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JP6653141B2 - Ruを含むCu合金の均質化方法 - Google Patents
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JP6653141B2 - Ruを含むCu合金の均質化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Ruを含むCu合金の均質化方法に関する。また本発明は、Ruを含むCu合金における金属含有量の測定方法およびRuを含むCu合金における金属の回収方法に関する。
白金族元素等の貴金属は、電子材料、磁気記録材料、自動車排ガス浄化用触媒、燃料電池電極触媒など幅広い分野で使用されており、今後の需要がさらに増加すると見込まれている極めて有用な資源である。しかしながら、貴金属は資源的に希少で高価な金属であり、また、主要産出国が特定の国に偏っていることから、貴金属を安定的に供給するためには、回収精製によるリサイクルが必須である。
このような貴金属の回収法としては、例えば、強酸を用いて金属成分を溶解して回収する溶解法等の湿式法や、溶融金属中に金属成分を吸収して回収する乾式法が代表的な方法である(非特許文献1参照)。
しかし、貴金属は上記のように各種分野で使用されている。したがって、使用済の合金等の廃棄材料から貴金属の回収を行う場合、湿式法及び乾式法のいずれの方法を用いて貴金属の回収を行うにしても、それぞれの廃棄材料の性質に合わせた、好適な方法やシステムを構築する必要がある。このため、廃棄材料に含まれる金属の組成を的確に把握する必要がある。
しかしながら、例えば廃棄材料がRuを含むCu合金である場合、Ruは溶Cuに溶解しにくいという特性があり(非特許文献2参照)、かつRuが他の貴金属と相互作用しやすいという理由から、Ruやその他の貴金属がCu中で偏析を起こし、Cu合金中における貴金属含有量の正確な測定ができないという問題点があった。また、Cu中で偏析した貴金属などの金属の回収において、例えば湿式法における酸溶解が困難であるなどの問題があった。
上記問題を解決する方法として、Ruを含むCu合金にSiを添加することによりCu合金に対してRuの溶解度を向上させ、偏析しているRuをCu合金中に均質化する方法がある(非特許文献3)。
藤原紀久夫、「貴金属のリサイクル」、化学工学、55巻1号21頁、1991年、化学工学会 田川遼、関本英弘、昆利子、山口勉功、「1300℃および1500℃におけるCu−Ir−Ru三元系状態図」、第164回日本鉄鋼協会秋季講演大会 柏葉僚、田川遼、関本英弘、山口勉功、「Cu−Ir−Ru−Si系状態図に基づいた溶銅中におけるイリジウムとルテニウムの偏析の抑制」資源素材学会2014秋季大会
しかしながら、上記方法では、Siは酸素ポテンシャル(酸素の部分モルギブス自由エネルギー)が低いため、酸素雰囲気下ではSiOを形成し、合金から分離してしまう。また、酸素分圧を低く保ちながらSiを添加するには、実操業では溶解炉を不活性ガスで置換し、その状態を保つ必要があり、実現性、コスト的にも困難である。
したがって、偏析しているRuをCu合金中に均質化する方法として、酸素分圧を低く保つ必要がない、Si以外の物質を添加する方法が求められていた。
本発明の目的は、Ruを含むCu合金に対し、Ruの溶解度を向上させ、該Cu合金中の貴金属含有量の正確な測定を行うことのできる、Ruを含むCu合金の均質化方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、Ruを含むCu合金に対し、Ruの溶解度を向上させ、該Cu合金中の貴金属含有量の正確な測定を行うことのできる、Ruを含むCu合金における金属含有量の測定方法を提供することにある。
また、本発明のさらに別の目的は、Ruを含むCu合金に対し、Ruの溶解度を向上させ、該Cu合金中の貴金属を良好な回収率でもって回収できる、Ruを含むCu合金における金属の回収方法を提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、少なくともRuを含むCu合金に、P(リン)を含有する化合物を添加することにより、酸素雰囲気下であっても、Cu合金に対してRuの溶解度を向上させ、偏析しているRuをCu合金中に均質化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.少なくともRuを含むCu合金にPを含有する化合物を添加し、前記Cu合金中に偏析しているRuを均質化する工程を有するRuを含むCu合金の均質化方法。
2.少なくともRuを含むCu合金にさらに、Fe、Ni、FeSiおよびSiからなる群から選択された少なくとも1種の物質を添加する工程を有する、前記1に記載の均質化方法。
3.前記Cu合金が、貴金属をさらに含む前記1または2に記載の均質化方法。
4.少なくともRuを含むCu合金にPを含有する化合物を添加し、前記Cu合金中に偏析しているRuを均質化する工程と、前記均質化されたCu合金中の所望の金属の含有量を測定する工程とを有するRuを含むCu合金における金属含有量の測定方法。
5.少なくともRuを含むCu合金にさらに、Fe、Ni、FeSiおよびSiからなる群から選択された少なくとも1種の物質を添加する工程を有する、前記4に記載の測定方法。
6.前記Cu合金が、貴金属をさらに含む前記4または5に記載の測定方法。
7.少なくともRuを含むCu合金にPを含有する化合物を添加し、前記Cu合金中に偏析しているRuを均質化する工程と、前記均質化されたCu合金から所望の金属を回収する工程とを有するRuを含むCu合金における金属の回収方法。
8.少なくともRuを含むCu合金にさらに、Fe、Ni、FeSiおよびSiからなる群から選択された少なくとも1種の物質を添加する工程を有する、前記7に記載の回収方法。
9.前記Cu合金が、貴金属をさらに含む前記7または8に記載の回収方法。
本発明の均質化方法によれば、少なくともRuを含むCu合金に、Pを含有する化合物を添加しているので、該Cu合金に対するRuの溶解度が向上し、該Cu合金中に偏析しているRuが均質化され、該Cu合金に他の貴金属が含まれる場合であっても、その均質化も可能となる。
また、本発明の測定方法によれば、少なくともRuを含むCu合金に、Pを含有する化合物を添加しているので、該Cu合金に対するRuの溶解度が向上し、該Cu合金中に偏析しているRuが均質化され、該Cu合金に他の貴金属が含まれる場合であっても、その均質化も可能となり、該Cu合金中の貴金属含有量の正確な測定を行うことができる。結果として、例えば貴金属を含む廃棄材料の性質に合わせた、好適な貴金属の回収方法やシステムを構築することが可能となる。
また、本発明の回収方法によれば、少なくともRuを含むCu合金に、Pを含有する化合物を添加しているので、該Cu合金に対するRuの溶解度が向上し、該Cu合金中に偏析しているRuが均質化され、該Cu合金に他の貴金属が含まれる場合であっても、その均質化も可能となる。例えば湿式法により貴金属を回収する場合、該Cu合金の良好な液化が達成され、該Cu合金中の貴金属を良好な回収率でもって回収することができる。
また、Pは酸素ポテンシャル(酸素の部分モルギブス自由エネルギー)が高いことにより酸素雰囲気下でも酸化物を形成せず、合金から分離することがないため、実操業で酸素分圧を低く保つ必要がなく、非常に有用である。
図1は、実施例で使用した実験装置の概略を説明するための図である。 図2は、試料の分析箇所を説明するための図である。 図3(a)及び(b)は、CuPを添加した場合(実施例1)の図2で示す試料位置におけるEPMAの組成像(以下、COMP像という。)を示す図である。 図4(a)及び(b)は、Fe−Pを添加した場合(実施例4)の図2で示す試料位置におけるEPMAのCOMP像を示す図である。 図5(a)及び(b)は、Snを添加した場合(比較例3)の図2で示す試料位置におけるEPMAのCOMP像を示す図である。 図6(a)及び(b)は、Alを添加した場合(比較例4)の図2で示す試料位置におけるEPMAのCOMP像を示す図である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
まず、本発明のRuを含むCu合金の均質化方法について説明する。本発明で使用されるCu合金は、少なくともRuを含む合金である。上記の非特許文献2(田川遼、関本英弘、昆利子、山口勉功、「1300℃および1500℃におけるCu−Ir−Ru三元系状態図」、第164回日本鉄鋼協会秋季講演大会)に開示されているように、RuはCuに溶解しにくいという特性があり、例えばCu中にRuが0.1質量%以上存在すると、Cu中にRuが偏析する現象が見られる。
なお、本発明で言う偏析とは、Cu合金の任意箇所で、Ru濃度が2.0質量%以上変動していることを意味する。
本発明で使用されるCu合金におけるRuの含有率は、該Cu合金全体に対し、例えば0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%であり、さらに好ましくは1〜5質量%である。
また、本発明で使用されるCu合金に含まれる他の元素としては、例えば回収が望まれる貴金属(Pt、Au、Ag、Pd、Rh、Ir)が挙げられる。中でもPt、Pd、RhおよびIrから選択された白金族元素(PGM)は、本発明の適用によりCu合金中に均質化しやすいという点で有利であり、中でもRuによりCu合金中で偏析が生じやすいIrを含む系において、均質化に有効に機能するため好ましく用いられる。
本発明で使用されるCu合金におけるCuの含有率は、該Cu合金に対し、例えば20質量%以上、好ましくは30〜60質量%である。前記Cuの含有率が20質量%未満の場合は、後述の添加物質の効果が減じてしまうため多量に添加物質を用いる必要があり、経済的な損失ばかりかその後の回収工程が煩雑になってしまい、湿式法による回収などでは酸で溶解する際の溶解時間が長くなるという問題が生じることがある。前記Cuの含有率が20質量%以上であれば、前記問題が生じることなく適切に均質化と回収が実施できる。
本発明で使用されるCu合金における貴金属の含有率は、該Cu合金に対し、例えば80質量%以下、好ましくは40〜70質量%である。前記貴金属の含有率が80質量%を超える場合は、後述の添加物質の効果が減じてしまうため多量に添加物質を用いる必要があり、経済的な損失ばかりかその後の回収工程が煩雑になってしまい、湿式法による回収などでは酸で溶解する際の溶解時間が長くなるという問題が生じることがある。前記貴金属の含有率が80質量%以下であれば、前記問題が生じることなく適切に均質化と回収が実施できる。
以下、添加物質の具体的な含有率について例示する。
本発明の均質化方法においては、少なくともRuを含むCu合金に、Pを含有する化合物が添加され、これにより、該Cu合金に対してRuの溶解度が向上し、偏析しているRuを該Cu合金中に均質化させることが可能となる。また、少なくともRuを含むCu合金に、Pを含有する化合物に加えてさらに、Fe、Ni、FeSiおよびSiからなる群から選択された少なくとも1種の物質(以下、添加物質)を添加することが好ましい。上記添加物質をさらに加えることによって、均質化の効果をさらに高めることができる。
以下、本発明の効果の観点からPを含有する化合物の好適な添加量を記載する。
Pを含有する化合物の添加量は、該Cu合金に対するPの濃度が、例えば4質量%を超える、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは5〜10質量%、より好ましくは5〜8質量%となるように、Pを含有する化合物の添加量を調整する。Pは、危険物であるため、例えば、CuP合金、Fe−P合金等の化合物の状態で添加する必要がある。
次に、Pを含有する化合物に加えて、さらに添加する各種添加物質の好適な添加量を記載する。
Feの添加量は、該Cu合金に対し、例えば10質量%以上、好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは20〜500質量%、より好ましくは20〜50質量%である。
Niの添加量は、該Cu合金に対し、例えば20質量%以上、好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは30〜50質量%である。
FeSiの添加量は、該Cu合金に対し、例えば10質量%以上、好ましくは10〜50質量%であり、さらに好ましくは10〜20質量%である。
Siの添加量は、該Cu合金に対し、例えば5質量%以上、好ましくは5〜15質量%であり、さらに好ましくは7.5〜12.5質量%である。
また、前記添加物質の添加方法は、前記添加物質および該Cu合金の共存下、両者を溶解させることにより、該Cu合金に対し前記添加物質を添加する方法を採用するのが好ましい。
以下、本発明の効果の観点から各種添加物質添加後の好適な均質化温度を記載する。
Pを含有する化合物を添加した場合の均質化温度は、例えば熔融温度以上、好ましくは1200〜1700℃であり、さらに好ましくは1300〜1600℃である。
Pを含有する化合物に加えてさらにFeを添加した場合の均質化温度は、例えば熔融温度以上、好ましくは1200℃以上、より好ましくは1200〜1700℃であり、さらに好ましくは1300〜1600℃である。
Pを含有する化合物に加えてさらにNiを添加した場合の均質化温度は、例えば熔融温度以上、好ましくは1200℃以上、より好ましくは1200〜1700℃であり、さらに好ましくは1300〜1600℃である。
Pを含有する化合物に加えてさらにFeSiを添加した場合の均質化温度は、例えば熔融温度以上、好ましくは1200℃以上、より好ましくは1200〜1700℃であり、さらに好ましくは1300〜1600℃である。
Pを含有する化合物に加えてさらにSiを添加した場合の均質化温度は、例えば熔融温度以上、好ましくは1200℃以上、より好ましくは1200〜1700℃であり、さらに好ましくは1300〜1600℃である。
また、添加物質の添加後の、均質化温度での保持時間としては、いずれも例えば30分以上である。また、保持の際の雰囲気は特に限定されないが、例えばアルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性雰囲気、酸素雰囲気等が挙げられる。本発明においては、酸素雰囲気下であっても、酸素ポテンシャルの高いPを含有する化合物を添加することにより酸化物が形成されず、合金から分離することがないため、実操業で酸素分圧を低く保つ必要がない。
前記添加物質の添加後は、該Cu合金を例えば1時間以内に1000℃以下、好ましくは10分以内に500℃以下、に冷却することにより、均質なCu合金が得られる。冷却方法は特に限定されないが、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等の不活性ガスの吹き付け、空冷、もしくは水冷により冷却してもよいし、別に用意した鋳型に移すことで冷却を行ってもよい。
以上の本発明の均質化方法により、該Cu合金に対するRuの溶解度が向上し、Cu合金中に偏析しているRuが均質化され、該Cu合金に他の貴金属が含まれる場合であっても、その均質化も可能となる。
次に、本発明のRuを含むCu合金における金属含有量の測定方法について説明する。
本発明の測定方法は、該Cu合金に対し、前記の本発明の均質化方法を施し、該Cu合金中に偏析しているRuを均質化した後、そのCu合金中の所望の金属の含有量を測定するものである。該所望の金属としては、貴金属、中でも前記PGM等が挙げられ、特にPtが好ましい。
該所望の金属の測定方法は、公知の方法に従えばよく、特に制限されない。公知の方法としては、例えば、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、蛍光X線分析(XRF)等機器による分析、もしくは化学的分析法等が挙げられる。
本発明の測定方法では、Cu合金中に偏析しているRuが均質化され、かつ、該Cu合金の他の貴金属も均質化され、該Cu合金中の貴金属含有量の正確な測定を行うことができる。これにより、例えば貴金属を含む廃棄材料の性質に合わせた、好適な貴金属の回収方法やシステムを構築することが可能となる。
次に、本発明のRuを含むCu合金における金属の回収方法について説明する。本発明の回収方法は、該Cu合金に対し、前記の本発明の均質化方法を施し、該Cu合金中に偏析しているRuを均質化した後、そのCu合金中から所望の金属を回収するものである。
例えば、回収する該所望の金属が貴金属である場合、その回収は従来公知の方法に基づけばよく、特に制限されない。
例えば、王水や塩酸に酸化剤を加えた溶液で該Cu合金を溶解し、貴金属を抽出する方法等の湿式法や、炉内でCuを溶融させ、該Cu合金に含まれる貴金属を移行させる乾式法等を採用することができる。中でも湿式法を採用した場合、例えば酸中において該Cu合金の良好な液化が達成され、その中の貴金属を良好な回収率でもって回収することができ、好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
[実施例1〜6]
Cuを30〜60質量%、Ruを2〜20質量%、貴金属(Pt、Au、Ag、Pd、Rh、Ir)を38〜68質量%含有するCu合金(S1:前記組成範囲内で、それぞれ組成の異なるS1a、S1b及びS1cの3種類の合金を使用。)に対し、以下の実験を行った。図1は、本実施例で使用した実験装置の概略を説明するための図である。実験装置10は、反応管102、反応管102を加熱するヒータ104、反応管102の内部温度を測定する熱電対106、反応管102の内部に設けられたアルミナ製ルツボ108を備えている。
内径12mmの純度99.5%以上のアルミナ製ルツボ108の中に、前記のRuを含むCu合金(S1:S1a、S1bまたはS1c)を2g、添加物質(S2)である純度99%以上のCuPまたはFe−P(Fe−P中、Pを26質量%含有)を所定量挿入し、アルゴンガス雰囲気中(流量300cc/分)、目的温度より50℃高い1350℃で1時間保持した後、目的温度である1300℃に降温し、1時間加熱保持し均質化した。その後、試料を炉内から取り出し、アルゴンガスを吹き付けて10分以内に500℃以下まで急冷した。急冷後の試料を室温付近まで放冷し、アルミナ粉体(粒度:0.3μm)を研磨剤として用いたバフ研磨により鏡面研磨した後、光学顕微鏡とEPMA(日本電子(株)JSM−6510A)により、組織の観察および各相の定量分析を行い「均質さ」を評価した。
EPMAの分析の際は、図2に示すように、試料を鉛直方向で上部1〜3、下部4〜6の2つの領域および6つの箇所に対し、750×750μmの面分析でそれぞれの領域の平均組成を求めた。
CuPまたはFe−Pの添加量、P濃度、およびEPMA分析の結果を下記表1に示す。なお表1で示す「添加量」および「P濃度」とは、Cu合金(S1:S1a、S1bまたはS1c)に対する量である。また「均質さ」は、以下の評価基準で評価したものである。
○:EPMA分析による上部、下部のRu含有量の夫々の平均値の差がCu合金中2.0質量%未満
×:EPMA分析による上部、下部のRu含有量の夫々の平均値の差がCu合金中2.0質量%以上
[比較例1〜4]
実施例1において、Cu合金(S1:S1a、S1bまたはS1c)を、Cuを30〜60質量%、Ruを2〜20質量%、貴金属(Pt、Au、Ag、Pd、Rh、Ir)を38〜68質量%含有するCu合金(S1a、S1bまたはS1cとは組成の異なるS1dを使用)に変更し、添加物質のCuPをSnまたはAlに変更し、目的温度を表1に示す温度としたことを除いては、実施例1を繰り返した。比較例1〜4の結果を表1に示す。
表1の結果から、以下の事項が明らかとなった。
Pを含有する化合物である、CuPまたはFe−Pを所定量添加し、1300℃で1時間保持した場合、Ruの均質化が確認できた(実施例1〜6)。
図3(a)及び(b)は、実施例1における図2で示す試料位置におけるEPMAのCOMP像を示す図である。図4(a)及び(b)は、実施例4における図2で示す試料位置におけるEPMAのCOMP像を示す図である。図3(a)及び(b)、図4(a)及び(b)によると、Pを含有する化合物を所定量添加した試料では、固相の偏析は観察されず、各元素濃度の試料位置による差は見られず、均質な合金となっていることが分かる。
比較添加物質としてSnを10〜50質量%添加し、1500℃で1時間保持した場合(比較例1〜3)、いずれの試料でもCu合金を均質化することができなかった。図5(a)及び(b)は、比較例3における図2で示す試料位置におけるEPMAのCOMP像を示す図である。
また、比較添加物質としてAlを30質量%添加し、1300℃で1時間保持した比較例4の場合、Cu合金を均質化できなかった。図6(a)及び(b)は、比較例4における図2で示す試料位置におけるEPMAのCOMP像を示す図である。図5(a)及び(b)、図6(a)及び(b)において、均質な合金が得られていないことが分かる。
また、比較実験として、添加物質を用いず、1300℃で1時間保持した比較例5の場合、Cu合金を均質化できなかった。
実施例1のCuPの添加により均質化され得られた均一溶融固体を、その体積の10倍量の王水により溶解させ、Cu、Ruおよび貴金属(Pt、Au、Ag、Pd、Rh、Ir)の含有液体とした。均一溶融固体の液化率は91%と高い溶解率であった。液化されたルテニウムおよび貴金属は、溶媒抽出、還元による固液分離、電解や吸着剤による分離等の常法によりルテニウムおよび貴金属の各成分にそれぞれ分離され回収された。
102 反応管
104 反応管を加熱するヒータ
106 熱電対
108 アルミナ製ルツボ
S1 Ruを含むCu合金
S2 添加物質

Claims (9)

  1. 少なくともRuを含むCu合金にPを含有する化合物を添加し、前記Cu合金中に偏析しているRuを均質化する工程を有するRuを含むCu合金の均質化方法。
  2. 少なくともRuを含むCu合金にさらに、Fe、Ni、FeSiおよびSiからなる群から選択された少なくとも1種の物質を添加する工程を有する、請求項1に記載の均質化方法。
  3. 前記Cu合金が、貴金属をさらに含む請求項1または2に記載の均質化方法。
  4. 少なくともRuを含むCu合金にPを含有する化合物を添加し、前記Cu合金中に偏析しているRuを均質化する工程と、前記均質化されたCu合金中の所望の金属の含有量を測定する工程とを有するRuを含むCu合金における金属含有量の測定方法。
  5. 少なくともRuを含むCu合金にさらに、Fe、Ni、FeSiおよびSiからなる群から選択された少なくとも1種の物質を添加する工程を有する、請求項4に記載の測定方法。
  6. 前記Cu合金が、貴金属をさらに含む請求項4または5に記載の測定方法。
  7. 少なくともRuを含むCu合金にPを含有する化合物を添加し、前記Cu合金中に偏析しているRuを均質化する工程と、前記均質化されたCu合金から所望の金属を回収する工程とを有するRuを含むCu合金における金属の回収方法。
  8. 少なくともRuを含むCu合金にさらに、Fe、Ni、FeSiおよびSiからなる群から選択された少なくとも1種の物質を添加する工程を有する、請求項7に記載の回収方法。
  9. 前記Cu合金が、貴金属をさらに含む請求項7または8に記載の回収方法。
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