目的は、かかる研磨組成物を用いて磁気ディスク基板を製造する方法および該方法により製造された磁気ディスク基板を提供することである。さらに他の目的は、上記研磨組成物を用いる磁気ディスク基板の研磨方法を提供することである。
ここに開示される研磨組成物は、磁気ディスク基板に供給されて該磁気ディスク基板の研磨に用いられる磁気ディスク基板用(好ましくは一次研磨用)の研磨組成物であって、シリカ粒子を含む砥粒を含有する。この砥粒は、研磨前後における粒子径の変化が少ない。すなわち、上記研磨組成物中における砥粒の体積平均粒子径をDaとし、上記研磨組成物を用いてニッケルリンめっき基板を研磨する標準研磨試験後における砥粒の体積平均粒子径をDbとして、
次式:X=(Db/Da)×100;
により算出される粒子径変化率Xが、80%以上115%以下である。このことによって、高い研磨レートが実現され得る。
[研磨条件]
研磨装置:システム精工株式会社製の両面研磨機、型式「9.5B−5P」
研磨パッド:FILWEL社製のポリウレタンパッド、商品名「CR200」
Ni−P基板の投入枚数:15枚(5枚/キャリア ×3キャリア)
研磨液の供給レート:135mL/分
研磨荷重:120g/cm2
上定盤回転数:27rpm
下定盤回転数:36rpm
サンギヤ(太陽ギヤ)回転数:8rpm
研磨量:各基板の両面の合計で約2.2μmの厚さ(取り代あわせ加工)
研磨対象物:ニッケルリンめっき基板(直径3.5インチ、厚さ1.75mm)
シリカ粒子を1重量%含む分散液を、塩酸でpH3.5〜3.8に調整した後、濃度0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液でpH4.0に調整したものを滴定用サンプルとする。上記滴定用サンプルを、濃度0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH4.0〜pH9.0の範囲で滴定し、このときの滴定量と上記シリカ粒子のBET比表面積の値とからシラノール基密度[個/nm2]を算出する。
(水)
ここに開示される研磨組成物は、典型的には、上述のような砥粒の他に、該砥粒を分散させる水を含有する。水としては、イオン交換水(脱イオン水)、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。
ここに開示される研磨組成物は、研磨促進剤として酸を含む態様で好ましくされ得る。好適に使用され得る酸の例としては、無機酸や有機酸(例えば、炭素原子数が1〜10程度の有機カルボン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸、アミノ酸等)が挙げられるが、これらに限定されない。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;上記で例示した有機酸のアルカリ金属塩;その他、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり得る。
ここに開示される研磨組成物には、必要に応じて酸化剤を含有させることができる。酸化剤の例としては、過酸化物、硝酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。
研磨組成物には、必要に応じて塩基性化合物を含有させることができる。ここで塩基性化合物とは、研磨組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。塩基性化合物の例としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩や炭酸水素塩、第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン、リン酸塩やリン酸水素塩、有機酸塩等が挙げられる。塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭酸塩や炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム;このような水酸化第四級アンモニウムのアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩);等が挙げられる。
アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類、等が挙げられる。
リン酸塩やリン酸水素塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
有機酸塩の具体例としては、クエン酸カリウム、シュウ酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、酒石酸アンモニウム等が挙げられる。
ここに開示される研磨組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤、水溶性高分子、分散剤、キレート剤、防腐剤、防カビ剤等の、研磨組成物(例えば、Ni−P基板等のような磁気ディスク基板用の研磨組成物)に使用され得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリアクリル酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、およびこれらの塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の他の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸;およびこれらの塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
ここに開示される研磨組成物のpHは特に制限されない。研磨組成物のpHは、例えば、12.0以下(典型的には0.5〜12.0)とすることができ、10.0以下(典型的には0.5〜10.0)としてもよい。研磨レートや面精度等の観点から、研磨組成物のpHは、7.0以下(例えば0.5〜7.0)とすることができ、5.0以下(典型的には1.0〜5.0)とすることがより好ましく、4.0以下(例えば1.0〜4.0)とすることがさらに好ましい。研磨組成物のpHは、例えば3.0以下(典型的には1.0〜3.0、好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.8)とすることができる。上記pHは、例えば、ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板の研磨用(特に一次研磨用)の研磨組成物に好ましく適用され得る。
ここに開示される研磨組成物は、例えば、基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板(Ni−P基板)の研磨に好ましく適用され得る。上記基材ディスクは、例えば、アルミニウム合金製、ガラス製、ガラス状カーボン製等であり得る。このような基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層以外の金属層または金属化合物層を備えたディスク基板であってもよい。なかでも、アルミニウム合金製の基材ディスク上にニッケルリンめっき層を有するNi−P基板用の研磨組成物として好適である。かかる用途では、ここに開示される技術を適用することが特に有意義である。
ここに開示される研磨組成物は、磁気ディスク基板に供給される前には濃縮された形態(すなわち、研磨液の濃縮液の形態)であってもよい。このように濃縮された形態の研磨組成物(濃縮液)は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば、体積換算で1.5倍〜50倍程度とすることができ、通常は2倍〜20倍程度が適当である。かかる濃縮液は、所望のタイミングで希釈して研磨組成物(研磨液)を調製し、その研磨液を磁気ディスク基板に供給する態様で使用することができる。上記希釈は、典型的には、上記濃縮液に水を加えて混合することにより行うことができる。また、研磨組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨組成物の構成成分のうち一部の成分を含むA液と、残りの成分を含むB液とが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。
ここに開示される研磨組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、研磨対象物(ここでは磁気ディスク基板)の研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨組成物を用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な一態様につき説明する。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨組成物を研磨液として用意する。上記研磨液を用意することには、前記濃縮液に濃度調整(例えば希釈)やpH調整等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。
体積粒度分布が異なる複数種類のシリカ粒子を用意した。これらのシリカ粒子を単独でまたは組み合わせて含む砥粒と、リン酸と、31%過酸化水素水と、脱イオン水とを混合して、リン酸を12.5g/L、31%過酸化水素水を40g/L含む例1〜9の研磨組成物を調製した。研磨組成物における砥粒の含有量は、例1〜4、8を45g/L、例5〜7、9を62g/Lとした。研磨組成物のpHは、例1〜5、7〜9が1.5、例6が2.1であった。
各例に係る研磨組成物をそのまま研磨液に使用して、下記の条件で、研磨対象物を研磨する標準研磨試験を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板を使用した。上記研磨対象物(以下「Ni−P基板」ともいう。)の直径は3.5インチ(外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型)、厚さは1.75mmであり、研磨前における表面粗さRa(Schmitt Measurement System Inc.社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS−3000WRC」により測定したニッケルリンめっき層の算術平均粗さ)は130Åであった。
研磨装置:システム精工株式会社製の両面研磨機、型式「9.5B−5P」
研磨パッド:FILWEL社製のポリウレタンパッド、商品名「CR200」
Ni−P基板の投入枚数:15枚(5枚/キャリア ×3キャリア)
研磨液の供給レート:135mL/分
研磨荷重:120g/cm2
上定盤回転数:27rpm
下定盤回転数:36rpm
サンギヤ(太陽ギヤ)回転数:8rpm
研磨量:各基板の両面の合計で約2.2μmの厚さ(取り代あわせ加工)
各例に係る研磨組成物を用いて上記標準研磨試験でNi−P基板を研磨したときの研磨レートを算出した。研磨レートは、次の計算式に基づいて求めた。
研磨レート[μm/min]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm2]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm3]×研磨時間[min])×104
得られた値を、比較例1の研磨レートを1としたときの相対値に換算して表1の「研磨レート」の欄に示す。
KLA Tencor社(米国)製の「Optiflat III」を使用して、研磨後のNi−P基板の中心から半径20mm〜44mmの範囲についてカットオフ値5mmの条件で測定した算術平均うねり(Wa)の値を測定した。そして、得られた測定値が5Å未満のものを「○」、5Å以上のものを「△」と評価した。結果を表1の「うねり」の欄に示す。
Claims (7)
- 磁気ディスク基板に供給されて該磁気ディスク基板の研磨に用いられる磁気ディスク基板用研磨組成物であって、
砥粒と水とを含み、
前記砥粒は、少なくともシリカ粒子を含み、
前記研磨組成物中における前記砥粒の体積平均粒子径をDaとし、
前記研磨組成物を用いてニッケルリンめっき基板を研磨する標準研磨試験後における前記砥粒の体積平均粒子径をDbとして、次式:
X=(Db/Da)×100;
により算出される粒子径変化率Xが、80%以上115%以下である、磁気ディスク基板用研磨組成物。 - 前記粒子径変化率Xは90%以上である、請求項1に記載の磁気ディスク基板用研磨組成物。
- pHが5以下である、請求項1または2に記載の磁気ディスク基板用研磨組成物。
- 仕上げ研磨工程の前工程で用いられる、請求項1〜3の何れか一つに記載の磁気ディスク基板用研磨組成物。
- 磁気ディスク基板を製造する方法であって、
請求項1〜4の何れか一つに記載の磁気ディスク基板用研磨組成物を用いて磁気ディスク基板を研磨する工程(1)を包含する、磁気ディスク基板製造方法。 - 前記工程(1)の後に、コロイダルシリカを含む仕上げ研磨用組成物を用いて前記磁気ディスク基板を研磨する工程(2)をさらに含む、請求項5に記載の磁気ディスク基板製造方法。
- 請求項1〜4の何れか一つに記載の磁気ディスク基板用研磨組成物を磁気ディスク基板に供給して該磁気ディスク基板を研磨する、磁気ディスク基板研磨方法。
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