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JP6589092B2 - 蓄電装置の冷却機構 - Google Patents
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Description

本開示は蓄電装置の冷却機構に関し、より特定的には、蓄電装置に冷却風を供給するためのダクトが2本設けられた冷却機構に関する。
一般に、たとえば電動車両(ハイブリッド車、電気自動車等)に搭載される蓄電装置には、蓄電装置を冷却するための冷却機構が設けられる。蓄電装置の冷却機構の一つとして、ブロアを駆動することによって冷却風を蓄電装置に供給する空冷式機構が知られている。たとえば特開2016−107894号公報(特許文献1)は、蓄電装置に冷却風を供給するためのダクトが蓄電装置の両側に1本ずつ設けられた構成を開示する。
特開2016−107894号公報
たとえば電動車両では、蓄電装置およびその冷却機構を搭載するためのスペースは限られている。そのため、特許文献1に開示された構成のように2本のダクトが設けられる場合、スペースを有効活用するために、ブロアの上流側のダクトおよびブロアの下流側のダクトのうちの少なくとも一方に折れ曲がり形状を持たせることが多い。
本発明者らは、冷却機構の2本のダクト(のうちの少なくとも一方)において異音が発生する場合があり、それにより車室内のユーザに不快感を与えるおそれがある点に着目した。そして、本発明者らが異音の発生メカニズムを解析した結果(詳細は後述)、ダクト内で生じる圧力損失が異音を引き起こしていることを見出した。上記のようにダクトに折れ曲がり形状を持たせた場合には、圧力損失が大きくなりやすいので異音が発生しやすいと考えられる。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、蓄電装置に冷却風を供給するためのダクトが2本設けられた冷却機構において、異音の発生を防止するための技術を提供することである。
本開示のある局面に従う蓄電装置の冷却機構は、蓄電装置に冷却風を供給する第1および第2の流路を備える。第1の流路は、第1の吸気口および第1の排気口を有する第1のブロアと、第1の吸気口に接続された第1の上流ダクトと、第1の排気口に接続された第1の下流ダクトとを含む。第2の流路は、第2の吸気口および第2の排気口を有する第2のブロアと、第2の吸気口に接続された第2の上流ダクトと、第2の排気口に接続された第2の下流ダクトとを含む。第1の上流ダクトにて生じる圧力損失は、第2の上流ダクトにて生じる圧力損失よりも大きい。第1の下流ダクトにて生じる圧力損失は、第2の下流ダクトにて生じる圧力損失よりも大きい。
本発明者らの解析結果によれば、ブロアの上流側のダクトの圧力損失とブロアの下流側のダクトでの圧力損失との差(圧力損失差)が過度に大きいと、下流のダクト内の冷却風の乱れにより渦が生じ、この渦が異音の発生原因であることが分かった。上記構成によれば、第1の上流ダクトと第1の下流ダクトとの間の圧力損失差、および、第2の上流ダクトと第2の下流ダクトとの間の圧力損失差が小さくなるので、異音の発生を防止することができる。
本開示によれば、蓄電装置に冷却風を供給するためのダクトが2本設けられた冷却機構において、異音の発生を防止することができる。
本実施の形態に係る蓄電装置の冷却機構の全体構成を概略的に示す図である。 比較例に係る冷却機構での圧力損失を説明するための図である。 本実施の形態における絞り部材を説明するための図である。 本実施の形態に係る冷却機構での圧力損失を説明するための図である。 絞り部材の評価試験の結果を説明するための図である。 第1の流路における圧力損失差を低減するための他の構造を説明するための図である。 第1の流路における圧力損失差を低減するためのさらに他の構造を説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下に説明する実施の形態においては、蓄電装置(電池パック)および冷却機構が電動車両に搭載される構成を例に説明する。電動車両とは、ハイブリッド車であってもよいし、電気自動車であってもよいし、燃料自動車であってもよい。しかし、本実施の形態に係る冷却機構の用途は車両用に限定されるべきものではなく、たとえば定置用であってもよい。
[実施の形態]
図1は、本実施の形態に係る電池パックの冷却機構の全体構成を概略的に示す図である。図1では、冷却機構1の構成を理解しやすくするため、冷却機構1の構成要素を分解して示す。電池パック9および冷却機構1は、たとえば電動車両(図示せず)の床下または後部座席後方のラゲッジスペースに搭載可能である。電動車両のたとえば乗車スペースには、吸入口(図示せず)が設けられている。
電池パック(蓄電装置)9は、ニッケル水素電池もしくはリチウムイオン電池などの二次電池(図示せず)により構成される1または複数の組電池を含む。なお、本開示に係る「蓄電装置」は、電気二重層キャパシタなどのキャパシタ(図示せず)を含んで構成されてもよい。
冷却機構1は、電池パック9の図中左側に設けられる冷却風の第1の流路10と、電池パック9の図中右側に設けられる冷却風の第2の流路20とを備える。第1の流路10は、上流ダクト(第1の上流ダクト)11と、ブロア(第1のブロア)12と、下流ダクト(第1の下流ダクト)13とを含む。
ブロア12は、シロッコファン(図示せず)と、ブロア12への空気(冷却風)の吸気口(第1の吸気口)121と、ブロア12からの冷却風の排気口(第1の排気口)122とを含む。上流ダクト11は、電動車両に設けられた吸入口(図示せず)とブロア12の吸気口121とを接続する。下流ダクト13は、ブロア12の排気口122と電池パック9とを接続する。ブロア12は、電動車両の吸入口から取り込まれる乗車スペース内の上流ダクト11を介して冷却風を吸入し、吸入した冷却風を吐出し下流ダクト13を介して電池パック9に供給する。
第2の流路20は、上流ダクト(第2の上流ダクト)21と、ブロア(第2のブロア)22と、下流ダクト(第2の下流ダクト)23とを含む。第2の流路20の構成は、第1の流路10の構成と基本的に同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。なお、以下では、第1の流路10と第2の流路20とを特に区別しない場合には「冷却風流路」と称する場合がある。
以上のように2本の冷却風流路を有する電池パックの冷却機構では、搭載スペースを節約するために、ブロアの前後でダクトの直径を変化させたり、ブロアの前後のダクトのうちの一方を屈曲させたりすることが多い。このような構成において、異音が発生する場合があり、車室内のユーザに不快感を与えるおそれがある点に本発明者らは着目した。ここで「異音」とは、より詳細には非定常の空気流れの音であり、たとえばバサバサと聞こえる音えある。本発明者らが異音の発生メカニズムを解析した結果、ダクト内で生じる圧力損失が異音発生の原因であることを見出した。
以下では、まず比較例を用いて異音発生メカニズムについて説明する。なお、比較例に係る冷却機構の各構成要素については、本実施の形態に係る冷却機構1の対応する構成要素の参照符号末尾にAを付し、その詳細な説明は繰り返さない。第2の流路20Aでは異音は発生せず、第1の流路10Aにおいてのみ異音が発生する。
図2は、比較例に係る冷却機構での圧力損失を説明するための図である。図2(および後述する図4)において、横軸は、冷却風流路に沿う距離[単位:m]を示す。ブロア12A,22Aの位置をL0で表す。図中左側(L0よりも負側)が冷却風流路の上流側、すなわち上流ダクト11A,21Aが設けられる側である。図中右側(L0よりも正側)が冷却風流路の下流側、すなわち下流ダクト13A,23Aが設けられる側である。縦軸は、ブロア12A,22Aの位置での圧力を基準値P0とした場合の冷却風流路内の相対的な圧力[単位:Pa]を示す。
第1の流路10Aに沿って、上流ダクト11A内の圧力を曲線IN1で表し、下流ダクト13A内の圧力を曲線OUT1で表す(いずれも実線参照)。一方、第2の流路20Aに沿って、上流ダクト21A内の圧力を曲線IN2で表し、下流ダクト23A内の圧力を曲線OUT2で表す(いずれも1点鎖線参照)。ダクト内の各位置にて生じる圧力損失は、その位置において曲線に引いた接線の傾きにより理解することができる。図2では、ブロア12Aと下流ダクト13Aとの接続箇所(L0)での圧力損失を表す接線Xが示されている。
比較例では、図2の左上および左下に示すように、上流ダクト11Aの流路断面積の方が上流ダクト21Aの流路断面積よりも狭い。さらに、上流ダクト21Aが直線的に延在する(ほぼストレートである)のに対し、上流ダクト11Aは約90°に屈曲している(カーブしている)。したがって、上流ダクト11Aの圧力損失は、上流ダクト21Aの圧力損失よりも大きい。このことは、いずれも図示しないが、曲線IN1の接線と曲線IN2の接線とを引いた場合に、曲線IN1の接線の傾きの方が曲線IN2の接線の傾きよりも大きい(傾きが急である)ことによって理解することができる。その一方で、下流ダクト13Aの圧力損失および下流ダクト23Aの圧力損失は、いずれも比較的小さい(接線の傾きがいずれも小さい)。
このように、第2の流路20Aでは、ブロア22Aの上流側(上流ダクト21)および下流側(下流ダクト23A)での圧力損失は、いずれも相対的に小さい。これに対し、第1の流路10Aにおいては、ブロア12Aの上流側(上流ダクト11A)では相対的に大きい圧力損失が、ブロア12Aの下流側(下流ダクト13A)においては相対的に小さくなる(ブロア12Aの前後での接線の傾きの変化量が大きい)。
本発明者らが流体シミュレーションを行った結果、下流ダクト13Aの圧力(背圧)が上流ダクト11Aの圧力と比べて過度に低いと、下流ダクト13内の冷却風に乱れが生じ、下流ダクト13A内に渦が生じることが分かった。この渦が異音の発生原因である。言い換えると、ブロア12Aの上流側(上流ダクト11A)にて生じる圧力損失と、ブロア12Aの下流側(下流ダクト13A)にて生じる圧力損失との差(圧力損失差)ΔPが所定値よりも大きいと渦が生じ、それにより異音が発生する。
そこで、本実施の形態においては、上流ダクト11と下流ダクト13との圧力損失差ΔPを所定量よりも小さくする。圧力損失差ΔPを小さくするためには、上流ダクト11の圧力損失を小さくすることで上流ダクト11の圧力損失を下流ダクト13の圧力損失に近づけること、あるいは、下流ダクト13の圧力損失を大きくすることで下流ダクト13の圧力損失を上流ダクト11の圧力損失に近づけることが考えられる。しかし、上流ダクト11の圧力損失を小さくするためには、たとえば上流ダクト11の流路断面積を大きくしなればならず、これは冷却機構1の設置スペースには制約があるため難しい。したがって、本実施の形態では、下流ダクト13の圧力損失をあえて大きくするための構成を採用する。より具体的には、下流ダクト13の圧力損失を大きくするための絞り部材14(図3参照)を追加する。
図3は、本実施の形態における絞り部材14を説明するための図である。図3(A)にはブロア12と絞り部材14とを示す。この絞り部材14により、本実施の形態では、接続箇所付近の流路の直径(内径)が比較例における対応する箇所の直径と比べて、所定値(たとえば10mm〜30mmの範囲内の値)だけ小さくなる。
流路の直径(断面積)を小さくするために絞り部材14に設けられた壁部の高さをHと表す。また、図3(B)に示すように、絞り部材14は、ブロア12と下流ダクト13との接続箇所C近傍の設置位置Sに設けられる。
図4は、本実施の形態に係る冷却機構1での圧力損失を説明するための図である。図2と図4とを対比すると、曲線IN1,IN2,OUT2は同等であり、曲線OUT1が互いに異なる。図4では、ブロア12と下流ダクト13との接続箇所Cでの圧力損失を表す接線Yが示されている。
絞り部材14を設けることにより、下流ダクト13の圧力損失が大きくなる。そして、接線Yの傾きが接線Xの傾きよりも大きくなり、曲線IN1に引いた接線(図示せず)のの傾きに近くなる。このように、ブロア12の上流側とブロア12の下流側との圧力損失差ΔPを小さくすることにより、上述の渦の発生を抑制し、その結果、異音の発生を防止することができる。
絞り部材14の追加によるブロア12の下流側での圧力損失の増加量が十分でないと、異音を解消することができない。その一方で、絞り部材14による圧力損失の増加量が過度に大きいと、その分だけ冷却風量が小さくなるので、電池パック9の冷却性能が不足する可能性がある。したがって、圧力損失の増加量を適正な値にするための絞り部材14の位置および大きさには、好ましい範囲が存在すると考えられる。本実施の形態では、絞り部材14の設置位置Sおよび高さH(図3(A)および図3(B)参照)をパラメータとして用いて以下の評価試験を行った。
図5は、絞り部材14の評価試験の結果を説明するための図である。図5において、横軸は、図3(B)に示したブロア12Aと下流ダクト13Aとの接続箇所Cを基準とする絞り部材14の設置位置Sを示す。図中左側(負側)はブロア12側であり、図中右側(正側)は下流ダクト13の下流側である。縦軸は、図3(A)に示す絞り部材14の高さHを示す。
異音の発生が確認された条件(設置位置Sおよび高さHの条件)をバツ印(×)で示し、異音が発生しなかった条件を白丸(○)で示す。図5に示した評価試験の結果から、異音が発生する条件と異音が発生しない条件との境界線Lを得ることができる。境界線Lよりも図中上側(左上側)の条件を選択することにより、異音の発生を防止することができる。
電池パック9の冷却性能を確保するためには、異音の発生を防止しつつも圧力損失の増加量をできるだけ小さくすることが望ましい。つまり、境界線Lよりも図中上側であり、かつ境界線Lにできるだけ近い条件を選択することで、絞り部材14の高さHを可能な限り低くすることが望ましい。境界線Lから、ブロア12の上流側であるほど、すなわちブロア12のシロッコファン(図示せず)に近いほど、絞り部材14の高さHを低くすることが可能であることが分かる。したがって、本実施の形態において、絞り部材14は、ブロア12と下流ダクト13との接続箇所Cよりも所定距離(たとえば数10mm)だけブロア12の上流側(ブロア12の内部)に設置することが望ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、第1の流路10における上流ダクト11と下流ダクト13との圧量損失差ΔPを低減することを目的に、ブロア12の下流側での圧力損失をあえて大きくするための絞り部材14が設けられる。これにより、異音の発生を防止することができる。さらに、絞り部材14の設置位置Sおよび高さHの最適化を図ることにより、異音の発生を防止しつつも電池パック9の冷却性能を確保することができる。
なお、ブロア12の上流側と下流側との間の圧力損失差ΔPを低減し、異音の発生を抑制する構造は図3(A)に示した構造(絞り部材14)に限定されるものではない。
図6は、第1の流路10における圧力損失差ΔPを低減するための他の構造を説明するための図である。絞り部材14を別部品として追加するのに代えて、図6に示すように、ブロア12にリブ141を一体形成してもよい。これにより、部品点数を削減して組み立てコスト等の製造コストを低減することができる。
図7は、第1の流路10における圧力損失差ΔPを低減するためのさらに他の構造を説明するための図である。図7に示すように、絞り部材14またはリブ141の設置位置はブロア12の上流側(ブロア12内部)に限定されるものではなく、下流ダクト13に絞り形状142を設けることも可能である。
図6または図7に示す構造によっても、図3(A)に示した絞り部材14と同様に、上流ダクト11と下流ダクト13との圧量損失差ΔPが低減されるので、異音の発生を防止することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 冷却機構、10,10A 第1の流路、20,20A 第2の流路、11,11A,21A 上流ダクト、12,12A,22A ブロア、121,221 吸気口、122,222 排気口、13,13A,23A 下流ダクト、14 絞り部材、141 リブ、142 絞り形状、9 電池パック。

Claims (1)

  1. 蓄電装置の冷却機構であって、
    前記蓄電装置に冷却風を供給する第1および第2の流路を備え、
    前記第1の流路は、第1の吸気口および第1の排気口を有する第1のブロアと、前記第1の吸気口に接続された第1の上流ダクトと、前記第1の排気口に接続された第1の下流ダクトとを含み、
    前記第2の流路は、第2の吸気口および第2の排気口を有する第2のブロアと、前記第2の吸気口に接続された第2の上流ダクトと、前記第2の排気口に接続された第2の下流ダクトとを含み、
    前記第1の上流ダクトにて生じる圧力損失は、前記第2の上流ダクトにて生じる圧力損失よりも大きく、
    前記第1の下流ダクトにて生じる圧力損失は、前記第2の下流ダクトにて生じる圧力損失よりも大きい、蓄電装置の冷却機構。
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