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JP6660040B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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Description

本発明は、例えば直線偏光板と1/2波長位相差層との積層による反射防止フィルムに適用することができる。
従来、液晶材料による位相差層を備えた各種の光学フィルムが種々に提案、利用されている。具体的に、例えば、画像表示装置に関して、画像表示パネルのパネル面(視聴者側面)に円偏光板による光学フィルムである反射防止フィルムを配置し、この反射防止フィルムにより外来光の反射を低減する方法が提案されている。
この反射防止フィルムは、直線偏光板、1/4波長板の積層により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板により直線偏光に変換し、続く1/4波長板により円偏光に変換する。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、1/4波長板により、直線偏光板で遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。
従来、1/4波長板等の位相差板として、液晶材料による位相差層を備えた位相差フィルムが生産されている。すなわちこのような位相差フィルムは、透明フィルム材による基材の表面に、配向層を作製した後、位相差層に係る塗工液を塗工、乾燥、硬化することにより、配向層の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で固化して位相差層が作製され、この位相差層により透過光に所望の位相差を付与する。
この種の反射防止フィルム等の光学フィルムにおいては、いわゆる転写法により作製することにより全体の厚みを薄くすることができると考えられる。ここで転写法とは、例えば基材等の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材等の上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体を作製した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材等(被転写体)の上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材等の上に所望の層を形成する方法である(特許文献1〜4)。
すなわち例えば円偏光板による反射防止フィルムに転写法を適用する場合、支持体基材、配向層、位相差層が順次積層されてなる転写フィルムを用意し、位相差層が直線偏光板側となるようにしてこの転写フィルムを直線偏光板に貼り付けた後、支持体基材を剥離する。これにより支持体基材の厚みを低減して円偏光板により反射防止フィルムを作製することができる。
しかしながら支持体基材を剥離する場合、従来の転写フィルムでは、位相差層と配向層との界面で支持体基材が剥離し、その結果、転写後においては、位相差層がむき出しになる。その結果、従来の反射防止フィルム等では、生産過程で位相差層が損傷し易くなる問題がある。なお反射防止フィルムにおいて、位相差層が損傷すると、損傷した箇所では透過光に所望の位相差を位相差層により付与できなくなることにより、局所的に反射防止の機能が損なわれ、光学特性が劣化することになる。
特開2005−309290号公報 特開2006−323349号公報 特開2005−309290号公報 特開2006−323349号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、転写法により位相差層を転写して作製される光学フィルムに関して、位相差層の損傷を低減することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、塗工層側からの紫外線の照射により位相差層を硬化させた後、基材側からの紫外線の照射により位相差層の反応をさらに進める、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明では、以下のものを提供する。
(1) 支持体基材と、
前記支持体基材上に設けられた配向層と、
前記配向層の上に設けられた、透過光に位相差を付与する位相差層とを備え、
前記位相差層は、
赤外分光法スペクトルにおいて、830cm−1のIRピークPeak(830cm-1)に対する810cm−1のIRピークPeak(810cm-1)比であるIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下である転写フィルム。
(1)によれば、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下であることにより、配向層と支持体基材の密着力に比して、配向層と位相差層との密着力を増大させることができる。これにより転写法により支持体基材を剥離する場合、剥離界面を支持体基材と配向層との界面とすることができ、位相差層と配向層とを一体に転写することができる。その結果、以降の工程において、この配向層を位相差層の保護層として機能させて、位相差層の損傷を低減することができる。
(2) 透過光に位相差を付与する位相差層を備えた光学フィルムにおいて、
前記位相差層は、
透明フィルム材による基材に、少なくとも光学機能層を介して設けられ、
前記基材とは逆側面には、配向層が設けられ、
前記位相差層は、
赤外分光法スペクトルにおいて、830cm−1のIRピークPeak(830cm-1)に対する810cm−1のIRピークPeak(810cm-1)比であるIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下である光学フィルム。
(2)によれば、転写法により配向層と一体に位相差層を転写して、この配向層を位相差層の保護層として機能させることができ、位相差層の損傷を低減することができる。
(3) (2)において、
前記光学機能層が、
直線偏光板としての機能を担う光学機能層である光学フィルム。
(3)によれば、直線偏光板に、転写法により位相差層及び配向層を転写してなる光学フィルムを提供することができる。
(4) 支持体基材に配向層を作製する配向層作製工程と、
前記配向層の上に、位相差層の塗工液を塗工して乾燥することにより前記位相差層の塗工層を作製した後、前記位相差層の塗工層を硬化させて前記位相差層を作製する位相差層の作製工程とを備え、
前記位相差層の作製工程は、
前記位相差層の塗工層側から紫外線を照射して前記位相差層の塗工層を硬化させる前硬化工程と、
前記前硬化工程に続いて、前記支持体基材側から紫外線を照射して前記位相差層の塗工層を硬化させる後硬化工程とを備える転写フィルムの製造方法。
(4)によれば、前硬化工程に続いて、支持体基材側から紫外線を照射して位相差層の塗工層を硬化させる後硬化工程を備えることにより、充分に位相差層の反応を進めて、配向層と支持体基材の密着力に比して、配向層と位相差層との密着力を増大させることができる。これにより転写法により支持体基材を剥離する場合、剥離界面を支持体基材と配向層との界面とすることができ、位相差層と配向層とを一体に転写することができる。その結果、転写後の工程において、この配向層を位相差層の保護層として機能させて、位相差層の損傷を低減することができる。
(5) (4)において、
前記位相差層の作製工程は、
前記後硬化工程による前記紫外線の照射により、
赤外分光法スペクトルにおいて、830cm−1のIRピークPeak(830cm-1)に対する810cm−1のIRピークPeak(810cm-1)比であるIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下により前記位相差層を形成する転写フィルムの製造方法。
(5)によれば、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下であることにより、より具体的に、配向層と支持体基材の密着力に比して、配向層と位相差層との密着力を増大させることができる。
(6) 支持体基材、配向層、位相差層の積層による転写フィルムを作製する転写フィルムの作製工程と、
被転写体に、転写法により、前記転写フィルムの位相差層を前記配向層と一体に配置する光学フィルムの作製工程とを備え、
前記転写フィルムの作製工程は、
前記支持体基材に前記配向層を作製する配向層作製工程と、
前記配向層の上に、前記位相差層の塗工液を塗工して乾燥することにより前記位相差層の塗工層を作製した後、前記位相差層の塗工層を硬化させて前記位相差層を作製する位相差層の作製工程とを備え、
前記位相差層の作製工程は、
前記位相差層の塗工層側から紫外線を照射して前記位相差層の塗工層を硬化させる前硬化工程と、
前記前硬化工程に続いて、前記支持体基材側から紫外線を照射して前記位相差層の塗工層を硬化させる後硬化工程とを備える光学フィルムの製造方法。
(6)によれば、前硬化工程に続いて、支持体基材側から紫外線を照射して位相差層の塗工層を硬化させる後硬化工程を備えることにより、充分に位相差層の反応を進めて、配向層と支持体基材の密着力に比して、配向層と位相差層との密着力を増大させることができる。これにより転写法により支持体基材を剥離する場合、剥離界面を支持体基材と配向層との界面とすることができ、位相差層と配向層とを一体に転写することができる。その結果、転写後の工程において、この配向層を位相差層の保護層として機能させて、位相差層の損傷を低減することができる。
(7) (6)において、
前記位相差層の作製工程は、
前記後硬化工程による前記紫外線の照射により、
赤外分光法スペクトルにおいて、830cm−1のIRピークPeak(830cm-1)に対する810cm−1のIRピークPeak(810cm-1)比であるIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下により前記位相差層を形成する光学フィルムの製造方法。
(7)によれば、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下であることにより、より具体的に、配向層と支持体基材の密着力に比して、配向層と位相差層との密着力を増大させることができる。
本発明によれば、転写法により位相差層を転写して作製される光学フィルムに関して、位相差層の損傷を低減することができる。
本発明の実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 図1の画像表示装置に係る転写フィルムを示す図である。 図2の転写フィルムの製造工程を示す図である。 図1の画像表示装置に係る反射防止フィルムを製造工程を示す図である。 IRピーク比の説明に供する図である。 計測条件の説明に供する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳述する。
〔第1実施形態〕
〔画像表示装置及び光学部品〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。この画像表示装置11は、画像表示パネル12のパネル面(視聴者側面)に、円偏光板の機能により反射防止を図る反射防止フィルム13が配置される。ここで画像表示パネル12は、例えば有機ELパネルであり、所望のカラー画像を表示する。なお画像表示パネル12は、有機ELパネルに限らず、液晶表示パネル等、種々の画像表示パネルを広く適用することができる。
反射防止フィルム13は、PSA(PRessuRe Sensitive Adhesive)粘着剤による粘着層14により画像表示パネル12のパネル面に貼り付けられて保持される。反射防止フィルム13は、直線偏光板15、1/4波長板16を、PSA粘着剤による粘着層18により積層一体化して構成される。なおPSA粘着剤による粘着層に代えて他の粘着剤、接着剤により、反射防止フィルム13を配置しても良く、さらには直線偏光板15、1/4波長板16を積層するようにしてもよい。このような他の粘着剤、接着剤としては、例えば紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を例示することができる。
直線偏光板15は、直線偏光板として機能を担う光学機能層を1対の基材により挟持して構成される。ここで基材は、TAC(トリアセチルセルロース)による透明フィルム、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛硝子、石英硝子等の硝子等を適用することができる。光学機能層は、例えばポリビニルアルコール(PVA)によるフィルム材に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させて作製される。
1/4波長板16は、位相差層19により形成される。この実施形態において、この位相差層19は、後述する転写フィルムから配向層22と一体に転写法により転写して配置される。これにより反射防止フィルム13は、この配向層22により、位相差層19がむき出しにならないように保護され、生産過程における位相差層19の損傷を従来に比して低減する。
〔転写フィルム〕
図2は、この反射防止フィルム13の作成に供する転写フィルムを示す図である。この転写フィルム20は、支持体基材21に、配向層22、位相差層19が設けられる。反射防止フィルム13は、この転写フィルム20に設けられた位相差層19を配向層22と一体に転写法により直線偏光板15に積層して作成される。
ここで支持体基材21は、TACフィルム等の各種の透明フィルム材を適用することができるものの、この実施形態では、配向層22との密着強度を向上させるコロナ処理等の密着力強化処理を何ら施されていないPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂による透明フィルム材が適用される。
転写フィルム20は、配向層22の配向規制力により位相差層19に係る液晶材料を配向させた状態で硬化させて位相差層19が作成される。配向層22は、これにより位相差層19に係る液晶材料を配向させることが可能な各種の構成を適用することができるものの、この実施形態では光配向層が適用される。これにより転写フィルム20は、光配向層に係る塗工液の塗工、乾燥により、光配向層に係る材料層が基材21上に形成された後、直線偏光による紫外線の照射により配向層22が形成される。なおこの光配向層に係る材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、例えば光2量化型の材料を使用する。なおこの光2量化型の材料は、「M.Schadt,K.Schmitt,V.Kozinkov and V.ChigReinov:Jpn.J.Appl.Phys.,31,2155(1992)」、「M.Schadt,H.SeibeRele and A.SchusteRe:NatuRe,381,212(1996)」等に開示されている。
位相差層19は、対応する塗工液を塗工、乾燥した後、紫外線の照射により硬化することにより、配向層22の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で固化(硬化)して作製される。位相差層19は、この硬化に係る紫外線を充分に照射して充分に反応を進めることにより、赤外分光法(IR)スペクトルにおいて、830cm−1のIRピークPeak(830cm-1)に対する810cm−1のIRピークPeak(810cm-1)比であるIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下となるように設定される。なおこのIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)の計測は、例えば日本分光株式会社製FT-IR-610を使用してATR(全反射減衰)法により、位相差層19を計測して求められる。
ここで830cm−1のIRピークは、紫外線照射による反応で消失しないp置換ベンゼン由来のIRピークであり、810cm−1のIRピークは、紫外線照射による反応で消失するC=C由来のIRピークであり、これにより位相差層19の作製に供するこの種の塗工層では、反応が進むに従って、徐々にIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)の値が小さくなる。
ここで転写フィルム20において、位相差層19のIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.52以上であると、配向層22と支持体基材21との密着力に比して、配向層22と位相差層19との密着力が小さく、その結果、支持体基材21を剥離する場合、配向層22と位相差層19との界面が剥離界面となる。従ってこの場合、直線偏光板15への位相差層19の転写により、支持体基材21と一体に配向層22が位相差層19より剥離し、位相差層19がむき出しの状態となる。
これに対して位相差層19の反応が一定以上進み、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下となると、配向層22と支持体基材21との密着力に比して、配向層22と位相差層19との密着力が大きくなり、支持体基材21を剥離する場合、配向層22と支持体基材21との界面が剥離界面となる。これによりこの場合、直線偏光板15への位相差層19の転写により、配向層22が位相差層19と一体に直線偏光板15に転写されることになり、以降の工程では、この配向層22を位相差層19の保護層として機能させて、配向層22により位相差層19を保護することができる。これによりこの実施形態では、反射防止フィルム13の製造工程において、位相差層19の損傷を低減することができる。
なおこれにより支持体基材21と配向層22との密着力の変化により、支持体基材21を剥離する際の剥離界面が、支持体基材21と配向層22との界面から配向層22と位相差層19との界面に変化することになる。しかしながら配向層22との密着力を強化する密着力強化処理を施していないPETフィルムを支持体基材21に適用する場合にあっては、配向層22に種々の材料を適用する場合、位相差層19に種々の材料を適用する場合であっても、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)を0.51以下とすることにより、配向層22と支持体基材21との界面を剥離界面とすることができる。
位相差層19は、光学異方性を発現する液晶材料である各種の重合性液晶組成物を適用することができる。ここでこの重合性液晶組成物は、液晶性を示し、分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(以下、「棒状化合物」ともいう。)のほか、アンチブロッキング剤等を含有させることができる。
位相差層19に係る棒状化合物は、屈折率異方性を有し、配向層22の配向規制力により規則的に配列することにより、所望の位相差性を付与する機能を有する。棒状化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す棒状化合物を用いることがより好ましい。
本実施形態において用いられる棒状化合物の具体例としては、例えば、下記式(1)〜(13)で表される化合物を例示でき、これらの化合物を重合させて使用することができる。
Figure 0006660040
Figure 0006660040
(gは2〜5の整数)
〔製造工程〕
転写フィルム20は、ロールに巻き取った長尺フィルム形態により基材21が提供され、この基材21をロールより引き出して搬送しながら配向層22、位相差層19が順次作製された後、ロールに巻き取って光学フィルムの製造工程に搬送される。
図3は、転写フィルム20の製造工程を示す図である。この製造工程30は、ロール31により基材21が提供され、ロール31から基材21を引き出しながら搬送し、ダイ32により配向層22の塗工液を塗工する。続いて乾燥装置33において、塗工した塗工液を乾燥させた後、光源34からの直線偏光による紫外線の照射により硬化させ、これにより配向層22を作製する。
続いてこの製造工程30は、ダイ35により位相差層19に係る塗工液を配向層22の上に塗工した後、乾燥装置36により乾燥する。また続いて前硬化工程において、光源37により紫外線を照射し、これにより配向層22の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で硬化させ、位相差層19を作製する。ここでこの紫外線の照射においては、位相差層19に係る塗工液の塗工面側から実行され、これにより塗工層に効率良く紫外線を照射して位相差層19を作製する。なお配向層、位相差層に係る塗工液の塗工にあっては、ダイによる塗工に限らず、種々の手法を広く適用することができる。
この実施形態では、このようにして位相差層19を作製して、さらに位相差層19の反応を進める紫外線の追加照射に係る後硬化工程が設けられる。しかしながら種々に実験した結果によれば、単純に、紫外線照射工程を追加して塗工面側から紫外線を照射したのでは、一定以上反応が進まず、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)も0.52以下には低下しないことが判った。これは位相差層19に含まれる紫外線吸収剤の影響によるものと考えられる。そこでこの実施形態では、支持体基材21側に光源38を設け、支持体基材21側からの紫外線の照射により位相差層19の反応を進める。
この製造工程30は、このようにして作製した長尺フィルム形状による転写フィルム20をロール39に巻き取って直線偏光板との一体化工程に搬送する。
図4は、直線偏光板との一体化工程を示す図である。この製造工程は、ロール39により転写フィルム20が提供される。また粘着層18、PETフィルムによる剥離フィルム41を配置した状態でロール42により直線偏光板15が供給される。この製造工程は、ロール42から直線偏光板15、粘着層18、剥離フィルム41の積層体を引き出しながら、剥離ロール43により剥離フィルム41を剥離し、剥離した剥離フィルム41をロール44に巻き取る。またロール39から転写フィルム20を引き出しながら、剥離フィルム41を剥離してなる直線偏光板15、粘着層18と積層した後、加圧ロール45により加圧し、これにより転写フィルム20、直線偏光板15、粘着層18の積層体を構成する。また続く剥離ロール46により基材21を剥離してロール47に巻き取り、これにより直線偏光板15、粘着層18、位相差層19、配向層22の積層体を形成して反射防止フィルム13を作成し、この反射防止フィルム13をロール48に巻き取る。反射防止フィルム13の製造工程は、その後、粘着層14、セパレータフィルムを配置した後、所望の大きさに切断する。
図5は、後硬化工程に係る追加の紫外線の照射によるIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)の変化を示す計測結果である。この計測結果は、図6に示すように、粘着層18を介して直線偏光板15と転写フィルムとを積層一体化した後、支持体基材21及び配向層22を剥離し、位相差層19の表面を測定面として計測した結果である。なお支持体基材21を剥離して位相差層19側に配向層22が残存する場合、エッチングにより配向層22を削除して位相差層19の表面を露出させ、測定面とした。またIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)の計測は、日本分光株式会社製FT-IR-610を使用してATR(全反射減衰)法により実行した。
ここで支持体基材21は、密着力強化処理を何ら施していない厚み100μmのPETフィルムを適用した。配向層22は、対応する塗工液を、乾燥膜厚200μmとなるように塗工した後、120℃の熱風により乾燥し、光量20mJ/cmにより直線偏光の紫外線を照射して作製した。この配向層22の塗工液は、PGME溶剤により固形分4.5%となるように作製した。また位相差層19は、対応する塗工液を乾燥膜厚1μmとなるように塗工した後、90℃の熱風により乾燥し、光量450mJ/cmによる前硬化に係る紫外線の照射により作製した。なおこの位相差層19の塗工液は、MEK:MIBK=1:1混合溶剤により固形分25%となるように作製した。
符号L21は、支持体基材21側から追加の紫外線照射を行った場合の計測結果であり、符号L19は位相差層19側から追加の紫外線照射を行った場合の計測結果である。未照射は、追加による紫外線照射を実行しない場合のIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)であり、この場合、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)は0.565であり、これにより塗工面からの紫外線照射により位相差層19は、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.565となるまで反応が進んでいることになる。この未照射のサンプルでは、剥離界面は配向層22と位相差層19との界面であった。
図5の計測結果では、このIRピーク比Peak(810cm-1)/(Peak(830cm-1)が0.565である転写フィルムに、光量250mJ/cm、500mJ/cm、750mJ/cmにより塗工層側及び支持体基材21側からそれぞれ紫外線を照射して追加の紫外線照射を実行した場合、紫外線照射光量の増大により何れの側から紫外線を照射する場合でも、徐々にIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が低下する。しかしながら位相差層19側から紫外線を照射する場合、光量が500mJ/cm、750mJ/cmを超えると、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)の変化が低下し、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)の変化に飽和特性が観察される。これにより位相差層19側から紫外線を照射する場合、IRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)を0.51以下に低下させることは、困難であると判断される。
これに対して支持体基材21側から紫外線を照射する場合には、照射光量に比例するようにIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が低下し、これにより簡易かつ効率良くIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)を0.51以下に低下させることができる。
ここでIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.52以上の各サンプルでは、剥離界面は位相差層19と配向層22との界面であり、これにより符号Aにより示すIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.52以上の場合、支持体基材21を剥離すると支持体基材21と一緒に配向層22までも剥離してしまうことが判った。
これに対してIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51のサンプルでは、剥離界面が配向層22と支持体基材21との界面であり、これにより符号Bにより示すIRピーク比Peak(810cm-1)/Peak(830cm-1)が0.51以下の場合、支持体基材21を剥離すると、位相差層19側に配向層22が取り残されることが判った。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、円偏光板の機能により反射防止を図る反射防止フィルムによる光学フィルムに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばパッシブ方式による3次元画像表示に適用されるパターン位相差フィルムに係る位相差層を、液晶表示パネルの出射面に配置する直線偏光板に転写法により配置することにより、パターン位相差フィルムと直線偏光板とを一体化した光学フィルム、偏光サングラスにより見る方向による表示画面の明るさの変化を防止する位相差フィルムに係る位相差層を、液晶表示パネルの出射面に配置する直線偏光板に転写法により配置してなる光学フィルム等に広く適用することができる。
11 画像表示装置
12 画像表示パネル
13 反射防止フィルム
14、18 粘着層
15 直線偏光板
16 1/4波長板
19 位相差層
20 転写フィルム
21 支持体基材
22 配向層
30 製造工程
31、39、42〜48 ロール
32、35 ダイ
33、36 乾燥装置
34、37、38 光源
41 剥離フィルム
41〜48 ロール

Claims (1)

  1. 厚み方向において順に、少なくとも、光学機能層と、位相差層と、配向層と、画像表示パネルを備え、
    前記位相差層は、透過光に位相差を付与し、
    赤外分光法スペクトルにおいて、830cm −1 のIRピークPeak(830cm -1 )に対する810cm −1 のIRピークPeak(810cm -1 )比であるIRピーク比Peak(810cm -1 )/Peak(830cm -1 )が0.51以下である
    画像表示装置。
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