JP6635862B2 - BiFeO3系焼結体からなるスパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
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Description
記載されている。
1)原子比における組成式:Bix(Fe1−yTiy)O3、0.9≦x≦1.1、0<y≦0.3、で表される成分組成を有する焼結体からなり、X線回折においてバックグランド強度に対する金属Biに帰属するX線回折ピーク強度比が3.0未満であり、かつ、バルク抵抗率が500kΩcm以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
2)X線回折において、Bi25FeO40相に帰属するX線回折ピークが出現し、かつ、Bi25FeO40相に帰属するX線回折ピーク強度比が他の相のX線回折ピーク強度に対して1.0以上であることを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
3)密度が6.5g/cm3以上であることを特徴とする上記1)又は2)記載のスパッタリングターゲット。
4)抗折強度が80MPa以上であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
5)Bi2O3、Fe2O3、TiO2の粉末を、原子比における組成式:Bix(Fe1−yTiy)O3、0.9≦x≦1.1、0<y≦0.3、で表される成分組成となるように秤量、混合し、得られた混合粉末を、真空中又は不活性ガス雰囲気中、温度650℃超800℃未満で加圧焼結することを特徴とすることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
6)加圧焼結は、ホットプレス焼結によって行うことを特徴とする上記5)記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
7)プレス面圧を50〜500kg/cm2とすることを特徴とする上記6)記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
なお、上記のX線回折ピークは、X線回折装置(リガク社製:UltimaIV、Cu−Kα線)を用い、測定条件(管電圧:40kV、管電流:30mA、測定方法:2θ−θ反射法、スキャン速度:8.0°/min、サンプリング間隔:0.02°)の下で得られるXRDスペクトルから分析した。
まず、Bi2O3、Fe2O3、TiO2の原料粉末を秤量、混合した後、この混合粉末を真空中又は不活性ガス雰囲気中にて加圧焼結して、製造する。このとき、焼結温度は、650℃超、800℃未満とすることが好ましい。650℃以下であると、高密度のターゲットが得られず、一方、800℃以上であると、Bi2O3の蒸発による組成ズレや密度の低下が生じるため、好ましくない。さらに好ましくは、670℃以上750℃以下である。また、原料粉末は、緻密な焼結体を作製するために、平均粒子径2μm以下とすることが好ましい。
(成分組成について)
装置:SII社製SPS3500DD
方法:ICP-OES(高周波誘導結合プラズマ発光分析法)
(密度測定について)
寸法測定(ノギス)、重量測定
(バルク抵抗値について)
装置:NPS社製 抵抗率測定器 Σ−5+
方法:直流4探針法
(X線回折分析について)
装置:リガク社製UltimaIV、Cu−Kα線
測定条件
管電圧:40kV
管電流:30mA
測定方法:2θ−θ反射法
スキャン速度:8.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
(抗折力測定について)
装置:今田製作所製引張圧縮試験機 SV−201NA−50SL
測定方法:「JIS R 1601 ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法」に準じて測定を行った。
Bi2O3粉、Fe2O3粉、TiO2粉を準備し、これらの粉末を、表1に記載される成分組成となるように配合比に調合し、これを混合した。次に、この混合粉末をAr雰囲気中、温度700℃、面圧250kgf/cm2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。また、得られたターゲットが所望の組成になっていることを確認した。
得られた焼結体のバルク抵抗率と密度を測定した結果、表1に示す通り、密度は7.25g/cm3に達し、バルク抵抗は12.5kΩ・cm、抗折力は82.5MPaであった。また、焼結体のX線回折を分析した結果、表1に示す通り、金属BiのX線回折ピーク/バックグラウンド強度比は2.0であり、Bi25FeO40のX線回折ピーク/Bi25FeO40以外の相の最強ピーク強度比は1.9であった。このターゲットを使用してスパッタリングを実施したところ、パーティクル数は少なかった。
Bi2O3粉、Fe2O3粉、TiO2粉を準備し、これらの粉末を、表1に記載される成分組成となるように配合比に調合し、これを混合した。次に、この混合粉末をAr雰囲気中、温度700℃、面圧250kgf/cm2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。また、得られたターゲットが所望の組成になっていることを確認した。
得られた焼結体のバルク抵抗率と密度を測定した結果、表1に示す通り、いずれも、密度は6.5g/cm3を超え、バルク抵抗は500kΩ・cm未満であった。また、焼結体のX線回折を分析した結果、表1に示す通り、金属BiのX線回折ピーク強度比は3.0未満であり、Bi25FeO40のX線回折ピーク強度比は1.0以上であった。このターゲットを使用してスパッタリングを実施したところ、いずれもパーティクル数は少なかった。
比較例1〜2は、焼結温度を650℃以下とした例である。
Bi2O3粉、Fe2O3粉、TiO2粉を準備し、これらの粉末を、表1に記載される成分組成となるように配合比に調合し、これを混合した。次に、この混合粉末をAr雰囲気中、温度650℃未満、面圧250kgf/cm2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。また、得られたターゲットが所望の組成になっていることを確認した。
得られた焼結体のバルク抵抗率と密度を測定した結果、表1に示す通り、いずれも密度は6.5g/cm3未満、バルク抵抗は500kΩ・cm超であった。このターゲットを使用してスパッタリングを実施したところ、いずれも実施例に比べてパーティクル数が増加していた。以上の通り、焼結温度が低すぎると密度が上がらないという問題がある。
比較例3は、焼結温度を800℃以上とした例である。
Bi2O3粉、Fe2O3粉、TiO2粉を準備し、これらの粉末を、表1に記載される成分組成となるように配合比に調合し、これを混合した。次に、この混合粉末をAr雰囲気中、温度750℃超、面圧250kgf/cm2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を、機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。なお、得られたターゲットが所望の組成になっていることを確認した。
得られた焼結体のバルク抵抗率と密度を測定した結果、表1に示す通り、いずれも密度は6.5g/cm3未満、バルク抵抗は500kΩ・cm超であった。また、焼結体のX線回折を分析した結果、表1に示す通り、金属BiのX線回折ピーク強度比は3.0超で、金属Biの析出が観察された。このターゲットを使用してスパッタリングを実施したところ、いずれも実施例に比べてパーティクル数が増加していた。以上の通り、焼結温度が高すぎると金属Biが析出するという問題がある。
比較例4は、常圧焼結(焼結温度800℃)した例である。
Bi2O3粉、Fe2O3粉、TiO2粉を準備し、これらの粉末を、表1に記載される成分組成となるように配合比に調合し、これを混合した。次に、この混合粉末を大気若しくは酸素雰囲気中、温度800℃の条件で、常圧焼結した。その後、この焼結体を、機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。なお、得られたターゲットが所望の組成になっていることを確認した。
得られた焼結体の密度を測定した結果、密度が4.64g/cm3と極めて低くなった。比較例4は、密度が低いため、X線回折分析、抗折力試験が困難であり、またスパッタリングの実施も困難であった。
比較例4〜5は、常圧焼結(焼結温度850℃)した例である。
Bi2O3粉、Fe2O3粉、TiO2粉を準備し、これらの粉末を、表1に記載される成分組成となるように配合比に調合し、これを混合した。次に、この混合粉末を大気若しくは酸素雰囲気中、温度850℃の条件で、常圧焼結した。その後、この焼結体を、機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。なお、得られたターゲットが所望の組成になっていることを確認した。
得られた焼結体の密度を測定した結果、表1に示す通り、密度が7.17g/cm3であった。比較例5は、比較例4に比べて密度が上っていたものの、クラックが多数発生しており、スパッタリングの実施が困難であった。以上の通り、常圧焼結では、焼結温度が低いと密度が上がらず、焼結温度が高いと密度が上るが、クラックが発生した。
なお、図3に示すように、混合粉についてTMA(熱機械分析)にて室温から800℃までの体積変化を測定したところ、体積膨張が確認された。この体積膨張によりクラックが生じたと考えられる。
比較例6〜9は、仮焼を行った例である。
Bi2O3粉、Fe2O3粉、TiO2粉を準備し、これらの粉末を、表1に記載される成分組成となるように配合比に調合し、これを混合した。次に、この混合粉末を大気中、温度750℃(比較例7、8)、800℃(比較例6、9)で仮焼した後、粉砕した。その後、この粉砕粉をAr雰囲気中、温度650℃(比較例6)、720℃(比較例7)、800℃(比較例8、9)、面圧250kgf/cm2の条件でホットプレス焼結した。その後、この焼結体を、機械加工してスパッタリングターゲット形状に仕上げた。また、得られたターゲットが所望の組成になっていることを確認した。
得られた焼結体のX線回折を分析した結果、表1に示す通り、金属BiとバックグラウンドのX線回折ピーク強度比は3.0超で、金属Biの析出が観察された。また、Bi25FeO40と第2相最大ピークのX線回折ピーク強度比は1.0以下であった。このターゲットを使用してスパッタリングを実施したところ、いずれも実施例に比べてパーティクル数が増加していた。以上の通り、焼結温度が低いと密度が上らないだけでなく、金属Biが析出し、焼結温度が高いと密度が上るものの金属Biの析出が増加する。また、仮焼温度を上げても、上記の問題を解消することができない。
Claims (7)
- 原子比における組成式:Bix(Fe1−yTiy)O3、0.9≦x≦1.1、0<y≦0.3、で表される成分組成を有する焼結体からなり、X線回折において、バックグランド強度に対する金属Biの(012)面に帰属するX線回折ピーク強度比が3.0未満であり、かつ、バルク抵抗率が500kΩcm以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
- X線回折において、Bi25FeO40相に帰属するX線回折ピークが出現し、かつ、Bi25FeO40相の(310)面に帰属するX線回折ピーク強度比が他の相のX線回折ピーク強度に対して1.0以上であることを特徴とする請求項1記載のスパッタリングターゲット。
- 密度が6.5g/cm3以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のスパッタリングターゲット。
- 抗折強度が80MPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
- Bi2O3、Fe2O3、TiO2の粉末を、原子比における組成式:Bix(Fe1−yTiy)O3、0.9≦x≦1.1、0<y≦0.3、で表される成分組成となるように秤量、混合し、得られた混合粉末を、真空中又は不活性ガス雰囲気中、温度650℃超800℃未満で加圧焼結することを特徴とすることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
- 加圧焼結は、ホットプレス焼結によって行うことを特徴とする請求項5記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
- プレス面圧を50〜500kg/cm2とすることを特徴とする請求項6記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
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