以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る改修方法によって改修される前の建物100について説明する。図1は、本実施形態に係る改修方法による改修前の建物内の構造を示す概略斜視図である。図2は、図1の下がり壁10のII−II線に沿った断面図である。図3は、図2の下がり壁10を拡大して示す断面図である。なお、図2及び図3では、下がり壁10に加えて、建物100における天井2の下地材の納まりを示している。また、図2及び図3では、吊り収納3の図示を省略している。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る改修方法は、例えば建物100内のキッチン空間R1とダイニング空間R2との間に設けられた下がり壁10(壁体)の一部を撤去する改修方法である。キッチン空間R1は、下がり壁10の一方側の第一の空間であって、ダイニング空間R2は、下がり壁10の他方側の第二の空間である。本実施形態に係る改修方法は、下がり壁10の両側の空間であるキッチン空間R1とダイニング空間R2とを一体化するために用いられる。
建物100内には、キッチン空間R1とダイニング空間R2とが含まれており、キッチン空間R1とダイニング空間R2との間には、下がり壁10が形成されている。下がり壁10は、キッチン空間R1及びダイニング空間R2のそれぞれの天井2よりも下方側に突出している。下がり壁10は、床から離間している。例えば、下がり壁10は、キッチン空間R1の天井2及びダイニング空間R2の天井2のうち、高さ位置が低い方の天井2よりも所定の距離(例えば、約60〜80cm程度)だけ垂れ下がっている。下がり壁10のキッチン空間R1側には、吊り収納3等が固定されている。
図2に示すように、建物100は、梁5と、梁5に吊り金物14を介して保持されている野縁受け6と、野縁受け6に固定されている野縁7(天井下地)と、野縁7にビス等で固定されている石膏ボード9と、を備えている。野縁7は、キッチン空間R1及びダイニング空間R2のそれぞれの天井2の下地材である。石膏ボード9は、キッチン空間R1空間側の野縁7と、ダイニング空間R2側の野縁7とにそれぞれ固定されている。これにより、キッチン空間R1の天井2と、ダイニング空間R2の天井2とが形成されている。
キッチン空間R1の天井2は、キッチン空間R1内を向いている天井面2aを有しており、ダイニング空間R2の天井2は、ダイニング空間R2内を向いている天井面2bを有している。キッチン空間R1の天井面2aと、ダイニング空間R2の天井面2aとの高さ位置は、図示するように同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。すなわち、キッチン空間R1の天井面2aと、ダイニング空間R2の天井面2bとの間に段差があってもよい。例えば、もともとの設計上、キッチン空間R1の天井面2aが、ダイニング空間R2の天井面2bより10cm程度低くてもよい。また、設計上は天井面2aと天井面2bとの高さを同一に設定しているが、施工誤差等により天井面2aが天井面2bよりも3mm程度高くてもよい。
また、建物100は、キッチン空間R1とダイニング空間R2との間に設けられた壁下地11,12と、壁下地11,12にビス等で固定されている複数の石膏ボード13と、を備えている。
壁下地11,12は、下がり壁10の下地材である。壁下地11(上端下地)は、下がり壁10の上端側の下地材である。壁下地11は、キッチン空間R1側の野縁受け6及び野縁7と、ダイニング空間R2側の野縁受け6及び野縁7との間に位置している。壁下地12は、下がり壁10の下端側の下地材である。壁下地12は、壁下地11に対向し且つ下方側に位置している。
図3に示すように、壁下地11,12のキッチン空間R1側の面11c,12cと、壁下地11,12のダイニング空間R2側の面11d,12dと、壁下地12の下端面12aとに、それぞれ石膏ボード13が貼り付けられている。これにより、キッチン空間R1とダイニング空間R2との間に位置する下がり壁10が形成されている。下がり壁10は、キッチン空間R1の天井面2aと、ダイニング空間R2の天井面2bとの境界に位置している。下がり壁10は、キッチン空間R1とダイニング空間R2とを仕切る機能を有している。下がり壁10は、内部に空洞部分を有する中空構造である。
壁下地11は、キッチン空間R1側の野縁7の端部7c(第一端部)とビス等によって固定されていると共に、ダイニング空間R2側の野縁7の端部7d(第二端部)とビス等によって固定されている。すなわち、キッチン空間R1側の野縁7の端部7cと、ダイニング空間R2側の野縁7の端部7dとが、壁下地11によって連結されている。
壁下地11の下面11aは、キッチン空間R1側及びダイニング空間R2側の各天井面2a,2bより下方側に位置している。壁下地11の上面11bは、キッチン空間R1側及びダイニング空間R2側の各野縁7の下面7aより上方側に位置している。壁下地11は、各野縁7、すなわちキッチン空間R1及びダイニング空間R2のそれぞれの天井2の天井下地に対し、勝ち納まりとなっている。
下がり壁10は、キッチン空間R1側の表面である壁面10aと、ダイニング空間R2側の表面である壁面10bと、下端側の表面である壁面10cと、を有している。壁面10cは、壁面10aと壁面10bとの間を連結するように延びており、天井2と対向する床面側を向いている。
キッチン空間R1の天井面2aと、ダイニング空間R2の天井面2bと、下がり壁10の各壁面10a,10b,10cとは、仕上げ材21によって覆われている。仕上げ材21は、例えばクロス等である。なお、各天井面2a,2bと、下がり壁10の各壁面10a,10b,10cとは、図示するように複数枚の仕上げ材21によって連続的に覆われていてもよく、一枚の仕上げ材21によって一体的に覆われていてもよい。
下がり壁10の上方部10dとキッチン空間R1との間には、見切り材として、回り縁15が設けられている。例えば、回り縁15は、下がり壁10の壁面10aと天井面2aとの境目部16に設けられている。回り縁15は、帯状であって、仕上げ材21を介して境目部16を覆っている。
下がり壁10の上方部10dとダイニング空間R2との間には、見切り材として、回り縁17が設けられている。例えば、回り縁17は、下がり壁10の壁面10bと天井面2bとの境目部18に設けられている。回り縁17は、帯状であって、仕上げ材21を介して境目部18を覆っている。
続いて、図4〜図6を参照して、改修後の建物内の構造について説明する。図4は、本実施形態に係る改修方法による改修後の建物1内の構造を示す概略斜視図である。図5は、図4に示す下がり壁10の上方部10dのV−V線に沿った断面図である。図6は、図5の下がり壁10の上方部10dを拡大して示す断面図である。なお、図5及び図6では、下がり壁10の上方部10dに加えて、建物1における天井2の下地材の納まりを示している。以下、本実施形態に係る改修方法による改修後を単に「改修後」ともいい、本実施形態に係る改修方法による改修前を単に「改修前」ともいう。
図4〜図6に示すように、改修後の建物1内には、改修前の建物100と同様、キッチン空間R1とダイニング空間R2とが含まれている。その一方で、改修後の建物1内では、改修前の建物100内においてキッチン空間R1とダイニング空間R2との間に位置していた下がり壁10の下方部10eが撤去されており、下がり壁10の上方部10dが残存している。改修後の建物1内では、改修前の建物100において下がり壁10のキッチン空間R1側に固定されていた吊り収納3等が取り外されている。改修後の建物1内には、キッチン空間R1とダイニング空間R2との間に改修壁構造1a(図6参照)が設けられている。
図5に示すように、改修後の建物1は、改修前の建物100と同じく、梁5と、野縁受け6と、野縁7と、石膏ボード9と、を備えている。また、改修壁構造1aは、下がり壁10の上方部10d(上方壁部)と、新規の壁下地33と、新規の石膏ボード34と、を備えている。
下がり壁10の上方部10dは、改修後において残存している下がり壁10の残存部分である(図8の(a)参照)。下がり壁10の上方部10dは、キッチン空間R1及びダイニング空間R2の天井2と固定されている。下がり壁10の上方部10dは、キッチン空間R1の天井面2a及びダイニング空間R2の天井面2bよりも下方側に突出している。下がり壁10の上方部10dには、壁下地11と、側壁部13aと、側壁部13bとが含まれている。側壁部13aは、改修前において壁下地11,12のキッチン空間R1側の面11c,12cに貼り付けられていた石膏ボード13の上方部である。側壁部13bは、改修前において壁下地11,12のダイニング空間R2側の面11d,12dに貼り付けられていた石膏ボード13の上方部である。
壁下地33は、下がり壁10の上方部10dの下端側に対して石膏ボード34を設けるための下地材である。壁下地33は、壁下地11に対して例えばビス等によって固定され、壁下地11に対向し且つ下方側に位置している。壁下地33は、側壁部13aと側壁部13bとの間に位置している。壁下地33と各側壁部13a,13bとの間には接着剤等が塗布されていてもよい。壁下地33の下端面33aには、側壁部13aと側壁部13bとの間に位置するように、ビス又は接着剤等によって石膏ボード34が固定されている。これにより、キッチン空間R1とダイニング空間R2との間における天井4が形成されている。
天井4の天井面4aは、キッチン空間R1の天井面2a及びダイニング空間R2の天井面4aよりも所定の距離(例えば、約4〜6cm程度)だけ下方側に位置している。天井面4aは、キッチン空間R1の天井面2aと、ダイニング空間R2の天井面2bとの間を連結するように位置している。これにより、キッチン空間R1とダイニング空間R2とが一つの空間として一体化されている。天井面2aと天井面2bとの間に段差があっても、天井面4aによって当該段差を目立たなくすることができる。
図6に示すように、下がり壁10の上方部10dは、キッチン空間R1側の表面20aと、ダイニング空間R2側の表面20bと、下端面20cと、を有している。下端面20cは、本実施形態に係る改修方法によって下がり壁10の下方部10eが撤去されることにより、下がり壁10の上方部10dの下端側に形成されている(図8の(a)参照)。下端面20cは、下がり壁10の上方部10dを下方側から見た場合の切り口面である。下端面20cの下方側において、キッチン空間R1とダイニング空間R2とが連通されている。すなわち、キッチン空間R1とダイニング空間R2とが上方部10dを境に一体化されている。本実施形態において、下端面20cは、側壁部13aの下端面13cと、側壁部13bの下端面13dと、各下端面13c,13dの間における空洞部分を下方側から見た場合の仮想的な仮想面13e(図8の(a)参照)とを含んでいる。
改修後において、キッチン空間R1側の天井面2aと、下がり壁10の上方部10dの表面20a,20b及び下端面20cとは、新規の仕上げ材41によって覆われている。仕上げ材41は、例えばクロス等である。新規の仕上げ材41とは、ダイニング空間R2の天井面2bを覆っている仕上げ材21よりも新しい仕上げ材である。例えば、新規の仕上げ材41とは、改修に伴って天井面2aや下がり壁10等に新たに貼り付けられ、仕上げ材21よりも貼られた後の時間の経過が少ないもの等をいう。キッチン空間R1側の天井面2aと、下がり壁10の上方部10dの表面20a,20b及び下端面20cとは、図示するように複数枚の仕上げ材41によって連続的に覆われていてもよく、一枚の仕上げ材41によって一体的に覆われていてもよい。また、下がり壁10の上方部10dの表面20bは、その少なくとも一部が仕上げ材41によって覆われていればよく、その全体が仕上げ材41によって覆われていなくてもよい。
下がり壁10の上方部10dの下端面20cを覆っている仕上げ材41は、下がり壁10の上方部10dの下端側に設けられた石膏ボード34に対して接着剤等によって貼り付けられている。よって、キッチン空間R1側の天井面2aと、キッチン空間R1とダイニング空間R2との間に位置する天井面4aとには、いずれも新規の仕上げ材41が貼り付けられており、各天井面2a,4aが同化している。これにより、改修後の天井面2a,4aの見た目に一体感が与えられている。
これに対し、ダイニング空間R2の天井面2bは、既設の仕上げ材21によって覆われた状態を維持している。一般に、ダイニング空間R2に比べて、キッチン空間R1の方が狭い。このため、本実施形態に係る改修方法では、ダイニング空間R2の天井面2bはそのまま維持して、改修作業がより少なくて済むキッチン空間R1側の天井面2aを新規の仕上げ材41によって改修している。
下がり壁10の上方部10dとキッチン空間R1との間には、見切り材として、新規の回り縁51が設けられている。例えば、回り縁51は、下がり壁10の上方部10dの表面20aと天井面2aとの境目部52に設けられている。回り縁51は、帯状であって、仕上げ材41を介して境目部52を覆っている。天井2に略垂直な高さ方向において、回り縁51の幅は、上方部10dの幅と略同じである。なお、新規の回り縁51に代えて、キッチン空間R1側の既設の回り縁15が設けられていてもよい。
下がり壁10の上方部10dとダイニング空間R2との間には、見切り材として、新規の回り縁53が設けられている。例えば、回り縁53は、下がり壁10の上方部10dの表面20bと天井面2bとの境目部54に設けられている。回り縁53は、帯状であって、仕上げ材41,21を介して境目部54を覆っている。すなわち、回り縁53は、仕上げ材41のダイニング空間R2側の端部41aを覆っている。天井2に略垂直な高さ方向において、回り縁53の幅は、上方部10dの幅と略同じである。なお、新規の回り縁53に代えて、ダイニング空間R2側の既設の回り縁17が設けられていてもよい。
次に、図7〜図9を参照して、本実施形態に係る改修方法の各工程について詳細に説明する。図7〜図9は、本実施形態に係る改修方法による各工程を示す概念図である。
まず、図7の(a)及び図7の(b)に示すように、改修前の下がり壁10に設けられていた各回り縁15,17を、下がり壁10から撤去する。また、仕上げ材21を、天井面2aと、下がり壁10の各壁面10a,10b,10cとから剥がす。この際、天井面2bにおける仕上げ材21は、天井面2bから剥がすことなく残存させる。
続いて、図8の(a)に示すように、下がり壁10の上方部10dを残存させつつ、下がり壁10の下方部10e(図5及び図6参照)を撤去する。具体的には、下がり壁10を電動のこぎり等によって切断することにより、下がり壁10の下方部10eを取り除く。これにより、下がり壁10の上方部10dには下端面20cが形成される。この下方部10eを撤去する工程において、下方部10eと共に、下がり壁10のキッチン空間R1側に固定されていた吊り収納3(図1参照)を撤去する。また、この下方部10eを撤去する工程において、下方部10eと共に、下がり壁10の下端側の壁下地12とを撤去する。その一方で、この下方部10eを撤去する工程において、下がり壁10の上端側の壁下地11は、撤去することなく残存させる。
続いて、図8の(b)に示すように、残存している上方部10dに対して、新規の壁下地33及び新規の石膏ボード34を設ける。具体的に、下がり壁10の上方部10dに含まれている側壁部13aと側壁部13bとの間に位置するように、壁下地33及び新規の石膏ボード34を設ける。この際、壁下地33を、壁下地11に対向し且つ下方側に位置するように、ビス等によって壁下地11に固定する。壁下地33と各側壁部13a,13bとの間には、接着剤等を塗布してもよい。壁下地33の下端面33aには、新規の石膏ボード34をビス又は接着剤等によって貼り付ける。これにより、キッチン空間R1とダイニング空間R2との間に位置する天井4が形成される。
続いて、図9の(a)に示すように、クロス等の新規の仕上げ材41を設ける。具体的には、キッチン空間R1の天井面2aと、下がり壁10の上方部10dのキッチン空間R1側の表面20aと、下がり壁10の上方部10dのダイニング空間R2側の表面20bと、下がり壁10の上方部10dの下端面20cとを、仕上げ材41で覆う。この際、キッチン空間R1側の天井面2aと、下がり壁10の上方部10dの表面20a,20b及び下端面20cとを、複数枚の仕上げ材41で連続的に覆ってもよく、一枚の仕上げ材41によって一体的に覆ってもよい。なお、仕上げ材41によって、下がり壁10の上方部10dの表面20bの少なくとも一部を覆えばよく、必ずしも表面20bの全体を覆わなくてもよい。下がり壁10の上方部10dのキッチン空間R1側の表面20a,20bと、石膏ボード34の表面34aとには、接着剤等によって仕上げ材41を貼り付ける。また、この新規の仕上げ材41で覆う工程において、ダイニング空間R2の天井面2bは、既設の仕上げ材21で覆われた状態を維持している。
続いて、図9の(b)に示すように、新規の回り縁51,53を設ける。まず、下がり壁10の上方部10dとキッチン空間R1との間に、新規の回り縁51を設ける。具体的には、仕上げ材41を介し、下がり壁10の上方部10dの表面20aと天井面2aとの境目部52を覆うように、新規の回り縁51を設ける。
また、下がり壁10の上方部10dとダイニング空間R2との間に、新規の回り縁53を設ける。具体的には、仕上げ材41,42を介し、下がり壁10の上方部10dの表面20bと天井面2bとの境目部54とを覆うように、新規の回り縁53を設ける。すなわち、新規の仕上げ材41で覆う工程の後に、仕上げ材41のダイニング空間R2側の端部41aを覆うように回り縁53を設ける。なお、新規の回り縁51,53に代えて、既設の回り縁15,17を再度設けてもよい。以上によって、キッチン空間R1とダイニング空間R2とが一体化された改修後の建物1内の構造が構成される。
以上、本実施形態に係る改修方法によれば、天井2の下地材等に手を加えることなく、キッチン空間R1とダイニング空間R2との間に設けられた下がり壁10の下方部10eを撤去するという最小限の作業により、下がり壁10の両側のキッチン空間R1とダイニング空間R2とを一体化することができる。また、下がり壁10の上方部10dを残存させるため、キッチン空間R1及びダイニング空間R2のそれぞれの天井面2a,2bの間に段差があっても目立たなくすることができる。これに加えて、キッチン空間R1の天井面2aと、下がり壁10の上方部10dのキッチン空間R1側の表面20aと、下がり壁10の上方部10dの下端面20cとが、いずれも新規の仕上げ材41で覆われるため、下がり壁の上方部10dがキッチン空間R1の天井面2aと同化して、見た目に一体感を与えることができる。以上より、下がり壁10の撤去を伴う改修作業を容易に実現できると共に、改修後の見た目を改善することができる。
また、本実施形態に係る改修方法によれば、一般にダイニング空間R2に比べて狭いキッチン空間R1の天井面2aが改修されるため、改修作業が少なくて済む。さらに、調理等により油汚れ等が付着しやすいキッチン空間R1側のみ新規の仕上げ材41によって改修し、ダイニング空間R2側はそのままとするため、少ない改修作業による見た目の改善効果が大きい。
また、本実施形態に係る改修方法によれば、新規の仕上げ材41の端部41aが回り縁53によって覆われるため、納まりが良くなり、見た目を一層改善することができる。
また、本実施形態に係る改修方法によれば、改修時に撤去する対象を下がり壁10としているため、下方部10eの撤去が容易となる。さらに、例えば床面から天井面までの高さを有する間仕切り壁は、床側と天井側との両方で保持されている。よって、改修時に撤去する対象をこのような間仕切り壁とする場合、間仕切り壁の下方部の撤去後に残存した間仕切り壁の上方部を構造的に維持できるか否かの問題が生じる可能性がある。これに対し、本実施形態に係る改修方法によれば、改修時に撤去する対象が下がり壁10であることにより、もともと天井2側によって強固に保持されている。よって、下がり壁10の下方部10eを撤去しても、残存した下がり壁10の上方部10dを構造的に維持することができる。
また、本実施形態に係る改修方法によれば、下がり壁10の下方部10eと共に吊り収納3を撤去することで、キッチン空間R1とダイニング空間R2とを少ない改修作業で一体化することができる。さらに、吊り収納3が固定されている下がり壁10は、吊り収納3の荷重を受けられるように、天井2側でより強固に保持されているため、下がり壁10の下方部10eを撤去しても、残存した下がり壁10の上方部10dを構造的に確実に維持することができる。
また、本実施形態に係る改修方法によれば、下がり壁10の下方部10eを撤去した後においても、野縁7に対して勝ち納まりとなっている壁下地11が残存している。よって、下がり壁10の下方部10eを撤去した後においても、キッチン空間R1側及びダイニング空間R2側における各野縁7の端部7c,7d同士が壁下地11によって連結された状態が維持されるので、改修後も天井2の端部が垂れ下がらず、見た目を良くすることができる。
本実施形態に係る改修壁構造1aによれば、上方部10dの下端面20cの下方側において、キッチン空間R1とダイニング空間R2とが連通されている。すなわち、キッチン空間R1とダイニング空間R2とが上方部10dを境に一体化されている。上方部10dは、キッチン空間R1の天井面2a及びダイニング空間R2の天井面2bよりも下方側に突出しているため、キッチン空間R1及びダイニング空間R2のそれぞれの天井面2a,4aの間に段差があっても目立たなくすることができる。これに加えてキッチン空間R1の天井面2aと、上方部10dのキッチン空間R1側の表面20aと、上方部10dの下端面20cとが、同一の仕上げ材41によって覆われているため、上方部10dがキッチン空間R1の天井面2aと同化して、見た目に一体感を与えることができる。よって、改修後の見た目を改善することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
例えば、上記実施形態において、石膏ボード34は、側壁部13aと側壁部13bとの間に位置するように設けられているが、これに限られない。例えば、下がり壁10の上方部10dの下端面20cの全体を覆うように石膏ボード34を設け、石膏ボード34の表面を、仕上げ材41で覆ってもよい。すなわち、下がり壁10の上方部10dの下端面20cを、石膏ボード34を介して仕上げ材41で覆ってもよい。
上記実施形態では、既設の仕上げ材21を下がり壁10の壁面10bから剥がすと共に、新規の仕上げ材41によって、下がり壁10の上方部10dの表面20bを覆うとしたが、これに限られない。例えば、既設の仕上げ材21を下がり壁10の壁面10bから剥がさずにそのまま残存させてもよい。すなわち、新規の仕上げ材41で覆う工程では、天井面2aと、下がり壁10の上方部10dの表面20a及び下端面20cとを仕上げ材41で覆えばよく、下がり壁10の上方部10dの表面20bについては必ずしも仕上げ材41で覆わなくてもよい。換言すると、新規の仕上げ材41で覆う工程において、下がり壁10の上方部10dの表面20bは、既設の仕上げ材21で覆われた状態を維持していてもよい。改修壁構造1aにおいて、下がり壁10の上方部10dの表面20bが仕上げ材41で覆われていなくてもよく、既設の仕上げ材21で覆われていてもよい。また、回り縁51,53を設けなくてもよい。
上記実施形態では、既設の仕上げ材21を剥がした後に、下がり壁10の下方部10eを撤去しているが、これに限られず、下がり壁10の下方部10eを既設の仕上げ材21と共に撤去してもよい。
上記実施形態において、下がり壁10は、内部に空洞部分を有する中空構造であって、下がり壁10の上方部10dの下端面20cには、各下端面13c,13dの間における空洞部分を下方側から見た場合の仮想面13eが含まれているとしているが、これに限られない。例えば、下がり壁10は、内部に空洞部分を有する中空構造ではなく中身が詰まった中実構造であってもよく、下がり壁10の上方部10dの下端面20cは、仮想面13eを含まない中身が詰まった断面であってもよい。また、下がり壁10は、内部において、横桟材である壁下地11,12の他、縦桟材の壁下地を所定間隔毎に配置されるように有していてもよい。
上記実施形態では、撤去する対象を下がり壁10としているが、これに限られず、撤去する対象を例えば間仕切り壁等を含む種々の壁体としてもよい。