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JP6601866B2 - クランクレスエンジン - Google Patents
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Description

本発明は、クランク機構を有しないクランクレスエンジンに係り、更に詳しくは、エンジン全体の小型化、軽量化、高回転化等を促進することのできるクランクレスエンジンに関する。
本発明者は、特許文献1に示されるように、従来よりも熱効率を大幅に向上させるための新たな燃焼原理を備えたエンジンについて提案している。しかしながら、当該熱効率の向上、軽量化、高回転化を図るためには、エンジンの構造についても検討する必要があり、前記新たな燃焼原理を備えたエンジンには、クランクやコネクティングロッド等のクランク機構を省略したクランクレスエンジンを併用することが考えられる。このクランクレスエンジンとしては、ピストンの駆動を電磁的に行う電磁式のフリーピストンエンジンが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、特許文献3には、機械式のクランクレスエンジンが提案されている。この機械式のクランクレスエンジンは、対向配置された2つのピストンの間の作動空間で燃料を燃焼爆発させることで各ピストンを離間させる方向に動作させ、これらピストンの動力によって、各ピストンに係合する回転ドラムを回転させる構造となっている。
国際公開第2011/155248号パンフレット 特開2005−318708号公報 特表2013−505397号公報
前記特許文献2の電磁式のフリーピストンエンジンの構造では、ピストンの多様な動作制御を可能にするものの、当該動作には、電磁石(永久磁石)用いられており、混合気を燃焼空間で燃焼爆発させるエンジンに併用する場合には、電磁石の耐熱性の観点から、ピストンへの組み込み等、前記燃焼空間の近傍に設置することができず、エンジン全体の大型化を招来することになる。また、前記特許文献3の機械式のクランクレスエンジンにあっては、ピストンの横に回転ドラムを付設し、ピストンの並進方向に対し、回転ドラムの回転軸の延出方向が相違する構造になっており、この構造が、エンジン全体の小型化及び軽量化を阻害する要因となる。
本発明は、このような課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、クランク機構を省略した状態で、電磁式のフリーピストン並みの自由なピストン運動を可能にし、且つ、エンジン全体の小型化及び軽量化を促進することができるクランクレスエンジンを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、主として、所定の中心軸の延出方向に沿って並進運動可能に設けられたピストンと、当該ピストンの外側を囲むように配置された囲み部材と、当該囲み部材の内部空間で前記ピストンとの間に形成され、外気と燃料の混合気を燃焼爆発させる燃焼空間とを備え、当該燃焼空間での前記混合気の燃焼爆発により前記ピストンが並進運動することで、当該並進運動を回転運動に変換するクランクレスエンジンにおいて、前記ピストンの外面及び前記囲み部材の内面の何れか一方には、前記中心軸の延出方向に変位しながら前記外面上若しくは前記内面上を1周する環状の溝部が設けられる一方、前記何れか他方側には、前記溝部に係合する係合部材が設けられ、前記ピストンの並進運動時における前記溝部と前記係合部材の係合により、前記ピストンと前記囲み部材とが、前記中心軸周りに相対回転運動可能に設けられる、という構成を採っている。
なお、本明細書及び請求の範囲において、「一定領域」は、燃焼空間の外側から離れた、すなわち、吸気穴が形成された囲み部材の内面から離れた燃焼空間の中心の点又は中心軸付近の一定領域を意味する。当該一定領域は、ピストンの移動速度や空燃比を変えても変位せず、方向性を有する各吸気口からの噴流が衝突する領域であり、また、ピストンの移動に伴って所定範囲内で若干の移動が生じ得る領域である。なお、前記一定領域は、吸気口から燃焼空間内に噴流が供給されて衝突噴流圧縮が生成開始されるときに、幾何学的に、ピストンや囲み部材の各表面に接触しない微小点か又は微小線分上に存在する。
本発明によれば、電磁式のフリーピストン並みの自由なピストン運動を可能にするともに、エンジン全体の小型化及び軽量化や、クランク機構の省略による摩擦ロスを低減することができ、エンジンの広範な使用領域において熱効率を向上させることが可能になる。特に、囲み部材を吸排気用ロータリーバルブとして機能させた場合には、燃焼空間内に負圧による多重衝突パルス噴流を形成しながら、吸気穴の開閉タイミングを溝部の形状によって自由に設定することができ、エンジンの高回転化や熱効率の向上が可能となる。
第1実施形態に係るクランクレスエンジンの構造を概念的に表した概略断面図。 第1実施形態に係るクランクレスエンジンにおけるピストンの変位状態を順に説明するための概念的な概略断面図。 第2実施形態に係るクランクレスエンジンの構造を概念的に表した概略断面図。 第3実施形態に係るクランクレスエンジンの構造を概念的に表した概略断面図。 第4実施形態に係るクランクレスエンジンの構造を概念的に表した概略断面図。 変形例に係るクランクレスエンジンの構造を概念的に表した概略断面図。 他の変形例に係るクランクレスエンジンの構造を概念的に表した概略断面図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1には、第1実施形態に係るクランクレスエンジンの構造を概念的に表した概略断面図が示されている。この図において、クランクレスエンジン10は、有底円筒状の支持体11と、支持体11の内部空間に配置され、当該内部空間の同図中上下方向に延びる中心軸C周りに回転可能に支持体11に支持された有底円筒状の吸排気用ロータリーバルブ12(囲み部材)と、吸排気用ロータリーバルブ12の内部空間内で、前記中心軸Cの延出方向(同図中上下方向)に並進往復運動を可能に設けられるとともに、吸排気用ロータリーバルブ12に一部が係合するピストン14とを備えている。
本実施形態のクランクレスエンジン10では、後述するように、外気と燃料との混合気の燃焼爆発によるピストン14の並進運動によって、その外側を囲むように配置された吸排気用ロータリーバルブ12が中心軸C周りに回転し、当該回転により、吸排気用ロータリーバルブ12に繋がる動力抽出機構(図示省略)を介して動力すなわち仕事が取り出されるようになっている。この動力抽出機構としては、特に限定されるものではなく、様々な公知の機構を適用可能である。
前記支持体11は、図1中側面部分を構成する周壁11Aと、周壁11Aの同図中上端側でその内部空間を閉塞するように連なる頂壁11Bとを含んで構成される。前記周壁11Aには、支持体11の内部空間に外気を導入するための吸気用ポート16が形成されている。当該吸気用ポート16は、特に限定されるものではないが、周方向に等間隔となる複数箇所に形成され、それぞれ、周壁11Aの内外間を貫通する穴状に設けられている。前記頂壁11Bには、前記燃焼爆発によって発生した排気ガスをエンジン外部に排出するための排気用ポート17が形成されている。当該排気用ポート17は、頂壁11Bの内外間を貫通する穴状に設けられており、特に限定されるものではないが、一又は複数箇所に形成されている。
前記吸排気用ロータリーバルブ12は、図1中側面部分を構成する周壁12Aと、周壁12Aの同図中上端側でその内部空間を閉塞するように連なる頂壁12Bと、周壁12Aから突出してピストン14の外周面に係合するピン状の係合部材19とを備えている。ここで、周壁12A及び頂壁12Bとピストン14の同図中上端側とで囲まれる空間が、外気と燃料との混合気が燃焼爆発する燃焼空間Sとなっている。従って、吸排気用ロータリーバルブ12は、ピストン14を移動可能に収容するシリンダとしても機能する。なお、図示省略しているが、支持体11と吸排気用ロータリーバルブ12の間の隙間には、吸排気用ロータリーバルブ12の前述の回転を阻害せずに、且つ、燃焼空間Sの気密性を確保するためのシール材等が適宜配置されている。
前記周壁12Aには、当該周壁12Aの内外間を貫通し、吸気用ポート16からの外気を燃焼空間Sに導くための吸気穴21が形成されている。当該吸気穴21は、吸排気用ロータリーバルブ12の所定の回転位置で、支持体11の吸気用ポート16に相対可能になるように配置されている。すなわち、前記所定の回転位置では、吸気穴21が吸気用ポート16に通じることで、燃焼空間Sへの外気導入を可能にする吸気開放状態となる、その一方で、それ以外の回転位置では、吸気穴21が吸気用ポート16に通じずに、燃焼空間Sへの外気導入を遮断する吸気閉塞状態となる。当該吸気穴21は、吸排気用ロータリーバルブ12の内周面の周方向ほぼ等間隔となる位置から、燃焼空間Sの内部中央の衝突部に向かって外気を噴出して噴流を形成可能に設けられている。当該衝突部では、各吸気穴21から噴出された外気の噴流を衝突させた上で、当該外気を燃焼空間Sで燃料に混合された混合気を圧縮するようになっている。この吸気穴21は、前記衝突部に向かって放射状に外気を噴出して前述の圧縮が可能になるように、位置及び数が調整されており、特に限定されるものではないが、例えば、8〜24箇所に設けられる。なお、吸気穴21が吸気用ポート16に通じている場合でも、ピストン14を吸気穴21に相対する位置に移動可能に設け、当該位置にピストン14が達したときに、当該ピストン14で吸気穴21を閉塞することで、燃焼空間Sに対する外気の導入を阻止する態様も採用可能である。
なお、図示省略しているが、燃焼空間Sには、燃料を噴射する噴射手段が設けられ、当該噴射手段からの燃料と吸気穴21から導入された外気との混合気を燃焼空間S内に生成するようになっている。ここで、吸気ポート16若しくは吸気穴21の上流側や途中に前記噴射手段を設け、吸気穴21から、燃焼空間Sに混合気を供給し、前記衝突部で混合気を圧縮する構成を採ってもよい。
前記頂壁12Bには、当該頂壁12Bを貫通し、燃焼空間Sでの燃焼後に生じた排気ガスを当該燃焼空間Sの外部に排出するための排気穴22が形成されている。当該排気穴22は、吸排気用ロータリーバルブ12の所定の回転位置で支持体11の排気用ポート17に相対可能になるように配置されている。すなわち、この回転位置では、排気穴22が排気用ポート17に通じる排気開放状態となる一方、それ以外の回転位置では、排気穴22が排気用ポート17に通じない排気閉塞状態となる。また、排気穴22の位置及び数は、前記吸気開放状態と前記排気開放状態とのタイミングを適正にし、後述する燃焼空間S内での燃焼爆発を可能にするように設定されている。なお、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ほぼ180度間隔となる2箇所に排気穴22が設けられている。
前記ピストン14は、吸排気用ロータリーバルブ12の内径とほぼ同一若しくは僅かに小さい外径の円柱状に形成されており、燃焼空間Sでの燃焼爆発により、燃焼空間Sの容積を最小にする位置と当該容積を最大にする位置との間で往復運動可能となっている。なお、図示省略しているが、ピストン14は、その中心軸C周りの回転(自転)を阻止する機構を更に備えており、中心軸Cの軸線に沿った前記往復運動のみが許容される構造となっている。
また、前記ピストン14の外周面には、図1中上下方向に変位しながら当該外周面上を1周するように繋がっている環状の溝部24が形成されており、当該溝部24に、吸排気用ロータリーバルブ12の係合部材19が係合することにより、ピストン14が吸排気用ロータリーバルブ12側に支持される。
前記溝部24は、ピストン14の表面すなわち外周面上に開放し、当該外周面上を周方向に沿って図中上下に曲がる所定の曲線状に形成されている。従って、燃焼空間Sの燃焼爆発によるピストン14の移動により、吸排気用ロータリーバルブ12の係合部材19と溝部24との係合位置が当該溝部24に沿ってシフトし、これに伴って、吸排気用ロータリーバルブ12がピストン14の周方向に回転することになる。溝部24の形状としては、山形、波型、サインカーブ型等の曲線形状の他、吸排気用ロータリーバルブ12の所望とする回転動作に応じて種々の形状を採用可能である。要するに、溝部24は、周方向に沿って、中心軸Cの延出方向(図中上下方向)に変位しながらピストン14の外周面上を1周する形状であれば何でも良い。すなわち、溝部24は、燃焼空間Sでの1回若しくは複数の燃焼爆発により、吸排気用ロータリーバルブ12の回転運動を伴って、ピストン14の往復並進運動を可能にし、且つ、吸排気用ロータリーバルブ12の回転による吸排気タイミングを適正に行える形状であれば何でも良い。
次に、本実施形態のクランクレスエンジン10の動作について図2を用いて説明する。なお、図2の各図は、吸排気用ロータリーバルブ12の回転に伴うピストン14の変位状態を順に説明するための概念的な概略断面図であり、各図では、理解し易くするために、係合部材19が常に図中に現れるように、クランクレスエンジン10に対する切断面を回転に伴って変化させて表示している。
ピストン14は、燃焼空間Sでの燃焼爆発により図2中各図中上下方向に並進運動し、これに伴い、吸排気用ロータリーバルブ12が中心軸C周りに回転する。すなわち、ピストン14の溝部24が吸排気用ロータリーバルブ12の係合部材19に係合し、且つ、吸排気用ロータリーバルブ12が中心軸C周りに回転可能に設けられていることから、ピストン14の並進運動により、係合部材19と溝部24との係合位置を周方向に移動させるように吸排気用ロータリーバルブ12が回転する。
そこで、先ず、図2(A)に示されるように、吸排気用ロータリーバルブ12の内部空間で、ピストン14が、同図中最も上側に位置する状態から少し下方に移動する間は、吸気穴21及び排気穴22が燃焼空間Sに対して共に閉塞する状態に設定されており、このピストン14の移動により、燃焼空間Sに負圧が形成される。その後、ピストン14の移動に伴って吸排気用ロータリーバルブ12が回転し、図2(B)に示されるように、燃焼空間Sに対して吸気穴21が開放すると、外気(若しくは混合気)が高速噴流として燃焼空間Sに供給される吸気行程が行われる。この吸気行程においては、ピストン14の並進運動による吸排気用ロータリーバルブ12の回転によって、吸気穴21が吸気用ポート16に通じる吸気開放状態と、吸気穴21が吸気用ポート16に通じない吸気閉塞状態との間で繰り返し変化する。このため、吸気穴21の開閉動作が繰り返し行われ、各吸気穴21から燃焼空間S内に外気が間欠的に導入され、前記衝突部で多重の気体衝突が間欠的に発生し、燃焼空間Sには、多重衝突パルス噴流が発生することになる。また、ここでは、燃焼空間Sに形成された負圧を利用することにより、吸気穴21から燃焼空間Sへの外気の導入が行い易くなる。なお、ピストン14の移動、及び吸排気用ロータリーバルブ12の回転による吸気穴21の開閉パターンは、上記以外にも、通常の4ストロークエンジンのように、負圧による衝突噴流の無い吸気行程、完全密閉でのピストン圧縮行程、燃焼行程、膨張行程、排気行程を繰り返し行えるようにすることも可能である。
その後、外気(若しくは混合気)が燃焼空間Sの内部中央の衝突部で衝突圧縮されて燃焼空間Sの混合気が燃焼爆発する燃焼行程が行われ、ピストン14が更に同図中下方に移動する。なお、混合気を燃焼爆発させる手法としては、特に限定されるものではなく、プラグ等を用いた火花着火の他、レーザー着火等に例示される図示しない着火手段を用いる手法の他、当該着火手段を用いずに、燃料の特性により圧縮時に燃焼爆発可能な自己着火方式を採用することもできる。また、この燃焼行程時においては、再度、吸排気用ロータリーバルブ12が、吸気穴21及び排気穴22が共に閉塞した状態(吸気閉塞状態及び排気閉塞状態)となる回転位置に配置される構成を採ることも可能である。
以上のように、ピストン14が図2(B)中下方に移動することで仕事が取り出された後、当該移動に伴う吸排気用ロータリーバルブ12の回転により、図2(C)に示されるように、混合気の燃焼爆発によって燃焼空間S内に発生した排気ガスをエンジン外部に排出する排気行程が行われる。すなわち、ここでは、排気穴22が排気用ポート17に通じる排気開放状態となる一方で、吸気穴21が吸気用ポート16に通じない吸気閉塞状態となり、ピストン14の同図中の上昇により排気ガスが排気穴22と排気用ポート17を通過してエンジン外部に排出される。そして、ピストン14の並進運動が更に継続すると、吸排気用ロータリーバルブ12の回転を伴って、以上の動作が繰り返し行われ、この一連の動作による吸排気用ロータリーバルブ12の回転動作から、仕事(動力)が取り出される。
ここで、吸排気用ロータリーバルブ12は、エンジンの始動時から一定方向のみに回転するように設定されている。すなわち、当該回転の開始時における係合部材19と溝部24との係合位置は、当該溝部24の形状に応じ、一方向のみの回転を許容可能な位置に設定されている。なお、吸排気用ロータリーバルブ12に、所望の一方向の回転のみを許容し、その逆回転を阻止する機構を設けても良い。
なお、エンジン始動時においては、図示しないモータ等の駆動装置からの動力により、ピストン14を強制的に並進動作させてから前述の動作を繰り返し行うと良い。
従って、このような第1実施形態によれば、ピストン14に相対回転する吸排気用ロータリーバルブ12の内部空間にピストン14が配置されており、ピストン14の並進運動方向と、吸排気用ロータリーバルブ12の回転軸の延出方向が一致しているため、クランク機構を省略したクランクレスエンジンの中でも、エンジン全体を更にコンパクトにして軽量化を図ることができる。
また、吸排気用ロータリーバルブ12における吸気穴21、排気穴22の形状、数量、配置と、溝部24の形状とによって、電磁的ピストンで制御されるような燃焼空間Sに対する様々な吸排気タイミングを、機械的設計により自由に創出することができる。加えて、電磁的ピストンのように永久磁石を用いる必要が無いため、コンパクト化するために永久磁石をピストン14の近傍に配置する必要性もなく、エンジンの信頼性を確保することができる。また、吸排気用ロータリーバルブ12は、正弦波的な運動に限らず、種々の非正弦波的な運動を実現可能になり、溝部24の形状に応じ、吸排気用ロータリーバルブ12の回転の過程で、当該回転速度を変化させることが可能になる。
更に、多重衝突パルス噴流による燃焼爆発をさせることにより、仕事として得られる動力が低回転から高回転までの広い範囲において、既存のエンジンに比べて熱効率を大幅に上昇させることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、前記第1実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にし、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
(第2実施形態)
本実施形態のクランクレスエンジン10は、図3に示されるように、第1実施形態の構成に対して、形状の異なる2種類の前記溝部24をピストン14の同図中上下2箇所に設け、且つ、各溝部24、24に係合可能な係合部材19,19を吸排気用ロータリーバルブ12の同図中上下2箇所に設けたところに特徴を有する。なお、その他の構成と作用については、第1実施形態と実質的に同一となっている。
前記係合部材19,19は、上下何れか一方側が対応する溝部24に係合しているときには、同何れか他方側と溝部24との係合状態を解除するように、それぞれピストン14に向かって係脱可能に進退自在な構造となっている。
本実施形態によれば、係合部材19の係合を形状の異なる溝部24に選択的に行うことができ、係合部材19が係合する溝部24の選択に応じて、ピストン14と吸排気用ロータリーバルブ12との相対運動の態様を変化させることができる。これにより、多重衝突パルス噴流による燃焼爆発と、ピストン14の並進動作による機械圧縮による燃焼爆発とを選択、併用可能になる等、異なるモードでの燃焼状態の選択を機械的設計により簡単に実現可能になる。
なお、前記係合部材19及び溝部24の組み合わせは、図示した2箇所のみならず、ピストン14の外周表面に、その並進方向に沿って更に多くの箇所に設けることもできる。
(第3実施形態)
本実施形態のクランクレスエンジン10は、図4に示されるように、第1実施形態の構成に対して、支持体11と吸排気用ロータリーバルブ12との間に排気用ロータリーバルブ28を更に設けたところに特徴を有する。なお、その他の構成と作用については、第1実施形態と実質的に同一となっている。
前記排気用ロータリーバルブ28は、円盤状をなし、吸排気用ロータリーバルブ12と相対的に前記中心軸Cの周りを独立して回転可能に支持体11側に支持されており、図示省略した回転装置の駆動により、所定のタイミングで正逆何れにも回転可能に設けられている。この排気用ロータリーバルブ28には、図4中上下方向に貫通する貫通穴29が形成されており、排気用ロータリーバルブ28の回転動作により、貫通穴29を介して排気用ポート17と排気穴22とを連通させて排気ガスの通過を許容する開位置と、同排気ガスの通過を阻止する閉位置との間で切り替え可能になっている。なお、前記排気用ロータリーバルブ28は、本実施形態の態様に限定されるものではなく、例えば、吸排気用ロータリーバルブ12と同様の形状である中央が窪んだ凹状に形成するとともに、前記吸気穴21に相対可能に配置された吸気穴を更に備え、当該吸気穴の開閉をも利用して燃焼空間Sへの外気の導入状態を制御可能な構成にすることもできる。この場合、燃焼空間Sへの外気の導入速度を上げることができる。また、排気用ロータリーバルブ28は、吸排気用ロータリーバルブ12の外側に設けることもできる。
本実施形態によれば、排気用ロータリーバルブ28の回転により、吸排気用ロータリーバルブ12とは別に、燃焼空間Sからエンジン外部への排気ガスの排出タイミングを制御することができ、当該排出タイミングの自由度を高めることができる。これにより、例えば、排気ガスの一部を燃焼空間Sに残した状態で、次の吸気行程による燃焼を行う排気ガス再循環(EGR)によるEGRモードによる燃焼を行うこともできる。また、排気用ポート17に対する排気穴22の連通状態を早めに遮断し、燃焼空間Sをより高圧縮空間にすることで、ピストンの並進動作のみの機械圧縮を行うこともでき、排気用ロータリーバルブ28の回転状態を変えることで、当該機械圧縮を行うモードと、多重衝突パルス噴流による圧縮を行うモードとの切り替えが可能になる。
(第4実施形態)
本実施形態のクランクレスエンジン30は、図5に示されるように、第1実施形態に対して、吸排気用ロータリーバルブ12の代わりに、吸気穴21及び排気穴22が形成された円筒状の回転型シリンダ31(囲み部材)を用い、当該回転型シリンダ31の内部空間に、一対のピストン14、14を対向配置させたダブルピストン構造としたところに特徴を有する。なお、本実施形態では、燃焼空間Sは、回転型シリンダ31の内部空間内の各ピストン14、14の間に形成されており、前記各実施形態と同様に、燃焼空間Sに多重衝突パルス噴流を発生させ、混合気を圧縮して燃焼爆発させるようになっている。
本実施形態の回転型シリンダ31は、前記各実施形態の吸排気用ロータリーバルブ12と同様に、中心軸C周りに回転可能に支持体11側に支持されている。また、回転型シリンダ31の周壁31Aには、前述と同様の作用効果を奏する吸気穴21及び排気穴22が形成されており、これら吸気穴21及び排気穴22は、同図中上下方向に配置される。本実施形態では、同図中上側に吸気穴21が配置され、同図中下側に排気穴22が配置される。これに伴い、本実施形態においては、支持体11の吸気用ポート16と排気用ポート17についても、共に周壁11Aに設けられ、吸気穴21及び排気穴22に対応して配置される。なお、回転型シリンダ31を複数設け、吸気穴21が形成されている回転型シリンダ31と排気穴22が形成されている回転型シリンダ31とを別体にしても良い。
ここでの一対のピストン14、14は、図5中上下方向に離間接近するように非対称に動作可能となっている。また、同図中上側のピストン14は、燃焼空間Sでの混合気の燃焼爆発による同図中の上下動により、吸気穴21から燃焼空間Sへの外気の導入状態を調整する吸気調整用バルブとしても機能する。一方、同図中下側のピストン14は、同上下動により、燃焼空間Sから排気穴22への排気ガスの排出状態を調整する排気調整用バルブとしても機能する。従って、本実施形態では、支持体11の吸気用ポート16、排気用ポート17を常時、吸気穴21、排気穴22に連通するように、これらの形状や配置が設定されている。
各ピストン14、14の表面に形成される前記溝部24は、相互に形状の異なるものが用いられており、回転型シリンダ31の内周面の同図中2箇所に突設された前記係合部材19,19が各溝部24,24にそれぞれ係合することで、回転型シリンダ31にピストン14、14が支持されることになる。各ピストン14、14に形成された溝部24、24の形状を変えることで、吸気穴21から燃焼空間Sへの外気の導入タイミングと、燃焼空間Sから排気穴22への排気ガスの排出タイミングを変えることができる。従って、各溝部24、24の形状は、図示した形状に限定されるものではく、これら外気の導入タイミング及び排気ガスの排出タイミングが所望のタイミングで繰り返し行われるように設定される。
本実施形態では、回転型シリンダ31及び/又はピストン14を中心軸C周りに回転可能にする構成を採用することができる。つまり、回転型シリンダ31は、図5中上下方向に並進運動不能に固定されており、前述の各実施形態のように、回転型シリンダ31を回転可能にして、ピストン14を並進可能にする他、回転型シリンダ31を回転可能にして、ピストン14を回転させながら並進運動可能にし、或いは、回転型シリンダ31を回転不能にして、ピストン14を回転させながら並進運動可能にする等、種々の構成を採ることができる。なお、これら各種の構成においては、何れかの回転要素から前記動力抽出機構(図示省略)を介して動力(仕事)が取り出されることになる。また、ピストン14と回転型シリンダ31が共に回転する場合には、それらを連結するギア或いは電気的制御等により、両者の回転速度比が設定される。
なお、本実施形態における係合部材19と溝部24は、前記第2実施形態のように、各ピストン14,14それぞれに更に複数箇所に配置し、各ピストン14,14でそれぞれ1箇所ずつ係合部材19と溝部24とを選択的に係合させる構成を採用することも可能である。また、回転型シリンダ31の内部空間のうち、図5中上側のピストン24の同図中上方に形成される上側空間に対しても、前記各実施形態と同様に吸気用ポート16や吸気穴21を設け、前記上側空間でも、適切なタイミングで外気や混合気を導入して燃焼爆発可能な構成にすることもできる。
以上の各実施形態について、以下の変形例をそれぞれ適用することができる。
一例として第1実施形態に適用した図6に示されるように、この変形例では、係合部材19を中心軸Cの延出方向(同図中上下方向)に沿って移動させる係合部材移動機構35が設けられている。この係合部材移動機構35は、ピストン14の位置、燃焼空間Sの圧力状態等、図示しない各種センサの計測結果に基づき、図示しない制御装置により動作制御される。この変形例によれば、係合部材19の同図中上下方向の移動により、吸排気用ロータリーバルブ12や回転型シリンダ31(以下、「吸排気用ロータリーバルブ12等」と称する)の回転運動を更に細かく制御することができ、所望のエンジン出力に応じて吸排気タイミングをより細かく制御することができる。なお、係合部材移動機構35としては、同図中の軸部分における端部(係合部材19の反対側)を、偏心した回転円盤に固定し、当該回転円盤を、吸排気用ロータリーバルブ12若しくはピストン14に機械的に連動させて回転させることにより、係合部材19を上下動させる構造を採用することもできる。
また、一例として第1実施形態の態様に適用した図7に示されるように、吸排気用ロータリーバルブ12等の外周面側にフィン38を設け、当該フィン38が、支持体11と吸排気用ロータリーバルブ12等との間に形成された隙間に配置される構成を採ることもできる。このフィン38は、吸排気用ロータリーバルブ12等の回転によって前記隙間内の空気を撹拌することにより、吸排気用ロータリーバルブ12等の外側からピストン14側を冷却するようになっている。当該フィン38は、吸排気用ロータリーバルブ12等の外周面から外方に放射状に突出するように設けられている。なお、フィン38の形状として、排気用ロータリーバルブ12等の外周面を螺旋する螺旋状にすることもでき、この場合は、吸気用ポート16からの外気の一部を前記隙間に導入し、当該外気で吸排気用ロータリーバルブ12等の周囲を冷却しながら同図中下方の図示しない排出部に導くことができ、当該フィン38による冷却効果を更に高めることができる。一方、排気用ロータリーバルブ12等の外周面に放射状に設けたフィン28の態様では、前記隙間の気密性を確保することができる。なお、フィン28は、支持体11の内周面側に設けることもできる。
更に、図示省略するが、前記係合部材19としては、吸排気用ロータリーバルブ12等の内周面の周方向に沿って複数箇所に設け、これら1セットの係合部材19を一つの溝部24上で異なる部位に係合させることもできる。この際の係合部材19の配置と溝部24の形状は、吸排気用ロータリーバルブ12等とピストン14との前述した相対運動が可能となるように決定される。例えば、係合部材19が前記周方向の等間隔に設けられた場合には、ピストン14の平面視において、各係合部材19の間隔をなす角度毎に、同一形状の溝部24がピストン14の周方向に繰り返し形成され、吸排気用ロータリーバルブ12等の1回転当たり、ピストン14の並進運動を係合部材19の数の分だけ複数回行われることになる。この変形例によれば、吸排気用ロータリーバルブ12等の内周面の複数箇所でピストン14が支持されることになるため、ピストン14の同図中上下方向の移動の安定性を向上させるとともに、振動の防止に寄与できる。
以上の各実施形態及び各変形例において、係合部材19は、ピン状に限定されず、前述の作用を奏する限りにおいて種々の形状を採用することができる。また、溝部24との係合部位となる係合部材19の先端側には、係合部位19の相対移動に伴う摩擦力を低減するベアリング等の移動促進手段を設けると良い。
また、以上で説明した各態様とは逆に、係合部材19をピストン14の外周面に設け、溝部24を吸排気用ロータリーバルブ12等の内周面に形成しても良い。
更に、以上においては、多重衝突パルス噴流による混合気の圧縮爆発をさせる態様について説明したが、本発明はこれに限らず、ピストン14の並進動作のみの燃焼空間の機械的圧縮により、燃焼空間Sでの燃焼爆発をさせる態様に前記各実施形態や各変形例の構造を適用することもできる。この場合、吸排気用ロータリーバルブ12は、吸気穴21及び排気穴22を有するシリンダとしてのみ機能し、燃焼空間Sに対して吸排気を制御するためのバルブを別途設けるようにしても良い。この場合、前述のように吸排気用ロータリーバルブ12を回転させる構成のみならず、吸排気用ロータリーバルブ12を回転不能に固定し、ピストン14を回転させながら並進運動させる構成の何れかを採ることができ、いずれの構成においても、回転要素から動力が取り出される。
また、本発明の構造は、燃焼空間Sで常温核融合を発生させるフリーピストンエンジンにも適用することもでき、この場合、燃焼空間Sには、空気が導入されずに外気として水素のみが供給される。
その他、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
10 クランクレスエンジン
11 支持体
12 吸排気用ロータリーバルブ(囲み部材)
14 ピストン
16 吸気用ポート
17 排気用ポート
19 係合部材
21 吸気穴
22 排気穴
24 溝部
28 排気用ロータリーバルブ
30 クランクレスエンジン
31 回転型シリンダ(囲み部材)
38 フィン
C 中心軸
S 燃焼空間

Claims (11)

  1. 所定の中心軸の延出方向に沿って並進運動可能に設けられたピストンと、当該ピストンの外側を囲むように配置された囲み部材と、当該囲み部材の内部空間で前記ピストンとの間に形成され、外気と燃料の混合気を燃焼爆発させる燃焼空間と、前記囲み部材を外側から支持する支持体とを備え、前記燃焼空間での前記混合気の燃焼爆発により前記ピストンが並進運動することで、当該並進運動を回転運動に変換するクランクレスエンジンにおいて、
    前記ピストンの外面及び前記囲み部材の内面の何れか一方には、前記中心軸の延出方向に変位しながら前記外面上若しくは前記内面上を1周する環状の溝部が設けられる一方、前記何れか他方側には、前記溝部に係合する係合部材が設けられ、前記ピストンの並進運動時における前記溝部と前記係合部材の係合により、前記ピストンと前記囲み部材とが、前記中心軸周りに相対回転運動可能に設けられ、
    前記囲み部材には、前記外気若しくは前記混合気を前記燃焼空間に供給する吸気穴が形成されるとともに、前記燃焼空間で燃焼爆発後に発生した排気ガスを当該燃焼空間の外側に排出するための排気穴が形成され、
    前記支持体は、前記吸気穴に対応して設けられて前記外気を前記燃焼空間内に導入する吸気用ポートと、前記排気穴に対応して設けられて前記排気ガスをエンジン外部に排出する排気用ポートとを備え、
    前記囲み部材は、前記ピストンの並進運動時に前記中心軸周りに回転することで、前記吸気用ポートに前記吸気穴が通じる吸気開放状態と、前記吸気用ポートに前記吸気穴が通じない吸気閉塞状態との間を切り替え可能に設けられるとともに、前記排気用ポートに前記排気穴が通じる排気開放状態と、前記排気用ポートに前記排気穴が通じない排気閉塞状態との間を切り替え可能に設けられる吸排気用ロータリーバルブとして機能し、
    前記吸気穴、前記排気穴及び前記溝部は、前記吸気閉塞状態で前記排気閉塞状態となるタイミングと、前記吸気開放状態で前記排気閉塞状態となるタイミングと、前記吸気閉塞状態で前記排気開放状態となるタイミングとを発生可能に配置され
    前記支持体と前記囲み部材との間には、所定の動力によって前記中心軸周りに回転可能な排気用ロータリーバルブが設けられ、
    前記排気用ロータリーバルブは、前記排気開放状態での前記排気ガスの排気状態を制御可能に動作することを特徴とするクランクレスエンジン。
  2. 記吸気穴は、前記燃焼空間の内部中央に位置する一定領域に向かってそれぞれ噴出可能に複数設けられ、
    前記燃焼空間では、前記各吸気穴からそれぞれ噴出された噴流状態の前記外気若しくは前記混合気を前記一定領域で衝突させることで、衝突噴流を発生させながら前記外気若しくは前記混合気を圧縮させることを特徴とする請求項1記載のクランクレスエンジン。
  3. 前記囲み部材は、前記外気若しくは前記混合気が前記燃焼空間に供給される吸気行程において、回転によって前記吸気開放状態と前記吸気閉塞状態との間で繰り返し変化するように構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のクランクレスエンジン。
  4. 前記排気用ロータリーバルブは、前記囲み部材の外側に設けられ、前記燃焼空間への外気の導入状態をも制御可能に設けられていることを特徴とする請求項記載のクランクレスエンジン。
  5. 所定の中心軸の延出方向に沿って並進運動可能に設けられたピストンと、当該ピストンの外側を囲むように配置された囲み部材と、当該囲み部材の内部空間で前記ピストンとの間に形成され、外気と燃料の混合気を燃焼爆発させる燃焼空間とを備え、当該燃焼空間での前記混合気の燃焼爆発により前記ピストンが並進運動することで、当該並進運動を回転運動に変換するクランクレスエンジンにおいて、
    前記ピストンの外面及び前記囲み部材の内面の何れか一方には、前記中心軸の延出方向に変位しながら前記外面上若しくは前記内面上を1周する環状の溝部が設けられる一方、前記何れか他方側には、前記溝部に係合する係合部材が設けられ、前記ピストンの並進運動時における前記溝部と前記係合部材の係合により、前記ピストンと前記囲み部材とが、前記中心軸周りに相対回転運動可能に設けられ、
    前記ピストンは、対向するように一対配置され、当該各ピストンの間に形成された前記燃焼空間での前記混合気の燃焼爆発により、相互に離間接近するように前記中心軸の延出方向に沿って並進運動可能に設けられ、
    前記囲み部材は、前記外気若しくは前記混合気を前記燃焼空間に供給する吸気穴と、前記燃焼空間で燃焼爆発後に発生した排気ガスを当該燃焼空間の外側に排出するための排気穴とを備え、
    前記吸気穴は、前記ピストンの何れか一方の並進運動により、前記燃焼空間に対して開閉可能に設けられ、
    前記排気穴は、前記ピストンの何れか他方の並進運動により、前記燃焼空間に対して開閉可能に設けられることを特徴とするクランクレスエンジン。
  6. 所定の中心軸の延出方向に沿って並進運動可能に設けられたピストンと、当該ピストンの外側を囲むように配置された囲み部材と、当該囲み部材の内部空間で前記ピストンとの間に形成され、外気と燃料の混合気を燃焼爆発させる燃焼空間とを備え、当該燃焼空間での前記混合気の燃焼爆発により前記ピストンが並進運動することで、当該並進運動を回転運動に変換するクランクレスエンジンにおいて、
    前記ピストンの外面及び前記囲み部材の内面の何れか一方には、前記中心軸の延出方向に変位しながら前記外面上若しくは前記内面上を1周する環状の溝部が設けられる一方、前記何れか他方側には、前記溝部に係合する係合部材が設けられ、前記ピストンの並進運動時における前記溝部と前記係合部材の係合により、前記ピストンと前記囲み部材とが、前記中心軸周りに相対回転運動可能に設けられ、
    前記溝部は、前記中心軸の延出方向に沿って、前記ピストンの外面の複数箇所に設けられ、前記係合部材は、前記溝部の何れかを選択できるように、前記各溝部に選択的に係脱可能に設けられていることを特徴とするクランクレスエンジン。
  7. 所定の中心軸の延出方向に沿って並進運動可能に設けられたピストンと、当該ピストンの外側を囲むように配置された囲み部材と、当該囲み部材の内部空間で前記ピストンとの間に形成され、外気と燃料の混合気を燃焼爆発させる燃焼空間とを備え、当該燃焼空間での前記混合気の燃焼爆発により前記ピストンが並進運動することで、当該並進運動を回転運動に変換するクランクレスエンジンにおいて、
    前記ピストンの外面及び前記囲み部材の内面の何れか一方には、前記中心軸の延出方向に変位しながら前記外面上若しくは前記内面上を1周する環状の溝部が設けられる一方、前記何れか他方側には、前記溝部に係合する係合部材が設けられ、前記ピストンの並進運動時における前記溝部と前記係合部材の係合により、前記ピストンと前記囲み部材とが、前記中心軸周りに相対回転運動可能に設けられ、
    前記係合部材は、前記中心軸の延出方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とするクランクレスエンジン。
  8. 記係合部材は、前記ピストンの外面又は前記囲み部材の内面の周方向に沿って複数箇所に設けられることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のクランクレスエンジン。
  9. 所定の中心軸の延出方向に沿って並進運動可能に設けられたピストンと、当該ピストンの外側を囲むように配置された囲み部材と、当該囲み部材の内部空間で前記ピストンとの間に形成され、外気と燃料の混合気を燃焼爆発させる燃焼空間とを備え、当該燃焼空間での前記混合気の燃焼爆発により前記ピストンが並進運動することで、当該並進運動を回転運動に変換するクランクレスエンジンにおいて、
    前記ピストンの外面及び前記囲み部材の内面の何れか一方には、前記中心軸の延出方向に変位しながら前記外面上若しくは前記内面上を1周する環状の溝部が設けられる一方、前記何れか他方側には、前記溝部に係合する係合部材が設けられ、前記ピストンの並進運動時における前記溝部と前記係合部材の係合により、前記ピストンと前記囲み部材とが、前記中心軸周りに相対回転運動可能に設けられ、
    前記囲み部材と当該囲み部材を外側から支持する支持体との間に形成された隙間に、前記囲み部材の回転によって前記隙間内の空気を撹拌するフィンを設けたことを特徴とするクランクレスエンジン。
  10. 前記フィンは、前記囲み部材の外面に沿って螺旋状に設けられ、前記隙間の空気を撹拌しながら移動させることを特徴とする請求項記載のクランクレスエンジン。
  11. 前記燃焼空間では、前記外気として水素が導入されることを特徴とする請求項1〜1の何れかに記載のクランクレスエンジン。
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