JP6638177B2 - 内部温度測定装置、内部温度測定方法及び内部温度測定プログラム - Google Patents
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Description
この地上コイルでは、車両に搭載した超電導磁石との相互作用により電磁力の影響を受けるとともに、さらに高電圧も加わる。このため、地上コイルのコイル導体を覆うモールド樹脂には、高い機械強度と絶縁耐力が要求されることになる。
地上コイルの温度検出手段としては、例えば、特許文献1に示される光ファイバ温度センサ等の適用が考えられる。
しかしながら、上述した磁気浮上式鉄道用の地上コイルにあっては、モールド樹脂内部の温度を測定すべく、サーミスタや熱電対をモールド樹脂内に埋め込むことが必要であるにもかかわらず、当該モールド樹脂の絶縁性能を損なうことなくセンサを埋め込むことが困難である。特許文献1に記載の光ファイバ温度センサを製造時に埋み込めば、センサ自体が絶縁体であるため、絶縁性能を維持することが期待されるが、導体近傍にモールド樹脂の剥離や空隙等があると絶縁耐力が低下するため、高い樹脂モールド技術が必要となり、さらに、現場における光ファイバの配線作業や測定にもコストと労力が必要となる。そこで、容易に樹脂内部温度が検出できる新たな手法の開発が必要となっていた。
モールド樹脂内部の温度を測定する手法として、地上コイルの使用条件を考慮して樹脂表面と樹脂内部との温度差を仮定し、その仮定値に基づき樹脂表面温度の測定値から樹脂内部温度を推定することも考えられるが、地上コイルの通電電流の大きさは、走行条件によって様々であり、外気温や列車風等の影響も受けることから、温度差を仮定することは困難であり、内部温度の値を求めることが困難となっていた。
すなわち、本発明によれば、熱源を内部に有しかつ該熱源の表面が被覆層により覆われた測定対象物の内部温度を測定する内部温度測定装置であって、前記測定対象物の表面温度を測定する温度センサと、前記測定対象物の表面の熱流束を測定する熱流センサと、これらの温度センサ及び熱流センサの測定値と、前記測定対象物を被覆する被覆層の厚さと、該被覆層の熱伝導率とから前記測定対象物の内部温度を演算する演算部と、を有することを特徴とする。
すなわち、本発明では、測定対象物の表面に温度センサ及び熱流センサを設けるだけで、該測定対象物の内部温度を測定できるものであり、これにより、モールド樹脂内に温度検出手段を埋め込まず、該樹脂の絶縁耐力の低下を招くことなく内部温度を測定できるとの効果が得られる。
すなわち、本発明では、測定対象物の表面に温度センサ及び熱流センサを設けるだけで、該測定対象物の内部温度を測定できるものであり、これにより、モールド樹脂内に温度検出手段を埋め込まず、該樹脂の絶縁耐力の低下を招くことなく内部温度を測定できるとの効果が得られる。
すなわち、本発明では、測定対象物の表面に温度センサ及び熱流センサを設けるだけで、該測定対象物の内部温度を測定できるものであり、これにより、モールド樹脂内に温度検出手段を埋め込まず、該樹脂の絶縁耐力の低下を招くことなく内部温度を測定できるとの効果が得られる。
本発明の第1実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る内部温度測定装置100の配置図であって、符号1で示す測定対象物内に設置されている。
本例では、この測定対象物1として、図1(A)の如き、熱源となるコイル導体2を内部に有し、かつ該コイル導体2の表面がモールド樹脂3により覆われた磁気浮上式鉄道用の地上コイルC(以下、地上コイルという)が示されており、併設された内部温度測定装置100によりその内部温度が測定される。
また、この熱流センサ11は、図2及び以下の演算式(数式1)に示されるように、検出素子となる平面状微小熱抵抗体を熱流が貫通するときに(貫通方向を矢印xで示し、同方向に沿う平面状微小熱抵抗体の厚さをδXで示す)、該熱流の大きさに比例した熱抵抗体の表面と裏面に生じる温度(t1、t2)の差分(δT)を検出することで、その熱流密度となる熱流束q(W/m2)を検出するものである。
そして、この演算式(数式1)を、熱源となるコイル導体2を内部に有しかつ該コイル導体2が厚さ「d」で熱伝導率が「λ」のモールド樹脂3により覆われた測定対象物1に適用して、地上コイルCの内部温度を演算により推定することが、先の演算部20にて行われる。
演算部20に記憶された具体的な演算式(数式1)について図1及び図2を参照して説明すると、該演算部20では、熱流センサ11で検出される熱流束q(W/m2)について、固体厚に相当するモールド樹脂厚(x方向のモールド樹脂厚:d)と、該樹脂厚を熱が通過する際に変化する温度差ΔT(T2−T1)と、固体であるモールド樹脂の熱伝導率(λ)とに基づき、以下の関係を設定している。
なお、上記数式1おいて、モールド樹脂厚dは、熱源となるコイル導体2と外面の熱流センサ11との間に位置するモールド樹脂3の厚さを示すものであり、T1はモールド樹脂厚dの計測位置における外側部の地上コイル表面温度、T2はモールド樹脂厚dの計測位置における内側部の樹脂内部温度を示している。
そして、符号T1で示される地上コイルCの表面温度を、熱流センサ11近傍の温度センサ10にて検出すれば、以下の数式2に基づき、符号T2で示されるコイル導体2近傍の地上コイルCの内部温度(℃)を演算により求めることができる。
内部温度 T2=qd/λ+T1(°C) ……数式2
図3(A)及び(B)に示されるように、測定対象物1となる地上コイルCの表面に、温度センサ10及び熱流センサ11を複数組(P1〜P6)並べて配置した。
このとき、これら温度センサ10及び熱流センサ11は、コイル導体2に沿うように配置しかつコイル導体2の外側に位置するモールド樹脂3上に配置した上で、これら各位置(P1〜P6)における温度センサ10及び熱流センサ11の検出値に基づき、監視点PAとなる内部温度を求めた。
この監視点PAは、熱流センサ11の直近となるモールド樹脂3のコイル導体2に接する位置を指すものであり、熱流センサ11の測定値と該熱流センサ11の設置箇所と同一温度とみなせる近傍の温度センサ10の測定値と、上述した数式2とに基づき、監視点PAとなる地上コイルCの内部温度が演算される。
そして、この状態で、浮上系回路(8の字回路)に直流電流を通電し、表面温度と熱流束が飽和したことを確認した後、一定時間間隔で表面温度と熱流束を測定して、ノイズを除き、平均化することで、地上コイルCの内部温度(T2)を確定した。
なお、図4の試験結果では、地上コイルCの表面温度が(イ)で示され、該地上コイルCの樹脂内部温度が(ロ)で示され、該地上コイルCの実際の導体温度が(ハ)で示されている。
さらに、樹脂内部温度(ロ)の演算値の妥当性を確認するために、抵抗法で測定した上コイル導体温度(ハ)の平均値も併せて示した。そして、これら(ロ)及び(ハ)で示される温度値を参照して分かるように、これら温度値は同程度になることから、数式2を用いて地上コイルCの表面温度が予想通り演算できたと考察される。
すなわち、上記内部温度測定装置100では、地上コイルCの表面に温度センサ10及び熱流センサ11を設けるだけで、該地上コイルCの内部温度を測定できるものであり、これにより、モールド樹脂内に温度検出手段を埋め込まず、該樹脂の絶縁耐力の低下を招くことなく内部温度を測定できるとの効果が得られる。
次に、図5〜図6(A)(B)を参照して、第2実施形態に係る内部温度測定方法及び内部温度測定プログラムについて説明する。
これら内部温度測定方法及び内部温度測定プログラムは、図1に示されるような、地上コイルCの被覆層となるモールド樹脂3の熱流束を測定する熱流センサ11及び熱流センサ11の位置と同一温度とみなせる該モールド樹脂3の表面温度を測定する温度センサ10での測定値に基づき実行されるものであり、図5に示される工程及び段階(以下、ステップと表現する)毎に行われる。
なお、以下のステップは、磁気浮上式鉄道での利用を想定しており、該磁気浮上式鉄道にて車両が通過する毎に実行される。
また、以下のステップに関するプログラムは演算部20内に設定するものであるが、これに限定されず、地上コイルCを保守管理する管理者又は保守用車の受信端末内に設定し、当該受信端末にて実行しても良い。
列車が通過したか否かを判断し、YESの場合にステップ2に進む。
車両が通過した後、一定時間経過したか否かを判断し、YESの場合に次のステップ3に進む。なお、ここで設定される一定時間は、強磁場や列車風50(図1参照)による測定ノイズを防ぐと共に、通電後に一定時間経過して、導体の熱が樹脂表面に十分に伝わるまでの時間であり、例えば、図6(A)に示されるように、温度変化が0に収束するまでの飽和時間(ta)を予め計測することで事前に設定しておく。
ステップ2で計測した時間経過後、所定時間毎に、地上コイルCの表面に位置する温度センサ10及び熱流センサ11からそれぞれ測定値を取り込む。
ステップ3で複数回取り込んだ温度センサ10及び熱流センサ11の測定値からノイズを除去するとともに、これら各測定値の平均値を求める。
ステップ4で得た温度センサ10及び熱流センサ11の測定値と、上述した数式2とに基づき、監視点PAとなる地上コイルCの内部温度(T2)を演算し、その演算結果を記録する。
ステップ5の記録データに基づき、図6(B)で示すような地上コイルCにおける内部温度(T2)の経時的変化を観察し、設定時間内に、該内部温度(T2)がピークとなる最高値(Tmax)を出力する。
ステップ6で得た地上コイルCにおける内部温度(T2)の最高値(Tmax)が予め設定した温度基準値を越えたか否かを判断し、YESの場合にステップ8に進み、NOの場合に先のステップ1に戻る。
ステップ7での判定結果に基づき、表示部21にアラーム表示をするとともに、無線装置22を通じて外部の端末にアラーム信号を送信する。そして、作業者はこのようなアラーム表示及びアラーム信号に基づき当該地上コイルCの点検を行うようにする。
なお、以上のステップ1〜7はステップ7で異常判定が行われない場合に操作者から停止指示がない限り実行され続ける。
すなわち、第2実施形態に示す内部温度測定方法及び内部温度測定プログラムでは、地上コイルCの表面に温度センサ10及び熱流センサ11を設けるだけで、該地上コイルCの内部温度(T2)を演算できるものであり、これにより、モールド樹脂3内に温度検出手段を埋め込まず、該樹脂の絶縁耐力の低下を招くことなく内部温度を測定できるとの効果が得られる。
本発明の第3実施形態について図7〜図8を参照して説明する。
第3実施形態が、先の第1及び第2実施形態と構成を異にするのは、数式2によって得られた地上コイルCの内部温度(T2)を示す演算データZ1に、該地上コイルCの識別情報Z2を付した点にある。
すなわち、第3実施形態では、図7に示すように、演算部20で演算された地上コイルCの内部温度演算データZ1(具体的には図5のステップ6で得た地上コイルCにおける内部温度の最高値(Tmax))に、該地上コイルCに固有な識別情報Z2を付加して、無線手段22から共に外部に出力する。
これら地上コイルCの内部温度演算データZ1及び識別情報Z2は、図7に示すように地上コイルCを保守管理する管理者又は保守用車の受信端末30・31に送信される。
例えば、受信端末30・31としては現場管理者が携帯するスマートフォン30、又は図8に示されるような軌道メンテナンスのための保守用車32に搭載された携帯端末であっても良い。
2 コイル導体
3 モールド樹脂
10 温度センサ
11 熱流センサ
20 演算部
22 無線装置
30 受信端末
31 受信端末
100 内部温度測定装置
C 地上コイル
Z1 内部温度演算データ
Z2 識別情報
Claims (9)
- 熱源を内部に有しかつ該熱源の表面が被覆層により覆われた測定対象物の内部温度を測定する内部温度測定装置であって、
前記測定対象物の表面温度を測定する温度センサと、
前記測定対象物の表面の熱流束を測定する熱流センサと、
これらの温度センサ及び熱流センサの測定値と、前記測定対象物を被覆する被覆層の厚さと、該被覆層の熱伝導率とから前記測定対象物の内部温度を演算する演算部と、を有し、
前記測定対象物は、前記熱源となるコイル導体を内部に有し該コイル導体の表面がモールド樹脂により覆われた磁気浮上式鉄道用の地上コイルで、熱流センサは長方形で、モールド樹脂の表面に配置され、その長手方向は、コイル導体の巻回方向に沿うように配置され、短手方向の中心は導体幅の中心、又は中心付近に設置され、温度センサは該熱流センサ近傍のモールド樹脂表面に配置され、該熱流センサ設置位置と同一温度とみなせる位置に配置されることを特徴とする内部温度測定装置。 - 前記演算部では、予め設定された計算式「T2=qd/λ+T1」(T1:測定対象物の表面温度、T2:測定対象物の内部温度、q:熱流束、d:樹脂厚、λ:熱伝導率)に基づき、前記測定対象物の内部温度を求めることを特徴とする請求項1に記載の内部温度測定装置。
- 前記演算部には、前記測定対象物での内部温度演算データを送信する無線装置がさらに具備されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の内部温度測定装置。
- 前記測定対象物を保守管理する管理者又は保守用車の受信端末では、前記無線装置から発信された内部温度演算データが受信されることを特徴とする請求項3に記載の内部温度測定装置。
- 前記演算部は、設定時間内において最高値となる内部温度演算データを出力することを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載の内部温度測定装置。
- 前記演算部又は受信端末の少なくとも一方には、前記内部温度演算データが予め定めた閾値を越えた場合に、保守点検を指示する報知手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の内部温度測定装置。
- 前記内部温度演算データには前記測定対象物を識別するための識別情報が付されることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の内部温度測定装置。
- 熱源を内部に有しかつ該熱源の表面が被覆層により覆われた測定対象物の内部温度を測定する内部温度測定方法であって、
前記測定対象物の表面温度を測定する温度測定工程と、
前記測定対象物の表面の熱流束を測定する熱流束測定工程と、
前記測定工程で得た温度及び熱流束の測定値と、前記測定対象物を被覆する被覆層の厚さと、該被覆層の熱伝導率とから前記測定対象物の内部温度を演算する演算工程と、を有し、
前記測定対象物は、前記熱源となるコイル導体を内部に有し該コイル導体の表面がモールド樹脂により覆われた磁気浮上式鉄道用の地上コイルで、熱流センサは長方形で、モールド樹脂の表面に配置され、その長手方向は、コイル導体の巻回方向に沿うように配置され、短手方向の中心は導体幅の中心、又は中心付近に設置され、温度センサは該熱流センサ近傍のモールド樹脂表面に配置され、該熱流センサ設置位置と同一温度とみなせる位置に配置されることを特徴とする内部温度測定方法。 - 演算部に、熱源を内部に有しかつ該熱源の表面が被覆層により覆われた測定対象物の内部温度を測定させるための内部温度測定プログラムであって、
演算部に、前記測定対象物の表面温度の測定値と、
前記測定対象物の表面の熱流束の測定値とを取り込む段階と、
取り込んだ温度及び熱流束の測定値と、前記測定対象物を被覆する被覆層の厚さと、該被覆層の熱伝導率とから前記測定対象物の内部温度を演算する演算段階と、を実行させる内部温度測定プログラムであり、
前記測定対象物は、前記熱源となるコイル導体を内部に有し該コイル導体の表面がモールド樹脂により覆われた磁気浮上式鉄道用の地上コイルで、熱流センサは長方形で、モールド樹脂の表面に配置され、その長手方向は、コイル導体の巻回方向に沿うように配置され、短手方向の中心は導体幅の中心、又は中心付近に設置され、温度センサは該熱流センサ近傍のモールド樹脂表面に配置され、該熱流センサ設置位置と同一温度とみなせる位置に配置されることを特徴とする内部温度測定プログラム。
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| JP2016046906A JP6638177B2 (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | 内部温度測定装置、内部温度測定方法及び内部温度測定プログラム |
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| JP2017161394A JP2017161394A (ja) | 2017-09-14 |
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| JP2016046906A Active JP6638177B2 (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | 内部温度測定装置、内部温度測定方法及び内部温度測定プログラム |
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| JP5887232B2 (ja) * | 2012-09-07 | 2016-03-16 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 温度情報管理システム |
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