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JP6582916B2 - 倒立二輪型移動体 - Google Patents
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JP6582916B2 - 倒立二輪型移動体 - Google Patents

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Description

本発明は、倒立二輪型移動体に関し、特に、搭乗者のバランス感覚の訓練に使用される倒立二輪型移動体に関する。
倒立二輪型移動体は、構造上不安定な乗り物であるため、搭乗者が乱暴な操作を行うとモータの出力が不足し、転倒するリスクが高い。このため、モータの出力性能を高くすることで転倒回避を行うことが一般的であるが、出力性能を高くしても、あらゆる転倒を抑えることは困難である。
また、このような倒立二輪型移動体では、搭乗者の感性のみでモータの出力性能の限界を感じ取ることは困難であるため、搭乗者は気付かぬうちに限界出力以上の操作をすることで転倒してしまう事例が多く発生していた。
また、倒立二輪型移動体を搭乗者のリハビリに使用する場合、転倒回避は補助者に委ねられることが一般的である。しかし、補助者はモータの限界出力を知るすべがないため、想定されるあらゆるユースケースに対して転倒を回避できるスペックをモータに持たせるか、もしくは、吊り具等によって転倒した場合における体を強打する等の危険を回避する以外に有効な手段がなかった。
特許文献1には、倒立二輪型移動体の移動速度が制限値以上である場合に、警報音等によって制限値に達していることを報知する技術が開示されている。
特許文献2には、倒立二輪型移動体の走行速度が所定の速度を超過したときに、ハンドルの傾動の角速度が正の方向である場合に警告を発する技術が開示されている。
特開2012−240484号公報 特開2013−144511号公報
特許文献1又は2に開示された技術により、倒立二輪型移動体が転倒しやすい状態にあることを搭乗者や補助者に警告することができる。しかし、実際の転倒につながる性能は、モータの出力(W)によって決まるものである。このため、速度やハンドルの傾きだけで警告を行う特許文献1又は2に開示された手法では、実際のモータの限界出力との乖離が激しく、且つ警告を発生した時点では既に転倒を回避できない状況になっていることもあるという問題があった。
また、バッテリーを使用するシステムでは、バッテリーの残量や温度によって限界性能は逐次変化する。このため、予め限界性能を設定する構成では、最悪条件を想定して限界性能を設定せざるを得ず、モータの性能を最大限発揮することができないという問題があった。
さらに、警告の有無をデジタル的に呈示するだけでは、どの程度転倒に近いかを把握させることが困難であるという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、限界性能が逐次変化するモータにより駆動される倒立二輪型移動体の走行状態が、どの程度転倒に近いかを搭乗者や補助者に把握させることができる倒立二輪型移動体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の態様は、搭乗者の重心移動に応じて動作する倒立二輪型移動体が、車輪を駆動させるためのモータと、前記モータの状態を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果をもとに前記モータの出力を導出するモータ出力導出手段と、前記モータの出力が飽和する限界出力を算出する限界出力算出手段と、前記限界出力算出手段によって算出された限界出力に対する、前記モータ出力導出手段によって導出されたモータ出力の割合を算出する割合算出手段と、前記モータ出力の割合の時間変化量、前記モータ出力の時間変化量、前記搭乗者の状態、及び前記搭乗者の操作意図の推定結果の何れかに応じて、前記割合の補正が必要であるか否かを判定し、必要であると判定した場合に前記割合を補正する補正手段と、前記補正手段から出力される割合を、表示、音、光、及び振動の少なくとも何れかによって表現することにより周囲に報知する報知手段と、を備えるものである。この態様によれば、限界性能が逐次変化するモータにより駆動される倒立二輪型移動体の走行状態が、どの程度転倒に近いかを搭乗者や補助者に把握させることができる倒立二輪型移動体を提供することができる。
本発明によれば、限界性能が逐次変化するモータにより駆動される倒立二輪型移動体の走行状態が、どの程度転倒に近いかを搭乗者や補助者に把握させることができる倒立二輪型移動体を提供することができる。
本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体の概略的な構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体の概略的なシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかるモータの出力が飽和する限界出力について説明する図である。 本発明の実施の形態1にかかるモータの出力について説明する図である。 本発明の実施の形態1にかかるモータ出力の割合の算出手法について説明する図である。 本発明の実施の形態1にかかる報知動作の表示例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる報知動作を音により行う例を説明するグラフである。 本発明の実施の形態1にかかる報知動作を光により行う例を説明するグラフである。 本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる倒立二輪型移動体の概略的なシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2にかかる倒立二輪型移動体の処理を示すフローチャートである。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体の概略的な構成を示す斜視図である。本実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体100は、倒立状態を維持しつつ搭乗者の重心移動に応じて、前後進、左右旋回、加減速などの走行を行うことができる同軸二輪車として構成されている。倒立二輪型移動体100は、車両本体1と、車両本体1に回転可能に連結された左右一対の車輪2R、2Lと、車両本体1に操作可能に設けられた操作ハンドル3と、車両本体1に設けられ搭乗者が搭乗可能な左右一対のステップ部4R、4Lと、を備えている。
操作ハンドル3は、これを前後方向に傾けることによって、倒立二輪型移動体100の前進又は後退操作が実行され、ロール方向(左右方向)へ傾けることによって、倒立二輪型移動体100の旋回操作が実行される操作部である。
車両本体1は、操作ハンドル3をロール方向へ回転自在に支持する。また、一対の車輪2R、2Lは、車両本体1の走行方向と直交する方向の両側において同軸上に配置されると共に当該車両本体1に回転自在に支持されている。
車両本体1の上面には、操作ハンドル3の左右両側に一対のステップ部4R、4Lが設けられている。各ステップ部4R、4Lは、搭乗者が片足ずつ乗せて搭乗するステップである。
車両本体1は、例えば、互いに平行をなして上下に配置された車体上部材及び車体下部材と、互いに平行をなして左右に配置されると共に車体上部材及び車体下部材と回動可能に連結された一対の側面部材と、を有する平行リンク機構として構成されている。なお、上述した倒立二輪型移動体100の構成は一例であり、これに限らず、例えば、操作ハンドル3を有しない構成でもよく、倒立状態を維持しつつ搭乗者の重心移動に応じて走行する任意の移動体に適用可能である。
続いて、図2のブロック図を用いて、本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体の概略的なシステム構成について説明する。本実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体100は、制御装置5と、左右一対の駆動回路6R、6Lと、左右一対のモータ7R、7Lと、検出部8と、バッテリー9と、報知部10と、を備えている。
駆動回路6R及び6Lは、それぞれモータ7R及び7Lを駆動する回路である。また、モータ7R及び7Lは、それぞれ車輪2R及び2Lを独立して回転駆動するモータである。
検出部8は、モータ7R及び7Lの状態を検出するものである。検出部8は、モータ7R及び7Lの状態として、モータ7R及び7Lの回転数及びトルク値を検出する。モータ7R及び7Lの回転数の検出は、例えばモータ7R及び7Lのそれぞれに対して設けた一対の回転角センサを用いて行う。また、モータ7R及び7Lのトルク値の検出は、例えば、モータ7R及び7Lのそれぞれに対して設けた一対のトルクセンサを用いて行う。なお、モータ7R及び7Lの回転数及びトルク値の検出は、どのような手法で行ってもよい。例えば、モータの相電流値とトルク定数からトルク値を導出してもよい。そして、検出部8は、検出したモータの回転数及びトルク値を制御装置5へ出力する。
バッテリー9は、制御装置5、駆動回路6R及び6L、その他の電子機器、電気装置等に対して電力を供給するものである。バッテリー9には、例えば、リチウムイオンバッテリーが用いられる。
報知部10は、制御装置5からの指示に応じて、周囲への報知動作を行うものである。報知部10については、後に図6〜図8を用いて詳述する。
続いて、制御装置5について説明する。制御装置5は、限界出力算出部11と、モータ出力導出部12と、割合算出部13と、時間変化量算出部14と、補正部15とを備えている。
限界出力算出部11は、バッテリー情報を取得する。ここで、バッテリー情報とは、バッテリー9の残量、温度、劣化度等である。なお、バッテリー9の残量、温度は、それぞれバッテリー電圧計、温度計を用いることにより取得することができる。また、バッテリー9の劣化度は、例えば、現在のバッテリー9の満充電時の電力量を、バッテリー9が劣化していない新品時の満充電電力量で除した値により導出することができる。
また、限界出力算出部11は、取得したバッテリー情報を用いてモータの出力が飽和する限界出力を算出する。そして、限界出力算出部11は、算出した限界出力を割合算出部13へ出力する。
ここで、限界出力について図3を用いて説明する。限界出力は、図3に示す如く、縦軸をトルク値、横軸を回転数としたTN線図上に表現される。TN線図において、第1象限内の領域(回転数>0且つトルク値>0)は、倒立二輪型移動体100の前進方向の力行領域を示しており、第2象限内の領域(回転数<0且つトルク値>0)は、倒立二輪型移動体100の後進方向の回生領域を示している。また、第3象限内の領域(回転数<0且つトルク値<0)は、倒立二輪型移動体100の後進方向の力行領域を示しており、第4象限内の領域(回転数>0且つトルク値<0)は、倒立二輪型移動体100の前進方向の回生領域を示している。
限界出力算出部11は、バッテリー9の残量が少なくなるほど、限界出力の範囲を縮小させる。また、限界出力算出部11は、バッテリー9の温度が低下するほど、限界出力の範囲を縮小させる。さらに、限界出力算出部11は、バッテリー9の劣化が進むほど、限界出力の範囲を縮小させる。
また、限界出力算出部11は、システムに入力される電圧に応じて限界出力を設定してもよい。また、限界出力の値は、図3のようにTN線図上に表現してもよいし、単純に出力(W)としてもよい。
次に、モータ出力導出部12について説明する。モータ出力導出部12は、モータの回転数及びトルク値を検出部8から受け取る。また、モータ出力導出部12は、受け取ったモータの回転数及びトルク値をもとにモータの出力を導出する。そして、モータ出力導出部12は、導出したモータの出力を割合算出部13へ出力する。
ここで、モータの出力について図4を用いて説明する。モータの出力は、図4に示す如く、縦軸をトルク値、横軸を回転数としたTN線図上に、モータの回転数及びトルク値をプロットすることで、図形的に表記することができる。
なお、モータ出力導出部12は、受け取ったモータの回転数(rad/sec)及びトルク値(Nm)を掛け合わせることで、出力(W)を算出することによってモータの出力を導出してもよい。
次に、割合算出部13について説明する。割合算出部13は、限界出力を限界出力算出部11から受け取る。また、割合算出部13は、モータの出力をモータ出力導出部12から受け取る。また、割合算出部13は、受け取った限界出力に対する、受け取ったモータ出力の割合を算出する。そして、割合算出部13は、算出したモータ出力の割合を時間変化量算出部14及び補正部15へ出力する。なお、割合算出部13は、算出したモータ出力の割合ではなく、モータ出力導出部12から受け取ったモータ出力を時間変化量算出部14へ出力してもよい。
ここで、モータ出力の割合の算出手法について図5を用いて説明する。図5には、限界出力算出部11によって算出された限界出力、及びモータ出力導出部12によって導出されたモータ出力が表記されている。図5の例では、搭乗者の操作により、倒立二輪型移動体100が、A、B、Cの順にモータ出力が変化しているものとする。割合算出部13は、下記3つの手法の何れかによってモータ出力の割合を算出する。
1つ目の手法は、それぞれのポイントでの法線と限界出力までの距離を算出し、割合を導出する手法である。例えば、B地点での出力割合は、(X−c)/Xにより算出される。ここで、cは、B地点での法線と限界出力までの距離である。また、Xは任意であり、限界出力範囲内の最も長い距離としてもよい。
2つ目の手法は、中心点から限界出力までの距離に対する、中心点から現在の出力までの距離を算出し、割合を導出する手法である。例えば、A地点での出力割合は、b/aにより算出される。ここで、aは、中心点から限界出力までの距離であり、bは、中心点から現在の出力までの距離である。
3つ目の手法は、限界出力及び現在の出力が、どちらも出力(W)で扱われている場合に、それらの割合を導出する手法である。この場合、出力割合は、現在出力/限界出力により算出される。
次に、時間変化量算出部14について説明する。時間変化量算出部14は、モータ出力の割合を割合算出部13から受け取る。また、時間変化量算出部14は、受け取った出力割合の時間変化量を算出する。そして、時間変化量算出部14は、算出した時間変化量を補正部15へ出力する。
なお、時間変化量算出部14は、モータ出力の割合ではなくモータ出力を割合算出部13から受け取った場合、モータ出力の時間変化量を算出する。この場合、TN線図上の移動量、又は出力(W)の変化量を基準に時間変化量を算出してもよい。例えば、TN線図上の移動量、又は出力(W)の変化量の時間積分を用いるようにしてもよい。
補正部15は、算出された時間変化量を時間変化量算出部14から受け取る。また、補正部15は、モータの出力割合を割合算出部13から受け取る。さらに、補正部15は、受け取った時間変化量に応じて、出力割合の補正が必要であるか否かを判定し、必要であると判定した場合に出力割合を補正する。
例えば、補正部15は、時間変化量が第1の所定値よりも大きい場合、出力割合を大きな値に補正する。また、補正部15は、時間変化量が第1の所定値より小さい第2の所定値よりも小さい場合、出力割合を小さい値に補正する。さらに、補正部15は、時間変化量が、第2の所定値以上且つ第1の所定値以下の場合、出力割合の補正は行わない。
なお、補正量は、一定の割合としてもよいし、一定数値でもよいし、連続的に変化させてもよい。例えば、70%である出力割合について、時間変化量が第1の所定値よりも大きい場合、80%と大きくし、時間変化量が第2の所定値よりも小さい場合、60%と小さくする。
そして、補正部15は、補正を行った場合は、補正後の出力割合を報知部10へ出力する。また、補正部15は、補正を行わなかった場合は、割合算出部13から受け取った出力割合を報知部10へ出力する。
続いて、報知部10の報知動作について、図6〜図8を用いて説明する。報知部10は、モータ出力の割合を補正部15から受け取ることにより、当該割合について報知動作を行うものである。報知部10は、表示、音、光、及び振動の少なくとも何れかによって周囲への報知動作を行う。
図6は、報知動作を表示により行う例を説明するための図である。報知部10は、メータによって報知動作を行う。この場合、図6のようなメータによってビジュアル的にモータ出力の割合を呈示する。なお、メータは、搭乗者や補助者が視認できる場所であればどこに設けてもよい。
図7は、報知動作を音により行う例を説明するための図である。報知部10は、ブザーによって報知動作を行う。この場合、音圧と音色の少なくとも一方を図7のように変化させることによってモータ出力の割合を呈示する。
図8は、報知動作を光により行う例を説明するための図である。報知部10は、表示灯によって報知動作を行う。この場合、輝度と色味の少なくとも一方を図8のように変化させることによってモータ出力の割合を呈示する。なお、表示灯は、搭乗者や補助者が視認できる場所であればどこに設けてもよい。
続いて、図9のフローチャートを用いて、本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体の処理について説明する。
まず、倒立二輪型移動体100は、モータ7R及び7Lのトルク値、回転数を取得する(S101)。次に、倒立二輪型移動体100は、取得したモータ7R及び7Lのトルク値、回転数を用いて、モータの出力を導出する(S102)。
また、倒立二輪型移動体100は、S101を行うと共に、バッテリー9の温度、残量、劣化度を取得する(S103)。次に、倒立二輪型移動体100は、取得したバッテリー9の温度、残量、劣化度を用いて、モータの限界出力を算出する(S104)。
次に、倒立二輪型移動体100は、S104により算出されたモータの限界出力に対する、S102により導出されたモータの出力の割合を算出する(S105)。
次に、倒立二輪型移動体100は、モータの出力の時間変化量を算出する(S106)。なお、時間変化量の算出は、S105により算出されたモータ出力の割合、及びS102により導出されたモータの出力の何れを用いて行ってもよい。
次に、倒立二輪型移動体100は、S106により算出された時間変化量が第2の所定値よりも小さいか否かを判定する(S107)。S107により時間変化量が第2の所定値よりも小さいと判定された場合、S105により算出された出力割合を小さく補正する(S108)。そして、倒立二輪型移動体100は、補正後の出力割合をメータ、音、光、振動の少なくとも何れかによって呈示し(S111)、S101及びS103に戻る。
他方、S107により時間変化量が第2の所定値よりも小さくないと判定された場合、当該時間変化量が第2の所定値より大きい第1の所定値よりも大きいか否かを判定する(S109)。S109により時間変化量が第1の所定値よりも大きいと判定された場合、S105により算出された出力割合を大きく補正する(S110)。そして、倒立二輪型移動体100は、補正後の出力割合をメータ、音、光、振動の少なくとも何れかによって呈示し(S111)、S101及びS103に戻る。
他方、S109により時間変化量が第1の所定値よりも大きくないと判定された場合、補正は行わずに、S105により算出された出力割合をメータ、音、光、振動の少なくとも何れかによって呈示し(S111)、S101及びS103に戻る。
なお、図9では、S107の後にS109を行う例について説明しているが、S109の後にS107を行うようにしてもよい。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体では、モータの出力が飽和する限界出力を算出する構成としている。また、算出したモータの限界出力に対する、現在のモータ出力の割合を、表示や音等によって搭乗者や補助者へ報知する構成としている。すなわち、限界性能が逐次変化するモータにより駆動される倒立二輪型移動体の走行状態が、どの程度転倒に近いかを搭乗者や補助者に把握させることができる。このため、搭乗者又は補助者は、倒立二輪型移動体の走行状態がどの程度転倒に近いかを把握しながら搭乗又は補助を行うことができる。
また、本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪型移動体では、モータ出力の時間変化量又はモータの出力割合の時間変化量が、第1の所定値よりも大きい場合は出力割合を大きな値に補正し、第2の所定値よりも小さい場合は出力割合を小さい値に補正する構成としている。このため、時間変化量が大きい、すなわち倒立二輪型移動体が急動作中である場合は、見かけ上、より早いタイミングで転倒に近づいていることを報知することができる。他方、時間変化量が小さい、すなわち倒立二輪型移動体が緩やかな動作中である場合は、見かけ上、より遅いタイミングで転倒に近づいていることを報知することができるため、煩わしさを感じさせることを抑制することができる。
実施の形態2
続いて、本発明の実施の形態2にかかる倒立二輪型移動体について説明する。本発明の実施の形態2は、モータ出力の割合の補正を、患者(搭乗者)の状態に応じて行うものである。なお、実施の形態2については、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
まず、図10を用いて、本発明の実施の形態2にかかる倒立二輪型移動体の概略的なシステム構成について説明する。本実施の形態2にかかる倒立二輪型移動体200は、制御装置16と、左右一対の駆動回路6R、6Lと、左右一対のモータ7R、7Lと、検出部8と、バッテリー9と、報知部10と、を備えている。また、制御装置16は、限界出力算出部11と、モータ出力導出部12と、割合算出部13と、患者状態取得部17と、補正部18とを備えている。なお、患者状態取得部17及び補正部18以外の構成については、図2の構成と同様であるため説明を省略する。
患者状態取得部17は、搭乗者である患者の状態(搭乗者の状態とも呼ぶ)を取得する。ここで、患者の状態とは、患者の症状や回復度のことである。患者の症状や回復度は、患者や補助者が直接機器にインプットして設定するようにしてもよい。また、患者状態取得部17が、車両本体1のピッチ角度とモータ出力との相関関係を用いて、患者の状態を推定するようにしてもよい。そして、患者状態取得部17は、取得した患者の状態を補正部18へ出力する。
ここで、車両本体1のピッチ角度とモータ出力との相関関係を用いて、患者の状態を推定する手法について説明する。
例えば、搭乗者のバランス能力が高い状態のとき、倒立二輪型移動体200と搭乗者とは一体となって動作する。この場合、車両本体1のピッチ角度にモータ出力は追従する。すなわち、車両本体1のピッチ角度とモータ出力とは、高い相関関係にある。
一方、搭乗者のバランス能力が低い状態のとき、倒立二輪型移動体200と搭乗者とはバラバラの動作を行う。この場合、車両本体1のピッチ角度及び外乱(搭乗者のフラツキなど余分な動作)にモータ出力は追従する。すなわち、車両本体1のピッチ角度とモータ出力とは、低い相関関係にある。
したがって、患者状態取得部17は、車両本体1のピッチ角度の時系列データとモータ出力の時系列データと、の相関関係を示す相関係数を算出する。また、患者状態取得部17は、この算出された相関係数によって搭乗者の現状のバランス能力を判断する。さらに、患者状態取得部17は、バランス能力の高い搭乗者については、症状が軽い又は回復度が高い患者と推定し、バランス能力の低い搭乗者については、症状が重い又は回復度が低い患者と推定する。
続いて、補正部18について説明する。補正部18は、患者の状態を患者状態取得部17から受け取る。また、補正部18は、モータ出力の割合を割合算出部13から受け取る。さらに、補正部18は、患者の状態に応じて、出力割合の補正が必要であるか否かを判定し、必要であると判定した場合に出力割合を補正する。
例えば、補正部18は、患者の症状が軽い場合、又は患者の回復度が高い場合に、出力割合を小さな値に補正する。また、補正部18は、患者の症状が重い場合、又は患者の回復度が低い場合に、出力割合を大きな値に補正する。さらに、補正部18は、患者の症状が軽くも重くもない場合、又は患者の回復度が高くも低くもない場合には、出力割合の補正は行わない。
そして、補正部18は、補正を行った場合は、補正後の出力割合を報知部10へ出力する。また、補正部18は、補正を行わなかった場合は、割合算出部13から受け取った出力割合を報知部10へ出力する。
続いて、図11のフローチャートを用いて、本発明の実施の形態2にかかる倒立二輪型移動体の処理について説明する。なお、図11におけるS101〜S105、S111は、図9に示すステップと同様であるため説明を省略する。
S105の後、倒立二輪型移動体200は、患者の状態として、患者の症状又は回復度を取得する(S201)。次に、倒立二輪型移動体200は、患者の症状が軽いか否か、又は患者の回復度が高いか否かを判定する(S202)。S202により患者の症状が軽い、又は患者の回復度が高いと判定された場合、S105により算出された出力割合を小さく補正する(S203)。
他方、S202により患者の症状が軽くない、又は患者の回復度が高くないと判定された場合、患者の症状が重いか否か、又は患者の回復度が低いか否かを判定する(S204)。S204により患者の症状が重い、又は患者の回復度が低いと判定された場合、S105により算出された出力割合を大きく補正する(S205)。
他方、S204により患者の症状が重くない、又は患者の回復度が低くないと判定された場合、補正は行わない。
なお、図11では、S202の後にS204を行う例について説明しているが、S204の後にS202を行うようにしてもよい。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2にかかる倒立二輪型移動体では、実施の形態1と同様に、限界性能が逐次変化するモータにより駆動される倒立二輪型移動体の走行状態が、どの程度転倒に近いかを搭乗者や補助者に把握させることができる。
また、本発明の実施の形態2にかかる倒立二輪型移動体では、患者の症状が重い場合や、患者の回復度が低い場合には、出力割合を大きな値に補正し、患者の症状が軽い場合や、患者の回復度が高い場合には、出力割合を小さな値に補正する構成としている。このため、患者の症状が重い場合や、患者の回復度が低い場合には、見かけ上、より早いタイミングで転倒に近づいていることを報知することができる。他方、患者の症状が軽い場合や、患者の回復度が高い場合には、見かけ上、より遅いタイミングで転倒に近づいていることを報知することができるため、煩わしさを感じさせることを抑制することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、補正部が行う出力割合の補正について、搭乗者の操作意図を推定して補正を行う手法を用いてもよい。具体的には、モータ7R、7Lを駆動制御するためのトルク指令信号の絶対値が、第3の所定値以上である場合、搭乗者が急な動作をしようとしていると推定し、出力割合を大きな値に補正するようにしてもよい。
他方、トルク指令信号の絶対値が、第3の所定値より絶対値の小さい第4の所定値以下であり、且つモータの回転数の絶対値が第5の所定値以下である場合、搭乗者が定常的な動作をしようとしていると推定し、出力割合を小さな値に補正するようにしてもよい。
7R、7L モータ
8 検出部
10 報知部
11 限界出力算出部
12 モータ出力導出部
13 割合算出部
14 時間変化量算出部
15、18 補正部
17 患者状態取得部
100、200 倒立二輪型移動体

Claims (1)

  1. 搭乗者の重心移動に応じて動作する倒立二輪型移動体であって、
    車輪を駆動させるためのモータと、
    前記モータの状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果をもとに前記モータの出力を導出するモータ出力導出手段と、
    前記モータの出力が飽和する限界出力を算出する限界出力算出手段と、
    前記限界出力算出手段によって算出された限界出力に対する、前記モータ出力導出手段によって導出されたモータ出力の割合を算出する割合算出手段と、
    (1)前記モータ出力の割合の時間変化量又は前記モータ出力の時間変化量が、第1の所定値より大きい場合に前記割合を大きい値に補正し、第2の所定値より小さい場合に前記割合を小さい値に補正する手段(2)前記搭乗者の状態が、前記搭乗者の症状が重い又は前記搭乗者の回復度が低いことを示す場合に前記割合を大きい値に補正し、前記搭乗者の症状が軽い又は前記搭乗者の回復度が高いことを示す場合に前記割合を小さい値に補正する手段、及び、(3)前記搭乗者の操作意図の推定結果が、前記搭乗者の急な動作を示す場合に前記割合を大きい値に補正し、前記搭乗者の定常的な動作を示す場合に前記割合を小さい値に補正する手段、の何れか1つを有する補正手段と、
    前記補正手段から出力される割合を、表示、音、光、及び振動の少なくとも何れか1つによって表現することにより周囲に報知する報知手段と、
    を備える倒立二輪型移動体。
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