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JP6653828B2 - 表面処理装置 - Google Patents
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Description

この発明は、処理チャンバ内に置換ガスを供給してガス置換放電によってフィルムの表面を改質する表面処理装置に関する。
放電電極を備えた処理チャンバ内に窒素などの置換ガスを供給してガス置換放電を形成し、上記処理チャンバと対向して移動するフィルム表面を改質する表面処理装置が知られている。
例えば、特許文献1に示すものは、アースされた処理ローラに対向して処理チャンバが設けられ、この処理チャンバ内には放電電極が設けられるとともに、置換ガスを供給している。
そして、上記処理ローラに接触して搬送されるフィルムの表面を、ガス置換放電のエネルギーによって処理するようにしている。
このような表面処理装置で、処理チャンバ内で安定したガス置換放電状態を維持するためには、処理チャンバ内のガスの置換度が重要である。
しかし、移動するフィルムの表面には、処理チャンバの外部エアなどが付着して同伴流として処理チャンバ内に流入する可能性がある。処理チャンバ内に同伴流が流入して内部の置換ガスの濃度が低下してしまうと、ガス置換放電状態が不安定になってしまう可能性がある。
そのため、同伴流の流入に対応して処理チャンバへの置換ガスの供給量を増やしたり、同伴流の流入を防止したりしなければならない。
上記置換ガスの供給量を増やしてその消費量が多くなれば、その分コストがかかってしまうという問題がある。また、供給量を増やした置換ガスが処理チャンバの外部へ漏れ出て問題を起こすこともある。例えば、窒素などが大量に外部に流出すれば、外部で酸欠状態を起こすことになる。
そこで、特許文献1の装置では、同伴流の流入を防止するために、フィルム表面に接触して上記処理ローラの回転力に従動して回転するニップローラを処理チャンバの開口に近接させて設けている。この従来の装置は、処理チャンバの近傍に、フィルムに接触して設けられたニップローラによって、フィルム上の同伴流の層が遮断され、同伴流の処理チャンバへの流入が防止されるというものである。
特開2005−076063号公報 特開2000−309870号公報
上記のような従来の表面処理装置では、フィルムに押し付けられた上記ニップローラと処理ローラとによってフィルムを挟んでいるので、フィルムとニップローラとの接触部でフィルムに同伴する同伴流を確実に遮断することができる。
しかし、処理対象であるフィルムの性質などによっては、その表面に上記ニップローラを押し付けることができない場合がある。フィルムの用途が、わずかな傷でも品質の低下につながるような、例えば光学用などの場合であって、フィルムの材質が傷つきやすいものの場合には、上記ニップローラをフィルム表面に接触させることができない。
つまり、フィルム表面に上記ニップローラを押し付けて同伴流を遮断する上記の表面処理装置は、用いることができないことがあった。
この発明の目的は、フィルム表面にローラを接触させることができる場合はもちろん、接触させることができないような場合でも、処理チャンバ内に同伴流が流入することをより確実に防止でき、処理チャンバ内の置換度を維持できる表面処理装置を提供することである。
この発明は、処理ローラと、この処理ローラに対向し、内部に置換ガスを供給してガス置換放電を形成する処理チャンバとが設けられ、上記処理ローラに接触して移動するフィルム表面を上記ガス置換放電のエネルギーで改質する表面処理装置を前提とする。
上記装置を前提として、第1の発明は、上記処理チャンバより上記フィルムの移動方向上流側であって、上記処理ローラに接触したフィルムに対向する位置に、上記処理チャンバと別体にした同伴流遮断ローラと、この同伴流遮断ローラと上記処理ローラとの対向間隔を調整する間隔調整機構とが設けられている。
上記間隔調整機構は、上記同伴流遮断ローラと上記処理ローラとの対向間隔を調整して、上記同伴流遮断ローラと上記フィルムとを接触させたり、同伴流を刃かい可能な剪断力を作用させる範囲で非接触状態を保ったりして、フィルムに付着した同伴流が上記処理チャンバ内に流入することを防止する構成にしたことを特徴とする。
なお、この装置の処理対象であるフィルムは、上記処理ローラに接触し、その回転によって移動可能なものであれば、材質や厚みは限定されない。
第2の発明は、上記同伴流遮断ローラを回転させる駆動機構と、この駆動機構と上記同伴流遮断ローラとの間を接続したり遮断したりする切換機構とが設けられたことを特徴とする。
第3の発明は、上記間隔調整機構によって上記同伴流遮断ローラが上記フィルムに対して非接触位置に保たれ、上記駆動機構によって上記同伴流遮断ローラの周速度と上記フィルムの移動速度との間に速度差が保たれる構成にしたことを特徴とする。
第4の発明は、上記間隔調整機構によって上記同伴流遮断ローラが上記フィルムに接触する位置に保たれ、上記切換機構によって上記同伴流遮断ローラと上記駆動機構との連結が遮断される構成にしたことを特徴とする。
第5の発明は、上記同伴流遮断ローラと上記処理チャンバとの距離を調整する距離調整機構が設けられたことを特徴とする。
第6の発明は、上記同伴流遮断ローラの表面から上記置換ガスを流出させる置換ガス流出機構が設けられたことを特徴とする。
第1の発明によれば、処理チャンバと別体にした同伴流遮断ローラを、処理チャンバの上流側においてフィルムに対して接触させたり、非接触にして処理ローラとの対向間隔を調整したりして最適位置に設けることができる。
例えば、同伴流遮断ローラをフィルムに接触させた場合には、同伴流遮断ローラが、処理ローラとの間にフィルムを挟んで、フィルムの同伴流をより確実に遮断し、同伴流が処理チャンバへ流入することを防止できる。
また、移動するフィルムを上記ローラで押さえることによって、フィルムのずれなどを抑制してより安定した移動を実現できる。その結果、フィルム表面と処理チャンバとの位置関係が保たれ、均一な表面改質ができる。
さらに、同伴流遮断ローラによってフィルムを処理ローラに密着させることができるので、処理チャンバと対向する部分においても、フィルムと処理ローラとの間に空洞ができることを防止できる。そのため、上記空洞によって放電状態が変化し、部分的に改質不良になるようなことも防止でき、均一な表面改質ができる。
一方で、表面に同伴流遮断ローラを接触させたくないフィルムに対しては、非接触状態を保ちながら、最適間隔を保つことができる。したがって、フィルムにダメージを与えることなく、処理チャンバ内に同伴流が流入することを防止できる。
同伴流の流入が防止できれば、処理チャンバ内の置換度を保つことができ、置換ガスの消費量を抑えて安定したガス置換放電状態を維持できる。さらに、同伴流によって放電が乱されることもない。
第2の発明によれば、同伴流遮断ローラをフィルムに接触させた場合には、上記同伴流遮断ローラと駆動機構との接続を切り、同伴流遮断ローラをフリー回転状態としてフィルムの移動に応じて回転させることができるし、同伴流遮断ローラをフィルムと非接触にしているときには、駆動機構を接続して同伴流遮断ローラの回転を任意に制御することができる。
第3の発明によれば、フィルム表面にローラを接触させたくない場合にも、同伴流遮断ローラの周速とフィルムの移動速度との速度差によって、フィルム上の同伴流の層を破壊して、処理チャンバ内に同伴流が流入することを防止できる。
第4の発明によれば、フィルムが同伴流遮断ローラと処理ローラとで挟まれるため、同伴流遮断ローラの接触部において同伴流をより確実に遮断することができる。また、フィルムが両ローラで挟持されるため、フィルムのバタつきを防止することができる。
さらに、同伴流遮断ローラがフィルムの移動に従動して回転するため、駆動機構を制御する必要がない。
第5の発明によれば、同伴流遮断ローラの位置を、処理チャンバの上流側における最適位置に調整できる。同伴流遮断ローラと処理チャンバとの距離が離れすぎた場合には、上記同伴流遮断ローラで同伴流を遮断したとしても、その下流側で、外気が再度同伴してしまう可能性がある。一方、処理チャンバの近傍には他の部材が設けられていて、同伴流遮断ローラをそれほど近接させられない場合もある。
この発明の距離調整機を用いれば、上記のような様々な条件を考慮して、最適な位置に同伴流遮断ローラを設置することができる。
第6の発明によれば、同伴流遮断ローラとフィルムとの対向部において、同伴流遮断ローラから流出する置換ガスが、外気の同伴流を押し退けて遮断することができる。さらに、上記同伴流を遮断した後にフィルムに置換ガスが付着して置換ガスの層が形成されれば、外気が同伴しにくくなるとともに、この置換ガスが処理チャンバに流入し、処理チャンバ内の置換度を下げることはない。
このように、同伴流遮断ローラとしてのローラから流出した置換ガスを、積極的にフィルムに同伴させることによって外気の同伴を防止し、処理チャンバ内の置換度の低下を防止することができる。
第1実施形態の装置の概念図で、同伴流遮断ローラをフィルムに接触させた状態を示した図である。 第1実施形態の装置の概念図で、同伴流遮断ローラとフィルムとを非接触状態に保ったときの図である。 第2実施形態の同伴流遮断ローラ近傍の概念図である。 第2実施形態の同伴流遮断ローラ近傍の概念図である。
図1,2に示す第1実施形態の装置は、アースされた処理ローラ1に処理対象であるフィルムFが架け回されるとともに、このフィルムFを介して上記処理ローラ1と対向する位置には処理チャンバ2と、同伴流遮断ローラ6とが設けられている。
上記処理ローラ1は図示しない駆動機構によって矢印x方向に回転し、フィルムFを矢印a方向に移動させる機能を備えている。
また、上記処理チャンバ2には、内部にフィルムFの幅をまたぐ長さの棒状の放電電極3が設けられるとともに、置換ガスを供給するガス供給管4,5を備えている。上記ガス供給管4は、放電電極3内に噴出口を開口させて、放電電極3の先端付近に置換ガスを供給するための管で、ガス供給管5は処理チャンバ2内全体に置換ガスを供給するためのものである。そして、図中の破線の矢印は置換ガスを示している。
なお、上記置換ガスとは、処理チャンバ2の外部の雰囲気以外で、ガス置換放電を形成するためにチャンバ内を置換するガスのことである。
そして、上記放電電極3に高電圧を印加して放電させ、上記処理ローラ1に接触して搬送されるフィルムFの表面を、ガス置換放電のエネルギーによって処理するようにしている。
なお、この装置の処理対象であるフィルムFは、上記処理ローラ1に接触し、その回転によって移動可能なものであれば、材質や厚みは限定されない。特にJIS規格で規定されている包装材用の樹脂製フィルムの厚み250〔μm〕より厚いものであってもよいし、樹脂のほか金属や紙なども処理可能である。
上記同伴流遮断ローラ6は、上記処理チャンバ2のフィルム移動方向aの上流側であって、フィルムFが処理ローラ1に接触している位置で、フィルムFの全幅をまたぐ長さを備えている。
また、この同伴流遮断ローラ6には切換機構7を介して駆動機構8が接続されるとともに、この駆動機構8にはこれを制御する制御機構9が接続されている。上記切換機構7は、上記同伴流遮断ローラ6と駆動機構8との間を接続したり遮断したりして駆動機構8の駆動力の伝達を切り換える機構である。上記同伴流遮断ローラ6と駆動機構8との間が、接続状態のときには、上記同伴流遮断ローラ6は駆動機構8によって回転駆動され、遮断状態のときには、上記同伴流遮断ローラ6はフリー回転状態となる。
さらに、この第1実施形態の装置は、上記同伴流遮断ローラ6と処理ローラ1との間隔を調整する図示しない間隔調整機構と、上記同伴流遮断ローラ6とから上記処理チャンバ2までの距離を調整する距離調整機構とを備えている。
上記間隔調整機構は、上記同伴流遮断ローラ6と上記処理ローラ1との対向間隔を調整する機構であり、図1において一点鎖線の矢印A方向に上記ローラを移動可能にするものである。
一方、上記距離調整機構は、上記同伴流遮断ローラ6と上記処理チャンバ2との距離を調整するもので、矢印Bで示した処理ローラ1の外周面に沿った方向の距離を調整するものである。これら間隔調整機構及び距離調整機構は、例えば、同伴流遮断ローラ6を回転可能に支持する支持部材ごと移動可能にしたり、この支持部材と同伴流遮断ローラ6の回転軸とを相対移動可能にしたりした機構である。これにより、上記同伴流遮断ローラ6において処理ローラ1に対向する対向部と処理ローラ1との間隔d(図2参照)及び上記同伴流遮断ローラ6と処理チャンバ2の開口端2aとの距離が調整できる。
なお、上記間隔dは、上記同伴流遮断ローラ6の外周と処理ローラ1の外周との距離の内の最短距離である。
また、図中の波線の矢印bは、フィルムFに同伴する外気の同伴流で、この同伴流bが上記処理チャンバ2に流入すると、内部の置換度が低下してしまう。
この第1実施形態の装置では、上記間隔調整機構によって、上記同伴流遮断ローラ6と処理ローラ1との間隔を調整し、上記同伴流遮断ローラ6をフィルムFに接触させたり、非接触状態にしたりすることができる。
図1に示すように、上記間隔dをほぼゼロにして上記同伴流遮断ローラ6をフィルムFに接触させることができる。この場合には、上記切換機構7によって上記同伴流遮断ローラ6と駆動機構8との接続を遮断し、同伴流遮断ローラ6をフリー回転状態に維持する。
このようにすれば、フィルムFに接触した上記同伴流遮断ローラ6は、処理ローラ1によって移動するフィルムFの移動にしたがって回転方向yに回転する。
図1のように、上記同伴流遮断ローラ6が、処理ローラ1との間にフィルムFを挟んだ状態では、上記同伴流遮断ローラ6とフィルムFとの接点Pにおいて上記同伴流bを遮断し、同伴流bの処理チャンバ2への流入を防止できる。
一方、図2は、上記間隔調整機構によって上記間隔dを広げ、同伴流遮断ローラ6とフィルムFとを非接触に保った状態である。例えば、同伴流遮断ローラ6によってフィルムFの表面を傷つけてしまうことが懸念されるようなときの設定である。
ただし、上記間隔dは、上記同伴流bの層に剪断力を作用させ、同伴流bの層を破壊可能な狭さにする必要がある。そのため、フィルムF上に形成される同伴流bの層の厚みに応じて設定する必要があり、具体的には数〔mm〕程度である。
そして、このときには、上記切換機構7は同伴流遮断ローラ6と駆動機構8とを接続し、制御機構9が駆動機構8を制御して同伴流遮断ローラ6を回転方向xに回転させている。
図2の非接触状態では、フィルムF上の同伴流bは、上記同伴流遮断ローラ6とフィルムFの表面との間の上記間隔dにおいてその層が破壊され、この同伴流遮断ローラ6より下流側の処理チャンバ2内への流入が防止される。
特に、図2に示すように、上記同伴流遮断ローラ6を回転方向xに回転させると、この回転が同伴流bの流れ方向に逆行するため、上記同伴流bの勢いがキャンセルされる効果もあり、さらに遮断効果が上がる。
ただし、上記同伴流遮断ローラ6の回転方向はxに限らず、図1に示す回転方向yであっても構わない。いずれの場合にも、同伴流遮断ローラ6の周速とフィルムFの移動速度とに速度差を付けることによって、フィルムF上の同伴流bの層を破壊しやすくなる。
このように、第1実施形態の装置によれば、フィルムFの表面に同伴流遮断ローラ6を接触させることができないような場合にも、同伴流bを遮断して、処理チャンバ2内への上記同伴流bの流入を防止できる。
したがって、同伴流bによって処理チャンバ2内の置換度が低下することがなく、置換度が保たれる。したがって、置換度を保つために処理チャンバ2へ置換ガスを大量に供給する必要もなく、置換ガスの消費量を抑えることができる。
また、処理チャンバ2への同伴流bの流入が無ければ、同伴流bの気流によって処理チャンバ2内の放電状態が乱されることもない。
また、上記同伴流遮断ローラ6と処理チャンバ2との距離は、上記距離調整機構によって、調整可能である。処理ローラ1の外周に沿った矢印B方向の距離は、上記同伴流遮断ローラ6から処理チャンバ2の開口端2aまでのフィルムFの移動距離に対応するので、もし、上記距離が大き過ぎると、上記同伴流遮断ローラ6で同伴流bを遮断した後に、同伴流遮断ローラ6の下流側において新たな同伴流の層が形成される可能性がある。
そのため、上記距離は小さい方が好ましいと考えられるが、処理チャンバ2の近傍の装置条件によってはそれほど上記距離を小さくできないこともある。そのような場合であっても、上記同伴流遮断ローラ6と処理ローラ1との対向部で、より完璧に同伴流bを遮断するようにすれば、上記同伴流遮断ローラ6の下流側において新たに形成される外気の同伴流の影響を小さくすることができる。すなわち、上記間隔調整機構及び距離調整機構によって、上記同伴流遮断ローラ6を最適距離に設定することが可能である。
なお、この第1実施形態において、上記同伴流遮断ローラ6を、フィルムFが処理ローラ1に接触している範囲内に設けているが、その理由は、移動するフィルムFのずれなどが少なく、最適な上記間隔dを維持することができるからである。
図3,4に示す第2実施形態は、上記同伴流遮断ローラ6に替えて、多孔層11を備えた同伴流遮断ローラ10を用いたものである。その他の構成は、上記第1実施形態と同じである。図3,4では、同伴流遮断ローラ10の近傍のみを示しているが、図示していない他の部分においても、上記第1実施形態と同様の構成要素については、図1,2と同じ符号を用いて説明する。
上記ローラ10は、図1,2に示す第1実施形態の同伴流遮断ローラ6のように、上記間隔保持機構によって処理ローラ1との間隔を調整可能にし、上記フィルムFと接触あるいは非接触の状態を保って用いられるローラである。
この同伴流遮断ローラ10は、中心のガス供給管12の外周に多孔層11を備え、上記ガス供給管12の側壁には複数の流出孔12aが形成されている。そして、ガス供給管12の端部には、図示しない置換ガス供給源が接続されている。
上記置換ガス供給源から供給された置換ガスは、上記流出孔12aから多孔層11を介して上記同伴流遮断ローラ10の外周から外部に向かって流出する。上記置換ガス供給源、ガス供給管12、流出孔12a及び多孔層11によって、この発明の置換ガス流出機構を構成している。
なお、上記多孔質の多孔層11は、例えば、焼結セラミックや、連続気泡を備えた発泡樹脂などで形成することができる。
そして、上記のような同伴流遮断ローラ10を、上記間隔調整機構を制御して図3に示すようにフィルムFに接触させて用いれば、ローラ10の上流側の同伴流bが、多孔層11から流出する破線の矢印cで示す置換ガスによって同伴流bが押し退けられるとともに、フィルムFとの接点Pにおいてより確実に遮断される。その結果、ローラ10の上流側の同伴流bが、接点Pを越えて下流側まで移動することがなくなるとともに、ローラ10の下流側ではフィルムF上に置換ガスの層が付着して外気の同伴流を形成しにくくする。
そして、上記同伴流遮断ローラ10の下流側においてフィルムFに形成された置換ガスの層が処理チャンバ2に流入したとしても、処理チャンバ2内の置換度を下げることにはならないので問題はない。
なお、上記同伴流遮断ローラ10をフィルムFに接触させる際には、上記切換機構7によって、上記駆動機構8と同伴流遮断ローラ10との接続を遮断して、同伴流遮断ローラ10をフリー回転状態にしておく。
また、この第2実施形態においても、上記間隔調整機構によって処理ローラ1と同伴流遮断ローラ10との間隔を調整して、フィルムFに対して同伴流遮断ローラ10を非接触状態に保持することができる。
図4には、同伴流遮断ローラ10をフィルムFに対して非接触にした状態を示しているが、その場合には、上記切換機構7によって上記駆動機構8を接続し、駆動機構8によって同伴流遮断ローラ10を回転方向x又は方向y(図4参照)に回転させるようにする。
同伴流遮断ローラ10を図4に示すx方向に回転させた場合には、置換ガスcの流れが、上記ローラ10の回転によって同伴流遮断ローラ10の上流側における外気の同伴流bと逆行するので、この置換ガスの流れが同伴流bの勢いをキャンセルして上記同伴流bを遮断することができる。
そのうえで、同伴流遮断ローラ10の下流側ではフィルムFに向かって流出した置換ガスcがフィルムFに同伴することで外気の再同伴を防止し、処理チャンバ2内の置換度が下がることを防止できる。
また、同伴流遮断ローラ10をy方向に回転させた場合にも、上記図2に示す第1実施形態と同様に、同伴流遮断ローラ10とフィルムFとの対向間隔内で同伴流bを遮断できる。特に、同伴流遮断ローラ10の周速とフィルムFの移動速度とに速度差を付ければ、同伴流bの層を破壊しやすくなり、より確実に遮断できる。そのうえで、同伴流遮断ローラ10の下流側では、上記と同様にフィルムFに向かって流出した置換ガスcがフィルムFに同伴することで外気の再同伴を防止し、処理チャンバ2内の置換度が下がることを防止できる。
この第2実施形態においても、フィルムF対して同伴流遮断ローラ10を接触状態から非接触状態まで調整することができ、フィルムFの特性に応じた設定が可能である。
なお、この第2実施形態では、上記同伴流遮断ローラ10の側面全体から置換ガスが流出することになるが、その量はフィルムFとの対向部分において同伴流bの流通を遮断できる程度であればよく、処理チャンバ2へ供給される置換ガスと比べれば、無視できるほどの量で足りる。そのため、同伴流遮断ローラ10の外部に置換ガスを流出させても、消費量については特に問題はない。
ただし、置換ガスが有害ガスの場合に、この同伴流遮断ローラ10を用いたときには、その周囲を別の手段で排気する必要がある。
上記第1,2実施形態の表面処理装置では、いずれも、同伴流遮断ローラを処理チャンバ2と別体にするとともに、間隔調整機構及び距離調整機構を備えることによって、上記ローラを接触させことができないような場合であっても、効率的な同伴流の遮断が可能な位置に、上記同伴流遮断ローラを設けることができるようにしている。その結果、処理チャンバ2へ同伴流が流入することをより確実に防止しながら、様々な特性のフィルムに対応することができる。
なお、上記実施形態では、処理チャンバ2内に置換ガスを供給するガス供給管4,5を設けているが、ガス供給管、放電電極及び処理チャンバ2の構成は上記実施形態に限定されない。処理チャンバ2は、内部に置換ガスを導いてガス置換放電を形成できるものであれば、どのような構成でも構わない。
また、図1,2では、処理ローラ1に対して処理チャンバ2を上方に位置させているが、処理ローラ1と処理チャンバ2との位置関係もこれに限らない。両者は、処理対象であるフィルムFを挟んで対向配置されていればよく、例えば、処理ローラ1の横や下方に、処理チャンバ2を位置させてもよい。
さらに、処理ローラ1に対してフィルムFが巻き付けられる接触長さも特に限定されない。ただし、処理チャンバ2及び上記同伴流遮断ローラを、フィルムFに対向して設けることができる長さは必要である。
また、同伴流遮断ローラの材質も限定されない。ただし、その表面にある程度の弾性を備えたものであれば、処理ローラ1との間にフィルムFを挟んだときに、フィルムFへのダメージを与えにくくなるので、上記同伴流遮断ローラを接触状態で使用できる範囲が広くなる。
さらに、上記実施形態では、処理ローラ1をアースに接続しているが、処理チャンバ2内の放電電極3との間でガス置換放電が形成可能な電位差を保つことができれば、処理ローラ1はアース電位でなくてもよい。
ガス置換放電によって様々な特性のフィルム表面を改質する表面処理装置に適用可能である。
1 処理ローラ
2 処理チャンバ
3 放電電極
4 ガス供給管
5 ガス供給管
6 同伴流遮断ローラ
7 切換機構
8 駆動機構
10 同伴流遮断ローラ
11 多孔層
12 ガス供給管
12a 流出孔
F フィルム
P 接点
b 同伴流
c (置換ガスの)流れ

Claims (6)

  1. 処理ローラと、
    この処理ローラに対向し、内部に置換ガスを供給してガス置換放電を形成する処理チャンバとが設けられ、
    上記処理ローラに接触して移動するフィルム表面を上記ガス置換放電のエネルギーで改質する表面処理装置において、
    上記処理チャンバより上記フィルムの移動方向上流側であって、上記処理ローラに接触したフィルムに対向する位置に、上記処理チャンバと別体にした同伴流遮断ローラと、
    上記同伴流遮断ローラと上記処理ローラとの対向間隔を調整する間隔調整機構とが設けられ、
    上記間隔調整機構は、上記対向間隔を調整し、
    上記同伴流遮断ローラを上記フィルムに対して接触位置に保ったり、上記フィルムに付着した同伴流に対して当該同伴流の層を破壊可能な剪断力を作用させる範囲内で上記同伴流遮断ローラと上記フィルムとを非接触状態に保ったりし、
    上記同伴流遮断ローラで、フィルムに付着した同伴流が上記処理チャンバ内に流入することを防止する構成にした表面処理装置。
  2. 上記同伴流遮断ローラを回転させる駆動機構と、
    この駆動機構と上記同伴流遮断ローラとの間を接続したり遮断したりする切換機構とが設けられた請求項1に記載の表面処理装置。
  3. 上記間隔調整機構によって上記同伴流遮断ローラが上記フィルムに対して非接触位置に保たれ、上記駆動機構によって上記同伴流遮断ローラの周速度と上記フィルムの移動速度との間に速度差が保たれる構成にした請求項2に記載の表面処理装置。
  4. 上記間隔調整機構によって上記同伴流遮断ローラが上記フィルムに接触する位置に保たれ、上記切換機構によって上記同伴流遮断ローラと上記駆動機構との連結が遮断される構成にした請求項2に記載の表面処置装置。
  5. 上記同伴流遮断ローラと上記処理チャンバとの距離を調整する距離調整機構が設けられた請求項1〜4のいずれか1に記載の表面処理装置。
  6. 上記同伴流遮断ローラの表面から上記置換ガスを流出させる置換ガス流出機構が設けられた請求項1〜5のいずれか1に記載の表面処理装置。
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