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JP6582482B2 - 衛生用紙およびその製造方法 - Google Patents
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本発明は、少なくとも3枚の薄葉紙を相互に重ね合わせ、これらを一括して二つ折りすることよって形成される二つ折りのシートを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせた衛生用紙およびその製造方法に関する。
ティシュペーパーやキッチンペーパーなどの衛生用紙においては、水分の裏抜けを防止すると共に風合いの向上を目的として、複数枚、一般的には2枚の薄葉紙を重ね合わせた2プライ構成のものが多くなっている。近年、さらなる風合いの向上などを企図して3枚以上の薄葉紙を重ね合わせた3プライまたは4プライ構成の衛生用紙が高級ティシュカートンとして市販されている。
このような高級ティシュカートンに採用される3プライまたは4プライ構成のティシュペーパーを構成する個々の薄葉紙は、2プライ構成のものよりも坪量を小さくする必要があるため、個々の薄葉紙の強度を維持する目的で、パルプ繊維を叩解して薄葉紙を抄造することが一般的となっている。
特開平5−124770号公報 特開2012−34868号公報
ティシュカートンにおいては、個々のティシュペーパーを二つ折りにし、これら二つ折りのティシュペーパーを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせて箱詰めが行われる。この場合、3枚以上の薄葉紙を重ね合わせた3プライまたは4プライ構成のティシュペーパーを引用文献1や引用文献2などで周知のロータリー式インターホルダーを用いて二つ折りにして箱詰めしようとすると、次のような問題が生ずる。
すなわち、3本または4本の原反ロールからそれぞれ引き出される薄葉紙をロータリー式インターホルダーに送り込むと、このロータリー式インターホルダーでは、3枚または4枚の薄葉紙を相互に重ね合わせた状態で個々のティシュペーパーの寸法に連続的に切断する。切断されたティシュペーパーは、抄紙方向に対して直交する方向に二つ折りされ、次に二つ折りされるティシュペーパーを挟み込んだ状態で順に重ね合わせて行く。上述したように、叩解したパルプ繊維を抄造して得られる3プライまたは4プライ構成のティシュペーパーにおいては、ティシュペーパーを二つ折りにした時に元の状態に戻ろうとする復元力が2プライ構成のティシュペーパーよりも相対的に大きくなる傾向を持つ。従って、これらを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせると、相互に重なり合うべきティシュペーパーの端縁が相互に整合せず、包装や箱詰めのための搬送中に一部のティシュペーパーの端縁が搬送機器に引っ掛かり、正常な搬送ができなくなってしまうおそれがある。また、箱詰めの際に最上部に位置するティシュペーパーが箱の開口端に引っ掛かってこの最上部に位置するティシュペーパーにしわが生じ、商品価値を低下させてしまう可能性もある。
本発明の目的は、ロータリー式インターホルダーを用いて上述した3プライまたは4プライ構成のティシュペーパーを箱詰めする際に生ずる上述の問題を解消した商品価値の高いティシュカートンを製造し得る衛生用紙を提供することにある。また、このようなティシュカートンを製造し得る方法を提供することも本発明の目的に含まれる。
本発明の第1の形態は、少なくとも3枚の薄葉紙を相互に重ね合わせ、これらを一括して二つ折りすることよって形成される二つ折りのシートを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせた衛生用紙であって、前記二つ折りのシートの折り曲げ線は、個々の前記薄葉紙の抄紙方向に対して直交する方向に形成され、前記抄紙方向に沿った前記シートの引っ張り強さに対し、前記抄紙方向に対して直交する方向に沿った前記シートの引っ張り強さの割合が0.2以下であり、前記抄紙方向に沿った前記シートのKESによる曲げヒステリシス(2HB)が0.012gf・cm/cmから0.020gf・cm/cmまでの範囲にあることを特徴とするものである。
抄紙方向に沿ったシートの引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったシートの引っ張り強さの割合が0.2を越えると、抄紙方向に対して直交する方向に折り曲げ線が形成されるようにシートを二つ折りにした時に元の状態に戻ろうとする復元力が相対的に大きい傾向を持つ。同様に、抄紙方向に沿ったシートのKESによる曲げヒステリシスが0.012gf・cm/cmを下回ると、抄紙方向に対して直交する方向に折り曲げ線が形成されるようにシートを二つ折りにした時に元の状態に戻ろうとする復元力が相対的に大きい傾向を持つ。何れの場合も、複数枚の二つ折りのシートを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせた場合、相互に重なり合うべき複数枚のシートの端縁が相互に整合せず、包装や箱詰めのための搬送中に一部のシートの端縁が搬送機器に引っ掛かってしまう可能性が生じ、正常な搬送ができなくなってしまうおそれがある。また、箱詰めの際に最上部に位置するシートが箱の開口端に引っ掛かってこのシートにしわが生じ、商品価値を低下させてしまう可能性もある。
逆に、抄紙方向に沿ったシートのKESによる曲げヒステリシスが0.020gf・cm/cmを越えると、抄紙方向に対して直交する方向に折り曲げ線が形成されるようにシートを二つ折りにした時に元の状態に戻ろうとする復元力がほとんどなくなってしまう。このため、複数枚の二つ折りのシートを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせた場合、嵩が出にくく、ふんわり感に劣ったシート束になってしまう。
本発明の第2の形態は、少なくとも3本の薄葉紙の原反ロールから薄葉紙をそれぞれ引き出してロータリー式インターホルダーに供給し、少なくとも3枚の薄葉紙からなる二つ折りのシートを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせる方法であって、パルプを含む原料を叩解せずに抄紙機に供給するステップを具え、ロータリー式インターホルダーにて作られる少なくとも3枚の薄葉紙からなる二つ折りのシートは、この二つ折りのシートをそれぞれ構成する薄葉紙の抄紙方向に対して直交する方向に折り曲げ線が形成されるように折り曲げたものであり、前記抄紙方向に沿った前記シートの引っ張り強さに対し、前記抄紙方向に対して直交する方向に沿った前記シートの引っ張り強さの割合が0.2以下であり、前記抄紙方向に沿った前記シートのKESによる曲げヒステリシスが0.012gf・cm/cmから0.020gf・cm/cmまでの範囲にあることを特徴とするものである。
本発明においては、パルプを含む原料をリファイナーやビーターなどの叩解機を通さずに抄紙機へと供給し、ワイヤーの移動速度に対する紙料の供給速度の割合、すなわちJ/W比を調整しながら抄紙方向に沿ったシートの引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったシートの引っ張り強さの割合が0.2以下かつ抄紙方向に沿ったシートのKESによる曲げヒステリシスが0.012gf・cm/cmから0.020gf・cm/cmまでの範囲となるように薄葉紙を抄造し、薄葉紙の原反ロールを得る。
本発明の第1の形態による衛生用紙および第2の形態による方法において、抄紙方向に沿ったシートの引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったシートの引っ張り強さの割合が0.1よりも小さくなると、衛生用紙として要求される強度を維持することが困難となる。従って、抄紙方向に沿ったシートの引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったシートの引っ張り強さの割合が0.1以上であることが好ましい。
本発明の衛生用紙によると、相互に重なり合うべき複数枚のシートの端縁を相互に整合させ、搬送時や箱詰めの際に発生していた従来の不具合を回避し、ふんわり感のある充分な嵩高さにて二つ折りのシートを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせることができる。
本発明の方法によると、パルプを含む原料を叩解せずに抄紙機に供給するようにしたので、抄造される薄葉紙の物理的特性を比較的容易に所定範囲に収めて本発明による衛生用紙を提供することが可能となる。
抄紙方向に沿ったシートの引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったシートの引っ張り強さの割合を0.1以上とした場合、衛生用紙として要求される強度を維持することができる。
本発明による衛生用紙をティシュカートンに適用した一実施形態の外観を一部破断状態で表す立体投影図である。 図1に示した実施形態において、二つ折りシートの重ね合わせ状態を模式的に表す概念図である。 個々の二つ折りシートを構成する一枚のティシュの外観を模式的に表す立体投影図である。
本発明を3プライ構成のティシュペーパーによるティシュカートンに応用した実施形態について、図1〜図3を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施形態のみに限定されない。少なくとも3枚以上の薄葉紙を相互に重ね合わせ、これらを抄紙方向に対して直交する折れ線にて一括して二つ折りすることより形成される二つ折りのシートを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせた衛生用紙や、その製造方法に対して応用することが可能である。
本実施形態におけるティシュカートンの外観を一部破断して図1に模式的に示す。直方体形状をなすティシュカートン10の上面部には、予め細長い枠状に形成したミシン目を利用してティシュカートン10の使用時に除去することができる蓋板部10aと、これを除去することによって形成される開口部10bとが形成されている。また、この開口部10bを覆う樹脂フィルム11がティシュカートン10の内側から予め接合されており、樹脂フィルム11には、ティシュカートン10の内部に収容されたティシュペーパー束12Bから1枚ずつティシュペーパー12を取り出すためのスリット状開口部11aが形成されている。
ティシュカートン10に収容されたティシュペーパー束12Bの重なり状態を模式的に図2に示し、その一部を抽出拡大して図3に示す。すなわち、本実施形態における個々のティシュペーパー12は3枚の薄葉紙12aからなり、ティシュペーパー束12Bは特許文献1や特許文献2などで周知のロータリー式インターホルダーを用いて作られる。このため、個々のティシュペーパー12は、それぞれ二つ折りのティシュペーパー12の折り曲げ線Lに対して直交する方向に沿って抄紙された状態となっている。
ティシュペーパー12を構成する3枚の薄葉紙12aは、抄紙方向、すなわちパルプ繊維の配列方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さの割合が0.1から0.2までの範囲となり、かつ抄紙方向に沿ったティシュペーパー12のKESによる曲げヒステリシス(2HB)が0.012gf・cm/cmから0.020gf・cm/cmまでの範囲となるように抄紙される。
抄紙方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さの割合が0.2を越えると、ティシュペーパー12を二つ折りにした時に元の状態に戻ろうとする復元力が相対的に大きい傾向を持つ。同様に、抄紙方向に沿ったティシュペーパー12のKESによる曲げヒステリシスが0.012gf・cm/cmを下回ると、ティシュペーパー12を二つ折りにした時に元の状態に戻ろうとする復元力が相対的に大きい傾向を持つ。何れの場合においても、二つ折りのティシュペーパー12を相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせると、相互に重なり合うべきティシュペーパー束12Bの端縁が相互に整合せず、包装や箱詰めのための搬送中に一部のティシュペーパー12の端縁が搬送機器に引っ掛かってしまう可能性が生じ、正常な搬送ができなくなってしまうおそれがある。しかも、箱詰めの際に最上部に位置するティシュペーパー12がティシュカートン10の開口端に引っ掛かってこのティシュペーパー12にしわが生じ、商品価値を低下させてしまう可能性もある。
従って、抄紙方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さの割合が0.2以下であることが有効である。同様に、抄紙方向に沿ったティシュペーパー12のKESによる曲げヒステリシスは0.012gf・cm/cm以上であることが有効である。
しかしながら、抄紙方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さの割合が0.1を下回ると、衛生用紙として要求される強度が不足して実用性がほとんどなくなってしまう。従って、抄紙方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さに対し、抄紙方向に対して直交する方向に沿ったティシュペーパー12の引っ張り強さの割合が0.1から0.2までの範囲にあることが特に好ましい。
また、抄紙方向に沿ったティシュペーパー12のKESによる曲げヒステリシスが0.020gf・cm/cmを越えると、ティシュペーパー12を二つ折りにした時に元の状態に戻ろうとする復元力がほとんどなくなってしまう。このため、二つ折りのティシュペーパー12を相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせた場合、嵩が出にくく、ふんわり感に劣ったティシュペーパー12になってしまう。従って、抄紙方向に沿ったティシュペーパー12のKESによる曲げヒステリシスは0.012gf・cm/cmから0.020gf・cm/cmまでの範囲にあることが特に好ましい。
このような物理的特性を持ったティシュペーパー12となり得る薄葉紙12aは、パルプ繊維を叩解せずに抄紙することによって容易に製造することができる。すなわち、パルプ繊維を叩解せずに薄葉紙12aを抄造すると、薄葉紙12aの抄造方向に沿ってパルプ繊維の長手方向が配列しやすくなり、パルプ繊維相互の絡み合いが少なくなる結果、得られる薄葉紙12aの強度がパルプ繊維を叩解して抄造した場合よりも低下する傾向を持つ。しかしながら、本発明においては3プライ以上の構成のティシュペーパー12とすることで、パルプ繊維を叩解しないパルプ繊維を用いた場合であってもティシュペーパー12としての必要な強度を確保することが可能である。
このティシュペーパー12に保湿成分を添加することも可能である。このような保湿成分としては、シリコーンオイルやシリコーンパウダーなどのポリシロキサン,グリセリンやプロピレングリコールなどの多価アルコール,ソルビトールやグルコースなどの糖類,セタノールやオレイルアルコールなどの高級アルコール,流動パラフィンやグリコール系溶剤およびその誘導体などを一般的に用いることができるが、これらに限定されない。これらの保湿成分をその特性に応じて抄紙時または原反ロールの製造時に添加することができる。
なお、本発明はその特許請求の範囲に記載された事項のみから解釈されるべきものであり、上述した実施形態においても、本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が記載した事項以外に可能である。つまり、上述した実施形態におけるすべての事項は、本発明を限定するためのものではなく、本発明とは直接的に関係のない構成を含め、その用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
10 ティシュカートン
10a 蓋板部
10b 開口部
11 樹脂フィルム
11a スリット状開口部
12 ティシュペーパー
12a 薄葉紙
12B ティシュペーパー束
L 折り曲げ線

Claims (4)

  1. 少なくとも3枚の薄葉紙を相互に重ね合わせ、これらを一括して二つ折りすることよって形成される二つ折りのシートを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせた衛生用紙であって、
    前記二つ折りのシートの折り曲げ線は、個々の前記薄葉紙の抄紙方向に対して直交する方向に形成され、
    前記抄紙方向に沿った前記シートの引っ張り強さに対し、前記抄紙方向に対して直交する方向に沿った前記シートの引っ張り強さの割合が0.2以下であり、
    前記抄紙方向に沿った前記シートのKESによる曲げヒステリシスが0.012gf・cm/cmから0.020gf・cm/cmまでの範囲にあることを特徴とする衛生用紙。
  2. 前記抄紙方向に沿った前記シートの引っ張り強さに対し、前記抄紙方向に対して直交する方向に沿った前記シートの引っ張り強さの割合が0.1以上であることを特徴とする請求項1に記載の衛生用紙。
  3. 少なくとも3本の薄葉紙の原反ロールから薄葉紙をそれぞれ引き出してロータリー式インターホルダーに供給し、少なくとも3枚の薄葉紙からなる二つ折りのシートを相互に順に挟み込んだ状態で重ね合わせる方法であって、
    パルプを含む原料を叩解せずに抄紙機に供給するステップを具え、ロータリー式インターホルダーにて作られる少なくとも3枚の薄葉紙からなる二つ折りのシートは、この二つ折りのシートをそれぞれ構成する薄葉紙の抄紙方向に対して直交する方向に折り曲げたものであり、
    前記抄紙方向に沿った前記シートの引っ張り強さに対し、前記抄紙方向に対して直交する方向に沿った前記シートの引っ張り強さの割合が0.2以下であり、
    前記抄紙方向に沿った前記シートのKESによる曲げヒステリシスが0.012gf・cm/cmから0.020gf・cm/cmまでの範囲にあることを特徴とする方法。
  4. 前記抄紙方向に沿った前記シートの引っ張り強さに対し、前記抄紙方向に対して直交する方向に沿った前記シートの引っ張り強さの割合が0.1以上であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
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