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JP6604915B2 - 浴槽用手摺り - Google Patents
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JP6604915B2 - 浴槽用手摺り - Google Patents

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Description

本発明は、浴槽側壁の側面と上面に当接するように配置される固定フレームと、該固定フレーム上で該固定フレーム側へ引き込み可能に取り付けられる可動フレームとを備えた浴槽用手摺りに関し、特に可動フレームを下向きコの字型の形状とすることにより、可動フレームを引き込むための移動装置を浴槽側壁の側面に対向して配置される固定フレームと可動フレームの縦部分に取り付けたことを特徴とする浴槽用手摺りに関する。
このため、本発明の浴槽用手摺りは、可動フレームを固定フレーム側へ引き込むタイプであるにも関わらず、浴槽側壁の上面に配置される部分の固定フレームと可動フレームの厚みを極めて薄くすることができ、そして可動フレームの引き込み操作によっても、固定フレームと浴槽側壁の上面の間に位置ズレや位置ズレによる摩擦力を生じることがないという特徴を有している。
従来より、高齢者等が浴槽に出入りする際に身体を容易に支持することができるように、浴槽の側壁を洗い場側及び浴槽側からクランプすることによって着脱自在に取り付けられる浴槽用手摺りが提供されている。浴槽用手摺りは、身体の不自由な使用者が自己の体重を預けるものであるので、浴槽側壁の所望する位置へできるだけ正確に且つ強固に取り付けられなければならない。
例えば、特開2010−246691号公報(特許文献1)やWO2013−157078号国際公報(特許文献2)に記載されている浴槽用手摺りは、浴槽側壁に押し込まれる押圧板を備えており且つ浴槽側壁の上に直置きされる本体フレームと、本体フレームの上に取り付けられる可動フレームとから構成されている。そして特許文献1,2に記載された浴槽用手摺りは、本体フレームと可動フレームにて浴槽側壁を挟むようにして本体フレームを浴槽側壁の上に直置きした後、本体フレームに取り付けられた押圧板を浴槽側壁へ押し込むことにより、該浴槽側壁へ強固に取り付けるというものである。
特許文献1,2に記載の浴槽用手摺りでは、浴槽側壁に当接させた押圧板を押し込むと、浴槽側壁の上に直置きされた本体フレームが押圧板を介して浴槽側壁に対して相対的に移動するため、本体フレームと浴槽側壁の上面との間に摩擦力を生じることになる。このため、特許文献1,2に記載された浴槽用手摺りでは、押圧板を押し込んでも本体フレームが円滑に移動することができず、不十分な移動により、本体フレームと浴槽側壁の上面との間には摩擦力(残留応力)が蓄積されるため、浴槽用手摺りや浴槽側壁を変形させたり、或いは意図しない摩擦力(残留応力)の解放により、本体フレームと浴槽側壁の上面との間にさらなる位置ズレを発生させたりして浴槽側壁への取り付け状態を不安定にするという本質的な問題があった。
また、特許文献1,2に記載の浴槽用手摺りでは、押圧板を押し込むと、本体フレームに取り付けられた手摺り(特に上部グリップ)も浴槽側壁から相対的に離間してしまうため、手摺りを、当初本体フレームが浴槽側壁上に仮置きされた所望の位置へ、そのまま取り付けることができないという問題もあった。
一方、上記の問題を解決した浴槽用手摺りとしては、浴槽側壁を押し込む押圧板を本体フレームの上に取り付けられた可動フレーム側に設けることにより、浴槽側壁の上に直置きされた本体フレームには位置ズレが生じないようにした特開2000−189339号公報(特許文献3)や特開2004−261327号公報(特許文献4)に記載の浴槽用手摺りが知られている。また、本体フレームの上に配置された可動フレームが浴槽側壁と当接するまで本体フレーム側に引き込まれるようにすることで、浴槽側壁の上に直置きされた本体フレームには位置ズレが生じないようにした実開平3−60590号公報(特許文献5)や特開2002−143017号公報(特許文献6)に記載の浴槽用手摺りも知られている。
しかしながら、特許文献3,4に記載された浴槽用手摺りの場合、ボルト軸やハンドルノブなど、可動フレームに取り付けられた押圧板を螺進退させるための移動装置が浴槽内部側へ突出するため、浴槽手摺りの使用者にとって危険であり邪魔となるという問題があった。
また、特許文献5,6に記載された浴槽用手摺りの場合、ボルト軸など、可動フレームを本体フレーム側に引き込むための移動装置が浴槽側壁の上面上に嵩高く配置されることになるため、浴槽用手摺りを取り付けた状態では浴槽に蓋をすることができなくなったり、蓋をしても大きな隙間を生じて浴温が低下してしまうという問題があった。
特開2010−246691号公報 WO2013−157078号国際公報 特開2000−189339号公報 特開2004−261327号公報 実開平3−60590号公報 特開2002−143017号公報
そこで、本発明は、浴槽側壁に着脱自在に取り付けられる浴槽用手摺りにおいて、その取り付け状態を安定化するため、浴槽側壁をクランプすることによって生じる、浴槽側壁の上面とその上に直接載置されるフレームとの間の位置ズレや摩擦力(残留応力)が防止されており、そして浴槽側壁への装着時においても、浴槽に蓋をする際などの邪魔とならないように浴槽側壁の上面に配置されるフレーム等が薄肉化されているコンパクトなクランプ構造を備えた浴槽用手摺りを提供することを目的とする。また併せて、取り付け前後において、浴槽側壁に対する本体フレームに取り付けられた手摺り(特に上部グリップ)の位置及びハンドルノブの位置が変化することがない浴槽用手摺りを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の目的を達成するため、浴槽側壁の上面に直接載置される固定フレームおよび該固定フレームの上に取り付けられる可動フレームの形状、固定フレームと可動フレームとの連結構造、固定フレームに対する可動フレームの相対位置を変化させるための移動装置の構造及びその取り付け位置などについて鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者等は、浴槽用手摺りを、浴槽側壁の側面と上面に当接するように配置される固定フレームと、該固定フレーム上で該固定フレーム側へ引き込み可能に取り付けられる可動フレームとから構成し、可動フレームを下向きコの字型の形状とすることにより、可動フレームを引き込むための移動装置を浴槽側壁の側面に配置される固定フレームと可動フレームの縦部分に取り付けられるようにすることが最も効果的であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、浴槽側壁の一の側面に対向するように配置される引込み部と、前記引込み部に対向するように配置される引込み操作部と、前記引込み部と前記引込み操作部とを連結する連結部とからなる可動フレームと、浴槽側壁の上面に対向するように配置される水平部と、前記水平部に連結しており且つ前記浴槽側壁の一の側面の反対側の他の側面に対向するように配置される垂直部とからなる固定フレームと、そして前記引込み操作部に連結されており且つ前記引込み操作部を前記垂直部に対して近接又は離間させる移動装置とからなることを特徴とする浴槽用手摺りが提供される。
本発明の浴槽用手摺りは、主として浴槽側壁の一方の側面と上面に当接するように直接載置される固定フレームと、浴槽側壁の他方の側面に対向するように配置される引込み部を備えており且つ固定フレームに対して移動可能に取り付けられる可動フレームと、そして可動フレームを固定フレームに対して進退可能に連結するため、固定フレームと可動フレームの縦部分(浴槽側壁の側面に配置される部分)に取り付けられる移動装置とから構成されている。
また、固定フレームは、浴槽側壁の上面と当接する水平部と、水平部と連結し且つ浴槽側壁の側面と当接する垂直部とを備えており、側面視において略下向きのL字型の形状を有している。一方、可動フレームは、浴槽側壁の側面に配置される引込み部と、引込み部に対向するように配置される引込み操作部と、そして引込み部と引込み操作部とを連結する連結部とを備えており、側面視において略下向きのコ字型の形状を有している。
このため、本発明の浴槽用手摺りでは、固定フレームは浴槽側壁の上面に直接載置され、可動フレームは浴槽側壁の上面に直接載置された固定フレームに対して進退するのみであるので、固定フレームは、可動フレームの引き込み操作によって浴槽側壁の上面との間に位置ズレや摩擦力(残留応力)を生じることなく、安定した状態で強固に取り付けることができる。また、本発明の浴槽用手摺りでは、固定フレームを浴槽側壁へ寄せて載置した後は、可動フレームの引込み部を浴槽側壁へ引き込んでも、固定フレーム及び該固定フレームに取り付けられた手摺り(特に上部グリップ)が浴槽側壁から移動して離れてしまうという問題がなく、その結果、上部グリップは洗い場側へ傾転され難い構造となっている。
本発明の浴槽用手摺りでは、連結部を介して可動フレームの引込み部を引き込むことによる浴槽側壁のクランプは、移動装置により、浴槽側壁を挟んで引込み部とは反対側に配置される引込み操作部を固定フレームの垂直部から離間させることにより行われる。別言すれば、可動フレームの移動装置は、引込み操作部を垂直部に対して離間させることにより、連結部を介して引込み部を垂直部に対して近接させ、そして引込み操作部を垂直部に対して近接させることにより、連結部を介して引込み部を垂直部に対して離間させるように機能する。
このため、本発明では、引込み操作部を介して、可動フレームを引き込むための移動装置を浴槽側壁の側面に配置することが可能となり、浴槽側壁の上面に配置される水平部や連結部に移動装置を配置する必要がなくなるので、特許文献5,6に記載されているような可動フレームを固定フレーム側へ引き込むタイプの浴槽用手摺りであるにも関わらず、浴槽側壁の上面に配置される水平部や連結部の構造を単純化して、その厚みを極めて薄くすることができる。そのため、本発明の浴槽用手摺りは、浴槽側壁へ取り付けた場合においても、可動フレームや固定フレームが浴槽側壁と蓋との間に浴温が低下させるような隙間等を生じさせることがなく、高い密閉性を有する該蓋の浴槽への取り付けを可能にする。
本発明の移動装置は、可動フレームの引込み操作部を固定フレームの垂直部に対して近接させる場合、引込み操作部を垂直部から引き込むことによって離間させるものであっても、或いは垂直部を引込み操作部から押し込むことによって離間させるものであってもよく、そしてその離間状態を保持できるものであることが好ましい。また、移動装置は、少なくとも可動フレームの引込み操作部と連結されていれば、必ずしも固定フレームの垂直部と連結されている必要はない。
例えば移動装置がボルト軸及びナットから構成されている場合は、ナットが少なくとも可動フレームの引込み操作部に取り付けられていれば、ボルト軸の先端部分が垂直部に連結されていなくも、ボルト軸を進行させてその先端部分を垂直部へ押し込めば垂直部を引込み操作部から離間させることができ、そしてボルト軸を後退させれば、ボルト軸による引込み操作部と垂直部との間の緊張状態(突っ張り状態)が解放されて、垂直部が引込み操作部側へ復帰する(近接する)からである。
また、例えば移動装置が回動レバーを備えた偏心カムによって構成されている場合は、偏心カムが少なくとも可動フレームの引込み操作部に取り付けられていれば、偏心カムが垂直部に連結されていなくも、偏心カムを回転させてその肉厚部分を垂直部へ押し付ければ垂直部を引込み操作部から離間させることができ、そして偏心カムを回転させてその薄肉部分が垂直部に当接するように戻せば、偏心カムによる引込み操作部と垂直部との間の緊張状態(突っ張り状態)が解放されて、垂直部が引込み操作部側へ復帰する(近接する)からである。
本発明の浴槽用手摺りでは、連結部が水平部の上側に配置されている場合、可動フレームは固定フレームに対して首振り可能に取り付けられていてもよい。可動フレームが固定フレームに対して首振り可能に取り付けられていると、さらに引き圧板を首振り可能に可動フレームに取り付けたり、或いは当接板を首振り可能に固定フレームに取り付けたりすることなく、クランプ部分を湾曲して厚みが一定でない浴槽側壁に対して追従させて、浴槽用手摺り本体を浴槽側壁に強固に取り付けることができるようになる。
また、可動フレームが首振り可能であると、上述の引き圧板や当接板を省略したり、或いは引き圧板や当接板を設けるとしてもそれらの首振り角度を小さくできるので、固定フレームや可動フレームの大きさ又は浴槽用手摺り本体の大きさをコンパクトにできるというメリットがある。
可動フレームを固定フレームに対して首振り可能に取り付ける構造は特に限定されるものではないが、例えば可動フレームの連結部又は固定フレームの水平部にスリットを設け、そして該スリットを利用して連結部と水平部とをビス止めすることにより実現することができる。また、例えば移動装置がボルト軸及びナットから構成されている場合は、ナットを可動フレームの引込み操作部へ首振り可能に取り付け、及び/又はボルト軸の先端部分を固定フレームの垂直部へ首振り可能に取り付けることによって実現することができる。
特にナットを可動フレームの引込み操作部に取り付け、ボルト軸の先端部分を固定フレームの垂直部に取り付けるなど、移動装置を引込み操作部だけでなく垂直部にも連結させると、可動フレームは移動装置を介して固定フレームと連結されるので、固定フレームから不用意に脱離することがなくなり持ち運び等に便利になる。
本発明で用いられる移動装置は、引込み操作部に連結されたナットと、ナットと螺合しているボルト軸と、そしてナット又はボルト軸を回動させるハンドルノブとを含んでいることが好ましい。この場合、ボルト軸は、ナットを回転させて螺進退させるものであっても、或いはボルト軸自体を回転させて螺進退させるものであってもよい。また、ボルト軸は、垂直部に対して首振り可能に連結されていてもよい。
移動装置がナット及びボルト軸によって構成されていると、ボルト軸の螺進退により、引込み操作部を垂直部に対して容易に近接又は離間させることができ、さらにその状態も確実に保持することができる。また、ボルト軸が垂直部に対して首振り可能に連結されていると、可動フレームを固定フレームに対して首振り可能に固定することができる。
上述したように、本発明で用いられる移動装置がナット及びボルト軸によって構成されている場合、ナットは引込み操作部と回動可能に連結し、そしてボルト軸は垂直部と回動不能に連結することができる。この態様の場合、ボルト軸は、引込み操作部に取り付けられたナットを回転することにより螺進退されるため、ナットを回転するためのハンドルノブの位置は引込み操作部に対して不変であり、浴槽用手摺りから突出する危険部位を減らすことができる。
このため、ハンドルノブは、その内部に、ナットを回動することにより後退させたボルト軸を収容するための収納室を有していることが好ましく、この場合、ハンドルノブはボルト軸から使用者を保護する保護カバーとしても機能する。
上述したように、本発明で用いられる移動装置がナットを回転することによりボルト軸を螺進退させるものである場合、所定の力未満では、ハンドルノブからナットへ回動力を伝達し、そして所定の力以上では、ハンドルノブからナットへの回動力の伝達を遮断するトルク伝達・遮断手段を備えていることが好ましい。
移動装置がトルク伝達・遮断手段を備えていると、使用者がハンドルノブを回して引き込み部を垂直部へ向けて強力に引き込んでも浴槽側壁を破損することなく、必要にして十分な引き圧力(クランプ力)をもって本発明の浴槽用手摺りを浴槽側壁へ取り付けることができる。
本発明で用いられる移動装置がナット及びボルト軸によって構成されている場合、他の態様として、ボルト軸は垂直部と回動可能に連結し、そしてナットは引込み操作部と回動不能に連結することができる。この態様の場合、螺進退させるボルト軸はハンドルノブによって直接回転されることになるので、移動装置の構造を極めて単純化することができ、移動装置の信頼性を向上させることができる。
上述したように、本発明で用いられる移動装置がボルト軸自体を回転することにより該ボルト軸を螺進退させるものである場合、所定の力未満では、ハンドルノブからボルト軸へ回動力を伝達し、そして所定の力以上では、ハンドルノブからボルト軸への回動力の伝達を遮断するトルク伝達手段を備えていることが好ましい。
移動装置がトルク伝達・遮断手段を備えていると、使用者がハンドルノブを回して引き込み部を垂直部へ向けて強力に引き込んでも浴槽側壁を破損することなく、必要にして十分な引き圧力(クランプ力)をもって本発明の浴槽用手摺りを浴槽側壁へ取り付けることができる。
ナット及びボルト軸とは異なる他の態様の移動装置としては、引込み操作部に回動可能に支承されている偏心カムであって、その回動により引込み操作部と垂直部との間の距離を変化させる偏心カムと、そして偏心カムを回動させる回動レバーとを含むことができる。また、偏心カムの最大偏心量の調節を可能にするためには、例えば偏心カムの当接面と固定フレームの垂直部との間に、厚みが連続的に変化するテーパー面を有するスペーサーを装着できるようにすればよい。
移動装置が偏心カムによって構成されていると、偏心カムの回動操作により、引込み操作部を垂直部に対してワンタッチで近接又は離間させることができ、さらにその状態も確実に保持することができる。また、偏心カムを引込み操作部に取り付けておけば、偏心カムの当接面は垂直部と連結させる必要がないので、移動装置の構造を極めて単純化することができ、移動装置の信頼性を向上させることができると共に、ナット及びボルト軸方式比べて浴槽用手摺りから突出する危険部位も実質的に無くすることができる。
本発明の浴槽用手摺りでは、可動フレームにおける引込み部と引込み操作部との間の離間距離は調節可能であることが好ましい。引込み部と引込み操作部との離間距離の調節は、例えば可動フレームを、引込み部と連結部の一部からなる第1の下向きL字形フレームと、引込み操作部と連結部の一部からなる第2の下向きL字形フレームとから構成し、第1及び第2の下向きL字形フレームの連結部同士の連結位置を調整することにより実現することができる。また、例えば連結部に対して、引込み部及び/又は引込み操作部の取り付け位置を可変とすることによっても実現することができる。
引込み部と引込み操作部との間の離間距離を調節可能にしておくと、引込み部と引込み操作部との離間距離を予め浴槽側壁の厚みに合わせておくことにより、可動フレームを、浴槽側壁をクランプするのに必要にして最小の幅寸法としておくことができる。その結果、移動装置によるクランプ操作を少なくし、取り付け時間を短縮することができると共に、取り付けた後の浴槽用手摺りの浴槽側壁からのはみ出し部分も最小限に抑えることができる。
本発明の浴槽用手摺りでは、引込み部と垂直部によって浴槽側壁を直接クランプしてもよいが、引込み部に設けられており且つ浴槽側壁の一の側面に当接する引き圧板と、及び/又は垂直部に設けられており且つ浴槽側壁の他の側面に当接する当接板を介して浴槽側壁をクランプしてもよい。
引き圧板や当接板は、浴槽側壁との摩擦力を増大させるために樹脂や金属からなる平板、硬質/軟質ラバー又はそれらの組み合わせ部品から形成することができ、そして引込み部及び/又は垂直部の一体的な部位として構成することもできるし、或いは引込み部及び/又は垂直部から分離した別体の部品として構成することもできる。また、引き圧板や当接板を引込み部及び/又は垂直部とは別体の部品として構成した場合は、湾曲、傾斜等した浴槽側壁にスムーズに追従できるように、引き圧板や当接板を引込み部及び/又は垂直部に対して首振り可能に取り付けてもよい。
引込み部には引き圧板が設けられており、垂直部には当接板が設けられている場合、引き圧板の圧力作用点は、引き圧板の圧力作用点と水平部底面との間の距離が当接板の圧力作用点と水平部底面との間の距離よりも長くなるように、当接板の圧力作用点の位置に対してオフセットされていることが好ましい。別言すれば、引き圧板と当接板若しくは引き圧板の圧力作用点と当接板の圧力作用点とは正対して配置されている必要がなく、引き圧板や引き圧板の圧力作用点が当接板や当接板の圧力作用点よりも相対的に高い位置に配置されていればよい。例えば引き圧板の縦長さが当接板の縦長さよりも長いか、或いは当接板の縦長さが引き圧板の縦長さよりも短くてもよい。
引き圧板の圧力作用点と水平部底面との間の距離が当接板の圧力作用点と水平部底面との間の距離よりも長くなるように、引き圧板の圧力作用点が当接板の圧力作用点の位置に対してオフセットされていると、浴槽側壁が強度を有するリム部と強度を有さないエプロン部とへ分かれていても、垂直部の反作用により生じるクランプ力を強度を有するリム部へ的確に誘導することができるので、エプロン部などの脆弱な浴槽側壁部分を破損させることなく、浴槽用手摺りを浴槽側壁へ確実かつ強固に取り付けることができる。
また、上述のように引き圧板の圧力作用点が当接板の圧力作用点の位置に対してオフセットされていると、引き圧板の圧力作用点と当接板の圧力作用点との位置ズレにより、本発明の浴槽用手摺りは、例えば使用者が手摺り部を引き圧板側へ向けて倒そうとする力を与えても、転倒することなく使用者の力に対して強力に抗することができる。
一方、浴槽用手摺りには、固定フレーム及び可動フレームを当接板側へ向けて倒そうとする回転モーメントが生じるので、前記回転モーメントに対向するため、垂直部には端部が床面と当接する脚部を取り付けてもよい。また、使用者により付加される力も前記脚部を介して補助的に支えるため、手摺り部を脚部又は垂直部に取り付けてもよい。さらに、当接板を垂直部と一体となった一部の部位として構成したり、或いは当接板を垂直部に対して回動不能に取り付けた場合は、浴槽用手摺り取り付け後のぐら付きを大幅に軽減できるので、上述した床面と当接させるための脚部を安全性を犠牲にすることなく省略できるという効果がある。
ここで、引き圧板の圧力作用点とは、引き圧板を浴槽側壁若しくは当接板へ向けて引き込んだ時、引き圧板が浴槽側壁に対し作用する圧力の中心位置を意味し、一方、当接板の圧力作用点とは、引き圧板が浴槽側壁を引き圧(押圧)する力の反作用として当接板が浴槽側壁を押圧するので、その時の当接板が浴槽側壁に対し作用する圧力の中心位置を意味する。
また、引き圧板や当接板が平坦な面で構成されており且つ引き圧板や当接板の作用面全体へ一様に圧力が付加される場合は、一般に圧力作用点はその作用面の重心位置を意味する。しかしながら、引き圧板や当接板が支承軸によって引込み部や垂直部に支持されているような場合は、該支承軸の延長線上に圧力が集中する傾向にあるので、この場合の圧力作用点は、作用面上の支承軸の延長線上に位置する点を意味するものとして取り扱って差し支えない。
このため、引き圧板や当接板が支承軸によって引込み部や垂直部に支持されている場合、引き圧板の圧力作用点が当接板の圧力作用点の位置に対してオフセットされているとは、引き圧板を支持している支承軸が当接板を支持している支承軸の位置よりも相対的に低い位置に配置されているか、或いは当接板を支持している支承軸が引き圧板を支持している支承軸の位置よりも相対的に高い位置に配置されていることを意味する。
本発明の浴槽用手摺りでは、固定フレームは浴槽側壁の上面に直接載置され、可動フレームは浴槽側壁の上面に直接載置された固定フレームに対して進退するのみであるので、固定フレームは、可動フレームの引き込み操作によって浴槽側壁の上面との間に位置ズレや摩擦力(残留応力)を生じることなく、安定した状態で強固に取り付けることができる。また、本発明によれば、固定フレーム及び可動フレームによる浴槽側壁のクランプ前後において、固定フレームに取り付けられた手摺り部やハンドルノブの浴槽側壁に対する相対位置を変化させることなく、浴槽用手摺りを浴槽側壁へ取り付けることができる。
本発明の浴槽用手摺りでは、引込み操作部を介して、可動フレームを引き込むための移動装置を浴槽側壁の側面に配置することが可能となり、浴槽側壁の上面に配置される水平部や連結部に移動装置を配置する必要がなくなるので、浴槽側壁の上面に配置される水平部や連結部の構造を単純化して、その厚みを極めて薄くすることができる。そのため、本発明の浴槽用手摺りは、浴槽側壁へ取り付けた場合においても、可動フレームや固定フレームが浴槽側壁と蓋との間に浴温が低下させるような隙間等を生じさせることがなく、高い密閉性を有する該蓋の浴槽への取り付けを可能にする。
本発明の浴槽用手摺りによれば、引き圧板の圧力作用点と水平部底面との間の距離が当接板の圧力作用点と水平部底面との間の距離よりも長くなるように、引き圧板の圧力作用点が当接板の圧力作用点の位置に対してオフセットされているので、浴槽側壁が強度を有するリム部と強度を有さないエプロン部とへ分かれていても、垂直部の反作用により生じるクランプ力を強度を有するリム部へ的確に誘導することが可能となり、エプロン部などの脆弱な浴槽側壁部分を破損させることなく、浴槽用手摺りを浴槽側壁へ確実かつ強固に取り付けることができる。
本発明の浴槽用手摺りの全体概要図である。 図1に示される浴槽用手摺りの側面図である。 当接板が固定式の図2に示される第1の態様の移動装置(トルク伝達・遮断手段)を有する浴槽用手摺りの断面図である。 当接板が首振り可能な図2に示される第1の態様の移動装置(トルク伝達・遮断手段)を有する浴槽用手摺りの断面図である。 図1に示される浴槽用手摺りの分解図である。 図4に示される、引込み操作部を有する側の可動フレームの分解図である。 図4に示される、引込み部を有する側の可動フレームの分解図である。 ハンドルノブを可動フレームへ組み付ける態様を示す概要図である。 図7aに示されるハンドルノブ周辺部分の分解図である。 第2の態様の移動装置(トルク伝達・遮断手段)を有する浴槽用手摺りの断面図である。 図8に示される浴槽用手摺りをX−X断面で切り取った断面図である。 図8に示される、引込み操作部を有する側の可動フレームの分解図である。
以下、本発明の一実施形態に係る浴槽用手摺りについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
第1の実施形態
図1及び図2を用いて、本発明の第1の実施形態に係る浴槽用手摺り1の主な構成を説明する。図1には、本実施形態に係る浴槽用手摺り1の全体概要が示されており、図2には、図1に示された浴槽用手摺り1の側面図が示されており、さらに図3a,図3bには、図2に示される第1の態様の移動装置を有する浴槽用手摺り1の断面図が示されている。
図1,2に示されているように、本実施形態の浴槽用手摺り1は、主として、上部グリップ90と脚部91が取り付けられており側面視において下向きに略L字型の固定フレーム2と、側部グリップ92が取り付けられており側面視において下向きに略コの字型の可動フレーム3と、可動フレーム3を固定フレーム2に対して近接又は離間させるための移動装置4とから構成されている。なお、図1に示されている本実施形態の浴槽用手摺り1の構成は、移動装置以外、基本的に後述する第2の実施形態に係る浴槽用手摺り1aの構成と同じである。
固定フレーム2は、浴槽側壁の上面に対向するように配置される水平部21と、水平部21に連結しており且つ浴槽側壁の側面に対向するように配置される垂直部20とから構成されており、浴槽側壁の側面と上面に当接するように直接載置される。
可動フレーム3は、浴槽側壁の側面に対向するように配置される引込み部30と、引込み部30に対向するように配置される引込み操作部31と、引込み部30と引込み操作部31とを連結する連結部32とから構成されており、固定フレーム2に対して移動可能に取り付けられる。
移動装置4は、固定フレーム2の垂直部20と可動フレーム3の引込み部30とへ連結されており、可動フレーム3を固定フレーム2に対して進退可能に移動させる。
また、図2、図3aに示されているように、固定フレーム2の内側には、浴槽側壁に当接させるための当接板22aが回動不能に取り付けられており、可動フレーム3の内側には、当接板22aとは反対側の浴槽側壁に当接させるための引き圧板33が首振り可能に取り付けられている。なお、当接板22bは、図3bに示されているように、固定フレーム2の内側に首振り可能に取り付けられていてもよい。
このように、本実施形態の浴槽用手摺り1では、固定フレーム2は浴槽側壁の上面に直接載置され、可動フレーム3は固定フレーム2の上で進退するのみである。このため、本実施形態の浴槽用手摺り1は、移動装置4による可動フレーム3の引き込み操作によって固定フレーム2と浴槽側壁の上面との間に位置ズレや摩擦力(残留応力)を生じさせることなく、安定した状態で強固に取り付けることができる。
本実施形態の浴槽用手摺り1では、浴槽側壁のクランプは、移動装置4により、可動フレーム3の引込み部30及び引き圧板33を固定フレーム2に対して引き込むことにより行われる。このため、移動装置4は、浴槽側壁をクランプする時は、可動フレーム3の引込み操作部31を固定フレーム2の垂直部20に対して離間させることにより、可動フレーム3の連結部32を介して引込み部30及び引き圧板33を垂直部20及び当接板22a,22bに近接させるように機能し、そして浴槽側壁のクランプを解放する時は、引込み操作部31を垂直部20に対して近接させることにより、連結部32を介して引込み部30及び引き圧板33を垂直部20及び当接板22a,22bから離間させるように機能する(図3a,図3b参照)。
このため、本実施形態では、可動フレーム3を引き込むための移動装置4は、引込み操作部31を介して浴槽側壁の側面に配置することが可能となり、浴槽側壁の上面に配置される水平部21や連結部32に設ける必要がなくなるので、特許文献5,6に記載されているような可動フレームを固定フレーム側へ引き込むタイプの浴槽用手摺りであるにも関わらず、浴槽側壁の上面に配置される水平部21や連結部32の構造を単純化することができ、水平部21や連結部32の厚みを極めて薄くすることができる。その結果、本実施形態の浴槽用手摺り1は、浴槽側壁へ取り付けた場合においても、可動フレーム3や固定フレーム2が浴槽側壁と蓋との間に浴温が低下させるような隙間等を生じさせることがなく、高い密閉性を有する該蓋の浴槽への取り付けを可能にする。
図4には、図1に示される浴槽用手摺り1の分解図が示されており、図5には、図4に示される可動フレーム3のうち、引込み操作部31を有する側の第1の可動フレーム3xの分解図が示されており、そして図6には、引込み部30を有する側の第2の可動フレーム3yの分解図が示されている。
本実施形態では、可動フレーム3は、引込み部30と引込み操作部31との間の離間距離を調節できるように、下向きに略L字型の第1の可動フレーム3x(図5)と、第1の可動フレーム3xとは分離独立している、下向きに略L字型の第2の可動フレーム3y(図6)とから構成されており、第1の可動フレーム3xと第2の可動フレーム3yとはそれぞれの連結部32x,32yを介して連結されている。また、図示しないが、引込み部30と引込み操作部31との間の離間距離の調節可能化は、例えば連結部32に対して引込み部30及び/又は引込み操作部31を分離独立した部品として構成し、連結部32に対して取り付け位置を変更できるようにすることによっても達成することができる。
引込み部30と引込み操作部31との間の離間距離を調節可能にしておくと、引込み部30と引込み操作部31との離間距離を予め浴槽側壁の厚みに合わせておくことにより、可動フレーム3を、浴槽側壁をクランプするのに必要にして最小の幅寸法としておくことができる。そのため、移動装置4によるクランプ操作を少なくし取付け時間を短縮することができると共に、取り付けた後の可動フレーム3の浴槽側壁からのはみ出し部分も最小限に抑えることができるようになる。
図示しないが、本実施形態の浴槽用手摺り1のように、連結部32が水平部21の上側に配置されている場合、可動フレーム3は固定フレーム2に対して水平方向の連結角度を変えられるように首振り可能に取り付けてもよい。可動フレーム3を固定フレーム2に対して首振り可能に取り付けると、可動フレーム3及び固定フレーム2のクランプ部分が湾曲して厚みが一定でない浴槽側壁に対してスムーズに追従し、浴槽用手摺り本体を浴槽側壁に強固に取り付けることができるようになる。
また、可動フレーム3自体を首振り可能に取り付けると、同じ湾曲して厚みが一定でない浴槽側壁に対しても、引き圧板33や当接板22bが分担すべき首振り角度が小さくなるので、固定フレーム2や可動フレーム3の大きさ又は浴槽用手摺り本体の大きさをコンパクトにできる。
本実施形態では、図5に示されているように第1の可動フレーム3xは片状体であって、略垂直に配置される引込み操作部31と、引込み操作部31と連結し且つ略水平に配置される第1の連結部32xを含んでいる。引込み操作部31には、移動装置4を取り付けるための円形の開口310が設けられており、第1の連結部32xには、第2の可動フレーム3yの第2の連結部32yをスライド可能に取り付けるための2つのネジ穴320とスリット状の長穴321とが設けられている。
図6に示されているように、第2の可動フレーム3yも片状体であって、略垂直に配置される引込み部30と、引込み部30と連結し且つ略水平に配置される第2の連結部32yを含んでいる。引込み部30の外側には側部グリップ92がネジ止めされており、引込み部30の内側には2つの引き圧板23が首振り可能に取り付けられている。また、第2の連結部32yには、第1の連結部32xのネジ穴320と整列させて、ネジによりネジ止めするための2つの平行に並んだ係止溝付きスリット322と、第1の連結部32xの長穴321と整列させて、任意の位置でネジによりネジ止めするための切込み323とが設けられている。
第2の連結部32yの係止溝付きスリット322のそれぞれには、スリットから横方向へ突出した3つの係止溝324が形成されている。このため、第1の連結部32xのネジ穴320に固定されたネジ(図示せず)の胴部が係止溝324以外のスリットの中に配置されている時は、第2の可動フレーム3yの第2の連結部32yは、第1の可動フレーム3xの第1の連結部32xに対して円滑にスライド移動させることができる。一方、第1の連結部32xのネジ穴320に固定されたネジの胴部が係止溝324の中に係止されている時は、第2の可動フレーム3yの第2の連結部32yは、第1の可動フレーム3xの第1の連結部32xに対してスライドさせることができず、ネジを締めることにより強固に固定される。
また、第2の可動フレーム3yは、第1の連結部32xの長穴321と第2の連結部32yの切込み323とを整列させてネジによりネジ止めすることにより、3箇所で第1の可動フレーム3xへネジ止めすることができるので(図7a参照)、第2の可動フレーム3yが第1の可動フレーム3xに対して水平方向へ回転してしまうのを強力に防止することができる。
固定フレーム2の内側に取り付けられている当接板22a,22b(図3a,図3b)は、特に浴槽側壁の上部のリム部を的確に押圧し、グリップ力を高めるために設けられている。そのため、当接板22a,22bは、固定フレーム2の水平部21に隣接して配置されており、その表面には滑り止めラバーが装着されている。当接板22a(図3a)は、浴槽側壁(特にリム部)を強力に押圧できることを重視して、固定フレーム2の内側に固定されているのに対して、当接板22b(図3b)は、湾曲、傾斜等した浴槽側壁の形状に柔軟に追従できることを重視して、固定フレーム2の内側に首振り可能に取り付けられている。特に当接板22aを図3aに示されているように固定フレーム2に対して回動不能に取り付けた場合は、浴槽用手摺り1取り付け後のぐら付きを大幅に軽減することができるので、後述する、床面と当接させるための脚部91を安全性を犠牲にすることなく省略することができる。
可動フレーム3の内側に取り付けられている引き圧板33(図6)は、特に浴槽内の壁面を的確に押圧し、グリップ力を高めるために設けられている。そのため、引き圧板33の縦方向の長さは、当接板22a,22bの縦方向の長さよりも相対的に長く、その表面には滑り止めラバー34が装着されている。また、引き圧板33は、湾曲、傾斜等した浴槽側壁の形状に柔軟に追従できることを重視して固定フレーム2の内側に首振り可能に取り付けられているが、当接板22aのように、可動フレーム3の内側に首振り不能に固定されていてもよい。また、引き圧板33の個数も1つであっても、図示されているように2つ以上であってもよく、さらに、引き圧板33を2つ以上取り付ける場合は、一部を首振り可能とし一部を固定式としてもよい。これらの引き圧板の構成は、上述した当接板の構成にも適用することができる。
図6を参照して理解されるように、2つの引き圧板33はそれぞれに固定ピンにより連結プレート35へ軸支されており、連結プレート35は固定ピンにより第2の可動フレーム3yの引込み部30へ軸支されている。各固定ピンを用いた2つの引き圧板33の固定および連結プレート35の固定には遊びが設けられているので、2つの引き圧板33はそれぞれに連結プレート35に対して首を振ることが可能であり、そして連結プレート35も引込み部30に対して首を振ることができる。
引き圧板33や当接板22a,22bは、浴槽側壁との摩擦力を増大させるために樹脂や金属からなる平板、硬質/軟質ラバー又はそれらの組み合わせ部品から形成することができ、そして引込み部30及び/又は垂直部20の一体的な部位として構成してもよいし、或いは本実施形態のように引込み部30及び/又は垂直部20から分離した別体の部品として構成してもよい。また、引き圧板33や当接板22a,22bを引込み部30及び/又は垂直部20とは別体の部品として構成した場合は、上述したように、湾曲、傾斜等した浴槽側壁にスムーズに追従できるように、引き圧板33や当接板22bを引込み部30及び/又は垂直部20に対して首振り可能に取り付けてもよい。
図3a,図3b及び後述する図8に示されているように、本実施形態では、引き圧板33の圧力作用点330は、引き圧板33の圧力作用点330と水平部底面210との間の距離L3が当接板22a,22bの圧力作用点220と水平部底面210との間の距離L2よりも長くなるように、当接板22a,22bの圧力作用点220の位置に対してオフセットされているという特徴を有している。
別言すれば、本実施形態では、引き圧板33と当接板22a,22b若しくは引き圧板33の圧力作用点330と当接板22a,22bの圧力作用点220とは正対して配置されておらず、引き圧板33や引き圧板33の圧力作用点330が当接板22a,22bや当接板22a,22bの圧力作用点220よりも相対的に高い位置に配置されている。このため、本実施形態では、引き圧板33の縦長さは当接板22a,22bの縦長さよりも長く、逆に言えば、当接板22a,22bの縦長さは引き圧板22a,22bの縦長さよりも短くなっている。
引き圧板33の圧力作用点330と水平部底面210との間の距離L3が当接板22a,22bの圧力作用点220と水平部底面210との間の距離L2よりも長くなるように、引き圧板33の圧力作用点330が当接板22a,22bの圧力作用点220の位置に対してオフセットされていると、浴槽側壁が強度を有するリム部と強度を有さないエプロン部とへ分かれていても、垂直部20から伝達されるクランプ力を当接板22a,22bを介して強度を有するリム部へ的確に誘導することができるので、エプロン部などの脆弱な浴槽側壁部分を破損させることなく、浴槽用手摺り1を浴槽側壁へ確実かつ強固に取り付けることができる。
また、引き圧板33の圧力作用点330が当接板22a,22bの圧力作用点220の位置に対してオフセットされていると、引き圧板33の圧力作用点330と当接板22a,22bの圧力作用点220との位置ズレにより、本実施形態の浴槽用手摺り1は、例えば使用者が上部グリップ90を引き圧板33側へ向けて倒そうとする力を与えても、転倒することなく使用者の力に対して強力に抗することができる。
なお、引き圧板33の圧力作用点330とは、引き圧板33を浴槽側壁若しくは当接板22a,22bへ向けて引き込んだ時、引き圧板33が浴槽側壁に対し作用する圧力の中心位置を意味し、一方、当接板22a,22bの圧力作用点220とは、引き圧板33が浴槽側壁を引き圧(押圧)する力の反作用として当接板22a,22bは浴槽側壁を押圧するので、その時の当接板22a,22bが浴槽側壁に対し作用する圧力の中心位置を意味する。
例えば、図3bに示される浴槽用手摺り1の場合、引き圧板33及び当接板22bは、平坦な面にて作用面全体へ一様に圧力が付加されるように構成されており、そして引き圧板33は引き圧板固定ピンによって引込み部30に支持されており、当接板22bは当接板固定ピンによって垂直部20に支持されている。このため、引き圧板33の圧力作用点330は、引き圧板固定ピンの延長線上の作用面に存在するものと考えられ、当接板22bの圧力作用点220は、当接板固定ピンの延長線上の作用面に存在するものと考えられる。一方、図3aに示される浴槽用手摺り1の場合、当接板22aは、平坦な面にて作用面全体へ一様に圧力が付加されるように構成されており、そして当接板22a全体が固定フレーム2の内側に固定されている。このため、当接板22aの圧力作用点220は、その作用面の中心である重心位置付近に存在するものと考えられる。
このため、図3bに示される浴槽用手摺り1の場合、引き圧板33の圧力作用点330が当接板22bの圧力作用点220の位置に対してオフセットされているとは、引き圧板33を支持している引き圧板固定ピンが当接板22bを支持している当接板固定ピンの位置よりも相対的に低い位置に配置されている態様、或いは当接板22bを支持している当接板固定ピンが引き圧板33を支持している引き圧板固定ピンの位置よりも相対的に高い位置に配置されている態様を意味していることと略同一視することができる。
本実施形態の移動装置4は、図3a,図3b及び図5によく示されているように、引込み操作部31に取り付けられたナット41と、ナット41と螺合しているボルト軸40と、そしてナット41を回転させるためのハンドルノブ42とを含んでいる。ナット41は引込み操作部31の開口310に回動可能に連結されており、そしてボルト軸40の先端部分は垂直部20の取付穴200に対して回動不能に取り付けられている。
移動装置4をナット41及びボルト軸40によって構成すると、ボルト軸40の螺進退により、引込み操作部31を垂直部20に対して容易に近接又は離間させることができ、さらにその状態も確実に保持することができる。また、図示しないが、ボルト軸40を垂直部20に対して首振り可能に連結すると、上述したように可動フレーム3を固定フレーム2に対して首振り可能に固定することができる。
さらに、本実施形態の場合、ボルト軸40は、引込み操作部31に取り付けられたナット41を回転することにより螺進退されるため、ナット41を回転するためのハンドルノブ42の位置は引込み操作部31に対して不変であり、浴槽用手摺り1から突出する危険部位を減らすことができる。このため、ハンドルノブ42には、その内部に、ナット41を回転させることにより後退させたボルト軸40の後端部分を収容するための収納室420が設けられており、ハンドルノブ42はボルト軸40から使用者を保護する保護カバーとしても機能する。
また、本実施形態では、ボルト軸40の先端部分は固定フレーム2に回動不能に連結されており、該ボルト軸40と螺合するナット4は可動フレーム3に回動自在に取り付けられている。このため、ハンドルノブ42で可動フレーム3に取り付けられたナット4を回転すると、該ナット4と螺合したボルト軸40が、可動フレーム3と固定フレーム2の相対位置を変化させ、そして該可動フレーム3に取り付けられた引き圧板33が浴槽側壁へ向けて引き込まれる。
そのため、本実施形態の浴槽用手摺り1では、固定フレーム2を浴槽側壁へ当接させて載置した後は、引き圧板33を浴槽側壁へ引き込んでも、固定フレーム2及び該本体フレーム2に取り付けられた上部グリップ90(図1参照)が浴槽側壁から移動して離れてしまうという問題がなく、その結果、上部グリップ90は洗い場側へ傾転され難い構造となっている。また、浴槽用手摺り1を固定するために、洗い場側から、固定フレームに対して近接離反する押圧板などを取り付ける必要もなくなる。
本実施形態の移動装置4には、ハンドルノブ42とナット41との間に、所定の力未満では、ハンドルノブ42からナット41へ回動力を伝達し、そして所定の力以上では、ハンドルノブ42からナット41への回動力の伝達を遮断するトルク伝達・遮断手段43が組み込まれている。
移動装置4がトルク伝達・遮断手段43が組み込まれていると、使用者がハンドルノブ42を回して引き込み部30を垂直部20へ向けて強力に引き込んでも浴槽側壁を破損することなく、必要にして十分な引き圧力(クランプ力)をもって浴槽用手摺り1を浴槽側壁へ取り付けることができる。
本実施形態の浴槽用手摺り1では、ボルト軸40の先端部分はフランジ400を有する矩形形状に加工されており、固定フレーム2の垂直部20には、ボルト軸40の先端部分と嵌合する取付穴200が設けられている。このため、ボルト軸40の先端部分を垂直部20の取付穴200に挿通し、先端部分が露出した側から該取付穴200より大きな外径を有する止めカバー401をネジ止めすることにより、ボルト軸40の先端部分は固定フレーム2に回動不能に連結される。
一方、第1の可動フレーム3xの垂直部20には開口310が設けられており、そしてナット41は、引込み操作部31の開口310へ挿通される胴部410と、胴部410に固着されており且つ一方の側から引込み操作部31へ当接させるために開口310より大きな外径を有する第1のフランジ部411と、そして他方の側から引込み操作部31へ当接させるために開口310より大きな外径を有し且つ胴部410へ着脱自在に取り付けられる第2のフランジ部412とを備えている。
このため、ナット41は、胴部410が開口310へ挿通され、第1のフランジ部411とは反対側から第2のフランジ部412が装着されることにより、可動フレーム3へ回転自在に取り付けられる。また、第1のフランジ部411と引込み操作部31との間及び第2のフランジ部412と引込み操作部31との間には樹脂製のワッシャー413が挿入されており、ナット41のガタ付きを抑え、可動フレーム3の引込み操作部31に対するナット41の回転が円滑になるようにされている。
図5に示されているように、本実施形態で使用されるトルク伝達・遮断手段43は、ハンドルノブ42の回転と同調し、且つハンドルノブ42の回転軸に対して直交するトルク伝達面431を備えた伝達部430と、ナット41の回転と同調し、且つトルク伝達面431に当接されるトルク伝受面433を備えた伝受部432とを有しており、そしてトルク伝達面431及びトルク伝受面433はそれぞれに、伝達される回動力が所定の値未満では、トルク伝達面431とトルク伝受面433とを相互に係止し、そして伝達される回動力が所定の値以上では、トルク伝達面431とトルク伝受面433との間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいるという特徴を有している。
また、トルク伝達・遮断手段43は、伝達部430がハンドルノブ42の回転軸方向に移動可能に取り付けられており、そして移動可能に取り付けられた伝達部430を、伝達部430と対向する伝受部432へ向けて付勢する伝達部付勢手段434を備えている。また、伝達部付勢手段434の端部は、ネジ435によってナット41の端部に装着されるストッパー436によって固定されている。
トルク伝達・遮断手段43のトルク伝達面431の中心及びトルク伝受面433の中心は、ハンドルノブ42及びナット41の回転軸と同軸上に配置されている。またトルク伝達面431上及びトルク伝受面433上には、それぞれにトルク伝達面431又はトルク伝受面433から傾斜した斜面を含む凹部/凸部が形成されている。トルク伝達面431の傾斜面及びトルク伝受面433の傾斜面は、可動フレーム3の引き圧板33を浴槽側壁へ向けて引き込むようにハンドルノブ42を回す時、互いに対向する相手側の傾斜面を昇るように勾配が付けられている。
そして、トルク伝達面431を有する環状の伝達部430はハンドルノブ42及びナット41の回転軸に沿ってスライド可能に装着されており、且つ弾性体(伝達部付勢手段)434によってトルク伝受面433に向けて付勢されている。弾性体434は、コイルバネ、皿バネ、弾性樹脂材料など弾性変形可能なものであれば特に限定されることなく公知のものを使用することができる。
このため、トルク伝達面431の傾斜面とトルク伝受面433の傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そしてハンドルノブ42からナット41へ伝達されるトルクが所定の値未満である時、トルク伝達面431の傾斜面はトルク伝受面433の傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そしてこの係合により、ハンドルノブ42のトルクがナット41へ伝達され、該ナット41と螺合するボルト軸40が可動フレーム3と固定フレーム2の相対位置を変化させ、そして該可動フレーム3に取り付けられた引き圧板33を浴槽側壁へ向けて引き寄せる。
一方、ハンドルノブ42からナット41へ伝達されるトルクが所定の値以上になると、トルク伝達面431の傾斜面はトルク伝受面433の傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、トルク伝達面431を備えた環状の伝達部430は弾性体434に抗して後退し、トルク伝達面431の傾斜面がトルク伝受面433の傾斜面を乗り越えることによって両者の係合が解除される。このため、この状態でハンドルノブ42を回してもハンドルノブ42はナット41に対して空回りするのみであり、ハンドルノブ42からナット41へトルクが伝達されることはない。
また、トルク伝達面431の傾斜面の後端にはトルク伝達面431に略直交する垂直面が形成されており、トルク伝受面433の傾斜面の後端にはトルク伝受面433に略直交する垂直面が形成されている。トルク伝達面431の垂直面とトルク伝受面433の垂直面は、可動フレーム3の引き圧板33を浴槽の側壁から離間させるようにハンドルノブ43を回す時、互いに当接し係合する。そのため、ハンドルノブ42を、引き圧板33を浴槽の側壁から離間させるように回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にハンドルノブ42とナット41は同調して回転する。
このように、トルク伝達・遮断手段43において、ナット41の回転と同調して回動するトルク伝受面433は、ナット41の外周面に取り付けられている。このため、トルク伝達・遮断手段43は、ナット41本体と一部重複して配置することができるので、トルク伝達・遮断手段43及び該トルク伝達・遮断手段43を備えたハンドルノブ42の可動フレーム3からの突出長さを抑えることができる。
図7aには、ハンドルノブ42を可動フレーム3へ組み付ける態様を表した概要図が示されており、図7bには、図7aに示されるハンドルノブ周辺部分の分解図が示されている。ハンドルノブ42は、ノブ420と収納胴部421と回転フランジ422とを含んでいる。ハンドルノブ42の引込み操作部31への取り付けは、回転フランジを、回転フランジの外径よりも小さな内径であって、収納胴部421の外径と略同じ内径の半分に割れた固定口を有している上部ハンドルカバー423と下部ハンドルカバー424によって上下から挟み込み、そして上部ハンドルカバー423及び下部ハンドルカバー424を引込み操作部31への取り付けることによって行われる。本実施形態では、見栄えを良くし且つ使用者の指先等を挟み込まないように、上部ハンドルカバー423及び下部ハンドルカバー424の上から化粧カバー425が取り付けられる。
上述したハンドルノブ42の引込み操作部31への取り付けによれば、ハンドルノブ42は、ナット42やトルク伝達・遮断手段43への取り付け態様に拠らず、軸方向へ移動することなく引込み操作部31上の定位置において回転させことができる。
図1,4を参照して、本実施形態の浴槽用手摺り1において、上部グリップ90と脚部91が取り付けられており、側面視において下向きに略L字型の固定フレーム2について説明する。
本実施形態では、上部グリップ90は、後述するスリーブ201の挿通孔202及びロックピン204と整列する複数のピン孔901を備えた2本の支持脚900を有しており、固定フレーム2の垂直部22は、該支持脚900をスライド可能に受け入れるための2つのスリーブ201を備えている。また、それぞれのスリーブ201には挿通孔202が設けられており、該挿通孔202には、バネ203によりスリーブ201の内部へ向けて付勢されたロックピン204が取り付けられている。
このため、本実施形態の浴槽用手摺り1では、バネ203の付勢に抗する方向へロックピン204のつまみ205を動かし、ロックピン204による支持脚900の係止を解除することにより、上部グリップ90は上下方向に簡単に高さ調節ができるようになる。一方、支持脚900のピン孔901がスリーブ201の挿通孔202と整列した位置において、つまみ205を自由にすると、バネ203により、ロックピン204は挿通孔202を通ってピン孔901の中に挿入されるので、支持脚900は簡単にスリーブ201の中に係止され、上部グリップ90は固定フレーム2に固定される。
また、本実施形態の浴槽用手摺り1では、固定フレーム2の垂直部20には、長さ調節自在の脚部91が取り付けられている。脚部91は、その長さ調節により、先端部を洗い場の床面と当接させることができるので、浴槽用手摺り1の使用により、固定フレーム2や可動フレーム3に、固定フレーム2や可動フレーム3を当接板22a,22b側へ向けて倒そうとする回転モーメントが働いても十分に対向することができ安全である。
また、本実施形態では、脚部91は1本であるので、固定フレーム2や可動フレーム3に、固定フレーム2や可動フレーム3を浴槽側壁の壁面に沿って倒そうとする回転モーメントが働いても、脚部が複数本配置されている時のように、一部の脚部に床面との間に隙間が生じてガタ付くようなことがない。なお、図示しないが、使用者により付加される力も脚部によって支えられるようにするため、上部グリップ90の支持脚900を脚部と直接連結させる構造としてもよい。
以下に、本実施形態の浴槽用手摺り1の浴槽側壁への取り付け方法を簡単に説明する。本実施形態の浴槽用手摺り1では、先ず可動フレーム3の引込み部30と引込み操作部31との離間距離が浴槽の厚みに適合するように第1の可動フレーム3xと第2の可動フレーム3yとの連結状態を調節し固定する。
次に、水平部を浴槽側壁の上面に直接載置し且つ垂直部20の当接板22a,22bを浴槽側壁の側面に当接させた位置へ固定フレーム2を仮置きし、その状態にて脚部91の先端部が洗い場の床面と当接するように脚部91の長さを調節する。特に浴槽側壁がリム部とエプロン部を有している場合は、当接板22a,22bはリム部へ当接させるとよい。
ハンドルノブ42を回すことにより可動フレーム3の引込み部30に取り付けられた引き圧板33が浴槽側壁の側壁に当接させ、さらにトルク伝達・遮断手段43によりハンドルノブ42が空回りする(ハンドルノブ42からナット41への回動力の伝達を遮断される)までハンドルノブ42を回す。
この結果、本実施形態の浴槽用手摺り1は、浴槽側壁を破損することなく、固定フレーム2と浴槽側壁の上面との間に位置ズレや摩擦力(残留応力)も生じさせることなく、さらに湾曲、傾斜等した形状を有する浴槽側壁であっても柔軟に追従させながら強固に浴槽用側壁に取り付けることができる。
上記のように本実施形態の浴槽用手摺り1を浴槽用側壁に取り付けた後は、ロックピン204のつまみ205を動かし、ロックピン204による支持脚900の係止を解除することにより上部グリップ90の高さ調節を行い、そして支持脚900のピン孔901がスリーブ201の挿通孔202と整列した位置においてつまみ205を自由にすることにより上部グリップ90の位置を調節する。
第2の実施形態
次に図8〜10を用いて、本発明の第2の実施形態に係る浴槽用手摺り1aを説明する。本実施形態の浴槽用手摺り1aは、トルク伝達面431とトルク伝受面433とがハンドルノブ42及びボルト軸40の回転軸に対して直交するように配置された第1の態様のトルク伝達・遮断手段43を有する移動装置4とは異なり、第2の態様の移動装置4aとして、トルク伝達面をハンドルノブ42aの内周面上に設け(以下、「トルク伝達円周面431a」という)、トルク伝受面433aをボルト軸40aの外周面上に設けたタイプのトルク伝達・遮断手段43aを使用していること以外は、基本的に第3の実施形態の浴槽用手摺り1bと同じ構成を備えている。このため、本実施形態の浴槽用手摺り1aは、基本的に第1の実施形態の浴槽用手摺り1と同じ効果を奏することができるので、第1の実施形態の浴槽用手摺り1と重複する構成および効果、設置方法については、それらの説明を省略する。
図8には、第2の態様のトルク伝達・遮断手段43aを備えた浴槽用手摺り1aをボルト軸40aの軸に沿って切り取った断面図が示されており、図9には、図8に示される浴槽用手摺り1aをX−X断面で切り取った断面図が示されている。また、図10には、図8に示される、引込み操作部31を有する第1の可動フレーム3xの分解図が示されている。
より具体的には、トルク伝達・遮断手段43aは、ハンドルノブ42aの回転と同調し、且つハンドルノブ42aの回転軸に対して平行な略円筒形のトルク伝達円周面431aを備えた円周伝達部430aと、ナット41aの回転と同調し、且つトルク伝達円周面431aに摺接される摺動面437aを備えた摺動部432aとを有しており、そして摺動部432aは、ナット41aの回転軸に対して平行であって摺動面437a上に配設されたキー溝438aと、トルク伝達円周面431aに当接されるトルク伝受面433aを備えており且つキー溝438aの中で、ナット41aの回転軸に対して放射方向に移動可能に配置されているキー44aと、そしてキー44aのトルク伝受面433aを、ハンドルノブ42aのトルク伝達円周面431aへ向けて付勢する付勢手段434aとを含んでおり、そしてトルク伝達円周面431a及びトルク伝受面433aはそれぞれに、伝達される回動力が所定の値未満では、トルク伝達円周面431aとトルク伝受面433aとを相互に係止し、そして伝達される回動力が所定の値以上では、トルク伝達円周面431aとトルク伝受面433aとの間で滑りを生じさせる傾斜面を備えた凹部または凸部を含んでいるという特徴を有している。
なお、第2の態様の円周伝達部430aは、トルク伝達円周面431aを長期間使用した場合に磨耗することがあるのを考慮して、ハンドルノブ42a本体とは別体の着脱可能な部品として形成されているので、容易に交換することができ、便利である。また、耐摩耗性などが求められないハンドルノブ42a本体をプラスチック材料などから作ることができるので、ハンドルノブ42a周りの加工や軽量化が容易になるという利益がある。
第2の態様のトルク伝達・遮断手段43aでは、トルク伝達円周面431aの回転軸、摺動面437aの回転軸及びトルク伝受面433aの回転軸は、ハンドルノブ42a及びナット41aの回転軸と同軸上に配置されている。また、ハンドルノブ42a(円周伝達部430a)のトルク伝達円周面431a上には、円筒状のトルク伝達円周面431aからさらに内側に傾斜した斜面を含む凹部/凸部が形成されている。一方、ナット41a(摺動部432a)の摺動面437a上には、ナット41aの回転軸に対して平行に配設されたキー溝438aが形成されており、そしてキー溝438aの中には、ナット41aの回転軸に対して放射方向に移動可能なキー44aが配置されている。キー44aのトルク伝受面433a上には傾斜面を含む凹部/凸部が形成されており、キー44aは弾性体(付勢手段)434aによってトルク伝達円周面431aに向けて付勢されている。なお、弾性体434aは、コイルバネ、皿バネ、弾性樹脂材料など弾性変形可能なものであれば特に限定されることなく公知のものを使用することができる。
このため、トルク伝達円周面431aの傾斜面と、キー44aのトルク伝受面433aの傾斜面との間には常に一定の摩擦力が生じている。そして、ハンドルノブ42aからナット41aへ伝達されるトルクが所定の値未満である時、キー44aのトルク伝受面433aの傾斜面はハンドルノブ42aのトルク伝達円周面431aの傾斜面を乗り越えることができず、互いに噛み合った状態で係合している。そしてこの係合により、ハンドルノブ42aのトルクがナット41aへ伝達され、該ナット41aと螺合するボルト軸40aが可動フレーム3と固定フレーム2の相対位置を変化させ、そして該可動フレーム3に取り付けられた引き圧板33を浴槽側壁へ向けて引き寄せる。
一方、ハンドルノブ42aからナット41aへ伝達されるトルクが所定の値以上になると、ナット41aのトルク伝受面433aの傾斜面はハンドルノブ42aのトルク伝達円周面431aの傾斜面との間に滑りが生じる。その結果、傾斜面を有するキー44aは弾性体434aに抗して後退し、キー44aのトルク伝受面433aの傾斜面がハンドルノブ42aのトルク伝達円周面431aの傾斜面を乗り越えることによって両者の係合が解除される。そのため、この状態でハンドルノブ42aを回してもハンドルノブ42aはナット41aの周りで空回りするのみであり、ハンドルノブ42aからナット41aへトルクが伝達されることはない。
また、ハンドルノブ42aのトルク伝達円周面431aの傾斜面の後端にはトルク伝達円周面431aに略直交する垂直面が形成されている。また、キー44aの幅方向の断面は略台形の形状を呈しているので、キー44aのトルク伝受面433aの傾斜面の後端にはキー44aの傾斜面に略直交する垂直面が形成されている。ハンドルノブ42aのトルク伝達円周面431aの垂直面とキー44aのトルク伝受面433aの垂直面は、引き圧板33(図示せず)を浴槽の側壁から離間させるようにハンドルノブ42aを回す時、互いに当接し係合する。そのため、引き圧板33を浴槽の側壁から離間させるようにハンドルノブ42aを回す時は、伝達されるトルクの大きさに拠らず、常にハンドルノブ42aとナット41aは同調して回転する。
このように、第2の態様のトルク伝達・遮断手段43aは、ナット41aの端面ではなく、ナット41aの回転軸に対して平行に配設される略円筒形の外周面を利用したものであるが、ナット41a(摺動部432a)の外周面(摺動面437a)上にキー溝438aを設け、該キー溝438aの中へ、ナット41aの回転軸に対し放射方向に移動して係合/解除可能な傾斜面を有するキー44aを配置したので、ハンドルノブ42aの内周面とナット41aの外周面と隙間が小さい場合においても、ハンドルノブ42aからナット41aへ確実にトルクを伝達又は遮断することができる。
1,1a・・・浴槽用手摺り
2・・・・・固定フレーム
20・・・・垂直部
200・・・取付穴
201・・・スリーブ
202・・・挿通孔
203・・・バネ
204・・・ロックピン
205・・・つまみ
21・・・・水平部
210・・・水平部底面
220・・・圧力作用点(当接板)
22a,22b・・・当接板
3・・・・・可動フレーム
3x・・・・第1の可動フレーム
3y・・・・第2の可動フレーム
30・・・・引込み部
31・・・・引込み操作部
310・・・開口
32・・・・連結部
32x・・・第1の連結部
32y・・・第2の連結部
320・・・ネジ穴
321・・・長穴
322・・・係止溝付きスリット
323・・・切込み
324・・・係止溝
33・・・・引き圧板
330・・・圧力作用点(引き圧板)
34・・・・滑り止めラバー
35・・・・連結プレート
4,4a・・・移動装置
40,40a・・・ボルト軸
400,400a・・・フランジ
401,401a・・・止めカバー
41,41a・・・・ナット
410,410a・・・胴部
411,411a・・・第1のフランジ部
412,412a・・・第2のフランジ部
413,413a・・・ワッシャー
42,42a・・・・ハンドルノブ
420,420a・・・収納室
421,421a・・・収納胴部
422,422a・・・回転フランジ
423・・・上部ハンドルカバー
424・・・下部ハンドルカバー
425・・・化粧カバー
43,43a・・・トルク伝達・遮断手段
430・・・伝達部
430a・・・伝達円周部
431・・・トルク伝達面
431a・・・トルク伝達円周面
432・・・伝受部
432a・・・摺動部
433,433a・・・トルク伝受面
434,434a・・・付勢手段
435・・・ネジ
436・・・ストッパー
437a・・・摺動面
438a・・・キー溝
44a・・・キー
90・・・・上部グリップ
900・・・支持脚
901・・・ピン孔
91・・・・脚部
92・・・・側部グリップ
L2,L3・・・距離

Claims (13)

  1. 浴槽側壁の一の側面に対向するように配置される引込み部と、
    前記引込み部に対向するように配置される引込み操作部と、
    前記引込み部と前記引込み操作部とを連結する連結部と
    からなる可動フレームと、
    浴槽側壁の上面に対向するように配置され、且つ前記浴槽側壁の上面に直接載置される水平部と、
    前記水平部に連結しており且つ前記浴槽側壁の一の側面の反対側の他の側面に対向するように配置される垂直部と
    からなる固定フレームと、そして
    前記引込み操作部に連結されており且つ前記引込み操作部を前記垂直部に対して近接又は離間させる移動装置と
    からなることを特徴とする浴槽用手摺り。
  2. 前記移動装置は、前記引込み操作部を前記垂直部に対して離間させることにより、前記連結部を介して前記引込み部を前記垂直部に対して近接させ、そして前記引込み操作部を前記垂直部に対して近接させることにより、前記連結部を介して前記引込み部を前記垂直部に対して離間させるものであることを特徴とする請求項1に記載の浴槽用手摺り。
  3. 前記移動装置が前記垂直部に連結されることにより、前記可動フレームは前記固定フレームから脱離しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の浴槽用手摺り。
  4. 前記移動装置は、前記引込み操作部に連結されたナットと、前記ナットと螺合しているボルト軸と、そして前記ナット又は前記ボルト軸を回動させるハンドルノブとを含んでいることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の浴槽用手摺り。
  5. 前記ナットは前記引込み操作部に回動可能に連結されており、そして前記ボルト軸は前記垂直部に回動不能に連結されていることを特徴とする請求項4に記載の浴槽用手摺り。
  6. 前記ハンドルノブは、前記ナットを回動させることにより後退した前記ボルト軸を前記ハンドルノブの内部に収容する収納室を有していることを特徴とする請求項5に記載の浴槽用手摺り。
  7. 所定の力未満では、前記ハンドルノブから前記ナットへ回動力を伝達し、そして所定の力以上では、前記ハンドルノブから前記ナットへの回動力の伝達を遮断するトルク伝達・遮断手段をさらに備えていることを特徴とする請求項5又は6に記載の浴槽用手摺り。
  8. 前記引込み部と前記引込み操作部との間の離間距離は調節可能であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の浴槽用手摺り。
  9. 前記垂直部は、前記垂直部に首振り可能に取り付けられており且つ前記浴槽側壁に当接する当接板を備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の浴槽用手摺り。
  10. 前記引込み部は、前記引込み部に首振り可能に取り付けられており且つ前記浴槽側壁に当接する引き圧板を備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の浴槽用手摺り。
  11. 前記引き圧板の圧力作用点は、前記引き圧板の圧力作用点と前記水平部底面との間の距離が前記当接板の圧力作用点と前記水平部底面との間の距離よりも長くなるように、前記当接板の圧力作用点の位置に対してオフセットされていることを特徴とする請求項10に記載の浴槽用手摺り。
  12. 前記垂直部には、手摺り部と、そして端部が床面と当接する脚部とが取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の浴槽用手摺り。
  13. 前記連結部は前記水平部の上側に配置され、且つ前記可動フレームは前記固定フレームに対して首振り可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の浴槽用手摺り。
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