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JP6590660B2 - 電子写真用導電性部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents
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JP6590660B2 - 電子写真用導電性部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真用導電性部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、導電性部材、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置に関する。
電子写真画像形成装置においては、帯電部材、現像部材および転写部材の如き電子写真用の導電性部材が使用されている。ここで、帯電部材についてみると、帯電部材に対しては、感光体の如き被帯電体を、均一に帯電する能力を備えていることが求められる。近年、電子写真画像に対するより一層の画質の向上、電子写真画像形成装置におけるプロセススピードの高速化、高耐久化が求められており、従来問題にならなかったレベルの感光体の帯電ムラでも、画像不良が生じる場合がある。
特に、近年、画像形成装置の簡略化や廃棄物をなくす観点から、クリーナーレスシステム(トナーリサイクルシステム)を電子写真画像形成装置に採用することが提案されている。このシステムは、転写工程後の清掃手段であるドラムクリーナーを廃し、転写後の感光体上の転写残トナーを、現像装置によって、現像と同時に感光体上の転写残トナーをクリーニングすることによって、感光体から転写残トナーを除去し、現像装置に転写残トナーを回収させるものである。現像と同時に感光体上の転写残トナーをクリーニングする方法とは、感光体上の転写残トナーを、次の電子写真画像を形成する工程に移行する際の感光体上の静電潜像を現像する際に、かぶり取りバイアス、すなわち、現像装置に印加する直流電圧と像担持体の表面電位との間の電位差であるかぶり取り電圧差(Vback)によって回収する方法である。
ここで、クリーナーレスシステムに接触帯電方式の帯電部材を適用した場合、帯電部材の表面への汚れの付着は、より顕著となることがある。このような課題に対して、帯電部材と感光体との間に周速差を設けて、帯電部材で転写残トナーを摩擦帯電させることによって、静電気的に帯電部材の表面に転写残トナーが移行し難くするシステムが提案されている。しかし帯電部材と感光体との間に周速差を設けることにより、帯電部材から感光体への注入帯電量が増加し、感光体に帯電ムラが生じやすくなることがある。
ここで、帯電部材から感光体への注入帯電量を低減させるために特許文献1では帯電ローラの表面層中に疎水性界面活性剤を添加することが提案されている。また、特許文献2では、絶縁層と導電層の二層からなる帯電用シートが提案されている。
特開2010−72405号公報 特開平5−323762号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1のように帯電ローラの表面層に疎水性界面活性剤を添加した場合、感光体への注入帯電に対して画像出力の初期段階では効果があるものの、画像出力枚数の増加と共に注入帯電の抑制の効果が消失した。この理由として、画像出力の初期段階では、疎水性界面活性剤が、帯電ローラの表面層の最表面に配向することで、注入帯電を抑制していると考えられる。しかし画像出力枚数の増加と共に帯電ローラの表面層の最表面の疎水性界面活性剤が、接触している感光体に移行する場合や、放電により疎水性界面活性剤が分解され、注入帯電の抑制効果が消失していると考えられる。また特許文献1の帯電ローラは、帯電ローラの表面層に対する疎水性界面活性剤の添加量が少ないため、感光体への注入帯電に対する表面層バインダーの影響が大きく、使用できる表面層バインダーが限られる。
また、本発明者らの検討によれば、特許文献2の帯電用シートを用いた場合、感光体への注入帯電は抑制できていた。しかし、帯電用シートと感光体とが接触して形成している、放電の起こる微小空隙領域が、感光体の膜厚ムラや感光体に残留した外添剤やトナー等の粉体により変化しやすい。そのため、微小空隙領域が変化すると、放電領域が変わり、電位ののり易さが変わってしまう。その結果、放電ムラによって、感光体には電位ムラが生じやすくなる。
そこで、本発明は、被帯電体をより均一に帯電し得る電子写真用の導電性部材の提供に向けたものである。また、本発明は、高品位な電子写真画像を長期間に亘って安定的に形成することのできるプロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた。その結果、導電性部材の表面層に特定の構造を含有し、かつ特定の体積抵抗率に制御されたポリウレタン樹脂を含み、かつ表面層硬度を最適化することで、上記課題を達成することができることを見出した。
本発明の一態様によれば、導電性の基体、導電性の弾性層および表面層をこの順に有する電子写真用の導電性部材であって、該表面層は、体積抵抗率が、1.0×1010Ω・cm以上、1.0×1016Ω・cm以下であり、表面から深さ1μmの位置におけるユニバーサル硬度が、1.0N/mm以上、7.0N/mm以下であり、かつ、ウレタン結合を有する重合体を含み、該重合体は、下記(A)、(B)および(C)からなる3つの構造群から選択される少なくとも2つ構造を分子内に有する電子写真用の導電性部材が提供される。
(A)下記構造式(1)で示される構造;
(B)下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造のいずれか一方または両方の構造;
(C)下記構造式(4)で示される構造。
Figure 0006590660
構造式(1)中、R11、R12及びR13は、炭素数3以上9以下の2価の炭化水素基を表す。但し、R11及びR12は、互いに異なり、R13は、R11及びR12の一方と同じである。p及びqは、各々独立に、1.0以上の数を表す。
構造式(2)中、r及びsは、各々独立に、1.0以上の数を表す。
構造式(3)中、R31及びR32は、各々独立に、炭素数3以上、8以下の2価の炭化水素基を表し、m及びnは、各々独立に、1.0以上の数を表す。
構造式(4)中、R41は、炭素数6以上、9以下の2価の炭化水素基を表し、kは、1.0以上の数を表す。
また、本発明の他の態様は、電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置されている帯電部材とを有し、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、該帯電部材が前記電子写真用の導電性部材であるプロセスカートリッジが提供される。
さらに、本発明の他の態様は、電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置されている帯電部材とを有する電子写真画像形成装置であって、該帯電部材が前記電子写真用の導電性部材である電子写真画像形成装置が提供される。
本発明の一態様によれば、使用環境や画像出力枚数に左右されずに感光体を均一に帯電することができる電子写真用の導電性部材を提供することができる。また本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を長期間に亘って安定的に形成可能なプロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明に係る電子写真画像形成装置の説明図である。 本発明に係るローラ形状の電子写真用の導電性部材の断面図である。
図2は、本発明に係る、ローラ形状を有する電子写真用の導電性部材(以下、「導電性ローラ」と称す場合がある。)の周方向に直交する方向の概略断面図である。図2に示される導電性ローラ200は、導電性の基体201、導電性の弾性層203および表面層205をこの順に有する。そして、表面層は、ウレタン結合を有する重合体を含む。該重合体は、下記(A)、(B)および(C)からなる3つの構造群から選択される少なくとも2つ構造を分子内に有する。
(A)下記構造式(1)で示される構造;
(B)構造式(2)で示される構造および構造式(3)で示される構造のいずれか一方または両方の構造;
(C)構造式(4)で示される構造。
Figure 0006590660
構造式(1)中、R11、R12及びR13は、炭素数3以上9以下の2価の炭化水素基を表す。但し、R11及びR12は、互いに異なり、R13は、R11及びR12の一方と同じである。p及びqは、各々独立に1.0以上の数を表す。
構造式(2)中、r及びsは、各々独立に、1.0以上の数を表す。
構造式(3)中、R31及びR32は、各々独立に、炭素数3以上、8以下の2価の炭化水素基を表す。m及びnは、各々独立に1.0以上の数を表す。
構造式(4)中、R41は、炭素数6以上、9以下の2価の炭化水素基を表す。kは、1.0以上の数を表す。
また、表面層は、体積抵抗率が、1.0×1010Ω・cm以上、1.0×1016Ω・cm以下である。さらに、表面層は、表面から深さ1μmの位置における「ユニバーサル硬度(t=1μm位置)」が、1.0N/mm以上、7.0N/mm以下である。
本発明者らは、導電性部材の表面層の構成及び特性が前記条件を満たす場合、使用環境や画像出力枚数に左右されずに、導電性部材(帯電部材)が感光体を均一に帯電することができることを見出した。
本発明者らは、上記構成により、目的の効果が得られる理由を以下のように推測している。感光体の如き被帯電体を、均一に帯電させるためには、帯電部材から被帯電体への電荷注入を抑えることが好ましい。一般的に、電荷注入は、高温高湿(例えば、温度30℃、相対湿度80%)環境(以下「HH環境」と称する場合がある。)で顕著である。これはHH環境中の水分を帯電部材の表面層中のバインダー樹脂が吸収し、表面層中に吸水された水分或いは表面層中に不純物として含まれる低分子化合物がイオン導電剤のように振るまい、感光体への注入帯電を促進していると考えられる。従ってイオン導電性が少ない絶縁性の材料を表面層中のバインダー樹脂として用いることで使用環境による注入帯電量の変化を抑制出来ると考えられる。
帯電部材の表面層中のバインダー樹脂としては、耐摩耗性や成型性等の観点からウレタン樹脂が良く用いられている。ウレタン樹脂は、ポリエーテル系やポリエステル系に大きく分けられるが、共に極性官能基を多く含むため、体積抵抗率が低い場合が多い。これを改善するために、芳香族ポリエステルポリオールの使用や、多官能ポリオールを用いて高架橋化することで、絶縁性ウレタン樹脂を得ることができる。しかし、これらのウレタン樹脂を帯電部材の表面層中のバインダー樹脂に用いた場合、高硬度であるため感光体の表面を傷つける場合がある。その結果、画像出力枚数の増加につれ、感光体の周方向に傷がつき、画像不良が生じる可能性や、当接圧が高い帯電部材の端部との当接位置で感光体が摩耗し、電荷のリークが生じる可能性がある。また表面層中のバインダー樹脂として高架橋のウレタン樹脂を用いた場合、弾性層が表面層の硬化時の収縮に追従できず、ひび割れが生じる可能性がある。こうした状況のなか、ポリカーボネートポリオールを用いて、表面層中のバインダー用ウレタン樹脂を作製した時、表面層において、注入帯電の抑制に必要な絶縁性と感光体を傷つけない柔軟性の両立を達成出来ることが判明した。しかし、クリーナーレスシステム使用時にトナー汚れ対策として、感光体と帯電部材との間に周速差をつける場合、画像形成枚数が増えるにつれ、帯電部材の表面層が摩耗し、注入帯電量が増加することが確認された。
ウレタン樹脂は、柔軟なポリオール成分の海からなるソフトセグメントとウレタン結合部位による水素結合により凝集し結晶化しているハードセグメントから形成されている。そこで表面層の耐摩耗性向上の観点から、ウレタン樹脂中のソフトセグメントでの凝集力を適度に強めることで、表面層の柔軟性及び体積抵抗率を維持したまま、耐摩耗性を改善出来るのではないかと、本発明者等は考えた。そこでウレタン樹脂のソフトセグメント中に適度な結晶性及び/或いは、適度に凝集エネルギーを向上させるような官能基を導入する検討を進めた。その結果、構造式(1)で示される構造の群A、構造式(2)で示される構造及びまたは構造式(3)で示される構造の群B、及び構造式(4)で示される構造の群Cの3群から選択される少なくとも2群の構造を分子内に有する重合体を表面層中に存在させることで、表面層が柔軟でかつ摩耗が少なく、感光体への注入帯電も抑制できる導電性部材が得られることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
<電子写真用導電性部材>
本発明に係る電子写真用の導電性部材において、導電性の基体の上に形成される層は、図2に示す弾性層と表面層の2層構造の他、弾性層と表面層の間に中間層を配置した3層構造(不図示)、または、中間層を複数配置した多層構造(不図示)とすることができる。
電子写真用の導電性部材は、複写機、レーザプリンタ等の電子写真プロセス(電子写真方式)を採用した電子写真画像形成装置(電子写真装置)に搭載される部材として使用することができる。具体的には、帯電部材、現像部材、転写部材、除電部材や、給紙ローラ等の搬送部材として使用可能である。以下、本発明に係る電子写真用の導電性部材の具体例として、ローラ形状の帯電部材(以下、「帯電ローラ」と称する場合がある。)によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[表面層]
表面層は、ウレタン結合を有する重合体を含む。そして、該重合体は、下記(A)、(B)および(C)からなる3つの構造群から選択される少なくとも2つ構造を分子内に有する。
(A)下記構造式(1)で示される構造;
(B)下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造のいずれか一方または両方の構造;
(C)下記構造式(4)で示される構造。
Figure 0006590660
構造式(1)中、R11、R12及びR13は、炭素数3以上9以下の2価の炭化水素基を表す。但し、R11及びR12は、互いに異なり、R13は、R11及びR12の一方と同じである。p及びqは、各々独立に、1.0以上の数を表す。
構造式(2)中、r及びsは、各々独立に、1以上の数を表す。
構造式(3)中、R31及びR32は、各々独立に、炭素数3以上、8以下の2価の炭化水素基を表し、m及びnは、各々独立に、1.0以上の数を表す。
構造式(4)中、R41は、炭素数6以上、9以下の2価の炭化水素基を表し、kは、1.0以上の数を表す。
構造式(1)で示される構造は、2つのカーボネート基を、異なる2種の炭化水素基で結合することで結晶性を抑えた共重合ポリカーボネートポリオールを、イソシアネートと反応させた構造である。結晶性が抑えられているためソフトセグメント中の凝集エネルギーが小さく、表面層に柔軟性と高い体積抵抗率を付与することができる。しかし構造式(1)の構造を単独で表面層に用いた場合、ソフトセグメント中の凝集エネルギーが弱いために、表面層に耐摩耗性を付与することが難しい。また表面層の粘着性が強くなり、表面層の表面にトナーや粉体等の付着が増え、汚れにより表面層の表面の電気抵抗値が高くなって、感光体への均一な帯電が難しくなる。
構造式(1)中、R11及びR12は、各々独立に、炭素数3以上9以下の2価の炭化水素基である。R11及びR12は、互いに異なり、R13は、R11及びR12の一方と同じである。R11及びR12の炭素数が3以上であれば、ウレタン結合を有する重合体中において、極性官能基であり凝集エネルギーが強いカーボネート基の量が多くなり過ぎず、表面層を柔軟かつ高い電気抵抗値に保つことができる。また、R11及びR12の炭素数が9以下であれば、ウレタン結合を有する重合体中のカーボネート基量が少なくなり過ぎず、重合体の強度を高くすることができる。またR11及びR12が、異なる構造を有することで、重合体の結晶性を抑え、表面層に柔軟性を付与し低温特性を改善することができる。p及びqは、各々独立に1.0以上の数を表す。
構造式(2)及び構造式(3)で示される構造は、ポリカーボネート構造とポリエステル構造を共重合した共重合ポリオールを、イソシアネートと反応させた構造である。ポリカーボネート構造とポリエステル構造を共重合することで重合体の結晶性を抑えると共に、カーボネート基より凝集エネルギーの強いエステル基を導入することで適度にソフトセグメントが補強されるため、表面層に耐摩耗性を付与することができる。しかし構造式(1)及び構造式(4)で示される構造を有さずに、構造式(2)及びまたは構造式(3)で示される構造だけを有する重合体を用いて表面層を形成した場合、エステル基の極性のため表面層に十分な体積抵抗率を付与できず、感光体への注入帯電を抑えることが難しい。
構造式(2)中、r及びsは、各々独立に1.0以上の数を表す。
構造式(3)中、R31、R32は、各々独立に炭素数3以上、8以下の2価の炭化水素基を表し、m及びnは、各々独立に1.0以上の数を表す。R31、R32の炭素数が3以上であれば、ウレタン結合を有する重合体中において、極性官能基であり凝集エネルギーが強いカーボネート基及びエステル基の量が多くなり過ぎず、表面層を柔軟に保つことができる。またR31、R32の炭素数が8以下であれば、ウレタン結合を有する重合体中のカーボネート基及びエステル基の量が少なくなり過ぎず、表面層に耐摩耗性を付与することができる。
構造式(4)で示される構造は、2つのカーボネート基を単一の炭化水素基で結合した結晶性の高いポリカーボネートポリオールを、イソシアネートと反応させた構造である。この構造は、結晶性が高くソフトセグメント中で配列しやすいため、表面層に耐摩耗性と高い体積抵抗率を付与することができる。しかし、構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造を有さず、構造式(4)で示される構造だけを有する重合体を用いて表面層を形成した場合、表面層は硬度が高くなりやすく、また低温特性が悪くなる。
構造式(4)中、R41は炭素数6以上、9以下の2価の炭化水素基を表し、kは、1.0以上の数を表す。R41の炭素数が6以上であれば、結晶性が発現しやすく、表面層に耐摩耗性や高い体積抵抗率を付与することができる。R41の炭素数が9以下であれば、過度な結晶性を抑えられるため、重合体中に構造式(1)、(2)及び(3)で示される構造の少なくとも1つを更に含有させることによって、表面層の硬度が高くなるのを抑制できる。
表面層は、ウレタン結合を有する重合体、すなわち、ウレタン樹脂をバインダー樹脂として含み、該重合体は、上記(A)群、(B)群及び(C)群からなる3つの群から選択される少なくとも2つの群に含まれている構造を分子内に有する。これにより、表面層は柔軟かつ摩耗が少なく、感光体への注入帯電も抑制できる。
(A)群の構造と(B)群の構造を分子内に有する重合体を用いると、表面層の柔軟性及び耐摩耗性、並びに感光体への注入帯電の抑制のバランスが良いため好ましい。即ち、表面層に含まれる好ましいウレタン結合を有する重合体は、構造式(1)で示される構造と、構造式(2)及び(3)で示される構造の少なくとも一方の構造と、を有する重合体である。より好ましいのは、(A)群の構造と、(B)群に含まれる構造のうち、構造式(2)で示される構造を分子内に有する重合体である。即ち、構造式(1)で示される構造と構造式(2)で示される構造を有する重合体である。
その理由としては、(B)群の構造にはエステル構造が共重合されており、重合体が高温高湿下で、加水分解が進行する場合があるためである。ジオールとジカルボン酸を重縮合して得られるポリエステルジオールと比較すると、ε−カプロラクトンを開環重合させたポリカプロラクトンジオールは、耐加水分解性が優れている。よって共重合されているエステル成分が、カプロラクトン由来である構造式(2)で示される構造を含む重合体は、構造式(3)で示される構造を含む重合体に比べて、耐加水分解性が優れているからである。
本発明に係る電子写真用の導電性部材の表面層中に含まれる重合体が、構造式(1)、(2)、(3)及び(4)で示される構造からなる群から選択される少なくとも2種類の構造を有していることは、例えば熱分解GC/MS、FT−IR、またはNMRによる分析等により確認することが可能である。
[体積抵抗率]
表面層の体積抵抗率は、1.0×1010Ω・cm以上、1.0×1016Ω・cm以下である。HH環境で、導電性部材の表面層から感光体への注入帯電量が増加することから、表面層中の水分或いは表面層中に不純物として含まれる低分子化合物が、イオン導電剤のように振るまい、注入帯電を促進していると考えられる。よって表面層のイオン導電性を低下させること、つまり絶縁性を高めることで注入帯電が抑えられる。HH環境にて、帯電ローラと感光体との間に周速差を設けるプロセスで感光体を帯電させる最も注入帯電しやすい状況においても、表面層を構成する重合体の体積抵抗率が、1.0×1010Ω・cm以上、1.0×1016Ω・cm以下であれば、感光体の電位ムラに起因する画像不良を発生させない。なお安定した画像濃度で出力を維持するための注入帯電量の目安としては、50V以下である。
表面層の体積抵抗率の測定は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、導電性モードによって測定した測定値を採用することができる。帯電ローラの表面層を、マニュピレーターを用いてシートに切り出し、表面層の片面に金属蒸着を施す。金属蒸着を施した面に直流電源を接続し、電圧を印加し、表面層のもう一方の面にはカンチレバーの自由端を接触させ、AFM本体を通して電流像を得る。無作為に選んだ100箇所の表面における電流値を測定し、測定された低電流値の上位10箇所の平均電流値と、平均膜厚とカンチレバーの接触面積から、体積抵抗率を算出できる。
なお、表面層の体積抵抗率を上記数値範囲内とするためには、具体的には、表面層中にポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂をバインダー樹脂として用いることで達成出来る。より好ましくは、表面層中にウレタン樹脂をバインダー樹脂として含み、該重合体は、上記(A)群、(B)群及び(C)群からなる3つの群から選択される少なくとも2つの群に含まれている構造を分子内に有することである。その理由として、注入帯電の抑制に必要な体積抵抗率と感光体を傷つけない柔軟性の両立を達成出来るためである。
[ユニバーサル硬度]
本発明に係る電子写真用導電性部材の表面層の表面から深さ1μmの位置におけるユニバーサル硬度は、1.0N/mm以上、7.0N/mm以下である。当該ユニバーサル硬度は、表面層の表面に当接させた圧子を、毎秒1μmの速度で押し込み、圧子を表面から深さ1μm押し込んだ時点で測定されるものである。なお、本明細書においては、「ユニバーサル硬度(t=1μm位置)」と記載する場合がある。当該ユニバーサル硬度を上記の数値範囲内とすることによって、画像形成枚数が増加しても、感光体の傷や摩耗が少なく、画像不良や帯電ローラの端部での電荷のリークが発生し難い。
当該ユニバーサル硬度は、例えば、ユニバーサル硬度計(商品名:超微小硬度計(商品名:HM−2000、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて測定することができる。ユニバーサル硬度とは、圧子を、荷重をかけながら測定対象物に押し込むことにより求められる物性値であり、「(試験荷重)/(試験荷重下での圧子の表面積)(N/mm)」として求められる。四角錐などの圧子を、所定の比較的小さい試験荷重をかけながら被測定物に押し込み、所定の押し込み深さに達した時点でのその押し込み深さから圧子が接触している表面積を求め、上記式よりユニバーサル硬度を求める。
表面層のユニバーサル硬度を上記数値範囲内とするためには、具体的には、表面層のバインダー樹脂であるウレタン樹脂を柔軟化することが好ましい。ウレタン樹脂の柔軟化手法としては、ウレタン樹脂原料であるポリオール化合物の分子構造や適切な分子量を選択すること及びイソシアネート基の数と水酸基の数の比が挙げられる。好ましい分子構造を有するポリオール化合物としては、柔軟性に優れた本発明に係るウレタン結合を有する重合体の原料ポリオールのブレンドである。ポリオールの好ましい分子量としては、900から3000である。上記範囲内であれば、良好な反応性とウレタン樹脂化した際の硬度の両立が出来る。イソシアネート基の数と水酸基の数の比としては、1.0〜2.0が好ましい。
[ウレタン結合を有する重合体の製造]
本発明に係るウレタン結合を有する重合体は、(A)ポリオール化合物、(B)ポリイソシアネート化合物を用いて製造することができる。通常、ポリウレタンの合成は、以下の(1)及び(2)の如き方法が用いられる。
(1)ポリオール成分とポリイソシアネート成分を混合し、反応させるワンショット法、(2)一部のポリオールとイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーと低分子ジオール、低分子トリオールの如き鎖延長剤とを反応させる方法。
本発明においては、原料ポリオールとイソシアネートを反応させた水酸基末端プレポリマーと、原料ポリオールとイソシアネートを反応させたイソシアネート基末端プレポリマーとを熱硬化反応させる方法が好ましい。水酸基やイソシアネート基、或いは、ウレア結合、アロファネート結合、イソシアヌレート結合等が多い場合、極性官能基がウレタン中に多く存在するため、重合体の吸水性が上がり表面層の体積抵抗率が低くなり、注入帯電してしまう恐れがある。一方、上記水酸基末端プレポリマーとイソシアネート基末端プレポリマーとを熱硬化させることにより、イソシアネートを過剰に使用することなく未反応ポリオールや極性官能基が少ないウレタンを得ることができる。
(A)ポリオール化合物
ポリオールは公知のポリカーボネートポリオール及びポリエステルポリカーボネート共重合ポリオールから選ばれる。ポリカーボネートポリオールとしては、例えば以下のものが挙げられる。ポリノナメチレンカーボネートジオール、ポリ(2−メチル−オクタメチレン)カーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリ(3−メチルペンタメチレン)カーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリトリメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、ポリ(2−エチル−2−ブチル−トリメチレン)カーボネートジオール、及びこれらのランダム/ブロック共重合体。
ポリエステルポリカーボネート共重合ポリオールとしては、例えば以下のものが挙げられる。上記ポリカーボネートポリオールに、ε−カプロラクトン等のラクトンを重縮合して得られる共重合体や、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオールと、アジピン酸やセバシン酸等のジカルボン酸を重縮合して得られるポリエステルとの共重合体。
(B)ポリイソシアネート化合物
ポリイソシアネートは一般的に用いられる公知のものから選ばれ、例えば以下のものが挙げられる。トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンポリイソシアネート、水添MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等。この中でもトルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンポリイソシアネートの如き芳香族イソシアネートがより好適に用いられる。
イソシアネート基の数と水酸基の数の比(以下「NCO/OHの比」とも表記する。)は、1.0〜2.0が好ましい。このNCO/OHの比が1.0〜2.0であれば、架橋反応が進行し、未反応分や低分子量ポリウレタンのブリードが抑制される。NCO/OHの比は、より好ましくは1.0〜1.6である。このNCO/OHの比が1.0〜1.6であれば、ブリードが抑制されると共に、重合体の硬度を抑えることができる。
[その他添加剤]
本発明において、本発明の効果が損なわれない程度に、必要に応じてその他添加剤を加えても良い。添加剤としては、延長剤、架橋剤、顔料、難燃化剤などの低分子ポリオール、シリコーン添加剤、触媒としてアミン類、スズ錯体等を加えても良い。本発明においては、シリコーン添加剤を表面層に添加した場合、表面層の高抵抗化や、滑り性を付与し、注入帯電の抑制や耐摩耗性を向上させるため、特に好ましい。ただし、3級アミノ基を有するポリオールや四級アンモニウム基やスルホン酸基及びスルホン酸塩基のようなイオン性官能基を有するポリオールは共重合体のモノマーとして用いない方が良い。これらの官能基は極性が高いため、用いた場合、重合体の体積抵抗率が低くなり、注入帯電しやすくなるためである。
[導電性微粒子]
導電性部材の表面層は導電性を有することが望ましい。導電性の付与手段としてはイオン導電剤や導電性微粒子の添加が挙げられるが、安価であり電気抵抗値の環境変動が少ない導電性粒子が好適に用いられる。導電性粒子としてはカーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物系導電性粒子、アルミニウム、鉄、銅、銀等の金属系導電性粒子を挙げることができる。また、これら導電性粒子は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また表面層は、個数平均粒子径が、10nm以上、100nm以下の導電性微粒子を含み、該導電性微粒子の一部が該表面層の表面に露出していることが好ましい。導電性微粒子が、表面層の表面に露出していることにより、導電性部材と接触する感光体との摩擦が低減するため、導電性部材の表面層の削れが抑制されるためである。
導電性ローラの表面層をディップコーティングした場合、表面層の最表面にスキン層が形成されるため、導電性微粒子が露出せず、摩擦低減を付与する効果が十分に得られない。導電性微粒子を表面層の表面に露出させる手法としては、最表面のスキン層を除去する方法、例えば、紫外線処理、研磨法、電解研磨法、化学研磨法、イオンミリング法等を行うことで、スキン層を除去し、本発明の導電性微粒子を露出させることが可能となる。本発明においては、表面層の硬度が低いため、紫外線処理を行うことでも、十分にスキン層を除去し、導電性微粒子を露出させることができる。紫外線処理は、研磨法等と比較し、表面層へのダメージを最小限に抑えた上で、導電性微粒子を露出させることができるため本手法が好ましい。露出状態は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、任意の2μm四方の領域の画像を撮影し確認できる。
[粗さ調整用樹脂粒子]
導電性部材の表面層は、本発明の効果を損なわない範囲で有機系化合物である粗さ調整用樹脂粒子または無機系化合物である粗さ調整用粒子を含有してもよい。有機系化合物である粗さ調整用樹脂粒子の例としては高分子化合物からなる粒子が挙げられる。高分子化合物の中でも、粒子としたとき、硬度が小さくて変形しやすく、表面層のバインダー樹脂中に均一に存在させるという観点から、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂及びシリコーン樹脂の粒子が好ましい。無機系化合物である粗さ調整用粒子として、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカ、ゼオライト及びベントナイト等の粒子を挙げることができる。これらの粒子は1種を使用しても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、これらの粒子には、表面処理、変性、官能基や分子鎖の導入、コーティング等が施されていても構わない。
粗さ調整用の樹脂粒子としては、例えば、個数平均粒径が、3μm以上、30μm以下のものが用いられる。
また、かかる粗さ調整用の粒子を含み、該粒子に由来する凸部が表面に形成されてなる表面層において、該粒子由来の凸部の表面硬度を、所定の値以下とすることが好ましい。ここで、本発明において、表面層の粗さを調整するための粒子に由来する凸部の表面硬度は、下記の通り、「マルテンス硬度」で表すこととする。そして、該樹脂粒子由来の凸部におけるマルテンス硬度は、10.0N/mm以下、特には、5.0N/mm以下であることが好ましい。これによって、帯電ローラが感光体と接触したときの感光体の表面への傷の発生を抑制することができる。また、該粒子由来の凸部によるトナーの変形を抑制することができる。
帯電ローラの表面層の、該粒子に由来する凸部におけるマルテンス硬度は、例えば、超微小硬度計(商品名:ピコデンターHM−500、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて測定することができる。その際に圧子としては、ダイヤモンド製の四角錘型の形状を有するビッカース圧子を用いる。また、測定条件として、帯電ローラの表面層の該粒子由来の凸部の中心にビッカース圧子の先端を当接させ、次いで、該圧子を表面層中に所定の速度で押し込み、荷重が0.04mNに到達した時のマルテンス硬度(N=0.04mN)を測定する。そして、このようにして測定される、粗さ調整用粒子に由来する凸部のマルテンス硬度は、帯電ローラの表面に汚れをもたらすトナーの割れや変形の抑制効果とよく相関するものである。なお、測定方法の詳細は、実施例に記載する。
表面層は、静電スプレー塗布やディッピング塗布、リング等の塗布法により形成することができる。または、予め所定の膜厚に成膜されたシート形状又はチューブ形状の層を接着又は被覆することにより形成することもできる。あるいは、型内で所定の形状に材料を硬化、成形する方法も用いることができる。この中でも、塗布法によって塗料を塗工し、塗膜を形成することが好ましい。
〔基体〕
帯電ローラの導電性の基体としては、鉄、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金又はニッケル等で形成されている金属性(合金製)の基体(例えば、円柱状の金属)を用いることができる。
[弾性層]
帯電ローラの導電性の弾性層は、例えば高分子弾性体に導電剤を分散して成形される。高分子弾性体としては、以下のものが挙げられる。エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、EPM(エチレン・プロピレンゴム)、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の合成ゴム;天然ゴム、イソプレンゴム;SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン−ブロックコポリマー)、SEBS(スチレン・エチレンブチレン・スチレン−ブロックコポリマー)等の熱可塑性エラストマー等。高分子弾性体としては特にエピクロルヒドリンゴムが好適に用いられる。エピクロルヒドリンゴムは、ポリマー自体が中抵抗領域の導電性を有し、導電剤の添加量が少なくても良好な導電性を発揮することができる。また、弾性層中の位置による電気抵抗のバラツキも小さくすることが出来るので、高分子弾性体として好適に用いられる。
エピクロルヒドリンゴムとしては、以下のものが挙げられる。エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体。この中でも安定した中抵抗領域の導電性を示すことから、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体が特に好適に用いられる。エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体は、重合度や組成比を任意に調整することで導電性や加工性を制御できる。弾性層の高分子弾性体は、エピクロルヒドリンゴム単独でもよいが、エピクロルヒドリンゴムを主成分として、必要に応じて前記ゴム等の一般的なゴムを含有してもよい。これらの一般的なゴムの使用量は、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対し、1〜50質量部であるのがより好ましい。
弾性層中の導電剤としては、イオン導電剤または電子導電剤を用いることができる。弾性層の電気抵抗のムラを小さくするという目的により、イオン導電剤を含有することが好ましい。イオン導電剤が弾性層中に均一に分散し、弾性層の電気抵抗を均一化することにより、帯電ローラを直流電圧のみの電圧印加で使用したときでも均一な帯電を得ることができる。
イオン導電剤としては、イオン導電性を示すイオン導電剤であれば特に限定されず、例えば以下のものが挙げられる。過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム等の無機イオン物質;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、過塩素酸テトラブチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩;トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム等の有機酸無機塩。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。イオン導電剤の中でも、環境変化に対して弾性層の電気抵抗が安定なことから特に過塩素酸4級アンモニウム塩が好適に用いられる。
電子導電剤としては、電子導電性を示す導電性粒子であれば特に限定されず、例えば以下のものが挙げられる。ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物系導電性粒子;アルミニウム、鉄、銅、銀等の金属系導電性粒子。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
導電剤の配合量は、弾性層の体積抵抗率が、低温低湿環境(温度15℃、相対湿度10%)、常温常湿環境(温度23℃、相対湿度50%)および高温高湿環境(温度30℃、相対湿度80%)で、1×10〜1×10Ω・cmになるように決めることが好ましい。良好な帯電性能を発揮する帯電部材が得られるためである。この他にも弾性層中には必要に応じて、可塑剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、分散剤及び離型剤の配合剤を含有させることもできる。弾性層の体積抵抗率は、弾性層に使用するすべての材料からなる組成物を厚さ1mmのシートに成型し、該シートの両面に金属を蒸着して電極とガード電極を形成して得た測定用試料を用いて測定することができる。具体的な測定方法は、前述した表面層の体積抵抗率の測定方法と同様である。
弾性層の硬度は、マイクロ硬度(MD−1型)で70°以下が好ましく、より好ましくは60°以下である。マイクロ硬度(MD−1型)が70°を超えると、帯電ローラと感光体との間のニップ幅が小さくなり、帯電ローラと感光体との間の当接力が狭い面積に集中し、当接圧力が大きくなる場合がある。また、マイクロ硬度(MD−1型)で50°以上が好ましい。なお、「マイクロ硬度(MD−1型)」とは、アスカー マイクロゴム硬度計MD−1型(商品名、高分子計器株式会社製)を用いて測定される帯電ローラの硬度である。具体的には、常温常湿(温度23℃、相対湿度55%)の環境中に12時間以上放置した帯電ローラに対して該硬度計を10Nのピークホールドモードで測定される値である。
弾性層の形成方法としては、上記の導電剤及び高分子弾性体を含む原料を密閉型ミキサーで混合して、例えば、押し出し成形、射出成形、又は、圧縮成形の如き公知の方法により形成するのが好ましい。また、弾性層は、導電性の基体の上に直接導電性弾性体を成形して作製してもよく、予めチューブ形状に成形した導電性弾性体を導電性の基体上に被覆形成させてもよい。なお、弾性層の作製後に表面を研磨して形状を整えてもよい。
<プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置>
本発明に係る導電性部材は、帯電部材としてプロセスカートリッジ及び電子写真装置に組み込むことができる。本発明に係るプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置されている帯電部材とを有し、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、該帯電部材が前記電子写真用の導電性部材であることを特徴とするプロセスカートリッジである。本発明に係る電子写真画像形成装置は、電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置されている帯電部材とを有する電子写真画像形成装置であって、該帯電部材が前記電子写真用の導電性部材であることを特徴とする電子写真画像形成装置である。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す模式的断面図である。静電潜像が形成された像担持体である静電潜像担持体11は、矢印R1方向に回転される。トナー担持体13は矢印R2方向に回転することによって、トナー担持体13と静電潜像担持体11とが対向している現像領域にトナー113を搬送する。また、トナー担持体13にはトナー供給部材14が接しており、矢印R3方向に回転することによって、トナー担持体の表面にトナー113を供給している。
静電潜像担持体(電子写真感光体)11の周囲には帯電部材(帯電ローラ)12、転写部材(転写ローラ)16、クリーナー容器17、クリーニングブレード18、定着器19、ピックアップローラ110等が設けられている。静電潜像担持体11は帯電ローラ12によって帯電される。そして、レーザー発生装置112によりレーザー光を静電潜像担持体11に照射することによって露光が行われ、目的の画像に対応した静電潜像が静電潜像担持体の帯電面に形成される。静電潜像担持体上の静電潜像は現像器15内のトナー113で現像されてトナー画像を得る。トナー画像は転写材を介して静電潜像担持体11に当接された転写部材(転写ローラ)16により転写材(紙)111上へ転写される。トナー画像を載せた転写材(紙)111は定着器19へ運ばれ転写材(紙)111上に定着される。また、一部静電潜像担持体11上に残されたトナー113はクリーニングブレード18によりかき落とされ、クリーナー容器17に収納される。
本発明の電子写真画像形成装置を構成する帯電装置としては、静電潜像担持体と帯電ローラとが当接部を形成して接触し、帯電ローラに所定の帯電バイアスを印加して静電潜像担持体面を所定の極性・電位に帯電させる接触帯電装置を用いることが好ましい。このように接触帯電を行うことで、安定した均一な帯電を行うことが出来、さらに、オゾンの発生を低減させることが可能である。また、静電潜像担持体との接触を均一に保ち、均一な帯電を行う為に、静電潜像担持体と同方向に回転する帯電ローラを用いることがより好ましい。
本発明の電子写真画像形成装置において好ましく適用される接触転写工程は、静電潜像担持体が記録媒体を介してトナーと逆極性の電圧が印加された転写部材と当接しながらトナー像を記録媒体に静電転写する工程が挙げられる。
本発明電子写真画像形成装置において、トナー層厚規制部材がトナーを介して現像剤担持体に当接することによって現像剤担持体上のトナー層厚を規制する事が好ましい。現像剤担持体に当接するトナー層厚規制部材としては、規制ブレードが一般的であり、本発明においても好適に使用できる。
上記規制ブレードとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;リン青銅板、SUS板等の金属弾性体が使用でき、さらに、それらの複合体であっても良い。更に、ゴム、合成樹脂、金属弾性体の如き弾性支持体に、トナーの帯電性をコントロールする目的で、樹脂、ゴム、金属酸化物、金属の如き帯電コントロール物質を現像剤担持体の当接部分に当たるようにつけたものを用いても良い。この中でも、金属弾性体に樹脂、ゴムを現像剤担持体の当接部に当たるように貼り合わせたものが特に好ましい。金属弾性体に貼り合わせる部材の材質としては、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂の如き正極性に帯電しやすいものが好ましい。
上記規制ブレードの上辺部側である基部は、現像器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性力に抗して現像剤担持体の順方向或いは逆方向にたわめ状態にして現像剤担持体の表面に適度の弾性押圧力をもって当接される。
規制ブレードと現像剤担持体との当接圧力は、現像剤担持体の母線方向の線圧として、好ましくは、1.27N/m以上、245.00N/m以下、更に好ましくは4.9N/m以上、118.0N/m以下が有効である。当接圧力が1.27N/m以上であることにより、トナーの均一な塗布がより容易となる。当接圧力が245.00N/m以下であると、トナーに大きな圧力がかかることを抑止でき、トナーの劣化を抑制し得る。
現像剤担持体上のトナー層の量は、2.0g/m以上12.0g/m以下であることが好ましい。より好ましくは、3.0g/m以上10.0g/m以下である。現像剤担持体上のトナー量が2.0g/m以上であると、と十分な画像濃度が得られやすい。一方、現像剤担持体上のトナー量が12.0g/m以下であると、規制不良が発生しにくく、また、均一帯電性が損なわれ難く、電子写真画像へのカブリの発生を抑制し得る。
なお、本発明において、現像剤担持体上のトナー量は、現像剤担持体の表面粗さ(Ra)、規制ブレードの自由長、規制ブレードの当接圧を変えることにより任意に変えることが可能である。
現像剤担持体に担持されたトナーを現像させるため、現像剤担持体はバイアス手段としての現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される領域)の電位と非画像部(現像剤が付着しない領域)の電位との間の値の電圧を現像剤担持体に印加するのが好ましい。静電潜像の画像部の電位と現像バイアス電位の差の絶対値(Vcontrast)の範囲としては50V以上400V以下であることが好ましい。この範囲内にすることで、好適な濃度の画像が形成される。また、現像された画像の濃度を高め、且つ階調性を向上させるためには、現像剤担持体に交番バイアス電圧を印加し、現像領域に向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。
静電潜像の非画像部の電位と現像バイアス電位の差の絶対値(Vback)の範囲としては50V以上600V以下であることが好ましい。この範囲内にすることで、非画像部にトナーが現像することを好適に抑制することができる。特に、クリーナー容器17、クリーニングブレード18を取り外したクリーナーレスシステムの場合は、感光体上に付着する紙粉によってVbackが不足して画像欠陥が発生しやすくなること、紙に転写されずに感光体上に残ったトナーを再びトナーが収容される現像容器内へ回収する必要があることから、Vbackを高めに設定することが好ましい。この値の範囲としては300V以上600V以下とすることが好ましい。
本発明の電子写真画像形成装置は、前記帯電部材が前記電子写真感光体(静電潜像担持体)と速度差を持って移動される構成であることが好ましい。また、前記帯電部材が前記電子写真感光体の移動方向と順方向に速度差を保ちつつ移動される構成であることが好ましい。クリーナーレスの電子写真画像形成装置において、この構成を採用すると、電子写真感光体の転写残トナーが帯電部材の表面上へ移行することを抑制することができる。
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。実施例に先立って、以下の原材料の製造例等を説明する。
1.弾性ローラ1〜4の製造例
2.表面層形成用原料の用意及び製造
2−1.原料ポリオールの用意または製造例
2−2.原料イソシアネートの用意
2−3.水酸基末端ウレタンプレポリマーC−1〜C−14の製造例
2−4.イソシアネート基末端プレポリマーD−1〜D−9の製造例
2−5.粗さ調整用樹脂粒子E−1〜E−5の用意
2−6.シリコーン添加剤F−1〜F−3の用意
3.表面層形成用塗料液G−1〜G−35の製造例。
〔1.弾性ローラ1〜4の製造例〕
(弾性ローラ1の作製)
直径6mm、長さ252.5mmの円柱形、鋼製の基体(表面をニッケルメッキ加工したもの、以下「芯金」という。)に、熱硬化性接着剤(メタロックN−33、(株)東洋化学研究所製)を塗布し、温度80℃で30分間乾燥させた後、さらに120℃で1時間乾燥させたものを「導電性の基体」として使用した。下記の表1に示す種類及び量の各材料を加圧式ニーダーで混練してA練りゴム組成物1を得た。
Figure 0006590660
さらに、前記A練りゴム組成物と下記表2に示す種類と量の各材料をオープンロールにて混練し、未加硫ゴム組成物1を調製した。
Figure 0006590660
次に導電性の基体の供給機構及び未加硫ゴムローラの排出機構を有するクロスヘッド押出機を使用して、上記導電性の基体上に、未加硫ゴム組成物1を同軸状に外径8.75〜8.90mmの円筒形に押出し、未加硫ゴム組成物の層を形成した。次に、160℃の熱風加硫炉中に前記ローラを投入し、60分間加熱することで未加硫ゴム組成物の層を加硫し、弾性層とした。ゴム層の両端部を切断してゴム層の長さを229mmとした後、外径が8.5mmのローラ形状となるように表面を回転砥石で研磨することで、弾性ローラ1を得た。なお、このローラのクラウン量(中央部の外径と中央部から両端部方向に各90mm離れた位置の外径の差の平均値)は110μmであった。
(弾性ローラ2の作製)
エピクロルヒドリンゴム(CG−102)を、エピクロルヒドリンゴム(EO−EP−AGE三元共重合物、EO/EP/AGE=73mol%/23mol%/4mol%)に変更した以外は、弾性ローラ1の作製の場合と同様にして作製した。
(弾性ローラ3の作製)
四級アンモニウム塩を、アデカサイザーLV70(株式会社ADEKA製)2質量部に変更した以外は、弾性ローラ1の作製の場合と同様にして作製した。
(弾性ローラ4の作製)
弾性ローラ1で用いたものと同様の芯金に、プライマー(商品名:DY35−051、東レダウコーニング社製)を塗布し、温度150℃で30分間焼き付けたものを導電性の基体として使用した。この導電性の基体を金型に配置し、下記の表3に示す種類及び量の各材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。
Figure 0006590660
次に、金型を加熱してシリコーンゴムを150℃で15分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された導電性の基体を金型から脱型した後、さらに180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。ゴム層の両端部を切断してゴム層の長さを229mmとし、外径が8.5mmの弾性ローラ4を得た。
〔2.表面層用の原料の用意及び製造〕
〔2−1.原料ポリオールの用意または製造例〕
以下に本発明のポリウレタン表面層を得るための合成例を示す。
[原料ポリオールの数平均分子量の測定]
本製造例における数平均分子量(Mn)の測定に用いた装置、並びに条件は以下の通りである。
測定装置:HLC‐8120GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgel Super HZMM(東ソー株式会社製)×2本
溶媒:THF(20mmol/Lトリエチルアミン添加)
温度:40℃
THFの流速:0.6ml/min
なお測定サンプルは0.1質量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液とした。更に検出器としてRI(屈折率)検出器を用いて測定を行った。
検量線作成用の標準試料として、東ソ−社製のTSK標準ポリスチレンA−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10、F−20、F−40、F−80、F−128を用いて検量線の作成を行った。これを基に得られた測定サンプルの保持時間から数平均分子量を求めた。
[原料ポリオールの用意]
下記表4に示す16種類の原料ポリオールであるA−1からA−16は市販品を購入した。また原料ポリオールA−17及びA−18に関しては、合成した。
Figure 0006590660
[原料ポリオールA−17の合成]
窒素雰囲気下、1,3−プロパンジオール100.0g、アジピン酸49.4g、エチレンカーボネート69.5gを混合加熱し、200℃に昇温しながら、反応系から生成されるエチレングリコール及び水を留去した。エチレングリコール及び水が留去された後に、チタンテトライソプロポキシド15ppm加え、さらに266.7Paの減圧下で重縮合反応を進めた。反応液を室温まで冷却し、原料ポリオールA−17を得た。得られた原料ポリオールA−17の数平均分子量は2030であった。
[原料ポリオールA−18の合成]
原料ポリオールA−18は、下記表5に記載の出発原料を用いたこと以外は、原料ポリオールA−17の場合と同様の方法で作製した。原料ポリオールA−18の数平均分子量は2040であった。
Figure 0006590660
〔2−2.原料イソシアネートB−1〜B−6の用意〕
下記表6に示す原料イソシアネートを用意した。
Figure 0006590660
〔2−3.水酸基末端ウレタンプレポリマーC−1〜C−14の製造例〕
[水酸基末端ウレタンプレポリマーC−1の合成]
窒素雰囲気下、下記表7に記載の材料を温度90℃で3時間加熱撹拌して反応させた。その後、得られた反応物にメチルエチルケトン(MEK)を加え、固形分50質量部の溶液として、水酸基末端ウレタンプレポリマーC−1を作製した。
Figure 0006590660
[水酸基末端ウレタンプレポリマーC−2〜C−14の合成]
水酸基末端ウレタンプレポリマーC−2〜C−14は、下記表8に記載の出発原料を用いて、水酸基末端ウレタンプレポリマーC−1の合成の場合と同様の方法で作製した。
これらの水酸基末端ウレタンプレポリマーC−1〜C−14の化学構造を、H−NMR及び13C−NMRを用いて特定した。尚、表8における、構造式(1)、(2)、(3)及び(4)中のp,q,r,s,m,n,kは、平均値である。
Figure 0006590660
〔2−4.イソシアネート基末端プレポリマーD−1〜D−9の製造例〕
[イソシアネート基末端プレポリマーD−1の合成]
窒素雰囲気下、下記表9に記載の材料を温度90℃で3時間加熱撹拌して反応させた。その後、得られた反応物にメチルエチルケトン(MEK)を加え、固形分50質量部の溶液とし、イソシアネート基末端プレポリマーD−1を作製した。
Figure 0006590660
[イソシアネート基末端プレポリマーD−2〜D−9の合成]
イソシアネート基末端プレポリマーD−2〜D−9は、下記表10に記載の種類及び量の出発原料を用いて、イソシアネート基末端プレポリマーD−1の合成の場合と同様の方法で作製した。
これらのイソシアネート基末端プレポリマーD−1〜D−9の化学構造を、H−NMR及び13C−NMRを用いて特定した。尚、表10における、構造式(1)、(2)、(3)及び(4)中のp,q,r,s,m,n,kは、平均値である。
Figure 0006590660
〔2−5.粗さ調整用樹脂粒子E−1〜E−5の用意〕
下記表11に示す粗さ調整用樹脂粒子を用意した。
Figure 0006590660
〔2−6.シリコーン添加剤F−1〜F−3の用意〕
下記表12に示すシリコーン添加剤を用意した。
Figure 0006590660
〔3.表面層形成用塗料液G−1〜G−35の製造例〕
[3−1.表面層形成用塗料液G−1の調製]
表面層形成用塗料液G−1の材料として下記表13に記載の種類及び量の材料を反応容器内に加え、撹拌した。次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトン(MEK)を加えた後、サンドミルにて混合した。次いで、MEKを加えて液の粘度を6〜10cpsの範囲内に調整して、表面層形成用塗料G−1を作製した。
Figure 0006590660
[3−2.表面層形成用塗料液G−2〜G−25の調製]
表面層形成用塗料液G−2〜G−25は、下記表14に記載の種類及び量の出発原料を用いて、表面層形成用塗料液G−1の調製の場合と同様の方法で作製した。
[3−3.表面層形成用塗料液G−26〜G−35の調製]
表面層形成用塗料液G−26〜G−35は、以下の方法で作製した。まず、下記表14に記載の水酸基末端ウレタンプレポリマー、イソシアネート基末端プレポリマー、カーボンブラックを、表面層形成用塗料液G−1の調製の場合と同様の方法で、混合した。次に、シリコーン添加剤或いは粗さ調整用樹脂粒子を加え、サンドミルにて10分間混合した。その後、MEKを加えて液の粘度を6〜10cpsの範囲内に調整して、表面層形成用塗料を作製した。
Figure 0006590660
〔実施例1〕
[1.帯電ローラの製造]
弾性ローラ1を、その長手方向を鉛直方向にして、その上端部を把持して、表面層形成用塗料液G−1中に浸漬(ディッピング)して、弾性ローラ1の表面に塗料液を塗工した。ディッピングは浸漬時間が9秒間、ローラの引き上げ速度は、初期速度が20mm/s、最終速度は2mm/s、その間は時間に対して直線的に速度を変化させて行った。得られた塗工物を常温で30分間風乾し、次いで80℃に設定した熱風循環乾燥機中で1時間乾燥し、更に160℃に設定した熱風循環乾燥機中で1時間乾燥させた。このようにして、弾性層上に膜厚21μmの表面層を形成した帯電ローラ1を得た。帯電ローラ1を以下の測定または評価に供した。
[2.表面層中の重合体の化学構造の測定]
本実施例で得られた表面層については、熱分解装置(商品名:パイロホイルサンプラーJPS‐700、(日本分析工業社製)及びGC/MS装置(商品名:Focus GC/ISQ、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用い、熱分解温度を590℃、キャリアガスとしてヘリウムを使用し、分析を行った。その結果、得られたフラグメントピークから、構造式(1)で示される構造と構造式(2)で示される構造とを有することが確認された。分析結果を表15−1に示す。
[3.表面層のユニバーサル硬度の測定]
表面層の表面から深さ1μmの位置におけるユニバーサル硬度を、ユニバーサル硬さ計にて測定した。測定には超微小硬度計(商品名:フィッシャースコープ(FISCHERSCOPE)HM−2000、ヘルムートフィッシャー社製)を用いた。具体的な測定条件を以下に示す。
測定圧子:ビッカース圧子(面角136°、ヤング率1140GPa、ポアソン比0.07、圧子材料ダイアモンド)
測定環境:温度23℃、相対湿度50%
最大試験荷重:1.0mN
荷重条件:最大試験荷重に30秒で達する速度で、時間に比例して荷重を印加した。
本評価においては、圧子が、表面層の表面から深さ1μmに押し込まれた時点における荷重Fと、その際の圧子と表面層との接触面積Aとを用いて、下記計算式(1)によりユニバーサル硬度を算出した。
計算式(1)
ユニバーサル硬度(N/mm)=F/A
評価結果を「表面硬度1」として表15−2に示す。
[4−1.表面層の表面粗さの測定]
帯電ローラ1の表面層の表面の算術平均粗さRaを測定した。測定はJIS B0601:1982に基づき、表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダーSE3400、小坂研究所社製)を用いて行った。先端半径2μmのダイヤモンド製接触針を用い、測定スピードは0.5mm/s、カットオフ周波数λcは0.8mm、基準長さは0.8mm、評価長さは8.0mmとした。測定箇所は、軸方向3点×周方向3点の計9箇所とし、各測定点において各々粗さ曲線を測定してRaの値を算出し、それらの9点のRaの平均値を帯電ローラのRaの値とした。その結果、帯電ローラ1のRaは0.69μmであった。評価結果を「表面粗さ」として表15−2に示す。
[4−2.表面層の粗さ調整用樹脂粒子に由来する凸部におけるマルテンス硬度]
表面層の表面の、粗さ調整用樹脂粒子に由来する凸部におけるマルテンス硬度は、ユニバーサル硬さ計を用いて測定した。具体的には、超微小硬度計(商品名:ピコデンターHM−500、ヘルムートフィッシャー社製)を用いた。測定条件を以下に示す。
測定圧子:四角錐圧子(角度136°、ベルコビッチタイプ)
圧子材料:ダイヤモンド
測定環境:温度23℃、相対湿度50%
荷重速度および除荷速度:1mN/50秒
本評価においては、電子写真用部材の表面における粗さ調整用樹脂粒子に由来する凸部に対して、圧子の先端を当接させ、上記条件に記載の速度で荷重を負荷していき、荷重が0.04mNに到達した時点で、押し込み深さhを求め、下記計算式(2)によりマルテンス硬度を算出した。
計算式(2)
マルテンス硬度HM(N/mm)= F(N)/試験荷重下での圧子の表面積(mm
なお、本評価は、実施例1において行っておらず、表面層中に粗さ調整用樹脂粒子を含む、実施例29〜35および比較例7に係る導電性部材について行った。評価結果を「表面硬度2」として表15−2または表26に示す。
[4−3.表面層の表面に凸部を生じさせている粗さ調整用の樹脂粒子の表面層中における平均粒径]
表面層中の表面に凸部を生じさせている粗さ調整用樹脂粒子の平均粒子径は、FIB−SEMを用いて測定した。具体的には、FIB−SEM(商品名:デュアルビームSEM Helios600、FEI社製)を用いた。具体的な測定手法を以下に示す。
導電ローラに対してカッターの刃を当て、x軸方向(ローラ長手方向)および、y軸方向(x軸に直交するローラの横断面における円形断面の接線方向)に各5mmの長さで切片を切り出した。切り出した切片をFIB−SEM装置を用い、加速電圧10kV、倍率1000倍で、z方向(x軸に直行するローラの横断面における直径方向)から観察を行った。次に、ガリウムイオンビームを用いイオンビーム電流量20nAで、z方向に200nm間隔で表面から20μmの深さまで計100枚の断面像を撮影した。断面像にて観察される各粗し粒子に対して、粒子径が最大となる粒径を該粒子の粒子径とし、粒子20個の粒径の平均値を、平均粒子径とした。
なお、本評価は、実施例1において行っておらず、表面層中に粗さ調整用の樹脂粒子を含む、実施例29〜35および比較例7に係る導電性部材について行った。評価結果を表27に示す。
[5.表面層の膜厚]
表面層の膜厚は、表面層の軸方向3箇所、円周方向3箇所、計9箇所における断面を、光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察して測定し、その平均値を表面層の「膜厚」とした。評価結果を「膜厚」として表15−2に示す。
[6.表面層の体積抵抗率]
表面層の体積抵抗率は、原子間力顕微鏡(AFM)(Q−scope250:Quesant社)を用いて、導電性モードによって測定した。帯電ローラの表面層から、マニュピレーターを用いて、幅2mm、長さ2mmのシートを切り出した。なお、表面層からのシートの切り出しは、該シートの一方の表面が、表面層の表面を含むように行った。次いで、該シートの弾性層に接していた面に白金を厚さ10nmに蒸着した。次に白金を蒸着を施した面に直流電源(6614C:Agilent社)64を接続して10Vを印加し、表面層にはカンチレバーの自由端を接触させ、AFM本体を通して電流像を得た。無作為に選んだ100箇所の表面における電流値を測定し、測定された低電流値の上位10箇所の電流値から平均電流値を算出した。平均電流値、シートの平均膜厚、及びカンチレバーの接触面積から体積抵抗率を算出した。なおシートの平均膜厚は、切り出したシート断面の10箇所において光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて測定し、その平均値を採用した。
測定の条件を以下に示す。評価結果を「体積抵抗率」として表15−2に示す。
[測定条件]
測定モード:contact
カンチレバー:CSC17
測定範囲:10nm×10nm
スキャンレイト:4Hz
印加電圧:10V。
[7.注入帯電量の評価]
帯電ローラが感光体に対して従動して回転する場合に発生する注入帯電量の評価を、以下のようにして行った。プロセスカートリッジ(商品名:「HP 36A(CB436A)」、HP社製)に帯電ローラ1を組み込み、帯電ローラ1の位置から感光体の周方向に90度回った位置であって感光体から2mm離れた位置に表面電位計プローブ(商品名:MODEL555P−1、トレックジャパン(株)社製)を配置した。このプロセスカートリッジをレーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet P1505 Printer、HP社製)に挿入し、高温高湿(温度30℃、相対湿度80%)環境下で、電子写真感光体の回転速度を半速にし、帯電ローラ1にDC−500Vの電圧を印加した際の感光体中央部の表面電位(帯電量)を測定した。測定した感光体1周目の波形の平均値を「注入帯電量」と定義した。なお安定した画像濃度で出力を維持するための注入帯電量の目安としては、50V以下である。この結果を「注入帯電評価 通常」として表15―2に示す。
[8.放電特性評価試験]
電子写真装置として、レーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet P1505 Printer、HP社製)を用意した。このレーザービームプリンターは、A4サイズの紙を縦方向に出力可能である。また、このレーザープリンターのプリントスピードは23枚/分であり、画像解像度は600dpiである。上記レーザービームプリンター用のプロセスカートリッジ(商品名:「HP 36A(CB436A)」、HP社製)に付属の帯電ローラを取り外して、その代わりに帯電ローラ1を組み込み、そのプロセスカートリッジを上記レーザービームプリンターに装填した。このレーザービームプリンターを用いて、低温低湿(温度15℃、相対湿度10%)環境下で、A4サイズの紙上にサイズが4ポイントのアルファベット「E」の文字を、印字率が1%となるように印字する画像を2000枚形成した。なお、電子写真画像の形成は、1枚出力する毎に7秒間かけて電子写真感光体の回転を停止させる、いわゆる、間欠モードで行った。間欠モードでの画像出力は、連続して電子写真画像の形成を行う場合と比較して、帯電ローラと電子写真感光体との摺擦回数が多くなるため、帯電ローラにとってより過酷な評価条件と言える。このようにして2000枚の画像の出力を終えた後、ハーフトーン画像(感光体の回転方向に垂直方向に幅1ドットの横線が、当該回転方向に2ドットの間隔で描かれた画像)を出力し、得られた画像を以下の基準で評価した。評価結果を「放電特性評価」として表15−2に示す。
A:出力画像上、目視で白ポチは認められない。
B:出力画像上、わずかに白ポチが認められる。
C:出力画像上、全域にわたって白ポチが認められる。
[9.感光体の磨耗の評価]
プロセスカートリッジ(商品名:「HP 36A(CB436A)」、HP社製)に帯電ローラ1を組み込み、そのプロセスカートリッジをレーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet P1505 Printer、HP社製)に装填した。このレーザービームプリンターを用いて、低温低湿(温度15℃、相対湿度10%)環境下で、A4サイズの紙上に、電子写真感光体の回転方向に対して、垂直方向に幅2ドット、間隔118スペースの横線が描かれるような画像を2000枚形成した。なお、電子写真画像の形成は、1枚出力する毎に10秒間かけて電子写真感光体の回転を停止させる、いわゆる、間欠モードで行った。間欠モードでの画像出力は、連続して電子写真画像の形成を行う場合と比較して、帯電ローラと電子写真感光体との摺擦回数が多くなるため、感光体の摩耗に対しては、より厳しい評価である。
2000枚の画像形成を行った後、磨耗の不均一性に起因するハーフトーン画像上の縦線状の画像ムラを目視で評価することによって画像評価を行った。評価結果を「感光体摩耗」として表15−2に示す。
ランク1:縦線状の画像ムラが発生しない。
ランク2:縦線状の画像ムラが軽微に発生する。
ランク3:軽微な縦線状の画像ムラが帯電ローラピッチで発生しているが、実用上問題のないレベルである。
[10.初期注入帯電量の評価(クリーナーレス)]
帯電ローラが感光体の回転に対して順方向に10%の周速差を持って回転するギアを帯電ローラ1に取り付けた。付属の帯電ローラ及びクリーニングブレードを取り除いたプロセスカートリッジ(商品名:「HP 36A(CB436A)」、HP社製)に帯電ローラ1を組み込んだ。このプロセスカートリッジを、レーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet P1505 Printer、HP社製)に装填し、前記「7.注入帯電量の評価」の場合と同様にして初期注入帯電量の評価を行った。なお安定した画像濃度で出力を維持するための注入帯電量の目安としては、50V以下である。この結果を「注入帯電評価(クリーナーレス)初期」として表15−2に示す。
[11.耐久後注入帯電量の評価(クリーナーレス)]
前記「10.初期注入帯電量の評価(クリーナーレス)」の場合と同様にして、レーザービームプリンターを準備した。このレーザービームプリンターを用いて、高温高湿(温度30℃、相対湿度80%)環境下で、A4サイズの紙上にサイズが4ポイントのアルファベット「E」の文字を、印字率が1%となるように印字する画像を2000枚形成した。なお、電子写真画像の形成は、1枚出力する毎に7秒間かけて電子写真感光体の回転を停止させる、いわゆる、間欠モードで行った。間欠モードでの画像出力は、連続して電子写真画像の形成を行う場合と比較して、帯電ローラと電子写真感光体との摺擦回数が多くなるため、帯電ローラにとってより過酷な評価条件と言える。このようにして2000枚の画像の出力を終えた後、前記「7.注入帯電量の評価」の場合と同様にして、耐久後注入帯電量評価(クリーナーレス)を行った。なお安定した画像濃度で出力を維持するための注入帯電量の目安としては、50V以下である。この結果を「注入帯電評価(クリーナーレス)耐久後」として表15−2に示す。
〔実施例2〜37〕
実施例2〜35において表15−1に記載の表面層形成用塗料(G−2〜G−35)に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ2〜37を作製した後、実施例1と同様にして各測定及び評価を実施した。結果を表15−2に示す。
なお粗さ調整用樹脂粒子を表面層形成用塗料中に添加した実施例29〜35においては、上記の各評価に加えて更に、表面層の表面の凸部におけるマルテンス硬度(表面硬度2)を測定した。
〔実施例38〕
実施例1と同様にして弾性層上に膜厚21μmの表面層を形成した。これに、波長254nmの紫外線を積算光量が9000mJ/cmになるように照射し、帯電ローラ38を作製した。紫外線の照射には低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング(株)製)を用いた。得られた帯電ローラから表面層を含む弾性層を切り出し、表面層の最表面に白金蒸着を行い、走査型電子顕微鏡(商品名:S−4800、日立ハイテクノロジー社製)を用いて、縦2.0μm×横2.0μmの領域を40000倍で観察、写真撮影を行ったところ、導電性微粒子が露出していることが確認された。実施例1と同様にしてこの帯電ローラを評価した。結果を表15−2に示す。
〔実施例39〜41〕
表15−1に記載の弾性ローラ1に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ39〜41を作製した後、実施例1と同様にして評価した。結果を表15−2に示す。
Figure 0006590660
Figure 0006590660
〔比較例1〕
窒素雰囲気下、下記表16に記載の材料を温度90℃で3時間加熱撹拌し反応させた。それ以外は、実施例1と同様にして、表面層形成用塗料液G−36を作製した。表面層形成用塗料液G−1を表面層形成用塗料液G−36に変更した以外は実施例1と同様にして、帯電ローラ51を作製し、評価した。結果を表26に示す。
Figure 0006590660
〔比較例2及び3〕
表面層形成用塗料液G−37及びG−38は、表17に記載の出発原料を用いて、表面層形成用塗料液G−1と同様の方法で作製した。表面層形成用塗料液G−1を表面層形成用塗料液G−37またはG−38に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ52及び53を作製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表26に示す。
Figure 0006590660
〔比較例4〕
[1.水酸基末端ウレタンプレポリマーC−15の合成]
下記表18に記載の材料に変更した以外は、水酸基末端ウレタンプレポリマーC−1の合成の場合と同様にして合成した。
Figure 0006590660
[2.イソシアネート基末端プレポリマーD−10の合成]
下記表19に記載の材料に変更した以外は、イソシアネート基末端プレポリマーD−1の合成の場合と同様にして合成した。
Figure 0006590660
[3.表面層形成用塗料液G−39の調製]
下記表20に記載の材料に変更した以外は、表面層形成用塗料液G−1の調製の場合と同様の方法で作製した。
Figure 0006590660
[4.帯電ローラの作製及び評価]
表面層形成用塗料液G−1を表面層形成用塗料液G−39に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ54を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表26に示す。
〔比較例5〕
表面層形成用塗料液G−1に下記表21記載の添加剤H−1を2質量部加え、混合し表面層形成用塗料液G−40を作製した。表面層形成用塗料液G−1を表面層形成用塗料液G−40に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ55を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表26に示す。
Figure 0006590660
〔比較例6〕
表面層形成用塗料液G−1に、添加剤H−2を3質量部加えて混合し、表面層形成用塗料液G−41を作製した。表面層形成用塗料液G−1を表面層形成用塗料液G−41に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ56を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表26に示す。
〔比較例7〕
表面層形成用塗料液G−1に、粗さ調整用樹脂粒子E−5を34.8質量部加えた以外は、表面層形成用塗料液G−26と同様に表面層形成用塗料液G−42作製した。表面層形成用塗料液G−1を表面層形成用塗料液G−42に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ57を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表26に示す。
また、粗さ調整用の樹脂粒子の表面層中における平均粒径の評価結果を表27に示す。
〔比較例8〕
[1.イソシアネート基末端プレポリマーD−11の合成]
下記表22に記載の材料に変更した以外は、イソシアネート基末端プレポリマーD−1と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーD−11を合成した。
Figure 0006590660
[2.表面層形成用塗料液G−43の調製]
下記表23に記載の材料に変更した以外は、表面層形成用塗料液G−1と同様の方法で表面層形成用塗料液G−43を作製した。
Figure 0006590660
[3.帯電ローラの作製及び評価]
表面層形成用塗料液G−1を表面層形成用塗料液G−43に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ58を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表26に示す。
〔比較例9〕
[1.イソシアネート基末端プレポリマーD−12の合成]
下記表24に記載の材料に変更した以外はイソシアネート基末端プレポリマーD−1と同様にしてイソシアネート基末端プレポリマーD−12を合成した。
Figure 0006590660
[2.表面層形成用塗料液G−44の調製]
下記表25に記載の材料に変更した以外は、表面層形成用塗料液G−1と同様の方法で表面層形成用塗料液G−44を作製した。
Figure 0006590660
[3.帯電ローラの作製及び評価]
表面層形成用塗料液G−1を表面層形成用塗料液G−44に変更した以外は、実施例1と同様にして帯電ローラ59を作製した後、実施例1と同様に評価した。結果を表26に示す。
Figure 0006590660
Figure 0006590660
実施例1から41は、放電特性の評価及び感光体摩耗の評価、通常の注入帯電量の評価及びクリーナーレスでの注入帯電量の評価のすべてにおいて良好またはほぼ良好な結果を示している。特に実施例1から13は、表面層中に群Aと群Bの構造を有するため、クリーナーレスでの注入帯電量評価において、初期の注入帯電量と耐久後の注入帯電量の変化が少ない。また実施例1の表面層にシリコーン添加剤や粗さ調整樹脂粒子を加えた実施例26〜35においては、クリーナーレスでの注入帯電評価において、初期の注入帯電量と耐久後の注入帯電量の変化が少なくなっている。この理由としてシリコーン添加剤の場合、表面層の高抵抗化に加え、滑り性向上により表面層の摩耗が減ったためと思われる。粗さ調整樹脂粒子添加の場合、表面層に粗さが生じ感光体との接触面積の減少による、注入帯電量の減少に加えて、接触部が減ったことによる摩擦も減少し表面層の摩耗が減少したためと考えられる。
一方、比較例1〜9においては、放電特性の評価、感光体の摩耗の評価、通常の注入帯電量の評価及びクリーナーレスでの注入帯電量の評価のいずれか一つ以上が悪い結果を示している。比較例1は、ウレタン結合を有する重合体中に含まれる構造が群Aの構造のみのため表面層にタックが生じ、表面層が耐久を通じて、トナーや外添剤、紙粉等により汚れ、放電特性が低下してしまう。またクリーナーレスでの注入帯電量評価において、表面層の摩耗が生じ、耐久後の注入帯電量が50Vを超えてしまう。比較例2は、ウレタン結合を有する重合体中に含まれる構造が群Bの構造のみのため表面層の体積抵抗率が低くなり、またクリーナーレスでの注入帯電量評価において、表面層の摩耗が生じ、耐久後の注入帯電量が50Vを超えてしまう。比較例3は、ウレタン結合を有する重合体中に含まれる構造が結晶性の群Cの構造のみのため低温特性が悪く、低温低湿環境下での感光体の削れに起因する画像不良が生じる。比較例4は、表面層の硬度が高く、低温低湿環境下での感光体の削れに起因する画像不良が生じる。比較例5及び6は、表面層中にスルホン酸塩基や3級アミノ基を多く有するため、体積抵抗率が低くなり、その結果、注入帯電量が50Vを超えてしまう。比較例7は、硬い粗さ調整粒子を多く添加したため、表面層が高硬度化した結果、ドラム削れに起因する画像不良が生じる。比較例8及び9は、表面層の体積抵抗率が低く、注入帯電量が50Vを超えてしまう。
11:静電潜像担持体(電子写真感光体)
12:帯電部材(帯電ローラ)
13:トナー担持体
14:トナー供給部材
15:現像器
16:転写部材(転写ローラ)
17:クリーナー容器
18:クリーニングブレード
19:定着器
110:ピックアップローラ
111:転写材(紙)
112:レーザー発生装置
113:トナー
R1:電子写真感光体の回転方向
R2:トナー担持体の回転方向
R3:トナー供給部材の回転方向

Claims (8)

  1. 導電性の基体、導電性の弾性層および表面層をこの順に有する電子写真用の導電性部材であって、
    該表面層は、体積抵抗率が、1.0×1010Ω・cm以上、1.0×1016Ω・cm以下であり、表面から深さ1μmの位置におけるユニバーサル硬度が、1.0N/mm以上、7.0N/mm以下であり、かつ、ウレタン結合を有する重合体を含み、
    該重合体は、下記(A)、(B)および(C)からなる3つの構造群から選択される少なくとも2つ構造を分子内に有することを特徴とする電子写真用の導電性部材:
    (A)下記構造式(1)で示される構造;
    (B)下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造のいずれか一方または両方の構造;
    (C)下記構造式(4)で示される構造;
    Figure 0006590660
    [構造式(1)中、R11、R12及びR13は、炭素数3以上9以下の2価の炭化水素基を表す。但し、R11及びR12は、互いに異なり、R13は、R11及びR12の一方と同じである。p及びqは、各々独立に、1.0以上の数を表す。
    構造式(2)中、r及びsは、各々独立に、1.0以上の数を表す。
    構造式(3)中、R31及びR32は、各々独立に、炭素数3以上、8以下の2価の炭化水素基を表す。m及びnは、各々独立に、1.0以上の数を表す。
    構造式(4)中、R41は、炭素数6以上、9以下の2価の炭化水素基を表す。kは、1.0以上の数を表す。]。
  2. 前記重合体が、前記構造式(1)で示される構造と、前記構造式(2)及び(3)で示される構造の少なくとも一方の構造と、を有する請求項1に記載の電子写真用の導電性部材。
  3. 前記重合体が、前記構造式(1)で示される構造と、前記構造式(2)で示される構造と、を有する請求項1に記載の電子写真用の導電性部材。
  4. 前記表面層が、個数平均粒子径が3μm以上、30μm以下の粒子を含み、その表面に該粒子由来の凸部を有し、かつ、該凸部における荷重が0.04mNに到達した時のマルテンス硬度が10.0N/mm以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真用の導電性部材。
  5. 前記表面層が、個数平均粒子径が10nm以上、100nm以下の導電性微粒子を含み、該導電性微粒子の一部が該表面層の表面に露出している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用の導電性部材。
  6. 電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置されている帯電部材とを有し、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されているプロセスカートリッジであって、該帯電部材が請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真用の導電性部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触して配置されている帯電部材とを有する電子写真画像形成装置であって、該帯電部材が請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子写真用の導電性部材であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
  8. 前記帯電部材が前記電子写真感光体と速度差を持って移動される構成であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真画像形成装置。
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