JP5532974B2 - 液晶層形成用組成物、円偏光分離シート及びその製造方法、並びに輝度向上フィルム及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔10〕を要旨とする。
環状ケトン構造を有する溶媒と、
環状エーテル構造を有する溶媒と、
前記液晶化合物のN−I点より低い温度で揮発性を示す酸化防止剤と
を含む、液晶層形成用組成物。
〔2〕 前記環状ケトン構造を有する溶媒がシクロペンタノンである、〔1〕記載の液晶層形成用組成物。
〔3〕 前記環状エーテル構造を有する溶媒が1,3−ジオキソランである、〔1〕又は〔2〕記載の液晶層形成用組成物。
〔4〕 前記環状ケトン構造を有する溶媒と前記環状エーテル構造を有する溶媒とが重量比で30/70以上90/10以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の液晶層形成用組成物。
〔5〕 前記酸化防止剤が2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールである、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の液晶層形成用組成物。
〔6〕 〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の液晶層形成用組成物の塗膜を基材上に形成する工程と、
前記塗膜を加熱して前記液晶化合物を配向させる工程と、
前記塗膜を不完全に硬化させる工程と、
前記塗膜を加熱する工程と、
前記塗膜を完全に硬化させる工程と
を、この順に経て得られる、円偏光分離シート。
〔7〕 〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の液晶層形成用組成物の塗膜を基材上に形成する工程と、
前記塗膜を加熱して前記液晶化合物を配向させる工程と、
前記塗膜を不完全に硬化させる工程と、
前記塗膜を加熱する工程と、
前記塗膜を完全に硬化させる工程と
を、この順に有する円偏光分離シートの製造方法。
〔8〕 前記酸化防止剤が、前記塗膜を加熱して前記液晶化合物を配向させる工程で揮発する、〔7〕記載の円偏光分離シートの製造方法。
〔9〕 〔6〕記載の円偏光分離シートと位相差フィルムとを備える、輝度向上フィルム。
〔10〕 〔9〕記載の輝度向上フィルムと液晶パネルとを備える、液晶表示装置。
本発明の液晶層形成用組成物は、1分子中に2つ以上の重合性官能基を有し且つ屈折率異方性が所定値以上である液晶化合物(以下、適宜「高Δn重合性液晶化合物」という。)と、環状ケトン構造を有する溶媒(以下、適宜「環状ケトン溶媒」という。)と、環状エーテル構造を有する溶媒(以下、適宜「環状エーテル溶媒」という。)と、所定の酸化防止剤とを含む組成物である。本発明の液晶層形成用組成物を基材上に成膜することにより塗膜が得られ、得られる塗膜は高Δn重合性液晶化合物を含む液晶層に該当する。また、液晶層を硬化させると液晶硬化物層が得られる。
高Δn重合性液晶化合物は、1分子中に2つ以上の重合性官能基を有する。重合性官能基は、適切な条件下において重合反応を生じて高Δn重合性液晶化合物を重合させる基である。高Δn重合性液晶化合物が重合性官能基を2つ以上有することにより、液晶層形成用組成物を成膜して硬化させる場合に、高Δn重合性液晶化合物を重合させて安定した硬化物を得ることができる。逆に、1分子中に重合性官能基が1つ以下であると、液晶層形成用組成物を成膜して硬化させた場合に、架橋した硬化物が得られないため円偏光分離シート等として実用に耐えうる膜強度が得られないことがある。後述する架橋剤を使用した場合でも、膜強度が不足し実用は困難になる傾向がある。
なお、実用に耐えうる膜強度とは、鉛筆硬度(JIS K5400)でHB以上、好ましくはH以上である。膜強度がHBより低いと傷がつきやすくハンドリング性に欠ける。好ましい鉛筆硬度の上限は、光学的性能や耐久性試験に悪影響を及ぼさなければ特に限定されない。
なお、化合物の屈折率異方性はセナルモン法により測定できる。
R1−C1−D1−C3−M−C4−D2−C2−R2 (1)
ここで、R3及びR4は、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。R3及びR4がアルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR5−C(=O)−、−C(=O)−NR5−、−NR5−、または−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−および−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、R5は、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。前記「置換基を有してもよい炭素原子数1〜10個のアルキル基」における置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、炭素原子数1〜6個のアルコキシ基、炭素原子数2〜8個のアルコキシアルコキシ基、炭素原子数3〜15個のアルコキシアルコキシアルコキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜7個のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2〜7個のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
本発明の液晶層形成用組成物は、溶媒として、環状ケトン溶媒と環状エーテル溶媒とを含む。通常、本発明の液晶層形成用組成物はこれらの溶媒に他の成分が溶解した溶液の状態で使用される。これらの環状ケトン溶媒及び環状エーテル溶媒を含むことにより、液晶層形成用組成物において高Δn重合性液晶化合物の溶解性と溶媒の乾燥速度の制御性とを良好にして、欠陥のない均一な成膜が可能となる。
本発明の液晶層形成用組成物は、酸化防止剤を含む。本発明の液晶層形成用組成物に含まれる環状エーテル溶媒は、空気との自動酸化によって過酸化物を生成しやすい。さらに、環状エーテル溶媒は、環状ケトン溶媒等の他溶媒との混合系において、その傾向が昂進する場合がある。生成した過酸化物はラジカルを発生させ、高Δn重合性液晶化合物の重合を進行させる。このため、従来の液晶層形成用組成物はゲル化しやすかった。これに対して本発明の液晶層形成用組成物は、酸化防止剤を含むことにより、液晶層形成用組成物中の高Δn重合性液晶化合物の重合を抑制できる。これにより、液晶層形成用組成物が経時的にゲル化することを抑制して、液晶層形成用組成物のポットライフを長くすることができる。なおポットライフとは、液晶層形成用組成物をその状態を維持したままで保存できる期間を指す。つまり、ポットライフが長ければ、事前に十分な量の液晶層形成用組成物を在庫として準備することができるため、生産計画のフレキシビリティを高めることができる。
本発明の液晶層形成用組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した成分以外にその他の成分を含んでいてもよい。
例えば、本発明の液晶層形成用組成物は、下記一般式(2)で表される化合物を含んでいてもよい。
R6−A1−Z−A2−R7 (2)
また、前記ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基は、炭素原子数1〜2個のアルキル基及び/又はアルキレンオキサイド基と結合していてもよい。
光重合開始剤の例を挙げると、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、ビアセチル、アセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンジルイソブチルエーテル、テトラメチルチウラムモノ(ジ)スルフィド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、メチルベンゾイルフォーメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、β−アイオノン、β−ブロモスチレン、ジアゾアミノベンゼン、α−アミルシンナックアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、pp′−ジクロロベンゾフェノン、pp′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(2,6−メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、アントラセンベンゾフェノン、α−クロロアントラキノン、ジフェニルジスルフィド、ヘキサクロルブタジエン、ペンタクロルブタジエン、オクタクロロブテン、1−クロルメチルナフタリン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]や1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(o−アセチルオキシム)などのカルバゾールオキシム化合物、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、3−メチル−2−ブチニルテトラメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−(p−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。なお、所望する物性に応じて重合開始剤は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに、必要に応じて本発明の液晶層形成用組成物に公知の光増感剤や重合促進剤としての三級アミン化合物を含ませて、液晶層形成用組成物の硬化性をコントロールすることもできる。
界面活性剤の例を挙げると、疎水基部分にシロキサン、フッ化アルキル基を含有するノニオン系界面活性剤等が好適に使用できる。中でも、1分子中に2個以上の疎水基部分を持つオリゴマーが特に好適である。これらの界面活性剤としては、例えば、OMNOVA社PolyFoxのPF−151N、PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520、PF−3320、PF−651、PF−652;ネオス社フタージェントのFTX−209F、FTX−208G、FTX−204D;セイミケミカル社サーフロンのKH−40等を用いることができる。なお、界面活性剤は1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
なお、その他の成分は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶層形成用組成物の製造方法は、特に限定されず、上記各成分を混合することにより製造することができる。
本発明の液晶層形成用組成物は、保存時及び使用時において高Δn重合性液晶化合物が析出しにくいため欠陥の発生を抑制できる。また、溶媒の蒸発速度を容易に制御できるため、厚みムラのない均一な成膜が可能である。さらに、本発明の液晶層形成用組成物ではより広範な高Δn重合性液晶化合物を安定な溶解状態にできるため、広範な高Δn重合性液晶化合物を用いて多様なタイプの液晶層及び液晶硬化物層の製造に適用できる。
さらに、本発明の液晶層形成用組成物を用いて円偏光反射シートを製造する時には、酸化防止剤を容易に除去できるため、硬化時に高Δn重合性液晶化合物の重合の進行が妨げられず、円偏光反射シートを効率的に製造できる。
本発明の液晶層形成用組成物は、前記のように欠陥なく均一な液晶層及び液晶硬化物層を形成できるという優れた利点を有する。これを利用して、本発明の液晶層形成用組成物を用い、円偏光分離シートを製造できる。円偏光分離シートの製造方法は、例えば国際公開第2008/007782号を参照すればよい。中でも本発明の液晶層形成用組成物を用いて円偏光分離シートを製造する場合、以下に説明する本発明の円偏光分離シートの製造方法を採用することが好ましい。
基材は、本発明の液晶層形成用組成物を成膜する対象となる部材である。この基材は、液晶硬化物層の形成後に剥がしてもよいが、剥がさずに液晶硬化物層と共に円偏光分離シートの一部として用いてもよい。基材を円偏光分離シートの一部として用いる場合、基材として通常は透明基材を用いる。透明基材の具体的な光線透過率は円偏光分離シートの用途に応じて一様ではないが、例えば1mm厚で全光線透過率が80%以上の基材を使用できる。
基材を用意した後で、本発明の液晶層形成用組成物の塗膜を基材上に形成する成膜工程を行なう。成膜により形成される本発明の液晶層形成用組成物の塗膜は、高Δn重合性液晶化合物を含む層であり、液晶層に該当する。なお、基材表面に配向膜を形成している場合、配向膜上に本発明の液晶層形成用組成物を成膜するようにする。
なお、酸化防止剤の揮発性によっては、前記の溶媒の乾燥時に酸化防止剤が揮発することもある。
成膜工程により塗膜を形成した後、不完全硬化工程の前に、塗膜を加熱して高Δn重合性液晶化合物を配向させる配向処理工程を行う。
配向処理の加熱温度は、塗膜を通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、また、通常190℃以下、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下に加熱すればよい。
また、加熱時間は、通常0.25分以上、好ましくは0.5分以上、より好ましくは1分以上であり、通常10分間以内、好ましくは8分以内、より好ましくは6分以内である。
配向処理を施すことにより、塗膜中の高Δn重合性液晶化合物を良好に配向させることができる。
配向処理工程により塗膜中の高Δn重合性液晶化合物を配向させた後で、塗膜を不完全に硬化させる不完全硬化工程を行う。不完全硬化工程では、通常、塗膜に選択紫外線(広帯域化用紫外線ともいう)を照射する。前記の塗膜に選択紫外線が照射されると、塗膜内で重合反応ないし架橋反応が進行して、塗膜の硬化が進行する。
選択紫外線の照射により、塗膜の中の高Δn重合性液晶化合物の架橋度を塗膜の厚み方向に異ならせることが可能となり、広い波長帯域幅において円偏光を反射できるようにコレステリック規則性を調整することができる。
不完全硬化工程の後で、塗膜を加熱する加熱工程を行う。加熱工程では、塗膜を加熱することにより塗膜のコレステリック規則性の周期を変化させるようにする。ここで「塗膜のコレステリック規則性の周期を変化させる」とは、コレステリック規則性を有する塗膜のピッチを厚み方向に変化させるということである。
所定の回数だけ不完全硬化工程及び加熱工程を行った後で、塗膜を完全に硬化させる完全硬化工程を行う。塗膜を完全に硬化させる方法としては、前記塗膜が硬化してコレステリック規則性を有するようにする方法であれば特に制限されないが、本硬化紫外線を積算光量が10mJ/cm2以上となるように照射する方法であることが好ましい。ここで、本硬化紫外線とは、塗膜を完全に硬化させることのできる波長範囲もしくは照度に設定した紫外線を意味する。なお、本硬化紫外線では、塗膜の中の高Δn重合性液晶化合物の架橋度を膜の厚さ方向に異ならせることは難しい。
本硬化紫外線の照射方向は、塗膜側と基材側のどちらからでも良いが、紫外線の照射効率が良い点から、塗膜側から照射することが好ましい。
また、前記の塗膜形成装置に用いられる冷却手段は、例えば、冷却ゾーン装置、冷却ロール等により構成することができ、冷却ゾーン装置により構成することが好ましい。当該冷却手段は、基材の搬送経路の一部分を囲み、その中の温度を、液晶層形成用組成物の硬化に適した一定の温度に保つ装置としてもよい。また、前記の冷却手段すべてを、選択紫外線照射装置および本硬化紫外線照射装置それぞれよりも前に備えることが好ましく、選択紫外線照射装置および本硬化紫外線照射装置それぞれの直前に備えることがより好ましい。
前記の成膜工程、配向処理工程、不完全硬化工程、加熱工程及び完全硬化工程は、1回だけ行い液晶硬化物層を1層だけ形成するようにしてもよく、2回以上繰り返して2層以上の液晶硬化物層を形成することもできる。ただし、成膜工程、配向処理工程、不完全硬化工程、加熱工程及び完全硬化工程をそれぞれ1回のみ行った場合であっても、良好に配向した高Δn重合性液晶化合物の重合物を含み、例えば5μm以上といった十分な厚みの液晶硬化物層を容易に形成することができる。
以上のようにして硬化した塗膜として得られる液晶硬化物層は、通常、コレステリック樹脂層である。コレステリック樹脂層の構造は、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、さらに次の平面ではさらに角度がずれるという具合に、分子が一定方向に配列している平面を進むに従って分子軸の角度がずれて(ねじれて)いくというコレステリック規則性を有する構造となる。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は光学的にカイラルな構造となる。
コレステリック樹脂層としては、円偏光分離機能を可視光の全波長領域にわたって発揮する広帯域のものが好ましい。具体的には、400nm〜750nmの波長領域の光について円偏光分離機能を有するコレステリック樹脂層が好ましい。例えば、青色(波長410〜470nm)、緑色(波長520〜580nm)、赤色(波長600〜660)nmのいずれの波長域の光についても円偏光分離機能を有するコレステリック樹脂層が好ましい。
このようなタイプのコレステリック樹脂層を製造するには、例えば、各ピッチに対応したコレステリック樹脂層を上述した製造方法で製造して張り合わせたり、あるピッチに対応したコレステリック樹脂層の上に別のピッチに対応したコレステリック樹脂層を積み重ねるようにして上述した方法で製造したりすればよい。
本発明の輝度向上フィルムは、少なくとも、上述した円偏光分離シート及び位相差フィルムを備える。輝度向上フィルムは、通常、光源側から円偏光分離シート及び位相差フィルムがこの順になるようにして、液晶表示装置などに設けられる。液晶表示装置等において、バックライト等の光源からの光が輝度向上シートを透過する際、円偏光分離シートにより所定の偏光のみが選択的に反射し、残りの光が透過される。透過した光はさらに位相差フィルムを透過することにより所定の偏光に変換され、液晶セルに入射する。一方、円偏光分離シートにより反射された光は、液晶表示装置の他の構成要素(反射板等)により反射されて偏光状態を変化させながら再度円偏光分離シートに入射し、円偏光分離シートを透過する所定の偏光となったものは円偏光分離シートを透過し、位相差フィルムにより所定の偏光に変換され、液晶セルに入射する。このように、輝度向上シートにより、液晶セルによる表示に必要な所定の偏光を増加させて液晶セルに供給することができるようになっている。
なお、前記正面方向のリターデーションRe及び厚み方向のリターデーションRthは、市販の位相差測定装置を用いて、1/4波長板を長手方向及び幅方向に100mm間隔(長手方向又は横方向の長さが200mmに満たない場合は、その方向へは等間隔に3点指定する)で、全面にわたり、格子点状に測定を行い、その平均値とする。
本発明の液晶表示装置は、本発明の輝度向上フィルム及び液晶パネルを備える。液晶パネルは、特に限定されず液晶表示装置に用いられているものを適宜用いることができる。例えば、TN(Twisted Nematic)型液晶パネル、STN(Super Twisted Nematic)型液晶パネル、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型液晶パネル、IPS(In Plane Switching)型液晶パネル、VA(Vertical Alignment)型液晶パネル、MVA(Multiple Vertical Alignment型液晶パネル、OCB(Optical Compensated Bend)型液晶パネルなどが挙げられる。
(配向膜を有する透明樹脂基材の調製)
脂環式オレフィンポリマーからなるフィルム(株式会社オプテス製、商品名「ゼオノアフィルムZF14−100」)の両面をコロナ放電処理した。5重量%のポリビニルアルコール水溶液を当該フィルムの片面に♯2のワイヤーバーを使用して塗布し、塗膜を乾燥し、膜厚0.1μmの配向膜を形成した。次いで当該配向膜をラビング処理し、配向膜を有する透明樹脂基材を調製した。
表2に示す配合割合(重量比)で各成分を混合して、液晶層形成用組成物を調製した。なお、液晶層形成用組成物に含まれる各成分の詳細は、以下の通りである。
重合開始剤としては、商品名イルガキュアOXE02(チバ・ジャパン社製)を用いた。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤(商品名フタージェント209F、ネオス社製)を用いた。
調製した液晶層形成用組成物を1週間、室温(25℃)下で、密閉容器中に保存した。保存後の液晶層形成用組成物の状態を確認し、粘度を測定した。結果を表2に示す。なお、表2においては保存後に粘度の変化が生じなかったものを「良」で示し、粘度が増加したものを「不良」で示す。
温度23℃において、上記で調製した配向膜を有する透明樹脂基材の配向膜を有する面に、前記のように調製した液晶層形成用組成物を♯10のワイヤーバーを使用して塗布し、塗膜として液晶層を成膜した。この塗膜を100℃で5分間配向処理し、当該塗膜に対して0.1〜45mJ/cm2の微弱な紫外線の照射処理と、それに続く100℃で1分間の加温処理からなるプロセスを2回繰り返した後、窒素雰囲気下で2000mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、乾燥膜厚5μmのコレステリック樹脂層(液晶硬化物層に相当する。)を有する円偏光分離シートを作製した。
上記で作製した円偏光分離シートについて、温度23℃、湿度50%の環境下でライトボックス上に該円偏光分離シートを設置し、偏光板を通して色ムラ、結晶析出に由来する点欠陥を目視観察した。評価結果を表2に示す。なお、表2において色ムラの評価は、色ムラが無いか僅かであるものを「良」で示し、色ムラがあるものを「不良」で示した。また点欠陥は、確認された点欠陥の個数が3個/m2未満のものを「良」で示し、3個/m2以上が確認されたものを「不良」で示した。
表2に示すように、本発明の実施例1〜5の液晶層形成用組成物は、比較例1〜5と比較して、ポットライフが長く、色ムラ及び欠陥が少ない広帯域の円偏光分離シートが得られる。
ここで、実施例1〜5と比較例1,2とを比較すると、環状ケトン溶媒と環状エーテル溶媒とを組み合わせた場合に、欠陥なく均一な液晶層が得られ、これにより色ムラ及び点欠陥の発生が抑制されることがわかる。
また、実施例1〜5と比較例3〜5とを比較すると、所定の揮発性を有する酸化防止剤を用いることにより、広帯域化に悪影響を与えることなくポットライフを長くすることができることがわかる。
また、比較例3においては充分に長いポットライフを実現できていないことから、酸化防止剤を使用しない場合、充分なポットライフを実現できないことがわかる。
さらに、比較例4においては広帯域化の評価が不良である。具体的には、比較例4では条件を様々に変更しても、特に長波長側の透過率が58%より高く、広いスペクトルが得られなかった。このことから、揮発性に乏しい酸化防止剤は、ポットライフを長くすることはできるものの、酸化防止剤により広帯域化が妨げられることが確認できる。
また、比較例5では、広帯域化が実現できているものの、ポットライフの評価結果は不良である。したがって、揮発性に乏しい酸化防止剤の量を広帯域化を妨げない程度に少なくした場合、ポットライフを充分に長くすることができず、従来の技術ではポットライフと広帯域化との両立ができないことが確認できる。
本発明の円偏光分離シート及びその製造方法は、光学素子として任意の用途に使用できるが、中でも液晶表示装置に用いて好適である。
本発明の液晶表示装置は、表示装置として任意の装置において好適に設けることができる。
Claims (13)
- 1分子中に2つ以上の重合性官能基を有し、且つ屈折率異方性が0.2以上である液晶化合物と、
環状ケトン構造を有する溶媒と、
環状エーテル構造を有する溶媒と、
前記液晶化合物のN−I点より低い温度で揮発性を示す酸化防止剤と
を含む、液晶層形成用組成物。 - 前記環状ケトン構造を有する溶媒がシクロペンタノンである、請求項1記載の液晶層形成用組成物。
- 前記環状エーテル構造を有する溶媒が1,3−ジオキソランである、請求項1又は2記載の液晶層形成用組成物。
- 前記環状ケトン構造を有する溶媒と前記環状エーテル構造を有する溶媒とが重量比で30/70以上90/10以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶層形成用組成物。
- 前記環状ケトン構造を有する溶媒と前記環状エーテル構造を有する溶媒とが重量比で50/50以上90/10以下である、請求項4記載の液晶層形成用組成物。
- 前記酸化防止剤が2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶層形成用組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶層形成用組成物の塗膜を基材上に形成する工程と、
前記塗膜を加熱して前記液晶化合物を配向させる工程と、
前記塗膜を不完全に硬化させる工程と、
前記塗膜を加熱する工程と、
前記塗膜を完全に硬化させる工程と
を、この順に経て得られる、円偏光分離シート。 - 前記酸化防止剤が、前記塗膜を加熱して前記液晶化合物を配向させる工程で揮発する、請求項8記載の円偏光分離シート。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶層形成用組成物の塗膜を基材上に形成する工程と、
前記塗膜を加熱して前記液晶化合物を配向させる工程と、
前記塗膜を不完全に硬化させる工程と、
前記塗膜を加熱する工程と、
前記塗膜を完全に硬化させる工程と
を、この順に有する円偏光分離シートの製造方法。 - 前記酸化防止剤が、前記塗膜を加熱して前記液晶化合物を配向させる工程で揮発する、請求項10記載の円偏光分離シートの製造方法。
- 請求項8又は9記載の円偏光分離シートと位相差フィルムとを備える、輝度向上フィルム。
- 請求項12記載の輝度向上フィルムと液晶パネルとを備える、液晶表示装置。
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|---|---|---|---|
| JP2010019719A JP5532974B2 (ja) | 2010-01-29 | 2010-01-29 | 液晶層形成用組成物、円偏光分離シート及びその製造方法、並びに輝度向上フィルム及び液晶表示装置 |
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