以下に添付図面を参照して、通信装置、信号電圧振幅レベルの制御方法、及びプログラムの実施の形態を詳細に説明する。以下では上記通信装置を複合機に適用した例を示す。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る複合機の外観の一例を示す図である。図1に示す複合機100は、スキャナやプリンタの機能を搭載した複合機である。複合機100は、本体10の上部に、操作部11や原稿送り装置12などを備える。原稿送り装置12は、原稿送り装置12の直下の、原稿読取スキャナのガラス面上部に開閉自在に設けられている。また、複合機100は、本体10内部の中部から下部に、主に、給紙トレイ13を含む給紙部や、搬送機構の一部や、プリンタを有する。複合機100は、給紙トレイ13の印刷用紙を給紙部により給紙し、その印刷用紙を搬送機構でプリンタへ搬送して印字画像を形成する。そして、複合機100は、プリンタで印字した印刷用紙を排出口から排出する。
操作部11は、タッチ式の表示ディスプレイ14の画面や、汎用USB(Universal Serial Bus)ホストコネクタ15などを外部に露出して備えている。タッチ式の表示ディスプレイ14は、液晶等の表示ディスプレイの画面にタッチパネルを設けた操作ユニットである。
操作部11は、更に、筐体内部に上記汎用USBホストコネクタ15を搭載する中継基板P2(図2参照)を有する。複合機100の各部を制御する制御基板P1(図2参照)については、本体10の背面側の筐体内部に収められている。
図2は、複合機と、該複合機に接続した汎用USBデバイス装置との、USB通信に係るハードウエアブロック図を示している。図2に示す複合機100は、制御基板P1を備え、その制御基板P1にCPU(Central Processing Unit)101、USBホストコントローラ102、DIPスイッチ103、FlashROM(Read Only Memory)104、第1のUSBホストコネクタ105などを有する。
複合機100は、物理的構成上、制御基板P1と汎用USBホストコネクタ15とが離れた位置に配置される。このため、複合機100は、更に中継基板P2を備えている。中継基板P2には、中継コネクタ106や上記汎用USBホストコネクタ(以下、第2のUSBホストコネクタと呼ぶ)15を設けている。第1のUSBホストコネクタ105と中継コネクタ106は、複合機100の種類に応じて、それに適したケーブル長の中継ケーブル107により機内において接続される。第2のUSBホストコネクタ15は、汎用USBデバイス装置200のUSBデバイスコネクタ20と、汎用USBケーブル30により機外において接続される。本実施形態では、主に、中継ケーブル107と中継基板P2とにより機内の信号伝送路(以下、機内の信号伝送路を、機内伝送路と略す)を構成している。
CPU101は、中央演算処理装置である。CPU101には、USBホストコントローラ102や、FlashROM104や、タッチ式の表示ディスプレイ14(図1参照)や、各部のインタフェース回路などがバスを介して接続されている。
CPU101は、FlashROM104に記憶された制御プログラムなどを実行して複合機100全体を制御する。その内の一処理として、CPU101は、USBホストコントローラ102に駆動電流値を設定するための後述する初期設定処理を行う。
USBホストコントローラ102は、駆動電流値の設定レジスタを有し、当該設定レジスタに設定した駆動電流値により電流駆動する。USBホストコントローラ102は、更に出力回路を備え、上記駆動電流値による上記電流駆動により、CPU101が出力したデータを差動信号に変換して信号伝送路に出力する。この差動信号は、上記設定レジスタの駆動電流値の設定に応じた電圧振幅レベルで出力される。なお、USBホストコントローラ102は、ロウスピードやフルスピードやハイスピードなどの転送モードに対応している。USBホストコントローラ102は、汎用USBケーブル30により複合機100と汎用USBデバイス装置200が接続されると、汎用USBデバイス装置200の転送モードを判別し、より高速の転送モードで信号を伝送する。
DIPスイッチ103は、機内伝送路の構成を示す伝送路情報を設定するためのDIPスイッチである。DIPスイッチ103は、例えば8つのスイッチを有し、各スイッチの切り替えによりHigh「1」又はLow「0」を設定する。設定した8ビット信号で示される伝送路情報はCPU101がUSBの初期設定プログラムなどを実行した際に読み込む。なお、DIPスイッチ103とCPU101との配線方法については図を用いて後述する。
FlashROM104は、制御プログラムや、各種データを記憶する。制御プログラムには、USBの初期設定プログラムなども含まれる。各種データには、USBホストコントローラ102の設定レジスタに設定可能な駆動電流値を示す情報(以下において信号電圧調節情報とも呼ぶ)や、各種の画面情報(例えば初期設定の画面情報)などが含まれる。
中継基板P2は、USBホストコントローラ102と汎用USBデバイス装置200との間の伝送信号を中継する中継基板である。パターン108は、中継基板P2に設けた伝送路の回路パターンである。
中継ケーブル107は、USB規格に準拠するケーブルである。具体的には、差動信号を伝送する+Dと−Dのデータラインと、電源ラインと、GNDとからなる。+Dと−Dのデータラインはノイズ低減のため撚線にして束ねてある。
続いて、DIPスイッチ103とCPU101との上記配線方法について説明する。
図3は、CPU101とDIPスイッチ103の配線方法の一例を示す図である。図3には、CPU101の入力ポートn1〜入力ポートn8をそれぞれプルアップ抵抗r1〜プルアップ抵抗r8によりプルアップ接続したものを示している。この配線方法では、DIPスイッチ103のスイッチSW1〜スイッチSW8をそれぞれスイッチ切替することにより、入力ポートn1〜入力ポートn8の入力状態がそれぞれHIGH「1」又はLOW「0」となる。
例えば、スイッチSW1を閉じた場合、入力ポートn1はLOW「0」となり、スイッチSW1を開いた場合、入力ポートn1はHIGH「1」となる。従って、スイッチSW1〜スイッチSW7を全て閉じ、スイッチSW8のみ開いた場合には、入力ポートn1、入力ポートn2、・・・入力ポートn8は、0、0、0、0、0、0、0、1となり、CPU101に「00000001」の8ビット信号が入力されることになる。
なお、DIPスイッチ103とCPU101との配線はプルアップ接続したものに限らずプルダウン接続したものであっても良い。
続いて、振幅電圧レベルの制御についてハイスピードモードを例に説明する。
図4は、図2に示すハードウエアブロック図の伝送路の等価回路を示す図である。図4において、第1回路A1は、USBホストコントローラ102の出力回路に係る等価回路である。第2回路A2は、上記出力回路の出力端T1から複合機100の出力端T2までの機内伝送路に係る等価回路である。第3回路A3は、汎用USBデバイス装置200の入力回路に係る等価回路である。
なお、上記出力回路の出力端T1と上記複合機の出力端T2は「機内伝送路の両端部」を構成する。本実施形態において、出力端T1は、第1のUSBホストコネクタ105(図2参照)の出力信号端子のことであり、出力端T2は、第2のUSBホストコネクタ15(図2参照)の出力信号端子のことである。以下では、出力端T1を制御基板出力端T1、出力端T2を装置出力端T2に読み替えて説明する。
第1回路A1に示す定電流源A10は、USBホストコントローラ102の定電流回路である。定電流源A10は、設定レジスタに設定された駆動電流値に駆動電流を固定する。例えば、設定レジスタに駆動電流値として「0%」を示すデータが設定された場合、ハイスピードモードの電流値の標準値(17.8mA)に駆動電流を固定する。また、「+10%」を示すデータが設定された場合、標準値(17.8mA)の10%増の値に駆動電流を固定する。
第1回路A1に示す抵抗R1は上記出力回路の出力終端抵抗である。ハイスピードモードにおいて抵抗R1の標準値は45Ωとなる。
第2回路A2に示す抵抗成分R2と容量成分C1は、機内伝送路に含まれるインピーダンスを示している。抵抗成分R2は、機内伝送路の直流抵抗成分を示し、容量成分C1は、交流抵抗成分を示す。インピーダンスは機内伝送路の構成(例えば、中継ケーブル107のケーブルのケーブル長や、中継基板P2のパターン長等)に応じて異なる値を示す。
第3回路A3に示す抵抗R3は、汎用USBデバイス装置200の入力回路の入力終端抵抗である。ハイスピードモードにおいて抵抗R3の標準値は45Ωとなる。
第2回路A2の抵抗成分R2と容量成分C1を含まない理想的な構成において、ハイスピードモードでは、次式(1)が成立する。
電圧の振幅レベル=終端抵抗/2×駆動電流の電流値・・・(1)
従って、電流値が標準値(17.8mA)における電圧の振幅レベルは、45Ω/2×17.8mA=400mVとなる。
図5は、駆動電流値と、制御基板出力端T1及び装置出力端T2における差動信号の電圧振幅レベルとの関係を示す説明図である。図5の横軸は、定電流源A10の駆動電流値(X)を示し、縦軸は差動信号の電圧の振幅レベル(Y)を示している。
図5に示す斜線部Eは、USB規格を満たす電圧振幅レベルの範囲(「所定範囲」の一例)を表している。斜線部Eが示すように、USB規格では電圧振幅レベルに上限と下限がある。制御基板出力端T1や装置出力端T2などの各点(テストポイント)において電圧振幅レベルが斜線部E内に収まることにより受信側の信号品質が保障される。
図5に示す例において、グラフG1は、機内伝送路のインピーダンスが値「0」の理想的な機内伝送路の構成の駆動電流値と各テストポイントの電圧振幅レベルとの関係を示している。機内伝送路のインピーダンス値=0の理想的な構成においては各テストポイントの電圧振幅レベルは同じ値を示す。このため、駆動電流値と各テストポイントの電圧振幅レベルとの関係はグラフG1の1つのグラフにより表される。機内伝送路の長さが「0」又は「0」に近い場合なども、これに該当する。理想的な構成においては、駆動電流値を駆動電流値X1〜駆動電流値X2までの範囲に設定すれば装置出力端T2の電圧振幅レベルは斜線部E内に収まることになる。勿論、駆動電流値を標準の17.8mAに設定しておけば、斜線部E内の標準値(400mV)の電圧振幅レベルが得られる。
本実施形態に示す複合機100は、物理的構成上、制御基板P1と第2のUSBホストコネクタ15とが離れた位置にあるため、これらを中継ケーブル107などを介して接続する必要がある。従って、機内伝送路の構成に応じて機内伝送路のインピーダンスが高くなる傾向となる。機内伝送路の構成を無視できない場合の駆動電流値の範囲の設定方法は、次の通りとなる。
図5に示すグラフG2とグラフG3は、それぞれ、中継ケーブル107と中継基板P2により機内接続した場合の制御基板出力端T1と装置出力端T2における駆動電流値と電圧振幅レベルとの関係の一例を示している。各グラフG2、グラフG3が示すように、駆動電流値が高くなるに連れ、各テストポイントの電圧振幅レベルのギャップ(矢印Z)が相対的に広がる傾向を示す。
ここで、グラフG3が示す装置出力端T2の電圧振幅レベルに基づいて駆動電流値の範囲を設定すると、駆動電流値を駆動電流値a1〜駆動電流値a2までの範囲に設定すれば装置出力端T2の電圧振幅レベルは斜線部E内に収まることになる。しかし、グラフG2を考慮せずに図5に示す駆動電流値b1〜駆動電流値a2までの範囲に設定すると、その範囲では、グラフG2が示す制御基板出力端T1の電圧振幅レベルが斜線部Eから外れることになる。つまり、制御基板出力端T1の出力信号が規格外のものとなり、受信側の信号品質が保障されなくなる。従って、グラフG2についても考慮し、駆動電流値を駆動電流値a1〜駆動電流値b1の範囲内に設定する。
このように、本実施形態に示す複合機100では、各テストポイントの電圧振幅レベルが共に斜線部E内に収まるように駆動電流値の範囲を設定する。
なお、グラフG2とグラフG3においては、駆動電流値を標準の17.8mAに設定したままでも、各テストポイントにおいて共に斜線部E内の電圧振幅レベルが得られるものを示している。しかし、各グラフG2、グラフG3は、機内伝送路長を長くするなどして伝送路の構成が変わり、機内伝送路のインピーダンスが大きくなると、電圧振幅レベルのギャップが更に広がり、標準値からの変更が必要になる。このように標準値からの変更が必要になったときに、上述したようにグラフG3だけではなくグラフG2の考慮が必要になる。
図6は、機内伝送路の構成と駆動電流との関係を示す説明図である。図6の横軸は、機内伝送路の長さを表す構成番号(構成番号1、構成番号2、・・・)であり、縦軸は図5と同様に差動信号の電圧の振幅レベル(Y)を示している。斜線部Eは、図5と同様にUSB規格を満たす範囲を表している。
ここで、構成番号とは、機内伝送路の構成を機内伝送路の長さに応じてグループ分けした番号である。一例として、構成番号1(250mm≧機内伝送路長)、構成番号2(500mm≧機内伝送路長>250mm)、構成番号3(750mm≧機内伝送路長>500mm)、構成番号4(1000mm≧機内伝送路長>750mm)、構成番号5(1250mm≧機内伝送路長>1000mm)、・・・とする。本実施形態では、一例として上記機内伝送路長を、中継基板P2のパターン長を無視できる長さのものとし、中継ケーブル107のケーブル長(機内ケーブル長)に限定して説明する。
実線グラフg1は、駆動電流を標準値に固定した場合の、各構成番号に対する差動信号の電圧振幅レベルを示すグラフの一例である。実線グラフg1において、右肩上がりの直線g1−1が制御基板出力端T1における電圧振幅レベルの変化を示すグラフであり、右肩下がりの直線g1−2が装置出力端T2における電圧振幅レベルの変化を示すグラフである。
破線グラフg2は、駆動電流を標準値から10%増加した場合の、各構成番号に対する差動信号の電圧振幅レベルの変化を示すグラフである。破線グラフg2において、右肩上がりの直線g2−1が制御基板出力端T1における電圧振幅レベルの変化を示し、右肩下がりの直線g2−2が装置出力端T2における電圧振幅レベルの変化を示す。また、破線グラフg3は、駆動電流を標準値から20%増加した場合の、各構成番号に対する差動信号の電圧振幅レベルの変化を示すグラフである。破線グラフg3において、右肩上がりの直線g3−1が制御基板出力端T1における電圧振幅レベルの変化を示し、右肩下がりの直線g3−2が装置出力端T2における電圧振幅レベルの変化を示す。なお、図6には省略しているが、駆動電流を標準値から10%減少した場合のものや20%減少させたものなども適宜含まれるものとする。例えば駆動電流を標準値から減少させたものにおいては、実線グラフg1をY軸の負の方向へ減少率に応じてシフトした形状のグラフになる。
FlashROM104への構成番号と駆動電流値の情報(信号電圧調節情報)の対応付けは、一例を示すと次のようになる。例えば構成番号5(1250mm≧機内ケーブル長>1000mm)について考える。構成番号5では、実線グラフg1の直線g1−1との交点Q1のY座標の値がY1となり、直線g1−2との交点Q2のY座標の値がY2となる。つまり、駆動電流値を標準値に設定した場合、構成番号5の機内ケーブル長においては、装置出力端T2の電圧振幅レベルが斜線部Eの下限値を下回る。従って、グラフg1を矢印Z1が示す上方にシフトさせる必要がある。
図6に示す例では、標準値から10%増加させることにより、破線グラフg2となり、その直線g2−1と直線g2−2のそれぞれの交点Q3、Q4のY座標の値は、Y3、Y4となる。Y3とY4は共に電圧振幅レベルが斜線部E内に収まるので、標準値から10%増加させた駆動電流値は規格に適合する。
また、図6に示す例では、標準値から20%増加させた場合においても同様のことが言える。標準値から20%増加させた場合、破線グラフg3となり、その直線g3−1と直線g3−2のそれぞれの交点Q5、Q6のY座標の値は、Y5、Y6となる。Y5とY6は共に電圧振幅レベルが斜線部E内に収まるので、規格に適合する。この場合、10%増と20%増が共に適合するため、何れか一方を信号電圧調節情報として決定する。
以上のような方法により、各構成番号に適合する信号電圧調節情報を決定し、それらをFlashROM104に対応付けて設定する。なお、この設定情報は、ユーザが入力しても良いし、図6に示すデータをFlashROM104に記憶させて自動プログラムに設定を行わせても良い。また、当該設定情報は、FlashROM104に予め記憶させて提供したものでも良いし、後からFlashROM104にコピーしたものでも良い。
図7は、図6に示す各グラフに基づく伝送路情報と設定情報を示す図である。図7(a)はDIPスイッチ103に設定する伝送路情報の構成表であり、図7(b)はFlashROM104が記憶する設定情報である。
図7(a)に示す伝送路構成表F1は、構成番号f1と機内ケーブル長f2との対応を示す構成表である。ここで、機内ケーブル長f2は、機内ケーブル長の範囲を設定した項目である。中継ケーブル107を新規に組み付ける作業者や、中継ケーブル107を交換するメンテナス作業者などは、中継ケーブル107の組み付けの際などに、伝送路構成表F1に従って中継ケーブル107の長さを示す構成番号を伝送路情報としてDIPスイッチ103に設定する。例えば、伝送路構成表F1から、機内ケーブル長f2の該当する機内ケーブル長に対応付けられている構成番号f1の番号を読み取り、その番号になるようにDIPスイッチ103の各スイッチを「1」又は「0」に切り替える。本実施形態では、十進数で示す構成番号を二進数に変換した値(十進数「5」であれば二進数「00000100」)を設定する。
図7(b)に示す設定情報D1は、構成番号d1(図7(a)の構成番号f1に対応)と、信号電圧調節情報d2とを対応付けた情報である。信号電圧調節情報d2は、本実施形態では、説明のため、標準の17.8mAを基準とする駆動電流の増加率又は減少率を百分率(%)で示している。信号電圧調節情報d2の内の「設定不可」は、適合する駆動電流値が無いことを示している。
次に、複合機100におけるUSBについての初期設定動作について説明する。当該設定動作は、中継ケーブル107の新規の組み付け後、中継ケーブル107の交換後、設定情報D1(図7参照)の書き換え後などにおいて1度実施する。例えば、作業者が、中継ケーブル107を取り付けた後にDIPスイッチ103を設定する。その後、作業者は、複合機100のシステムを起動し、表示ディスプレイ14の初期設定画面をタッチ操作しUSBの初期設定動作の開始をCPU101に命令する。CPU101は、この入力命令により、FlashROM104に記憶された初期設定プログラムを読み出して以下の処理を実行する。
図8は、CPU101による駆動電流値の初期設定動作フローの一例を示す図である。先ず、CPU101は、DIPスイッチ103により設定された8ビットの構成番号(構成番号f1に相当:図7参照)を読み取る(S1)。
続いて、CPU101は、FlashROM104の設定情報D1(図7参照)から、読み取った構成番号に対応する信号電圧調節情報を抽出する(S2)。
そして、CPU101は、抽出した信号電圧調節情報をUSBホストコントローラ102の駆動電流値の設定レジスタに設定し(S3)、本処理を終了する。
以上により、その後のUSB通信において、USBホストコントローラ102は、設定レジスタに設定した駆動電流値により駆動する。
本実施形態においてFlashROM104に記憶させる設定情報D1(図7参照)は、機内伝送路の構成と駆動電流との関係(図6参照)に基づいて設定したものである。図6に示す関係は、制御基板P1の構成、例えばUSBホストコントローラ102と第1のUSBホストコネクタ105間の信号伝送路の構成などに応じて、制御基板単位で変化する。従って、制御基板単位で、それに対応する設定情報をFlashROM104に記憶させることが好ましい。
本実施形態において伝送路構成表F1(図7参照)に示す機内ケーブル長の長さの分類や設定情報D1(図7参照)に示す信号電圧調節情報の増加率のピッチなどは一例である。これらの設定は適宜変形しても良い。例えば、機内ケーブル長をより細かく分類しても良い。また、信号電圧調節情報の増加率のピッチを10%よりも細かいものに設定しても良い。また、そのピッチを1mAなどの単位で増加又は減少させるように変形しても良い。
共通の制御基板P1を仕様の異なる複数の機器に搭載する場合には、予め、機内伝送路の様々な構成に応じた構成番号とその信号電圧調節情報との組合せをFlashROM104に設定情報として記憶させておくことが好ましい。この場合、伝送路構成表についても、それに合わせて構成番号と機内ケーブル長を対応付ける。
本実施形態では、信号電圧調節情報の記憶手段としてFlashROMを一例として示したが、他の記憶手段であっても良い。例えばROMやHDD(Hard Disk Drive)などであっても良い。また、本実施形態では、USBホストコントローラをCPUとは別体のものとして示したが、CPUと一体のものであっても良い。
本実施形態に示す汎用USBデバイス装置200は、USBホストコントローラ102に対してUSBのデバイス装置として動作する周辺機器等の外部機器である。汎用USBデバイス装置200は、USBのデバイス装置として動作するものであれば何れの装置であっても、USBホストコントローラ102と良好な通信品質を確保することができる。
本実施形態では、「伝送路情報記憶手段」として、DIPスイッチ103や、その設定状態をCPU101に出力する回路などを設けている。また、「調節情報記憶手段」として、設定情報D1を記憶させたFlashROM104を設けている。更に、「信号出力手段」として、設定レジスタを有するUSBホストコントローラ102を設けている。「設定手段」は、CPU101がFlashROM104に記憶されている初期設定プログラムを実行することにより機能部として実現され、DIPスイッチ103に設定された構成番号に対応する設定情報D1の信号電圧調節情報を上記設定レジスタに設定する。
以上の構成により、本実施形態の複合機において、機内の信号伝送路の各点における信号電圧の振幅レベルを機内伝送路の構成に応じて所定の範囲に収まるように調節することができる。このため、機内伝送路の構成が異なる場合でも、外部機器との通信品質の低下を抑止することができ、外部機器との通信品質が確保される。
(変形例1)
実施形態の複合機の変形例1として、設定情報D1(図7参照)に示す信号電圧調節情報d2の調節幅(信号電圧調節情報の候補)を複数設けたものについて示す。
図9は、変形例1の信号電圧調節情報の一例を示す図である。図9に示す信号電圧調節情報D2は、設定情報D1において示した構成番号d1に、調節幅可否情報d3を対応付けたものである。調節幅可否情報d3は、調節幅d30の項目として、−30%、−20%、−10%、0%、+10%、+20%、及び+30%の調節幅を示す項目を有し、それぞれに可否情報(「○」又は「×」/「○」又は「×」)がセットされている。また、調節幅可否情報d3は、調節範囲d31の項目を有する。なお、調節幅d30の「0%」は、実施形態と同様に標準の17.8mAを示し、「+10%」は標準の10%増、「−10%」は標準の10%減の電流値を示している。
上記可否情報(「○」又は「×」/「○」又は「×」)は、「/」の前後で、制御基板出力端T1の可否情報/装置出力端T2の可否情報を示している。例えば、構成番号5の、駆動電流値を標準の0%とした場合の可否情報として、「○/×」がセットされている。これは、制御基板出力端T1において規格を満たし(「○」)、装置出力端T2において規格を満たさない(「×」)ことを示している。構成番号5において、制御基板出力端T1と装置出力端T2において共に規格を満たす調節幅は「○/○」で示される「+10%」と「+20%」となる。
調節範囲d31は、調節幅の範囲を示している。例えば、構成番号5においては、「+10%」と「+20%」が「○/○」であるため、+10%〜+20%までの範囲であれば任意の増加率で信号電圧調節情報が設定できることを示している。「NG」は標準値を含め、設定できるものがないことを表している。
変形例1の信号電圧調節情報D2の調節幅d30を使用する場合の設定動作について説明する。
図10は、変形例1の初期設定動作フローの一例を示す図である。先ずステップS11からステップS14の処理について説明する。
先ず、CPU101は、図8のステップS1と同様に、DIPスイッチ103により設定された8ビットの構成番号を読み取る(S11)。
続いて、CPU101は、FlashROM104に格納された信号電圧調節情報D2から、ステップS11において読み取った構成番号に対応する調節幅可否情報d3の調節幅と可否情報のペアを抽出する(S12)。
そして、CPU101は、それらのペアから可否情報が「○/○」となる調節幅の一つを設定レジスタに設定する信号電圧調節情報として選択する(S13)。この選択は適宜の方法により行って良い。ここでは、一例として、可否情報が「○/○」となる調節幅の内、増減率の最も低いものを選択するものとする。
続いて、CPU101は、選択した調節幅をUSBホストコントローラ102の駆動電流値の設定レジスタに信号電圧調節情報として設定する(S14)。CPU101がステップS14おいて設定レジスタを設定した後は、USBホストコントローラ102はその調節幅が示す駆動電流値で駆動する。
なお、一度選択した調節幅が、その後のUSB通信においてエラーが生じるなど品質があまり良くないことが判明したとする。その場合には、作業者などのタッチ操作により初期設定画面を再度呼び出し、別の調節幅のものによる再設定動作を実施しても良い。
図10に示すステップS21〜ステップS26はその処理を示している。例えば、初期設定画面に再設定ボタンを設けて、その作業者に再設定ボタンをタッチさせる(S21)。CPU101は、再設定ボタンのタッチ操作を検出すると(ステップS21:Yes判定)、「1段」、「2段」、「3段」などの、調節幅のアップ数ボタンを画面に表示し、作業者によるアップ数ボタンのタッチ操作を受け付ける(S22)。
続いて、CPU101は、アップ数ボタンのタッチ操作を検出すると、そのアップ数(一例として「1段」とする)を一時記憶し、続いて、ステップS23からステップS24において図10のステップS11〜ステップS12と同様の処理を行う。
続いて、CPU101は、一時記憶したアップ数(「1段」)に基づき、ステップS24で抽出したペアで可否情報が「○/○」となる調節幅の内、選択基準よりも1段高い増減率の調節幅を選択する(S25)。本例では、上記選択基準を、増減率の最も低いものとしているので、増減率の最も低いものから1段高い増減率の調節幅を選択する。例えば、増減率の最も低いものが「+10%」であったならば、1段高い増減率は「+20%」となる。
そして、CPU101は、抽出した調節幅をUSBホストコントローラ102の駆動電流値の設定レジスタに信号電圧調節情報として設定し(S26)、本処理を終了する。
以上により、その後のUSB通信において、USBホストコントローラ102は、設定レジスタに再設定した駆動電流値によりを駆動する。
なお、以上に示す処理では、信号電圧調節情報D2の調節幅d30を使用しているが、調節範囲d31を使用しても良い。その場合、再設定ボタンのタッチ操作後(ステップS21:Yes判定)、アップ数ボタンに加えて刻み幅の入力ボタンを画面に表示し、作業者にアップ数と刻み幅を入力させる。CPU101は、ステップS25において、入力されたアップ数と刻み幅に基づき、ステップS24で抽出したペアで可否情報が「○/○」となる調節幅の内、選択基準より、当該刻み幅で1段高い増減率の調節幅を選択する。例えば、上記選択基準を、増減率の最も低いものとし、刻み幅「1」、アップ数「3段」が入力されたとする。その場合、増減率の最も低いものが「+10%」であったとすると、+10(%)+1(刻み)×3(段)=+13(%)となる。
以上は、機内ケーブル長を変更せずに駆動電流の調節幅のみを変更する場合の例であるが、中継ケーブル107を交換してDIPスイッチ103を設定し直す場合にはこの限りではない。そのような場合は、再設定ボタンを操作せずに、図8の初期設定動作のフローを再度行えば良い。
変形例1では、「再設定指示手段」として、初期設定画面に、再設定ボタンや、アップ数ボタンや、刻み幅の入力ボタンなどを設けている。
以上のように、変形例1では、設定情報に示す信号電圧調節情報の調節幅を複数設けることによりその複数の調節幅の中から指定した一つを設定レジスタに設定することができる。また、再設定指示手段を設けたことにより、一度設定した調節幅とは異なる調節幅を設定レジスタに再設定することができる。
(変形例2)
実施形態の複合機の変形例2として、機内伝送路長に中継基板のパターン長を追加したものについて示す。
図11は、変形例2の伝送路情報と設定情報の説明図である。これらは、図6に示す各グラフに対応するものである。図11(a)はDIPスイッチ103に設定する伝送路情報の構成表であり、図11(b)はFlashROM104が記憶する設定情報である。
図11(a)に示す変形例2の伝送路構成表F20は、構成番号f1と、中継基板パターン長f20と、機内ケーブル長f2との対応を示す構成表となっている。中継ケーブル107や中継基板P2を新規に組み付ける作業者、また、それらを交換するメンテナス作業者などは、中継基板P2や中継ケーブル107の組み付けの際などに、伝送路構成表F20から、中継基板P2のパターン長と中継ケーブル107の機内ケーブル長とに該当する構成番号を読み取り、その番号をDIPスイッチ103に設定する。例えば、中継基板P2が200mm≧パターン長>100mmの場合、構成番号f1の構成番号9〜構成番号16が該当する。更に、中継ケーブル107が1750mm≧機内ケーブル長>1500mmであれば、構成番号f1の構成番号9〜構成番号16の内の構成番号15が該当する。作業者は、その構成番号15を伝送路構成表F20から読み取り、DIPスイッチ103に二進数(00001001)を設定する。
図11(b)に示す変形例2の設定情報D20は、図7に示す設定情報D1と同様、構成番号d1と信号電圧調節情報d2とを対応付けた情報である。変形例2の設定情報D20は、中継基板P2のバターン長の追加により、パターン長の3つのグループ(100mm以下、200mm以下、300mm以下のグループ)毎に8つの構成番号と駆動電流値を示す情報とを対応付けている。
図11(b)に示す設定情報D20は、構成番号1〜構成番号8については中継基板P2のパターン長が100mm以下と短い。このため、この例では、パターン長によるインピーダンスの増加を無視し、実施形態と同様に扱い、図7に示す設定情報D1と同じ値を設定している。構成番号9〜構成番号16と、構成番号17〜構成番号24については、パターン長が100mmを超えているため、インピーダンスの増加を無視せず、パターン長の長さに応じて駆動電流の設定可能な範囲を変えている。例えば、構成番号3の機内ケーブル長(750mm≧機内ケーブル長>500mm)と同じ機内ケーブル長の構成番号11と構成番号19に着目する。構成番号3の調節幅は標準で0%であるが、パターン長を考慮した構成番号11と構成番号19は共に調節幅が+10%に増加する。
設定情報D20を使用して設定動作を行う場合、作業者はDIPスイッチ103に、伝送路構成表F20の構成番号1〜構成番号24の中から、該当する番号を設定することになる。CPU101の動作は、FlashROM104が記憶する設定情報D20を読み出すこと以外、実施形態と同様であるため、説明を省略する。
なお、変形例2では、設定情報D20において構成番号毎に一つの信号電圧調節情報を設定しているが、変形例1に示すように信号電圧調節情報の調節幅を複数設けても良いことは言うまでもない。
(変形例3)
実施形態の複合機の変形例3として、伝送路情報を中継基板に設けた場合の複合機の構成を示す。以下、実施形態と重複する説明は適宜省略し、実施形態と異なる箇所について説明する。
図12は、変形例3に係る複合機と、該複合機に接続した汎用USBデバイス装置との、USB通信に係るハードウエアブロック図を示している。図12において、図2に示す複合機100のハードウエアブロックの構成と同様の箇所には同一番号を付している。
図12に示す複合機300において、制御基板P1はI/O301を有する。中継基板P2はDIPスイッチ302を有する。
I/O301は、8つの入力ポートと8つの出力ポートを含む入出力回路である。8つの出力ポートはCPU101に接続し、8つの入力ポートは、中継基板P2のDIPスイッチ302にプルアップ接続する。プルアップの配線方法は、実施形態に示したCPU101とDIPスイッチ103の配線方法(図3参照)においてCPU101をI/O301に代えただけのものであるので、ここでの詳しい説明は省略する。
DIPスイッチ302は、伝送路情報を設定するためのもので、その構成は、第1の実施の形態に示すDIPスイッチ103と同様である。DIPスイッチ302に対する伝送路情報の設定は作業者が中継基板P2の組み付け時に行って良い。また、予め、DIPスイッチ302に伝送路情報が設定された状態で中継基板P2、中継ケーブル107、及び信号線303をセットで提供しても良い。
信号線303は、I/O301の8つの入力ポートとDIPスイッチ302に構成される8つのスイッチの端子とを接続する8本の信号ラインを表している。信号線303の両端部は、8ピンのコネクタを設けている。信号線303は、制御基板P1に設けた、I/O301の8つの入力ポートに接続される8ピンコネクタ304と、中継基板P2に設けた、DIPスイッチ302の8つのスイッチの端子に接続される8ピンコネクタ305と、信号線303の両端部のコネクタにより接続する。
次に、複合機300におけるUSBについての初期設定動作について説明する。当該設定動作は、DIPスイッチ302に設定された伝送路情報をI/O301から読み取ること以外、実施形態に示す初期設定動作の処理フロー(図8参照)と略同様である。また、予めDIPスイッチ302に伝送路情報が設定されたものを用いる場合は、その設定作業も不要となる。
すなわち、作業者は、中継ケーブル107や信号線303などを取り付けた後にUSBの初期設定動作の開始をCPU101に命令する。CPU101は、ステップS1において、I/O301からDIPスイッチ302に設定された8ビットの構成番号を読み取る。更に、CPU101は、ステップS2において、FlashROM104の設定情報D1(図7参照)から、対応する信号電圧調節情報を抽出する。そして、CPU101は、抽出した信号電圧調節情報をUSBホストコントローラ102の駆動電流値の設定レジスタに設定する。
変形例3では、中継基板P2において伝送路情報をDIPスイッチ302により設定し、設定データをI/O301にパラレルで入力する例を示した。しかし、中継基板P2においてパラレルからシリアルへ変換して、設定データをI/O301にシリアルで入力させても良い。
変形例3では、中継基板P2において伝送路情報をDIPスイッチ302により設定する例を示したが、中継基板P2に伝送路情報を記憶させたROMなどのメモリを設けても良い。その場合、制御基板P1と中継基板P2は、通信回路を設けるなどして、上記メモリの伝送路情報を中継基板P2から制御基板P1に転送する。CPU101は通信回路により転送された伝送路情報を読み取って利用する。なお、当該通信は、有線に限らず無線であっても良い。無線であれば、例えばRFIDなどが考えられる。この場合、伝送路情報が書き込まれたRFIDタグを中継基板P2に埋め込み、制御基板P1にRFIDリーダを設けて伝送路情報を読み取らせる。CPU101は、RFIDリーダが読み取った伝送路情報を利用する。
以上のように、変形例3の構成では、伝送路情報を中継基板に設けている。特に、予めDIPスイッチ302などにより伝送路情報が設定された状態で中継基板P2、中継ケーブル107などをセットで交換すると、交換の度に伝送路情報を設定する必要がなくなる。このため、作業者の手間が軽減され、設定ミスなども防げるようになる。
(変形例4)
実施形態の複合機の変形例4として、変形例3に示す中継ケーブルと伝送路情報用の信号線とを1本のケーブルにまとめた構成のものについて示す。
図13(a)は、変形例4に係る第2の中継ケーブルの構成の一例を示す図である。図13に示す第2の中継ケーブル401は、USBの+Dと−Dのデータライン40、41と、電源ライン42と、GND43と、伝送路情報用の信号線44とからなる。なお、ここでは、信号線44としてシリアル伝送用の1本の信号線を例示している。+Dと−Dのデータライン40、41はノイズ低減のため撚線にして束ねてある。各ライン40〜44は、シールド45で覆うことにより、一本のケーブルとして構成する。
図13(b)は、第2の中継ケーブル401の外観の一例を示す図である。図13(b)に示す第2の中継ケーブル401は、ケーブルの両端部において、各ライン40〜44と、対応するコネクタ(プラグコネクタ)を結線した場合の構成を示している。具体的には、USBの+Dと−Dのデータライン40、41と、電源ライン42と、GND43とをUSBのコネクタプラグ46に結線し、伝送路情報用の信号線44をピン端子47に結線する。
なお、専用のコネクタプラグ(この例では5端子構成の一つのコネクタプラグ)を準備し、ケーブルの両端部においてライン40〜44を当該専用のコネクタプラグに結線しても良い。この場合、制御基板P1の第1のUSBホストコネクタ105と中継基板P2の第2のUSBホストコネクタ15も、専用コネクタに対応するものに(この例では、5端子構成のコネクタ)変更する。
また、制御基板P1の第1のUSBホストコネクタ105と中継基板P2の第2のUSBホストコネクタ15とに変換用のコネクタを用いて上記専用コネクタを接続しても良い。
また、USBの+Dと−Dのデータライン40、41と、電源ライン42と、GND43とをシールドし、伝送路情報用の信号線44をそれとは別にシールドしたものを一本のケーブルに束ねても良い。
(変形例5)
実施形態の複合機の変形例5として、伝送路情報を中継ケーブルに設けた場合の複合機の構成を示す。以下、実施形態と重複する説明は適宜省略し、実施形態と異なる箇所について説明する。
図14は、変形例5に係る複合機と、該複合機に接続した汎用USBデバイス装置との、USB通信に係るハードウエアブロック図を示している。図14において、図2に示す複合機100のハードウエアブロックの構成と同様の箇所には同一番号を付している。
図14に示す複合機500において、制御基板P1はI/O301を有する。中継ケーブル501は変形例4に示すようなUSB用のケーブルと伝送路情報用の信号線44とを1本のケーブルにまとめたものである。変形例5に示す中継ケーブル501は、DIPスイッチ50を内蔵し、ケーブルの1端(制御基板P1と接続する側)にUSB用のコネクタ51(図15参照)と伝送路情報を出力するためのコネクタ52(図15参照)を設けている。他端は、USB用のコネクタ53(図15参照)のみとなっている。
図15は、中継ケーブル501の構成例を説明するための図である。図15に示す中継ケーブル501は、コネクタ51にDIPスイッチ50を備えている。コネクタ51の表面には、DIPスイッチ50の各スイッチSW1、スイッチSW2・・・をスライドさせて切り替えるスライド部が、作業者による切替えが可能なように露出して設けられている。
図15に示すように、DIPスイッチ50の各スイッチSW1、スイッチSW2・・・は、端子が信号線44と接続されている。
中継ケーブル501は、制御基板P1に接続されると、図15の矢印の先に示す制御基板P1のコネクタピンPIN1〜PIN4、PIN5、PIN6、・・・に接続される。これにより、各スイッチSW1、スイッチSW2・・・の各信号線44が、それぞれ、I/O301の各入力ポートn11、n12、・・・にプルアップ抵抗r1、r2・・・によりプルアップ接続される。
I/O301は、変形例3に示すI/O301(図12参照)のものと同様の8つの入力ポートと8つの出力ポートを含む入出力回路である。8つの出力ポートはCPU101に接続する。
DIPスイッチ50は、伝送路情報を設定するためのもので、その構成は、実施形態に示すDIPスイッチ103と同様である。DIPスイッチ50に対する伝送路情報の設定は作業者が中継ケーブル501の組み付け時に行って良い。また、予め、DIPスイッチ50に伝送路情報が設定された状態で例えば中継基板P2などとセットで提供しても良い。
中継ケーブル501は、USBの+Dと−Dのデータライン40、41と、電源ライン42と、GND43と、伝送路情報用の信号線44を有する。
複合機500におけるUSBについての初期設定動作については、変形例3と同様である。このため、ここでの説明は省略する。
なお、変形例5においても、変形例3と同様に、中継基板P2において伝送路情報をDIPスイッチ50により設定し、設定データをパラレルからシリアルへ変換してI/O301にシリアル入力させても良い。
また、DIPスイッチ50のように設定を変更可能にした構成のものに限らず、設定を一定値に固定した構成のものであっても良い。例えば、図15において、DIPスイッチ50を取り除き、信号線44の各線を入力状態がHIGH「1」のものについてはオープン(プルアップ接続含む)に、入力状態がLOW「0」のものについてはGNDに固定的に接続する。これにより、信号線44の各線の入力状態を伝送路情報が示す値に常時固定する。また、変形例3と同様に、伝送路情報を記憶させたROMなどのメモリを中継ケーブル501に設けても良い。例えば、RS232C等の通信回路を設けて、上記メモリの伝送路情報をCPU101に通信により読み取らせるようにする。この他、伝送路情報が書き込まれたRFIDタグを中継基板P2に埋め込み、制御基板P1にRFIDリーダを設けて伝送路情報を読み取らせるようにしても良い。
(変形例6)
実施形態の複合機の変形例6においては、機内に複数の信号伝送路を備えた構成の一例として、USB接続ポートを複数備えた複合機について示す。以下、実施形態と重複する説明は適宜省略し、実施形態と異なる箇所について説明する。
図16は、変形例6に係る複合機のUSB通信に係るハードウエアブロック図を示している。図16に示す複合機600は、制御基板P1にハブ601を備えている。ハブ601は、下流側に複数のUSBポートを有し、各USBポートにそれぞれ中継ケーブルと中継基板を1組ずつ接続する。また、制御基板P1は、I/O602と2つのDIPスイッチ603―1、603−2を備えている。
図16に示す例において、ハブ601は2つのUSBポート(第1のUSBポート604と第2のUSBポート605)を有し、各USBポート604、605に、それぞれ、中継ケーブル107−1と中継基板P2−1の信号伝送路と、中継ケーブル107−2と中継基板P2−2の信号伝送路が構成されている。
I/O602は、8個の出力ポートと16個の入力ポートを含む入出力回路である。
DIPスイッチ603−1、603−2は、それぞれ、第1のUSBポート604の伝送路情報と第2のUSBポート605の伝送路情報を設定するためのDIPスイッチである。DIPスイッチ603−1、603−2は、共に、実施形態に示すDIPスイッチ103と同様の構成のものであり、それぞれ、8つのスイッチを有する。
FlashROM104は、設定情報D2(図9参照)を記憶している。
次に、複合機600におけるUSBについての初期設定動作について説明する。作業者は、中継ケーブル107−1と中継基板P2−1のセット、及び、中継ケーブル107−2と中継基板P2−2のセットを取り付けると、各セットのそれぞれの構成番号(伝送路情報)を伝送路構成表F1(図7参照)から読み取り、前者のセットの構成番号をDIPスイッチ603−1に設定し、後者のセットの構成番号をDIPスイッチ603−2に設定する。そして、作業者は、USBの初期設定動作の開始をCPU101に命令する。
当該初期設定動作は、変形例1に示す初期設定動作のフロー(図10参照)と比べて、主に次のように動作する。複合機600のCPU101は、I/O602を通じて、各DIPスイッチ603−1、603−2に設定された伝送路情報の読み取りを行い、これらの伝送路情報に該当する信号電圧調節情報の一つをUSBホストコントローラ102の駆動電流値の設定レジスタに設定する。
具体的に、CPU101は、ステップS11(図10参照)において、I/O602からDIPスイッチ603−1に設定された8ビットの構成番号を読み取る。更に、続けて、CPU101は、I/O602からDIPスイッチ603−2に設定された8ビットの構成番号を読み取る。
続いて、CPU101は、ステップS12(図10参照)において、FlashROM104の設定情報D2(図9参照)から、ステップS11において読み取った各構成番号に対応する調節幅可否情報d3の調節幅と可否情報のペアを抽出する。
そして、CPU101は、ステップS13(図10参照)において、各ペアから可否情報が「○/○」となる調節幅の内の共に共通するものを設定レジスタに設定する信号電圧調節情報として選択する。例えば、読み取った一つ目の構成番号が「5」で、二つ目の構成番号が「3」であったとする。その場合、構成番号5において可否情報が「○/○」となる調節幅は、「+10%」と「+20%」となる。一方の構成番号3において可否情報が「○/○」となる調節幅は、「−10%」、「0%」、「+10%」、及び「+20%」となる。CPU101は、構成番号5と構成番号3で共に適合する調節幅の一つを選択する。この例では、「+10%」と「+20%」になるため、何れか一方を所定の方法で決定する。本例では、増加率のより低いものを決定するものとして「+10%」に決定する。
続いて、CPU101は、ステップS14(図10参照)において、選択した調節幅をUSBホストコントローラ102の駆動電流値の設定レジスタに信号電圧調節情報として設定する。CPU101がステップS14おいて設定レジスタを設定した後は、USBホストコントローラ102はその調節幅が示す駆動電流値で駆動する。
本例では、USBポートを2つ備えるものを一例に、DIPスイッチを2つ設けたものを示したが、USBポートのそれぞれの構成番号を設定できれば良いので、DIPスイッチの数は一つであっても良い。
また、USBポートを3つ以上備えるものにおいても、同様に、USBポートの数分の構成番号を設定できるようにDIPスイッチを設ける。例えば、USBポートの数分のDIPスイッチを設け、それらをI/Oに接続する。CPU101は、DIPスイッチに設定した構成番号の全てに適合する調節幅の一つを選択し、それを駆動電流値の設定レジスタに信号電圧調節情報として設定する。
また、本例では、DIPスイッチを制御基板P1に設けた場合の構成を示したが、変形例3に示す構成により中継基板P2に設けても良い。中継基板P2にDIPスイッチを設ける場合、中継基板P2毎にDIPスイッチを設けることが望しい。
また、上記DIPスイッチを変形例5に示す構成により中継ケーブルに設けても良い。中継ケーブルにDIPスイッチを設ける場合にも、中継ケーブル毎にDIPスイッチを設けることが望しい。
また、中継基板P2や中継ケーブルに伝送路情報を設ける場合に、DIPスイッチの代わりに、伝送路情報を記憶させたROMやRFIDタグなどを設けて、その伝送路情報を制御基板P1に読み取らせるようにしても良い。
(変形例7)
実施形態の複合機の変形例7においては、機内に複数の信号伝送路を備えた構成のその他の一例として一つのUSB接続ポートに複数の中継ケーブルと中継基板を直列に接続した構成の複合機について示す。以下、実施形態と重複する説明は適宜省略し、実施形態と異なる箇所について説明する。
変形例7に係る複合機は、第1の中継ケーブルと第1の中継基板、第2の中継ケーブルと第2の中継基板を備える。第1の中継ケーブルと第1の中継基板、第2の中継ケーブルと第2の中継基板は、この順に、第1のUSBホストコネクタ105(図2参照)と第2のUSBホストコネクタ15(図2参照)の間に直列に接続される。
FlashROM104(図2参照)は、設定情報D20(図11参照)を記憶している。
次に、当該複合機におけるUSBについての初期設定動作について説明する。作業者は、第1の中継ケーブルと第1の中継基板と、第2の中継ケーブルと第2の中継基板とを取り付けると、それぞれのケーブル長やパターン長を足し合わせた構成の構成番号(伝送路情報)を伝送路構成表F20(図11参照)から読み取り、その構成番号をDIPスイッチ103(図2参照)に設定する。そして、作業者は、USBの初期設定動作の開始をCPU101(図2参照)に命令する。CPU101は、FlashROM104が記憶する設定情報D20を読み出し、実施形態と同様の動作を行う。
なお、本例では、複数の中継ケーブルと中継基板を直列に接続する構成の一例として、第1の中継ケーブルと第1の中継基板と、第2の中継ケーブルと第2の中継基板とを直列に接続した場合の構成例を示したが、中継ケーブルや中継基板の数は任意であっても良い。
また、本例では、DIPスイッチを一つ設けた場合の構成例を示したが、中継ケーブルの数に対応させて複数のDIPスイッチを設けても良い。例えば、上述の、第1の中継ケーブルと第1の中継基板と、第2の中継ケーブルと第2の中継基板とを直列に接続した構成では、第1の中継ケーブルと第1の中継基板の第1のDIPスイッチと、第2の中継ケーブルと第2の中継基板の第2のDIPスイッチを設ける。作業者は、第1の中継ケーブルと第1の中継基板の構成番号(伝送路情報)を伝送路構成表F20から読み取り、その構成番号を第1のDIPスイッチに設定する。更に、作業者は、第2の中継ケーブルと第2の中継基板の構成番号(伝送路情報)を伝送路構成表F20から読み取り、その構成番号を第2のDIPスイッチに設定する。CPU101は、USBの初期設定動作において、FlashROM104の、調節幅(図9参照)を有する設定情報を読み出し、可否情報が「○/○」となる調節幅の内、第1のDIPスイッチに設定された構成番号と第2のDIPスイッチに設定された構成番号とに共通するものを設定レジスタに設定する信号電圧調節情報として選択する。
また、本例では、DIPスイッチを制御基板P1(図2参照)に設けた場合の構成を示したが、直列に接続する第1の中継ケーブルや、第1の中継基板や、第2の中継ケーブルや、第2の中継基板などのそれぞれに設けても良い。また、例えば中継ケーブルと中継基板などの組合せをセットに、何れかの一方にDIPスイッチを設けても良い。
また、DIPスイッチのように設定を変更可能にした構成のものに限らず、設定を一定値に固定した構成のものであっても良い。
また、中継基板や中継ケーブルに伝送路情報を設ける場合に、DIPスイッチの代わりに、伝送路情報を記憶させたROMやRFIDタグなどを設けて、その伝送路情報を制御基板P1に読み取らせるようにしても良い。
(変形例8)
実施形態の複合機の変形例8として、機内伝送路の構成エラーを通知する通知機能を有する複合機について示す。以下、実施形態と重複する説明は適宜省略し、実施形態と異なる箇所について説明する。
実施形態に示す設定情報D1(図7参照)において、構成番号d1の構成番号「7」と構成番号「8」に対応する信号電圧調節情報d2は共に「設定不可」となっている。つまり、機内伝送路の構成が「7」と「8」の場合は、標準値を含めて、設定できる値がないことを示している。変形例8の複合機では、そのような場合に、作業者に「設定不可」であることを通知するため、FlashROM104に報知画面の情報を記憶し、その報知画面を表示ディスプレイ14の画面に表示させる。
具体的な動作について、実施形態の初期設定動作フロー(図8参照)に基づいて説明する。先ず、ステップS1において、CPU101は、DIPスイッチ103により設定された8ビットの構成番号を読み取る。
続いて、CPU101は、ステップS2においては、FlashROM104の設定情報D1から、読み取った構成番号に対応する信号電圧調節情報を抽出する。
ここで、CPU101は、抽出した信号電圧調節情報が「設定不可」を示す情報であるか否かを判定し、「設定不可」を示す情報であった場合に、FlashROM104に記憶させた報知画面の情報を表示ディスプレイ14の画面に報知画面(図17参照)として表示させる。その後、報知画面がクリアされると当該処理を終了する。
その後、作業者が短い中継ケーブルに付け替えるなどしてDIPスイッチの構成番号の設定を変更し、再び、初期設定動作フローを開始するとする。この場合、CPU101は、変更後の構成が「設定不可」の構成でなければステップS1〜ステップS3の処理を順次行って、信号電圧調節情報を駆動電流値の設定レジスタに設定する。
図17は、表示ディスプレイ14の画面に表示された報知画面の一例を示す図である。図17に示す報知画面H1は、報知情報h1とOKボタンh2を含んでいる。報知情報h1は、機内に取り付けた中継ケーブルや中継基板が「設定不可」の構成であることを作業者に伝えるメッセージ情報を示すエリアである。報知情報h1により、中継ケーブルの長さを変更するなどの構成の変更を作業者に促す。OKボタンh2は、作業者によるタッチ操作によりCPU101に初期設定プログラムの終了を指示するための操作ボタンである。
なお、本例では、機内に取り付けた中継ケーブルや中継基板が「設定不可」の構成であることを作業者に通知する通知手段として表示ディスプレイ14に報知画面H1を出力する形態について示したが、作業者に通知する手段はこの限りではない。音声メッセージを流したり、ブザーを鳴らしたり、LED等の光学素子を点灯させるなど、「設定不可」の構成であることが分かるものであれは適宜変更しても良い。
本実施形態及び各変形例では、機内伝送路の構成を示す伝送路情報を中継ケーブルのケーブル長や中継基板のパターン長などとしたが、伝送路情報をこれらに限定するものではない。伝送路情報は、機内伝送路のインピーダンスに影響を及ぼすものを適宜因子として含めても良い。例えば、中継ケーブルの信号線の材質、太さ、中継基板の回路パターンの幅、厚み、プレーン間距離、EMI対策のコモンモードフィルタの有無、各種コネクタの材質等を適宜含めても良い。その場合、各因子により分類されるそれぞれの構成を伝送路情報構成表F1、F20に設定し、それぞれに対応する信号電圧調節情報を設定情報D1、信号電圧調節情報D2、設定情報D20に設定する。
本実施形態及び各変形例では、伝送路情報をDIPスイッチの設定により記憶させる構成のものを示したが、伝送路情報記憶手段をこれに限定するものではない。例えば、FlashROMなどのメモリに伝送路情報を記憶させても良い。伝送路情報は、予め記憶させておいても良いし、中継ケーブル等の接続時に上記メモリに設定しても良い。
実施形態及び各変形例において、係る通信装置を複合機に適用した例を示した。実施形態及び各変形例では、スキャナやプリンタの機能を搭載した複合機について示したが、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機への適用が可能である。また、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置のいずれに対しても適用が可能である。
また、複合機への適用は一例であり、係る通信装置をその他の機器へ適用することも可能である。例えば、USBのような電流駆動で差動信号による通信を行う機器であれば、プロジェクタやテレビ会議システムなどを一例とする「画像処理装置」や、携帯電話、携帯型情報端末などの「移動端末」、「情報処理装置」などへの適用も可能である。また、車両等が搭載する機器への適用も可能である。
実施形態及び各変形例で実行されるプログラムは、FlashROMなどのメモリ部に予め組み込まれて提供するものとしているが、これに限定されるものではない。実施形態及び各変形例で実行されるプログラムを、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供してもよい。例えば、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、フレキシブルディスク、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(登録商標)、半導体メモリ等の記録媒体に記録して提供してもよい。
また、実施形態及び各変形例で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態及び各変形例で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
実施形態及び各変形例で実行される初期設定プログラムは、設定部(上述した設定手段)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上記記憶媒体から当該プログラムを読み出して実行することにより上記設定部が主記憶装置上にロードされ、設定部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。